特許第5666743号(P5666743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許56667431,6−ジアザビシクロ[3,2,1]オクタン−7−オン誘導体および細菌感染の処置におけるそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666743
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】1,6−ジアザビシクロ[3,2,1]オクタン−7−オン誘導体および細菌感染の処置におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/08 20060101AFI20150122BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20150122BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20150122BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20150122BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20150122BHJP
   A61K 31/546 20060101ALI20150122BHJP
   A61K 31/431 20060101ALI20150122BHJP
   A61K 31/424 20060101ALI20150122BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20150122BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20150122BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150122BHJP
   A61K 31/43 20060101ALI20150122BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   C07D471/08CSP
   A61K31/439
   A61K31/496
   A61K31/5377
   A61K31/444
   A61K31/546
   A61K31/431
   A61K31/424
   A61K45/00
   A61P31/00
   A61P43/00 111
   A61P43/00 121
   A61K31/43
   A61P31/04
【請求項の数】37
【全頁数】65
(21)【出願番号】特願2014-510942(P2014-510942)
(86)(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公表番号】特表2014-515041(P2014-515041A)
(43)【公表日】2014年6月26日
(86)【国際出願番号】IB2012054290
(87)【国際公開番号】WO2013030733
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2013年11月18日
(31)【優先権主張番号】2412/MUM/2011
(32)【優先日】2011年8月27日
(33)【優先権主張国】IN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506224012
【氏名又は名称】ウォックハート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100147588
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 浩司
(72)【発明者】
【氏名】パテル マヘッシュ ヴィタルブハイ
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ プラサッド ケシャヴ
(72)【発明者】
【氏名】バーワサール サティシュ
(72)【発明者】
【氏名】ブハグワット サチン
(72)【発明者】
【氏名】ジャフリ モハンマド アラム
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ アミット
(72)【発明者】
【氏名】パヴァセ ラクスミカント
(72)【発明者】
【氏名】グプタ スニル
(72)【発明者】
【氏名】ケール ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシ サンジーヴ
【審査官】 江間 正起
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−510012(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/041108(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/08
A61K 31/424
A61K 31/43
A61K 31/431
A61K 31/439
A61K 31/444
A61K 31/496
A61K 31/5377
A61K 31/546
A61K 45/00−45/08
A61P 31/00−31/22
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【化1】
[式中、
1は、
(a)水素、
(b)(CO)n−R3
(c)COOR4、または
(d)COCH2COR3
であり、
nは、0、1または2であり、
2は、
(a)SO3M、
(b)SO2NH2
(c)PO3M、
(d)CH2COOM、
(e)CF2COOM、
(f)CHFCOOM、または
(g)CF3
であり、
Mは、水素またはカチオンであり、
3は、
(a)水素、
(b)ハロゲン、OR5、CN、COOR5、CONR67、NR67、NR5COR8、NR5CONR67、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル、
(c)CN、
(d)NR67
(e)CONR67
(f)NHCONR67
(g)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいアリール、
(h)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリール、NHC(NH)NR67もしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクリル、
(i)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
(j)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル、
(k)C1−C6アルキルで置換されているシクロアルキルであって、C1−C6アルキルがOR5、NR67、ハロゲン、CNもしくはCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基でさらに置換されている、シクロアルキル、または
(l)OR8
であり、
4は、
(a)水素、
(b)ハロゲン、OR5、CN、COOR5、CONR67、NR67、NR5COR8、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル、
(c)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいアリール、
(d)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクリル、
(e)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、または
(f)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル
であり、
5およびR8は、それぞれ独立に、
(a)水素、または
(b)ハロゲン、CN、CONR67、NR67、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル
であり、
6およびR7は、それぞれ独立に、
(a)水素、
(b)ハロゲン、OR5、CN、COOR5、CONR58、NR58、NR5COR8、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル、
(c)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいアリール、
(d)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクリル、
(e)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
(f)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル
であるか、または
(g)R6およびR7は、一緒になって4〜7員環状を形成している]
【請求項2】
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−{7−オキソ−2−[N’−((R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イルオキシ}−酢酸、
trans−ジフルオロ−{7−オキソ−2−[N’−((R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イルオキシ}−酢酸、
trans−硫酸モノ−[2−ヒドラジノカルボニル−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(アミノ−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(3−アミノ−プロピオニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(4−アミノ−ブタノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((2S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4S)−4−フルオロ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4R)−4−メトキシ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(ピペリジン−4−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((S)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−ピペリジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((S)−ピペリジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((R)−ピペリジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(ピペラジン−4−イル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−1−アミノ−1−フェニル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−3−アミノ−ブタノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(3−アミノ−2,2−ジメチル−プロピオニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(1−アミノメチル−シクロプロパン−1−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(2−アミノ−4−カルボキサミド−ブタノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(5−アミノ−ペンタノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((2S)−2,6−ジアミノ−ヘキサノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((2−アミノエトキシ)−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[アゼチジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[ピロリジン−1−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[((S)−ピロリジン−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(RS)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4R)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4S)−4−アミノ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4S)−4−グアニジノ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(RS)−3−ピペリジン−2−イル−プロピオニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−ピペラジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((S)−モルホリン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(3−オキソ−3−ピペラジン−1−イル−プロピオニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−1−アミノ−1−ピリジン−2−イル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(2−アミノ−チアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル
またはそれらの立体異性体もしくは薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(シアノ−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−N’−(7−オキソ−6−スルホオキシ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボン酸)−ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルエステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(モルホリン−4−イル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(6−カルボキサミド−ピリジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(モルホリン−4−オキソ−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−1−カルバモイル−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4S)−1−カルバモイル−4−フルオロ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−1−メタンスルホニル−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(シアノ−ジメチル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−5−オキソ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩
またはそれらの立体異性体から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項5】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、請求項1から3までのいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項6】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する、請求項1から3までのいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項7】
スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤をさらに含む、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体をさらに含む、請求項4または7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
対象における細菌感染を予防または処置するための、請求項4、7または8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する請求項4、7または8に記載の医薬組成物。
【請求項11】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、(a)請求項1に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、及び(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤の使用。
【請求項12】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する、(a)請求項1に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、及び(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤の使用。
【請求項13】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、(a)請求項1に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、及び(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【請求項14】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する、(a)請求項1に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、及び(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【請求項15】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、(a)請求項1に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤、及び(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【請求項16】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する、(a)請求項1に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤、及び(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【請求項17】
対象における抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体の抗菌有効性を増大させるための医薬組成物を調製するための請求項1に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩の使用であって、前記抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体が、薬学的有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と同時投与される使用。
【請求項18】
抗菌剤が、アミノグリコシド系、アンサマイシン系、カルバセフェム系、セファロスポリン系、セファマイシン系、リンコサミド系、リポペプチド系、マクロライド系、モノバクタム系、ニトロフラン系、ペニシリン系、ポリペプチド系、キノロン系、スルホンアミド系、テトラサイクリン系またはオキサゾリジノン系抗菌剤からなる群から選択される、請求項8、9もしくは10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項19】
抗菌剤がβ−ラクタム系抗菌剤である、請求項8、9もしくは10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記抗菌剤が、ペニシリン系、ペネム系、カルバペネム系、セファロスポリン系およびモノバクタム系からなる群から選択される、請求項8、9もしくは10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項21】
抗菌剤が、セファロチン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファゾリン、セファレキシン、セフラジン、セフチゾキシム、セフォキシチン、セファセトリル、セフォチアム、セフォタキシム、セフスロジン、セフォペラゾン、セフチゾキシム、セフメノキシム、セフメタゾール、セファログリシン、セフォニシド、セフォジジム、セフピロム、セフタジジム、セフトリアキソン(ceifriaxone)、セフピラミド、セフブペラゾン、セフォゾプラン、セフェピム、セフォセリス、セフルプレナム、セフゾナム、セフピミゾール、セフクリジン、セフィキシム、セフチブテン、セフジニル、セフポドキシムアキセチル、セフポドキシムプロキセチル、セフテラムピボキシル、セフェタメットピボキシル、セフカペンピボキシルまたはセフジトレンピボキシル、セフロキシム、セフロキシムアキセチル、ロラカルバセフ、セフタロリンおよびラタモキセフからなる群から選択されるセファロスポリン系抗生物質である、請求項8、9もしくは10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項22】
抗菌剤が、セフタジジム、セフェピム、セフピロム、ピペラシリン、ドリペネム、メロペネム、イミペネム、セフタロリンおよびセフトロザンからなる群から選択される、請求項8、9もしくは10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項23】
抗菌剤が、アミノグリコシド系、アンサマイシン系、カルバセフェム系、セファロスポリン系、セファマイシン系、リンコサミド系、リポペプチド系、マクロライド系、モノバクタム系、ニトロフラン系、ペニシリン系、ポリペプチド系、キノロン系、スルホンアミド系、テトラサイクリン系またはオキサゾリジノン系抗菌剤からなる群から選択される、請求項8、9もしくは10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項24】
抗菌剤が、アミノグリコシド系、アンサマイシン系、カルバセフェム系、セファロスポリン系、セファマイシン系、リンコサミド系、リポペプチド系、マクロライド系、モノバクタム系、ニトロフラン系、ペニシリン系、ポリペプチド系、キノロン系、スルホンアミド系、テトラサイクリン系またはオキサゾリジノン系抗菌剤からなる群から選択される、請求項13、14、15、16もしくは17のいずれかに記載の使用。
【請求項25】
抗菌剤がβ−ラクタム系抗菌剤である、請求項13、14、15、16もしくは17のいずれかに記載の使用。
【請求項26】
前記抗菌剤が、ペニシリン系、ペネム系、カルバペネム系、セファロスポリン系およびモノバクタム系からなる群から選択される、請求項13、14、15、16もしくは17のいずれかに記載の使用。
【請求項27】
抗菌剤が、セファロチン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファゾリン、セファレキシン、セフラジン、セフチゾキシム、セフォキシチン、セファセトリル、セフォチアム、セフォタキシム、セフスロジン、セフォペラゾン、セフチゾキシム、セフメノキシム、セフメタゾール、セファログリシン、セフォニシド、セフォジジム、セフピロム、セフタジジム、セフトリアキソン(ceifriaxone)、セフピラミド、セフブペラゾン、セフォゾプラン、セフェピム、セフォセリス、セフルプレナム、セフゾナム、セフピミゾール、セフクリジン、セフィキシム、セフチブテン、セフジニル、セフポドキシムアキセチル、セフポドキシムプロキセチル、セフテラムピボキシル、セフェタメットピボキシル、セフカペンピボキシルまたはセフジトレンピボキシル、セフロキシム、セフロキシムアキセチル、ロラカルバセフ、セフタロリンおよびラタモキセフからなる群から選択されるセファロスポリン系抗生物質である、請求項13、14、15、16もしくは17のいずれかに記載の使用。
【請求項28】
抗菌剤が、セフタジジム、セフェピム、セフピロム、ピペラシリン、ドリペネム、メロペネム、イミペネム、セフタロリンおよびセフトロザンからなる群から選択される、請求項13、14、15、16もしくは17のいずれかに記載の使用。
【請求項29】
抗菌剤が、アミノグリコシド系、アンサマイシン系、カルバセフェム系、セファロスポリン系、セファマイシン系、リンコサミド系、リポペプチド系、マクロライド系、モノバクタム系、ニトロフラン系、ペニシリン系、ポリペプチド系、キノロン系、スルホンアミド系、テトラサイクリン系またはオキサゾリジノン系抗菌剤からなる群から選択される、請求項13、14、15、16もしくは17のいずれかに記載の使用。
【請求項30】
(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを含む、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項31】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、及び(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【請求項32】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物を調製するための使用であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、及び(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【請求項33】
(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを含む、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項34】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物の調製のための使用であって、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、及び(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【請求項35】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物の調製のための使用であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、及び(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体の使用。
【請求項36】
対象における細菌感染を予防または処置するための請求項30または33に記載の医薬組成物。
【請求項37】
対象における細菌感染を予防または処置するための医薬組成物であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する、請求項30または33に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願
本出願は、2011年8月27日に出願のインド特許仮出願第2412/MUM/2011号の利益を主張する。この出願の開示は、参照によりその全体が、本明細書に完全に再び記載されたごとく、本明細書に組み込まれる。特許、特許出願、および明細書中で引用される文献を含むすべての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に明白に組み込まれる。
本発明は、窒素含有化合物、それらの調製、ならびに細菌感染の予防および/または処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の抗菌剤に対する細菌耐性の出現は、細菌感染を処置する上での大きな難題になってきている。細菌感染、特に耐性細菌に起因するものを処置することを目指した一つの方法は、細菌耐性を克服することのできるより新規な抗菌剤を開発することである。Coatesら(Br.J.Pharmacol.2007;152(8),1147〜1154)は、新規抗生物質を開発するための新たな取組みについて概説している。しかし、新規抗菌剤の開発は、困難な課題である。例えば、Gwynnら(Annals of the New York Academy of Sciences,2010,1213:5〜19)は、抗菌剤の発見における難題について概説している。
いくつかの抗菌剤が、先行技術において記載されている(例えば、PCT国際出願番号PCT/US2010/060923、PCT/EP2010/067647、PCT/US2010/052109、PCT/US2010/048109、PCT/GB2009/050609号、PCT/EP2009/056178、およびPCT/US2009/041200を参照)。しかし、既知の抗菌剤に対して耐性を示す細菌に起因するものを含む細菌感染を予防および/または処置するための強力な抗菌剤に対する必要性が相変わらず存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、驚くべきことに、抗菌特性を有する窒素含有化合物を発見した。
したがって、窒素含有化合物、これらの化合物の調製方法、これらの化合物を含む医薬組成物、およびこれらの化合物を使用して対象における細菌感染を処置または予防する方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一つの一般的態様では、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【化1】
[式中、
1は、
(a)水素、
(b)(CO)n−R3
(c)COOR4、または
(d)COCH2COR3
であり、
nは、0、1または2であり、
2は、
(a)SO3M、
(b)SO2NH2
(c)PO3M、
(d)CH2COOM、
(e)CF2COOM、
(f)CHFCOOM、または
(g)CF3
であり、
Mは、水素またはカチオンであり、
【0005】
3は、
(a)水素、
(b)ハロゲン、OR5、CN、COOR5、CONR67、NR67、NR5COR8、NR5CONR67、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル、
(c)CN、
(d)NR67
(e)CONR67
(f)NHCONR67
(g)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいアリール、
(h)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリール、NHC(NH)NR67もしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクリル、
(i)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
(j)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル、
(k)C1−C6アルキルで置換されているシクロアルキルであって、C1−C6アルキルがOR5、NR67、ハロゲン、CNもしくはCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基でさらに置換されている、シクロアルキル、または
(l)OR8
であり、
【0006】
4は、
(a)水素、
(b)ハロゲン、OR5、CN、COOR5、CONR67、NR67、NR5COR8、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル、
(c)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいアリール、
(d)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクリル、
(e)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、または
(f)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル
であり、
【0007】
5およびR8は、それぞれ独立に、
(a)水素、または
(b)ハロゲン、CN、CONR67、NR67、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル
であり、
【0008】
6およびR7は、それぞれ独立に、
(a)水素、
(b)ハロゲン、OR5、CN、COOR5、CONR58、NR58、NR5COR8、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル、
(c)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいアリール、
(d)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクリル、
(e)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
(f)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル
であるか、または
(g)R6およびR7は、一緒になって4〜7員環状を形成している]
【0009】
別の一般的態様では、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
さらに別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0010】
別の一般的態様では、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
別の一般的態様では、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む医薬組成物が提供される。
別の一般的態様では、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む医薬組成物が提供される。
【0011】
別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
さらに別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0012】
別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
さらに別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0013】
別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
さらに別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0014】
別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
さらに別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0015】
別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
さらに別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0016】
別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
さらに別の一般的態様では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0017】
別の一般的態様では、対象における抗菌剤の抗菌有効性を増強するための方法であって、前記抗菌剤またはその薬学的に許容される塩を、薬学的有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と同時投与するステップを含む方法が提供される。
本発明の1つまたは複数の実施形態に関する詳細は、以下の説明において示される。本発明のその他の特徴、目的および利点は、特許請求の範囲を含む以下の説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
これから、典型的な実施形態について言及し、ここではそれらを専門用語を使用して説明する。しかしながら、該実施形態によって本発明の範囲を限定することを意図したものではないことを理解されたい。本明細書中で説明される本発明の特徴の変更形態、さらなる修正形態、および本明細書中で説明される本発明の原理のその他の応用は、関連技術分野の当業者および本開示を入手した者ならば気づくものであって、本発明の範囲に包含されると考えるべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲中で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、内容がそうでないことを明瞭に規定していない限り、複数の指示対象を包含することに留意すべきである。特許、特許出願、および明細書中で引用される文献を含むすべての参考文献は、参照によりその全体で本明細書に明確に組み込まれる。
本発明者らは、驚くべきことに、抗菌特性を有する新規な窒素含有化合物を発見した。
【0019】
用語「C1−C6アルキル」は、本明細書中で使用する場合、1〜6個の炭素原子を有する分枝または非分枝の非環式炭化水素基を指す。「C1−C6アルキル」の典型的な非限定的例には、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル,tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、n−ヘキシルなどが含まれる。「C1−C6アルキル」は、非置換でも、1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。このような置換基の典型的な非限定的例には、ハロゲン、アルコキシ、CN、COOH、CONH2、OH、−NH2、−NHCOCH3、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリールなどが含まれる。
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で使用する場合、3〜7員の環式炭化水素基を指す。シクロアルキル基は、1つまたは複数の二重または三重結合、あるいは二重結合と三重結合との組合せを組み込んでいてもよいが、芳香族性ではない。シクロアルキル基の典型的な非限定的例には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンおよびシクロヘプタンが含まれる。シクロアルキルは、非置換でも、1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。このような置換基の典型的な非限定的例には、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、CN、COOH、CONH2、OH、NH2、NHCOCH3、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、−OSO2−アリールなどが含まれる。
【0020】
用語「ヘテロシクリル」は、本明細書中で使用する場合、窒素、酸素または硫黄から選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む4〜7員のシクロアルキル基を指す。ヘテロシクリル基は、1つまたは複数の二重または三重結合、あるいは二重結合と三重結合との組合せを組み込んでいてもよいが、芳香族性ではない。ヘテロシクロアルキル基の典型的な非限定的例には、アゼチジン、ピロリジン、2−オキソ−ピロリジン、イミダゾリジン−2−オン、ピペリジン、オキサジン、チアジン、ピペラジン、ピペラジン−2,3−ジオン、モルホリン、チアモルホリン、アザパンなどが含まれる。ヘテロシクロアルキルは、非置換でも、1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。このような置換基の典型的な非限定的例には、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、CN、COOH、CONH2、OH、NH2、NHCOCH3、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールなどが含まれる。
【0021】
用語「アリール」は、本明細書中で使用する場合、単環式または多環式芳香族炭化水素を指す。アリール基の典型的な非限定的例には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、フェナントレニルなどが含まれる。アリール基は、非置換でも、1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。このような置換基の典型的な非限定的例には、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、CN、COOH、CONH2、OH、NH2、NHCOCH3、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールなどが含まれる。
用語「ヘテロアリール」は、本明細書中で使用する場合、その中の1つまたは複数の炭素原子が窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子で置き換えられている、単環式または多環式芳香族炭化水素基を指す。ヘテロアリール基が1つを超えるヘテロ原子を含む場合、ヘテロ原子は、同一でも異なってもよい。ヘテロアリール基の典型的な非限定的例には、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3,4−テトラゾール、1,3−オキサゾール、1,3−チアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、チアゾールなどが含まれる。ヘテロアリール基は、非置換でも、1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。このような置換基の典型的な非限定的例には、C1−C6アルキル、ハロゲン、アルコキシ、CN、COOH、CONH2、OH、NH2、NHCOCH3、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールなどが含まれる。
【0022】
用語「立体異性体」は、本明細書中で使用する場合、同一の化学組成を有するが、空間におけるそれらの原子または基の配置に関して相違する化合物を指す。式(I)の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含むことができ、それゆえ、種々の立体異性形態で存在することができる。特記しない限り、式(I)の化合物のすべての立体異性形態、およびラセミ混合物をはじめとするそれらの混合物は、本発明の一部を構成すると解釈される。さらに、すべての幾何異性体および位置異性体(シスおよびトランス形態を含む)ならびにそれらの混合物も、本発明の範囲に包含される。一般に、化合物に対する言及は、その立体異性体および種々の立体異性体の混合物を包含すると解釈される。
用語「置換されていてもよい」は、本明細書中で使用する場合、置換が、任意選択であり、それゆえ、非置換の原子および部分、ならびに置換されている原子および部分の双方を包含することを意味する。「置換されている」原子または部分とは、指定した原子または部分の通常的原子価を超えず、かつその置換が安定な化合物をもたらすとの条件で、指定した原子または部分上の任意の水素を、指定した置換基群から選択される基で置き換えることができることを示す。
【0023】
用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書中で使用する場合、遊離化合物の所望の薬理学的活性を所持し、かつ生物学的にもその他の点でも有害でない、所定化合物の1種または複数の塩を指す。一般に、「薬学的に許容される塩」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適し、かつ妥当なリスク−ベネフィット比と釣り合った塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。例えば、参照によりその全体で本明細書に組み込まれるS.M.Bergeら(J.Pharmaceutical Sciences,66:1〜19(1997))は、種々の薬学的に許容される塩が詳細に記載している。
【0024】
一般に、本発明による化合物は、塩基部分(例えば、窒素原子)および酸部分を含む(例えば、式中のMが水素である式(I)の化合物)。当業者は、したがって、このような化合物が、酸性塩(無機および/または有機酸を用いて形成される)および塩基性塩(無機および/または有機塩基を用いて形成される)を形成できることを認識するであろう。このような塩は、当技術分野で説明されている方法を使用して調製することができる。例えば、化合物を適切な量の酸で処理することによって、塩基性部分をその塩に変換することができる。このような適切な酸の典型的な非限定的例には、塩酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などが含まれる。代わりに、適切な塩基で処理することによって、酸部分をその塩に変換することができる。このような塩基の典型的な非限定的例には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウムなどが含まれる。塩に変換され得る1つを超える官能基を含む化合物の場合、このような官能基のそれぞれを、独立に塩に変換することができる。例えば、2つの塩基性窒素原子を含む化合物の場合、一方の塩基性窒素は1つの酸との塩を形成することができ、一方、残りの塩基性窒素は別の酸との塩を形成することができる。本発明による一部の化合物は、酸性部分および塩基性部分の双方を含み、したがって、内部塩または対応する双性イオンを形成することができる。一般に、本発明による式(I)の化合物のすべての薬学的に許容される塩形態、例えば、酸付加塩、塩基付加塩、双性イオンなどは、本発明の範囲に包含されると考えられ、かつ薬学的に許容される塩として総称的に言及される。
【0025】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書中で使用する場合、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素を指す。
用語「感染」または「細菌感染」は、本明細書中で使用する場合、その増殖が阻害されるなら、対象に利益をもたらすであろう、対象中または対象上への細菌の存在を包含する。かくして、用語「感染」は、細菌の存在を指すことに加え、望ましくない常在菌叢をも指す。用語「感染」は、細菌に起因する感染を含む。
【0026】
用語「処置する」、「処置すること」または「処置」は、本明細書中で使用する場合、予防および/または治療の目的で、薬剤、例えば医薬組成物、または1種もしくは複数の薬学的に活性な成分を投与することを指す。用語「予防的処置」は、まだ感染していないが、感染し易いまたはさもなければ感染のリスクがある対象を処置する(細菌感染を予防する)ことを指す。用語「治療的処置」は、すでに感染を患う対象に処置を施すことを指す。用語「処置する」、「処置すること」または「処置」は、また、本明細書中で使用する場合、(i)細菌感染または細菌感染の1種もしくは複数の症状を減弱または排除するために、(ii)細菌感染または細菌感染の1種もしくは複数の症状の進行を遅延させるために、(iii)細菌感染または細菌感染の1種もしくは複数の症状の重症度を低減するために、(iv)細菌感染の臨床徴候を抑制するために、あるいは(v)細菌感染の有害症状の徴候を抑制するために、本明細書中で考察する組成物または1種もしくは複数の薬学的活性成分を、薬学的に活性なまたは不活性なさらなる成分と共に、またはそれらなしで投与することを指す。
【0027】
用語「薬学的有効量」、「治療有効量」または「有効量」は、本明細書中で使用する場合、治療効果を有する量を指すか、または対象において治療効果をもたらすために必要とされる量である。例えば、抗菌剤または医薬組成物の治療有効量または薬学的有効量は、臨床試験の結果、モデル動物での感染研究、および/またはインビトロ研究(例えば、寒天または肉汁培地)によって判定できるような所望の治療効果をもたらすために必要とされる抗菌剤または医薬組成物の量である。薬学的有効量は、いくつかの因子、例えば、限定はされないが、関与する微生物(例えば、細菌)、対象の特徴(例えば、身長、体重、性別、年齢および病歴)、感染の重症度、および使用される抗菌剤の個々の種類によって異なる。予防的処置の場合、治療有効量または予防有効量は、微生物(例えば、細菌)感染の予防に有効な量である。
【0028】
用語「投与」または「投与すること」は、例えば、組成物もしくはその活性成分またはその他の薬学的活性成分を感染部位に送達するのに役立つ任意の適切な方法によって、対象に組成物または1種もしくは複数の薬学的活性成分を送達するステップを含む。投与の方法は、種々の因子、例えば、医薬組成物の成分または薬学的に活性なまたは不活性な成分の性質、潜在的または実際の感染部位、関与する微生物、感染の重症度、対象の年齢および体調などによって異なる可能性がある。対象に本発明による組成物または薬学的活性成分を投与するための方法の若干の非限定的例には、経口、静脈内、局所、呼吸器内(intrarespiratory)、腹腔内、筋内、非経口、舌下、経皮、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳または含嗽が含まれる。1種を超える(活性または不活性)成分を含む医薬組成物の場合、このような組成物を投与する方法の1つは、成分を混合すること(例えば、錠剤、カプセル剤、液剤、散剤などの適切な単位剤形の形態で)、次いで該剤形を投与することによる。別法として、これらの成分が、組成物が全体として相乗効果および/または所望の効果を提供するような有益な治療レベルに到達するのであれば、成分を別々に(同時にまたは次々に)投与することもできる。
【0029】
用語「増殖」は、本明細書中で使用する場合、1種または複数の微生物の増殖を指し、微生物(例えば、細菌)の繁殖または集団拡大を包含する。該用語は、また、微生物の生存を保持する過程を含む微生物の継続的代謝過程の維持を包含する。
用語「有効性」は、本明細書中で使用する場合、処置または組成物もしくは1種もしくは複数の薬学的活性成分が対象において所望の生物学的効果をもたらす能力を指す。例えば、組成物または抗菌剤の「抗菌有効性」は、該組成物または抗菌剤の、対象における微生物(例えば、細菌)感染を予防または処置する能力を指す。
用語「相乗的」または「相乗効果」は、本明細書中で使用する場合、2種以上の薬剤の相互作用であって、それらの組合せ効果がそれらの個々の効果を超えるものを指す。
【0030】
用語「抗菌剤」は、本明細書中で使用する場合、(i)細菌の増殖を阻害、低減または予防し得る、(ii)細菌が対象に感染をもたらす能力を阻害または低減し得る、(iii)細菌が環境中で繁殖するまたは感染性のままである能力を阻害または低減し得る任意の物質、化合物、物質の組合せ、または化合物の組合せを指す。用語「抗菌剤」は、また、細菌の感染性または毒性を低減し得る化合物を指す。
用語「β−ラクタム系抗菌剤」は、本明細書中で使用する場合、抗菌特性を有し、かつそれらの分子構造中にβ−ラクタム核を含む化合物を指す。
用語「β−ラクタマーゼ」は、本明細書中で使用する場合、β−ラクタム環を破壊する任意の酵素またはタンパク質あるいは任意のその他の物質を指す。用語「β−ラクタマーゼ」は、細菌によって産生され、かつβ−ラクタム化合物中のβ−ラクタム環を部分的または完全に加水分解する能力を有する酵素を包含する。
用語「β−ラクタマーゼ阻害剤」は、本明細書中で使用する場合、1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素の活性を部分的または完全に阻害し得る化合物を指す。
【0031】
用語「薬学的に不活性な成分」、「担体」または「賦形剤」は、化合物の投与を容易にするために、例えば、化合物の溶解度を増大させるために使用される化合物または材料を指す。固体状担体の典型的な非限定的例には、デンプン、乳糖、リン酸二カルシウム、蔗糖、カオリンなどが含まれる。液状担体の典型的な非限定的例には、滅菌水、生理食塩水、緩衝液、非イオン性界面活性剤および食用油(ピーナツ油、ゴマ油)などが含まれる。さらに、当技術分野で一般的に使用される種々の補助剤を含めることができる。これらのおよびその他のこのような化合物は、文献、例えば、Merck Index(Merck & Company,Rahway, N.J.)に記載されている。医薬組成物中に種々の化合物を含める上で考慮すべき事項は、例えば、Gilmanら(編)(1990):Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics,8th Ed.,Pergamon Pressに記載されているおり、この文献全体を参照により本明細書に組み込む。
【0032】
用語「対象」は、本明細書中で使用する場合、哺乳動物を包む脊椎動物または無脊椎動物を指す。用語「対象」は、ヒト、動物、鳥、魚または両生類を包含する。「対象」の典型的な非限定的例には、ヒト、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、ブタ、子ヒツジ、ラット、マウスおよびモルモットが含まれる。
用語「薬学的に許容される誘導体」は、本明細書中で使用する場合、対象への投与時に親化合物を(直接的または間接的に)提供し得る、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩、プロドラッグ、代謝産物、エステル、エーテル、水和物、多形体、溶媒和物、錯体、エナンチオマーまたは付加物を指し、また包含する。例えば、用語「抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体」は、対象への投与時に抗菌性化合物を(直接的または間接的に)提供し得る、該抗菌剤のすべての誘導体(塩、プロドラッグ、代謝産物、エステル、エーテル、水和物、多形体、溶媒和物、錯体、エナンチオマーまたは付加物など)を包含する。
一般に、用語「カチオン」は、Na、K、Mg、Ca、NH4+、(CH3CH23+などを包含する。
【0033】
1つの一般的態様では、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【化2】
[式中、
1は、
(a)水素、
(b)(CO)n−R3
(c)COOR4、または
(d)COCH2COR3
であり、
nは、0、1または2であり、
2は、
(a)SO3M、
(b)SO2NH2
(c)PO3M、
(d)CH2COOM、
(e)CF2COOM、
(f)CHFCOOM、または
(g)CF3
であり、
Mは、水素またはカチオンであり、
【0034】
3は、
(a)水素、
(b)ハロゲン、OR5、CN、COOR5、CONR67、NR67、NR5COR8、NR5CONR67、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル、
(c)CN、
(d)NR67
(e)CONR67
(f)NHCONR67
(g)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいアリール、
(h)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリール、NHC(NH)NR67もしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクリル、
(i)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
(j)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル、
(k)C1−C6アルキルで置換されているシクロアルキルであって、C1−C6アルキルがOR5、NR67、ハロゲン、CNもしくはCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基でさらに置換されている、シクロアルキル、または
(l)OR8
であり、
【0035】
4は、
(a)水素、
(b)ハロゲン、OR5、CN、COOR5、CONR67、NR67、NR5COR8、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル、
(c)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいアリール、
(d)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクリル、
(e)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、または
(f)C1−C6アルキル、OR5、NR67、ハロゲン、CN、CONR67、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR67から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル
であり、
【0036】
5およびR8は、それぞれ独立に、
(a)水素、または
(b)ハロゲン、CN、CONR67、NR67、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル
であり、
【0037】
6およびR7は、それぞれ独立に、
(a)水素、
(b)ハロゲン、OR5、CN、COOR5、CONR58、NR58、NR5COR8、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルもしくはアリールから独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいC1−C6アルキル、
(c)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいアリール、
(d)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロシクリル、
(e)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール、
(f)C1−C6アルキル、OR5、NR58、ハロゲン、CN、CONR58、SO2−アルキル、SO2−アリール、OSO2−アルキル、OSO2−アリールもしくはNHCONR58から独立に選択される1つもしくは複数の置換基で置換されていてもよいシクロアルキル
であるか、または
(g)R6およびR7は、一緒になって4〜7員環状を形成している]
【0038】
本発明による化合物の典型的な非限定的例としては、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−{7−オキソ−2−[N’−((R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イルオキシ}−酢酸、
trans−ジフルオロ−{7−オキソ−2−[N’−((R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イルオキシ}−酢酸、
trans−硫酸モノ−[2−ヒドラジノカルボニル−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(アミノ−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(3−アミノ−プロピオニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(4−アミノ−ブタノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
【0039】
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((2S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−プロピオニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4S)−4−フルオロ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4R)−4−メトキシ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(ピペリジン−4−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((S)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−ピペリジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((S)−ピペリジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((R)−ピペリジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
【0040】
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(ピペラジン−4−イル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−1−アミノ−1−フェニル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−3−アミノ−ブタノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(3−アミノ−2,2−ジメチル−プロピオニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(1−アミノメチル−シクロプロパン−1−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(2−アミノ−4−カルボキサミド−ブタノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(5−アミノ−ペンタノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
【0041】
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((2S)−2,6−ジアミノ−ヘキサノイル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((2−アミノエトキシ)−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[アゼチジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[ピロリジン−1−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[((S)−ピロリジン−2−イル)−プロピオニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(RS)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
【0042】
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4R)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4S)−4−アミノ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4S)−4−グアニジノ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(RS)−3−ピペリジン−2−イル−プロピオニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
【0043】
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−ピペラジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((S)−モルホリン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(3−オキソ−3−ピペラジン−1−イル−プロピオニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−((RS)−1−アミノ−1−ピリジン−2−イル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(2−アミノ−チアゾール−4−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル、
【0044】
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(シアノ−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−N’−(7−オキソ−6−スルホオキシ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボン酸)−ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルエステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(モルホリン−4−イル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(6−カルボキサミド−ピリジン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(モルホリン−4−オキソ−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−1−カルバモイル−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(2S,4S)−1−カルバモイル−4−フルオロ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−1−メタンスルホニル−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(シアノ−ジメチル−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩、
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−5−オキソ−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩
またはそれらの立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0045】
一般に、本発明の化合物は、以下の手順(スキーム1)により調製することができる。当業者ならば、さらに所望するおよび関連する化合物を提供するために、記載した方法を変更または最適化できることを認識するであろう。以下の手順において、すべての変数は前に定義した通りである。
スキーム1に記載のように、国際公開第2009/091856号に記載のtrans−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボン酸(1a)を対応する酸ヒドラジドと、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタンまたはジクロロエタンなどの溶媒中で、EDC塩酸塩またはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの適切なカップリング剤の存在下に−15℃〜60℃の範囲の温度で約1〜24時間反応させて、中間化合物(1b)を得た。
中間化合物(1b)を、適切な溶媒(メタノール、エタノール、メタノール−ジクロロメタン混合物、またはN,N−ジメチルホルムアミド−ジクロロメタン混合物など)中、適切な水素供給源(水素ガス、ギ酸アンモニウム、シクロヘキセンなど)の存在下に、適切な触媒(例えば、5%もしくは10%パラジウム/炭素、または20%水酸化パラジウム/炭素)の存在下での25℃〜60℃の範囲の温度で約1〜14時間の水素化分解に供して、中間化合物(1c)を得た。
【0046】
【化3】
【0047】
中間化合物(1c)をスルホン化試薬(三酸化硫黄−ピリジン錯体または三酸化硫黄−N,N−ジメチルホルムアミド錯体など)と、適切な溶媒(ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、約25℃〜90℃の範囲の温度で約1〜24時間反応させることによって、スルホン酸のピリジン塩が得られ、それを硫酸テトラブチルアンモニウムで処理して、中間化合物(1d)としてスルホン酸のテトラブチルアンモニウム塩が得られた。
本発明による一部の化合物は、特に中間化合物(1d)中のRがtert−ブトキシカルボニルで保護されたアミン官能基を含む場合には、中間化合物(1d)をトリフルオロ酢酸と、適切な溶媒(ジクロロメタン、クロロホルムまたはアセトニトリルなど)中、約−10℃〜40℃の範囲の温度で約1〜14時間処理することによって、双性イオンとして単離された。
【0048】
本発明による一部の他の化合物は、中間化合物(1d)をテトラヒドロフラン−水混合物中のナトリウム型Aberlite200C樹脂を通過させ、続いて溶媒を真空下で蒸発させることによって、対応するナトリウム塩として単離された。
【0049】
【化4】
【0050】
スキーム−2に記載のように、スキーム−1により得られたヒドロキシル中間体(1c)を、適切な溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリジンなど)中、塩基(炭酸カリウム、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンなど)の存在下でのアルキル化剤(ブロモ酢酸エチル、フルオロ酢酸エチルまたはジフルオロ酢酸エチルなど)とのアルキル化に供して、O−アルキル化化合物(2d)を得た。
化合物(2d)を、適切な溶媒(水性テトラヒドロフラン、水性ジオキサン)中、塩基(水酸化リチウムまたは水酸化カリウムなど)の存在下での加水分解に供して、pH調整の後に式(I)の化合物を得た。
【0051】
場合によっては、R1がBoc基で保護されたアミン官能基を所持するなら、追加の脱保護ステップにおいて、溶媒(ジクロロメタン、クロロホルムまたはアセトニトリルなど)中で適切な脱保護剤(トリフルオロ酢酸またはHFピリジンなど)を使用することによって、該Boc基を除去することができる。
一部の実施形態では、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0052】
一部の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0053】
一部の実施形態では、(a)式(I)の化合物またはその異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0054】
一部の他の実施形態では、(a)式(I)の化合物またはその異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む医薬組成物が提供される。
一部の他の実施形態では、(a)式(I)の化合物またはその異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む医薬組成物が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、(a)式(I)の化合物またはその異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0055】
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、(a)式(I)の化合物またはその異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される塩とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0056】
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0057】
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0058】
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0059】
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0060】
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の(a)式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸またはそれらの薬学的に許容される誘導体から選択される少なくとも1種のβ−ラクタマーゼ阻害剤と、(c)少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを含む医薬組成物が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0061】
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0062】
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0063】
一部の実施形態では、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを含む医薬組成物が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、薬学的有効量の(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0064】
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、薬学的有効量の(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の他の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0065】
一部の実施形態では、対象における細菌感染を予防または処置するための方法であって、前記感染が1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因し、(a)trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルまたはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と、(b)スルバクタムまたはその薬学的に許容される誘導体とを含む薬学的有効量の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0066】
一部の実施形態では、対象における抗菌剤の抗菌有効性を増大させるための方法であって、前記抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体を、薬学的有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と同時投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態において、本発明による組成物および方法は、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を少なくとも1種の抗菌剤またはその薬学的に許容される誘導体と組み合わせて使用する。広範な種類の抗菌剤を使用することができる。抗菌剤の典型的な非限定的例には、一般には、アミノグリコシド系、アンサマイシン系、カルバセフェム系、セファロスポリン系、セファマイシン系、リンコサミド系、リポペプチド系、マクロライド系、モノバクタム系、ニトロフラン系、ペニシリン系、ポリペプチド系、キノロン系、スルホンアミド系、テトラサイクリン系、オキサゾリジノン系などと分類される1種または複数の抗菌性化合物が含まれる。
アミノグリコシド系抗菌剤の典型的な非限定的例には、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、アルベカシン、ストレプトマイシン、アプラマイシンなどが含まれる。
アンサマイシン系抗菌剤の典型的な非限定的例には、ゲルダナマイシン、ヘルビマイシンなどが含まれる。
【0067】
カルバセフェム系抗菌剤の典型的な非限定的例には、ロラカルベフなどが含まれる。
カルバペネム系抗菌剤の典型的な非限定的例には、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム、メロペネムなどが含まれる。
セファロスポリン系およびセファマイシン系抗菌剤の典型的な非限定的例には、セファゾリン、セファセトリル、セファドロキシル、セファレキシン、セファログリシン、セファロニウム、セファロリジン、セファロチン、セファピリン、セファトリジン、セファゼドン、セファザフルル、セフラジン、セフロキサジン、セフテゾール、セファクロル、セファマンドール、セフミノックス、セフォニシド、セフォラニド、セフォチアム、セフプロジル、セフブペラゾン、セフロキシム、セフゾナム、セファマイシン、セフォキシチン、セフォテタン、セフメタゾール、カルバセフェム、セフィキシム、セフタジジム、セフトリアクソン、セフカペン、セフダロキシム、セフジニル、セフジトレン、セフェタメット、セフメノキシム、セフォジジム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフピミゾール、セフピラミド、セフポドキシム、セフスロジン、セフテラム、セフチブテン、セフチオレン、セフチゾキシム、オキサセフェム、セフェピム、セフォゾプラン、セフピロム、セフキノム、セフトビプロール、セフチオフル、セフキノム、セフォベシン、CXA−101、セフタロリン、セフトビプロールなどが含まれる。
【0068】
リンコサミド系抗菌剤の典型的な非限定的例には、クリンダマイシン、リンコマイシンなどが含まれる。
マクロライド系抗菌剤の典型的な非限定的例には、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、ソリスロマイシンなどが含まれる。
モノバクタム系抗菌剤の典型的な非限定的例には、アズトレオナムなどが含まれる。
ニトロフラン系抗菌剤の典型的な非限定的例には、フラゾリドン、ニトロフラントインなどが含まれる。
ペニシリン系抗菌剤の典型的な非限定的例には、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG,ペニシリンV、ピペラシリン、テモシリン、チカルシリンなどが含まれる。
【0069】
ポリペプチド系抗菌剤の典型的な非限定的例には、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンBなどが含まれる。
【0070】
キノロン系抗菌剤の典型的な非限定的例には、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、レモフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、レボナジフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフォキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシンなどが含まれる。
スルホンアミド系抗菌剤の典型的な非限定的例には、メフェニド、スルホンアミドクリソイジン、スルフアセトアミド、スルファジアジン、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、トリメトプリムなどが含まれる。
テトラサイクリン系抗菌剤の典型的な非限定的例には、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、チゲサイクリンなどが含まれる。
【0071】
オキサゾリジノン系抗菌剤の典型的な非限定的例には、テジゾリド、リネゾリド、ランベゾリド、トレゾリド、ラデゾリドなどが含まれる。
本発明による医薬組成物は、1種または複数の薬学的に許容される担体または賦形剤などを含むことができる。このような担体または賦形剤の典型的な非限定的例には、マンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ブドウ糖、ゼラチン、蔗糖、炭酸マグネシウム、湿潤化剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤、滑沢剤、安定化剤、結合剤などが含まれる。
【0072】
本発明による医薬組成物は、種々の形態で存在できる。一部の実施形態において、医薬組成物は、粉末または溶液の形態で存在する。一部の他の実施形態において、本発明による医薬組成物は、非経口投与に先立って適合性のある再構成用希釈剤の添加によって再構成することのできる粉末の形態で存在する。このような適合性のある再構成用希釈剤の非限定的例としては水が挙げられる。
一部の他の実施形態において、本発明による医薬組成物は、非経口投与に先立って適合性のある希釈剤で希釈することのできる凍結組成物の形態で存在する。
一部の他の実施形態において、本発明による医薬組成物は、非経口投与に即用できる形態で存在する。
本発明による方法において、本明細書に開示の医薬組成物および/またはその他の薬学的活性成分は、組成物あるいはその構成成分または活性成分を所望の部位に送達するのに役立つ、任意の適切な方法によって投与することができる。投与方法は、種々の因子、例えば、医薬組成物の成分および活性成分の性質、潜在的または実際の感染部位、関与する微生物(例えば、細菌)、感染の重症度、対象の年齢および体調によって異なり得る。本発明により組成物を対象に投与する一部の非限定的例には、経口、静脈内、局所、呼吸器内、腹腔内、筋内、非経口、舌下、経皮、鼻腔内、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、膣内、遺伝子銃、皮膚パッチ、点眼、点耳または含嗽が含まれる。
【0073】
本発明による組成物は、活性成分および/または賦形剤が一緒に(例えば、混合物として)または別個の成分として存在していてもよい、種々の剤形に製剤化することができる。組成物中の種々の成分を混合物として製剤化すると、このような組成物を、このような混合物を投与することによって送達することができる。成分が、混合物としてではなく、別々の成分として存在する組成物または剤形の場合、このような組成物/剤形は、いくつかの方法で投与され得る。1つの考え得る方法では、成分を所望の比率で混合することができ、次いで該混合物を要求されるように投与する。別法として、構成要素または成分(活性または不活性の)を、等価な混合物の投与によって達成されるような同一または等価な治療レベルまたは効果を達成するような適切な比率で別々に(同時に、または次々に)投与することができる。
【0074】
同様に、本発明による方法では、本明細書に開示の活性成分を対象に、必要に応じていくつかの方法で投与することができる。一部の実施形態では、活性成分を適切な量で混合し、次いでその混合物を対象に投与する。一部の他の実施形態では、活性成分を別々に投与する。本発明は、活性な成分薬剤を別々に投与することを想定しているので、本発明は、さらに、別々の医薬組成物をキットの形態で組み合わせることを提供する。該キットは、それぞれ1種または複数の活性成分を含む、1種または複数の別々の医薬組成物を含むことができる。このような別々の組成物のそれぞれは、瓶、バイアル瓶、シリンジ、箱、バッグなどの別々の容器中に存在することができる。典型的には、キットは、別々の成分を投与するための説明書を含む。キット形態は、別々の成分が、異なる剤形(例えば、経口および非経口)で好ましくは投与される、または異なる投与間隔で投与される場合にとりわけ好都合である。活性成分を別々に投与する場合には、それらの成分を同時または逐次的に投与することができる。
本発明による医薬組成物または活性成分を、種々の剤形に製剤化することができる。剤形の典型的な非限定的例には、固形、半固形、液体およびエアロゾルの剤形、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤、坐剤、エアロゾル剤、顆粒剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤などが含まれる。
【0075】
一般に、本発明に開示の医薬組成物および方法は、細菌感染を予防または処置する上で有用である。好都合には、本明細書に開示の組成物および方法は、また、1種または複数の既知の抗菌剤またはそれらの既知の組成物に対して感受性が低いまたは感受性がないと考えられている細菌に起因する感染を予防または処置するのに有効である。種々の抗菌剤に対する耐性を発現したことが知られているこのような細菌の一部の非限定的例には、アシネトバクター(Acinetobacter)、大腸菌(E.coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、エンテロバクター(Enterobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、シトロバクター(Citrobacter)などが含まれる。本発明の組成物および/または方法を使用して予防または処置できる感染のその他の非限定的例には、皮膚および軟組織の感染、熱性好中球減少、尿路感染、腹内感染、気道感染、肺炎(院内感染)、菌血髄膜炎、外科的感染などが含まれる。
【0076】
驚くべきことに、本発明による化合物、組成物および方法は、また、1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する細菌感染を予防または処置に有効である。典型的なβ−ラクタム系抗生物質を用いてこのような耐性細菌を処置する本発明による組成物および方法の能力は、当技術分野におけるかなりの改善に相当する。
一般に、本発明による式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩は、また、対象における抗菌剤の抗菌有効性の増大に有用である。1種または複数の抗菌剤の抗菌有効性は、例えば、前記抗菌剤またはその薬学的に許容される塩を薬学的有効量の本発明による式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と同時投与することによって増大する可能性がある。
本発明の範囲および精神から逸脱することなしに、本明細書に開示の本発明に対して様々な置換および修正をなし得ることは、当業者にとって、直ちに明らかであろう。例えば、当業者ならば、記載した一般的説明の範囲内で種々の異なる化合物を使用して本発明を実施できることを認識するであろう。
【実施例】
【0077】
以下の例は、現在のところ最もよくわかっている本発明の実施形態を例証する。しかし、以下の例は、本発明の原理の応用に関する単なる例示または例証であると理解されたい。当業者は、多くの修正形態および代替の組成物、方法、およびシステムを、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに考案できる。添付の特許請求の範囲は、このような修正形態および配列を網羅するものとする。したがって、これまで本発明を詳細に説明してきたが、以下の例は、本発明の最も実際的かつ好ましい実施形態であると現在のところ考えられるものと関連させて、さらなる詳細を提供する。
【0078】
(例1)
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル
【化5】
ステップ−1:trans−2−[N’−(6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(S)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
N,N−ジメチルホルムアミド(150mL)中trans−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボン酸(15g、0.054モル)の澄明溶液に、EDC塩酸塩(15.57g、0.082モル)、続いてHOBt(11.0g、0.082モル)を、約25℃〜35℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を15分間撹拌し、(S)−N−tert−ブトキシカルボニル−ピロリジン−2−カルボン酸ヒドラジド(14.93g、0.065モル)のN,N−ジメチルホルムアミド(75mL)溶液、続いてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(28.4mL、0.163モル)を添加した。反応混合物を25℃〜35℃の間の温度で16時間撹拌した。反応混合物を、10%クエン酸水溶液(2250mL)中に撹拌しながら注ぎ入れた。生じた混合物をジエチルエーテル(1000mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、水(1000mL)、続いてブライン溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。有機層を真空下で濃縮して、13gの粗残留物を得た。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して精製して6.3gの生成物(trans−2−[N’−(6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(S)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)を白色粉末として得た。
分析:MS(ES+)C243356=488.1(M+1);
H1NMR(DMSO-d6)=9.86(br d, 1H), 9.75(br d, 1H), 7.34-7.44(m, 5H), 4.92(dd, 2H), 4.07-4.10(m, 1H), 3.78-3.82(m, 1H), 3.68(br d, 1H), 3.20-3.25(m, 3H), 2.87(br d, 1H), 1.62-2.10(m, 8H), 1.34(s, 9H).
【0079】
ステップ−2:trans−2−[N’−(6−ヒドロキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(S)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
メタノール(30mL)中ステップ−1の生成物(3.0g、6.15ミリモル)の澄明溶液に、10%パラジウム/炭素(300mg)を添加した。懸濁液を大気圧の水素下に約30℃の温度で2時間撹拌した。触媒を、セライト床を通して濾過し、触媒を含む床をさらなるメタノール(10mL)およびジクロロメタン(10mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮して白色粉末を得た。該粉末をジエチルエーテルと共に磨り潰して、2.00gのtrans−2−[N’−(6−ヒドロキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(S)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを白色粉末として82%の収率で得た。
分析:MS(ES+)C172756=398.0(M+1);
H1NMR(DMSO-d6)=9.82(d, 1H), 9.70-9.80(m, 2H), 4.08-4.15(m, 1H), 3.4.0-3.78(m, 1H), 3.59(br s, 1H), 3.17-3.40(m, 3H), 2.97(br d, 1H), 1.55-2.15(m, 8H), 1.35(s, 9H).
【0080】
ステップ−3:trans−2−[N’−(6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(S)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
ステップ−2で得られた生成物(2.00g、5.03ミリモル)をピリジン(40mL)に溶解し、その澄明溶液にピリジン三酸化硫黄錯体(4.03g、25.18ミリモル)を添加した。懸濁液を、25℃〜35℃の温度で一夜撹拌した。懸濁液を濾過し、固体をジクロロメタン(25mL×2)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残留物を0.5Nリン酸二水素カリウム水溶液(200mL)中で0.5時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(100mL×4)で洗浄し、層を分離した。水層に硫酸テトラブチルアンモニウム(1.71g、5.03ミリモル)を添加し、約25℃で4時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(100mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮して固体を得た。該固体をジエチルエーテルと共に磨り潰し、濾過して、ステップ−3の生成物として3.0gのtrans−2−[N’−(6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(S)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを白色固体として得た(収率83%)。
分析:MS(ES−)C172659S・N(C494(塩として)=476.0(M−1)(遊離スルホン酸として);
H1NMR(CDCl3)=9.13(br s, 1H), 8.49(br s, 1H), 4.35(br s, 2H), 3.98(d, 1H), 3.24-3.50(m, 10H), 3.13(br d, 1H), 2.35(dd, 2H), 2.16(br s, 2H), 1.91-2.01(m, 4H), 1.61-1.70(m, 10H), 1.40-1.48(m, 17H), 0.98-1.02(m, 12H).
【0081】
ステップ−4:trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル
ステップ−3で得られた粉末(3.0g、4.17ミリモル)にトリフルオロ酢酸(7mL)のジクロロメタン(7mL)溶液を、シリンジを用い−5℃で5分間にわたって徐々に添加した。混合物を撹拌しながら1時間維持した。溶媒を、高真空下に40℃未満で除去して残留物を得た。該残留物をジエチルエーテル(50mL×5)と共に磨り潰し、各回にジエチルエーテルをデカントした。得られた白色固体を、さらに、アセトニトリル(100mL×2)と共に磨り潰した。得られた固体をジクロロメタン(100mL)中で撹拌し、懸濁液を濾過した。固体を真空下で乾燥して、1.2gの本発明の標題化合物(trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(S)−ピロリジン−2−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル)を得た(収率59%)。
分析:MS(ES−)C121957S=376.2(M−1)(遊離スルホン酸として);
H1NMR(DMSO-d6)=10.39(br s, 1H), 10.15(s, 1H), 8.96(br s, 2H), 4.19(t, 1H), 4.03(br s, 1H), 3.86(d, 1H), 3.16-3.25(m, 3H), 3.02(br d, 1H), 2.27-2.33(m, 1H), 1.92-2.23(m, 1H), 1.84-1.90(m, 4H), 1.69-1.75(m, 1H), 1.54-1.62(m, 1H).
【0082】
(例2)
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル
【化6】
ステップ−1:trans−3−[N’−(6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
例1のステップ−1に記載の手順を利用し、かつtrans−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボン酸(25g、0.084モル)、N,N−ジメチルホルムアミド(625mL)、EDC塩酸塩(24g、0.126モル)、HOBt(16.96g、0.126モル)、(R)−N−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−3−カルボン酸ヒドラジド(21.40g、0.088モル)を使用して、17.0gの標題化合物を白色固体として41%の収率で得た。
分析:MS(ES+)C253556=502.1(M+1);
H1NMR(CDCl3)=8.40(br s, 1H), 7.34-7.44(m, 5H), 5.05(d, 1H), 4.90(d, 1H), 4.00(br d, 1H), 3.82(br s, 1H), 3.30(br s, 1H), 3.16-3.21(m, 1H), 3.06(br d, 1H), 2.42(br s, 1H), 2.29-2.34(m, 1H), 1.18-2.02(m, 4H), 1.60-1.75(m, 4H), 1.45-1.55(m, 2H),1.44(s, 9H).
【0083】
ステップ−2:trans−3−[N’−(6−ヒドロキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
例1のステップ−2に記載の手順を利用し、かつtrans−3−[N’−(6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(16.5g、0.033モル)、メタノール(170mL)および10%パラジウム/炭素(3.5g)を使用して、13.5gの標題化合物を淡ピンク色の固体として得て、それを直ちに次の反応に使用した。
分析:MS(ES+)C182956=411.1(M+1);
【0084】
ステップ−3:trans−3−[N’−(6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルのテトラブチルアンモニウム塩の調製
例1のステップ−3に記載の手順を利用し、かつtrans−3−[N’−(6−ヒドロキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(13.5g、0.033モル)、ピリジン(70mL)およびピリジン三酸化硫黄錯体(26.11g、0.164モル)、0.5Nリン酸二水素カリウム水溶液(400mL)および硫酸テトラブチルアンモニウム(9.74g、0.033モル)を使用して、25gの標題化合物を帯黄色固体として定量的収率で得た。
分析:MS(ES−)C182859S・N(C494(塩として)=490.0(M−1)(遊離スルホン酸として);
【0085】
ステップ−4:trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル
例1のステップ−4に記載の手順を利用し、かつtrans−3−[N’−(6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルのテトラブチルアンモニウム塩(24g、0.032ミリモル)、ジクロロメタン(60mL)およびトリフルオロ酢酸(60mL)を使用して、10gの標題化合物を白色固体として79%の収率で得た。
分析:MS(ES−)=C132157S=390.2(M−1)(遊離スルホン酸として);
H1NMR(DMSO-d6)=9.97(d, 2H), 8.32(br s, 2H), 4.00(br s, 1H), 3.81(d, 1H), 3.10-3.22(m, 3H), 2.97-3.02(m, 2H), 2.86-2.91(m, 1H), 2.65-2.66(m, 1H), 1.97-2.03(m, 1H), 1.57-1.88(m, 7H).
[α]D25=-32.6°,(c 0.5, 水).
【0086】
(例3)
trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジルカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル
【化7】
ステップ−1:trans−3−[N’−(6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
例1のステップ−1に記載の手順を利用し、かつtrans−6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボン酸(15.7g、0.057モル)、N,N−ジメチルホルムアミド(390mL)、EDC塩酸塩(16.24g、0.085モル)、HOBt(11.48g、0.085モル)、(R)−N−tert−ブトキシカルボニル−ピロリジン−3−カルボン酸ヒドラジド(13.7g、0.06モル)を使用して、11.94gの標題化合物を白色固体として43%の収率で得た。
分析:MS(ES+)C243356=488.2(M+1);
H1NMR(CDCl3), D2O交換=7.30-7.39(m, 5H), 4.85(s, 2H), 3.77(d, 1H), 3.68(br s, 1H), 3.39-3.41(m, 1H), 3.17-3.26(m, 3H), 3.01(d, 1H), 2.90-2.92(m, 2H), 1.97-2.03(m, 2H), 1.79-1.89(m, 2H), 1.66-1.70(m, 1H), 1.55-1.57(m, 1H),1.32(s, 9H).
【0087】
ステップ−2:trans−3−[N’−(6−ヒドロキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
例1のステップ−2に記載の手順を利用し、かつtrans−3−[N’−(6−ベンジルオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(11.5g、0.024モル)、メタノール(115mL)および10%パラジウム/炭素(3.0g)を使用して、9.5gの標題化合物を淡褐色の固体として得て、それを直ちに次の反応に使用した。
分析:MS(ES+)C172756=398.2(M+1);
【0088】
ステップ−3:trans−3−[N’−(6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルのテトラブチルアンモニウム塩の調製
例1のステップ−3に記載の手順を利用し、かつtrans−3−[N’−(6−ヒドロキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(9.5g、0.024モル)、ピリジン(95mL)およびピリジン三酸化硫黄錯体(19.08g、0.12モル)、0.5Nリン酸二水素カリウム水溶液(300mL)および硫酸テトラブチルアンモニウム(8.15g、0.024モル)を使用して、15.3gの標題化合物を帯黄色固体として87%の収率で得た。
分析:MS(ES−)C172659S・N(C494(塩として)=476.1(M−1)(遊離スルホン酸として);
H1NMR(DMSO-d6)=9.82(d, 2H), 3.97(br s, 1H), 3.79(d, 1H), 3.42-3.44(m, 1H), 3.00-3.18(m, 10H), 2.65-2.97(m, 2H), 1.98-2.01(m, 2H), 1.74-1.83(m, 2H), 1.63-1.72(m, 1H), 1.38-1.55(m, 9H), 1.33(s, 9H), 1.24-1.28(m. 8H), 0.91-0.99(m, 12H).
【0089】
ステップ−4:trans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピロリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステル
例1のステップ−4に記載の手順を利用し、かつtrans−3−[N’−(6−スルホオキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルのテトラブチルアンモニウム塩(15g、0.021ミリモル)、ジクロロメタン(37mL)およびトリフルオロ酢酸(37mL)を使用して、7.7gの標題化合物を白色固体として得た。
分析:MS(ES−)=C121957S=376.1(M−1)(遊離スルホン酸として);
H1NMR(DMSO-d6)=10.04(s, 1H), 9.96(s, 1H), 8.79(br s, 1H), 8.68(br s, 1H), 4.00(br s, 1H), 3.82(d, 1H), 3.18-3.32(m, 4H), 3.08-3.12(m, 1H), 3.00(br d, 1H), 2.05-2.29(m, 1H), 1.96-2.05(m, 2H), 1.84-1.87(m, 1H), 1.69-1.73(m, 1H), 1.56-1.67(m, 1H)..
[α]D25=-44.2°,(c 0.5, 水).
【0090】
(例4)
trans−{7−オキソ−2−[N’−((R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]−オクタ−6−イルオキシ}−酢酸
【化8】
ステップ−1:trans−3−{N’−(6−エトキシカルボニルメトキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル}−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
例2のステップ−2で得られた中間化合物であるtrans−3−[N’−(6−ヒドロキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.0g、9.73ミリモル)をDMF(12mL)に溶解し、この澄明溶液に炭酸カリウム(1.61g、11.6ミリモル)、続いてブロモ酢酸エチル(1.2mL、10.0ミリモル)を撹拌しながら添加し、懸濁液を約25℃で18時間撹拌した。反応をTLCで監視した。DMFを減圧下で蒸発させて残留物を得た。該残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、2.6gのステップ−1の標題中間化合物を固体として53.7%の収率で得た。
分析:MS(+)=C223558=498.1(M+1);
H1NMR(CDCl3)=8.45(br s, 2H), 4.58(s, 2H), 4.19-4.27(m, 2H), 4.02-4.12(m, 2H), 3.25(br d, 1H), 3.15(br d, 1H), 2.38(br s, 1H), 2.35(dd, 1H), 2.15-2.20(m, 1H), 1.79-2.02(m, 4H), 1.67-1.77(m, 4H), 1.44-1.51(m, 11H), 1.28(t, 3H).
【0091】
ステップ−2:trans−3−{N’−(6−カルボキシメトキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル}−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
テトラヒドロフラン(32mL)+水(12mL)中のtrans−3−{N’−(6−エトキシカルボニルメトキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル}−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(600mg、1.20ミリモル)の澄明溶液に、水酸化リチウム(43.2mg、1.8ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を3時間撹拌し、1N硫酸水素カリウム水溶液を添加してpH6まで中和した。それを酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。層を分離し、水層を1N硫酸水素カリウムでpH1まで酸性化し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で蒸発乾固して、160mgの標題中間体を固体として27%の収率で得た。
分析:MS(ES+)=C203158=470.1(M+1)
H1NMR(CDCl3)=8.40(br s, 2H), 4.67(d, 1H), 4.52(d, 1H), 4.07-4.14(m, 2H), 3.95(br s, 1H), 3.43(br d, 1H), 3.19(br d, 1H), 2.47(br s, 1H), 2.39(dd, 1H), 2.09-2.13(m, 2H), 1.77-2.00(m, 4H), 1.68-1.77(m, 2H), 1.45-1.51(m, 11H)..
【0092】
ステップ−3:trans−{7−オキソ−2−[N’−((R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]−オクタ−6−イルオキシ}−酢酸
ジクロロメタン(2mL)中trans−3−{N’−(6−カルボキシメトキシ−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル}−(R)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(150mg、0.32ミリモル)の澄明溶液に、トリフルオロ酢酸を撹拌しながら−10℃で添加した。反応混合物を−10℃で約1時間撹拌し、溶媒を真空下で蒸発させて、残留物を得た。該残留物を、逐次的にジエチルエーテル(25mL)およびアセトニトリル(25mL)と共に磨り潰し、溶媒をデカントして固体を得て、該固体を真空下で乾燥して59mgの標題化合物を50%の収率で得た。
分析:MS(ES−)=C152356=368.0(M−1)
H1NMR(DMSO-d6)=9.97(br s, 2H), 4.48(d, 1H), 4.29(d, 1H), 3.91(s, 1H), 3.83(d, 1H), 3.36(q, 1H), 3.11-3.21(m, 4H), 2.84-3.01(m, 3H), 2.66(br s, 1H), 1.90-2.05(m, 3H), 1.69-1.76(m, 2H), 1.59-1.66(m, 3H).
【0093】
(例5)
trans−ジフルオロ−{7−オキソ−2−[N’−((R)−ピペリジン−3−カルボニル)−ヒドラジノカルボニル]−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]−オクタ−6−イルオキシ}−酢酸
【化9】
例4に記載の手順を利用し、かつブロモ酢酸エチルに代わってブロモジフルオロ酢酸エチル(2.0g、10.0ミリモル)を使用して、30mgの標題化合物を固体として調製した。
分析:MS(ES+)=C1521256=406.2(M+1)
H1NMR(DMSO-d6)=10.99(d, 2H), 8.59(br s, 2H), 3.89-4.00(m, 2H), 3.13-3.31(m, 4H), 2.95-3.07(m, 2H), 2.81-2.88(m, 1H), 2.62-2.78(m, 1H), 1.97-2.05(m, 1H), 1-84-1.95(m, 1H), 1.72-1.79(m, 2H), 1.59-1.64(m, 3H).
【0094】
例1に記載のような手順を利用し、かつ(S)−N−tert−ブトキシカルボニル−ピロリジン−2−カルボン酸ヒドラジドの代わりに対応するR1CONHNH2を使用して、化合物6〜42(表1)を調製した。
【化10】
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】
【表5】
【0100】
【表6】
【0101】
【表7】
【0102】
【表8】
【0103】
【表9】
【0104】
【表10】
【0105】
(例43)
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(シアノ−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩
【化11】
trans−硫酸モノ−[2−(N’−(シアノ−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのテトラブチルアンモニウム塩(600mg、例1のステップ−1からステップ−3に記載の手順を利用し、(S)−N−tert−ブトキシカルボニル−ピロリジン−2−カルボン酸ヒドラジドの代わりにシアノ酢酸ヒドラジドを使用して得られる)を、テトラヒドロフランと水の1:9混合物(10mL)中に配合し、ナトリウム形態で新たに活性化されたAmberlite200C樹脂(100g)中を徐々に通過させた。カラムを、10%テトラヒドロフラン/水の混合物で溶離した。画分をTLCで分析し、所望の画分を真空下に40℃未満で濃縮して揮発性溶媒を除去した。次いで、水層をジクロロメタン(25mL×2)で洗浄し、層を分離した。水層を真空下に40℃未満で濃縮して残留物を得た。該残留物をアセトンと共沸させ、ジエチルエーテルと共に磨り潰して、懸濁液を得た。該懸濁液を濾過して300mgの標題化合物(trans−硫酸モノ−[2−(N’−(シアノ−アセチル)−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルのナトリウム塩)を81%の収率で得た。
分析:MS(ES−)C101257SNa、346.2(M−1)(遊離スルホン酸として);
H1NMR(DMSO-d6)=10.2(s, 1H), 10.05(s, 1H), 3.99(s, 1H), 3.82(d, 1H), 3.72(s, 1H), 3.36(s, 1H), 3.14(br d, 1H), 2.99(d, 1H), 1.98-2.03(m, 1H), 1.75-1.84(m, 1H), 1.56-1.72(m, 2H).
【0106】
化合物44〜52(表2)では、例16に記載の手順を利用し、かつシアノ酢酸ヒドラジドの代わりに対応するR1CONHNH2を使用した。
【化12】
【0107】
【表11】
【0108】
【表12】
【0109】
【表13】
【0110】
本発明の例1〜52の化合物は、出発化合物として(S)−ピログルタミン酸を使用して調製した。それゆえ、絶対立体化学は、(2S,5R)7−オキソ-1,6-ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン環である。したがって、例2の化合物であるtrans−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルは、(2R,5R)−硫酸モノ−[2−(N’−[(R)−ピペリジン−3−カルボニル]−ヒドラジノカルボニル)−7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−6−イル]エステルとしての絶対立体化学を有する。代わりに、使用する出発化合物が、(R)−ピログルタミン酸である場合、得られる化合物は、7−オキソ−1,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン環において(2R,5S)の立体化学を有する。本発明による化合物への言及は、また、(2S,5R)および(2R,5S)の立体化学を有する対応化合物を包含する。
【0111】
生物学的活性
本発明による代表的化合物の種々の細菌株に対する生物学的活性を調べた。典型的な研究では、一夜増殖させた細菌培養物を、適切に希釈し、試験化合物の2回希釈物を含む寒天培地上に接種した。外界空気中、35±2℃で16〜20時間インキュベートした後、増殖または非増殖についての観察を実施した。全部の手順を、臨床・検査標準化協会(Clinical and Laboratory Standards Institute)(CLSI)の勧告(Clinical and Laboratory Standards Institute (LLSI)、Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing,20th Informational Supplement, M100-S20,Volume 30,N0.1,2010)通りに実施した。これらの研究の結果を表3〜8に要約する。
【0112】
表3に、ESBL(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)を発現する種々の大腸菌株(NCTC13351、M50および7MP)に対する、本発明による代表的化合物の抗菌活性を列挙する。
【0113】
(表3続き)
【0114】
表4および5に、本発明による代表的化合物の種々のESBLを発現する種々の多剤耐性(MDR)グラム陰性細菌株に対する抗菌活性を示す。活性はMIC(μg/mL)で表現される。比較のため、いくつかの既知抗菌剤(例えば、セフタジジム、アズトレオナム、イミペネム、シプロフロキサシンおよびチゲサイクリン)の活性も含める。明らかなように、本発明による代表的化合物は、種々のMDR菌株に対して抗菌活性を示す。表4および5中のデータは、本発明による化合物が、広範な種類の細菌に対して、様々な種類のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に対してさえも強力な活性を示すことを指摘している。一般に、本発明による化合物の種々のβ−ラクタマーゼ産生細菌株に対する活性は、このような感染を処置するための臨床実践において現在採用される他の抗菌剤に比べて一層より優れている。
【0115】
また、本発明による代表的化合物の抗菌活性を、前記研究プロトコールを使用して、少なくとも1種の抗菌剤と組み合わせて検討した。その結果を表6に示す。明らかなように、本発明による化合物を使用すると、抗菌剤のMIC値が相当に低下した(例えば、セフタジジンの場合。)結果は、また、前記抗菌剤を薬学的有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩と同時投与すると、本発明による化合物は、抗菌剤の抗菌有効性を増大させることを示唆している。
【0116】
また、本発明による代表的化合物の抗菌活性を、前記研究プロトコールを使用してβ−ラクタマーゼ阻害剤と組み合わせて検討した。その結果を表7に示す。明らかなように、β−ラクタム阻害剤と組み合わせた本発明による化合物は、種々の細菌株に対して優れた抗菌活性を示した。例えば、本発明による例2(さらには例3)の化合物をスルバクタムと組み合わせて含む組合せは、それらを単独で使用した場合に比較してはるかに優れたMIC値を示した。結果は、また、β−ラクタム阻害剤と組み合わせた本発明による化合物を、1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する感染を含む、対象における細菌感染を予防または処置する上で効果的に使用できることを示唆している。
【0117】
また、本発明による代表的化合物の抗菌活性を、前記研究プロトコールを使用して、β−ラクタマーゼ阻害剤および抗菌剤と組み合わせて検討した。その結果を表8に示す。明らかなように、少なくとも1種のβ−ラクタム阻害剤および少なくとも1種の抗菌剤と組み合わせた本発明による化合物は、種々の細菌株に対して優れた抗菌活性を示した。例えば、本発明による例2(さらには例3)の化合物をスルバクタムおよびセフェピムと組み合わせて含む組合せは、それらを単独で使用した場合に比較してより優れたMIC値を示した。結果は、また、少なくとも1種のβ−ラクタム阻害剤および少なくとも1種の抗菌剤と組み合わせた本発明による化合物を、1種または複数のβ−ラクタマーゼ酵素を産生する細菌に起因する感染を含め、対象における細菌感染を予防または処置する上で効果的に使用できることを示唆している。
【0118】
【表14】
【0119】
【表15】
【0120】
【表16】
【0121】
【表17】
【0122】
【表18】