【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴部によって実現される。
【0009】
従属請求項は、本発明の有利なさらなる実施例に関する。
【0010】
公知の態様で、走査領域を検出するセンサ機構が、所定の走査角度で互いに離間した2つのレッグの間に定義される走査範囲を生成するスキャナを備える。
センサ機構は、少なくとも1つの遮断手段を制御するために適している。
さらに、遮断手段が通路部を閉鎖または開放できることが知られている。
通路部は、少なくとも水平方向の広がりが画定されており、通過方向が定められている。
通過方向は、通路部が基本的に交差または通過される方向である。
扉の場合には、通過方向が、扉の踏み段に対して実質的に直角に延びるいずれかの方向である。
【0011】
本発明によれば、スキャナが、通過方向について見たときに、前記通路部から所定距離離間して配置される。
結果として、スキャナは、制御対象である遮断手段からも相応の距離に配置される。
スキャナによって生成される走査範囲が通路部の方へと向けられ、結果として通路部の全体が、走査範囲の内部に位置される。
さらに、走査範囲が、実際の通路部を超えて広がってもよい。
走査すべき関連の領域を構成する走査領域が、前記走査範囲の内側に定義される。
本発明によれば、走査領域が、通路部の前方の領域および実際の通路部の領域の両方を含む。
さらには、走査領域が、通路部の領域を超えて延設されてもよい。
【0012】
本発明によるセンサ機構によれば、通路部の前方の領域および実際の通路部の領域の両方をただ1つのスキャナを用いて監視することができる。
したがって、ただ1つのスキャナが、遮断手段の動作制御の、および安全監視の両方のための入力手段となることができる。
【0013】
特に有利な実施例においては、スキャナは、180°未満の走査角度を有していてもよい。
これにより、スキャナそのもの、ひいては、センサ機構の全体、を、それらの機能を制限することなく、きわめて簡潔にし、安価に製造できるようにする。
【0014】
特に、走査領域をいくつかの平面にて走査することが可能である。
この目的のために、走査範囲の角度を水平に対して変化させることができ、走査面の垂直掃引(vertical sweep)を実行することができる。
さらには、これにより、スキャナにおいて異なる傾斜で交わる複数の走査面での同時または連続的な走査が可能になる。
【0015】
これは、高さにかかわらず、遮断手段に実際に最も近い干渉物に基づいて、常に評価できるという利点を有している。
さらには、異なる高さにおいて物体を検出することによって、物体のうちの遮断手段に最も近い部分が考慮されることを確実にする。
例えば、地面の付近に走査面を有するスキャナは、タイヤの距離しか検出することができず、バンパーの距離を測定することができないと考えられる。
【0016】
走査領域を複数のゾーンへと分割することが、特に有利であると考えられる。
これは、通路部の領域を囲む安全ゾーンと、通過方向においてこれらの安全ゾーンに続く接近または作動ゾーンとを設定することを可能にする。
このようにして、作動または接近ゾーンの物体の検出により、遮断手段の作動の契機とすることができる。
物体が作動ゾーンにおいて検出されるならば、これを、例えば、遮断手段の開放の契機とすることができる。
さらに、安全ゾーンにおいて物体が突然検出されたときに、遮断手段の閉鎖を防止または停止するか、あるいは遮断手段の再開放を生じさせることさえ可能である。
これにより、人および車両を遮断手段により被害または損傷することを防止する。
安全ゾーンは、遮断手段の通過方向の両側に張設することができ、さらには通路部の側方にも広がることができる。
【0017】
本発明の別の実施例によれば、走査領域が、通過方向について見たときに、第1の接近ゾーンと、安全領域と、通路部領域と、第2の安全領域と、第2の接近ゾーンとを順に含んでいる。
これにより、いずれの側からも遮断手段の制御が可能である。
【0018】
特に、遮断手段をバリアとして設計することができる。
このバリアは、バリアの幅およびバリアの直径により通路部の領域を画定する。
バリアの形態の遮断手段を設けることは、たとえバリアが閉じた状態にあってもスキャナの走査面が容易に貫通することができ、したがって走査範囲を妨げることがないという利点を有している。
バリアは、基本的に垂直な開放面において動作する。
バリアが走査面を妨げないという事実ゆえ、あらゆる動作時間において完全な走査が可能である。
【0019】
バリアの代わりに、遮断手段を垂直または水平方向に閉じるゲートまたは扉の形態に設計してもよい。
この場合、スキャナの走査領域へのゲートの進入をソフトウェアアルゴリズムによって検出することができる。
このアルゴリズムは、あらかじめ記録されたゲートまたは扉の閉鎖動作と走査領域に進入する物体の軌跡とを区別するので、ゲートが走査領域を妨げることがないと考えられる
。
【0020】
ゲートまたは扉がスキャナにとって透過性でない場合には、作動ゾーンをスキャナの側にのみ設定することができる。
安全ゾーンは遮断手段が上昇して初めて有効になるので、スキャナと面しない側に設定される安全ゾーンがこれによって影響されることはない。
しかしながら、遮断手段が上昇したとき、スキャナは走査領域の全体を視認できる。
【0021】
さらに別の有利な実施例においては、スキャナが、通路部と同一面にあるように配置される。
これは、通路部の領域の横方向がスキャナにとって透過性でない何らかの構造物によって画定されている場合に、通路部そのものと同じ幅の走査領域を生成できるという利点を有している。
走査領域の横方向の限界が、通過方向に平行に延びる。
【0022】
仮に、センサ、すなわち、スキャナが、通過方向から見て、さらに所定距離通路部から側方に離間して配置されると、非透過性の横方向の限界が通路部のスキャナと面しない側に影を生じさせ、スキャナの検出可能な範囲を制限すると考えられる。
【0023】
別の実施例においては、スキャナが、レーザスキャナの形態で設けられる。
レーザスキャナは、走査範囲内にある物体によって反射される検出光線を放射する。
結果として生じるエコー信号が、スキャナによって再び検出される。
伝播の遅延を評価することで、走査範囲内の物体の位置が決定され、さらに物体が所定の走査領域に存在するか、または複数の所定のゾーンのうちの1つに存在するか否かを確定することができる。
結果に基づき、遮断手段を相応に制御することができる。
特に、検出用の放射が、赤外の波長範囲にあると、人間にとって不可視であるし有害でもない。
【0024】
さらに、遮断手段およびスキャナの両方に能動的(acitve)に接続された制御ユニットを設けてもよい。
すなわち、制御ユニットが、スキャナからの信号を受信して評価することができる。
信号の評価に基づき、制御ユニットが、遮断手段の作動方向を定める。
必要であれば、遮断手段の方向の変化を生じさせてもよい。
方向の変化は、好ましくは、遮断手段が閉鎖モードにあって、物体が安全ゾーンに検出されたときに開始することができる。
その結果、遮断手段が再び開かれる。
【0025】
制御ユニットを通路システムのさらなる構成要素に接続することも可能である。
例えば、物体が接近ゾーンに検出されたときに、遮断手段を作動させる代わりに、駐車チケットの発行を開始することができる。
【0026】
本発明のさらなる利点、特徴、および考えられる応用を図面に示した実施例に関連する以下の説明から理解される。
【0027】
本明細書、特許請求の範囲、および図面においては、添付の「符号の説明」に記載のとおりの用語および関連の参照番号が使用される。