【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点に拠れば、シール層と支持体層を含むガスケットが提供される。前記シール層は、シール層の少なくとも25重量%の割合でCEV成分(前記CEV成分は乾燥CEVから少なくとも部分的に誘導される)と、前記シール層の耐水性を高めるための耐加水分解性ポリマーを含有する弾性材料から形成される。ただし、前記ポリマーの割合は、シール層の20重量%を超えない。
【0014】
疑いを避けるために、本発明のガスケットは、静的部分の間に汎用のシールと、シールが断続的にのみ要求されるバルブのような動的部分の間のシールとを提供することもある。後者の例は、バルブステムシールで有り得る。
【0015】
好ましくは、CEVの割合は、シール層の少なくとも25重量%であり、より好ましくはシール層の少なくとも35重量%である。
【0016】
通常、CEV濃度は、シール層の25〜80重量%、特にシール層の30〜75重量%、最も好ましくはシール層の35〜70重量%である。
【0017】
好ましくは、前記ポリマーの割合は、シール層の15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。7.5重量%以下のポリマー濃度が特に好ましく、シール層の2.0〜7.5重量%の範囲内のポリマー濃度が、特に好ましい。
【0018】
既知の先行技術の製品は、従来、要求される濃度の耐加水分解性ポリマーを含んでおり、そのような高濃度は、所望の耐加水分解性レベルを提供するために必要とされていた。残念なことに、そのような濃度のポリマーは、応力保持率の低下や、使用時に不満足な程度のクリープをもたらす。湿潤生地組成物中での乾燥CEV粒子の使用によって、驚くべきことに、非常に低濃度の耐加水分解性ポリマーが利用できると同時に、必要な耐加水分解性レベルも提供することが見出された。そのような低濃度の耐水分解性ポリマーは、応力保持率の向上および使用時のガスケット内でのクリープの程度の低減を生じさせる。
【0019】
有利なことに、本発明は、今まで、製造中の乾燥問題を生じさせずに可能と考えられていたよりも高濃度のCEVを使用する。低濃度のCEVは、既知の比較的高い水分含量のCEV材料に関する上記乾燥問題のためには好ましかった。また、CEV含有材料は、乾燥工程中に容易に「皮膜を形成」する傾向がある。すなわち、表層が乾燥して、シール層の底部内側からの更なる水分の漏れを妨げる皮膜を形成する。
【0020】
従って、好ましくは、本発明の化学的に層状剥離されたバーミキュライト成分は、十分乾燥したCEVを包含し、実質的な皮膜形成が生じる前に乾燥され得る、低い水分含量の湿潤シール層生地を提供する。
【0021】
耐加水分解性ポリマーという用語は、ケイ素系および炭素系弾性ポリマーのような好適なエラストマーを包含する。本発明での使用に好適なポリマーとしては、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、シロキサン(特に、ジアルキルシロキサンのようなオルガノシロキサン)およびエチレン−プロピリジエンモノマーが挙げられる。ジエン系ポリマーは、可撓性でかつ耐加水分解性であるため、適している。
【0022】
支持体層は、その上にシール層を塗布するか、またはそうでなければ析出してガスケットを形成し得る、好適な支持体材料のいずれかから製造されてよい。好適な支持体層材料としては、ステンレス鋼および炭素鋼が挙げられ、いずれも、固体金属コアまたは薄いシートの形態であってよい。固体金属コアは、シール層を受容するために、好適にプロファイル加工または機械加工されてよい。薄いシートは、固体シート、突起部付きシートまたはミシン目付きシートの形態であってよい。突起部付きシートが特に好ましい。他の好適な支持体材料としては、伸張した金属または織布ガーゼのようなワイヤーメッシュ;またはガラスファイバーメッシュのようなファイバーメッシュ;布;またはティッシュのような不織布が挙げられる。
【0023】
ファイバーメッシュ、布またはティッシュのような漏洩し得る材料の場合、2段階でシール層を付加することが特に有利である。最初に高固形分のフィラー体を支持体材料に添加する。前記フィラー体は、支持体材料の隙間を埋めるように設計されており、好ましくは高いCEV含量のフィラー材料である。そのような目的のための通常のフィラーは、フィラー材料としてCEVを50%以上(好ましくはスラリーCEVおよびPCEVを含む)、好ましくはCEVを75%以上、最も好ましくはCEVを95%以上含有し得る。第1シール層の乾燥後、本発明の第1の観点の組成物により、第2シール層を付加する。第2の層をその後乾燥し、必要に応じて支持体材料の裏面にも前記プロセスを繰り返す。
【0024】
シール層は、機械的に(例えば、支持体層からシール層へ突起部を突き刺すことによって)支持体層と接合されてよい。
【0025】
本発明のガスケットのシール層は、実質上耐水性である。好ましくはシール層は、沸騰水中での浸漬に、2時間を越えて、より好ましくは5時間を越えて、最も好ましくは7時間を越えて耐え得る程度に耐水性である。製品は、実質上雰囲気中の水に好ましくは耐性があり、雰囲気中の水への耐性とは、20時間、より好ましくは20日間、最も好ましくは200日間を越える期間、シール層を振動するかまたは振動させないで、雰囲気中の水への浸漬に耐え得るシール層を意味すると解されてよい。
【0026】
本発明の第2の観点に拠れば、
(a)湿潤シール層生地を支持体材料に適用する工程、および
(b)支持体材料上の前記湿潤シール層生地を乾燥する工程
を含む本発明の第1の観点のガスケットの製造方法であって、前記乾燥工程前の湿潤シール層生地の固形分が生地材料の30〜80重量%の範囲内であるガスケットの製造法が提供される。
【0027】
好ましくは、前記生地の固形分は、湿潤生地材料の35〜70重量%、より好ましくは湿潤生地材料の40〜65重量%、最も好ましくは湿潤生地材料の45〜60重量%の範囲である。
【0028】
好ましくは、本発明のいずれかの観点に拠れば、CEVは、熱的に層状剥離されたバーミキュライト(TEV)のような好適な充填剤と混合される。好ましくは、充填剤は、シール層の75重量%以下、より好ましくはシール層の70重量%以下、最も好ましくはシール層の65重量%以下を占める。多くの場合、前記生地中のTEV含量は、55重量%以下である。好ましくは充填剤は板状フィラーである。
【0029】
好ましくは、本発明の湿潤シール層生地は、4.0時間/面/mm乾燥厚さ、より好ましくは3.0時間/面/mm乾燥厚さ、最も好ましくは2.5時間/面/mm乾燥厚さ以内で乾燥されてよい。
【0030】
本発明の生地は、80〜135℃、より好ましくは100〜135℃、最も好ましくは115〜125℃の間で乾燥され得る。
【0031】
好ましくは、乾燥されたシール層成分中の非乾燥の派生CEVと乾燥CEVとの相対比は、0.01:1〜20:1の間、より好ましくは0.05:1〜10:1の間、最も好ましくは0.1:1〜4:1の間である。
【0032】
CEVは、本発明のガスケット内では、ガス層状剥離されたバーミキュライト(例えば、TEV)に比べて比較的膨潤性の材料であることから、弾性層は、ガス層状剥離されたバーミキュライトの粒子も含んでいてよく、例えば、前記層は、CEVの粒子と結合されたガス層状剥離されたバーミキュライトの粒子を含んでいてよい。ガス層状剥離されたバーミキュライトは、粒径50ミクロン以下まで粉砕されてよい。他の使用され得る添加物としては、タルク、マイカおよび層状剥離されていないバーミキュライトが挙げられる。
【0033】
乾燥CEVは、水分含量が20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5重量%以下のCEVを意味する。
【0034】
好ましくは湿潤生地中のCEV成分は、乾燥CEVとスラリー状のCEVとの混合物を含んでいる。しかしながら、容認され得る固形分を与えるために、十分に乾燥したCEVを使用する必要がある。湿潤生地中の高い固形分は、その後の乾燥工程における皮膜形成の低減に役立つ。
【0035】
好ましくは、乾燥CEVは、好適な乾燥法で調製される。好適な乾燥法としては、
ケーキ乾燥および微粉砕;
フィルム乾燥および微粉砕;
回転式熱風乾燥;
噴霧乾燥;
凍結乾燥;
圧搾空気乾燥;
部分乾燥させた固体の流動床乾燥;および
真空棚乾燥を含む真空法
が挙げられる。
【0036】
好ましくは、本発明のいずれかの観点の特徴または好ましい特徴のいずれかを第1の観点と組合せてもよく、従って、第2の観点の方法における第1の観点に関する言及が説明されるであろう。
【0037】
好ましくは、耐加水分解性ポリマーは、カップリング剤によってバーミキュライトと結合される。
【0038】
すなわち、本発明の第3の観点に拠れば、互いに結合した化学的に層状剥離されたバーミキュライトの粒子を含有する弾性材料から形成されるシール層を含むガスケットが提供され、前記層中には、カップリング剤によってバーミキュライトと結合した耐加水分解性ポリマーも含まれる。
【0039】
本発明のこの観点のガスケットにおいて、前記層は、バーミキュライトとカップリング剤のみを含有する材料よりも優れた耐水性でありかつバーミキュライトとポリマーのみを含有する材料よりも優れた耐水性であることが分かっている。好ましくは、第3の観点のシール層は、本発明の観点のいずれかと一致する。従って、本明細書中に記載した本発明のいずれかの観点の好ましい特徴のいずれかを、本発明の第3の観点と組み合わせてもよい。
【0040】
カップリング剤は、シラン(例えば、トリエトキシビニルシラン(CH
3CH
2O)
3SiCH=CH
2のようなビニル官能性シラン)であってよい。
【0041】
螺旋状に巻き取られたガスケットは、周知であり、金属支持用ストリップ(通常は鋼)から形成され、およびシール用ストリップは弾性材料(通常は膨潤グラファイト(層状剥離されたグラファイトとも呼ばれる))から形成される。通常の螺旋状に巻き取られたガスケットの形成において、鋼支持用ストリップは、マンドレル上に供給される。鋼支持用ストリップは、それ自体と溶接されてマンドレルの周囲に閉ループを形成するか、あるいはマンドレル上に固定されたガスケットの内部リングと溶接される。その後、マンドレルを回転して、マンドレルに更なる支持用ストリップを引き寄せて、平面の螺旋を形成する。同時に、シール用ストリップを鋼ストリップのコイル間に引き寄せられるので、シール用ストリップの螺旋は、支持用ストリップのコイルの間に挿入して形成される。ガスケットの螺旋が完成すると、鋼支持用ストリップは、ガスケットの外側に閉ループを形成するようにそれ自体と溶接され、ガスケットがマンドレルから取り外される。そのようなガスケットは、例えば、パイプの末端のフランジ間にシールを形成するのに利用される。支持用ストリップは、シール用ストリップを決められた位置に保持し、かつシール用ストリップは、フランジの間や、支持用ストリップのコイルの間にシールを形成する。
【0042】
螺旋状に巻き取られたガスケットの形成方法についての上述の記載から、ガスケットのシール用ストラップが、前記螺旋に引き寄せられてかつ破損せずにガスケット中に形成され得るために十分な強度および可撓性を有していなければならないことは明らかであろう。膨潤したグラファイト箔から形成されるシール用ストリップは、比較的脆いが、十分な強度を有している。
【0043】
多くの場合、螺旋状に巻き取られたガスケットは、高度の耐熱性を有することが望まれるが、通常のガスケットにおいて、耐熱性は、所望の程度よりも低い、膨潤したグラファイトの耐熱性によって制限されている。
【0044】
上述の如く、層状剥離されたバーミキュライトは、優れた耐熱性と高度の弾性を有しているが、CEVと結合した層状剥離されたバーミキュライトから形成されたストリップは、螺旋状に巻き取られたガスケットでの使用には適さない。なぜならば、そのようなストリップは、本来、非常に脆くて、ストリップの破損の重大な危険を伴わずに、上述の方法によってガスケットを形成することができないためである。
【0045】
シール用ストリップが高い耐熱性を有する、螺旋状に巻き取られたガスケットを提供することは、本発明の更なる目的である。
【0046】
第4の観点に拠れば、本発明は、螺旋状に巻き取られたシール用ストリップを含むガスケットを提供する。前記シール用ストリップは、化学的に層状剥離されたバーミキュライトの粒子を含有する弾性層、および前記層に結合される可撓性キャリヤーストリップを含んでなる。
【0047】
本発明のガスケットにおいて、ガスケットの巻き取り中に、ストリップの強度が弾性材料の破損を回避するように、弾性層はキャリヤーストリップに結合されている。これは、高い耐熱性のガスケットが形成されるのを可能にする。
【0048】
好ましくは、本発明の第4の観点のシール用ストリップは、本明細書中に記載した本発明のシール層の観点のいずれかまたはその好ましい特徴のいずれかと一致していてよい。
【0049】
弾性層は、ガス層状剥離されたバーミキュライトの粒子も含有していてよく、例えば、前記層は、CEVの粒子によって互いに結合されたガス層状剥離されたバーミキュライトの粒子を含んでいてよい。ガス層状剥離されたバーミキュライトの粒子は、直径50ミクロン以下まで粉砕されてよい。弾性層は、ガスケットの加熱時に(例えば、in situで)TEVを形成して弾性層を膨潤させ、それによりシールを向上させることができる、層状剥離されていない(膨張性)バーミキュライトを含むこともある。
【0050】
ガスケットの耐水性を高めるために、弾性層は、前記バーミキュライトとカップリングした耐加水分解性ポリマーを含んでいてもよい。好適なポリマーは、上記本発明の第1の観点によって表される。前記ポリマーを前記バーミキュライトとカップリングするための好適な試薬は、シラン(例えば、トリエトキシビニルシラン(CH
3CH
2O)
3SiCH=CH
2のようなビニル官能性シラン)である。
【0051】
前記弾性層および更なる弾性層は、キャリヤーストリップの反対の面に結合されてよい。これは、キャリヤーストリップの両面にシールを提供することにより、シールを高める。しかしながら、キャリヤーストリップは、その螺旋巻き取りによって両面にシール層を有効に供給するので、キャリヤーストリップが支持用ストリップでもある場合には、片面のみへの塗布も可能である。
【0052】
弾性層は、接着剤によってキャリヤーストリップに結合されてもよいが、機械的に結合されるのが有利であることがある。
【0053】
キャリヤーストリップは、繊維、紙、ガラス、ティッシュまたはプラスチックス材料から製造され得るが、高温適用のためには、金属から製造されると好ましい。ガスケットが別の支持用ストリップも含むことにより、キャリヤーストリップが弾性層を破損させずにガスケットの形成を可能にすることのみに機能する場合、キャリヤーストリップは、好ましくは、薄い金属(例えば、アルミニウム、ニッケルまたは鋼)箔である。しかしながら、キャリヤーストリップは、例えばステンレス鋼から製造されるガスケットの支持用ストリップとして機能することも可能である。弾性層は、キャリヤーストリップから弾性層に突起部を突き刺すことによって、金属キャリヤーストリップと機械的に結合されてよい。例えば、突起部付き金属のストリップと弾性材料の層は、ローラーの間に通過させて弾性材料中に突起部を押し付けることができる。
【0054】
好ましくは、金属キャリヤーストリップは、弾性層と結合されていない末端部を有するため、この末端部を、ガスケットの形成時に溶接することができる。
【0055】
本発明の更なる目的は、層状剥離されたバーミキュライトをベースとするシール向上材料の層を含んで成るガスケットであって、前記層が、その層の有効性をほとんど低減しない、コスト削減フィラーを含有する、ガスケットを提供することである。好ましくは、フィラーは、ハロゲンや硫黄を含んではならず、かつ熱損傷および腐食の可能性を低減しなければならない。
【0056】
好ましくは、本発明の観点のいずれかのガスケットは、互いに結合された化学的に層状剥離されたバーミキュライトの粒子を含有する弾性材料から形成されるシール層を含み、前記層の厚さは少なくとも200ミクロンであって、前記層は、板状フィラーも1〜90重量%含有する。
【0057】
従って、本発明の第4の観点に拠れば、互いに結合される化学的に層状剥離されたバーミキュライトの粒子を含有する弾性材料から形成されるシール層を含むガスケットが提供され、前記層の厚さは少なくとも200ミクロンであって、前記層は、板状フィラーも1〜90重量%含有する。
【0058】
第5の観点のシール層は、本明細書に記載の本発明の観点のいずれかまたはその好ましい特徴のいずれかと一致していてよい。
【0059】
本発明のいずれかの観点のガスケットにおいて、板状フィラーの粒子は、層の平面にそれを配向させて多数の小さな板バネのように作用する傾向があり、それによってシールを向上させることが分かっている。
【0060】
本発明のいずれかの観点に拠れば、板状フィラーは、タルク、モリブデンジスルフィド、六方晶窒化ホウ素、石鹸石、葉蝋石、粉砕された熱的に層状剥離されたバーミキュライト、マイカ、フルオロマイカ、粉末状グラファイト、ガラスフレーク、金属フレーク、セラミックスフレークまたはカオリナイトから成る群より選ばれてよい。
【0061】
一般に、板状フィラーの平均板幅は、平均厚さの少なくとも3倍である。
【0062】
本発明の第5の観点のガスケットにおいて、前記層は、板状フィラーを5〜80重量%(例えば、40〜60重量%)含んでいてよい。
【0063】
ガスケットの望ましい特性の一つは高い応力保持率であって、CEVから形成されたシール層を有するガスケットにおける高い応力保持率の達成方法は、層を圧縮して固化し、CEVの理想の密度に近づけることであると考えられていた。すなわち、そのようなシール層は、密度2.0〜2.4g/cm
3に予め形成されていた。しかしながら、そのようなガスケットは、低いガス透過性を有するが、望ましくないことに、低い応力保持率を示す。
【0064】
高い応力保持率を有すると同時に低いガス透過性を維持する、CEVをベースとするシール層を含むガスケットを提供することも、本発明の更なる目的である。
【0065】
好ましくは、本発明のいずれかの観点のシール層は、圧縮しない状態で1.6g/cm
3以下の密度を有する。
【0066】
従って、本発明の第6の観点に拠れば、互いに結合された化学的に層状剥離されたバーミキュライトの粒子を含有する弾性材料から形成されるシール層を含むガスケットであって、前記シール層の密度が、圧縮しない状態で1.6g/cm
3以下であるガスケットが提供される。
【0067】
本発明のいずれかの観点のガスケットにおいて、シール層の密度が通常よりも非常に低いと、驚くべきことに、応力保持率が大幅に増加すると同時に、低いガス透過性も現状維持されることが分かっている。
【0068】
本発明のいずれかの観点のガスケットにおいて、シール層は、圧縮しない状態で1.4g/cm
3以下であってよい(例えば、密度は0.8〜1.4g/cm
3であってよい)。
【0069】
第6の観点のシール層は、本明細書中に記載した本発明またはその好ましい特徴のいずれかの観点と一致していてよい。
【0070】
本発明の観点の更なる目的は、層状剥離されたバーミキュライトをベースとするシール層を含むガスケットであって、前記層がポリマーバインダーを含んでおり、かつ前記層がバインダーが分解する温度で高いシールを与える、ガスケットを提供することである。
【0071】
好ましくは、本発明のいずれかの観点のシール層は、前記耐加水分解性ポリマーが分解する温度で伸張するように選択された膨張性材料も含んでいる。
【0072】
すなわち、本発明の第7の観点に拠れば、層状剥離されたバーミキュライトを含有する弾性材料とポリマーバインダーから形成されるシール層を含むガスケットであって、前記層が、前記バインダーが分解する温度で伸張するように選択された膨張性材料も含む、ガスケットが提供される。
【0073】
第7の観点のシール層は、本明細書に記載の本発明の観点またはその好ましい特徴のいずれかと一致していてよい。
【0074】
本発明のガスケットにおいて、バインダーが分解を生じる温度では、前記膨張性材料は、膨張してバインダーによって生じた隙間を少なくとも部分的に埋め、それによってシールを保持するのを助ける。
【0075】
好ましくは、膨張性材料は、層状剥離後に優れた耐熱性を発現することから、層状剥離されていないバーミキュライトである。別の可能性は、部分的に層状剥離されたバーミキュライト(すなわち、完全に層状剥離するために、通常必要とされるよりも低い温度で層状剥離されたバーミキュライト)を使用することである。層状剥離されていないかまたは部分的に層状剥離されたバーミキュライトは、(それ自体既知である方法によって)処理して、層状剥離が生じる温度を下げることもできる。例えば、前記温度は、160℃ぐらいまで下げることができる。他の考えられ得る膨張性材料としては、伸張性グラファイト、ケイ酸ナトリウムおよび真珠岩が挙げられる。
【0076】
膨張性材料は、前記層の50重量%までを占めてよいが、20重量%までが好ましい。