特許第5666707号(P5666707)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666707
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】光学ガラス及び光学部品
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/068 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
   C03C3/068
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-526303(P2013-526303)
(86)(22)【出願日】2011年7月5日
(65)【公表番号】特表2013-536791(P2013-536791A)
(43)【公表日】2013年9月26日
(86)【国際出願番号】CN2011076847
(87)【国際公開番号】WO2012122763
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2013年3月4日
(31)【優先権主張番号】201110059464.6
(32)【優先日】2011年3月11日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201110157458.4
(32)【優先日】2011年6月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512264046
【氏名又は名称】成都光明光▲電▼股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】匡波
(72)【発明者】
【氏名】李小春
【審査官】 正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−004023(JP,A)
【文献】 特開2009−167075(JP,A)
【文献】 特開2007−269584(JP,A)
【文献】 特開2011−093780(JP,A)
【文献】 特開昭53−144913(JP,A)
【文献】 特開2007−106611(JP,A)
【文献】 特開2008−001551(JP,A)
【文献】 特開2010−111527(JP,A)
【文献】 特開2011−230992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00−14/00
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分、即ち、
2wt%〜10wt%のSiO2
8wt%〜15wt%のB2O3
25wt%〜45wt%のLa2O3
10wt%〜35wt%のGd2O3
2wt%〜10wt%のZrO2
3wt%〜3.9wt%のWO3
5wt%〜12.9wt%のTa2O5
0wt%〜5wt%のY2O3+Yb2O3
0wt%〜5wt%のNb2O5
0wt%〜5wt%のZnO;
0wt%〜3wt%のBaO;
0wt%〜3wt%のSrO;
0wt%〜3wt%のCaO;
を含んでなると共に、屈折率が1.86〜1.89であり、アッベ数が38.5〜42.0であり、透過比が70%時の対応波長が380nm以下である、ことを特徴とする光学ガラス。
【請求項2】
6wt%〜9wt%のSiO2を含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項3】
10wt%〜14wt%のB2O3を含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項4】
30wt%〜40wt%のLa2O3を含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項5】
15wt%〜30wt%のGd2O3を含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項6】
20wt%〜30wt%のGd2O3を含んでなる、ことを特徴とする請求項5に記載の光学ガラス。
【請求項7】
6wt%〜11wt%のTa2O5を含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項8】
7wt%〜10wt%のTa2O5を含んでなる、ことを特徴とする請求項7に記載の光学ガラス。
【請求項9】
1wt%〜4wt%のY2O3+Yb2O3を含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項10】
1wt%〜4wt%のNb2O5を含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項11】
1wt%〜5wt%のZnOを含んでなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学ガラスでできた光学部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスの技術領域に関し、より具体的に言えば、光学ガラスと光学部品に関するものである。
【0002】
なお、本願では、2011年3月11日に中国特許管理局に提出した申請番号が201110059464.6、発明名称が「光学ガラスと光学部品」である中国特許出願の優先権、及び、2011年6月13日に中国特許管理局に提出した申請番号が201110157458.4、発明名称が「光学ガラスと光学部品」である中国特許出願の優先権の、すべての内容が引用によって本願に結合されることを要求する。
【背景技術】
【0003】
光学ガラスは、光学計器あるいは機械的なシステムのレンズ、プリズム、反射鏡とウィンドウなどを造るためのガラス材料である。光学ガラスは透過性が良く、屈折率が高いので、眼鏡レンズ、カメラ、デジタルビデオカメラ、望遠鏡、顕微鏡とレンズなどの光学計器を造ることに広く応用されている。ここ数年来、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどが日に日に普及するにつれて、光学ガラスへの需要が増加するだけでなく、光学ガラスの性能への要求も高くなっている。
【0004】
屈折率が高くて光分散性が低い光学ガラスは今現在の画像化装置の中でよく使われている。例えば、中国特許CN101360691Aが公開した光学ガラスは、屈折率が1.5−1.65およびアッベ数が50−65である。中国特許CN1704369Aが公開した光学ガラスは、屈折率が1.85−1.90およびアッベ数が40−42である。
【0005】
現在、屈折率が1.86−1.89、アッベ数が38.5−42.0である光学ガラスが広く研究されている。上述の光学性能に達成するため、一般的に成分の中で大量のTa2O5を添加する。例えば、申請番号が200810304963.5である中国特許の文献に記載された、屈折率が高くて光分散性が低い光学ガラスは、その含有量がB2O3:6%−17%、Si02:2wt%−10wt%、25%<La203<45%、Gd2O3:5wt%−25wt%、19wt%<Ta2O5<27wt%、0.01wt%<Sb2O3<0.1wt%である。
【0006】
上記の光学ガラスの中、Ta2O5は屈折率が高く、光分散性が低い光学ガラスを造るための必要な成分で、光学ガラスの屈折率を高めることができる。しかし、Ta2O5はレアアースの原料として、価格がとても高いのである。上述の光学ガラスはTa2O5の含有量が高いので、光学ガラスのコストも高くなる。そのため、Ta2O5の含有量が低くてしかも屈折率が1.86−1.89、アッベ数が38.5−42.0である光学ガラスを製造しなければならない。
【0007】
そのほか、申請番号が200910001182.3である中国特許の文献に記載された、屈折率が1.9以上、アッベ数が38以下の光学ガラスは、その含有成分のTi02は光学ガラスのアッベ数を下げることができる。しかし、Ti02はガラスの着色に影響が強く、光学ガラスの透過率を下げることができる。光学システムと部品がガラス材料の透過率への要求がますます高くなり、ガラスの透過率がよくないと、レンズの透過光量が少なくなる。それ故、屈折率が高くて光分散性が低いという性能を満足させるとともに、光学ガラスの透過率を高めなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許CN101360691A
【特許文献2】中国特許CN1704369A
【特許文献3】中国特許出願第200810304963.5号
【特許文献4】中国特許出願第200910001182.3号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題(目的)は、Ta2O5の含有量が低く、屈折率が1.86−1.89で、アッベ数が38.5−42.0で、透過比が70%時の対応波長が380nm以下になる光学ガラス及び光学部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[発明の内容]
以上の技術課題を解決するために、本発明は、以下の成分を含んでなると共に、屈折率が1.86〜1.89であり、アッベ数が38.5〜42.0であり、透過比が70%時の対応波長が380nm以下である光学ガラスを提供する。
2wt%-10wt%のSiO2;
8wt%-15wt%のB2O3;
25wt%-45wt%のLa2O3;
10wt%-35wt%のGd2O3;
2wt%-10wt%のZrO2;
3wt%-3.9wt%のWO3;
5wt%-12.9wt%のTa2O5;
0wt%-5wt%のY2O3+Yb2O3;
0wt%-5wt%のNb2O5;
0wt%-5wt%のZnO;
0wt%-3wt%のBaO;
0wt%-3wt%のSrO;
0wt%-3wt%のCaO。
【0011】
より好ましく厳選したものは、6wt%-9wt%のSiO2を含む。
より好ましく厳選したものは、10wt%-14wt%のB2O3を含む。
より好ましく厳選したものは、30wt%-40wt%のLa2O3を含む。
より好ましく厳選したものは、15wt%-30wt%のGd2O3を含む。
より好ましく厳選したものは、20wt%-30wt%のGd2O3含む。
より好ましく厳選したものは、6wt%-11wt%のTa2O5を含む。
より好ましく厳選したものは、7wt%-10wt%のTa2O5を含む。
より好ましく厳選したものは、1wt%-4wt%のY2O3+ Yb2O3を含む。
より好ましく厳選したものは、1wt%4wt%のNb2O5を含む。
より好ましく厳選したものは、1wt%-5wt%のZnOを含む。
【0012】
本発明は更に、上述方案に従う光学ガラスで作られた光学部品を提供する。
【発明の効果】
【0013】
光学ガラス及び光学部品を提供する本発明によれば、当該光学ガラスは、2wt%-10wt%のSiO2; 8wt%-15wt%のB2O3; 25wt%-45wt%のLa2O3; 10wt%-35wt%のGd2O3; 2wt%-10wt%のZrO2; 3wt%-3.9wt%のWO3; 5wt%-12.9wt%のTa2O5; 0wt%-5wt%のY2O3+Yb2O3; 0wt%-5wt%のNb2O5; 0wt%-5wt%のZnO; 0wt%-3wt%のBaO; 0wt%-3wt%のSrO; 0wt%-3wt%のCaOの各成分を含んでなるものである。Si02とB2O3は、本発明の光学ガラスの主な成分で、ガラスの安定性を高め、ガラスの化学安定性を改善する効果がある。そしてB203はまたガラスの高温溶解粘度を下げることができる。La203とGd203は、高い屈折率及び低い光分散性があるガラスを得るのに必要な成分である。Zr02は、光学ガラスの粘着度、硬度、化学安定性を高め、ガラスの熱膨張係数を下げることができる。
【0014】
本発明の中のWO3は、光学ガラスの耐失透性を改良する成分で、Ti02に比べてガラスの透過率も明らかに改善される。Ta2O5は光学ガラスの高い屈折率と低い光分散性を保証する成分で、同時に有効的にガラスの安定性を強めることができる。既存技術と比べて、本発明の光学ガラスはTa2O5の含有量を下げるとともに、本発明で言及した光学ガラスのパラメーターと性能を保証する。実験の結果は、本発明が提供する光学ガラスの屈折率が1.86−1.89、アッベ数が38.5−42.0、透過比が70%時の対応波長が380nm以下になり、今現在の画像化装置の要求を満足させるほか、コストを下げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[具体的な実施方法]
以下、本発明の実施形態で使用される技術方案について明確かつ完全に説明する、しかし、説明する実施形態は単に本発明の実施形態の一部だけであり、全ての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づき、当該技術分野の通常の技術者が創造的な労働をせずに獲得しうるすべての実施形態は、すべて本発明の保護範囲に属する。
【0016】
本発明は、以下の成分を含む光学ガラスを提供するものである。
2wt% -10wt%のSiO2;
8wt% -15wt%のB2O3;
25wt% -45wt%のLa2O3;
10wt% -35wt%のGd2O3;
2wt% -10wt%のZrO2;
2.1wt% -3.9wt%のWO3;
5wt% -12.9wt%のTa2O5;
0wt% -5wt%のY2O3+Yb2O3;
0wt% -5wt%のNb2O3;
0wt% -5wt%のZnO;
0wt%-3wt%のBaO;
0wt% -3wt%のSrO;
0wt%-3wt%のCaO。
【0017】
Si02は、ガラス成形体の重要な酸化物で、ケイ素と酸素の四面体[Si04]の形で不規則な連続グリッドを形成し、光学ガラスを形成するフォーマット(基本骨格)である。Si02はガラスの耐失透性を維持する効果がある。Si02の含有量は2wt%−10wt%に限定され、好ましくは6wt%−9wt%、より好ましくは5wt%−8wt%である。
【0018】
上述の成分の中で、B2O3は光学ガラスを形成する重要な酸化物で、光学ガラスのグリッドの形成に役立ち、ガラスの膨張係数を下げ、ガラスの熱安定性と化学安定性を高め、ガラスの屈折率を増やし、ガラスの転化温度と溶解温度を下げる。B2O3の含有量は8wt%−15wt%で、好ましくは10wt%−14wt%である。
【0019】
La2O3は、高い屈折率と低い光分散性のガラスを得るために必要な成分である。La2O3の含有量は25wt%−45wt%に限定し、好ましくは30wt%−40wt%、より好ましくは32wt%−38wt%である。La2O3の含有量が25wt%未満になると、光学ガラスの屈折率は下がる。La2O3の含有量が45wt%を超えると、光学ガラスの耐失透性が下がる。
【0020】
Gd2O3はガラスの屈折率を高め、アッベ数を増やすのに有効な成分である。Gd2O3の含有量は10wt%−35wt%に限定し、好ましくは15wt%−30wt%、より好ましくは20wt%−30wt%である。Gd2O3の含有量が35wt%を超えると、光学ガラスの耐失透性が下がり、ガラスの成形が悪くなる。
【0021】
ZrO2は、光学ガラスの粘着度、硬度、化学安定性を高め、ガラスの熱膨張係数を下げる。ZrO2の含有量は2%より少ない時、上述の効果は明らかではないけれども、ZrO2の含有量は8%を超えると、ガラスは溶解し難く、失透し易くになるため、ZrO2の含有量は好ましくは2−8wt%、より好ましくは4−8wt%、最も好ましくは5wt%−8wt%である。
【0022】
Ta2O5は、光学ガラスに高い屈折率と低い光分散性を与えるもので、有効的にガラスの安定性を強めることができる。Ta2O5の含有量が高くなると、ガラスのコストは高くになるが、Ta2O5含有量が下がると、ガラスの安定性は低下になる。そのため、Ta2O5の含有量は5wt%−12.9wt%に限定し、好ましくは6wt%−11wt%、より好ましくは7wt%−10wt%である。
【0023】
本発明の中でWO3は光学ガラスの耐失透性を改良し、光学常数の成分を調節するものである。本発明の中で、コストの原因でTa2O5の含有量を減少するが、光分散性を下げ、ガラスの成形性を維持し、ガラスの着色性能を改良するために、Ta2O5の含有量を減少するとともに適量のWO3を添加する。
【0024】
本発明の中で、WO3の含有量が2.1wt%より小さくなると、光分散性を下げる効果は達成できないが、光学ガラの耐失透性を改良する効果が明らかではない。3.9wt%を超えると、本発明に要求される光学常数に達成できない場合、かえってガラスの耐失透性は悪くなり、可視光線範囲の短波長光線の透過率は悪くなり、ガラスの透過率は悪くなる。そのため、可視光線範囲の短波長にうちで光学ガラスの透過率をよくするため、本発明の中でWO3の含有量は2.1wt%−3.9wt%に限定し、好ましくは2.5wt%−3.9wt%、より好ましくは3wt%−3.9wt%である。
【0025】
Y2O3とYb2O3も光学ガラスの屈折率を高め、光学常数(の効果)を調整する効果があるが、本発明の中で少量のY2O3、Yb2O3を添加しかない。Y2O3とYb2O3の総含有量が5wt%以上になる時、ガラスの性能の耐失透性が悪くなる。そのため、Y2O3とYb2O3の総含有量は好ましくは1wt%−4wt%である。
【0026】
屈折率が高くて光分散性が低い光学ガラスの中でLa2O3を添加するとともにGd2O3、Y2O3あるいはYb2O3も添加すると、有効的にガラスの耐失透性を増加するだけでなく、La2O3だけ添加するものに比べて、ガラスの成形性も明らかに改善する。
【0027】
Nb2O5は、ガラスに高い屈折率を与えるもので、しかもガラスの耐失透性を改善する効果がある。しかし、Nb2O5の含有量が5wt%を超えると、ガラスの光分散性が大幅に高くなり、アッベ数は低下する。そのため、Nb2O5の含有量は0wt%−5wt%に限定し、好ましくは1wt%−4wt%である。
【0028】
本発明の中で適量的なZnOを添加すると溶解に役立つ効果があるとともに、ガラスの化学安定性と熱安定性を高めることができる。ZnOの含有量が5wt%を超えると、ガラスの光学常数は要求レベルに達成しにくい。そのため、ZnOの含有量は0wt%−5wt%に限定し、好ましくは1wt%−5wt%、より好ましくは2wt%−4wt%である。
【0029】
本発明の中で適量的なBaO、SrO、CaOを添加すると溶解に役立つ効果があるが、BaO、SrO、CaOのいずれかの含有量が3%を超えると、ガラスは溶解しにくくなるため、BaO、SrO、CaOの含有量は0wt%−3wt%に限定し、好ましくは少しも添加しない。
【0030】
本発明の光学ガラスは、屈折率が1.86−1.89、アッベ数が38.5−42.0、透過比が70%時の対応波長が380nm以下になる。Ta2O5はレアアース原料で価格が高い。その点、本発明が提供する光学ガラスはTa2O5の含有量を下げると同時に、要求された光学常数と性能に達成し、コストも低いのである。
【0031】
本発明が提供する光学ガラスの性能パラメーターは以下の方法に従ってテストする。その際、屈折率(nd)の値は(-2℃/h)−(-6℃/h)の焼き鈍しの値(annealing value)とし、屈折率とアッベ数は「GB/T 7962.1-1987 無色光学ガラスのテスト法 屈折率と色分散係数」に準じてテストする。
【0032】
ガラスを厚さが10mm±0.1mmの見本に作成した後、透過率が70%に達する場合の波長λ70を検定する。
【0033】
本発明は更に、上記技術方案の光学ガラスで形成した光学部品も提供する。この光学部品は上述の光学ガラスの各種特性を持っている。本発明の光学部品は、屈折率が1.86−1.89、アッベ数が38.5−42.0で、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話などに適用可能である。
【0034】
本発明が提供するガラスの製造方法については、特に制限せず、当業者が熟知している方法により製造する。原料を溶融、清澄、均質化した後に降温し、予熱した金型に注入し、アニールして光学ガラスが得られる。
【実施例】
【0035】
本発明の技術方案をよく理解できるよう、表1及び2の具体的な実施例を通して本発明の実施態様を以下に説明する。ただし、以下の実施例は本発明の特徴と長所を更に説明するためだけに用いられたものであり、本発明の権利範囲を制限するものではないことは、理解されるべきである。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
本発明の実施例1〜12が提供する光学ガラスは、以下の方法で製造した。
【0039】
表1及び2に示した成分に対応する酸化物、酸化物、炭酸塩、硝酸塩原料を割合に従って計量し、十分に混合した後、白金の坩堝内に加え、1400〜1450℃で溶融、清澄、均質化した後に1300℃程度に降温する。
1300℃以下の溶融ガラスを予熱した金型に流し込む。
700〜750℃程度で予熱した金型に流し込んだ溶融ガラスを加圧して成型する。
加圧し成型したガラスと金型と共に、アニール炉内に入れ、徐冷アニールした後に光学ガラスになり、光学ガラスに関するパラメータのテストを行う。
【0040】
実施例1〜12が提供する光学ガラスの屈折率、アッベ数などのパラメーターは、表1及び2の通りである。
【0041】
上述の例により、本発明が提供する光学ガラスは、Ta2O5の含有量を減少することによって光学ガラスのコストを下げるとともに、屈折率が1.86−1.89、アッベ数が38.5−42.0、透過比が70%時の対応波長が380nm以下になることがわかる。
【0042】
上に示した実施例の説明に基づいて、当該分野の専門技術者は本発明を実施あるいは使用することができる。これらの実施例に対するいくつかの箇所の修改は、当該分野の専門技術者にとって自明なことである。ここで定義した一般的原理は本発明の精神あるいは範囲を離れない範囲で、その他の例の中で実施できる。それゆえ、本発明は、本明細書に掲載した実施例に限定されず、ただし開示した解決原理と新規な特徴に合致する最も広い範囲をカバーするものである。