【実施例1】
【0020】
この実施例1では、日射遮蔽装置として上下にプリーツスクリーンを有するツインタイプの日射遮蔽装置(ツインタイプのプリーツスクリーン装置)に適用した構成において説明する。なお、後記する実施例2の日射
遮蔽装置は、2つの遮蔽材を窓の内外方向の前後に設けた構成自体については、2つの遮蔽材を上下に設けた実施例1のツインタイプの日射
遮蔽装置と異なるが、その他の構成では同じであるので、実施例1に準じる。
【0021】
(全体構成)
図1は、本発明に係る日射遮蔽装置の実施例である日射遮蔽装置1の全体構成を説明する図である。
図1(b)に示すように、日射遮蔽装置1は、ヘッドボックス2、ヘッドボックス2から吊り下げられた第1遮蔽材3、第1遮蔽材3の下端に取り付けられた中間レール4、中間レール4に上端が取り付けられた第2遮蔽材5、第2遮蔽材5の下端に取り付けられたボトムレール6を備えている。
【0022】
第1遮蔽材3及び第2遮蔽材5には、それぞれ左右に昇降コード孔7が形成されている。第1遮蔽材用昇降コード8(本明細書では「第1昇降コード」と言う)は、その下端は、中間レール4に取り付けられ、昇降コード孔7を通してヘッドボックス2に向けて上方に伸びている。第2遮蔽材用昇降コード9(本明細書では「第2昇降コード」と言う)は、その下端は、ボトムレール6に取り付けられ、昇降コード孔7を通してヘッドボックス2に向けて上方に伸びている。
【0023】
ヘッドボックス2には、
図1(a)に示すように、第1昇降用駆動軸21及び第2昇降用駆動軸22が互いに前後位置で平行に配置されている。ヘッドボックス2の一端部には、第1昇降用駆動軸21及び第2昇降用駆動軸22を駆動するためのプーリ操作駆動装置23が設けられており、さらに第1昇降用駆動軸21及び第2昇降用駆動軸22の途中には、それぞれ第1昇降用ストッパ装置24と第2昇降用ストッパ装置25が設けられている。そして、第1昇降用駆動軸21及び第2昇降用駆動軸22の駆動力で回転駆動されるツイン巻取りドラム装置26が左右に設けられている。
【0024】
プーリ操作駆動装置23は、ループ状のボールチェーンから成る操作コード30を引いて、第1昇降用駆動軸21及び第2昇降用駆動軸22を、それぞれ回転駆動するための装置である。この実施例1では、第1昇降用駆動軸21と第2昇降用駆動軸22は、互いに逆方向に回転する。
【0025】
このプーリ操作駆動装置23は、
図1、
図10等に示すように、プーリ31、回転力伝達機構32及び一方向クラッチ装置33を備えている。プーリ31は、操作コード30が掛けられており、プーリ歯車34が同軸で固定されている。回転力伝達機構32は、プーリ歯車34と噛み合う中間歯車29と、中間歯車29をとそれぞれ噛み合う第1原動歯車35と第2原動歯車36を有する。
【0026】
一方向クラッチ装置33は、第1原動歯車35の出力を受けて、第1の方向(例えば反時計回りの方向)のみの回転を第1昇降用駆動軸21に伝達する第1昇降用一方向クラッチ38と、第2原動歯車36の出力を受けて、第
2の方向(例えば時計回りの方向)のみの回転を第2昇降用駆動軸22に伝達する第2昇降用一方向クラッチ39と、を備えている。なお、一方向クラッチ装置33は、本発明の日射遮蔽装置の特徴となる部分であり、その構成につては後記する箇所で詳細に説明する。
【0027】
このようなプーリ操作駆動装置23において、操作コード30を一方向(
図10、11の実線方向)に引いて、プーリ31及びプーリ歯車34を、例えば反時計回り(時計の針が回転する方向と反対方向)に回転し、中間歯車29を介して第1原動歯車35を反時計回りに回転し、さらに、第1原動歯車35及び第1昇降用一方向クラッチ38を介して第1昇降用駆動軸21を反時計回りに回転することができる。
【0028】
また、操作コード30を逆方向(
図10、11の点線方向)に引いて、プーリ31及びプーリ歯車34を、時計回り(時計の針が回転する方向)に回転し、中間歯車29を介して第2原動歯車36を時計回りに回転し、さらに第2昇降用一方向クラッチ39を介して第2昇降用駆動軸22を時計回りに回転することができる。
【0029】
第1昇降用ストッパ装置24及び第2昇降用ストッパ装置25は、第1昇降用駆動軸21及び第2昇降用駆動軸22の途中にそれぞれ設けられている。第1昇降用ストッパ装置24と第2昇降用ストッパ装置25は、互いに同じ構成であるから、それぞれの部品の符号は同じ符号として記載し、以下、その構成を第1昇降用ストッパ装置24において説明する。
【0030】
第1昇降用ストッパ装置24は、
図2(a)に示すように、第1昇降用駆動軸22に同軸で固定されたカム軸50と、カム軸50を回転可能に支持するカムケース51とを有する。カム軸50は、その外周面にカム溝52が形成されている。カムケース51には、その内周面に軸方向に直線状に縦溝53が形成されている。
【0031】
カムケース51は、ヘッドボックス2に固定されている。カム溝52とカムケース51の縦溝53にボール状の転動体54が転動して移動可能に装入されている。なお、図示はしないが、上記構成とは逆に、カム溝52をカムケース51の内周面に設け、縦溝53をカム軸50の外周面に設ける構成としてもよい。
【0032】
図2(b)は、カム軸50の外周面の展開図であるが、この
図2(b)に示すように、カム溝52は、カム軸50の円周方向に伸びる無端の左端溝55及び右端溝56と、左端溝55と右端溝56の間で円周方向に伸び、一端が左端溝55に他端が右端溝56に接続された連結溝57と、一端が連結溝57に他端が右端溝56に接続され、V字状に形成されたV字溝58と、V字溝58の途中のコーナ部に形成された凹部59とを有する。
【0033】
ツイン巻取りドラム装置26は、第1昇降用駆動軸21及び第2昇降用駆動軸22にそれぞれ対応して、
図1(a)、
図3(a)等に示すように、第1昇降コード巻取りドラム70及び第2昇降コード巻取りドラム71が設けられている。
【0034】
なお、プーリ操作駆動装置23とツイン巻取りドラム装置26との間には、図示はしないが、紐垂れ防止装置を設けても良い。紐垂れ防止装置は、本発明の特徴的な構成ではないので、本明細書では特に説明を省略するが、本出願人の先願に係る特願2011−83669として別途出願している。
【0035】
(一方向クラッチ装置)
一方向クラッチ装置33を
図3〜
図12において説明する。第1昇降用一方向クラッチ38と第2昇降用一方向クラッチ39は、後記する係止コマ101の取り付け方向及び係止突状部125の向きが、互いに逆向きの構成である点を除いて、両者とも同じ構成、作用であるので、以下、代表して第1昇降用一方向クラッチ38について説明する。
【0036】
図3(b)は、第1昇降用一方向一方向クラッチ38の外観を示す斜視図を示し、
図4は、第1昇降用一方向クラッチ38の分解図を示す。第1昇降用一方向クラッチ38は、同心で配置された入力盤81、戻しバネ82、入力プレート83、コマプレート84、センターピン85、押さえバネ86、出力ドラム87、スリーブ88及びドラムジョイント89を備えている。
【0037】
センターピン85
は、ヘッドボックス2に適宜固定されている。このセンターピン85を中心にして、入力盤81、入力プレート83、コマプレート84、センターピン85、出力ドラム87が回転可能となるように軸支されている。
【0038】
入力盤81は、その外側面の噛み合い部91で第1原動歯車35の内側面と常時噛み合っており、第1原動歯車35とともに回転する。入力盤81の内側面92に軸心に対称的に配置された一対の突起93が突設されている(
図5(a)参照)。
【0039】
なお、本明細書及び発明において、「内側面」及び「内側」等の「内側」は、日射遮蔽装置1を正面から見て、日射遮蔽装置1の幅方向の中心側を言う。また、「外側面」及び「外側」等の「外側」は、日射遮蔽装置1を正面から見て、日射遮蔽装置1の幅方向の外側を言う。
【0040】
入力プレート83は、その外側面94に軸心に対称的に、周方向に湾曲状の一対の湾曲溝95が形成されている(
図5(b)、
図6(a)参照)。この一対の湾曲溝95内に入力盤81の一対の突起93が周方向に移動可能に嵌合している。入力プレート83の内側面96には、軸心に対称的に配置された一対の枢支軸97と一対の駆動突起98が突設されている(
図5(c)、(d)参照)。
【0041】
図5(d)、
図6(b)、
図7に示すように、係止コマ101は、平面視で略への字形をしており、2枚が一対となって設けられている。係止コマ101は、その基部には枢支孔102が形成されており、先端部には係合部103が形成されている。
図5(d)に示すように、係止コマ101は、その枢支孔102に、入力プレート83の枢支軸97が嵌合し、枢着されている。
【0042】
コマプレート84の外側面105には、軸心を中心として一対のコマ案内溝106が互いに逆方向に向けて平行に形成されているとともに、一対の湾曲状の駆動突起受溝107が形成されている(
図6(b)、
図7参照)。このコマ案内溝106は、係止コマ101と平面視で略同じ形状をしており、係止コマ101を嵌合して受け入れ、その長手方向にスライド可能(摺動可能)となるように保持している。
【0043】
このようにスライドすることで、係止コマ101は、コマ案内溝106内でコマプレート84の領域内に収まっている状態(
図6(b)、
図7(a)参照)と、コマプレート84の領域から外側に突き出た状態(
図7(b)、(c)参照)に出没可能となる。コマプレート84の一対の駆動突起受溝107には、一対の駆動突起98が周方向に移動可能に嵌合している。駆動突起受溝107は、周方向に30°の角度範囲で形成されている。
【0044】
図6(d)に示すように、コマプレート84の内側面108には、側面視でV字型の規制突起109が突設されている。規制突起109は、コマプレート84の中心を貫通する軸孔110の外側において、中心から放射方向に向けて配置されている。軸孔110には、センターピン85が挿通されており、センターピン85のボス部115がコマプレート84の内側面108から突出するように配置されている。
【0045】
入力プレート83とコマプレート84との間において、
図5(d)、
図6(b)に示すように、ねじりバネからなる戻しバネ82が、センターピン85の周囲に同軸で巻装されている。戻しバネ82の一端は入力プレート83に取り付けられ、他端はコマプレート84に取り付けられている。
【0046】
戻しバネ82により、入力プレート83とコマプレート84が、互いに周方向に逆方向に反発するように弾力を付勢する。戻しバネ82によって、枢支軸97を介して、常時は、
図6(b)、
図7(a)に示すように、係止コマ101をコマ案内溝106内の最も深い引き込み位置へ移動するように付勢し、コマプレート84の領域内に引き込むように構成されている。
【0047】
また、戻しバネ82によって駆動突起98は、
図7(a)に示すように、常時は、駆動突起受溝107の基端133側に位置しており、入力プレート83とコマプレート84は、互いに回転方向に遊びをもって回転可能に連結されている。このために、入力プレート83が反時計回りに回転を開始した際に、駆動突起98は、コマプレート84にすぐ当接しないので、瞬間的ではあるが、入力プレート83のみ遊び回転しコマプレート84に回転を伝達しない、若干の遊び期間がある。
【0048】
センターピン85のボス部115には、
図6(c)、(d)に示すように、ボス部115に対して締まり方向の弾力を有するコイル状の押さえバネ86が巻着されている(巻き付けられている)。押さえバネ86の両端の2本の足116は、半径方向に折り曲げられ突出している。V字型の規制突起109は、2本の足116の間に配置するような関係的構成となっている(
図6(d)参照)。
【0049】
出力ドラム87は金属製であり、ヘッドボックス2に装着されている図示しない樹脂ケースによって回転可能に支持されている。出力ドラム87を回転可能に支持する樹脂ケースの軸受として機能する部分の磨耗を防止するために、スリーブ88が出力ドラム87と樹脂ケース間に介装されている。
【0050】
出力ドラム87は、
図8(a)に示すように、日射遮蔽装置1の幅方向外側に位置する円筒部120と、内側に位置する円環部121と、円筒部120と円環部121を結合する結合部122とから構成される。円筒部120内には、
図7(c)に示すように、同心でコマプレート84が配置されている。
【0051】
円筒部120の内周面には、
図7(a)〜(c)に示すように、周方向に180°間隔をおいて、軸心を中心に対称的に一対の係止凸条部125が形成されている。この一対の係止凸条部125には、
図7(a)〜(c)に示すように、一対の係止コマ101の係合部103が係脱可能である。出力ドラム87の円環部121の内周面には、
図8(a)に示すように、周方向に180°間隔をおいて、軸心を中心に対称的に一対の係合突起123が形成されている。
【0052】
ドラムジョイント89は、第1昇降用一方向クラッチによって伝達される回転出力を、第1昇降用駆動軸21を介して第1昇降コード巻き取りドラム70に伝達する部材である。ドラムジョイント89の内側端には、図示はしないが、その軸心に第1昇降用駆動軸21を固定する固定孔が形成され、第1昇降用駆動軸21が同心で固定されている。
【0053】
ドラムジョイント89の外側端にフランジ126が形成されている。このフランジ126の外側端面には、外側に突出した略円形の突出部127が形成されている。この突出部127には、円環部121内に同心的に配置される。
【0054】
突出部127には、径方向に突出した一対の突部128が形成されている。一対の突部128は、互いに180°間隔を置いて設けられている。突出部127は、出力ドラム87の円環部121内で回転可能であるが、一対の突部128は、出力ドラム87の一対の係合突起123に係合可能なように構成されている。
【0055】
(作用)
以上の構成から成る実施例の日射遮蔽装置1の作用を、以下、
図1〜12を参照して説明する。第1昇降用一方向クラッチ38と第2昇降用一方向クラッチ39は、回転を許容する回転方向は互いに逆であるが、その構成及び作用はほぼ同じであるから、以下、第1遮蔽材3を昇降させる際に動作する第1昇降用一方向クラッチ38の作用を中心に説明する。
【0056】
なお、
図10及び
図11は、それぞれ上下のクラッチの作用を説明する模式図であり、
図10は第1昇降用一方向クラッチ38において出力ドラム87に回転が伝達されない状態(操作コードを下方に引き始めた瞬間、又は操作コードを引いていない状態)を示し、
図11は出力ドラム87に回転が伝達されている状態を示す。実線矢印は第1昇降用一方向クラッチ38の動作を示し、点線矢印は第2昇降用一方向クラッチ39の動作を示す。
【0057】
また、
図10、
図11において、入力プレート83、コマプレート84及び出力ドラム87については、日射遮蔽装置1の幅方向外側から見た側面をそれぞれ83R、84R、87Rで示し、日射遮蔽装置1の幅方向中心側から見た側面を83L、84L、87Lで示し、それぞれの両側面を、便宜的に実線で結んでいる。
【0058】
そして、
図12は、第1昇降用一方向クラッチ38の各部の動作のタイミングを示すタイミングチャートであり、横方向は時間の進行を示しており、t1〜t5はそれぞれ動作タイミングを示す。
【0059】
今、ループ状の操作コード30の一方側を下方に引き(
図10、11の実線矢印方向)、プーリ歯車34を反時計回りに回転すると、中間歯車29を介して第1原動歯車35が反時計回りに回転する。第1原動歯車35が反時計回りに回転すると、常時噛み合った入力盤81が反時計回りに回転する(
図12のタイミングt1参照)。
【0060】
入力盤81が反時計回りに回転すると、突起93が入力プレート83の湾曲溝95内で、基端130側から反時計回りで移動する。この移動中は、入力プレート83には入力盤81の回転が伝達されない(
図10参照)。入力盤81が角度θ1回転し、突起93が湾曲溝95の先端131に当接すると、入力プレート83が反時計回りに回転し始める(
図11、
図12のタイミングt2参照)。
【0061】
入力プレート83が反時計回りに回転すると、駆動突起98は駆動突起受溝107内をその基端133側から反時計回りに角度θ2(30°)回転するが、この移動中は、駆動突起98を介してコマプレート84を回転させることはなく、遊び回転となる(
図10参照)。一方、入力プレート83の枢支軸97も周方向反時計回りに移動する。これにより係止コマ101を介してコマプレート84を入力プレート83と共に反時計回りに回転させようとする。
【0062】
しかし、押さえバネ86が、センターピン85のボス部115に弾力的に巻き付いて締着しており、この押さえバネ86の足116に、コマプレート84の規制突起109が当たり、コマプレート84は回転が拘束されるので、コマプレート84は入力プレート83と共廻りしない。
【0063】
このように、コマプレート84は非回転状態に拘束されとされるために、入力プレート83が反時計回りに回転すると、係止コマ101のみが、枢支軸97により押されて、コマ案内溝106に沿ってコマプレート84の外側に押し出される。その結果、
図7(b)、(c)に示すように、係止コマ101の係合部103が出力ドラム87の係止凸条部125に係合する(
図12のタイミングt3参照)。
【0064】
この係止コマ101が、コマ案内溝106に沿ってコマプレート84の外側に押し出される動作と同時に、上記駆動突起98が駆動突起受溝107内を、上記のとおり周方向に30°移動し、
図7(b)、(c)に示すように、駆動突起受溝107の先端134に当接する。そして、入力プレート83の反時計方向の回転力がコマプレート84に付与される(
図12のタイミングt3参照)。
【0065】
すると、規制突起109が押さえバネ86の足116を、その弾力に抗してさらに周方向に向けて強く押圧することとなり、押さえバネ86によるセンターピン85のボス部115に対する締め付けを、緩める方向に作用する。その結果、押さえバネ86によるコマプレート84の拘束は解除され、入力プレート83と共に押さえバネ86及びコマプレート84が反時計回りに回転し始める(
図12のタイミングt3参照)。
【0066】
上記のとおり、係止コマ101の係合部103が出力ドラム87の係止凸条部125に係合すると、コマプレート84が反時計回りの回転が出力ドラム87に伝達され、出力ドラム87も反時計回りに回転する(
図12のタイミングt3参照)。
【0067】
出力ドラム87が反時計回りに角度θ3(略半回転弱)、回転した後に、出力ドラム87の係合突起123がドラムジョイント89の突部128に係合し、ドラムジョイント89が反時計回りに回転する。これにより、第1昇降用駆動軸21を介して第1昇降コード巻取りドラム70を回転し、第1遮蔽材3を上昇させる。
【0068】
入力盤と入力プレート間の回転方向の遊び:
第1遮蔽材3を上昇させる際の第1昇降用一方向クラッチ38の作用は以上のとおりである。この第1昇降用一方向クラッチ38の特徴として、入力プレート83に形成された一対の湾曲溝95に入力盤81の突起93が周方向に移動可能に嵌合し、入力盤81と入力プレート83は、両者の間に回転方向に遊びを持たせて回転可能に連結し、入力盤81のみ遊び回転する遊び回転期間をおいてから入力プレート83に伝達する構成としている。このように、入力盤81と入力プレート83間に回転方向に遊びを持たせている意義は、次のとおりである。
【0069】
昇降操作コード30を一方側に引いてプーリを反時計回りに回転し、上記のとおり第1遮蔽材3を上昇させている途中で昇降操作コード30から手を離すと、第1遮蔽材3は、その自重で降下を開始し、第1昇降用駆動軸21、ドラムジョイント89を介して時計回りの回転が出力ドラム87に伝達される(
図12のタイミングt4参照)。
【0070】
ところで、上記のとおり第1遮蔽材3を上昇させている途中で昇降操作コード30から手を離し降下開始の瞬間は、係止コマ101は、未だ、
図7(b)、(c)に示すように、コマプレート84から外側に突出し係止凸条部125との係合位置にある。即ち、昇降操作コード30から手を離すことにより、係止コマ101に反時計回りの回転力がかからなくなり、戻しバネ82の付勢力が入力プレート83の枢支軸97を介して作用しても、係止コマ101はコマ案内溝106との摩擦力等のために、瞬間的には、入力プレート83内の引き込み位置には戻らない。
【0071】
そのために、上記のとおり、第1遮蔽材3が、その自重で降下を開始し、出力ドラム87が時計回りに回転すると、係止コマ101を介してコマプレート84も時計回りに回転する(
図12参照)。ここで、仮に、入力プレート83に形成された一対の湾曲溝95に入力盤81の一対の突起93が周方向に移動可能に嵌合するという遊びをもって連結する、という構成が設けられていないと、コマプレート84の反時計回りの回転は、入力盤81、第1原動歯車35、中間歯車29、第2原動歯車36を介して、第2入力プレート83に時計回りの回転を伝達する。
【0072】
要するに、第2遮蔽材5を上昇させる時計回りの回転を、第2入力プレート83に伝達しようとする。しかし、第2遮蔽材5の自重により、第2入力プレート83に時計回りの回転を阻止し、この結果、第1遮蔽材3は降下できない。従って、後記する第1昇降用ストッパ装置24によるストップも掛からず、宙ぶらりんの状態となってしまう。
【0073】
また、このような場合、第2遮蔽材5の自重が、第1遮蔽材3の自重に較べて比較的に大きい場合は、第2遮蔽材5の自重により、第2昇降用駆動軸25、第2昇降用一方向クラッチ39を介して第2原動歯車36に反時計回りの回転が伝達され、これが、中間歯車29を介して第2原動歯車36に伝達され、その結果、第1遮蔽材が降下するどころか、上昇したりする現象も生じてしまう。
【0074】
要するに、第1遮蔽材3を上昇させている途中で昇降操作コード30から手を離しても、第1遮蔽材3は降下することなく、第1遮蔽材3と第2遮蔽材の自重の大小に応じて、第1遮蔽材3は上昇したり、ストッパ24によるストップも掛からず、宙ぶらりんとなったりして、きわめて不安定な動作となる。
【0075】
しかしながら、本発明の日射遮蔽装置1では、入力プレート83に形成された一対の湾曲溝95に入力盤81の突起93が周方向に移動可能に嵌合し、入力盤81と入力プレート83間に回転方向に遊びを持たせて回転可能に連結する構成としているので、上記不安定な動作は次のとおり防止できる。
【0076】
即ち、上記のとおり第1遮蔽材3を上昇させている途中で昇降操作コード30から手を離すと(
図12のタイミングt4参照)、第1遮蔽材3は、その自重で降下を開始し、ドラムジョイント89を介して時計回りの回転が出力ドラム87に伝達され、さらに、コマプレート84が時計回りに回転するが、入力プレート83の湾曲溝95を入力盤81の突起93が遊びをもって移動することができる。
【0077】
要するに、第2遮蔽材の自重による回転力(又は回転抵抗力)が、第2原動歯車36、中間歯車29、第1の原動歯車3
5を介して入力盤81に反時計回りの回転力として伝達されていても、それに阻止されることなく、入力プレート83は、時計回りに遊びをもって回転することができる。この結果、第1遮蔽材3は、降下が可能となり、若干降下して、後記する第1昇降用ストッパ装置24によりストップする(
図12のタイミングt5参照)。
【0078】
この入力プレート83の時計回りの遊びをもって回転する遊び回転期間中に、係止コマ101は、戻しバネ82によって、コマ案内溝106内で移動して入力プレート83内の引き込み位置に戻る。よって、入力プレート83の時計回りの回転は、入力盤81に伝達されることはない。また、第1遮蔽材3の降下動作は、第2遮蔽材5の自重の影響を受けることもない。
【0079】
出力ドラムとドラムジョイントの遊び:
ドラムジョイント89の突出部127は、出力ドラム87の円環部121内で回転する。出力ドラム87がドラムジョイント89に対して、角度θ3(略半回転弱)だけ回転すると、出力ドラム87の一対の係合突起123とドラムジョイント89の一対の突部128は、互いに係合する構成としている。要するに、ドラムジョイント89と出力ドラム87とは、十分なクリアランス(遊び)を有している。
【0080】
このような構成としているので、第1遮蔽材3が降下する際に、第1昇降用駆動軸36の曲がりがある場合等において、ドラムジョイント89が偏心して回転し、ガタが生じても、ドラムジョイント89と出力ドラム87とは、十分クリアランスとっているから、低い抵抗で回転することが可能となる。
【0081】
ストッパ装置の作用:
操作コード30を一方向に引いて第1昇降用駆動軸21が反時計回りに回転している時は、第1昇降用ストッパ装置24において、昇降用カム軸50の右端溝56内及び昇降用カム軸50の縦溝53内を転動体54が転動して移動する。そして、手を離すと、転動体54は、右端溝56からV字溝58に入り、凹部59で停止する。これにより、第1昇降用駆動軸21の回転はストップが掛かり停止するから、第1遮蔽材3の降下は途中で停止する。
【0082】
第1遮蔽材3を降下させる際には、操作コード30を一方向(
図10の実線矢印方向)に若干引いてから手を離すと、第1昇降用ストッパ装置24において、転動体54が、昇降用カム溝52の凹部59からV字溝58、連結溝57を転動して左端溝55内に入る。
【0083】
すると、第1遮蔽材3の自重で第1昇降コード巻取りドラム71及び第1昇降用駆動軸21が時計回りに回転可能となり、第1遮蔽材3は降下する。なお、第1昇降用駆動軸21が時計回りに回転する際には、第1昇降用一方向クラッチ38によって、反時計回りの回転は第1原動歯車35側には伝達されない。以上の第1昇降用ストッパ装置24の作用は、第
2昇降用ストッパ装置25においても準じる。