【0046】
本発明の実施に有用である複素環化合物は、上記の特定の構造を有する限り、特に限定されるものではない。例えば、以下の化合物を用いることができる:
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-インダン]、
3,3-ジベンジル-8-イソプロポキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-8-メトキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-8-シクロプロピルメチルオキシ-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
8-アリルオキシ-3,3-ジベンジルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-8-ベンジルオキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
8-ベンジルオキシ-3,3-ビス(1-フェニルエチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-8-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-5,7-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-8-シクロペンチルオキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-6,8-ジクロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-8-クロロ-6-トリフルオロメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
8-ベンジルオキシ-3,3-ビス(3-メチルベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
8-メチル-3,3-ビス(4-ピリジルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(4-フルオロベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(4-ジメチルアミノベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(3-クロロベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(4-メトキシベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(4-ビフェニルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(4-シアノベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(4-ヒドロキシベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジアリルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジアリル-8-ベンジルオキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(3-フェニル-1-プロピル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-[2,3]ジヒドロフェナレン]、
3,3-ビス(2,4-ジフルオロベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジプロピルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(2-チエニルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
8-アセチルアミノ-3,3-ジベンジルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(2-フリルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジブチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジ(2-プロピニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-8-ヒドロキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジベンジル-8-ベンジルアミノイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(4-ニトロベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
8-アミノ-3,3-ジベンジルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(4-メトキシカルボニルベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
5,5-ビス(4-フルオロベンジル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6(5H)-オン、
5,5-ジベンジルイミダゾ[2,1-b]チアゾール-6(5H)-オン、
3,3-ジベンジルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2(3H)-オン、
5,5-ビス(4-メチルベンジル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6(5H)-オン、
5,5-ビス(4-シアノベンジル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6(5H)-オン、
5,5-ジベンジル-2-メチルイミダゾ[2,1-b]チアゾール-6(5H)-オン、
5,5-ビス(2-チエニルメチル)イミダゾ[2,1-b]チアゾール-6(5H)-オン、
3,3-ビス(2-チエニルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2(3H)-オン、
5,5-ジベンジル-2,3-ジヒドロイミダゾ[2,1-b]チアゾール-6(5H)-オン、
2-ヒドロキシ-3-(2-ナフチルメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-ベンゾ[f]インダン]、
3-ベンジルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジ(2-ブテニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2(3H)-オン、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-(4'-フルオロインダン)]、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-(5'-メトキシインダン)]、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-(5'-ヨードインダン)]、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-(4'-シアノインダン)],
スピロ[イミダゾ[2,1-a]イソキノリン-2(3H)-オン-3,2'-インダン]、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-[1,2,5]チアジアゾ[4,5-c]インダン]、
スピロ[イミダゾ[2,1-a]イソキノリン-2(3H)-オン-3,2'-[1,2,5]チアジアゾ[4,5-c]インダン]、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2(3H)-オン-3,2'-インダン]、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-(5'-トリフルオロメチルインダン)]、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-ベンゾ[e]インダン]、
3,3-ジアリルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ビス(2-シクロヘキセニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジアリルイミダゾ[2,1-a]イソキノリン-2(3H)-オン、
スピロ[イミダゾ[2,1-a]イソキノリン-2(3H)-オン-3,4'-(1'-シクロペンテン)]、
スピロ[8-ベンジルオキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,4'-(1'-シクロペンテン)]、
3,3-ジプロピル-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジシクロヘキシル-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
3,3-ジブチル-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
スピロ[7,8,9,10-テトラヒドロイミダゾ[2,1-a]イソキノリン-2(3H)-オン-3,1'-シクロペンタン]、
スピロ[イミダゾ[2,1-a]イソキノリン-2(3H)-オン-3,1'-シクロペンタン]、
スピロ[5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-ベンゾ[f]インダン]、
スピロ[5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-インダン]、
3,3-ビス(4-クロロベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
8-シクロプロピルメチルオキシ-3,3-ジアリルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、
スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-(4'-ヒドロキシインダン)]、
スピロ[8-ヒドロキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-インダン]、
スピロ[8-メトキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,4'-(1'-シクロペンテン)]、
スピロ[8-シクロプロピルメチルオキシイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,4'-(1'-シクロペンテン)]、
8-アミノ-3,3-ジベンジルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン塩酸塩、
8-ベンジルアミノ-3,3-ジベンジルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン、もしくは
スピロ[8-アセチルアミノイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-インダン]。
【実施例】
【0063】
以下に、本発明を、実施例の記述により、詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例に具体的に限定されるものではない。
【0064】
実施例1:マウスにおける受動的回避課題により調べられた、化合物1(スピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-インダン])およびドネペジルのスコポラミン誘発認知機能障害への併用効果
方法
動物
8から9週齢のオスのICR系マウス(Charles River Laboratories Japan, Inc.)を実験に用いた。それらは、12時間の明/暗周期の下、22℃付近に保たれた室内で、3または4匹のマウスの群でケージに収容された。食物と水は、自由に摂取させた。全ての動物の飼育と処置は、全薬工業株式会社の中央研究所で設定された実験用動物の飼育と使用のためのガイドラインに従って実行された。
【0065】
薬物
化合物1およびドネペジルは、1%のカルボキシメチルセルロース(CMC)に懸濁した。スコポラミン(Sigma)は、0.9%のNaClに溶解した。化合物1とドネペジルとの併用投与研究に対しては、両方の薬物の懸濁液を混合し、この混合懸濁液を注入した。全ての薬物は、使用直前に調製し、10ml/kgの投与量で経口的に投与した。
【0066】
受動的回避課題
受動的回避装置(Neuroscience Inc.)は、照明を当てた部屋と、より大きな暗室とで構成された。二つの部屋は、ギロチン扉により分けられた。0.0001mg/kgまたは0.001mg/kgの投与量での化合物1の経口投与、および/または、0.01および0.1mg/kgの投与量でのドネペジルの経口投与は、習得試験の60分前に行った。スコポラミン(1mg/kg)は、習得試験の20分前に腹腔内に注射した。対応する対照群には、溶媒のみを投与した。習得試験の間、それぞれのマウスを、照明を当てた部屋に配置した。暗室への入室後すぐに、ドアを閉じ、床グリッドを介して不可避な電気ショック(100V、0.4mA、1.5秒)を与えた。24時間後、それぞれのマウスを、再生試行のために、照明を当てた部屋に置いた。照明を当てた部屋に置いてから、暗室への入室までの時間を、反応潜時として計測した(最大300秒)。
【0067】
結果は、Mann−Whitney U検定を用い、1%CMC−スコポラミン群と1%CMC−生理食塩水群との間で比較した(それぞれ、
図1の二番目の棒グラフおよび一番目の棒グラフに示す)。これらの間に有意な差があったとき、認知機能障害がスコポラミンによって誘導されたと考えられた。結果は、Steel検定を用いて、1%CMC−スコポラミン群と比較した。Pレベルは<0.05のとき、試験の統計的な有意差を示すとした。次に、Steel検定を用いて、1%CMC+スコポラミン群と比較したそれぞれの結果は、
図1中に*と**で示した;1%CMC+ドネペジル(0.01mg/kg)+スコポラミンと、化合物1(0.0001または0.001mg/kg)+ドネペジル(0.01mg/kg)+スコポラミン(
図1中、++で示した);および、1%CMC+ドネペジル(0.1mg/kg)+スコポラミンと、化合物1(0.0001または0.001mg/kg)+ドネペジル(0.1mg/kg)+スコポラミン(
図1中、$で示した)。
【0068】
結果
再生試行において、1%CMCおよびスコポラミンで処置された群における反応潜時は、1%CMCおよび生理食塩水で処置された群のそれより顕著に短かった(P<0.01)。これらの結果は、スコポラミンが受動的回避反応を減少させたことを示している。0.0001mg/kgの投与量での化合物1もしくは0.01mg/kgの投与量でのドネペジルの経口投与は、1%CMCおよびスコポラミン処置群のそれと比較して、反応潜時を有意に延長させなかった。他方、0.1mg/kgの投与量でのドネペジルもしくは0.001mg/kgの投与量での化合物1の経口投与は、反応潜時を延長させた(P<0.05)。
【0069】
化合物1(0.0001mg/kg)、ドネペジル(0.01または0.1mg/kg)およびスコポラミンの併用投与は、1%CMCおよびスコポラミン処置群のそれと比較して、反応潜時を有意に延長させた(P<0.05)。さらに、化合物1(0.001mg/kg)、ドネペジル(0.1mg/kg)およびスコポラミンの併用投与は、1%CMCおよびスコポラミン処置群のそれと比較して、反応潜時を有意に延長させた(P<0.01)。さらに、化合物1(0.0001または0.001mg/kg)、ドネペジル(0.01mg/kg)およびスコポラミンの併用投与は、ドネペジル(0.01mg/kg)およびスコポラミンの処置群と比較して、反応潜時を有意に延長させた(P<0.01)。同様に、化合物1(0.001mg/kg)、ドネペジル(0.1mg/kg)およびスコポラミンの併用投与は、ドネペジル(0.1mg/kg)およびスコポラミンの処置群のそれと比較して、反応潜時を有意に延長させた(P<0.01)。
【0070】
本研究の最も重要な発見は、有効量以下の投与量での化合物1とドネペジルとの併用投与が、有効量の投与量の際と同様に、受動的回避課題におけるスコポラミン誘導認知機能障害を、相乗的に改善するということである。これらの結果は、二つの薬物の異なるメカニズムの相乗的な相互作用を示唆するものである。
【0071】
実施例2:化合物1およびドネペジルの、ラット海馬における細胞外アセチルコリン(ACh)レベルへの併用効果
方法
動物
8から9週齢のオスのWistar系ラット(Japan Laboratory Animals Inc.)を実験に用いた。ラットは、12時間の明/暗周期の下、22℃付近に保たれた室内で、2または3匹のラットの群でケージに収容された。食物と水は、自由に摂取させた。全ての動物の飼育と処置は、全薬工業株式会社の中央研究所で設定された実験用動物の飼育と使用のためのガイドラインに従って実行された。
【0072】
薬物
化合物1およびドネペジルは、1%CMC溶液に懸濁した。化合物1とドネペジルとの併用投与研究に対しては、両方の薬物の懸濁液を混合し、この混合懸濁液は、調製後、直ちに1ml/kgの投与量で経口的に投与した。
【0073】
手術
ラットは、ペントバルビタール(50mg/kg)で麻酔し、定位固定装置(David Kopf Instruments, Tujunga, CA, USA)に固定した。頭蓋骨を露出させ、ステンレス鋼のガイドカニューレ(AG-8, Eicom, Kyoto)を、PaxinosおよびWatsonの図表(1982)に従い、海馬(A−5.8;L4.8;V4.0mm)に埋め込んだ。手術の翌日、3mm長のセルロース膜管を有する微小透析プローブ(A-I-8-03, Eicom)を、埋め込んだガイドカニューレを通して海馬に挿入した。
【0074】
ACh測定
プローブは、1.0μL/分の流速で、リンゲル液(147mMのNaCl、4.02mMのKClおよび2.25mMのCaCl
2)を用いて還流した。透析液は、20分毎に集められ、AChレベルは、電気化学的検出(ECD)を備えるHPLCシステムにより検出した。AChは、カラム(Eicompac AC-Gel 2.0 x 150 mm, Eicom)を用い、透析液から分離した。酵素カラムは、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)およびコリンオキシダーゼを含み、アセチルコリンとコリンから過酸化水素の生成を触媒する。結果として得られたH
2O
2は、450mVでのプラチナ電極(WE-PT, Eicom)を備えるECD(ECD-300, Eicom)により検出された。
【0075】
統計解析
群間の差異の統計的な有意差は、一元配置分散分析により計算し、その後、Dunnettの多重比較検定を行った。
【0076】
結果
0.001mg/kgの投与量での化合物1の経口投与、もしくは、1mg/kgの投与量でのドネペジルの経口投与は、1%CMC処置群のそれと比較して、海馬における細胞外AChレベルを有意に増加させなかった。しかしながら、化合物1(0.001mg/kg)とドネペジル(1mg/kg)との併用投与は、1%CMC処置群のそれと比較して、有意にAChの細胞外レベルを増加させた。
【0077】
本研究の最も重要な発見は、それぞれの薬物の有効量以下の投与量での化合物1とドネペジルの併用投与が、海馬における細胞外AChレベルを相乗的に増加させたことである。
【0078】
実施形態において記述された化合物の調製
一般式(I)を有し、WO01/09131の実施例において記載された方法により調製される複素環化合物の幾つかを、以下に例示的に記載する。より具体的には、それらは、WO01/09131およびWO2002/060907パンフレットを参考にして、合成された。
【0079】
製造
以下の一般式を有するスピロ[イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2(3H)-オン-3,2'-インダン](化合物1)の製造例を以下に記す。
化合物1:
【化23】
【0080】
56.1g(1.04mol)のナトリウムメトキシドを、15Lのメタノールに溶解し、90.0g(0.0345mol)の2−アミノ−1−(エトキシカルボニルメチル)ピリジニウムブロミドおよび60.0g(0.0342mol)のα,α’−ジクロロ−o−キシレンを、室温で順次加えた。反応混合液を室温で一晩攪拌し、その後溶媒を減圧下で留去した。
残渣にジクロロメタンを加え、不溶物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=15:1)に付し、粗精製物を得た。粗精製物を、酢酸エチルを用いて洗浄し、その後、メタノールから再結晶し、36g(40%)の標記化合物を白色結晶の形で得た。得られた化合物の分析結果は以下に示す。その結果、得られた化合物が目的の化合物であることが示された。
【0081】
融点:206℃(分解).
NMR(CDCl
3)δ: 3.16(2H,d,J=16Hz),3.89(2H,d,J=16Hz),6.49(1H,t,J=7Hz),7.1-7.2(2H,m),7.2-7.3(4H,m),7.61(1H,t,J=7Hz).
MS m/z:236(M
+).
【0082】
式(I)の他の化合物は、参照によりここに援用されるWO01/09131およびWO02/060907に従い、適切な方法で、適切な出発原料から調製することができる。
【0083】
以上、本発明を、実施例を用いて記述する。実施例は例示である。種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【0084】
例えば、上記実施例では、複素環化合物として化合物1、神経変性疾患のための治療剤としてドネペジル、それらの被験哺乳動物としてマウスを用いた。しかしながら、他の複素環化合物、他の神経変性疾患のための治療剤、および/または、ヒトを含む他の哺乳動物を用いることができる。上記化合物もまた、ヒトを含む他の哺乳動物における認知機能障害に関して治療効果を示すだろう。
【0085】
本明細書中にて引用する特許、特許出願および文献の開示を、参照により本明細書へと援用する。