特許第5666720号(P5666720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666720
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】シリコーンアスパラギン酸共重合体
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/46 20060101AFI20150122BHJP
   C08G 81/00 20060101ALI20150122BHJP
   C08L 83/12 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   C08G77/46
   C08G81/00
   C08L83/12
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-545267(P2013-545267)
(86)(22)【出願日】2011年12月19日
(65)【公表番号】特表2014-500376(P2014-500376A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】EP2011073241
(87)【国際公開番号】WO2012084826
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2013年8月20日
(31)【優先権主張番号】102010063737.8
(32)【優先日】2010年12月21日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100155631
【弁理士】
【氏名又は名称】榎 保孝
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、ヘルツィヒ
【審査官】 前田 孝泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−000641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/00− 77/62
C08G 81/00− 81/02
C07F 7/02− 7/21
C08L 83/00− 83/16
C08J 3/00− 3/28
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1工程において、一般式:
−[O−CH−CH(CH)]−[O−CH−CH−O−H (V)
(式中
は、水素原子、基R(基Rは、1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である。)、または式R−C(O)−の基(Rは、C−C18−アルキル基である。)であり
は、0、または1〜100の整数であり
は、0、または1〜100の整数であり、
和x+yは、少なくとも3である。)
で表される、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ポリマー(1)を、無水マレイン酸(2):
【化1】
と反応させることにより、式:
HO−(O=)C−CH=CH−C(=O)−O−[CHCHO]−[CH(CH)CHO]−R (VI)
(式中、R、x、およびyは、それぞれ上記と同様の意味を有する。)
のマレイン酸モノエステル(3)を得て、
第2工程において、前記第1工程から得られたマレイン酸モノエステル(3)を、少なくとも1つの第1級または第2級アミノ基(−NH−)を有する有機ポリシロキサン(4)と反応させることにより、シリコーンアスパラギン酸共重合体を製造する方法であって、
前記第1工程において、前記無水マレイン酸が、前記ポリマー(1)中のヒドロキシル基(−OH)の1molあたり、0.5〜1.1molの量で使用され、
前記第2工程において、前記1級または第2級アミノ基が、一般式:
−R−[NR−R−]NHR (VII)
(式中、
は、1〜18個の炭素原子を有する二価の直鎖状または分岐鎖状炭化水素基であり、
は、水素原子、または1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、
は、1〜6個の炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、
gは、0、1、2、3、または4である。)
のSi−C結合された基Xであり、
前記有機ポリシロキサン(4)が、前記マレイン酸モノエステル(3)中のC=C二重結合の1molあたり、(4)中のアミノ基(−NH−)が、1〜10molの量で使用され、
前記得られたシリコーンアスパラギン酸共重合体が、一分子あたり、下記式およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのアスパラギン酸化合物基Yを含有する、方法:
(≡Si)−R−[NR−R−]NR−CH(−COH)−CH−CO−[CH−CH−O]−[CH(CH)−CH−O] (X)
(≡Si)−R−[NR−R−]NR−CH(−CH−COH)−CO−[CH−CH−O]−[CH(CH)−CH−O] (X’)
(式中、
、R、R、R、x、y、およびgは、それぞれ上記と同様の意味であり、
(Si≡)は、Si−C結合を介する前記有機ポリシロキサンとの連結を示す。)。
【請求項2】
式(V)において、x+yが、8〜80であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
用いられる前記有機ポリシロキサン(4)が、一般式:
【化2】
(式中、
Xは、式、
−R−[NR−R−]NHR (VII
のSi−C結合された基であり、
Rは、1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
R’は、水素原子、または1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
は、1〜18個の炭素原子を有する2価の直鎖状または分岐鎖状炭化水素基であり、
は、水素原子、または1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
は、1〜6個の炭素原子を有する2価の炭化水素基であり、
aは、0または1であり、
bは、0、1、2、または3であり、
cは、0または1であり、
gは、0、1、2、3、または4であるが、但し
和a+b+cは、≦3であり、且つ、前記有機ポリシロキサンは、1分子あたり少なくとも1つの基Xを含有する。)
の一つであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
用いられる前記有機ポリシロキサン(4)が、一般式:
3−kSiO(RSiO)(XRSiO)SiR3−k (IX)
(式中、
Xは、請求項3と同様の意味であり、
Rは、1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
は、R、または式−OR’の基であり、
R’は、水素原子、または1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
kは、0または1であり、
mは、0、または1から1000の整数であり、
nは、0、または1から50の整数であるが、但し、
前記有機ポリシロキサンは、1分子あたり少なくとも1つの基Xを含有する。)
の一つであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
一分子あたり、下記式およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのアスパラギン酸化合物基Yを含有する、シリコーンアスパラギン酸共重合体:
(≡Si)−R−[NR−R−]NR−CH(−COH)−CH−CO−[CH−CH−O]−[CH(CH)−CH−O] (X)
(≡Si)−R−[NR−R−]NR−CH(−CH−COH)−CO−[CH−CH−O]−[CH(CH)−CH−O] (X’)
(式中、
、R、R、R、x、y、およびgは、請求項1と同様の意味であり、
(Si≡)は、Si−C結合を介する前記有機ポリシロキサンとの連結を示す。)。
【請求項6】
(i)請求項5に記載のシリコーンアスパラギン酸共重合体、または請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法で製造されるシリコーンアスパラギン酸共重合体、
(ii)所望により乳化剤、および、
(iii)水、
を含んでなる、エマルジョン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン共重合体、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーンを有機ポリマーへ結合させることは、反応管理に高度な必要条件が要求される比較的困難な課題である。シリコーン共重合体製造のための慣習的な方法は、不飽和ポリエーテルおよび水素シロキサンからヒドロキシル化によりシリコーンポリエーテルを製造することであるが、この方法は、原料の純度および狭い反応条件の確立に関して要求される高度な必要条件が遵守される場合にのみ満足して行なうことができる。主として障害となるのは、主成分の著しい不相溶性であり、その結果として、反応速度は著しく低下する。高価な貴金属触媒は、さらに不利である。
【0003】
この触媒プロセスの他には、疎水性のシロキサンを親水性の有機ポリマーへ、円滑な反応により容易に結合させることができる合成方法は、ほとんどない。それでも、これは、アセトアセテートポリエーテルまたはアクリレートポリエーテルのアミノシロキサンへの付加によって、最も起こりうる可能性が高い。いずれの場合でも、原料の互いに対する溶
解性が低いことから、反応時間が非常に長い。
【0004】
米国特許第6,664,342号(特許文献1)は、中性マレイン酸ジエステルのアミノシロキサンへの付加について記載している。これらのマレイン酸ジエステルは、C−C−アルコールとのエステルであり、シロキサン中に溶解して透明な溶液を与え、従って、シロキサン中に均質に分散される。しかしながら、80〜220℃において1〜10時間の反応時間が必要である。さらに、必要とされる過剰のジエステルは、反応の完了時に留去する必要がある。アスパラギン酸エステル官能性シリコーンは得られるが、この方法では共重合体は得られない。
【0005】
米国特許第5,990,334号(特許文献2)は、酸基を含有し、二重結合を持つ酸性有機化合物のアミノシロキサンへの付加によって得られるシロキサンについて記載しており、このC=C二重結合は、カルビノール部分に酸基を含有するアクリレートとして規定される。そのような出発物質は、製造が複雑であり、安定化剤によって固有の重合から保護する必要がある。
【0006】
欧州特許第324595号(特許文献3)は、アミノ化合物が付加された単量体マレイン酸モノエステルの使用について記載している。しかし、このアミンは、第1級または第2級アミン基を有する単量体有機化合物であり、単量体モノエステル中に均質に溶解する。この方法において用いられる単量体有機出発物質は、シリコーン構成要素を含有しないことから、互いに相溶性がある。従って、この方法でシリコーン共重合体を得ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,664,342号
【特許文献2】米国特許第5,990,334号
【特許文献3】欧州特許第324595号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本目的は、簡便な方法により、温和な反応条件下、高い収率にて、安定化剤を用いることなく、特に、触媒を用いることなく、シリコーンポリマー、および有機ポリマー、特にはポリエーテルなどの親水性有機ポリマーから得られるシリコーン共重合体を提供することであった。本目的は、本発明によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1工程において、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ポリマー(1)を、無水マレイン酸(2):
【0010】
【化1】
【0011】
と反応させ、
第2工程において、前記第1工程から得られたマレイン酸モノエステル(3)を、少なくとも1つの第1級または第2級アミノ基(−NH−)を有する有機ポリシロキサン(4)と反応させることにより、シリコーンアスパラギン酸共重合体を製造する方法であって、
前記第1工程において、前記無水マレイン酸が、前記ポリマー(1)中のヒドロキシル基(−OH)の1molあたり、0.5〜1.1molの量で使用され、
前記第2工程において、前記有機ポリシロキサン(4)が、前記マレイン酸モノエステル(3)中のC=C二重結合の1molあたり、(4)中のアミノ基(−NH−)が、1〜10mol、好ましくは1〜3molの量で使用される、方法を提供する。
【0012】
少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ポリマー(1)としては、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートを用いることが好ましい。
【0013】
本発明に従うプロセスでは、用いられる少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ポリマー(1)は、好ましくは、式:
Poly(−OH) (II)
(式中、
rは、1から4、好ましくは1または2の整数であり、および、
Polyは、好ましくは少なくとも1つの≡C−O−C≡または−C(=O)−O−C≡基を含有する、一価から四価、好ましくは一価または二価の有機ポリマーラジカルであり、特に好ましくは、ポリエーテルラジカルである。)
の化合物である。
【0014】
好ましくは、有機ポリマー(1)が、式:
[(−Z)−OH] (III)
(式中、
Zは、式−O−(C=O)−R−の基であり、
は、1〜30個の炭素原子、好ましくは1〜18個の炭素原子を有する、1価〜4価、好ましくは1価〜2価の炭化水素基であり、
は、直鎖状または分岐鎖状C−C−アルキレン基であり、
pは、0または1、好ましくは0であり、
rは、1、2、3、または4、好ましくは1または2であり、および
sは、3〜100、好ましくは8〜80の整数である。)
の化合物である。
【0015】
1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基Rの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−n−ブチル、2−n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基などのヘキシル基、n−ヘプチル基などのヘプチル基、n−オクチル基および2,2,4−トリメチルペンチル基などのイソオクチル基などのオクチル基、n−ノニル基などのノニル基、n−デシル基などのデシル基、n−ドデシル基などのドデシル基、ならびにn−オクタデシル基などのオクタデシル基、などのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル、5−へキセニル、シクロヘキセニル、1−プロペニル、アリル、3−ブテニル、および4−ペンテニル基などのアルケニル基;エチニル、プロパルギル、および1−プロピニル基などのアルキニル基;フェニル、ナフチル、アントリル、およびフェナントリル基などのアリール基;o−、m−、p−トリル基、キシリル基、およびエチルフェニル基などのアルカリール基;ならびに、ベンジル基、α−およびβ−フェニルエチル基などのアラルキル基である。
【0016】
1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基Rの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−n−ブチル、2−n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n‐ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基などのヘキシル基、n−ヘプチル基などのヘプチル基、n−オクチル基および2,2,4−トリメチルペンチル基などのイソオクチル基などのオクチル基、n−ノニル基などのノニル基、n−デシル基などのデシル基、n−ドデシル基などのドデシル基、ならびにn−オクタデシル基などのオクタデシル基、などのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル、5−へキセニル、シクロヘキセニル、1−プロペニル、アリル、3−ブテニル、および4−ペンテニル基などのアルケニル基;エチニル、プロパルギル、および1−プロピニル基などのアルキニル基;フェニル、ナフチル、アントリル、およびフェナントリル基などのアリール基;o−、m−、p−トリル基、キシリル基、およびエチルフェニル基などのアルカリール基;ならびに、ベンジル基、α−およびβ−フェニルエチル基などのアラルキル基である。
【0017】
2価の基Rの例は、式:
−CHCH
−CHCH(CH)−
−CHCHCHCH
−CHCHCHCHCHCH
の基であり、3価および4価の基Rの例は、式:
−CH(CH−)CH
CHC(CH−)
C(CH−)
C(CH−)
の基である。
【0018】
好ましくは、Zは、2〜8個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する開環エポキシドまたはラクトンである。Zの例は、式:
−OCHCH
−OCHCH(CH)−
−OCH(CH)CH
−OCHCHCHCH
−OCHC(CH
−O(C=O)−CHCHCH
−O(C=O)−CHCHCHCH
−O(C=O)−CHCHCHCHCH
の基である。
【0019】
これらの基Zの3〜100個、特に好ましくは、8〜80個を含有するポリエーテル基が、好ましい。
【0020】
好ましくは、有機ポリマー(1)は、少なくとも3個のオキシエチレン、オキシプロピレン、もしくはオキシブチレン単位、またはブロックもしくは統計的配列による混合された形態を含有する。
【0021】
好ましい有機ポリマー(1)は、従って、式:
−[O−R−O−H (IV)
のポリエーテルであり、特に好ましいのは、式:
−[O−CH−CH(CH)]−[O−CH−CH−O−H (V)
(式中、
Rは、1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、
は、直鎖状または分岐鎖状C−C−アルキレン基であり、
は、水素原子、基R、または式:R−C(O)−の基であり、
式中、
は、C−C18−アルキル基であり、
xは、0、または1〜100の整数であり、および、
yは、0、または1〜100の整数であるが、但し、
x+yは、少なくとも3であり、好ましくは8〜80である。)
のエーテルである。
【0022】
本発明の状況の範囲内において、式(V)は、x個の単位−[O−CH−CH(CH)]−およびy個の単位−[O−CH−CH]−が、ポリエーテル分子内にて所望されるいかなる形で分布されていてもよいことを意味するものとして理解されることを意図している。
【0023】
好ましくは、Rは、水素原子、または1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基Rである。Rが炭化水素基Rである場合、Rは、好ましくは、C−C−アルキル基である。
【0024】
有機ポリマー(1)は、第1級、第2級、または第3級カルビノール末端を有していてよい。指数「r」によると、これらは、好ましくは、一または二官能性である。有機ポリマー(1)は、一般的に公知の方法によって製造される。
【0025】
一官能性ポリマー(1)、すなわち、1つのヒドロキシル基を有するものであり、好ましくは一官能性ポリエーテルが用いられる場合、無水マレイン酸は、好ましくは、(1)中のヒドロキシル基(−OH)の1molあたり0.8〜1.1molの量で用いられる。二官能性ポリマー(1)、すなわち、2つのヒドロキシル基を有するものであり、好ましくは二官能性ポリエーテルが用いられる場合、無水マレイン酸は、好ましくは、(1)中のヒドロキシル基(−OH)の1molあたり0.5〜1.0molの量で用いられる。
【0026】
本発明による方法の第1工程において、一官能性ポリマー(1)を用いる場合は、OH基の80〜100%がエステル化されることが好ましく、二官能性ポリマーを用いる場合は、OH基の40〜100%がエステル化されることが好ましい。
【0027】
第1工程は、好ましくは、第3級アミンの存在下において行なわれる。第3級アミンの例は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルブチルアミン、トリイソオクチルアミン、およびメチルモルホリンである。
【0028】
本発明による方法の第1工程は、好ましくは、20〜140℃、好ましくは40〜120℃、特に好ましくは50〜100℃の温度において実施され、好ましくは、周囲の雰囲気の圧力、すなわち、約1020hPaにおいて実施されるが、これよりも高いまたは低い圧力で実施されてもよい。
【0029】
本発明による方法の第1工程では、ヒドロキシ官能性ポリマーのマレイン酸モノエステル(3)が得られる。
このようなマレイン酸モノエステル(3)は、式:
HO−(O=)C−CH=CH−C(=O)−O−(Poly) (VI)
の基を含有し、
(式中、
(Poly)は、(1)の有機ポリマー基との連結を示している。)
【0030】
例えば、本発明による方法の第1工程において、無水マレイン酸が、式(V)の一官能性ポリエーテル(式(V)においてR=R)と反応される場合、式:
HO−(O=)C−CH=CH−C(=O)−O−[CHCHO]−[CH(CH)CHO]−R (VI’)
(式中、
xおよびyは、それぞれ上記と同様の意味を有する。)
のマレイン酸モノエステルが得られる。
【0031】
これらのマレイン酸モノエステル(3)は、本発明による方法の第2工程において、少なくとも1つの第1級または第2級アミノ基を有する有機ポリシロキサン(4)と反応される。
【0032】
好ましくは、有機ポリシロキサン(4)中の第1級または第2級アミノ基は、式:
−R−[NR−R−]NHR (VII)
のSi−C結合された基Xである。
(式中、
は、1〜18個の炭素原子を有する2価の直鎖状または分岐鎖状炭化水素基であり、
は、水素原子、または1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基、好ましくは、C−C−アルキル基、またはアシル基であり、好ましくは、水素原子であり、
は、1〜6個の炭素原子を有する2価の炭化水素基であり、および、
gは、0、1、2、3、または4、好ましくは0または1である。)
【0033】
第1級および第2級アミノ基に加えて、有機ポリシロキサン(4)が、第3級アミノ基を含有していてもよく、またはそれ以外では、アルコキシもしくはヒドロキシル基を含有していてもよいが、これらは、(3)と(4)との連結反応には関与しないが、いくつかの場合では、最初に形成されたシリコーンアスパラギン酸共重合体の縮合を補助して、より大きなポリマーを生成する。
【0034】
好ましくは、用いられる前記有機ポリシロキサン(4)が、一般式:
【0035】
【化2】
【0036】
(式中、
Xは、上記と同様の意味であり
Rは、1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
R’は、水素原子、または1〜18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基、好ましくは、C−C−アルキル基であり、
aは、0または1であり、
bは、0、1、2、または3であり、
cは、0または1であるが、
ただし、和a+b+cは、≦3であり、且つ、前記有機ポリシロキサンは、1分子あたり少なくとも1つの基Xを含有する。)
の一つである。
【0037】
用いられる好ましい有機ポリシロキサン(4)が、一般式:
3−kSiO(RSiO)(XRSiO)SiR3−k (IX)
(式中、
Xは、上記と同様の意味であり、
は、R、または式−OR’の基であり、
RおよびR’は、上記と同様の意味であり、
kは、0または1であり、
mは、0、または1から1000の整数であり、
nは、0、または1から50の整数であるが、但し、
前記有機ポリシロキサンは、1分子あたり少なくとも1つの基Xを含有する。)
の一つである。
【0038】
基Xの好ましい例は、式:
N(CH
N(CHNH(CH
N(CHNH(CH)CH(CH)CH
(シクロヘキシル)NH(CH
CHNH(CH
CHNH(CH
NH(CHNH(CH
CHNH(CHNH(CH
よびこれらの一部分がアセチル化された形態
の基である。
【0039】
特に好ましい基Xの例は、式:
N(CH
N(CHNH(CH
(シクロヘキシル)NH(CH
(アセチル)−NH(CHNH(CH
N(CHN(アセチル)(CH
の基である。
【0040】
好ましくは、基Rは、Rの意味を有する。
【0041】
有機ポリシロキサン(4)は、好ましくは、25℃において50〜50000mPa・s、好ましくは、25℃において200〜20000mPa・sの粘度を有し、および、好ましくは、0.02〜1.0mEquiv/g、好ましくは、0.05〜0.8mEquiv/gのアミン含有量を有し、これは、好ましくは、0.02〜1.0、好ましくは、0.05〜0.8のアミン価に相当する。
【0042】
本発明による方法の第2工程は、好ましくは、20〜100℃、好ましくは40〜80℃の温度において実施され、好ましくは、周囲の雰囲気の圧力、すなわち、約1020hPaにおいて実施されるが、これよりも高いまたは低い圧力で実施されてもよい。
【0043】
(4)中のアミノ基(−NH−)および(3)中のC=C二重結合の付加によるアスパラギン酸基の形成、いわゆるヒドロアミノ化は、温和な条件下において、数時間以内に高収率で行われる。
【0044】
この付加反応は、疎水性シロキサンポリマーを、ポリエーテルまたはポリエステルなどのそれより親水性であるポリマーと結合させるものである。触媒は、この目的のためには不要である。
【0045】
本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体の粘度が、その極性構造のために非常に高いことから、第2工程における付加反応は、好ましくは、希釈剤としての有機溶媒中において実施される。
【0046】
有機溶媒の例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール、ならびにエチレングリコールおよびジエチレングリコールなどのグリコール、ならびにジエチレン・グリコール・モノブチル・エーテルなどのグリコール・エーテルである。
【0047】
有機溶媒は、この場合、好ましくは、得られるシリコーンアスパラギン酸共重合体の100重量部あたり、20〜200重量部、好ましくは25から100重量部の量で用いられる。
【0048】
付加反応は、また、水の存在下で実施されてもよい。この場合、マレイン酸モノエステル(3)は、水中に溶解され、有機ポリシロキサン(4)は、好ましくは、有機溶媒中に希釈された形態で計量投入される。これにより、シリコーンアスパラギン酸共重合体の水性エマルジョンが得られる。
【0049】
本発明による方法では、アスパラギン酸化合物基をシリコーン部分と有機ポリマー部分との間に有するシリコーンアスパラギン酸共重合体が得られる。従って、本発明は、一分子あたり、下記式およびその混合物の群より選択される少なくとも1つのアスパラギン酸化合物基Yを含有する、シリコーンアスパラギン酸共重合体を提供する。
(≡Si)−R−[NR−R−]NR−CH(−COH)−CH−CO−(Poly) (X)
(≡Si)−R−[NR−R−]NR−CH(−CH−COH)−CO−(Poly) (X’)
(式中、
、R、R、およびgは、それぞれ上記と同様の意味であり、
(Si≡)は、Si−C結合を介する有機ポリシロキサンとの連結を示し、および、
(Poly)は、有機ポリマー基との連結を示す。)
【0050】
好ましくは、アスパルテート化合物基は、式:
−SiR(3−d)/2
(式中、dは、0、1、または2、好ましくは1または2であり、
は、上記と同様の意味を有する。)
のシロキサンユニットを介して有機ポリシロキサンと結合されている。
【0051】
好ましくは、アスパルテート化合物基が結合されている有機ポリマー基(Poly)は、式:
−(O−R−、
のポリエーテル基であり、
好ましくは、式:
−[O−CH−CH(CH)]−[O−CH−CH
のポリエーテル基である。
(式中、R、s、x、およびyは、それぞれ上記と同様の意味である。)
【0052】
例えば、本発明による方法の第2工程において、末端アミノ基X(アミノエチルアミノプロピル基など)を有する式(IX)の有機ポリシロキサン(4)、すなわち、式:
XRSiO(RSiO)SiRX (IX’)
が用いられ、これを、一官能性ポリエーテルのマレイン酸モノエステル(3)、すなわち、式(VI’)のマレイン酸モノエステルと、(3)中のC=C二重結合1モルあたり、(4)中の−NH基1モルの量で反応させる場合、
式:
R−[OCHCH(CH)][OCHCH−Y−RSiO(RSiO)SiR−Y−[CHCHO][CH(CH)CHO]−R (XI)
(式中、
R、X、Y、m、x、およびyは、それぞれ上記と同様の意味である。)
の共重合体、すなわち、A−B−Aタイプの共重合体が得られる。
【0053】
本発明は、さらに、
(i)本発明にシリコーンアスパラギン酸共重合体、
(ii)所望により乳化剤、および、
(iii)水、
を含んでなるエマルジョンも提供する。
【0054】
本発明によるエマルジョンは、成分(i)、(ii)、および(iii)の混合、好ましくは強力な混合によって製造される。
有機ポリシロキサンのエマルジョンを製造するための技術は、公知である。例えば、強力な混合は、ローターステータ攪拌装置、コロイドミル、または高圧ホモジナイザーによって行われてよい。
【0055】
本発明によるエマルジョンにおいて、水は、各々の場合において本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体(i)の100重量部に対して、好ましくは、80〜400重量部、特に好ましくは、100〜400重量部の量で用いられる。
【0056】
用いてよい乳化剤(ii)は、従来から公知であるすべてのカチオン性、アニオン性、および非イオン性乳化剤であり、単独でもよいし、および従来から有機ポリシロキサンの水性エマルジョンを生成することが可能である異なる乳化剤との混合物としてであってもよい。
【0057】
乳化剤が、本発明によるエマルジョン中において共使用される場合、それらは、各々の場合において本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体(i)の100重量部に対して、好ましくは、0〜40重量部、特に好ましくは、5〜20重量部の量で用いられる。
【0058】
本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体は、選択される化学量論に応じて、水溶性、または自己乳化性(いわゆる自己乳化系)とすることができ、すなわち、それらは、乳化のためにさらなる補助剤を必要としない。
【0059】
本発明による方法は、用いられる出発物質である、比較的疎水性のアミノシリコーンポリマー(4)、およびポリエーテルやポリエステルなどの比較的親水性のヒドロキシ官能性ポリマー(1)が、不相溶性であるにも関わらず、ヒドロキシ官能性ポリマーが、そのマレイン酸モノエステル(3)の形態で用いられる場合、後者は、驚くべきことに、アミノシリコーンポリマー(4)と自発的に反応し、その反応は、高価な貴金属触媒などの触媒を用いることなく、温和な反応条件下にて実施され、高い収率が達成される、という利点を有することである。迅速な反応において、そうでなければほとんど混和しないポリマー出発物質から、これらの出発物質がアスパラギン酸基を介して結合した共重合体が生成される。中性のポリエーテルマレイン酸エステル、すなわちジエステルが用いられる場合、実質的に顕著な反応は観察することができない。さらに、本発明による方法は、不飽和出発物質を重合しないように安定化させるための安定化剤も必要としない、という利点を有することである。
【0060】
本発明によるシリコーンアスパラギン酸共重合体は、シロキサンポリマーと有機ポリマーとの間のアミノ酸基が生分解性であり、その結果として、共重合体の界面活性特性が再び消滅する、という利点を有することである。
【実施例】
【0061】
マレイン酸モノエステルの調製:
マレイン酸モノエステル M1:
ポリエチレングリコール−2000の脱水モノメチルエーテルの150gを、60℃にて溶融し、7.3gの無水マレイン酸および0.8gのトリブチルアミンと混合する。この混合物を100℃において2時間完全に反応させ、次に約1mbarにおいて加熱乾燥する。ワックス状の生成物が得られる。1H−NMRによると、ポリエーテルの81%がマレイン酸モノエステルに変換された。
【0062】
マレイン酸モノエステル M2:
一般式:CO(EO)16(PO)11H(EO=エチレンオキシ基、PO=プロピレンオキシ基)でありOH価が37.0である脱水ポリエーテルの150gを、10.5gの無水マレイン酸および0.8gのトリブチルアミンと共に、100℃において2時間保持する。次に、僅かに残った無水マレイン酸を真空除去する。褐色がかった生成物は、ポリエーテルのマレイン酸モノエステルを84%含有している。
【0063】
マレイン酸モノエステル M3:
M2のために用いたポリエーテルの150g、および一般式:CO(EO)35(PO)24HでありOH価が16.75である分子量がより高いポリエーテルの150g(いずれも脱水物)の混合物を、14.1gの無水マレイン酸および1.6gのトリブチルアミンと共に、2時間保持する。次に、この混合物を、真空下にて加熱乾燥する。これにより、0.45mEquiv/gのC=C濃度を有する、透明で僅かに褐色がかったポリエーテルマレイン酸モノエステルが得られる。
【0064】
マレイン酸モノエステル M4:
予め脱水しておいたOH価が59.6であるEO/POポリエーテルジオール(BASFよりPluronic PE 3500として入手)の456gを、23.8gの無水マレイン酸および2.4gのトリブチルアミンと共に、100℃において2時間加熱する。次に、この混合物を、真空下にて加熱乾燥する。平均で、ポリエーテルジオールの1つだけのOH基が変換される。生成物は、0.503mEquiv/gのC=C濃度を有する。
【0065】
マレイン酸モノエステル M5:
M4の作製と同様に、OH価が40.4である脱水EO/POポリエーテルジオール(BASFよりPluronic PE 6400として入手)の300gを、10.1gの無水マレイン酸および1.6gのトリブチルアミンと、100℃において2時間反応させ、次に、この混合物を、真空下において加熱乾燥する。ここでも、平均で、1つだけのOH基がエステル化される。二重結合濃度は、約0.33mEquiv/gである。
【0066】
シリコーン共重合体の調製:
実施例1:共重合体1
アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサンおよびジメチルシロキサン単位からなり、末端メトキシおよびヒドロキシル基を混合して有する、アミン価が0.291、粘度が1280mm/秒(25℃)であるアミノシロキサン163.4gを、44gのDowanol DPMと共に均質化し、次に、60℃へ加熱後、12.4gのマレイン酸モノエステルM1と混合する(アミン/マレイン酸エステル=4/1)。最初は白濁していた混合物は、約1分間で僅かに乳白色の外観を有する均質状態となる。60℃において2時間後、マレイン酸基のアミノ基による変換率を、H‐NMRで決定する。6−7ppmの範囲のモノエステルの−CH=CH基の不飽和プロトンのシグナルが、実質的に完全に消滅した。変換率は、95%超である。従って、全アミン基の約25%がアスパラギン酸に変換される。
【0067】
実施例2:共重合体2a
アミノプロピルジメチルシロキサンおよびジメチルシロキサン単位からなり、アミン価が0.191であるアミノシロキサンの150gを、42.9gのDowanol DPMで希釈し、21.6gのマレイン酸モノエステルM2と60℃において混合する(アミン/マレイン酸エステル=2/1)。最初は非常に濁っていた混合物は、約20分後、僅かな発熱反応を伴って透明となり、この反応混合物は、著しくより粘稠となる。さらに、100分後、この混合物を冷却する。これにより、粘度1540mm/秒(25℃)である無色透明の80%強度の共重合体溶液が得られる。マレイン酸エステル基の変換率は、95%超である。
【0068】
実施例3:共重合体2b
34.2gのマレイン酸モノエステルM2を用いたこと以外は、共重合体2aの調製方法を繰り返し、アミン/マレイン酸エステル比1.2/1を得る。マレイン酸エステル基の変換率は、この場合も95%超であり、共重合体溶液の粘度は、8500mm/秒(25℃)である。
【0069】
実施例4:共重合体3a−c
アミノエチルアミノプロピルジメチルシロキサンおよびジメチルシロキサン単位からなり、アミン価が0.395であるアミノシロキサンの150gを、表に示すDowanol DPMで希釈し、同様に表に示す量のマレイン酸モノエステルM3と60℃において2時間反応させる。
【0070】
【表1】
【0071】
各々の場合において、ポリエーテルマレイン酸エステルがアミノシロキサンの末端基に付加されるA−B−A構造を有する共重合体は、良好な変換率において、種々の誘導体化度で調製することができる。これが高く選択される程、共重合体の親水性が高くなり、粘度もより高くなる。
【0072】
実施例5:共重合体4
アミノプロピルジメチルシロキサンおよびジメチルシロキサン単位からなり、アミン価が0.289であるアミノシロキサンの75gを、118gのジエチレングリコールモノブチルエーテルで希釈し、60℃に加熱する。2分以内に、43.1gのマレイン酸モノエステルM4を計量投入する。最初は非常に濁っていた反応溶液は、計量添加完了直後既に透明であるが、これをさらに2時間60℃で保持する。この透明溶液は、約60%までのシロキサンからなる共重合体を約50重量%含む。
【0073】
実施例6:共重合体4のエマルジョン
43.1gのマレイン酸モノエステルM4を111gの水で希釈して透明溶液を得る。これに、十分に攪拌しながら、共重合体4の作製に用いたアミノシロキサン75gのn‐アミルアルコール82.5g中の溶液を計量投入する。これにより、問題なく水で希釈可能な、非常に粘性のあるエマルジョンが得られる。
【0074】
実施例7:共重合体5
共重合体3a−cの作製に用いたアミン価が0.395であるアミノシロキサンの120gを、127.6gのDowanol DPMで希釈し、60℃に加熱する。次に、71.5gのマレイン酸モノエステルM3を計量投入し、ここで、最初は濁っていた混合物は、数分後に透明となる。60℃においてさらに2時間後、H‐NMRによれば、約96%のマレイン酸基の変換率が得られる。溶液は、共重合体に関して40%の強度であり、1450mm/秒(25℃)の粘度を有する。
【0075】
この共重合体溶液の83.3gを、まず50℃において導入する。166.7gの水をゆっくり注ぎ、共重合体の含有量が20重量%である非常に微細に分散されたエマルジョンが得られる。