(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666713
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】熱交換器プレートおよびプレート式熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 27/00 20060101AFI20150122BHJP
F28D 9/02 20060101ALI20150122BHJP
F28F 11/00 20060101ALN20150122BHJP
F28F 3/08 20060101ALN20150122BHJP
【FI】
F28F27/00 511G
F28D9/02
!F28F11/00 A
!F28F3/08 311
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-534855(P2013-534855)
(86)(22)【出願日】2011年10月3日
(65)【公表番号】特表2013-541690(P2013-541690A)
(43)【公表日】2013年11月14日
(86)【国際出願番号】SE2011051177
(87)【国際公開番号】WO2012053958
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2013年6月20日
(31)【優先権主張番号】1051102-0
(32)【優先日】2010年10月22日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】502305917
【氏名又は名称】アルファ・ラバル・コーポレイト・エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】ベルティルッソン、クラス
(72)【発明者】
【氏名】ニャンダー、アンデルス
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン、クリスター
(72)【発明者】
【氏名】クロザー、アナトル
【審査官】
松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第04100651(DE,A1)
【文献】
特開2002−156194(JP,A)
【文献】
特表2009−540257(JP,A)
【文献】
特表2009−528504(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3161676(JP,U)
【文献】
独国特許出願公開第04207761(DE,A1)
【文献】
独国特許出願公開第03903084(DE,A1)
【文献】
特開2006−313030(JP,A)
【文献】
特開2002−107089(JP,A)
【文献】
特開2000−161889(JP,A)
【文献】
特開2003−336990(JP,A)
【文献】
特開平09−243279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/00−7/00
F28F 11/00−27/00
F28D 1/00−13/00
F25B 39/00
F25B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート(1)式熱交換器のための熱交換器プレートであり、
熱伝達エリア(10)と、
エッジエリア(11)を備え、それは、前記熱伝達エリア(10)の周囲および外側に延在しており、
前記熱交換器プレート(1)は、互いに接触しているように圧縮された二つの隣接プレート(1a,1b)によって形成された二重壁プレートであり、
前記熱交換器プレートは、少なくとも一つのパラメーターを感知し、前記パラメーターに依存する信号を生成するように構成されたセンサー(20)を備えており、前記センサーは、前記隣接プレート(1a,1b)の間に設けられたセンサープローブ(21)と、前記センサープローブ(21)を隣接プレート(1a,1b)との電気接触から絶縁する絶縁体(23)を備えていることを特徴とする熱交換器プレート。
【請求項2】
前記センサープローブ(21)は、電気伝導材料で、少なくともワイヤー、ストリップまたはホイルの形に作られている、請求項1に記載の熱交換器プレート。
【請求項3】
前記センサープローブ(21)は、前記センサープローブ(21)の前記電気伝導材料と前記隣接プレート(1a,1b)の間の前記パラメーターを感知するように構成されている、請求項2に記載の熱交換器プレート。
【請求項4】
前記パラメーターは、容量、インピーダンス、電気抵抗および温度の一つを備えている、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の熱交換器プレート。
【請求項5】
前記センサープローブ(21)は、前記熱伝達エリア(10)に配置されている、請求項1〜4のいずれかひとつに記載の熱交換器プレート。
【請求項6】
ガスケットエリア(12)を備え、それは、前記熱伝達エリア(10)の周囲に、前記熱伝達エリア(10)と前記エッジエリア(11)の間に延在しており、そこにガスケット(13)が延在している、請求項1〜5のいずれかひとつに記載の熱交換器プレート。
【請求項7】
前記隣接プレートの少なくとも一つは前記ガスケットエリアに、前記ガスケットエリアに沿って前記エッジエリアと平行に延在している凹部を備え、それによって、前記隣接プレートの間に前記ガスケットエリアに沿ってギャップを形成し、さらなるガスケットが前記ギャップ中に設けられている、請求項6に記載の熱交換器プレート。
【請求項8】
前記センサープローブは、前記ギャップ中に少なくとも部分的に配置されており、また前記センサープローブは、前記さらなるガスケットのそばに、前記熱伝達エリアに向かって設けられている、請求項7に記載の熱交換器プレート。
【請求項9】
前記センサー(20)は、前記エッジエリア(11)に設けられた接続点(27)まで延在している、請求項1〜8のいずれかひとつに記載の熱交換器プレート。
【請求項10】
ガスケットエリア(12)を備え、それは、前記熱伝達エリア(10)の周囲に、前記熱伝達エリア(10)と前記エッジエリア(11)の間に延在しており、そこにガスケット(13)が延在しており、前記センサー(20)の接続部(26)は、接続点(27)まで延在しており、少なくとも前記ガスケットエリア(12)ではホイル形状を有している、請求項9に記載の熱交換器プレート。
【請求項11】
前記隣接プレートの一つは、前記接続部(26)を露出させる切り欠き(34)を前記エッジエリア(11)に有している、請求項10に記載の熱交換器プレート。
【請求項12】
前記センサー(20)は、前記エッジエリア(11)に設けられたさらなる接続点まで延在している、請求項9〜11のいずれかひとつに記載の熱交換器プレート。
【請求項13】
通信モジュール(40)を備え、それは、電気回路を備えており、前記センサー(20)と通信する、請求項1〜12のいずれかひとつに記載の熱交換器プレート。
【請求項14】
前記センサー(20)は、前記エッジエリア(11)に設けられた接続点(27)まで延在しており、前記通信モジュール(40)は、前記接続点(27)において前記センサー(20)に接続されている、請求項13に記載の熱交換器プレート。
【請求項15】
前記センサー(20)は、前記エッジエリア(10)に設けられたさらなる接続点まで延在しており、前記センサー(20)は、さらなる接続部(31)を備えており、前記通信モジュール(40)は、前記さらなる接続点(32)において前記さらなる接続部(31)に接続されている、請求項14に記載の熱交換器プレート。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかひとつに記載の複数の熱交換器プレート(1)を備え、前記熱交換器プレート(1)は、互いにそばに配されており、第一の媒体のためのいくつかの第一のプレート隙間(2)と、第二の媒体のためのいくつかの第二のプレート隙間(3)を定めている、プレート式熱交換器。
【請求項17】
すべての熱交換器プレート(1)のセンサープローブ(21)からの信号を受信し処理するように構成されたマスターユニットを備え、各熱交換器プレート(1)は通信モジュール(40)を備えており、それは、電子回路を備えており、前記センサー(20)と通信し、各通信モジュール(40)は、マスターユニット(43)と通信する通信バスによって備えていられる、請求項16に記載のプレート式熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレート式熱交換器のための熱交換器プレートに言及し、熱伝達エリアとエッジエリアを備えており、それは、熱伝達エリアの周囲および外側に延在しており、熱交換器プレートは、互いに接触しているように圧縮された二つの隣接プレートによって形成された二重壁プレートである。本発明はまた、複数のそのような熱交換器プレートが互いにそばに配されて第一の媒体のためのいくつかの第一のプレート隙間と第二の媒体のためのいくつかの第二のプレート隙間を定めているプレート式熱交換器に言及する。
【背景技術】
【0002】
プレート式熱交換器では、媒体が混合することを防ぐために漏れバリアが望まれるところでは、二重壁プレートすなわち互いに接触しているように圧縮された二つの隣接プレートをおのおの備えているプレートを使用することが知られている。標準の二重壁プレートは、追加安全バリアを与えるが、通常、隣接プレートの一つがいつ漏れるかを検知することは難しい。隣接プレートの一つの機械的なクラックのために漏れが生じると、第一および第二の媒体の一つが隣接プレートの間の非常に薄い空間に入り込む。この媒体は、隣接プレートの間の空間から下方へ、プレート式熱交換器の下の床に流れ出ることが許されてもよい。これは、漏れのしるしとして役立て得る。しかしながら、この既知の方法では、どの熱交換器プレートにクラックが生じたかを特定することはできない。さらに、漏れの始まりから床上の媒体の検出までの時間は、ある状況において長すぎることがある。
【0003】
US5,178,207は、最初に定められた種類のプレート式熱交換器を開示している。熱交換器プレートは、互いに接触しているように圧縮された二つの隣接プレートによって形成された二重壁プレートである。スペーシング部材が、隣接プレートの間の各二重壁プレートに設けられている。スペーシング部材は、漏れ流体がプレート式熱交換器から周囲に流れ出ることを容易にし、それによって、漏れ流体の検出を容易にする。
【0004】
WO88/03253とWO01/16544は、互いに接触しているように圧縮された二つの隣接プレートによって形成された二重壁プレートを有しているプレート式熱交換器の他の例を開示している。
【0005】
US4,903,758は、プレート式熱交換器を開示しており、電極が、プレート式熱交換器を貫いて、各熱交換器プレートのアパーチャを貫いて延在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US5,178,207
【特許文献2】WO88/03253
【特許文献3】WO01/16544
【特許文献4】US4,903,758
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、二重壁プレートを備えているプレート式熱交換器の、特に漏れの、改善された検出可能性を提供することである。
【0008】
この目的は、最初に定められた熱交換器プレートによって達成され、熱交換器プレートは、少なくとも一つのパラメーターを感知し、パラメーターに依存する信号を生成するように構成されたセンサーを備えており、センサーは、隣接プレートの間に設けられたセンサープローブを備えていることを特徴とする。
【0009】
有利には、隣接プレートの少なくとも一つは、センサープローブを隣接プレートの間に収納するように変形されており、センサープローブと隣接プレートの間のセンサープローブの付近に空洞が設けられている。
【0010】
そのようなセンサーは、漏れ検知センサー、温度センサー、圧力センサー、汚れセンサーまたは任意の他の可能なセンサーを備えているかそれらからなっている。
【0011】
漏れ検知センサーまたは水分センサーを備えているセンサーの適用では、本発明は、個々の熱交換器プレートの漏れを検出することを可能にする。したがって、プレート式熱交換器中の漏れの位置を決定することが可能になり、それは、極めて多数の熱交換器プレートを備えていてもよい。検出は本質的に即座であり、すなわち、隣接プレートの一つの漏れが生じるとすぐに、信号が生成される。
【0012】
熱交換器プレートはまた、多数のポート穴を備えており、それらは、熱交換器プレートを貫いて延在しており、エッジエリアの内側に配置されている。そのようなポート穴は、本発明による熱交換器プレートを備えているプレート式熱交換器の中へのおよびから外への媒体の供給および排出のためのポート穴流路を形成し得る。しかしながら、本発明はまた、プレート式熱交換器のサイドを介して、すなわち熱交換器プレートの延長平面と平行に、プレート式熱交換器の中におよびから外に媒体が供給および排出されるプレート式熱交換器に適用可能である。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、センサーは、センサープローブを隣接プレートとの電気接触から絶縁する絶縁体を備えている。そのような絶縁体は、センサープローブを隣接プレートからの不所望な影響から防ぎ、それらは、ステンレススチール、チタン、アルミニウム、銅ほかなどの金属素材で製造され得る。絶縁体は、ポリマーの層または薄層を備えているかそれからなっている。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、センサープローブは、電気伝導材料で、ワイヤー、ストリップまたはホイルの形状に作られている。電気伝導材料は、金属、たとえば元素Cu、AgおよびAlの少なくとも一つで構成され得る。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、センサープローブは、センサープローブの電気伝導材料と隣接プレートの間のパラメーターを感知するように構成されている。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、パラメーターは、容量、インピーダンス、電気抵抗および温度の一つを備えている。
【0017】
したがって、センサープローブの電気伝導材料と隣接プレートの間の容量が感知され得る。センサープローブの付近に空洞があり、それは、隣接プレートが互いに圧縮されたときに形成され、それらの間にセンサープローブが配置される。
【0018】
発明者は、少量の水分がセンサープローブの付近のこの空洞の中にすでに存在するときに、容量が変化されることを理解した。隣接プレートの一つのどこかに漏れが生じたとき、媒体は毛細管力によって隣接プレートの間の空間に分配される。したがって、水気のある程度の量は、漏れに関してセンサープローブの位置とは無関係に空洞の中に存在する。水気の流体は、センサープローブすなわち絶縁された電気伝導材料と隣接プレートの間の空洞の誘電特性を変化させる。
【0019】
実験的試験から、発明者らは、二重壁プレートに薄い絶縁された金属ワイヤーを使用したときに、極めて少量の流体に対して非常に良い反応を発見した。最小の検知可能な漏れは、いくつかの要因、たとえば電極間の容量、電極ほかのレイアウトに依存する。絶縁ワイヤーの場合、それはプレート間の全体表面を被覆しておらず、プレート間の漏れ流体の確率論的プロセスは、最小の検知可能な漏れ容積を実験ごとに変動させ得る。しかしながら、再現性が、実験室設備の中で非常に小さい容積について達成された。
【0020】
容量は、電極が電極間の所定電圧において蓄積し得る電荷の量の尺度である。電極間の空間には、容量の値を増大させる誘電体が置かれることができる。誘電体は、理想的には、電荷が二つの電極の間を移動することを妨げ、電極間に電流を作り出さない絶対的な電気絶縁体である。しかしながら、誘電体は、非常に高いながら、抵抗率を有している。したがって、概算として、本当/実際の容量の有効電気的等価は、誘電体の抵抗率のために抵抗と並列する容量として説明され得る。
【0021】
誘電体はまた、誘電体中の電界と電気分極の間のタイムラグのために周波数依存誘電率を有している。周波数依存の複素誘電率の虚数部は電気的損失項であり、抵抗と見され、上に言及された抵抗の中に組み込まれてよい。抵抗は、誘電体の中を移動できる電荷(電流)と周波数依存の誘電率(損失項)の両方による。これらの振る舞いは両方とも、電極間の全抵抗に寄与し、周波数依存抵抗を招く。複素誘電率の実部は、容量値自体に直接関連する。電極の(もしあれば)絶縁体層の周波数依存誘電率がある場合もある。絶縁体層の損失項(誘電率の虚数部)はまた、周波数依存抵抗に寄与している。ゼロ周波数における抵抗(DC抵抗)は、電極(電極の絶縁体層、誘電材料など)の間の異なる材料の電荷輸送(抵抗率)による抵抗の合計である。
【0022】
誘電材料としてイオンが全くない純粋な蒸留水を使用するならば、比誘電率は低周波数において約80であり、虚数部(損失項)はほとんどゼロである。これは、電極間の空間の一部が水で充てんされると、容量が増加するということを意味する。より多くの水が空間の中に入り込めば、容量はさらに増加する。空間がすべて水で充てんされれば、容量値は飽和する。(GHz域の)高周波数においては、損失項(虚数部)は増大し(それは抵抗に影響し)、実部は減少する(それは容量自体に影響する)。(正または負の)イオンが水(または誘電体としての他の流体)中にあるならば、誘電体中に電界(それは電極の電圧である)が存在するとき、イオンは液体中を移動する。電界が時間依存であるとき、イオンは並進移動中に振動し、誘電率の周波数依存虚数部(損失項)に影響し、
電極間の周波数依存抵抗を作り出す。この効果は、周波数が減少するにつれて増大し、MHz域またはより低い周波数域において重要になる。言いかえれば、水(または可動イオンをもつ他の流体)が誘電性媒体として存在するとき、周波数依存抵抗は影響される。
【0023】
したがって、容量検出を使用する水分または湿度測定は、水分および湿度センサーに利用され得る。水分検知技術は、水分を吸収し得る誘電体の容量の測定に基づいている。上述したように、水は高い誘電率を有しているので、誘電体の容量は非常に大きく変化する。
【0024】
センサープローブと隣接プレートの電気伝導材料の間の抵抗も感知される。絶縁体に欠陥が生じると抵抗が減少し、したがって抵抗はそのような欠陥を検出するために使用され得る。したがって、プレート式熱交換器中における欠陥センサープローブを備えた熱交換器プレートの位置は、便利な方式で決定され得る。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、センサープローブは熱伝達エリアに配置されている。センサープローブは、熱伝達エリアの一部に沿って任意の仕方で延在していてよい。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、熱交換器プレートは、ガスケットエリアを備えており、それは、熱伝達エリアの周囲に、熱伝達エリアとエッジエリアの間に延在しており、そこにガスケットが延在している。有利には、隣接プレートの少なくとも一つはガスケットエリアに、ガスケットエリアに沿ってエッジエリアと平行に延在している凹部を備え、それによって、隣接プレートの間にガスケットエリアに沿ってギャップを形成し、さらなるガスケットがギャップ中に設けられている。そのようなさらなるガスケットは、隣接プレートの間の空間を密閉し、外部液体が隣接プレートの間の空間に浸透することを防止する。これは、たとえば、可能な漏れの信頼できる感知を確実にするために有利である。さらに、センサープローブは、ギャップ中に少なくとも部分的に配置されてよく、センサープローブは、さらなるガスケットのそばに、熱伝達エリアに向かって設けられている。したがって、どんな可能な漏れ媒体も、ギャップとセンサープローブに到達する。外側からの、清浄液、雨水ほかなど、どんな外部流体、さらなるガスケットによってセンサープローブに到達することが防止される。
【0027】
センサーは、二つのセンサープローブを備えていてよい。ただ一つのセンサープローブで、センサープローブと隣接プレートの間の容量が測定され得る。二つのセンサープローブで、二つのセンサープローブの間の容量が感知されてもよい。両センサープローブは、同じ構成を有し、それぞれの絶縁体によって隣接プレートから絶縁されていてよい。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、センサーは、エッジエリアに設けられた接続点まで延在している。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、センサーの接続部は、接続点まで延在しており、少なくともガスケットエリアではホイル形状を有している。ガスケットエリアは、ガスケットを収容するための熱伝達エリアの周囲に延在しているガスケット溝を備えるか、として形成されてよい。接続部のホイル形状は、ガスケット溝を通るために必要とされる曲げに耐え得るように、接続部の強度を高めるために有利である。接続部は、好ましくは絶縁体を備えており、隣接プレートとの電気接触から接続部を絶縁する。
【0030】
センサープローブのもう一つの端は、たとえば上に言及された絶縁体によって絶縁されていてよい。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、隣接プレートの一つは、接続部を露出させる切り欠きをエッジエリアに有している。そのような切り欠きまたは凹部は、信号の通信のための、接続点したがってセンサープローブへの任意の適切な接触子または電子機器の接続を可能にする。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、センサーは、エッジエリアに設けられたさらなる接続点まで延在している。二つの接続点を設けることによって、センサープローブの抵抗を感知することが可能である。センサープローブの抵抗は、金属などの電気伝導材料からなるとき、センサープローブの長さにわたる平均気温に依存する。したがって、センサープローブの抵抗の感知は、熱交換器プレートの、したがってプレート式熱交換器の所望の位置における温度を感知するために使用され得る。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、熱交換器プレートは通信モジュールを備えており、それは、電子回路を備えており、センサーと通信する。たとえば、一つまたは複数のセンサーのセンサープローブは、たとえば接続点において、通信モジュールに接続または直接接続されていてよい。有利には、センサーは、エッジエリアに設けられた接続点まで延在しており、通信モジュールは、接続点においてセンサーの接続部に接続されていてよい。したがって、通信モジュールは、熱交換器プレートに取り付かれているか装着されていてよい。さらに、センサーは、エッジエリアに設けられたさらなる接続点まで延在しており、センサーは、さらなる接続部を備えていてよく、通信モジュールは、さらなる接続点においてさらなる接続部に接続されていてよい。
【0034】
目的はまた、上に与えられたいずれかの定義による複数の熱交換器プレートを備えている最初に定められたプレート式熱交換器によって達成され、熱交換器プレートは、互いにそばに配されており、第一の媒体のためのいくつかの第一のプレート隙間と、第二の媒体のためのいくつかの第二のプレート隙間を定めている。有利には、プレート式熱交換器は、すべての熱交換器プレートからの信号を受信し処理するように構成されたマスターユニットを備えており、各熱交換器プレートは通信モジュールを備えており、それは、電子回路を備えており、センサーと通信し、各通信モジュールは、マスターユニットと通信する通信バスによって備えられている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明は、さまざまな実施形態およびここに添付された図面に関連した説明によって、より厳密にいま説明される。
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による複数の熱交換器プレートを備えているプレート式熱交換器の正面図を開示している。
【
図2】
図2は、
図1の線II−IIに沿ったプレート式熱交換器の側面図を開示している。
【
図3】
図3は、
図1のプレート式熱交換器の熱交換器プレートの正面図を開示している。
【
図4】
図4は、
図3の線IV−IVに沿った断面図を開示している。
【
図5】
図5は、
図1のプレート式熱交換器の一部の断面図を開示している。
【
図5a】
図5aは、熱交換器プレートのエッジエリアの一部の正面図を開示している。
【
図6】
図6は、別の実施形態による熱交換器プレートの断面図を開示している。
【
図7】
図7は、さらなる実施形態による熱交換器プレートの断面図を開示している。
【
図8】
図8は、別の実施形態による熱交換器プレートの正面図を開示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1および2は、プレートパッケージを形成する複数の熱交換器プレート1を備えたプレート式熱交換器を示している。熱交換器プレート1は、互いのそばに配されており、第一の媒体のためのいくつかの第一のプレート隙間2と、第二の媒体のためのいくつかの第二のプレート隙間3を定めている。第一のプレート隙間2と第二のプレート隙間3は、プレートパッケージ中の交互に配されている。プレートパッケージの熱交換器プレート1は、締付ボルト6によって、フレームプレート4とプレッシャープレート5の間に互いに対して押し付けられている。開示された実施形態では、プレート式熱交換器は、第一の媒体のための一つの入口および一つの出口と第二の媒体のための一つの入口と一つの出口を形成する四つのポート穴流路7を備えている。
【0037】
熱交換器プレート1の一つが、
図3に開示されている。熱交換器プレート1は、熱伝達エリア10と、エッジエリア11を備えており、それは、熱伝達エリア107の周囲および外側に延在しており、また、ガスケットエリア12を備えており、それは、熱伝達エリア10の周囲に、熱伝達エリア10とエッジエリア11の間に延在している。ガスケット13が、ガスケットエリア12に設けられており、熱伝達エリア10の周囲に延在し、それを取り囲んでいる。開示された実施形態では、四つのポート穴14が設けられ、熱交換器プレート1を貫いて延在している。ポート穴14は、エッジエリア11の内側および付近に配置されている。ポート穴14は、ポート穴流路7と整列されている。
【0038】
開示された実施形態では、プレート式熱交換器は、締付ボルト6とガスケット13によって一緒に装着および保持されている。しかしながら、本発明は、他の種類のプレート式熱交換器にも適用可能であるに注意すべきである。熱交換器プレート1は、たとえば、レーザー溶接や電子ビーム溶接、接着、ろう付けなどの溶接によって互いに永久的に接続されてもよい。熱交換器プレートの代替装着の一例は、熱交換器プレートがペアごとに溶接されており、それによって、複数のペアの熱交換器プレートが、ペア間に設けられたガスケットと共に締付ボルトによって互いに押し付けられ得る、いわゆる半溶接プレート式熱交換器である。さらに、プレート式熱交換器はポート穴流路がなく、それによって、プレート式熱交換器のサイドが、プレート隙間2および3に対する媒体の供給および排出のための開口を提供してもよいことに注意すべきである。一方、プレート隙間2,3の一方が、ポート穴流路を介してアクセス可能であり、プレート隙間の他方が、プレート式熱交換器のサイドを介してアクセス可能であってもよい。
【0039】
熱交換器プレート1は二重壁プレートであり(
図4参照)、すなわち、熱交換器プレート1は、互いに接触しているように圧縮された二つの隣接プレート1a,1bによって形成されている。隣接プレート1a,1bは、電気伝導材料、たとえばポリマー材料や、ステンレススチール、チタン、アルミニウム、銅ほかなどの金属材料で製造される。
【0040】
熱交換器プレート1はセンサー20を備えており、それは、少なくとも一つのパラメーターを感知し、パラメーターに依存する信号を生成するように構成されている。センサー20は、隣接プレート1a,1bの間に設けられ、熱伝達エリア10に配置されたセンサープローブ21を備えている。センサープローブ21の付近に配置されたプレートの部品だけが、電気伝導材料で作られる必要があることに注意すべきである。
【0041】
センサープローブ21は好ましくは、隣接プレート1a,1bが最終的に一緒に装着され圧縮される前に、それらの間に配置される。
図4に見られ得るように、隣接プレート1aおよび1bの少なくとも一つに、センサープローブ21に沿った突出エリアができるように、圧縮に伴って隣接プレート1aの材料の変形が起きてもよい。そのために、空洞22が、センサープローブ21の付近に形成される。空洞22は、前もって、すなわち、センサー20とセンサープローブ21がプレート1aおよび1bの間に配置される前に形成されてもよい。隣接プレート1a,1bは、それから、第一のステップにおいて一緒に圧縮されてもよい。その後、プレート1a,1bは分離され、プレート1a,1bの一つまたは両方が、空洞22を形成するように適切な圧縮ツールで変形される。それから、センサー20とセンサープローブ21は、空洞22内に配置され、その後、プレート1a,1bが互いに対して押し付けられる。
【0042】
空洞22は、センサープローブ21と隣接プレート1a,1bの間にセンサープローブ21に沿って延在している。隣接プレート1a,1bの圧縮は、空間が隣接プレート1a,1bの間の残っている空間が非常に薄く、毛細管力による流体の輸送または分配だけを許すように、高い圧力においておこなう。しかしながら、そのような分配は、隣接プレート1a,1bの間の空間に入る一次および二次媒体が空洞22に到着することを確実にする。
【0043】
毛細管力が液体の分配を許すに十分な隣接プレート間1a,1bの十分な空間を達成するため、プレート1a,1bの一つまたは両方は、他方のプレートの方に向けられたた表面上に、プレート1a,1bのシート材料の製造から、パターンまたは他の凹凸表面構造体、たとえばレストパターンを有していてもよい。そのような表面構造は、数ミクロンの桁で非常に薄いと理解されるものである。
【0044】
図4に見られ得るように、センサー20は、センサープローブ21を取り囲み、隣接プレート1a,1bとの電気接触から絶縁する絶縁体23を備えている。センサープローブ21は、電気伝導材料、好ましくは金属または合金で作られている。ある適用では、半導体材料のセンサープローブ21も可能である。電気伝導材料は、たとえば、元素Cu、AgおよびAlの少なくとも一つを備えているか、からなっている。絶縁体は、ポリマーの層または薄層によって形成されている。開示された実施形態では、センサープローブは、細長いワイヤーとして形成されている。しかしながら、センサープローブ21は、ストリップ、ホイルまたはネットなどの他の形状をしていてもよいことに注意すべきである。
【0045】
センサープローブ21は、開示された実施形態では、センサープローブ21の電気伝導材料と隣接プレート1a,1bの間のパラメーターを感知するように構成されている。パラメーターは、開示された実施形態では、第一に、センサープローブ21の電気的伝導材料と隣接プレート1a,1bの間の容量である。パラメーターはまた、センサープローブ21と隣接プレート1a,1bの間のインピーダンスであってもよい。センサー20は、同様の構成の互いからある距離を置いて配置された二つのセンサープローブ21を備えていてもよいことに注意されてよい。そのようなアレンジメントでは、二つのセンサープローブ21の間のパラメーターたとえば容量が、代りに、感知されてよい。
【0046】
隣接プレート1a,1bのいずれか一つの漏れをもたらすクラックの場合、一次および二次媒体の一つが、隣接プレート1aおよび1bの間の空間に入り、毛細管力によって一つまたは複数の空洞22に分配される。媒体は、上に説明したように、センサープローブ21と隣接プレート1a,1bの間の、または二つのセンサープローブ21の間の誘電体特性を変化させる。センサープローブ21の適切な機能が、センサープローブ21と隣接プレート1a,1bの間の抵抗を感知することによって感知されてもよい。絶縁体23が壊れた場合、抵抗は、その兆候として著しく減少する。
【0047】
センサー20は、開示された実施形態では、センサープローブ21の一端に接続された少なくとも一つの接続部26を備えている。接続部26は、エッジエリア11に設けられた接続点27まで延在している。接続部26は、少なくともガスケットエリア12ではホイル形状を有していてよい。
図5に示された実施形態では、隣接プレート1a,1bは、ガスケットエリア12に、エッジエリア11と平行にガスケットエリア12に沿って延在している凹部を備えている。凹部は、ガスケット13を収容するためのガスケット溝を形成している。接続部26は、ガスケットエリア12を通過するときに、凹部にしたがうように曲げられている。接続部26のホイル形状のおかげで、その強度は、そのような曲げに耐えるように高められている。接続部26は、電気的伝導材料で作られており、センサープローブ21と同じ種類の絶縁体を備えている。接続部品26は、センサープローブ21の一部を形成していてもよいことに注意すべきである。接続部26はまた、センサープローブ21と接続点27の間で信号を送信する唯一の目的のために設けられていてもよい。
【0048】
隣接プレート1a,1bの一方1bの凹部を隣接プレート1a,1bの他方1aの凹部よりも深くすることは可能である。そのようなやり方では、ギャップ28が、隣接プレート1a,1bの間に(
図6および7参照)、ガスケットエリア12に沿って形成される。さらなるガスケット29が、
図6および7に開示された実施形態では、ギャップ28中に設けられている。そのようなさらなるガスケット29は、隣接プレート1a,1bの間の空間を密閉し、外部液体が隣接プレート1aおよび1bの間の空間に浸透し得ないことを確実にする。そのようなさらなるギャップ28はまた、隣接プレート1a,1bの一方1aのガスケットエリア12が平らであり、隣接プレート1a,1bの他方1bのガスケットエリア12がわすかに凹んでいる場合に設けられてもよい。
【0049】
接続部26は、さらなるガスケット29を貫いて(
図6参照)、またはさらなるガスケット29のそばまで、さらなるガスケット29を通過してよい。
【0050】
代案として、
図7に示されるように、センサープローブ21は、熱伝達エリア10に設けられた代わりに、ギャップ28中に少なくとも部分的に設けられ配置されてもよい。センサープローブ21は、さらなるガスケット29に沿って延在し、さらなるガスケット29のそばに熱伝達エリア10に向かって設けられている。隣接プレート1a,1bのいずれか一つが壊れたならば、ことによると漏れている媒体は、ギャップ28に、またそこに設けられたセンサープローブ21に到達する。外側からの流体は、さらなるガスケット29のおかげで、ギャップ28中のセンサープローブ21に到達することが防止されている。
【0051】
センサー20はまた、センサープローブ21の他端に接続されたさらなる接続部31を備えていてもよい。さらなる接続部31は、
図8に示されるように、エッジエリア11に設けられたさらなる接続点32まで延在している。そのような実施形態は、センサープローブ21の抵抗の感知を可能にする。抵抗は温度依存性があるので、抵抗の値は、個々の熱交換器プレート1についてセンサープローブ21に沿った平均気温を決定するために使用されてもよい。この場合、センサープローブ21は、その感知点の一つの付近の温度を感知するための熱電対素子であるか、それを備えていてよい。
【0052】
図5〜7に見られ得るように、隣接プレート1a,1bの一方1aは、接続部26と、可能なさらなる接続部31を露出させる切り欠き34をエッジエリア11に有している。そのような切り欠き34によって、接続部26,31またはそれぞれの接続点27,32は、適切な電子回路または外部エレクトロニクスへの接続のために外側からアクセス可能である。
図5〜7では、切り欠き34は、プレート1aのエッジに到達することなく、エッジエリア11に設けられている。しかしながら、切り欠き34は、エッジから延在していてもよい。
【0053】
さらなる実施形態によれば、各熱交換器プレートは、いわゆるバスモジュールなどの通信モジュール40を備えており、それは、電子回路を備えており、一つまたは複数のセンサー20と通信する。通信モジュール40は、たとえば、熱交換器プレート1のエッジエリア11に取り付けられていてもよい。通信モジュール40は、接続部26に接続点27で、ことによるとさらなる接続部31にさらなる接続点32で接続されていてもよい。
【0054】
通信モジュール40は、熱交換器プレート1の一次側に配置された少なくとも一つの一次接触子要素41と、熱交換器プレート1の反対の二次側に配置された少なくとも一つの二次接触子要素42を有している。熱交換器プレート1が互いに圧縮されるとき、
図5に示されるように、一次接触子要素41は二次接触子要素42と電気的に接触しているようになる。通信モジュール40がただ一つの一次接触子要素41とただ一つの二次接触子要素42を備えているならば、さらなる電気的接続子が、熱交換器プレート1を介して設けられていてもよい。通信モジュール40はまた、二つ、三つまたはそれよりも多くの一次接触子要素41と二次接触子要素42を備えていてもよい。
【0055】
各通信モジュール40は、任意の適切な種類のプロセッサーを備えているマスターユニット43(
図1および2参照)と通信する通信バスによって構成されている。したがって、各センサープローブ21からの信号は、それぞれの通信モジュール40を介してマスターユニット43に通信されなければならない。したがって、マスターユニット43は、すべての熱交換器プレート1のセンサープローブ21から信号を受信し処理するように構成されている。マスターユニット43は、使用者に情報を表示するためのディスプレイ44を備えていてもよい。マスターユニット43はまた、全体制御または監視システムなどの他のシステムとの通信のための手段を備えていてもよい。
【0056】
さらに、通信素子26,31は省かれてもよいに注意すべきである。したがって、センサープローブ21は、ことによると接続点27,32を介して通信モジュール40に直接接続されるように延在されていてもよい。
【0057】
本発明は、開示された実施形態に限定されず、続く特許請求の範囲の範囲内において変更および修正されてもよい。