(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666587
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】モジュール式リクライニング機構と回転リクライナ用サイドメンバー
(51)【国際特許分類】
A47C 1/024 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
A47C1/024
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-524874(P2012-524874)
(86)(22)【出願日】2010年8月12日
(65)【公表番号】特表2013-501593(P2013-501593A)
(43)【公表日】2013年1月17日
(86)【国際出願番号】US2010045335
(87)【国際公開番号】WO2011019922
(87)【国際公開日】20110217
【審査請求日】2013年5月28日
(31)【優先権主張番号】61/233,330
(32)【優先日】2009年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ヒエムストラ、 ブルース エイ.
(72)【発明者】
【氏名】カプスキー、 マイケル ジェイ.
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−046917(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0061183(US,A1)
【文献】
特表2010−507518(JP,A)
【文献】
特開2007−229055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートアセンブリであって、
シートバックと、
前記シートバックに連結されたサイドメンバーであって、下部支持面と上部支持面とを有する統一取り付け面を含み、前記下部支持面と前記上部支持面が同一平面内に整列されたサイドメンバーと、
実質的に前記統一取り付け面と整列された後部取り付け面を有するモジュール式取り付けプレートと、
前記サイドメンバーと前記モジュール式取り付けプレートの一方に連結された5ドア用リクライニング機構と、
前記モジュール式取り付けプレートに連結され、前記5ドア用リクライニング機構と係合するラッチアセンブリと
を備えるシートアセンブリ。
【請求項2】
前記モジュール式取り付けプレートが上部溶接部を含み、前記上部溶接部が前記上部支持面に溶接される、請求項1に記載のシートアセンブリ。
【請求項3】
前記モジュール式取り付けプレートが軸方向取り付け面を含み、前記軸方向取り付け面が前記下部支持面と係合する、請求項2に記載のシートアセンブリ。
【請求項4】
前記5ドア用リクライニング機構が、前記サイドメンバーに前記下部支持面で溶接される外歯車を含む、請求項2に記載のシートアセンブリ。
【請求項5】
前記モジュール式取り付けプレートに連結されたアセンブリブラケットをさらに含む、請求項4に記載のシートアセンブリ。
【請求項6】
前記統一取り付け面が平面である、請求項1に記載のシートアセンブリ。
【請求項7】
前記下部支持面と前記上部支持面が同一平面内にある、請求項1に記載のシートアセンブリ。
【請求項8】
前記モジュール式取り付けプレートが、前記上部支持面と係合し且つ前記上部支持面の溶接領域に溶接される上部溶接面と、前記下部支持面と少なくとも部分的に係合する軸方向取り付け領域とをさらに含む、請求項1に記載のシートアセンブリ。
【請求項9】
シートアセンブリ用リクライニング機構であって、
取り付けプレートと、
それに組み付けられた5ドア用リクライニング機構であって、所定数の歯を有し且つ歯車キャビティを含む外歯車と、少なくとも1つ少ない歯と軸方向内側面とを有し且つ前記歯車キャビティ内に配置された内歯車と、前記軸方向内側面と係合する軸受と、ウェッジキャリアと、前記ウェッジキャリアと前記軸受との間に配置されたウェッジと、ばねと、前記ウェッジキャリアを駆動する外側キャップとを含む5ドア用リクライニング機構と、
前記取り付けプレートに連結され且つ前記5ドア用リクライニング機構を取り囲むアセンブリブラケットと、
サイドメンバーであって、前記5ドア用リクライニング機構が前記サイドメンバーに下部支持面で連結され、前記取り付けプレートが前記サイドメンバーに少なくとも前記サイドメンバー上の上部支持面で連結されるサイドメンバーと、
前記5ドア用リクライニング機構の前記外歯車と係合し且つ前記取り付けプレートに連結されたラッチアセンブリと
を備えるリクライニング機構。
【請求項10】
前記5ドア用リクライニング機構と前記取り付けプレートが前記サイドメンバーに溶接される、請求項9に記載のリクライニング機構。
【請求項11】
前記取り付けプレートが、上部溶接面と、軸方向取り付け面によって囲まれた軸方向穴とを有し、前記上部溶接面が前記上部支持面と係合し且つ前記上部支持面の溶接領域に溶接され、前記軸方向取り付け面が前記下部支持面と係合する、請求項9に記載のリクライニング機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際特許出願は、「回転リクライナ用モジュール式サイドメンバー」という発明の名称で2009年8月12日に出願した米国仮特許出願第61/233,330号の利益を主張するものであり、上記出願の開示全体が、本出願の開示の一部と見なされ、参照により本明細書に含まれるものとする。
【0002】
本発明は、車両シート用調整装置に、より詳細には、車両シートのシートバックが車両シートのベースに対して相対的に移動することを可能にする傾斜調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
この傾斜装置はまたリクライニング機構とも呼ばれ、一般に、シートベースに対するシートバックの相対的な傾斜調整を提供するために互いに相対的に移動可能な内歯車と外歯車とを含む。一般的に、内歯車は、外歯車内に嵌め込まれ、少なくとも1歯小さく、それにより、回転調整要素が偏心リングまたはキャリアを軸周りに駆動し、ウェッジセグメントが引きずられて回転軸の周りに偏心して押し込まれるようにすると、外歯車が軸の周りで径方向に移動する。一般的に、キャリアおよびウェッジセグメントの1回転に対して、外歯車は軸の周りを約10度動かされる。シートバックが好ましい調整位置になると、内歯車と外歯車は、内歯車と外歯車を確実に噛み合ったままにするウェッジセグメントによって、相対的な移動がロックされる。
【0004】
上記回転機構は、一般的に5ドア用回転リクライニング機構と呼ばれている。5ドア用リクライニング機構は、リヤシートが単独のドアを有する車両シートに適している。例えば、5ドア用リクライニング機構は、セダン、SUV、およびミニバンのフロントシートによく見られる。しかし、クーペのフロントシート、ステーションワゴン、SUV、ミニバンの中央シート、5ドアまたはハッチバック車のリヤシートなどの一部のシート位置については、時にはシートバックを前方へ自由に旋回可能にすることが望ましい。例えば、5ドア用回転リクライニング機構を使用せずに迅速に出入りすることを可能にするために、シートバックを折り畳むことが望ましい場合がある。一般的に、一定の条件でシートベースに対するシートバックの自由な動きを可能にするこれらの追加機能を含むリクライニング機構は、3ドア用回転リクライニング機構と呼ばれている。3ドア用リクライニング機構は、一般に、軽微な変更で修正された上記5ドア用機構と、外歯車の外端にある歯車の歯と係合する付加的なラッチアセンブリとを含む。一般に、ラッチアセンブリは、シートバックが、3ドア用リクライニング機構に含まれる5ドア用リクライニング機構から独立して回転し得るように、5ドア用リクライニング機構の外歯車との係合から解放されることを可能にする。一部の実施形態では、車両シートバックの自由な回転はまた、一般的には車両シートから容易に出入りできるように、追加要素によって軌道が解放され、シートが一動作で前方にスライドすることを可能にする。
【0005】
従来、5ドア用リクライニング機構はシートバック上のサイドメンバーに取り付けられ、サイドメンバーは構造的な剛性をもたらし、且つシートバックのフレームに連結されるように構成された。5ドア用リクライニング機構は、一般的に、このサイドメンバーに、概して
図3に示すように溶接された。しかしながら、リクライニング機構が、別名3ドア用リクライニング機構として知られるアッパーマウント5ドア用機構を含むことが必要な場合、5ドア用リクライニング機構でシートバックに使用されるサイドメンバー200は3ドア用リクライニング機構では使用可能ではなく、同様に
図3に示される、オフセット(段壁)202を有する、異なるサイドメンバー201の使用を必要とした。したがって、従来のサイドメンバー200は、5ドア用リクライニング機構のみが設置される場合の平坦な接合部分204を含んでいたが、アッパーマウント5ドア用機構または3ドア用リクライニング機構も設置される場合は、別の従来のサイドメンバー201が、オフセット202と、3ドア用リクライニング機構のラッチアセンブリが取り付けられる隆起した取り付け部206とを含んでいた。したがって、これまでの各サイドメンバー200、201は、関連するリクライニング機構の取り付けを可能にするための独特な特定の表面の輪郭を有していた。これは、5ドア用リクライニング機構で使用するように設計されたサイドメンバー200に3ドア用リクライニング機構を取り付ける方法がなかったので、所望の取り付けと小型のパッケージサイズとを得るために必要とされた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シートバックの多くは別の工場で形成され、他の場所での組み立てのために出荷されるので、シートベースに対してそれぞれ異なるサイドメンバー200または201を含む2つの異なるシートバックを作って組み立てるには、追加の組み立て時間と同様に増大した在庫スペースが必要となる。この追加の在庫の必要性と追加の処理は望ましいことではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一般にシート用調整装置に、より詳細にはシートバック用傾斜調整装置に関するものである。リクライニング機構としても知られる調整装置は、車両シートに結合し、モジュール式取り付けプレートによって、追加のリクライニング機構を有する必要なく、5ドア用及び3ドア用リクライニング機構の取り付けを可能にする統一取り付け面を有するサイドメンバーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】車両内のシート位置および車両シート上のリクライニング機構を示す、仮想線での車両の斜視図である。
【
図2】仮想線で示すシートバックの様々な位置と共にリクライニング機構を含む車両シートの側面図を示す。
【
図3】アッパーマウント5ドア用機構または3ドア用リクライニング機構での取り付けのためのオフセットを有するシートバックへの取り付けのための従来のサイドメンバーと、直接またはセンターマウント5ドアリクライニング機構への取り付けのためのオフセットを有する第2の従来のサイドメンバーとを示す。
【
図4】5ドア用リクライニング機構に連結されたサイドメンバーと3ドア用リクライニング機構に連結された同じサイドメンバーの側面概略図である。
【
図5】サイドメンバーへの5ドア用機構の取り付けを示す。
【
図5A】サイドメンバーに装着された5ドア用機構の背面斜視図を示す。
【
図6】サイドメンバーと、サイドメンバーに装着される5ドア及び3ドア用リクライニング機構を単独で示す。
【
図6A】モジュール式取り付けプレートと、それに装着された5ドアおよび3ドア用機構の正面斜視図を示す。
【
図7A】サイドメンバーに連結された手動不連続5ドア用リクライニング機構の背面図および側面図を示す。
【
図7B】サイドメンバーに連結された5ドア用回転リクライニング機構の背面斜視図及び側面図を示す。
【
図7C】サイドメンバーに連結された5ドア用回転リクライニング機構と溶接の位置の背面斜視図を示す。
【
図8A】モジュール式取り付けプレートを含む3ドア用回転リクライニング機構の正面図を示す。
【
図8B】溶接位置を含むサイドメンバーに取り付けられた3ドア用回転リクライニング機構の側面図および背面図を示す。
【
図9】5ドア用回転リクライニング機構の分解斜視図と組み立てられた5ドア用回転リクライニング機構の正面および背面図である。
【
図10】左側の5ドア用回転リクライニング機構の外歯車と右側の3ドア用回転リクライニング機構の外歯車の違いを示す。
【
図11】修正された5ドア用回転リクライニング機構と、ラッチアセンブリと、ダンプ機構と、モジュール式取り付けプレートとを含む3ドア用回転リクライニング機構のアセンブリの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1および2に示す本発明は、車両12のシートアセンブリ20に組み付けられる回転リクライニング機構30を対象とする。シートアセンブリ20は、一般に、シートバック22とシートベース24とを含む。シートアセンブリ20は、電動回転リクライニング機構30が回転軸26を中心にシートベース24に対して相対的にシートバックを動かすように構成されている。より詳細には、回転リクライニング機構30は、主に、乗員が自分のシート位置の快適さを最大限に高めることができるように、シートバック22の傾斜をもたらすように構成される。機構30は、ボタンを押すと、機構30が回転軸26を中心にシートベース24に対して相対的にシートバック22を動かすように動力を供給される。
【0010】
回転リクライニング機構30は、一般に、シートバック22に連結された、より詳細には一般的にシートバックのフレーム(図示せず)に連結されたサイドメンバー180と、5ドア用リクライニング回転機構40または3ドア用回転リクライニング機構130の一方とから組み立てられる。3ドア用回転リクライニング機構130は、一般に、軽微な変更を有する5ドア用回転リクライニング機構40を含み、回転リクライニング機構30のパワーチルト機構と係合せずに選択的にシートバックを自由に旋回させることができるラッチアセンブリ134と、モジュール式取り付けプレート150とを追加する。より詳細には、5ドア用回転リクライニング機構40は、一般的に、出入りすることまたは追加のカーゴスペースを設けるためにシート20を収容することを可能にするためにシート20を前方に傾けてスライドする必要がない車両シート用に構成されている。したがって、ほとんどのセダン、ミニバン、SUV、クロスオーバー、2つ以上の乗員ドアを有する他の車両において、車両のフロントシートは、一般的に、5ドア用回転リクライニング機構40を含む。残りのシートは、5ドア用回転リクライニング機構40または3ドア用回転リクライニング機構130のどちらかを含み得る。選択されたリクライニング機構30は、一般に、より遅いシートのパワーチルト機能と係合せずにシートをすばやく前方に傾けることが望ましいか否かが判定される。例えば、3ドア用回転リクライニング機構130は、前方乗員席の2つの乗員ドアのみを有するクーペに特に適用可能であり、ラッチボタンを押すと、外歯車90からのラッチアセンブリ134の係合解除が可能になり、それによって軸26の周りで自由に且つ迅速にシートバック22を旋回させることができる。この機構130はまた、カーゴスペースまたはより簡単な出入りのために、座席をフラットに折り畳むことかシートバック22を完全に前方に傾けることのいずれかが望ましい、SUV、クロスオーバー、ミニバン、及び、ハッチバック及びセダンを含む他の車両のリヤシートまたは中列のシートに設置することができる。加えて後述するように、3ドア用回転リクライニング機構はまた、シートベース22の前後の動きを制御するトラック(図示せず)と相互接続することができる。より詳細には、シートバック22が前方に旋回されると、シートベース24が車両12への出入りを改善するべく邪魔にならないように容易に前方にスライドし得るように、トラックの係合を解放する。
【0011】
サイドメンバー180は、5ドア用リクライニング機構40と3ドア回転リクライニング機構130の両方の同様な取り付けを可能にするように構成されている。以前は、リクライニング機構40、130の各タイプは、在庫コストや組み立て時間を増大させる、異なるサイドメンバー200、201を必要としていた。サイドメンバー180は、軸方向穴188を有する下部支持面184と、5ドア用回転リクライニング機構40が溶接され得る溶接領域186とを提供するように構成される。サイドメンバー180は、回転リクライニング機構40、130の各々の取り付けを可能にするように設計され、隆起した取り付け部を作り出すように上記オフセット202を有していない。代わりに、3ドアおよび5ドア用回転リクライニング機構40、130に対して同じデザインであるサイドメンバー180が、モジュール化され、各用途で使用される。代わりに、サイドメンバー180は、上記下部支持面184と上部支持面190とを提供するために、リクライニング機構30の回転軸26を中心に円周方向に且つ回転軸から離れて延びる統一取り付け面182を含む。取り付け面182は、後述するようにモジュール式取り付けプレート150の後方取り付け面156と一致する実質的に平坦な面または構成面に沿って延びる。したがって、サイドメンバー180は、モジュール式取り付けプレート150の面156に合う表面輪郭を有する。言い換えると、取り付け面182は、凹んでも、
図3の従来技術のサイドメンバーに示されるオフセットから形成されてもいない。下部支持面184と上部支持面190の両方が、5ドア用リクライニング機構40と3ドア用リクライニング機構130のモジュール式取り付けプレート150の溶接を可能にする溶接領域186を含む。後述するように、5ドア用リクライニング機構30の場合は、外歯車90がサイドメンバー180に溶接される面102を含んでもよい。3ドア用リクライニング機構の場合は、ラッチアセンブリ132が、溶接などによってモジュール式取り付けプレート150に連結され、次いでモジュール式取り付けプレートがサイドメンバー180に溶接される。さらに図に示すように、モジュール式のサイドメンバー180は、ラッチアセンブリ132など、リクライニングの他の構成要素を取り付けるための、上部支持面190にも及ぶ統一取り付け面182を提供するように形成される。しかしながら、上面190もまた、モジュール式取り付けブラケット150の面156と一致する平面に沿って延びることができる。サイドメンバー180の重要な特徴は、それが5ドア用回転リクライニング機構40だけの個々の取り付け、または5ドア用回転リクライニング機構40(外歯車90などに軽微な変更を含む)の組み合わせから形成される3ドア用回転リクライニング機構130の取り付けを、ラッチアセンブリ134とモジュール式取り付けプレートとの組み合わせで可能にするように構成されていることである。5ドア用リクライニング機構40のサイドメンバー180への取り付けが、
図5及び5Aに明瞭に示されている。ラッチアセンブリ134と5ドア用回転リクライニング機構40が取り付けられたモジュール式取り付けプレート150を含む3ドア用回転リクライニング機構130の取り付けは、したがって
図6および6aに示されるように溶接によってさらにサイドメンバー180に取り付けられる。
図7A、7B、および7Cは、5ドア用リクライニング機構40のサイドメンバー180に対する取り付けと溶接位置32とを異なる視点からさらに示す。
図8A及び
図8Bはまた、ラッチアセンブリ134と、モジュール式取り付けプレート150と、サイドメンバー180に対して一意的に構成された5ドア用回転リクライニング機構40から形成された3ドア用回転リクライニング機構130の取り付けを、モジュール取り付けプレート150の上部溶接面152に溶接されるように構成された下部溶接部132および上部溶接部134と共に示す。
【0012】
5ドア用回転リクライニング機構40は、
図9において分解斜視図と正面および背面図で詳細に示されている。5ドア用回転リクライニング機構40は、電動リクライニングを提供するように様々な構成で作られ得るが、本発明は、内歯車80が入れられる外歯車90を使用する。内歯車80は外歯車90内に嵌まり、内歯車80が外歯車90の内部で駆動されたとき外歯車が一般的に約10度半径方向に回転させられるように、より詳細にはシートバックの角度が10度変わるように、外歯車90より1以上少ない歯車の歯を有する。当然ながら、別の歯車の構成を使用してもよいが、これが最も一般的なシステムである。一般に、5ドア用回転リクライニング機構40は、
図9に示すように、外側キャップ42と、ばね44と、ウェッジ46と、ウェッジキャリア50と、軸受60と、アセンブリブラケット70と、歯車リテーナーブラケット76と、内歯車80と、外歯車90と、リテーナー98とを含む。
図9のこれらのアイテムは、
図9の分解斜視図の上に示した5ドア用回転リクライニング機構40に組み込まれている。一般的に、電源機構(図示せず)が外側キャップ42を回転させ、次いで外側キャップ42が軸受60の内側でウェッジキャリア50を駆動し、ウェッジキャリア50が回転軸26を中心にウェッジ46を半径方向に移動させる。ウェッジ46が軸受60を内歯車、詳細には内歯車80によって画定される円周内面82に押し付ける。軸受60がこのウェッジと内側で接触し、次いで軸受60は、内歯車80の歯84が外歯車90の歯96と係合することを確実にするように内歯車に圧接する。外歯車90がサイドメンバー80に溶接されるので、外歯車が回転軸26を中心に旋回するとき、サイドメンバー180もまた回転軸26を中心に旋回させられ、それによってシートバック22への傾斜をもたらす。
【0013】
外歯車90は、一般に、内側部分100と、中間部分110と、外側部分120とを含む。また、軸方向穴92が、内側部分100を通って延びている。内側部分100は通常、オプションの隆起部128を有するように構成され、隆起部128はサイドメンバー18と接触するように隆起し且つそれにより溶接面102を有し、溶接面102は溶接領域186またはより詳細には下部支持面18と係合する。中間部分は内側部分100と外側部分120との間に延びるように形成され、内側部分100は外側部分120とは異なる平面に位置する。より詳細には、中間部分は内歯車80が入れられる、内歯114を備えた歯車キャビティ116を有するように構成される。当然ながら、ほとんどの成形プロセスによって、中間部分110もまた外歯112を含むことができるが、これらは一般的には使用されていない。外側部分120は、一般に、平均的な5ドア用機構上に、滑らかなまたは丸い形状の外端120を含む。
【0014】
5ドア用回転リクライニング機構40をラッチアセンブリ134と組み合わせて3ドア用回転リクライニング機構130にする場合、外歯車90は
図10に示すように外端122にオプションの歯124を与えられる。
図10は、5ドア用回転リクライニング機構40で使用される外歯車90と、3ドア用回転リクライニング機構130で使用される外歯車90との違いを示す。より詳細には、単一の5ドア用回転リクライニング機構40の場合、外歯車90は、それがオプションの隆起部128を含み、且つ一般に、外端122に歯車の歯124を含まないように変更されている。3ドア用回転リクライニング機構130で使用する場合、個々の5ドア用回転リクライニング機構40は異なる外歯車90を有し、この外歯車90は、オプションの隆起部128を含まず、一般にその領域が薄く形成され、代わりに、ラッチアセンブリ134が係合することができるオプションの歯車の歯124を外端122に含む。
【0015】
上述のように3ドア用回転リクライニング機構130は、一般に変更された5ドア用回転リクライニング機構40と、ラッチアセンブリ134とから形成され、それらはモジュール式取り付けプレート150上に配置され、次いでモジュール式取り付けプレート150がサイドメンバー180に溶接される。3ドア用回転リクライニング機構130をサイドメンバー180に取り付けることと、5ドア用回転リクライニング機構40をサイドメンバー180に取り付けることとの違いで最も重要なことは、モジュール式取り付けプレート150の使用である。モジュール式取り付けプレート150は、一般に、サイドメンバー180の輪郭と似た輪郭を有しており、それによって溶接領域186を特に下部支持面184と上部支持面190に提供するように構成される。下部支持面184にある溶接領域186は、一般的に、5ドア用回転リクライニング機構40で使用されるものと同じであるが、モジュール式取り付けプレート150はまた上部支持面190を使用してサイドメンバー180に溶接され、サイドメンバー180上の溶接領域186がモジュール式取り付けプレート上の上部溶接面152に溶接される。モジュール式取り付けプレート150は特に、5ドア用回転リクライニング機構40単独の、または3ドア用回転リクライニング機構130の、モジュール式取り付けプレート150を介した単一の輪郭付けサイドメンバー180への取り付けを可能にし、サイドメンバー180は装着されるものに依存して変わることがなく、それにより、製造コストや在庫コストを削減することができる。より詳細には、サイドメンバー180はシートバック22に取り付けられるように構成されるので、様々な型のサイドメンバー180を在庫とすることは、本発明の必要な部品の低減に比べて、必要な在庫コストおよびスペースを大幅に増大させる。より詳細には、必要なバリエーションは、モジュール式取り付けプレートにそれ自身で取り付けられしたがって単一のアイテムである3ドア用回転リクライニング機構130と、単独の5ドア用回転リクライニング機構40と、サイドメンバー180だけである。これにより、在庫に保持される部品の数が最低でも3つに削減され、また、モジュール式取り付けプレート150上の3ドア用回転リクライニング機構130を在庫として持つことは、各々が異なるサイドメンバー180を有する2つの異なるシートバック22を在庫として持つよりも、必要とするスペースが大幅に小さくなるように、個々の部品のより小さな構成が可能になる。
【0016】
モジュール式取り付けプレート150は、
図6および6Aに最も明確に示されている。モジュール式取り付けプレート150は、軸方向穴154を有するように構成され、外歯車90は依然として 軸方向穴154を通してサイドメンバー180に溶接され得る。モジュール式取り付けプレート150は、さらにサイドメンバー180に上部溶接面152と上部取り付け面190とで溶接される。
【0017】
3ドア用回転リクライニング機構130はさらにラッチアセンブリ134を含み、ラッチアセンブリ134は外歯車90に係止することが可能な既知のまたは望ましいラッチアセンブリでもよい。上記のように、ラッチアセンブリ134は、一般に、5ドア用回転リクライニング機構40を介してパワーチルトまたはリクライニング機構と係合せずに、回転軸26を中心とするシートベース24に対するシートバック22の自由な回転を可能にするように構成される。3ドア用回転リクライニング機構130の分解図が、モジュール式取り付けプレート150と、オプションのダンプリング140と、特別に構成された5ドア用回転リクライニング機構40と、ラッチアセンブリ134を含むように、さらに
図11に示されている。ダンプリング140は、場合によっては必要とされないかもしれないが、一般に、シートバック22がラッチアセンブリ134によってリクライニングされたときにシートアセンブリの自由な前後の動きを可能にするために、トラックアセンブリとの係合を解除するために使用される。より詳細には、ラッチアセンブリ134は、外歯車90の外側部分120にあるオプションの歯車の歯124と係合し、これらのオプションの歯車の歯124から解放されたとき、5ドア用回転リクライニング機構40から独立したシートベース24に対するシートバック22の相対的な旋回を可能にする。ダンプリング140が含まれる場合、このシートバック22の旋回はまたダンプリング140を旋回させ、ケーブルマウント142がケーブル(図示せず)に接続され、ケーブルがシートアセンブリ20のトラックアセンブリにある係合解除部材を引張り、それによって自由な動きを可能にする。これは、シートバック22を傾けるだけでなく、より容易に出入りすることを可能にするためにシートベース24をトラックに沿って移動させ、その後すぐにその所望のシート位置に戻す必要がある、クーペまたは他のシートなどにおいて特に有用である。
【0018】
さらに
図11に示すように、一部の実施形態において、溶接エンドキャップ170は、サイドメンバー180の代わりにモジュール式取り付けプレート150に5ドア用回転リクライニング機構40を溶接するために使用され得る。したがって、5ドア用回転リクライニング機構の代わりに、3ドア用実施形態は回転軸を中心にモジュール式取り付けプレートを駆動し、モジュール式取り付けプレートもサイドメンバー180に溶接されるならば、それはまた、シートバックを傾斜するように駆動する。しかしながら、5ドア用回転リクライニング機構40が直接サイドメンバーに溶接されていないので、これにより、ラッチアセンブリ134が外歯車90から係合解除されたとき、回転軸26を中心にシートバック22の所望の自由な旋回が可能になる。