特許第5666901号(P5666901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666901
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】圧電積層素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/083 20060101AFI20150122BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20150122BHJP
   H01L 41/273 20130101ALI20150122BHJP
【FI】
   H01L41/083
   H01L41/09
   H01L41/273
【請求項の数】15
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-506954(P2010-506954)
(86)(22)【出願日】2008年5月9日
(65)【公表番号】特表2010-527143(P2010-527143A)
(43)【公表日】2010年8月5日
(86)【国際出願番号】EP2008055783
(87)【国際公開番号】WO2008138906
(87)【国際公開日】20081120
【審査請求日】2011年4月28日
(31)【優先権主張番号】102007022093.8
(32)【優先日】2007年5月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】300002160
【氏名又は名称】エプコス アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100123342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 承平
(72)【発明者】
【氏名】ドルガスト、ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】グラズノフ、アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】デルノフゼク、オリバー
【審査官】 工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−025225(JP,A)
【文献】 特開2005−097021(JP,A)
【文献】 特開2007−088022(JP,A)
【文献】 特開2008−228565(JP,A)
【文献】 特表2012−528475(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/051166(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/103154(WO,A1)
【文献】 特表2008−535228(JP,A)
【文献】 特表2005−536067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L41/00−41/47
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に重なり合って配置されている圧電セラミック層及び電極層の積層体を有する基材を含み、
接する前記圧電セラミック層は互いに固定され、直接的に接触しており、且つ、異なる焼結収縮特性を有し、それらの応力は積層方向に垂直に掛かることを特徴とする、
圧電積層素子。
【請求項2】
前記積層体の隣接する層は互いに直接的に接触した状態で固定されている、請求項1に記載の圧電積層素子。
【請求項3】
前記積層体の隣接する層は相互の張力応力下にある、請求項1又は2に記載の圧電積層素子。
【請求項4】
前記圧電セラミック層の内、2つの別の圧電セラミック層の間に配置されている圧電セラミック層が、前記2つの別の圧電セラミック層に固定されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電積層素子。
【請求項5】
前記積層体の隣接する層は異なる焼結収縮特性を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電積層素子。
【請求項6】
前記積層体の隣接する層は異なるセラミック粒子径分布を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の圧電積層素子。
【請求項7】
可能なかぎり平面的な外部表面を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の圧電積層素子。
【請求項8】
記隣接する圧電セラミック層の材料のか焼温度が、80〜120℃分異なる、請求項1から7のいずれか1項に記載の圧電積層素子。
【請求項9】
前記積層体の隣接する層は、それらの間の相対的機械的応力に影響を与える異なるドーパントを含む、請求項1からのいずれか1項に記載の圧電積層素子。
【請求項10】
前記積層体の隣接する層は、それぞれの焼結収縮特性に影響を与える異なるドーパントを含む、請求項5に記載の圧電積層素子。
【請求項11】
前記積層体の隣接する層は、異なる焼結助剤を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の圧電積層素子。
【請求項12】
異なる径のセラミック粒子を有する異なる圧電セラミック混合物を準備する工程と、
結合剤をそれぞれの前記異なる圧電セラミック混合物に混和する工程と、
前記異なる圧電セラミック混合物をグリーンシートに加工する工程と、
前記グリーンシートに電極層を印刷する工程と、
前記電極層を印刷された前記グリーンシートを、寸法を整えるため切断し、かつ、積層体を形成するため、前記積層体の隣接する圧電セラミック層が異なる粒子径配置を有し、前記隣接する圧電セラミック層の少なくとも一部が互いに接触するように、重ね合って積層する工程と、
前記積層体を脱結合し続いて焼結してモノリスティック構造の素子を得る工程と、を備え、
前記焼結過程中に、前記積層体の層は、前記隣接する圧電セラミック層が互いに固定された状態が維持される程度の異なる焼結収縮を受けることを特徴とする、
圧電積層素子の製造方法。
【請求項13】
可能な限り平面的な外部表面を有する前記積層体が製造されるよう、各層が前記積層体の焼結冷却状態において前記各層の側方の広さが同程度となるような形状になるように、前記焼結過程で前記積層体が曝される温度は、焼結期間に渡って制御される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記隣接する圧電セラミック層の材料組成は、該隣接する圧電セラミック層のか焼温度が80℃から120℃異なるように選ばれる、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記圧電セラミック混合物は、前記隣接する圧電セラミック層の粒子径が1.1〜1.6μm異なるように準備される、請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的負荷の下で制御された亀裂を形成する圧電積層素子を提供する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、所定の破断点を有するアクチュエータ本体を持つ圧電素子を開示する。これでは、この所定の破断点は、それが許容する亀裂によってアクチュエータ本体が少なくとも2つの部分積層体に分割されるように形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004031404号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
継続的な機械的負荷の下で機能し続ける圧電積層素子を提供することが、達成すべき課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、交互に重なり合って配置される圧電セラミック層と電極層との積層体を有し、該積層体の隣接する層同士が側面方向に対して角度をなす機械的応力下にある圧電積層素子を提供する。従って、積層体の層は互いに固定され、その応力ないし補剛力は積層方向に垂直に掛かる。
【0006】
好ましくは、この相互の固定は隣接する圧電セラミック層の間で行なわれる。しかし、これは、隣接する圧電セラミック層と電極層との間で行なわれてもよい。
【0007】
積層素子において、動作中の特定の機械的負荷の下では、隣接する層間の機械的応力によって、層に対して実質的に平行に走る亀裂が形成され得る。言い換えると、積層体は、隣接する層間の少なくとも1つの平面に沿って存在する機械的応力の結果、側面方向に部分的に分割され得る、あるいは、側面方向に分離し得る。隣接する層同士が分離する場合、あるいは、分離し始める場合、それらは互いに実質的に側面方向に滑離する。
【0008】
こうした圧電積層素子は、亀裂あるいは隙間が無制御で生じ層に垂直に走る危険性を減じ、結果として、例えば、積層素子の電極層間に短絡回路が生じる危険性を減じる。これにより、積層素子が、継続的な負荷の下でより長期間に渡って機能し続けることが可能となる。
【0009】
以下の好ましい方法によって、隣接する層間の望ましい側面方向への機械的応力を達成することができる。
【0010】
本積層素子のある実施形態では、積層体の隣接する層は、例えば、異なる焼結収縮特性を有する。層の異なる焼結収縮特性の結果、積層素子の焼結中に、層間に所望の機械的応力が生じる。
【0011】
本圧電積層素子のある実施形態では、積層体の異なる層は、異なる焼結収縮特性を有する。例えば、第1層の第1温度での焼結収縮は、同温度の隣接する層よりも高いだろう。ここで、焼結収縮は、経過時間に対する層寸法の変化を意味するものと理解されるべきである。つまり上記は、特定の温度での微小時間窓内で、ある層が他の層よりも縮むことを意味する。焼結収縮中に層寸法が変化する場合、これは層体積の変化を伴う。
【0012】
本積層素子のある実施形態では、隣接する圧電セラミック層は、異なる焼結収縮特性を有し得る。隣接する電極層と圧電セラミック層とが互いに固定されることも可能であり、このとき、例えば、電極層は、電気伝導性電極材料のみならず、隣接する圧電セラミック層とは異なる焼結収縮特性を有する材料も含む。これは、セラミック材料であり得、特に、各電極層におけるこれらの材料の量がその電極層の金属材料に比べて比較的小さい圧電セラミック材料であり得る。
【0013】
隣接する層は、好ましくは、側面方向への異なる焼結収縮特性を有する。このとき、これらは、焼結作業中に側面方向に異なったように縮む。垂直方向と側面方向との焼結収縮特性の組み合わせはまた、所望の機械的応力を達成することを可能にする。
【0014】
また、層内の異なる粒子径分布、すなわち、層中に含まれる粒子の径の異なった分布が、望ましい効果を助け、あるいは、引き起こすことも実験的に確認されている。これら粒子はセラミック粒子であり、圧電セラミック層のみならず電極層にも含まれ得る。
【0015】
圧電積層素子のある実施形態では、積層体の隣接する層の材料は、異なるか焼温度を有する。この特性が望ましい機械的応力の達成を助けることが確認されている。特に、隣接する層の材料の異なるか焼温度が、隣接する層それぞれの焼結収縮に影響することが認められている。
【0016】
ある実施形態では、隣接する層は、それらの間の望ましい機械的圧力の達成を助ける異なるドーパントを含む。特に、異なるドーパントが、それぞれの焼結収縮特性に影響することが認められている。さらに、隣接する層は異なる焼結助剤を含み得る。例えば、上記のように隣接する層に固定されたある層は、焼結助剤として、あるいは、ドーパントとして、PbOあるいはSnOを含む材料を含有し得る。この層は、また、例えば、PbOあるいはSnOを含む材料と、例えば、SiOと、あるいは、これら材料の1つもしくは組み合わせの固化性液相とを含み得る。
【0017】
また、本発明は、好ましくはそれぞれがPZTセラミックを含む異なるセラミック混合物が設けられる圧電積層素子の製造方法を提供する。セラミック混合物は、異なる径のセラミック粒子で設けられる。粒子径すなわち粒子の直径は、好ましくは、この場合互いに数倍異なる。結果として、異なる粒子径分布を有するセラミック混合物が作られる。
【0018】
セラミック混合物をシート状に形成し易いように、セラミック材料は有機結合剤を含み得る。このとき、有機結合剤は後の脱結合工程で除去される。さらに、異なるドーパント、あるいは、ドーパント濃度が、セラミック混合物と混和され得、これにより、セラミック混合物の焼結収縮特性はさらに影響され得る。
【0019】
セラミック混合物は、グリーンシートに加工される。これには、電極層が印刷される。好ましい電極材料は銅であり、銀、および、パラジウム、あるいはこれら材料の少なくとも2つの合金が同様に電極材料として用いられ得る。グリーンシートは、結果として、寸法どおりに切られ、重なり合って積層され、積層体の隣接する層は異なる粒子径分布を有することとなる。
【0020】
このようにして製造されたいまだグリーンの積層素子は、続いて脱結合され、このときグリーンシート上に未だ存在する結合剤は揮発させられる、すなわち、グリーンシートは脱炭素処理される。次に、積層素子は焼結され、モノリシック構造の素子が形成される。
【0021】
焼結過程中、積層素子の層は異なる焼結収縮特性を示す。結果として、それらは、焼結過程中、異なる程度で縮む。このことは、焼結期間STに渡り、例えば継続的に温度Temp0が維持されて、層が異なる速度で縮むことを意味する。そして、これによって、機械的応力が既に生じている可能性がある。一方、焼結期間STに渡り温度が変動する場合でも、この工程を更に調節することができる。
【0022】
例えば、時間窓ST内の時間窓STt1+δtでの温度Temp1で、第1層はその焼結前体積のx%を失い、一方、第2隣接する層はその焼結前体積のy%を失う。後の期間STt2+δt内に、異なる温度Temp2で、第1層はその焼結前体積のu%を失い、一方、第2隣接する層はその焼結前体積のw%を失う。
【0023】
まとめると、積層素子が曝される温度は焼結期間を通して、好ましくは各層が積層素子の焼結冷却状態でその望ましい形態を取るように、その達成方法によらず、制御される。特に、最終状態の積層体の層の形態あるいは側の広さは、可能な限り平面的な外部表面を有する積層素子が作られるように、互いに類似している。長方形の層の場合、例えば、それによって平面的な側面を有する直方体の積層体が作られるべきである。
【0024】
上記の事柄を例示的実施形態と以下の図面に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】圧電積層素子を示す。
図2】熱に従属する異なるセラミック混合物の焼結収縮を示す。
図3】第1温度での隣接する層の幾何学的関係を示す。
図4】第2温度での隣接する層の、幾何学的関係と、異なる焼結収縮挙動とを示す。
図5】第温度での隣接する層の、幾何学的関係と、異なる焼結収縮挙動とを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、重なり合って配置された圧電セラミック層3と電極層4との積層体を含む基材2を有する圧電積層素子1を示す。長軸方向に伸び本素子の電気的接触のために働く外部電気接触5と6が、基材2の2つの外部表面に置かれている。電極層3は、銅、パラジウム、および/あるいは、銀、もしくは、これら金属のうち数種の合金を含み得る。
【0027】
異なる材料組成M1とM2とによって、隣接する圧電層3は、異なる焼結収縮特性を有する。異なる材料組成を有する圧電セラミック層3が、交互に重なり合って、すなわち、M1,M2,M1,M2の順番に、積層される。このことは、例えば、か焼温度が120〜80℃分、特に、約100℃分異なるように、隣接する圧電セラミック層の材料組成が選ばれるとき、有利である。これに加えて、あるいは、この代わりに、各層は、数十μmのばらつきを有するそれ自身の粒子径分布を有するものの、隣接する層の圧電セラミック粒子の粒子径あるいは直径は、1.1〜1.6μm異なっていてもよい。例えば、層M1の粒子は0.4〜0.6μmの直径を有していてもよく、層M2の粒子は1.5〜2.2μmの直径を有していてもよい。層M2は、それに隣接する層M1より大きな粒子を持つ粒子径分布を有する。
【0028】
図2は、材料組成M1とM2とを示す圧電セラミック層3の温度依存性の焼結収縮特性を表す、2つの曲線m1とm2とを有するグラフを示す。曲線m1は、材料組成M1を有する圧電セラミック層3の側面寸法1が温度上昇に従属してどのように減少するかを示す。温度Tで焼結収縮過程が始まり、温度TS2で材料組成M1を有する圧電セラミック層3の最大焼結収縮に至る。この温度で、温度に対する側面寸法1の変化が最大となる。この後、圧電セラミック層の側面寸法はさらに縮小し、温度Tに至るまで、側面寸法に特筆すべき変化はほとんどない。
【0029】
曲線m2は、材料組成M2を有する圧電セラミック層3の側面寸法1が温度上昇に従属してどのように減少するかを示す。温度Tで焼結収縮過程が始まり、温度TS1で材料組成M2を有する圧電セラミック層3の最大焼結収縮に至る。この最大焼結温度で、温度に対する側面寸法1の変化が最大となる。この後、圧電セラミック層の側面寸法は小さくなるが、よりなだらかである。温度Tでは、側面寸法に特筆すべき変化はない、あるいは、少なくとも特筆すべき変化はほとんどない。
【0030】
図3は、模式的に表した焼結過程前の圧電セラミック層の積層体を示す。図の表現に従うときの最上層と最下層は、同じ材料組成M2を有する。これらの層の間に配置された圧電セラミック層は、隣接する層とは焼結収縮特性の異なる材料組成M1を有する。図の表現は、焼結収縮をまねく温度T1に曝されたときの層の状態を示す。
【0031】
図4は、先ほどとは異なる温度T(これに関しては図2も参照のこと)での図3の積層体を示し、このとき、材料組成M2を有する層は、それらの間に配置された材料組成M1を有する層よりも大きな焼結収縮を有する。このため、層M2は、層M1よりも小さな側面寸法で示される。層にそれぞれ示される矢は、張力あるいは圧縮荷重を示す。その隣接する層と比較して遅い中間層M1の焼結収縮の結果、材料組成M2を有する隣接する層上に張力が働く。これは、外向きの矢印で示される。この逆の場合が中間層に当てはまる。その隣接する層と比較して大きな焼結収縮の結果、中間層M1はそれらに引っ張られる、すなわち、内向きに働く圧縮力がその中間層に働く。
【0032】
隣接する層の異なった焼結挙動による機械的応力は、層間のより不安定な境界領域に伝わる。
【0033】
図5は、別の温度T(これに関しては図2も参照のこと)での図3および図4の積層体を示し、この時点で、図4と比べて逆の効果が既に生じている。積層体は、前温度Tから温度Tを含むところまでの温度に曝されるので、材料組成M2を有する層は、その間に配置される材料組成2を有する層より少ない焼結収縮を有する。その隣接する層と比較して速い中間層M1の焼結収縮の結果、材料組成M2を有する隣接する層上に圧縮力が働く。これは、内向きの矢印で示される。この逆の場合が中間層に当てはまる。その隣接する層と比較して遅い焼結収縮の結果、中間層M1はこの傾向に足を取られ、それに隣接するによって内向きに引っ張られる、すなわち、外向きに働く圧縮力がその中間層M1に働く。
【0034】
上記で説明したように、温度Tまでは、層の異なる側面収縮の相互効果は、外面表面上が平面的な積層体が、すなわち、積層体の高さに渡って均一な外形を有する積層体が作られるという効果を有する。しかし、この時点で、材料-脆弱境界、あるいは、境界領域が、圧電アクチュエータの各層間に設けられ、圧電アクチュエータが特定の張力負荷において操作される場合に、制御された層と平行に走る亀裂の形成を可能にする。
【符号の説明】
【0035】
1 圧電素子
2 基材
3 圧電セラミック層
4 電極層
5 第1外部接触
6 第2外部接触
T1からT3 異なる温度
M1 第1材料組成
M2 第2材料組成
m1 第1材料組成の焼結収縮挙動
m2 第2材料組成の焼結収縮挙動
図1
図2
図3
図4
図5