【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1工程において、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ポリマー(1)を、無水マレイン酸(2):
【0010】
【化1】
【0011】
と反応させ、
第2工程において、前記第1工程から得られたマレイン酸モノエステル(3)を、少なくとも1つの第1級または第2級アミノ基(−NH−)を有する有機ポリシロキサン(4)と反応させることにより、シリコーンアスパラギン酸共重合体を製造する方法であって、
前記第1工程において、前記無水マレイン酸が、前記ポリマー(1)中のヒドロキシル基(−OH)の1molあたり、0.5〜1.1molの量で使用され、
前記第2工程において、前記有機ポリシロキサン(4)が、前記マレイン酸モノエステル(3)中のC=C二重結合の1molあたり、(4)中のアミノ基(−NH−)が、1〜10mol、好ましくは1〜3molの量で使用される、方法を提供する。
【0012】
少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ポリマー(1)としては、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートを用いることが好ましい。
【0013】
本発明に従うプロセスでは、用いられる少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ポリマー(1)は、好ましくは、式:
Poly(−OH)
r (II)
(式中、
rは、1から4、好ましくは1または2の整数であり、および、
Polyは、好ましくは少なくとも1つの≡C−O−C≡または−C(=O)−O−C≡基を含有する、一価から四価、好ましくは一価または二価の有機ポリマーラジカルであり、特に好ましくは、ポリエーテルラジカルである。)
の化合物である。
【0014】
好ましくは、有機ポリマー(1)が、式:
R
1[(−Z)
s−OH]
r (III)
(式中、
Zは、式−O−(C=O)
p−R
5−の基であり、
R
1は、1〜30個の炭素原子、好ましくは1〜18個の炭素原子を有する、1価〜4価、好ましくは1価〜2価の炭化水素基であり、
R
5は、直鎖状または分岐鎖状C
2−C
8−アルキレン基であり、
pは、0または1、好ましくは0であり、
rは、1、2、3、または4、好ましくは1または2であり、および
sは、3〜100、好ましくは8〜80の整数である。)
の化合物である。
【0015】
1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基Rの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−n−ブチル、2−n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基などのヘキシル基、n−ヘプチル基などのヘプチル基、n−オクチル基および2,2,4−トリメチルペンチル基などのイソオクチル基などのオクチル基、n−ノニル基などのノニル基、n−デシル基などのデシル基、n−ドデシル基などのドデシル基、ならびにn−オクタデシル基などのオクタデシル基、などのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル、5−へキセニル、シクロヘキセニル、1−プロペニル、アリル、3−ブテニル、および4−ペンテニル基などのアルケニル基;エチニル、プロパルギル、および1−プロピニル基などのアルキニル基;フェニル、ナフチル、アントリル、およびフェナントリル基などのアリール基;o−、m−、p−トリル基、キシリル基、およびエチルフェニル基などのアルカリール基;ならびに、ベンジル基、α−およびβ−フェニルエチル基などのアラルキル基である。
【0016】
1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基R
1の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−n−ブチル、2−n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n‐ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基などのヘキシル基、n−ヘプチル基などのヘプチル基、n−オクチル基および2,2,4−トリメチルペンチル基などのイソオクチル基などのオクチル基、n−ノニル基などのノニル基、n−デシル基などのデシル基、n−ドデシル基などのドデシル基、ならびにn−オクタデシル基などのオクタデシル基、などのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル、5−へキセニル、シクロヘキセニル、1−プロペニル、アリル、3−ブテニル、および4−ペンテニル基などのアルケニル基;エチニル、プロパルギル、および1−プロピニル基などのアルキニル基;フェニル、ナフチル、アントリル、およびフェナントリル基などのアリール基;o−、m−、p−トリル基、キシリル基、およびエチルフェニル基などのアルカリール基;ならびに、ベンジル基、α−およびβ−フェニルエチル基などのアラルキル基である。
【0017】
2価の基R
1の例は、式:
−CH
2CH
2−
−CH
2CH(CH
3)−
−CH
2CH
2CH
2CH
2−
−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−
の基であり、3価および4価の基R
1の例は、式:
−CH
2(CH−)CH
2−
CH
3C(CH
2−)
3
C
2H
5C(CH
2−)
3
C(CH
2−)
4
の基である。
【0018】
好ましくは、Zは、2〜8個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する開環エポキシドまたはラクトンである。Zの例は、式:
−OCH
2CH
2−
−OCH
2CH(CH
3)−
−OCH(CH
3)CH
2−
−OCH
2CH
2CH
2CH
2−
−OCH
2C(CH
3)
2−
−O(C=O)−CH
2CH
2CH
2−
−O(C=O)−CH
2CH
2CH
2CH
2−
−O(C=O)−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−
の基である。
【0019】
これらの基Zの3〜100個、特に好ましくは、8〜80個を含有するポリエーテル基が、好ましい。
【0020】
好ましくは、有機ポリマー(1)は、少なくとも3個のオキシエチレン、オキシプロピレン、もしくはオキシブチレン単位、またはブロックもしくは統計的配列による混合された形態を含有する。
【0021】
好ましい有機ポリマー(1)は、従って、式:
R
6−[O−R
5]
s−O−H (IV)
のポリエーテルであり、特に好ましいのは、式:
R
6−[O−CH
2−CH(CH
3)]
x−[O−CH
2−CH
2]
y−O−H (V)
(式中、
Rは、1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、
R
5は、直鎖状または分岐鎖状C
2−C
8−アルキレン基であり、
R
6は、水素原子、基R、または式:R
7−C(O)−の基であり、
式中、
R
7は、C
1−C
18−アルキル基であり、
xは、0、または1〜100の整数であり、および、
yは、0、または1〜100の整数であるが、但し、
x+yは、少なくとも3であり、好ましくは8〜80である。)
のエーテルである。
【0022】
本発明の状況の範囲内において、式(V)は、x個の単位−[O−CH
2−CH(CH
3)]−およびy個の単位−[O−CH
2−CH
2]−が、ポリエーテル分子内にて所望されるいかなる形で分布されていてもよいことを意味するものとして理解されることを意図している。
【0023】
好ましくは、R
6は、水素原子、または1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基Rである。R
6が炭化水素基Rである場合、R
6は、好ましくは、C
1−C
8−アルキル基である。
【0024】
有機ポリマー(1)は、第1級、第2級、または第3級カルビノール末端を有していてよい。指数「r」によると、これらは、好ましくは、一または二官能性である。有機ポリマー(1)は、一般的に公知の方法によって製造される。
【0025】
一官能性ポリマー(1)、すなわち、1つのヒドロキシル基を有するものであり、好ましくは一官能性ポリエーテルが用いられる場合、無水マレイン酸は、好ましくは、(1)中のヒドロキシル基(−OH)の1molあたり0.8〜1.1molの量で用いられる。二官能性ポリマー(1)、すなわち、2つのヒドロキシル基を有するものであり、好ましくは二官能性ポリエーテルが用いられる場合、無水マレイン酸は、好ましくは、(1)中のヒドロキシル基(−OH)の1molあたり0.5〜1.0molの量で用いられる。
【0026】
本発明による方法の第1工程において、一官能性ポリマー(1)を用いる場合は、OH基の80〜100%がエステル化されることが好ましく、二官能性ポリマーを用いる場合は、OH基の40〜100%がエステル化されることが好ましい。
【0027】
第1工程は、好ましくは、第3級アミンの存在下において行なわれる。第3級アミンの例は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルブチルアミン、トリイソオクチルアミン、およびメチルモルホリンである。
【0028】
本発明による方法の第1工程は、好ましくは、20〜140℃、好ましくは40〜120℃、特に好ましくは50〜100℃の温度において実施され、好ましくは、周囲の雰囲気の圧力、すなわち、約1020hPaにおいて実施されるが、これよりも高いまたは低い圧力で実施されてもよい。
【0029】
本発明による方法の第1工程では、ヒドロキシ官能性ポリマーのマレイン酸モノエステル(3)が得られる。
このようなマレイン酸モノエステル(3)は、式:
HO−(O=)C−CH=CH−C(=O)−O−(Poly) (VI)
の基を含有し、
(式中、
(Poly)は、(1)の有機ポリマー基との連結を示している。)
【0030】
例えば、本発明による方法の第1工程において、無水マレイン酸が、式(V)の一官能性ポリエーテル(式(V)においてR
6=R)と反応される場合、式:
HO−(O=)C−CH=CH−C(=O)−O−[CH
2CH
2O]
y−[CH(CH
3)CH
2O]
x−R (VI’)
(式中、
xおよびyは、それぞれ上記と同様の意味を有する。)
のマレイン酸モノエステルが得られる。
【0031】
これらのマレイン酸モノエステル(3)は、本発明による方法の第2工程において、少なくとも1つの第1級または第2級アミノ基を有する有機ポリシロキサン(4)と反応される。
【0032】
好ましくは、有機ポリシロキサン(4)中の第1級または第2級アミノ基は、式:
−R
2−[NR
3−R
4−]
gNHR
3 (VII)
のSi−C結合された基Xである。
(式中、
R
2は、1〜18個の炭素原子を有する2価の直鎖状または分岐鎖状炭化水素基であり、
R
3は、水素原子、または1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基、好ましくは、C
1−C
4−アルキル基、またはアシル基であり、好ましくは、水素原子であり、
R
4は、1〜6個の炭素原子を有する2価の炭化水素基であり、および、
gは、0、1、2、3、または4、好ましくは0または1である。)
【0033】
第1級および第2級アミノ基に加えて、有機ポリシロキサン(4)が、第3級アミノ基を含有していてもよく、またはそれ以外では、アルコキシもしくはヒドロキシル基を含有していてもよいが、これらは、(3)と(4)との連結反応には関与しないが、いくつかの場合では、最初に形成されたシリコーンアスパラギン酸共重合体の縮合を補助して、より大きなポリマーを生成する。
【0034】
好ましくは、用いられる前記有機ポリシロキサン(4)が、一般式:
【0035】
【化2】
【0036】
(式中、
Xは、上記と同様の意味であり
Rは、1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
R’は、水素原子、または1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基、好ましくは、C
1−C
4−アルキル基であり、
aは、0または1であり、
bは、0、1、2、または3であり、
cは、0または1であるが、
ただし、和a+b+cは、≦3であり、且つ、前記有機ポリシロキサンは、1分子あたり少なくとも1つの基Xを含有する。)
の一つである。
【0037】
用いられる好ましい有機ポリシロキサン(4)が、一般式:
X
kR
*3−kSiO(R
2SiO)
m(XR
*SiO)
nSiR
*3−kX
k (IX)
(式中、
Xは、上記と同様の意味であり、
R
*は、R、または式−OR’の基であり、
RおよびR’は、上記と同様の意味であり、
kは、0または1であり、
mは、0、または1から1000の整数であり、
nは、0、または1から50の整数であるが、但し、
前記有機ポリシロキサンは、1分子あたり少なくとも1つの基Xを含有する。)
の一つである。
【0038】
基Xの好ましい例は、式:
H
2N(CH
2)
3−
H
2N(CH
2)
2NH(CH
2)
3−
H
2N(CH
2)
2NH(CH
2)CH(CH
3)CH
2−
(シクロヘキシル)NH(CH
2)
3−
CH
3NH(CH
2)
3−
CH
3CH
2NH(CH
2)
3−
CH
3NH(CH
2)
2NH(CH
2)
3−
CH
3CH
2NH(CH
2)
2NH(CH
2)
3−
、
およびこれらの一部分がアセチル化された形態
の基である。
【0039】
特に好ましい基Xの例は、式:
H
2N(CH
2)
3−
H
2N(CH
2)
2NH(CH
2)
3−
(シクロヘキシル)NH(CH
2)
3−
(アセチル)−NH(CH
2)
2NH(CH
2)
3−
H
2N(CH
2)
2N(アセチル)(CH
2)
3−
の基である。
【0040】
好ましくは、基R
*は、Rの意味を有する。
【0041】
有機ポリシロキサン(4)は、好ましくは、25℃において50〜50000mPa・s、好ましくは、25℃において200〜20000mPa・sの粘度を有し、および、好ましくは、0.02〜1.0mEquiv/g、好ましくは、0.05〜0.8mEquiv/gのアミン含有量を有し、これは、好ましくは、0.02〜1.0、好ましくは、0.05〜0.8のアミン価に相当する。
【0042】
本発明による方法の第2工程は、好ましくは、20〜100℃、好ましくは40〜80℃の温度において実施され、好ましくは、周囲の雰囲気の圧力、すなわち、約1020hPaにおいて実施されるが、これよりも高いまたは低い圧力で実施されてもよい。
【0043】
(4)中のアミノ基(−NH−)および(3)中のC=C二重結合の付加によるアスパラギン酸基の形成、いわゆるヒドロアミノ化は、温和な条件下において、数時間以内に高収率で行われる。
【0044】
この付加反応は、疎水性シロキサンポリマーを、ポリエーテルまたはポリエステルなどのそれより親水性であるポリマーと結合させるものである。触媒は、この目的のためには不要である。
【0045】
本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体の粘度が、その極性構造のために非常に高いことから、第2工程における付加反応は、好ましくは、希釈剤としての有機溶媒中において実施される。
【0046】
有機溶媒の例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール、ならびにエチレングリコールおよびジエチレングリコールなどのグリコール、ならびにジエチレン・グリコール・モノブチル・エーテルなどのグリコール・エーテルである。
【0047】
有機溶媒は、この場合、好ましくは、得られるシリコーンアスパラギン酸共重合体の100重量部あたり、20〜200重量部、好ましくは25から100重量部の量で用いられる。
【0048】
付加反応は、また、水の存在下で実施されてもよい。この場合、マレイン酸モノエステル(3)は、水中に溶解され、有機ポリシロキサン(4)は、好ましくは、有機溶媒中に希釈された形態で計量投入される。これにより、シリコーンアスパラギン酸共重合体の水性エマルジョンが得られる。
【0049】
本発明による方法では、アスパラギン酸化合物基をシリコーン部分と有機ポリマー部分との間に有するシリコーンアスパラギン酸共重合体が得られる。従って、本発明は、一分子あたり、下記式およびその混合物の群より選択される少なくとも1つのアスパラギン酸化合物基Yを含有する、シリコーンアスパラギン酸共重合体を提供する。
(≡Si)−R
2−[NR
3−R
4−]
gNR
3−CH(−CO
2H)−CH
2−CO
2−(Poly) (X)
(≡Si)−R
2−[NR
3−R
4−]
gNR
3−CH(−CH
2−CO
2H)−CO
2−(Poly) (X’)
(式中、
R
2、R
3、R
4、およびgは、それぞれ上記と同様の意味であり、
(Si≡)は、Si−C結合を介する有機ポリシロキサンとの連結を示し、および、
(Poly)は、有機ポリマー基との連結を示す。)
【0050】
好ましくは、アスパルテート化合物基は、式:
−SiR
*dO
(3−d)/2
(式中、dは、0、1、または2、好ましくは1または2であり、
R
*は、上記と同様の意味を有する。)
のシロキサンユニットを介して有機ポリシロキサンと結合されている。
【0051】
好ましくは、アスパルテート化合物基が結合されている有機ポリマー基(Poly)は、式:
−(O−R
5)
s−、
のポリエーテル基であり、
好ましくは、式:
−[O−CH
2−CH(CH
3)]
x−[O−CH
2−CH
2]
y−
のポリエーテル基である。
(式中、R
5、s、x、およびyは、それぞれ上記と同様の意味である。)
【0052】
例えば、本発明による方法の第2工程において、末端アミノ基X(アミノエチルアミノプロピル基など)を有する式(IX)の有機ポリシロキサン(4)、すなわち、式:
XR
2SiO(R
2SiO)
mSiR
2X (IX’)
が用いられ、これを、一官能性ポリエーテルのマレイン酸モノエステル(3)、すなわち、式(VI’)のマレイン酸モノエステルと、(3)中のC=C二重結合1モルあたり、(4)中の−NH
2基1モルの量で反応させる場合、
式:
R−[OCH
2CH(CH
3)]
x[OCH
2CH
2]
y−Y−R
2SiO(R
2SiO)
mSiR
2−Y−[CH
2CH
2O]
y[CH(CH
3)CH
2O]
X−R (XI)
(式中、
R、X、Y、m、x、およびyは、それぞれ上記と同様の意味である。)
の共重合体、すなわち、A−B−Aタイプの共重合体が得られる。
【0053】
本発明は、さらに、
(i)本発明にシリコーンアスパラギン酸共重合体、
(ii)所望により乳化剤、および、
(iii)水、
を含んでなるエマルジョンも提供する。
【0054】
本発明によるエマルジョンは、成分(i)、(ii)、および(iii)の混合、好ましくは強力な混合によって製造される。
有機ポリシロキサンのエマルジョンを製造するための技術は、公知である。例えば、強力な混合は、ローターステータ攪拌装置、コロイドミル、または高圧ホモジナイザーによって行われてよい。
【0055】
本発明によるエマルジョンにおいて、水は、各々の場合において本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体(i)の100重量部に対して、好ましくは、80〜400重量部、特に好ましくは、100〜400重量部の量で用いられる。
【0056】
用いてよい乳化剤(ii)は、従来から公知であるすべてのカチオン性、アニオン性、および非イオン性乳化剤であり、単独でもよいし、および従来から有機ポリシロキサンの水性エマルジョンを生成することが可能である異なる乳化剤との混合物としてであってもよい。
【0057】
乳化剤が、本発明によるエマルジョン中において共使用される場合、それらは、各々の場合において本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体(i)の100重量部に対して、好ましくは、0〜40重量部、特に好ましくは、5〜20重量部の量で用いられる。
【0058】
本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体は、選択される化学量論に応じて、水溶性、または自己乳化性(いわゆる自己乳化系)とすることができ、すなわち、それらは、乳化のためにさらなる補助剤を必要としない。
【0059】
本発明による方法は、用いられる出発物質である、比較的疎水性のアミノシリコーンポリマー(4)、およびポリエーテルやポリエステルなどの比較的親水性のヒドロキシ官能性ポリマー(1)が、不相溶性であるにも関わらず、ヒドロキシ官能性ポリマーが、そのマレイン酸モノエステル(3)の形態で用いられる場合、後者は、驚くべきことに、アミノシリコーンポリマー(4)と自発的に反応し、その反応は、高価な貴金属触媒などの触媒を用いることなく、温和な反応条件下にて実施され、高い収率が達成される、という利点を有することである。迅速な反応において、そうでなければほとんど混和しないポリマー出発物質から、これらの出発物質がアスパラギン酸基を介して結合した共重合体が生成される。中性のポリエーテルマレイン酸エステル、すなわちジエステルが用いられる場合、実質的に顕著な反応は観察することができない。さらに、本発明による方法は、不飽和出発物質を重合しないように安定化させるための安定化剤も必要としない、という利点を有することである。
【0060】
本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体は、シロキサンポリマーと有機ポリマーとの間のアミノ酸基が生分解性であり、その結果として、共重合体の界面活性特性が再び消滅する、という利点を有することである。