(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るフロアパネルを実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1から
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るフロアパネル20について説明するために参照する図である。
【0017】
図1に示すように、第1の実施の形態に係るフロアパネル20は、支持脚24と共に、フリーアクセスフロア22を構成するものであり、その上面の平面形状が略正方形であり、その内部には空間を有し、その内部の空間には蓄熱材26が一体的に設けられている。
【0018】
このフロアパネル20は、その四隅を下側から、部屋30のコンクリート面30a上に立設された支持脚24により、支持されている。そして、フロアパネル20は、コンクリート面30aの上方の水平面上に縦横に互いに隣り合うように整列して、複数配置されるものであり、その支持脚24からの着脱を可能とするものである。
【0019】
そして、フロアパネル20は、
図1に示すように、部屋30の室内下部に敷設されて、部屋30をそのフロアパネル20より下方の床下空間30bと、そのフロアパネル20より上方の床上空間30cとの2つの空間に分けている。このため、部屋30の床下空間30bに、各種電子機器のコード等を通すことができる構造になっている。
【0020】
そして、部屋30は、その床下空間30bの壁面には給気口30dが形成され、その床上空間30cの壁面上部には排気口30eが形成されている。
【0021】
この部屋30の給気口30dと排気口30eはそれぞれ、不図示のエアーダクトと連通しており、部屋30の外部に設置されている空調機28と繋がっている。この空調機28により、温度の調整等がされた空気が給気口30dから床下空間30b内に供給されるようになっている。
【0022】
また、
図1に示すように、フロアパネル20には、下方から上方に空気を通す貫通孔20aが複数形成されている。また、フロアパネル20の上には、複数のタイルカーペット32が、水平面上に縦横に互いに隣り合うように整列して複数配置されている。このタイルカーペット32には、フロアパネル20の貫通孔20aと連通して、下方から上方に空気を通す通気孔32aが複数形成されている。
【0023】
このため、フリーアクセスフロア22は、空調機28から供給された空気が、フロアパネル20に形成された貫通孔20aと、タイルカーペット32に形成された通気孔32aとを通って、床下から床上に吹き出すことにより、部屋の暖房や冷房等の空調を行なうことができる床吹出し空調方式の構造になっている。
【0024】
フロアパネル20は、
図4に示すように、トップシート34と、ボトムシート36により構成されている。これらのトップシート34とボトムシート36は共に鋼板材を用いて形成されている。
【0025】
図2に示すように、フロアパネル20のトップシート34は、前述したように、その平面形状が略正方形であり、このトップシート34には、その厚さ方向に貫通する、その長さ方向がトップシート34のいずれかの側辺に対して略平行な長孔状の貫通孔34aが複数形成されている。
【0026】
図4に示すように、フロアパネル20のボトムシート36は、その外周部より内側に箱状の補強部38が形成されている。このボトムシート36の補強部38の周部より内側には、その強度を向上させるために、そのもっとも下側に位置する最下面38aからトップシート34側(図中上側)に深さを有する段差面38bが形成されており、その段差面38bには、多数箇所に、トップシート34に向かって突出する補強形状部40が複数形成されている。
【0027】
このボトムシート36の補強形状部40は、
図4に示すように、プレス絞り加工により、略半球状に形成されており、この補強形状部40のトップシート34に向かって突出した先端部には、平端部42が形成されている。すなわち、補強形状部40の開口径は、フロアパネル20の裏面側のボトムシート36の段差面38bにおいて最も大きく、トップシート34側(図中上側)に向かうにつれて小さくなっている。
【0028】
また、
図3に示すように、ボトムシート36の補強形状部40は、その内周面40cに、補強形状部40を貫通する6つの楕円状の貫通孔40aが、その長軸が平端部42から放射状に並んで形成されている。
【0029】
図4に示すように、フロアパネル20のボトムシート36は、その外周部に形成されたフランジ部38cと、補強形状部40の先端の平端部42とが、トップシート34に当接し、これらの当接部分を、溶接により接合するようになっている。このため、フロアパネル20は、トップシート34とボトムシート36との間の内部に空間を有する中空形状になっている。
【0030】
そして、フロアパネル20が溶接により一体的に構成される前には、
図4に示すように、蓄熱材26が、ボトムシート36の補強形状部40の外周面40bを含まない上面38dに固定されている。
【0031】
このため、フロアパネル20のトップシート34とボトムシート36とが、溶接により一体的に構成されると、フロアパネル20の内部の空間に蓄熱材26が一体的に固定されることになる。
【0032】
ここで、蓄熱材26は、ゲル状に形成された潜熱蓄熱材を、その全ての外面を包装袋で覆うことにより、折曲げなどの変形を可能とする略矩形の板状になっている。この潜熱蓄熱材の素材としては、例えば、パラフィンなどの相変化物質が用いられる。
【0033】
そして、蓄熱材26は、
図3及び
図4に示すように、貫通孔34a,40aを完全に塞ぐことがないようにフロアパネル20内部に設置されている。そのため、ボトムシート36の貫通孔40aと、トップシート34の貫通孔34aとを通じて、空気が流れるのを阻害しないように通風可能な状態となっている。このとき、蓄熱材26は接着等の手段により固定することが望ましい。
【0034】
そして、フロアパネル20は、ボトムシート36の貫通孔40aと、トップシート34の貫通孔34aとが合わさって、
図1におけるフロアパネル20の貫通孔20aを構成し、フロアパネル20の下方から上方に空気を通すようになっている。
【0035】
このため、フロアパネル20の下方から上方に空気が通る際には、トップシート34とボトムシート36とで形成された空間を通るので、その空間に固定された蓄熱材26から放熱される高温度や低温度の熱により、フロアパネル20を通る空気を暖めたり冷やしたりすることができる。このためその分、空調機28が消費するエネルギーを軽減することができる。
【0036】
また、フロアパネル20は、蓄熱材26がその内部に一体的に固定される構成となっているので、例えば、床下に新たに電子機器のコードを通す場合には、着脱可能となっているフロアパネル20のみを取り外すだけで作業をすることができるので、配線作業の効率が従来と変わらないものとなる。このため、フリーアクセスフロア22の使い勝手が悪化することを防止することができる。
【0037】
また、フロアパネル20は、その設置をする前に蓄熱材26が一体的に固定される構成となっているので、例えば、フロアパネル20の設置作業を行なう場合には、運搬や設置の際に蓄熱材26がフロアパネル20から離れることがないので、運搬や設置の効率が従来と変わらないものとなる。このような点においても、フリーアクセスフロア22の使い勝手が悪化することを防止することができる。
【0038】
このような本発明の、第1の実施の形態に係るフロアパネル20によれば、フロアパネル20の下方から上方に空気を通す貫通孔20aが形成されると共に、その貫通孔20aを塞がないようにフロアパネル20の内部の空間に蓄熱材26を一体的に設けたことにより、フリーアクセスフロア22の使い勝手が悪化するのを防止することができると共に、空調機28が消費するエネルギーを軽減することができる。
【0039】
また、このような本発明のフロアパネル20によれば、フリーアクセスフロア22はフロアパネル20と支持脚24の他には、フロアパネル20とコンクリート面30aとの間に、従来のような別の部材や構造を全く必要としないので、フリーアクセスフロア22の構造が複雑化するのを防止することができる。
【0040】
図5及び
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るフロアパネル50について説明するために参照する図である。
【0041】
前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20における蓄熱材26は、
図3に示すように、補強形状部40の四方を囲むように、縦横に互いに間隔をおいて整列して複数配置され、互いに隣合う補強形状部40の間に1つずつ配置されるようになっていたのに対して、この第2の実施の形態に係るフロアパネル50における蓄熱材52は、
図5に示すように、互いに隣合う補強形状部40の間に各2つずつ、縦横に互いに間隔をおいて整列して複数配置される点において、前記第1の実施の形態と異なっている。
【0042】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20における蓄熱材26は、その長さ中央部の幅方向が、ボトムシート36の上面38dに略平行になるよう、その上方に配置されるようになっていたのに対して、この第2の実施の形態に係るフロアパネル50における蓄熱材52は、
図6に示すように、蓄熱材52の長さ中央部の表裏両面の一方が、補強形状部40の外周面40bに沿うように接着すると共に、蓄熱材52の両端部がその長さ中央部から捻れながらボトムシート36の上面38dに接着するようになっている。
【0043】
このような本発明の、第2の実施の形態に係るフロアパネル50によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を有する他に、蓄熱材52の長さ中央部を補強形状部40の外周面40bに密着させることができるので、フロアパネル50を通る空気をより効果的に暖めたり冷やしたりすることができる。
【0044】
図7及び
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るフロアパネル60について説明するために参照する図である。
【0045】
前記第1及び第2の実施の形態に係るフロアパネル20,50における蓄熱材26,52は、
図3及び
図5に示すように、補強形状部40の四方を囲むように、縦横に互いに間隔をおいて整列して複数配置され、互いに隣合う補強形状部40の間に配置されるようになっていたのに対して、この第3の実施の形態に係るフリーアクセスフロア60における蓄熱材62は、
図7に示すように、補強形状部40の四方を囲むように、複数の四角孔が形成され、その水平形状が略正方形で、全体で1つのものが配置されるようになっている。
【0046】
この蓄熱材62は、
図8に示すように、その複数の孔に補強形状部40の外周面40bを嵌め込むように、外周面40bの上側から載置され、蓄熱材62の複数の四角孔の各辺の中央部が、外周面40bに点接触し、その点接触部分を接着剤により固定されるようになっている。
【0047】
このような本発明の、第3の実施の形態に係るフロアパネル60によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を有する他に、蓄熱材62は、そのフロアパネル60への取付作業が、その四角孔の各辺の中央部を1点ずつ固定するだけでよいので、蓄熱材62の取付作業を容易にすることができる。
【0048】
なお、この第3の実施の形態に係るフロアパネル60においては、蓄熱材62は、補強形状部40の外周面40bに上側から載置され、蓄熱材62の四角孔の各辺の中央部が、外周面40bに固定されていたが、ボトムシート36の補強形状部40の外周面40b以外の、段差面38bの裏側の上面38dに接触するよう載置され、その接触部分を接着剤により固定されるようになっていてもよい。
【0049】
図9及び
図10は、本発明の第4の実施の形態に係るフロアパネル70について説明するために参照する図である。
【0050】
前記第1から第3までの実施の形態に係るフロアパネル20等における蓄熱材26等は、トップシート34とボトムシート36とを接合する際に、フロアパネル20等の内部に固定されるようになっていたのに対して、この第4の実施の形態に係るフロアパネル70における蓄熱材72は、フロアパネル70のトップシート34とボトムシート36とを接合した後においても、フロアパネル70の内部に固定されることが可能となっている。
【0051】
すなわち、
図9,10に示すように、ボトムシート36の側面38eの1つ(
図10中紙面奥側)には、蓄熱材72をボトムシート36の内部に入れるための、蓄熱材72より大きく形成された取付孔74が複数形成されている。そして、蓄熱材72は、トップシート34とボトムシート36との接合がなされた後に(前でもよい)、この取付孔74に挿通されてフロアパネル70の内部に入れられ、固定されるようになっている。
【0052】
このため、ボトムシート36の側面38eに取付孔74を形成したことにより、フロアパネル70のトップシート34とボトムシート36との接合がなされた後であっても、蓄熱材72を内部に取付けることができる。
【0053】
また、前記第1から第3までの実施の形態に係るフロアパネル20等における蓄熱材26等は、ボトムシート36の上面38d等に接着剤により固定されるようになっていたのに対して、この第4の実施の形態に係るフロアパネル70における蓄熱材72は、
図9及び
図10に示すように、ボトムシート36に隙間ができるよう互いに対向して形成された係合部76に、その厚さを有する面を両方から挟みこまれることにより固定されるようになっている。
【0054】
すなわち、
図10の左端部に示すように、ボトムシート36の係合部76は、断面が略矩形状に形成され、ボトムシート36の上面38dから上方に突き出している。図面中に係合部76が略三角形に見える部分は、外周面40bより図面中奥の方にあって一部が隠れているためである。
【0055】
そして、
図9に示すように、ボトムシート36の係合部76は、その厚さ方向において、2つずつ互いに蓄熱材72の厚さだけ離れてその隙間を形成される面同士が向かい合うように配置されたものが、その長さ方向に間隔をおいて複数形成されている。
【0056】
断面が略矩形状に形成された蓄熱材72が、
図10に示すように、互いに面同士が向かい合う係合部76の隙間に挟みこまれると共に、その厚さ方向と平行の側面の一方がボトムシート36の上面38dに接触して突き立つように支持されることにより、フロアパネル70と一体的に固定されるようになっている。
【0057】
このような本発明の、第4の実施の形態に係るフロアパネル70によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を有する他に、ボトムシート36の上面38dに複数の係合部76を立上るように形成したことにより、蓄熱材72をその係合部76の間に挟み込むだけで固定することができるので、蓄熱材72の取付作業を容易にすることができる。
【0058】
図11及び
図12は、本発明の第5の実施の形態に係るフロアパネル80について説明するために参照する図である。
図11においては、蓄熱材82の形状、取り付け位置を分かりやすくするために、補強形状部40の貫通孔40aを省略している。また、以下の
図13から
図15においても、同様に補強形状部40の貫通孔40aを省略している。
【0059】
前記第1から第4の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、蓄熱材26等はフロアパネル20等の内部に一体的に設けられるようになっていたのに対して、この第5の実施の形態に係るフロアパネル80においては、蓄熱材82はフロアパネル80の外部(補強形状部40の内周面40c)に一体的に設けられるようになっている。
【0060】
すなわち、
図11及び
図12に示すように、この第5の実施の形態に係るフロアパネル80においては、略矩形状に形成された蓄熱材82は、フロアパネル80のボトムシート36に形成された補強形状部40に各4つずつ、その内周面40cの凹球面に沿うように接触して、その接触部において接着剤により固定されるようになっている。
【0061】
この4つの蓄熱材82は、
図11に示すように、その長さ方向が補強形状部40にその平端部42から十字放射方向に配置されて、その内周面40cに図中上下左右に1つずつ、互いに90度ずつ隔てて配置され、固定されている。
【0062】
このような本発明の、第5の実施の形態に係るフロアパネル80によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を有する他に、蓄熱材82は、フロアパネル80の補強形状部40の内周面40cに一体的に設けられるので、内周面40cに形成された貫通孔40aを通る空気を効率的に暖めたり冷やしたりすることができる。また、フロアパネル80の外部に取付けるので、フロアパネル80のトップシート34とボトムシート36との接合がなされた後であっても、蓄熱材82を取付けることができる。
【0063】
また、
図12に示すように、フロアパネル80は、蓄熱材82がその外部に一体的に固定される構成となっているので、例えば、床下に新たに電子機器のコードを通す場合には、フロアパネル80を取り外すだけで作業をすることができるので、配線作業の効率が悪化することはないため、フリーアクセスフロア22の使い勝手が悪化することを防止することができる。
【0064】
図13は、本発明の第6の実施の形態に係るフロアパネル90について説明するために参照する図である。
【0065】
この第6の実施の形態に係るフロアパネル90における蓄熱材92は、前記第5の実施の形態に係るフロアパネル80における蓄熱材82と同様に、フロアパネル90の補強形状部40の内周面40cに固定されるようになっている。
【0066】
前記第5の実施の形態に係るフロアパネル80においては、
図11に示すように、4つの略矩形状の蓄熱材82が、十字状に四つの位置に配置され、固定されるようになっていたのに対して、この第6の実施の形態に係るフロアパネル90においては、
図13に示すように、4つの略矩形状の蓄熱材92が、その長さ方向が補強形状部40の十字状の四方向のそれぞれとは垂直の方向に配置され、すなわち補強形状部40の内周面40cに略正方形の各辺に相当する位置に配置され、接着剤により固定されるようになっている。
【0067】
このような本発明の、第6の実施の形態に係るフロアパネル90によっても、前記第5の実施の形態に係るフロアパネル80と同様の効果を有することができる。
【0068】
図14は、本発明の第7の実施の形態に係るフロアパネル100について説明するために参照する図である。
【0069】
この第7の実施の形態に係るフロアパネル100における蓄熱材102は、前記第5の実施の形態に係るフロアパネル80における蓄熱材82と同様に、フロアパネル100の補強形状部40の内周面40cに固定されるようになっている。
【0070】
前記第5の実施の形態に係るフロアパネル80においては、
図11に示すように、4つの略矩形状の蓄熱材82が、十字状に四つの位置に配置され、固定されるようになっていたのに対して、この第7の実施の形態に係るフロアパネル100においては、
図14に示すように、略円環板状に形成された1つの蓄熱材102が、補強形状部40の内周面40cに、その平端部42と同心円上に配置されている。
【0071】
そして、蓄熱材102は、その厚さを有する一方の面がフロアパネル100の内周面40cに円周状に接触して、その接触部の円周方向の何箇所かにおいて、接着剤により固定されるようになっている。
【0072】
このような本発明の、第7の実施の形態に係るフロアパネル100によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を有する他に、蓄熱材102は、フロアパネル100の補強形状部40への取付作業が、その内周面40cにその円周方向の何箇所かを固定するだけで済むので、蓄熱材102の取付作業を容易にすることができる。
【0073】
図15は、本発明の第8の実施の形態に係るフリーアクセスフロアパネル110について説明するために参照する図である。
【0074】
この第8の実施の形態に係るフロアパネル110における蓄熱材112は、前記第5の実施の形態に係るフロアパネル80における蓄熱材82と同様に、フロアパネル110の補強形状部40の内周面40cに固定されるようになっている。
【0075】
前記第5の実施の形態に係るフロアパネル80においては、
図11に示すように、4つの略矩形状の蓄熱材82が、十字状に四つの位置に配置され、固定されるようになっていたのに対して、この第8の実施の形態に係るフロアパネル110においては、
図15に示すように、その中心角が60度程度の扇形状に形成された3つの蓄熱材112が、その円弧が補強形状部40の最大開口径の外形円に沿うように、その外形円の内側に配置され、補強形状部40の内周面40cに、平端部42を中心として貫通孔40aを覆う面積を少なくするような位置に、円周方向に120度ずつピッチをおいて配置されている。
【0076】
このような本発明の、第8の実施の形態に係るフロアパネル110によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を有する他に、蓄熱材112は、その厚さを有する一方の面が、補強形状部40の内周面40cに接触して、その接触部の何箇所かにおいて接着剤により固定されるようになっているため、蓄熱材112の取付作業を容易にすることができる。
【0077】
また、3つが各120度ずつピッチをおいて配置された蓄熱材112は、補強形状部40の内周面40cに形成された6つの貫通孔40aを通る空気を均等に、効率的に暖めたり冷やしたりすることができる。
【0078】
図16及び
図17は、本発明の第9の実施の形態に係るフロアパネル120について説明するために参照する図である。
【0079】
前記第1から第8の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、蓄熱材26等はフロアパネル20等に直接一体的に設けられるようになっていたが、この第9の実施に係るフロアパネル120においては、
図16に示すように、フロアパネル120に一体的に設けられた枠体124を介して、フロアパネル120と一体的に設けられるようになっている。
【0080】
また、前記第8の実施の形態に係るフロアパネル110においては、
図15に示すように、蓄熱材112は扇形状に形成されていたのに対して、この第9の実施の形態に係るフロアパネル120においては、蓄熱材122は、
図17に示すように、それぞれ長短2種類の略矩形の板状に形成されたものが、縦横に間隔をおいて互いに略平行に、複数並んで格子状に組み合わされて配置されている。
【0081】
また、この蓄熱材122は、
図16に示すように、フロアパネル120のボトムシート36より下方に、フロアパネル120の最下面38aに対して略平行に配置された格子状の枠体124の上に、その格子状を構成する部材と同様の位置に配置されている。
【0082】
図16に示すように、枠体124は、その上端部がフロアパネル120の側面38eに取付けられ、一体的に固定されるようになっている。また枠体124は、
図17に示すように、フロアパネル120の下側に空気を通すための、複数の通気孔124aが形成されるように格子状に形成されており、同じく格子状に形成された蓄熱材122を下側から支持すると共に、蓄熱材122を枠体124の格子状の構成部材に接着剤で固定するようになっている。
【0083】
このような本発明の、第9の実施の形態に係るフロアパネル120によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を有する他に、蓄熱材122は、枠体124を介して、フロアパネル120と一体的に設けられるようになっているため、フロアパネル120への蓄熱材122の取付作業は、フロアパネル120に枠体124を取付けるだけで済むので、その取付作業を容易にすることができる。
【0084】
図18及び
図19は、本発明の第10の実施の形態に係るフロアパネル130について説明するために参照する図である。
【0085】
前記第9の実施の形態に係るフロアパネル120においては、
図17に示すように、蓄熱材122は、それぞれ長短2種類の略矩形の板状に形成されたものが、縦横に間隔をおいて互いに略平行に、複数並んで格子状に組み合わされて形成されていたのに対して、この第10の実施の形態に係るフロアパネル130においては、蓄熱材132は、
図18及び
図19に示すように、それぞれ1種類の略矩形の板状に形成されたものが、互いに平行に間隔をおいて、複数並んで配置されるようになっているだけで、格子状に配置されてはいない。
【0086】
また、前記第9の実施の形態に係るフロアパネル120においては、蓄熱材122は、その下側を枠体124によって支持されると共に、枠体124に接着剤で固定されるようになっていたのに対して、この第10の実施の形態に係るフロアパネル130においては、蓄熱材132は、
図18に示すように、その幅方向の一方の側面が支持体134に接触して突き立つと共に、支持体134から上方に突出するように形成された一対の略矩形状の係合部134bによって、蓄熱材132の厚さが挟みこまれることで、支持体134上に固定されるようになっている。
【0087】
また、前記第9の実施の形態に係るフロアパネル120においては、枠体124は、その下面が空気を通すための複数の略正方形の通気孔124aが形成されていたのに対して、この第10の実施の形態に係るフロアパネル130においては、支持体134は、厚さを貫通する複数の円形の通気孔134aが形成されていると共に、その上面に蓄熱材132を挟みこむための複数組の係合部134bが形成された板状に形成されている。
【0088】
すなわち、
図18及び
図19に示すように、略矩形状に形成された蓄熱材132が、互いに面同士が向かい合う支持体134の係合部134bの間に挟みこまれると共に、その幅方向の一方の側面が支持体134の上面に接触して突き立つように支持されることで、支持体134と一体的に固定されるようになっている。
【0089】
このような本発明の、第10の実施の形態に係るフロアパネル130によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を有する他に、蓄熱材132は支持体134を介してフロアパネル130と一体的になっていると共に、蓄熱材132は支持体134の係合部134b間に挟みこむだけで支持体134と一体的に設けられるので、その取付作業を容易にすることができる。
【0090】
なお、前記第1から第10の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、フロアパネル20等のトップシート34と、ボトムシート36とは共に鋼板材を用いて形成されるものであったが、これらの部材はこのような材料に限定される必要はなく、他の材料を用いて形成されるようにしてもよい。
【0091】
また、フロアパネルの形状についても前記第1から第10の実施の形態に係るフロアパネル20等におけるフロアパネル20等の形状に限定される必要はなく、他の形状に形成されていてもよい。
【0092】
また、前記第1から第10の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、フロアパネル20等は、別部材であるトップシート34と、ボトムシート36とが組合されるものであったが、初めから単一部材として形成されるようなものであってもよい。
【0093】
また、前記第1から第10の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、蓄熱材26等はゲル状に形成されていたが、適切な取付手段を用いることにより、蓄熱材26等は液体状や固体状に形成されていてもよく、または粒状や粉末状に形成されていてもよい。
【0094】
また、前記第1から第10の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、蓄熱材26等は、その全ての外面を包装袋で覆うようになっていたが、その一部を覆うようになっていてもよく、また、包装袋で覆うようになっていなくてもよい。
【0095】
また、前記第1から第10の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、蓄熱材26等は、板状に形成されていたが、この形状に限定される必要はない。また、その表面形状、取付けられる個数、取付けられる位置もこれらの実施の形態に制限される必要はない。
【0096】
また、前記第1から第10の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、蓄熱材26等は、接着剤による接合や、係合部76等に挟むことによって固定されているものがあったが、他の方法により固定されるようになっていてもよい。例えば、蓄熱材26等を設置する場所に溝を設けて、蓄熱材26等を挟みこむようにしてもよい。また、蓄熱材26等は、固定されていなくてもよい。
【0097】
また、前記第1から第4の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、蓄熱材26等は、フロアパネル20等の内部の、ボトムシート36の上面38dに取付けられていたが、トップシート34の下面に取付けるようになっていてもよい。
【0098】
また、前記第5から第8の実施の形態に係るフロアパネル80等においては、蓄熱材82等は、フロアパネル80等の下面の補強形状部40の内周面40cに取付けられていたが、最下面38aや段差面38bに取付けるようになっていてもよい。
【0099】
また、前記第1から第8の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、蓄熱材26等は、内部や補強形状部40の内周面40cに取付けられていたが、このような位置に限定される必要はない。例えば、フロアパネル20等の側面に蓄熱材26等を直接取付けるようにしてもよい。
【0100】
また、前記第1から第10の実施の形態に係るフロアパネル20等においては、フロアパネル20等は、その内部に空間が形成されていたが、第5から第10の実施の形態に係るフロアパネル80等においては、フロアパネル80等は、その内部に空間を有さない中実状に形成されていてもよい。
【0101】
また、前記第9から第10の実施の形態に係るフロアパネル120,130においては、枠体124や支持体134は、フロアパネル120,130の側面38eにその上端部が固定されていたが、その上端先端部がL字状に折れ曲って、フロアパネル120,130の底面に固定されるようになっていてもよい。
【0102】
また、前記第9から第10の実施の形態に係るフロアパネル120,130においては、枠体124や支持体134は、フロアパネル120,130の側面38eにその上端部が固定されていたが、上端部を設けないようにして、その下側の格子状の部分や、円形の孔があいた板状の部分が、直接フロアパネル120,130の底面に固定されるようになっていてもよい。
【0103】
また、前記第9及び第10の実施の形態に係るフロアパネル120,130においては、枠体124や支持体134は、フロアパネル120,130と固定される上端部と、その下側の格子状の部分や、円形の孔があいた板状の部分により構成されていたが、このような形状に限定される必要はなく、蓄熱材122,132をフロアパネル120,130の下側に設置することができれば、どのような形状をしていてもよい。例えば、枠体124の格子状の部分や、支持体134の下側の円形の孔があいた板状の部分に相当するものが、金網状に形成されるようになっていてもよい。
【0104】
また、実施の形態によっては蓄熱材の一部がフロアパネルに形成した貫通孔の一部と重なるものもあるが、その重なる面積が貫通孔を実質的に通風可能な状態とするような程度であれば、本発明の効果の障害となるものではない。