特許第5666747号(P5666747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小松製作所の特許一覧

特許5666747支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ
<>
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000002
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000003
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000004
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000005
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000006
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000007
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000008
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000009
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000010
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000011
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000012
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000013
  • 特許5666747-支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5666747
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダ
(51)【国際特許分類】
   B60K 13/04 20060101AFI20150122BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20150122BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20150122BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20150122BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   B60K13/04 B
   E02F9/00 D
   F01N3/08 B
   F01N3/24 E
   F01N3/28 301V
【請求項の数】17
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-529371(P2014-529371)
(86)(22)【出願日】2013年8月9日
(86)【国際出願番号】JP2013071714
【審査請求日】2014年6月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】上前 健志
(72)【発明者】
【氏名】北岡 久人
(72)【発明者】
【氏名】本多 利光
(72)【発明者】
【氏名】太田 匡哉
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−127094(JP,A)
【文献】 特開2012−097413(JP,A)
【文献】 特開2011−163339(JP,A)
【文献】 特開2012−002016(JP,A)
【文献】 特開2013−104394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 13/04
E02F 9/00
F01N 3/08
F01N 3/24
F01N 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの排気を処理する第1排気処理装置及び第2排気処理装置を支持する支持機構であって、
前記第1排気処理装置と前記第2排気処理装置とを支持するサブブラケット、
前記サブブラケットを支持するベースブラケット、
前記ベースブラケットの一方側を支持する第1支持部材、及び
前記ベースブラケットの他方側を支持する第2支持部材
を備え、
前記ベースブラケットは、
前記第1支持部材と結合する第1接続部、
前記第2支持部材と結合する第2接続部、及び
前記第1接続部及び前記第2接続部の間に設置される第1パイプ部材及び第2パイプ部材
を含み、
前記サブブラケットは、
前記第1パイプ部材及び前記第2パイプ部材に固着され、
前記第1パイプ部材及び前記第2パイプ部材から両側方に延設され、
前記第1接続部と前記第2接続部とから離隔している、
支持機構。
【請求項2】
前記サブブラケットの下面に、前記第1パイプ部材及び前記第2パイプ部材が固着される、請求項1に記載の支持機構。
【請求項3】
前記サブブラケットは、鉛直方向に貫通する第1の孔を有する、請求項1または2に記載の支持機構。
【請求項4】
前記第1排気処理装置の長手方向、及び、前記第2排気処理装置の長手方向は、前記第1接続部の長手方向の中央から前記第2接続部の長手方向の中央に向かう第1方向に沿っている、請求項1に記載の支持機構。
【請求項5】
前記第1排気処理装置及び前記第2排気処理装置は、水平方向に並んで配置される、請求項4に記載の支持機構。
【請求項6】
前記サブブラケットは張出部材を含み、
前記ベースブラケットは、前記張出部材より上方、且つ、前記第1接続部と前記第2接続部との間に設置される中間部材をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の支持機構。
【請求項7】
前記中間部材の下端は、前記第1パイプ部材及び前記第2パイプ部材の上端よりも上方に位置する、請求項6に記載の支持機構。
【請求項8】
前記第1接続部は、前記第1パイプ部材の一方端、前記第2パイプ部材の一方端、及び、前記中間部材の一方端と固着した第1端面板をさらに含み、
前記第2接続部は、前記第1パイプ部材の他方端、前記第2パイプ部材の他方端、及び、前記中間部材の他方端と固着した第2端面板をさらに含む、
請求項6または7に記載の支持機構。
【請求項9】
前記第1パイプ部材は、前記第1パイプ部材の一方端及び他方端において、前記第2パイプ部材から離れる方向に向かう第1曲げ部を含み、
前記第2パイプ部材は、前記第2パイプ部材の一方端及び他方端において、前記第1パイプ部材から離れる方向に向かう第2曲げ部を含む、
請求項8に記載の支持機構。
【請求項10】
前記サブブラケットは、
前記第1排気処理装置を固定する第1マウントブラケット、及び
前記第2排気処理装置を固定する第2マウントブラケット
をさらに含む、
請求項6から9のいずれかに記載の支持機構。
【請求項11】
請求項6から10のいずれかに記載の支持機構と、
前記第1排気処理装置と、
前記第2排気処理装置と、
を備える排気処理ユニットであって、
前記中間部材の上端は、前記第1排気処理装置の下端、及び、前記第2排気処理装置の下端よりも上方に位置する、排気処理ユニット。
【請求項12】
前記第1排気処理装置と前記第2排気処理装置とを接続する中継接続管をさらに備え、
前記中間部材の上端は、前記中継接続管の下端よりも下方に位置する、請求項11に記載の排気処理ユニット。
【請求項13】
請求項1から10のいずれかに記載の支持機構、または、請求項11または12に記載の排気処理ユニットと、
前記エンジンと、
を備え、
前記エンジンは、前記エンジンの上部にセンサ部を含み、
前記センサ部は、前記サブブラケットの下方に位置する、
ホイールローダ。
【請求項14】
請求項1から10のいずれかに記載の支持機構、または、請求項11または12に記載の排気処理ユニットと、
前記エンジンと前記第1排気処理装置とを接続する接続管をさらに備え、
前記接続管は、前記第1パイプ部材より側方、且つ、前記サブブラケットと前記第1接続部或いは前記第2接続部との間を通る、
ホイールローダ。
【請求項15】
前記エンジンより前方に配置された作動油タンクと、
前記作動油タンクを支持する台座と、
をさらに備え、
前記第1支持部材は、前記台座に固定されている、請求項13または14に記載のホイールローダ。
【請求項16】
車体フレームをさらに備え、
前記第2支持部材は、
前記車体フレームに固定され、鉛直方向に伸び、車幅方向に並んで配置される左脚部及び右脚部、
前記左脚部の上部及び前記右脚部の上部に固定され、車幅方向に伸びる上梁部、並びに、
前記上梁部の車幅方向中央に固着され、前記上梁部から上方に伸び、前記ベースブラケットと連結する受部
を含む、
請求項13から15のいずれかに記載のホイールローダ。
【請求項17】
前記第1排気処理装置は、ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置であり、
前記第2排気処理装置は、選択還元触媒装置である、
請求項13から16のいずれかに記載のホイールローダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールローダ、特に、ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置等の排気処理装置を備えたホイールローダに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、排ガス規制の高まりから、ホイールローダには2種類以上の排気処理装置が搭載されるようになってきている(特許文献1参照)。このような排気処理装置には、例えば、ディーゼル微粒子捕集フィルタ(Diesel Particulate Filter:DPF)装置や選択還元触媒(Selective Catalytic Reduction:SCR)装置などがある。ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置は、ディーゼルエンジンの排気に含まれる煤等の粒子状物質を捕集して除去する。選択還元触媒装置は、排気中の窒素酸化物(NOx)を低減する。
【0003】
特許文献1に係る発明では、エンジンの上方に複数の排気処理装置が配置される。それらの排気処理装置は、平板状のプラットフォーム上に載置されている。プラットフォームは、エンジンの上方を覆っている。プラットフォームは、プラットフォームの縁部の下に設けられたベースフレームによって支持される。ベースフレームは、エンジンの周辺の車体フレームと連結する脚部によって支持される。プラットフォームには、エンジンと排気処理装置とを繋ぐ接続管を通す孔や軽量化のための孔が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公報第8191668号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エンジンの周辺には、エンジンから突出する部品が存在する。上述するように、特許文献1にかかる発明は、プラットフォームに孔を設けたとしても、強度上の問題からベースフレームの近くに孔を空けることは困難である。したがって、エンジンの縁部周辺にある部品がプラットフォームにあたらないようにするために、プラットフォームの位置を当該部品の位置より高くする必要がある。
【0006】
プラットフォームの位置を、エンジンから突出する部品よりも高くすると、エンジン室を覆う外装カバーの位置が高くなる。したがって、後方視界性が悪くなるという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、エンジンの上方に排気処理装置を配置した作業車両において、排気処理装置をできるだけ低い位置で配置して、後方視界性を良好とすることができる支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1側面に係る支持機構は、エンジンからの排気を処理する第1排気処理装置を支持する支持機構であって、サブブラケット、ベースブラケット、第1支持部材、及び、第2支持部材を備える。ベースブラケットは、第1接続部、第2接続部、及び、第1パイプ部材を含む。サブブラケットは、第1排気処理装置を支持する。ベースブラケットは、サブブラケットを支持する。第1支持部材は、ベースブラケットの一方側を支持する。第2支持部材は、ベースブラケットの他方側を支持する。第1接続部は、第1支持部材と結合する。第2接続部は、第2支持部材と結合する。第1パイプ部材は、第1接続部及び第2接続部の間に設置される。サブブラケットは、第1パイプ部材に固着され、第1パイプ部材から側方に延設され、第1接続部と第2接続部とから離隔している。そして、上面視において、第1排気処理装置は、第1パイプ部材と重畳している。
【0009】
本発明の第2側面に係る支持機構は、エンジンからの排気を処理する第2排気処理装置を支持する支持機構であって、サブブラケット、ベースブラケット、第1支持部材、及び、第2支持部材を備える。ベースブラケットは、第1接続部、第2接続部、及び、第2パイプ部材を含む。サブブラケットは、第2排気処理装置を支持する。ベースブラケットは、サブブラケットを支持する。第1支持部材は、ベースブラケットの一方側を支持する。第2支持部材は、ベースブラケットの他方側を支持する。第1接続部は、第1支持部材と結合する。第2接続部は、第2支持部材と結合する。第2パイプ部材は、第1接続部と第2接続部との間に設置される。サブブラケットは、第2パイプ部材に固着され、第2パイプ部材から側方に延設され、第1接続部と第2接続部とから離隔している。そして、上面視において、第2排気処理装置は、第2パイプ部材と重畳している。
【0010】
本発明の第3側面に係る支持機構は、エンジンからの排気を処理する第1排気処理装置及び第2排気処理装置を支持する支持機構であって、サブブラケット、ベースブラケット、第1支持部材、及び、第2支持部材を備える。ベースブラケットは、第1接続部、第2接続部、第1パイプ部材、及び、第2パイプ部材を含む。サブブラケットは、第1排気処理装置と第2排気処理装置とを支持する。ベースブラケットは、サブブラケットを支持する。第1支持部材は、ベースブラケットの一方側を支持する。第2支持部材は、ベースブラケットの他方側を支持する。第1接続部は、第1支持部材と結合する。第2接続部は、第2支持部材と結合する。第1パイプ部材及び第2パイプ部材は、第1接続部と第2接続部との間に設置される。サブブラケットは、第1パイプ部材及び第2パイプ部材に固着され、第1パイプ部材及び第2パイプ部材から側方に延設され、第1接続部と第2接続部とから離隔している。
【0011】
第1側面に係る支持機構において、サブブラケットの下面に第1パイプ部材が固着されるとよい。第2側面に係る支持機構において、サブブラケットの下面に第2パイプ部材が固着されるとよい。第3側面に係る支持機構において、サブブラケットの下面に第1パイプ部材及び第2パイプ部材が固着されるとよい。
【0012】
第1側面〜第3側面に係る支持機構において、サブブラケットは、鉛直方向に貫通する第1の孔を有するとよい。
【0013】
第3側面に係る支持機構において、第1排気処理装置の長手方向、及び、第2排気処理装置の長手方向は、第1接続部の長手方向の中央から第2接続部の長手方向の中央に向かう第1方向に沿っているとよい。さらに、第1排気処理装置及び前記第2排気処理装置は、水平方向に並んで配置されるとよい。
【0014】
ベースブラケットは、サブブラケットより上方、且つ、第1接続部と第2接続部との間に設置される中間部材をさらに含むとよい。さらに、第3側面に係る支持機構において、中間部材の下端は、第1パイプ部材及び第2パイプ部材の上端よりも上方に位置するとよい。
【0015】
第3側面に係る支持機構において、第1接続部は、第1パイプ部材の一方端、第2パイプ部材の一方端、及び、中間部材の一方端と固着した第1端面板をさらに含むとよい。第2接続部は、第1パイプ部材の他方端、第2パイプ部材の他方端、及び、中間部材の他方端と固着した第2端面板をさらに含むとよい。
【0016】
第3側面に係る支持機構において、第1パイプ部材は、第1パイプ部材の一方端及び他方端において、第2パイプ部材から離れる方向に向かう第1曲げ部を含むとよい。第2パイプ部材は、第2パイプ部材の一方端及び他方端において、第1パイプ部材から離れる方向に向かう第2曲げ部を含むとよい。
【0017】
第3側面に係る支持機構において、サブブラケットは、第1排気処理装置を固定する第1マウントブラケット、及び、第2排気処理装置を固定する第2マウントブラケットをさらに含むとよい。第1マウントブラケット及び第2マウントブラケットの少なくとも一方は、第1の孔に対応する第2の孔を有するとよい。
【0018】
本発明の第4側面に係る排気処理ユニットは、上述する第3側面に係る支持機構と、第1排気処理装置と第2排気処理装置とを備える。中間部材の上端は、第1排気処理装置の下端、及び、第2排気処理装置の下端よりも上方に位置するとよい。
【0019】
当該排気処理ユニットは、第1排気処理装置と第2排気処理装置とを接続する中継接続管をさらに備えるとよい。そして、中間部材の上端は、中継接続管の下端よりも下方に位置するとよい。
【0020】
本発明の第5側面に係るホイールローダは、上述する第1側面〜第3側面に係る支持機構、または、上述する排気処理ユニットと、エンジンとを備える。エンジンは、センサ部をエンジンの上部に含むとよい。そして、センサ部は、サブブラケットの下方に位置するとよい。
【0021】
本発明の第6側面に係るホイールローダは、上述する第1側面、または、第3側面に係る支持機構、若しくは、上述する排気処理ユニットと、エンジンとを備える。当該ホイールローダは、エンジンと第1排気処理装置とを接続する接続管をさらに備えるとよい。接続管は、第1パイプ部材より側方、且つ、サブブラケットと第1接続部或いは第2接続部との間を通るとよい。
【0022】
第5側面、第6側面に係るホイールローダは、エンジンより前方に配置された作動油タンクと、作動油タンクを支持する台座と、をさらに備えるとよい。そして、第1支持部材は、台座に固定されるとよい。
【0023】
第5側面、第6側面に係るホイールローダは、車体フレームをさらに備えるとよい。そして、第2支持部材は、左脚部、右脚部、上梁部、及び、受部を含むとよい。左脚部及び右脚部は、車体フレームに固定され、鉛直方向に伸び、車幅方向に並んで配置されるとよい。上梁部は、左脚部の上部及び右脚部の上部に固定され、車幅方向に伸びるとよい。受部は、上梁部の車幅方向中央に固着され、ベース部材と連結するとよい。さらに、受部の左右方向の幅は、上梁部の左右方向の幅より短いとよい。接続管は、サブブラケットの後方を通り、上面視において、上梁部と重畳し、受部と重畳しないとよい。
【0024】
第1排気処理装置は、ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置であるとよい。第2排気処理装置は、選択還元触媒装置であるとよい。
【発明の効果】
【0025】
当該支持機構、排気処理ユニット、ホイールローダは、第1パイプ部材、第2パイプ部材のうちの少なくとも1つのパイプ部材と、少なくとも1つのパイプ部材から側方に伸びるサブブラケットを備える。そして、サブブラケットは、第1接続部と第2接続部とから離隔している。したがって、エンジンの上方に突出する部品を避けるように、サブブラケットを配置すれば、ベースブラケットをできるだけ低い位置に設置することができる。したがって、エンジンの上方に排気処理装置を配置したホイールローダにおいて、排気処理装置をできるだけ低い位置で配置して、後方視界性を良好とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態によるホイールローダの外観斜視図である。
図2図1のホイールローダの車体カバーを取り外した状態の上面部分図である。
図3図1のホイールローダの車体カバーを取り外した状態の左側面部分図である。
図4図1のホイールローダの車体カバーを取り外した状態の右側面部分図である。
図5図4のエンジン及び排気処理システムの背面図である。
図6】支持機構の上面図である。
図7】支持機構の側面図である。
図8図7の切断面線VIII−VIIIから見た、第1支持部材とベース部材の断面とを表す図である。
図9図7の切断面線IX−IXから見た、第2支持部材の一部断面とベース部材の断面とを表す図である。
図10図7の切断面線X−Xから見た、第1パイプ部材、第2パイプ部材、中間部材、及び、サブブラケットの断面を表す図である。
図11図3の切断面線XI−XIから見た断面図である。
図12】フック取付部付近の拡大斜視図である。
図13】支持機構の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態によるホイールローダ1の外観斜視図を図1に示している。また、図2はホイールローダのキャブの左側方の一部を示したものである。
【0028】
ここで、以下の説明における「前方」は車両の前方を、「後方」は車両の後方を示している。また、「左方向」及び「右方向」は、それぞれ車両の前方に向かって車両の左方向、右方向を意味する。
【0029】
[全体構成]
ホイールローダ1は、車体フレーム2、作業機3、前輪4、後輪5、キャブ6を備えている。このホイールローダ1は、前輪4、後輪5が回転駆動されることにより自走可能であり、作業機3を用いて所望の作業を行うことができる。
【0030】
車体フレーム2は前車体部及び後車体部を含んでおり、前車体部と後車体部とは互いに左右方向に揺動可能に連結されている。前車体部には、作業機3及び前輪4が設けられている。後車体部には、後輪5及びキャブ6が設けられている。作業機3は、前車体部の前方に配置されており、バケット7及びバケットシリンダ8等を含む。前輪4及び後輪5のそれぞれの上方及び後方には、フェンダ4a,5aが設けられている。左側の後輪用フェンダ5aの上部にはエアクリーナ13が配置されている。このエアクリーナ13によって、エンジン15に取り込まれるエアから異物が取り除かれ、浄化される。キャブ6の内部には運転室6aが設けられるとともに、各種の操作部材や操作盤が設けられている。
【0031】
図2は、キャブ6の後方の車体カバー9(図1)を取り外し、上面視によって後車体部を見た図である。図3は、キャブ6の後方の車体カバー9(図1)を取り外し、左側面視によって後車体部を見た図である。図4は、キャブ6の後方の車体カバー9(図1)を取り外し、右側面視によって後車体部を見た図である。図4では、図面の左側が車両の前側にあたる。なお、図2図4では、後輪5など、一部の部品の図示を省略している。図2〜5に示すように、後車体部の後部には、エンジン15と、エンジン15の後方に配置された冷却ユニット16と、支持機構17と、エンジン15の上方において支持機構17に搭載された排気処理システム18と、が配置されている。なお、本実施形態では、支持機構17と排気処理システム18とを総称して、排気処理ユニットと呼ぶ。また、エンジン15の前方には作動油タンク19が配置されている。なお、図示していないが、作動油タンク19は、キャブ6の後ろに配置されている。すなわち、作動油タンク19は、キャブ6とエンジン15との間に配置されている。作動油タンク19は、その下方にある台座20によって支持されている。
【0032】
図5は、図4の切断面線V−Vから見た、エンジン15及び排気処理システム18の背面図である。エンジン15は、いわゆる縦置きであり、クランク軸15aが前後方向に伸びるように配置されている。エンジン15は、トランスミッション21(図3及び図4参照)とボルトで固定されて一体構造となっている。そして、このエンジン15とトランスミッションとが、図示しないゴムマウントを介して車体フレーム2に支持されている。また、エンジン15は、上部部材15bを、エンジン15の上部に含む。上部部材15bとは、例えば、吊りフック取り付けのためのフック取付部である。フック取付部は、エンジン15の修理等の際に、エンジン15を吊り上げるための吊りフックが取り付けられる。上部部材15bはエンジン15及び排気処理システム18の背面から直接視認できないので、図5では、上部部材15bは二点鎖線で表示されている。図5に示されるように、上部部材15bは、エンジン15の他の部品に対して上方に突出している。より詳細に言えば、上部部材15bは、エンジン15の後端中央部から上方に突出している(図12参照)。
【0033】
また、図3に示すように、エンジン15の左側には排気によって吸気を過給するターボチャージャー22が設けられている。ターボチャージャー22は、排気口が後方に向かうように設けられている。そして、ターボチャージャー22と排気処理システム18との間に接続管23が設けられている。接続管23には、蛇腹状で伸縮可能である2つの可撓性管部23a,23bが設けられている。排気処理システム18が組み付けられた状態では、エンジン15及びトランスミッション21はゴムマウントによって車体フレーム2に搭載され、排気処理システム18は支持機構17によって車体フレーム2に直接搭載されている。このため、運転状態では、エンジン15側の振動と排気処理システム18側の振動とが異なることになる。しかし、接続管23に、比較的長い可撓性管部23a,23bが形成されているために、両者の振動の違いを十分に吸収することができる。したがって、エンジン15の振動を抑えることができる。
【0034】
また、ターボチャージャー22とエアクリーナ13(図1参照)との間には樹脂で形成された可撓性の吸気管24(図2図4参照)が設けられている。この吸気管24によって、エンジン15とエアクリーナ13との振動の違いが吸収される。ターボチャージャー22の前方には、センサ部25が設けられる。つまり、エンジン15は、エンジン15の上部にセンサ部25を含む。センサ部25は、エンジン15の排気等に含まれる各種物質を測定する機器であり、エンジン15の他の部品に対して上方に突出している(図11参照)。より詳細に言えば、センサ部25は、エンジンの前後方向の中央よりやや前方かつ左側にあたる部分から上方に突出している(図6の二点鎖線参照)。
【0035】
[排気処理システム18]
図2図4に示すように、排気処理システム18は、エンジン15側の排気上流側(以下、単に「上流側」と記す)から順に、第1排気処理装置45と、第2排気処理装置47と、中継接続管48と、を備えている。中継接続管48には、尿素水溶液ミキシング装置46が取り付けられている。
【0036】
第1排気処理装置45は、好ましくは、ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置である。第1排気処理装置45は、排気中の煤等の粒子状物質を捕集する。つまり、第1排気処理装置45は、エンジン15からの排気を処理する。尿素水溶液ミキシング装置46は、図示しない尿素水溶液タンクから、やはり図示しないポンプによって吸い上げられた尿素水溶液を噴射し、排気中に還元剤としての尿素水溶液を添加するものである。添加された尿素水溶液は加水分解されてアンモニアとなり、アンモニアは排気とともに中継接続管48を介して第2排気処理装置に供給される。第2排気処理装置47は、好ましくは、選択還元触媒装置である。第2排気処理装置47は、尿素水溶液ミキシング装置46からのアンモニアが還元剤として使用されて、排気中の窒素酸化物を還元浄化する。つまり、第2排気処理装置47は、エンジン15からの排気を処理する。
【0037】
第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47は、水平方向に並んで配置されている。具体的には、第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47は、共に円筒形状であり、中心軸が車両前後方向に互いに平行に伸びるように配置されている。つまり、第1排気処理装置45の長手方向は、車両前後方向に沿っており、第2排気処理装置47の長手方向は、車両前後方向に沿っている。また、図3図5に示すように、第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47は、エンジン15の上方に配置されている。
【0038】
図2図3、及び図5に示すように、第1排気処理装置45の排気導入口45aは、後端部に設けられ、その開口は後方且つ斜め左方向を向いている。排気導入口45aには、接続管23が接続される。また、第1排気処理装置45の排気導出口45bは、前端部に設けられ、その開口は右方且つ斜め上方を向いている。図2図4、及び図5に示すように、第2排気処理装置47の排気導入口47aは、後端部に設けられ、その開口は左方且つ斜め上方を向いている。また、第2排気処理装置47の排気導出口47bは、前端部に設けられ、その開口はほぼ上方を向いている。排気導出口47bには、排気管9a(図1参照)が接続される。そして、中継接続管48が第1排気処理装置45の排気導出口45bと第2排気処理装置47の排気導入口47aとの間に配置されている。
【0039】
図2に示すように、中継接続管48は、第1屈曲部48aと、直線部48bと、第2屈曲部48cと、を有し、全体としてS字状に形成されている。第1屈曲部48aは第1排気処理装置45の排気導出口45b近傍に位置し、第2屈曲部48cは第2排気処理装置47の排気導入口47a近傍に位置している。直線部48bは、第1屈曲部48aと第2屈曲部48cとの間に位置し、第1排気処理装置45と第2排気処理装置47と並列して配置されている。
【0040】
そして、尿素水溶液ミキシング装置46は、第1屈曲部48aに設けられており、中継接続管48内に尿素水溶液を噴射する。噴射された尿素水溶液は長い直線部48bを通過する際に、排気と均等に混じり合うことになる。
【0041】
[エア・排気の流れ]
図3に示すように、エアは、エアクリーナ13から導入され、吸気管24及びターボチャージャー22を経由してエンジン15に供給される。また、エンジン15からの排気は、ターボチャージャー22を駆動した後、接続管23を介して排気処理システム18に導入される。
【0042】
排気処理システム18では、第1排気処理装置45によって煤等の粒子状物質が捕集される。その後、尿素水溶液ミキシング装置46に導入される。この尿素水溶液ミキシング装置46では、排気中に尿素水溶液が噴射され、排気と尿素水溶液とが混合される。これにより、尿素水溶液は排気の熱及び排気中の水蒸気によって加水分解されてアンモニアとなる。このようにして生成されたアンモニアは、排気とともに中継接続管48を介して第2排気処理装置47に供給される。そして、この第2排気処理装置47においては、アンモニアが還元剤として使用されて、排気中の窒素酸化物が還元浄化される。
【0043】
[支持機構17]
図6は、支持機構17の上面図である。図7は、支持機構17の側面図である。図6では、センサ部25、第1排気処理装置45、及び第2排気処理装置47を二点鎖線にて図示している。図7では、作動油タンク19と台座20とを二点鎖線にて図示している。図6及び図7に示すように、支持機構17は、第1支持部材26と、第2支持部材27と、ベース部材28と、から構成されている。図3〜5に示すように、第1支持部材26及び第2支持部材27は、エンジン15の側方に配置され、ベース部材28は、エンジン15の上方に配置される。図2図4に示すように、第2支持部材27は、車体フレーム2に複数のボルト90によって直接固定されている。図3図4、及び図7に示すように、第1支持部材26は、車体フレーム2に複数のボルト91で直接固定されている台座20の側面に複数のボルト92によって直接固定されている。
【0044】
図3図4、及び図7に示すように、台座20は、左右の側部30,31と、連結部33と、を含む。台座20は、さらに、左右の側部30,31の上部を連結する、作動油タンクを載置するための天板部(図示せず)を備えてもよい。左右の側部30,31のそれぞれは、前方部分にほぼ台形状の切欠き部30a,31aと、内部に孔30b,31bと、を有する矩形状に形成されている。また、左右の側部30,31プレートは、下端部に前後方向に張り出して形成された取付部30c,31cを含む。この取付部30c,31cが複数のボルト92によって車体フレーム2に固定されている。連結部33は、左右の側部30,31の後部を連結している。図4に示すように、連結部33には、第1支持部材26が複数のボルト92によって直接固定されている。
【0045】
図8は、図7の切断面線VIII−VIIIから見た、第1支持部材26とベース部材28の断面とを表す図である。図8に示すように、第1支持部材26は、第1左脚部35と、第1右脚部36と、第1上梁部34と、を含む。第1左脚部35及び第1右脚部36は、それぞれ、連結部33の左端及び右端付近から鉛直上方に伸びている。
【0046】
第1左脚部35は、車両後方に向かって突出するリブ35a,35bと、ボルト92を通すためのボルト孔35c,35dと、を含む。リブ35a,35bは、その前後方向の中心よりも上側(以下、上側部と呼ぶ)のほうが、下側(以下、下側部)よりもより後方に向かって突出している。ボルト孔35c,35dは、連結部33の上端よりも下方に位置する。ボルト孔35c,35dは、連結部33の左端に近い位置に設けられている。すなわち、ボルト孔35c,35dは、左側部30に近い位置に設けられている。
【0047】
第1右脚部36は、車両後方に向かって突出するリブ36a,36bと、ボルト92を通すためのボルト孔36c,36dと、を含む。リブ36a,36bは、その前後方向の中心よりも上側(以下、上側部と呼ぶ)のほうが、下側(以下、下側部)よりもより後方に向かって突出している。ボルト孔36c,36dは、連結部33の上端よりも下方に位置する。ボルト孔36c,36dは、連結部33の右端に近い位置に設けられている。すなわち、ボルト孔36c,36dは、右側部31に近い位置に設けられている。
【0048】
第1上梁部34は、その左右方向の両端においてリブ35a,36bと連結している。第1上梁部34は、その後端及び下端においてリブ35b,36aと連結している。第1上梁部34は、さらに、その前端は、ベース板材34aに固定されている。これにより、ベース部材28に重量物が載置されても、第1上梁部34は、後方且つ下方に向かって撓むことが抑えられている。
【0049】
図5及び図7に示すように、第2支持部材27は、第2左脚部37と、第2右脚部38と、第2上梁部39と、受部40と、を含んでいる。第2左脚部37及び第2右脚部38は、下端部に取付部37a,38aを有している。図7に示すように、取付部37a,38aは、側方視で略台形状である。また、図2に示すように、取付部37a,38aの下端は、左右方向及び前方向に張り出して形成されている。この左右方向に張り出した部分が複数のボルト90によって車体フレーム2に固定されている。第2左脚部37及び第2右脚部38は、鉛直方向に伸び、車幅方向に並んで配置されている。図5に示すように、第2上梁部39は、第2左脚部37及び第2右脚部38の上部に固定されており、車幅方向に伸びている。受部40は、第2上梁部39の車幅方向の中央に固着されている。
【0050】
このような第2支持部材27では、受部40が第2上梁部39より上方に突出し、かつ長手方向(つまり、左右方向)の幅が第2上梁部39より短いので、受部40の長手方向には、部材を配置するためのスペースS1,S2が形成されている。この実施形態では、図2及び図5に示すように、接続管23の一部や、エンジン15の上方に突出し、冷却ユニット16に接続される配管41がスペースS1,S2を利用して配置されている。つまり、接続管23は、第1パイプ部材72より側方、且つ、サブブラケット75と第1接続部70或いは第2接続部71との間を通っている。さらに、図2に示すように、接続管23は、サブブラケット75と第2接続部71との間を通り、上面視において、第2上梁部39と重畳し、受部40と重畳しない。
【0051】
また、図3及び図5に示すように、第2支持部材27は、固定プレート60及びU字金具61をさらに含んでいてもよい。固定プレート60は、その下端において第2上梁部39に固定されている。そして、この固定プレート60の縦辺に、接続管23の可撓性管部23bの後部(排気下流側)を抱え込んだU字金具61の両端がナット62によって固定されている。
【0052】
ベース部材28は、第1支持部材26と第2支持部材27の受部40との間に設けられている。図6に示すように、ベース部材28は、第1接続部70と、第2接続部71と、第1パイプ部材72と、第2パイプ部材73と、を含む。さらに、ベース部材28は、好ましくは、中間部材74と、サブブラケット75と、を含んでもよい。サブブラケット75は、張出部材76と、第1マウントブラケット77と、第2マウントブラケット78と、を含む。なお、ベース部材28の一部の構成部品を含むものをベースブラケットと呼ぶ。ベースブラケットは、エンジン15の上方に配置される。
【0053】
図6及び図8に示すように、第1接続部70は、第1支持部材26と結合している。より詳細には、第1接続部70は、第1支持部材26の第1上梁部34の左右方向の中央部付近に載置されている。これにより、第1支持部材26は、ベース部材28の一方側を支持する。別の言い方をすれば、第1支持部材26は、ベースブラケットの一方側を支持する。なお、第1接続部70の長手方向の距離は、第1上梁部34の長手方向の距離より短く形成されている。また、図8に示すように、第1接続部70の下面と、第1支持部材26の第1上梁部34の上面との間には、2箇所において、スペーサ42が装着されてもよい。このスペーサ42は、第1接続部70の上面にボルト43によって固定されている。図8に示すように、第1接続部70は、第1パイプ部材72の一方端(例えば、前端)、第2パイプ部材73の一方端、及び、中間部材74の一方端と固着した第1端面板70aを含んでもよい。これによって、第1パイプ部材72、第2パイプ部材73、及び、中間部材74の互いの位置関係が固定され、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73にかかる荷重を中間部材74にも分散することができる。
【0054】
図9は、図7の切断面線IX−IXから見た、第2支持部材27の一部断面とベース部材28の断面とを表す図である。図7及び図9に示すように、第2接続部71は、第2支持部材27と結合している。つまり、ベース部材28は、受部40と連結している。より詳細には、第2接続部71は、第2支持部材27の受部40の上方に載置されている。これにより、第2支持部材27は、ベース部材28の他方側(例えば、後側)を支持する。別の言い方をすれば、第2支持部材27は、ベースブラケットの他方側を支持する。なお、第2接続部71の長手方向の距離は、受部40の長手方向の距離より長く形成されている。図9に示すように、第2接続部71は、第1パイプ部材72の他方端(例えば、後端)、第2パイプ部材73の他方端、及び、中間部材74の他方端と固着した第2端面板71aを含んでもよい。これによって、第1パイプ部材72、第2パイプ部材73、及び、中間部材74の互いの位置関係が固定され、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73にかかる荷重を中間部材74にも分散することができる。
【0055】
また、図9に示すように、ベース部材28の下面と第2支持部材27の受部40の上面との間には、2個所において、シム(shim)44を装着することが可能である。このシム44は、排気処理システム18が搭載されたベース部材28を第2支持部材27の受部40に固定する際に、排気処理システム18と接続管23との高さ調整をするためのものである。シム44は、矩形状であって、左右方向の両端部に一方側が開放された1対の切欠き44aを有し、この1対の切欠き44aの間に貫通孔44bを有している。
【0056】
このシム44は受部40の上面にボルト45によって固定されている。第2接続部71には、ボルト45が設けられている位置に、ボルト45の頭部の径よりも大径の孔71bが形成されている。この孔71bによって第2接続部71とボルト45との干渉を避けることができる。したがって、シム44を受部40に固定したままベース部材28を着脱することができる。
【0057】
なお、シム44は、種々の厚みのものが用意されており、1枚のシム44あるいは複数のシム44を組み合わせて使用することによって、高さの調節を行うことが可能である。
【0058】
図6図9に示すように、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73は、同一の水平面上に伸び、車幅方向に並んで配置されている。第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73は、第1接続部70と第2接続部71との間に設置される。中間部材74は、左パイプ部材72と右パイプ部材73との中間に車両前後方向に伸びている。図6に示すように、第1パイプ部材72は、一方端(例えば、前端)もしくは他方端(例えば、後端)の少なくとも一方の端において第2パイプ部材73から離れる方向に向かう第1曲げ部を含む。より詳細には、第1パイプ部材72は、一方端において第2パイプ部材73から離れる方向に向かう第1曲げ部72aと、他方端において同方向に向かう第1曲げ部72bと、を含む。そして、第1パイプ部材72は、第1曲げ部72aと72bとの間に直線部73c(図6参照)を含む。第2パイプ部材73は、一方端もしくは他方端の少なくとも一方の端において第1パイプ部材72から離れる方向に向かう第2曲げ部を含む。より詳細には、第2パイプ部材73は、一方端において第1パイプ部材72から離れる方向に向かう第2曲げ部73aと、他方端において同方向に向かう第2曲げ部73bと、を含む。そして、第2パイプ部材73は、第2曲げ部73aと73bとの間に直線部73c(図6参照)を含む。
【0059】
図8及び図9に示すように、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73は、第1接続部70及び第2接続部71上に設けられる。中間部材74の下端は、第1接続部70及び第2接続部71よりも上方に設けられる。中間部材74の長手方向から見た形状は、好ましくは、下端に開口部が形成される逆U字形状である。ただし、中間部材74は、パイプ部材であってもよい。さらに、図6に示すように、第1パイプ部材72、第2パイプ部材73、第1接続部70、及び第2接続部71を縁とする開口部100が形成されている。
【0060】
また、第1接続部70の長手方向の中央(第1接続部70において、中間部材74と重畳する部分)から第2接続部71の長手方向の中央(第2接続部71において、中間部材74と重畳する部分)に向かう第1方向は、車両前後方向に沿っている。つまり、第1排気処理装置45の長手方向及び第2排気処理装置47の長手方向は、第1方向に沿っている。また、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73も第1方向に伸びている。さらに、図6に示すように、上面視において、第1排気処理装置45は、第1パイプ部材72の一部と重畳している。より詳細には、第1排気処理装置45は、第1パイプ部材72の直線部72cと重畳している。さらに、上面視において、第2排気処理装置47は、第2パイプ部材73の一部と重畳している。より詳細には、第2排気処理装置47は、第2パイプ部材73の直線部73cと重畳している。
【0061】
図6に示すように、張出部材76は、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73の側方に伸びる。別の言い方をすれば、張出部材76は、第1パイプ部材72、第2パイプ部材73、及び中間部材74の少なくとも1つの側方に伸びる板状の部材である。つまり、サブブラケット75は、第1パイプ部材72、第2パイプ部材73のうちの少なくとも1つのパイプ部材から側方に延設されている。サブブラケット75は、第1接続部70と第2接続部71とから離隔している。図6に示すように、張出部材76の第1方向の長さは、第1排気処理装置45の長手方向の長さよりも短く、第2排気処理装置47の長手方向の長さよりも短い。これにより、接続管23の一部や、配管41を容易に上方に伸ばすことができる。
【0062】
図10は、図7の切断面線X−Xから見た、第1パイプ部材72、第2パイプ部材73、中間部材74、及び、サブブラケット75の断面を表す図である。これによれば、張出部材76の上面には、中間部材74が固着されている。張出部材76の下面には、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73が固着されている。別の言い方をすれば、サブブラケット75の下面に第1パイプ部材72、第2パイプ部材73のうちの少なくとも1つのパイプ部材が固着されている。すなわち、サブブラケット75は、第1パイプ部材72、第2パイプ部材73のうちの少なくとも1つのパイプ部材に固着されている。つまり、サブブラケット75は、ベースブラケットによって支持されている。したがって、中間部材74の下端は、第1パイプ部材72の上端及び第2パイプ部材73の上端よりも上方に位置している。つまり、中間部材74は、サブブラケット75より上方に車両前後方向(つまり、第1方向)に伸びている。中間部材74は、第1接続部70と第2接続部71との間に設置される。
【0063】
また、図5において、第2接続部71の第2端面板71aの背後にある第1パイプ部材72、第2パイプ部材73、中間部材74、張出部材76が点線で表示されている。これによれば、中間部材74の上端は、第1排気処理装置45の下端及び第2排気処理装置47の下端よりも上方に位置する。また、中間部材74の上端は、中継接続管48の下端よりも下方に位置する。このように、中間部材74が排気処理システム18を上方で支持することによって、排気処理システム18が安定的にベース部材28によって支持される。
【0064】
図6及び図10に示すように、第1マウントブラケット77は、複数のボルト93によって、張出部材76の上面に取り付けられる。第2マウントブラケット78は、複数のボルト94によって、張出部材76の上面に取り付けられる。つまり、第1マウントブラケット77及び第2マウントブラケット78は、張出部材76上に配置される。図6に示すように、第1マウントブラケット77は、第1載置部77aと、第1フランジ固定部77bと、第1U字ボルト77eと、を含む。第2マウントブラケット78は、第2載置部78aと、第2フランジ固定部78bと、第2U字ボルト78eと、を含む。
【0065】
第1載置部77aは、第1排気処理装置45の外周面に対応した接触面77dを有する。より具体的には、第1載置部77aは、下方に向かって膨らむ凸形状の接触面77dを有する。第1載置部77aは、接触面77dの左右両側に、第1U字ボルト77eを挿通させる1対の挿通孔77f,77gを含む。図3に示すように、第1フランジ固定部77bは、第1排気処理装置45のフランジ45cの前面に取り付けられる。第1排気処理装置45のフランジ45cが第1フランジ固定部77bに固定されることにより、第1排気処理装置45の中心軸線周りの回転が抑止される。さらに、第1排気処理装置45が、接触面77dと第1U字ボルト77eによって固定されることにより、第1排気処理装置45は、第1マウントブラケット77に安定的に支持される。
【0066】
第2載置部78aは、第2排気処理装置47の外周面に対応した接触面78dを有する。より具体的には、第2載置部78aは、下方に向かって膨らむ凸形状の接触面78dを有する。第2載置部78aは、接触面78dの左右両側に、第2U字ボルト78eを挿通させる1対の挿通孔78f,78gを含む。図4に示すように、第2フランジ固定部78bは、第2排気処理装置47のフランジ47cの前面に取り付けられる。第2排気処理装置47のフランジ47cが第2フランジ固定部78bに固定されることにより、第2排気処理装置47の中心軸線周りの回転が抑止される。さらに、第2排気処理装置47が、接触面78dと第2U字ボルト78gによって固定されることにより、第2排気処理装置47は、第2マウントブラケット78に安定的に支持される。
【0067】
このように、第1マウントブラケット77は第1排気処理装置45を固定し、第2マウントブラケット78は第2排気処理装置47を固定する。したがって、ベース部材28は、第1排気処理装置45と第2排気処理装置47とを支持している。別の言い方をすれば、サブブラケット75は、第1排気処理装置45と第2排気処理装置47とを支持している。
【0068】
図6に示すように、第1マウントブラケット77は、上面視において第1マウントブラケット77の中央に孔77cを有している。同様に、第2マウントブラケット78は、上面視において第2マウントブラケット78の中央に孔78cを有している。張出部材76は、孔77c,78cに対応する位置に、孔76a,76bを有している。つまり、サブブラケット75は、鉛直方向に貫通する孔76a,76bを有し、第1マウントブラケット77及び第2マウントブラケットの少なくとも一方は、孔76a,76bに対応する孔77c,78cを有する。図10に示すように、サブブラケット75は、張出部材76の下面に固着されているリブ79を含んでもよい。リブ79は、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73の取り付け箇所、ボルト93,94の取り付け箇所、孔76a,76bの場所、及び、センサ部25の上方を除く、張出部材76の下面のどの位置に設けられてもよい。リブ79によって、サブブラケット75の両側端付近に係る荷重によって、サブブラケットの両側端部が曲がることが抑止される。
【0069】
[センサ部25、上部部材15bとベース部材28との関係]
図11は、図3の切断面線XI−XIから見た断面図である。図11では、車体フレームの図示を省略している。また、図11では、クランク軸15aに加えて、オイルパン15f、並びに、エンジン15の内部のシリンダヘッド15c、シリンダボディ15d、及びクランクケース15eを図示している。これによれば、ターボチャージャー22の上端は、シリンダヘッド15cの上端よりも上方に位置する。さらに、センサ部25の上端は、ターボチャージャー22の上端よりも上方に位置する。つまり、センサ部25は、エンジン15の上方に突出している。また、センサ部25の上端は、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73の下端よりも上方に位置する。また、センサ部25の上端は、張出部材76の下面よりも下方に位置する。また、センサ部25の上端の高さは、リブ79の下端の高さとほぼ同じである。
【0070】
図6に示すように、センサ部25は、サブブラケット75の下方に位置する。より正確には、センサ部25の一部は、サブブラケット75の下方に位置する。しかし、センサ部25の上方にはリブ79が設けられていないため、ホイールローダ1が振動しても、センサ部25とリブ79とが接触することはない。また、第1パイプ部材72には、第1曲げ部72a,72bが設けられることによって、第1パイプ部材72と、センサ部25とは、十分な距離だけ離れている。そのため、ホイールローダ1が振動しても、センサ部25と第1パイプ部材72とが接触することはない。
【0071】
さらに、図11に示すように、第1パイプ部材72と第2パイプ部材73との車幅方向(上述する第1接続部70の長手方向、もしくは、第2接続部71の長手方向と平行な方向)の最大の距離Dは、エンジンの車幅方向の距離Wより短い。これにより、第1曲げ部72a,72bの曲げ量を大きくしなくても、第1パイプ部材72と、センサ部25とは、十分な距離だけ離すことができる。また、図11に示すように、張出部材76の車幅方向(上述する第1接続部70の長手方向と平行な方向、もしくは、第2接続部71の長手方向と平行な方向)の長さは、距離Dよりも長く、さらに、エンジンの車幅方向の距離Wより長い。つまり、サブブラケット75の車幅方向(上述する第1接続部70の長手方向と平行な方向、もしくは、第2接続部71の長手方向と平行な方向)の長さは、距離Dよりも長く、さらに、エンジンの車幅方向の距離Wより長い。
【0072】
図12は、フック取付部15b付近を拡大した斜視図である。図5に示すように、上部部材15bの上端は、中間部材74の下端よりも上方に位置する。したがって、中間部材74は、上部部材15bの上方において、上方に凹んだ凹部74aを含んでいる。これにより、ホイールローダ1が振動しても、上部部材15bと中間部材74とが接触することはない。また、図5及び図12に示すように、上部部材15bは、第1パイプ部材72と第2パイプ部材73との間の隙間から上方に突出している。つまり、上部部材15bは、第1接続部70、第2接続部71、第1パイプ部材72、及び第2パイプ部材73に囲まれる領域内にある開口部100を通っている。
【0073】
[特徴]
(1)支持機構17は、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73の少なくとも一方を含む。上面視において、第1排気処理装置45は、第1パイプ部材72と重畳している。また、上面視において、第2排気処理装置47は、第2パイプ部材73と重畳している。したがって、第1パイプ部材72は、第1排気処理装置を安定して支持することができ、第2パイプ部材73は、第2排気処理装置47を安定して支持することができる。さらに、支持機構17は、少なくとも1つのパイプ部材72,73から側方に伸びるサブブラケット75を備える。そして、サブブラケット75は、第1接続部70と第2接続部71とから離隔している。これによって、エンジン周辺、特にエンジンの左右側からエンジン15の上方に突出する部品(例えば、センサ部25、接続管23、及び、配管41)を避けるように、サブブラケット75を配置すれば、ベースブラケットをできるだけ低い位置に設置することができる。したがって、エンジン15の上方に排気処理装置を配置したホイールローダ1において、排気処理装置をできるだけ低い位置で配置して、後方視界性を良好とすることができる。
【0074】
(2)サブブラケット75の下面に、少なくとも1つのパイプ部材72,73が固着される。これによって、少なくとも1つのパイプ部材72,73をエンジン15の左右方向の中央付近からエンジン15の上方に突出する部品(例えば、上部部材15b)を避けて配置すれば、サブブラケット75をさらに低く設置することができる。したがって、排気処理装置をさらに低い位置で配置して、後方視界性をさらに良好とすることができる。
【0075】
(3)サブブラケット75は、鉛直方向に貫通する孔76a,76bを有する。これによって、サブブラケット75の軽量化を実現できる。また、孔76aの下方には、エンジンの部品の中で比較的高い位置に配置されるターボチャージャー22が配置されるので、ターボチャージャー22がサブブラケット75と接触することが抑止される。
【0076】
(4)少なくとも1つのパイプ部材72,73が車両前後方向(つまり、上述する第1方向)に伸びるとともに、第1排気処理装置45の長手方向及び、第2排気処理装置47の長手方向は、それぞれ、車両前後方向(つまり、上述する第1方向)に沿っており、第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47は、水平方向に並んで配置されている。したがって、少なくとも1つのパイプ部材72,73、第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47は、ほぼ互いに平行な関係になる。したがって、ベースブラケット及びサブブラケット75は、第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47を安定して支持することができる。
【0077】
(5)ベースブラケットは、サブブラケット75より上方に中間部材74をさらに含む。これによって、ベースブラケット及びサブブラケット75は、第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47をさらに安定して支持することができる。
【0078】
(6)中間部材74の上端は、第1排気処理装置45の下端、及び、第2排気処理装置47の下端よりも上方に位置する。これによって、中間部材74が第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47の重心にさらに近い位置においてサブブラケット75を支持するので、ベース部材28は、第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47をより一層安定して支持することができる。
【0079】
(7)中間部材74の上端は、中継接続管48の下端よりも下方に位置する。これによって、中継接続管48を第1排気処理装置45と第2排気処理装置47との間に配置することができるので、中継接続管48の長さを短くすることができ、排気処理システム18を小型化することができる。
【0080】
(8)少なくとも1つのパイプ部材には、第1パイプ部材72と第2パイプ部材73とが含まれる。第1パイプ部材72は、一方端及び他方端において、第2パイプ部材73から離れる方向に向かう第1曲げ部を含み、第2パイプ部材73は、一方端及び他方端において、第1パイプ部材73から離れる方向に向かう第2曲げ部を含む。これによって、特にエンジン15の前後の縁部中央付近から突出する部品(例えば、上部部材15b)を避けるように、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73を配置することができる。また、第1曲げ部、第2曲げ部によって、第1支持部材26或いは第2支持部材27は、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73をできるだけ側方において支持することができるので、第1支持部材26の長手方向に沿う方向、別の言い方をすれば、第2支持部材27の長手方向に沿う方向の揺れに対して、ボルト43,45の負荷を小さくすることができる。
【0081】
(9)第1接続部70は、第1端面板70aを含み、第2接続部71は、第2端面板71aを含む。これによって、第1パイプ部材72、第2パイプ部材73、及び、中間部材74の互いの位置関係が固定され、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73にかかる荷重を中間部材74にも分散することができる。
【0082】
(10)エンジンの上部において上方に突出するセンサ部25は、サブブラケット75の下方に位置する。サブブラケット75は、少なくとも1つのパイプ部材72,73の上方に位置する。したがって、少なくとも1つのパイプ部材72,73をセンサ部25から避けて配置することにより、排気処理装置を低い位置で配置して、後方視界性を良好とすることができる。
【0083】
(11)サブブラケット75は、第1マウントブラケット77と第2マウントブラケット78とを含む。これによって、第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47は、安定してサブブラケット75に支持される。
【0084】
(12)接続管23は、第1パイプ部材72より側方、且つ、サブブラケット75と第1接続部70或いは第2接続部71との間を通る。これによって、接続管23をそれほど長くしなくても、接続管23は、サブブラケット75の下方にあるエンジン15と、サブブラケット75の上方にある第1排気処理装置45とを接続することができる。
【0085】
(13)受部40の長手方向の幅は、第2上梁部39の長手方向の幅より短い。これによって、受部40の長手方向には、部材を配置するためのスペースが形成される。また、接続管23は、サブブラケット75の後方を通り、上面視において、第2上梁部39と重畳し、受部40と重畳しない。これによって、接続管23をそれほど長くしなくても、接続管23は、サブブラケット75の下方にあるエンジン15と、サブブラケット75の上方にある第1排気処理装置45とを接続することができる。また、後支持部材27の固定プレート60及びU字金具61によって、接続管23を固定することができる。
【0086】
(14)前支持部材26は、作動油タンク19の台座20に固定される。これによって、前支持部材26の部品点数を減らし、コスト削減を図ることができる。
【0087】
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
【0088】
(a)上述の実施形態では、第1排気処理装置45をディーゼル微粒子捕集フィルタ装置として、第2排気処理装置47を選択還元触媒装置として説明した。しかし、第1排気処理装置45を選択還元触媒装置として、第2排気処理装置47をディーゼル微粒子捕集フィルタ装置としてもよい。ただし、エンジンからの排気は、まずディーゼル微粒子捕集フィルタ装置に送られるのが好ましいので、この場合、第1排気処理装置45と第2排気処理装置47とに接続される配管の順序及び向きが逆となる。なお、第1排気処理装置45は、ディーゼル微粒子捕集フィルタ装置ではなく、ディーゼル用酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst:DOC)であってもよい。
【0089】
(b)第1排気処理装置45及び第2排気処理装置47は、円筒状等に限らず、楕円状や直方体状など他の形状であってもよい。その場合、接触面77d,78dの形状は、それぞれ、第1排気処理装置45の側面の形状、及び、第2排気処理装置47の側面の形状に対応する。
【0090】
(c)ボルト90、91、92、43、45を取り付けるための孔の個数及び位置は、適宜変更可能である。また、ボルト90、91、92、43、45による固定方法があくまでも一例であって、他の固定手段が利用されてもよい。例えば、フック、溶接などの固定手段であってもよい。
【0091】
(d)上述の実施形態では、接続管23は、サブブラケット75の後方から突出しているが、サブブラケット75の前方から突出していてもよい。この場合、ターボチャージャー22は、排気口が前方に向かうように設けられ、第1排気処理装置45の排気導入口45aは、第1排気処理装置45の前端に設けられることが好ましい。同様に、配管41も、サブブラケット75の前方から突出していてもよい。
【0092】
(e)支持機構17を構成する第1支持部材26及び第2支持部材27の具体的な形状等については前記実施形態に限定されない。例えば、図13に示されるように、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73が直線的であって、第1マウントブラケット77と第2マウントブラケット78が2つの張出部材76c,76dによって支持されてもよい。なお、図示していないが、張出部材76c,76dは、第1マウントブラケット77の下面の一方端付近から第2マウントブラケット78の下面の他方端付近まで伸びている。
【0093】
(f)支持機構17が配置される向きは、上述の実施形態の向きに限定されない。例えば、前後反対であってもよいし、第1パイプ部材72及び第2パイプ部材73、中間部材74が沿う方向が左右方向であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明によれば、エンジンの上方に排気処理装置をできるだけ低い位置で配置して、後方視界性を良好とするホイールローダを提供することができる。
【要約】
エンジン(15)からの排気を処理する第1排気処理装置(45)及び第2排気処理装置(47)を支持する支持機構(17)であって、第1排気処理装置と第2排気処理装置とを支持するサブブラケット(75)、サブブラケットを支持するベースブラケット、ベースブラケットの一方側、他方側をそれぞれ支持する第1支持部材(26)、及び、第2支持部材(27)を備える。ベースブラケットは、第1支持部材と結合する第1接続部(70)、第2支持部材と結合する第2接続部(71)、第1パイプ部材(72)、及び、第2パイプ部材(73)を含む。第1パイプ部材及び第2パイプ部材は、第1接続部と第2接続部との間に設置される。サブブラケットは、第1パイプ部材及び第2パイプ部材に固着され、第1パイプ部材及び第2パイプ部材から側方に延設され、第1接続部と第2接続部とから離隔している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13