(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段が、前記水位到達時間が予め設定した標準到達時間以内であれば、予め設定した標準処理時間を、前記設定乾燥処理時間に設定し、かつ、前記水位到達時間が前記標準到達時間よりも長いときには、前記水位到達時間と前記標準到達時間との比を、前記標準処理時間に乗じて求めた時間を、前記設定乾燥処理時間に設定するように構成されている請求項1記載の食器洗浄機。
前記制御手段が、前記水位到達時間が予め設定した異常判定時間よりも長いときには、メンテナンスが必要であることを報知する報知処理を実行するように構成されている請求項1又は2記載の食器洗浄機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来の食器洗浄機においては、乾燥処理を行う際に、洗浄対象物の乾燥が不十分であるにも拘わらず、設定乾燥処理時間が経過して乾燥処理を停止する虞があり、改善が望まれるものであった。
【0008】
すなわち、除湿部には、一般に、上水道等の湯水供給源からの湯水が除湿用の湯水として供給されることになるが、その湯水供給源から除湿部への湯水供給路中の配管の詰まりや、湯水供給源の水圧の低下等により、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が大きく低下する虞がある。
ちなみに、通風手段にて循環される洗浄空間の空気に対して、除湿用の湯水を接触させるにあたり、除湿効率の向上を図るべく、除湿用の湯水を噴霧ノズルから噴出させるようにすることが多いが、この場合、湯水供給路中の配管の詰まりの一つとして、噴霧ノズルの詰まりがある。
【0009】
そして、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が低下すると、除湿効率が低下することになるため、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が大幅に低下すると、通風手段にて循環される洗浄空間の空気の湿度が適切に低下しないことになり、その結果、設定乾燥処理時間が経過しても、洗浄対象物の乾燥が不十分となる虞があった。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が低下しても、洗浄対象物の乾燥を適切に行うことができる食器洗浄機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の食器洗浄機は、洗浄槽の洗浄空間の底部から湯水を吸引して外部に排出する排水ポンプと、
前記洗浄空間からの空気吸引口と前記洗浄空間への空気供給口とに亘る通風経路を通して通風手段にて循環される前記洗浄空間の空気を、除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿し、かつ、除湿処理後の湯水及び凝縮水を前記洗浄槽内に流動させるように構成された除湿部と、
前記洗浄空間の空気を加熱する加熱手段と、
前記洗浄空間への湯水供給の断続と前記除湿部への湯水供給の断続とを行う湯水断続手段と、
前記洗浄空間の底部に貯留される湯水の水位が乾燥用排出水位であることを検出する乾燥用排出水位検出手段と、
前記洗浄空間内の洗浄対象物を洗浄する洗浄処理、前記洗浄対象物をすすぐすすぎ処理、及び、前記洗浄対象物を乾燥する乾燥処理を実行する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記乾燥処理において、前記加熱手段にて前記洗浄空間の空気を加熱しながら、前記除湿用の湯水と前記通風経路を通過する空気とを接触させるべく、前記通風手段、前記加熱手段、及び、前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記乾燥用排出水位検出手段にて前記乾燥用排出水位が検出されると、前記排水ポンプを作動させて、その乾燥用排出水位の湯水を排出する乾燥用排水運転を繰り返すように構成され、且つ、
前記乾燥処理を開始してからの経過時間が設定乾燥処理時間になると、前記乾燥処理を停止するように構成されているものであって、その第1特徴構成は、
前記制御手段が、前記乾燥用排水運転にて前記洗浄空間の底部に貯留される湯水を排出した後、前記乾燥用排出水位検出手段にて前記乾燥用排出水位が再び検出されるまでの水位到達時間に応じて、前記設定乾燥処理時間を変更設定するように構成されている点を特徴とする。
【0012】
すなわち、制御手段が、乾燥用排水運転にて洗浄空間の底部に貯留される湯水を排出した後、乾燥用排出水位検出手段にて乾燥用排出水位が再び検出されるまでの水位到達時間を計測して、その水位到達時間に応じて、設定乾燥処理時間を変更設定することになる。
つまり、水位到達時間が長くなるほど、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が少ないものであるから、水位到達時間が長くなるときには、水位到達時間が短いときよりも、設定乾燥処理時間を長くするように変更設定することになる。
【0013】
このように、水位到達時間に応じて、設定乾燥処理時間を変更設定することにより、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が少ないときには、設定乾燥処理時間を長くすることができるため、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が低下したときにも、被乾燥処理物に対する乾燥を適切に行うことができる。
【0014】
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が低下しても、洗浄対象物の乾燥を適切に行うことができる食器洗浄機を提供できる。
【0015】
本発明の第2特徴構成は、上記した第1特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記水位到達時間が予め設定した標準到達時間以内であれば、予め設定した標準処理時間を、前記設定乾燥処理時間に設定し、かつ、前記水位到達時間が前記標準到達時間よりも長いときには、前記水位到達時間と前記標準到達時間との比を、前記標準処理時間に乗じて求めた時間を、前記設定乾燥処理時間に設定するように構成されている点を特徴とする。
【0016】
すなわち、制御手段が、水位到達時間が予め設定した標準到達時間以内であれば、予め設定した標準処理時間を、設定乾燥処理時間に設定することになり、そして、水位到達時間が標準到達時間よりも長いときには、水位到達時間と標準到達時間との比を、標準処理時間に乗じて求めた時間を、設定乾燥処理時間に設定することになる。
【0017】
つまり、水位到達時間が予め設定した標準到達時間以内であれば、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が適正であるとして、予め設定した標準処理時間を、設定乾燥処理時間に設定する。
そして、水位到達時間が標準到達時間よりも長いときには、湯水供給源から除湿部への湯水供給路中の配管の詰まりや、水道水圧の低下等によって、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が不足している状態であるとして、水位到達時間と標準到達時間との比を、標準処理時間に乗じて求めた時間を、設定乾燥処理時間に設定するのである。
【0018】
このように、水位到達時間が標準到達時間よりも長いときには、水位到達時間と標準到達時間との比を、標準処理時間に乗じて求めた時間を、設定乾燥処理時間に設定するものであるから、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が低下しているほど、設定乾燥処理時間を長く設定できるため、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が低下している状態において、その低下量の多少に拘わらず、被乾燥処理物に対する乾燥を適切に行うことができる。
【0019】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が低下している状態において、その低下量の多少に拘わらず、洗浄対象物の乾燥を適切に行うことができる食器洗浄機を提供できる。
【0020】
本発明の第3特徴構成は、上記した第1又は第2特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記水位到達時間が予め設定した異常判定時間よりも長いときには、メンテナンスが必要であることを報知する報知処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0021】
すなわち、制御手段が、水位到達時間が予め設定した異常判定時間よりも長いときには、報知処理を実行して、メンテナンスが必要であることを報知することになる。
つまり、異常判定時間として、除湿部に供給する除湿用湯水の単位時間当たりの供給量が、メンテナンスを必要とする程度まで異常に低下しているときに対応する時間を定めておくことにより、メンテナンスを適切に行わせることができるのである。
【0022】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記した第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、メンテナンスを適切に行わせることができる食器洗浄機を提供できる。
【0023】
本発明の第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記洗浄空間に貯留される湯水の水位が前記乾燥用排出水位よりも高い洗浄用水位であることを検出する洗浄用水位検出手段が設けられ、
前記制御手段が、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、前記洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留して洗浄及びすすぎを行うべく、前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記洗浄処理及び前記すすぎ処理の後で、前記洗浄空間内に貯留された湯水を排出すべく、前記排水ポンプを作動させる洗浄用排水運転を実行するように構成され、且つ、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、前記洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留するときに、前記乾燥用排出水位検出手段が前記乾燥用排出水位を検出することなく、前記洗浄用水位検出手段が前記洗浄用水位を検出した場合には、前記乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態であると判別して、その故障状態を判別した後の前記乾燥処理において、前記乾燥用排水運転を、前記排水ポンプを作動させて、前記洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出したのち、設定故障用インターバル時間が経過すると、再び排水ポンプをさせて、前記洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出する形態で実行し、かつ、設定故障用運転時間を、前記設定乾燥処理時間に設定するように構成されている点を特徴とする。
【0024】
すなわち、制御手段が、洗浄用水位の湯水を洗浄空間内に貯留して洗浄及びすすぎを行う形態で、洗浄処理及びすすぎ処理を行い、洗浄処理及び前記すすぎ処理の後で、洗浄空間内に貯留された湯水を排出すべく、排水ポンプを作動させる洗浄用排水運転を行うことになる。
【0025】
また、制御手段が、洗浄処理及びすすぎ処理において、洗浄用水位の湯水を洗浄空間内に貯留するときに、乾燥用排出水位検出手段が乾燥用排出水位を検出することなく、洗浄用水位検出手段が前記洗浄用水位を検出した場合には、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態であると判別することになる。
【0026】
そして、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態であると判別すると、制御手段が、その故障状態を判別した後の乾燥処理において、乾燥用排水運転を、排水ポンプを作動させて、洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出したのち、設定故障用インターバル時間が経過すると、再び排水ポンプを作動させて、洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出する形態で実行することになり、また、設定故障用運転時間を、設定乾燥処理時間に設定して、設定故障用運転時間が経過すると、乾燥処理を停止することになる。
【0027】
このように、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態であると判別されたときには、乾燥用排水運転が、排水ポンプを作動させて、洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出したのち、設定故障用インターバル時間が経過すると、再び排水ポンプを作動させて、洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出する形態で実行され、且つ、設定乾燥処理時間として、設定故障用運転時間が設定されるものであるから、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態においても、乾燥処理を継続して実行できるため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0028】
ちなみに、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態と判別したときには、乾燥用排出水位検出手段を点検修理するメンテナンスを促すための報知処理を行って、乾燥用排出水位検出手段を、正常な状態に復帰させるようにすることになる。
【0029】
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、上記した第1〜第3特徴構成による作用効果に加えて、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態において、乾燥処理を実行できるようにして、使い勝手を向上させることができる食器洗浄機を提供できる。
【0030】
本発明の第5特徴構成は、上記した第4特徴構成に加えて、
前記制御手段が、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、前記洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留するときに、前記乾燥用排出水位検出手段が前記乾燥用排出水位を検出したのち、前記洗浄用水位検出手段が前記洗浄用水位を検出した場合には、その後の乾燥処理にて計測する前記水位到達時間を、正常時水位到達時間として記憶して、その正常時水位到達時間を、前記設定故障用インターバル時間に設定するように構成されている点を特徴とする。
【0031】
すなわち、制御手段が、洗浄処理及びすすぎ処理において、洗浄用水位の湯水を洗浄空間内に貯留するときに、乾燥用排出水位検出手段が乾燥用排出水位を検出したのち、洗浄用水位検出手段が洗浄用水位を検出した場合には、その後の乾燥処理にて計測する水位到達時間を、正常時水位到達時間として記憶することになる。
【0032】
そして、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態であると判別したときには、制御手段が、記憶している正常時水位到達時間を、乾燥用排水運転において排水ポンプを作動させるための設定故障用インターバル時間に設定することになる。
つまり、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態であると判別したときの乾燥用排水運転が、排水ポンプを作動させて、洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出したのち、正常時水位到達時間が経過すると、再び排水ポンプを作動させて、洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出する形態で実行されることになる。
【0033】
正常時水位到達時間は、乾燥用排出水位検出手段が正常である状態において、乾燥用排水運転にて洗浄空間の底部に貯留される湯水を排出した後、乾燥用排出水位検出手段にて乾燥用排出水位が再び検出されるまでの水位到達時間に相当するものであるから、設定故障用インターバル時間として、正常時水位到達時間に設定することにより、排水ポンプを作動させて、洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出したのち、再び、洗浄空間の底部に乾燥用排出水位の湯水が貯留された時点において、排水ポンプを作動させることができるため、洗浄空間の底部に乾燥用排出水位の湯水が貯留された時点ごとの適正なタイミングにて、排水ポンプを適切に作動させることができる。
【0034】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、上記した第4特徴構成による作用効果に加えて、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態において、洗浄空間の底部に乾燥用排出水位の湯水が貯留された時点ごとの適正なタイミングにて、排水ポンプを適切に作動させることができる食器洗浄機を提供できる。
【0035】
本発明の第6特徴構成は、上記した第4特徴構成に加えて、
前記制御手段が、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、前記洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留するまでの経過時間を貯留時間として記憶して、その貯留時間と予め設定した標準貯留時間との比を、予め設定した標準インターバル時間に乗じた時間を、前記設定故障用インターバル時間に設定するように構成されている点を特徴とする。
【0036】
すなわち、制御手段が、洗浄処理及びすすぎ処理において、洗浄用水位の湯水を洗浄空間内に貯留するまでの経過時間を貯留時間として記憶する。
そして、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態であると判別したときには、制御手段が、記憶している貯留時間と予め設定した標準貯留時間との比を、予め設定した標準インターバル時間に乗じた時間を、乾燥用排水運転において排水ポンプを作動させるための設定故障用インターバル時間に設定することになる。
【0037】
つまり、標準貯留時間として、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する上水道等の湯水供給源の水圧が標準的な圧力であるときに、洗浄処理及びすすぎ処理において、洗浄用水位の湯水を洗浄空間内に貯留するまでの経過時間を定めておき、また、標準インターバル時間として、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する上水道等の湯水供給源の水圧が標準的な圧力であるときの乾燥運転において、洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出したのち、再び、洗浄空間の底部に乾燥用排出水位の湯水が貯留されるまでの経過時間を定めるようにしておけば、記憶している貯留時間と予め設定した標準貯留時間との比を、予め設定した標準インターバル時間に乗じた時間は、乾燥運転において、洗浄用空間の底部に貯留されている湯水を排出したのち、再び、洗浄空間の底部に乾燥用排出水位の湯水が貯留されるまでの経過時間であって、しかも、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する湯水供給源の現在の圧力に合わせた状態の経過時間に相当する時間となる。
【0038】
したがって、記憶している貯留時間と予め設定した標準貯留時間との比を、予め設定した標準インターバル時間に乗じた時間を、乾燥用排水運転において排水ポンプを作動させるための設定故障用インターバル時間に設定することによって、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態において、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する湯水供給源の水圧の変動に拘わらず、洗浄空間の底部に乾燥用排出水位の湯水が貯留されることが予測される時点ごとの適正なタイミングにて、排水ポンプを適切に作動させることができるものとなる。
【0039】
要するに、本発明の第6特徴構成によれば、上記した第4特徴構成による作用効果に加えて、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態において、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する湯水供給源の水圧の変動に拘わらず、洗浄空間の底部に乾燥用排出水位の湯水が貯留されることが予測される時点ごとの適正なタイミングにて、排水ポンプを適切に作動させることができる食器洗浄機を提供できる。
【0040】
本発明の第7特徴構成は、上記第4〜第6特徴構成のいずれかに加えて、
前記制御手段が、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、前記洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留するときに、前記乾燥用排出水位検出手段が前記乾燥用排出水位を検出したのち、前記洗浄用水位検出手段が前記洗浄用水位を検出した場合には、その後の乾燥処理にて計測する前記水位到達時間を、正常時水位到達時間として記憶して、その正常時水位到達時間と予め設定した標準水位到達時間との比を、予め設定した標準処理時間に乗じて求めた時間を、前記設定故障用運転時間として、前記設定乾燥処理時間に設定するように構成されている点を特徴とする。
【0041】
すなわち、制御手段が、洗浄処理及びすすぎ処理において、洗浄用水位の湯水を洗浄空間内に貯留するときに、乾燥用排出水位検出手段が乾燥用排出水位を検出したのち、洗浄用水位検出手段が洗浄用水位を検出した場合には、その後の乾燥処理にて計測する水位到達時間を、正常時水位到達時間として記憶することになる。
【0042】
そして、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態であると判別したときには、制御手段が、記憶している正常時水位到達時間と予め設定した標準水位到達時間との比を、予め設定した標準処理時間に乗じて求めた時間を、設定故障用運転時間として、設定乾燥処理時間に設定することになる。
【0043】
つまり、標準水位到達時間として、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する上水道等の湯水供給源の水圧が標準的な圧力であるときの乾燥処理において、乾燥用排水運転にて洗浄空間の底部に貯留される湯水を排出した後、乾燥用排出水位検出手段にて乾燥用排出水位が再び検出されるまでの水位到達時間に相当する時間を定めておき、また、標準処理時間として、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する上水道等の湯水供給源の水圧が標準的な圧力であるときの乾燥処理において、洗浄対象物を乾燥するのに必要とする時間を定めておけば、記憶している正常時水位到達時間と予め設定した標準水位到達時間との比を、予め設定した標準処理時間に乗じて求めた時間は、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する湯水供給源の現在の圧力に合わせた状態の時間に相当する時間となる。
【0044】
したがって、記憶している正常時水位到達時間と予め設定した標準水位到達時間との比を、予め設定した標準処理時間に乗じて求めた時間を、設定故障用運転時間として、設定乾燥処理時間に設定することによって、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態において、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する湯水供給源の水圧の変動に拘わらず、洗浄対象物を適正に乾燥することが予測される設定乾燥処理時間を設定できるものとなる。
【0045】
要するに、本発明の第7特徴構成によれば、上記した第4〜第6特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、乾燥用排出水位検出手段が異常である故障状態において、洗浄空間や除湿部に湯水を供給する湯水供給源の水圧の変動に拘わらず、洗浄対象物を適正に乾燥することができる食器洗浄機を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
〔実施形態〕
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、前面部が開口された本体ケース部としての本体部1が設けられ、平面視形状が四角状の洗浄槽Dを備えた引出し部2が、本体部1に対して、水平方向に沿って引出し及び収納自在に設けられて、食器洗浄機の一例としての引出し式の食器洗浄機が構成されている。
尚、例示はしないが、引出し部2を本体部1に対して移動自在に支持するスライド式レール機構が設けられており、引出し部2が、その大部分を本体部1の外方に露出させる状態に引き出すことができるように構成されている。
【0048】
そして、引出し部2を本体部1に収納した状態において洗浄槽Dの上面部を閉塞する内蓋部3が、引出し部2を本体部1から引き出した状態では洗浄槽Dの上面部を開口するように、引出し部2の引き出し及び収納に伴って自動的に開閉される形態で設けられており、洗浄槽Dの内部空間にて、開閉自在な洗浄空間Qが構成されている。
尚、
図2に示すように、本体部1の底部には、漏水受止め用のドレンパン14が配備されており、例示はしないが、このドレンパン14にて受止め回収された水の存否を検出する漏水センサが装備されることになる。
【0049】
引出し部2の前面部には、本体部1の前面部の開口を開閉する扉体Aが設けられ、その扉体Aには、引出し部2を本体部1から引き出すときや収納するときに把持するための把持部Bが設けられている。尚、詳述はしないが、把持部Bの内方側箇所には、引出し部2を本体部1に収納するに伴って本体部1の係止部Paに係合する係合手段Pが設けられており、この係合手段Pが係止部Paに係合することにより、引出し部2を本体部1に収納した状態に保持するようになっている。そして、係合手段Pは、引出し部2を本体部1から引き出すときに把持部Bを支持する手指にて、係合を解除する解除状態に操作できるようになっている。
また、扉体Aには、運転のための各種操作を行う操作部SSが設けられている。
【0050】
図3に示すように、上水道等の湯水供給源に接続された給水路4A、その給水路4Aから分岐される洗浄槽用分岐路4B、及び、給水路4Aから分岐される除湿用分岐路4Cが設けられている。
洗浄槽用分岐路4Bは、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に洗浄及びすすぎのための湯水を供給する給水口5(
図2参照)に接続され、除湿用分岐路4Cは、洗浄槽Dの前側壁部Dfに装備される後述の除湿部Gに接続されている。
【0051】
そして、給水路4Aを開閉する第1開閉弁V1と、洗浄槽用分岐路4Bを開閉する第2開閉弁V2と、除湿用分岐路4Cに装備されて、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2の開き状態において、その除湿用分岐路4Cを通流する湯水の通流量が洗浄槽用分岐路4Bを通流する湯水の通流量よりも少なくなるように制限する定流量弁V3とが設けられ、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2、及び、定流量弁V3から、給水口5への湯水供給の断続と前記除湿部Gへの湯水供給の断続とを行う湯水断続手段Eが構成されている。
【0052】
つまり、洗浄空間Qに湯水を供給するときには、第1開閉弁V1、及び、第2開閉弁V2が開かれることになり、除湿部Gだけに湯水を供給するときには、第1開閉弁V1が開かれ、第2開閉弁V2が閉じられることになる。
尚、第1開閉弁V1には、洗浄槽用分岐路4Bを通流する湯水の通流量を、除湿用分岐路4Cを通流する湯水の通流量(例えば、200ml/分)よりも十分に多い通流量ではあるものの、過大な通流量となることを抑制すべく制限する定流量弁V4が、一体的に組み込まれる状態で装備されている。
【0053】
また、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2、及び、定流量弁V3が、本体部1の背部側箇所に配設され、洗浄槽用分岐路4Bにおける第2開閉弁V2と給水口5とを接続する部分が、可撓性ホースR1にて構成され、除湿用分岐路4Cにおける定流量弁V3と除湿部Gとを接続する部分が、可撓性ホースR2にて構成されている。
【0054】
また、
図2及び
図3に示すように、引出し部2における洗浄槽Dの底部下方には、正転で洗浄用ポンプとして機能し、逆転で排水用ポンプとして機能する兼用ポンプ6が設けられ、洗浄槽Dの洗浄空間Qの内部には、洗浄用ノズル8や加熱手段としての電気式の加熱ヒータ9などが配置され、さらに、食器などの洗浄対象物を収納載置する洗浄かご10が、洗浄槽Dの内部に着脱自在に装着されている。
【0055】
兼用ポンプ6は、洗浄槽Dの底部に形成した水貯留用凹部Sに、吸引管11にて接続され、かつ、この兼用ポンプ6には、排水管12が接続されている。
つまり、兼用ポンプ6は、正転状態においては、洗浄空間Qの底部に貯留した湯水を洗浄用ノズル8に圧送して、洗浄用ノズル8から湯水を噴出させることになり、また、逆転状態においては、排水管12を通して、洗浄空間Q内に貯留されている湯水を外部に排出することになる。
【0056】
排水管12が、引き出し部2の背部に延びる状態で装備され、その排水管12の先端部と、本体部1の背部側箇所に配設された排水トラップ12Bとが、排水ホース12Aにて接続され、そして、排水トラップ12Bには、外部接続ホース12Cが接続されている。
したがって、外部接続ホース12Cが、食器洗浄機を設置する箇所に装備されている設置箇所の排水管に接続されることにより、洗浄空間Qの湯水を外部に排水できるようになっている。
尚、設置箇所の排水管が低位置に配備される場合には、外部接続ホース12Cは、水平方向に伸びる姿勢で配置されることになるが、設置箇所の排水管が高位置に配備される場合には、外部接続ホース12Cは、上方に向けて伸びる姿勢で配置されることになる。
【0057】
また、
図3に示すように、水貯留用凹部Sには、連通路としての案内管13を介して水位検出センサJが接続されている。
この水位検出センサJは、後述の如く、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2(
図7参照)であること、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が、洗浄空間Qから大部分の湯水を排出した状態に相当して、加熱ヒータ9が露出する程度に低い湯水排出水位Y1a(
図6参照)であること、洗浄槽D内に貯留される湯水が洗浄用水位Y2より設定量高い異常水位Y3(
図8参照)であること、及び、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が、上記湯水排出水位Y1aよりも少し高くて、加熱ヒータ9が露出する程度に低い乾燥用排出水位Y1b(
図6参照)を検出するように構成されている。
【0058】
つまり、水位検出センサJは、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2であることを検出する洗浄用水位検出手段、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2よりも低い湯水排出水位Y1aであることを検出する湯水排出水位検出手段、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2よりも低くかつ湯水排出水位Y1aよりも少し高い乾燥用排出水位Y1bであることを検出する乾燥用排出水位検出手段、及び、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が異常水位Y3であることを検出する異常水位検出手段の夫々を構成することになる。
【0059】
尚、本実施形態においては、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2が検出されるときには、洗浄空間Qには2.4L(リットル)の湯水が貯留され、その状態から湯水を排出して湯水排出水位Y1aが水位検出センサJにて検出されたときには、洗浄空間Qには0.9L(リットル)に相当する湯水が残存する(貯留される)状態となる。
【0060】
図2及び
図3に示すように、洗浄槽Dの前側壁部Dfには、乾燥ユニットKが取り付けられている。
つまり、前側壁部Dfには、
図4にも示すように、乾燥ユニットKからの空気を洗浄空間Qに供給する空気供給口21、及び、乾燥ユニットKが洗浄空間Q内の空気を吸引する空気吸引口22が、洗浄空間Qの下位側に相当する箇所でかつ左右両側に離れた位置に形成されている。具体的には、空気供給口21及び空気吸引口22は、洗浄かご10よりも下方側でかつ上述の水貯留用凹部Sよりも上方側に位置するように形成され、そして、本実施形態においては、空気供給口21を右側に、且つ、空気吸引口22を左側に位置させている。
【0061】
乾燥ユニットKは、
図3に示すように、洗浄槽Dの前側壁部Dfに止着されるケーシング20の内部に、空気吸引口22と空気供給口21とに亘る通風経路Fを通して洗浄空間Qの空気を循環させる通風手段としての循環ファン23、及び、通風経路Fを通して循環される空気を除湿する上述の除湿部Gを備えて構成されている。
通風経路Fは、空気吸引口22から上方側に伸びる上昇経路部分f1とその上昇経路部分f1の上端部から空気供給口21に向けて下方側に伸びる下降経路部分f2とからなる逆U字状に形成されており、上昇経路部分f1に、除湿部Gが配設され、下降経路部分f2に、循環ファン23が配設されている。
【0062】
除湿部Gは、複数枚の伝熱板24を板厚方向に沿って間隔を隔てて並置して、それら伝熱板24に向けて除湿用の湯水を噴出ノズル25から噴出することによって、複数枚の伝熱板24の間を通して上方に向けて流動する空気を、伝熱板24の表面を流下する除湿用水との接触及び伝熱板24の間を流下する除湿用水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿するように構成されている。
尚、噴出ノズル25から噴出された除湿用の湯水及び凝縮された湯水は、空気吸引口22を通して洗浄槽Dの洗浄空間Q内に流動して水貯留用凹部Sに貯留されることになる。
【0063】
そして、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23を通風作動させ且つ噴出ノズル25から除湿用の湯水を噴出させることにより、洗浄空間Qから吸引した空気を除湿部Gにて除湿したのち、乾燥用の空気として洗浄空間Qに供給し、その供給された空気を電気式の加熱ヒータ9にて加熱することにより、洗浄空間Q内の洗浄対象物を乾燥する乾燥運転を行えるように構成されている。
【0064】
また、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせることにより、洗浄空間Qから吸引した空気中の臭気成分を除湿部Gにて除湿用水に吸収させたのち、洗浄空間Qに供給することにより、洗浄空間Qを消臭する消臭運転を行えるように構成されている。
【0065】
乾燥運転における空気の流れについて説明を加えると、
図4に示すように、洗浄槽Dの前側壁部Dfに形成した空気供給口21から洗浄空間Qに供給される空気は、主たる流れとして、上昇しながら背部側に向けて流動し、その後、前側壁部Dfにおける下方側で且つ空気供給口21とは左右方向で離れた位置に形成した空気吸引口22に向けて下方側に移動しながら流動して、空気吸引口22から排出される形態で流れることになり、洗浄槽内における空気吸引口22が位置する側の下方側の部分にも、空気が流動し易いものとなるのである。
したがって、洗浄槽内の洗浄対象物の全体に空気を通流させて、洗浄対象物を効率良く乾燥することにより、乾燥時間の短縮化を図ることができるものとなる。
【0066】
図3に示すように、引出し部2には、運転を制御する制御手段としての制御部Hが装備されている。
そして、この制御部Hが、
図9に示すように、操作部SSにて入力される指令に基づいて、兼用ポンプ6を駆動する直流モータ6a、電気式の加熱ヒータ9、循環ファン23、及び、湯水断続手段Eの作動を制御して、洗浄槽Dの内部にて形成される洗浄空間Qの洗浄対象物を洗浄する洗浄処理としての洗浄運転、洗浄対象物のすすぎを行うすすぎ処理としてのすすぎ運転、洗浄槽Dの洗浄空間Qに貯留された湯水を排水する排水処理としての排水運転、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせる乾燥処理としての乾燥運転、及び、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせる消臭処理としての消臭運転を行うように構成されている。
【0067】
図9において、6Aは、兼用ポンプ6を駆動する直流モータ6aに印加する駆動電圧を調整する直流モータ駆動回路であり、直流モータ6aに印加する駆動電圧の正負の向きを、制御部Hから指令される回転方向指令に応じて設定し、かつ、直流モータ6aに印加する駆動電圧の大きさを、制御部Hから指令される指令電圧に調整するように構成されている。
つまり、直流モータ駆動回路6Aは、直流モータ6aに印加する駆動電圧の正負を切換えることにより、直流モータ6aを正転又は逆転状態で駆動し、かつ、正転駆動状態及び逆転駆動状態の夫々において、直流モータ6aに印加する駆動電圧の大きさを調整することにより、兼用ポンプ6の回転速度を変更できるように構成されている。
【0068】
そして、本実施形態においては、制御部Hが、兼用ポンプ6の回転速度を検出する回転速度検出手段としての回転速度センサMの検出情報に基づいて、兼用ポンプ6を目標回転速度にて、正転及び逆転駆動すべく、直流モータ6aに供給する駆動電圧を比例積分制御により求めて、その駆動電圧を指令電圧として、直流モータ駆動回路6Aに指令する回転速度調整処理(以下、FB制御と略称)を実行するように構成されている。
【0069】
又、
図9において、L1は、操作部SSに設けた警報ランプ、L2は、操作部SSに内蔵した警報ブザー、L3は、操作部SSに設けた表示部であり、これら警報ランプL1、警報ブザーL2、及び、表示部L3が、異常が発生したときに警報作動する警報手段Lとして機能することになる。ちなみに、表示部L3には、発生した異常の内容に対応するコードが表示されることになる。
尚、
図9において、Nは、引出し部2が本体部1の収納位置に収納されたことを検出する収納スイッチ、9Aは、加熱ヒータ9の駆動回路、23Aは、循環ファン23の駆動電圧を調整する駆動ファン駆動回路である。
【0070】
次に、制御部Hが実行する運転について説明を加える。
尚、操作部SSにより、洗浄運転、すすぎ運転、乾燥運転、消臭運転の順に運転させる連続運転コースや、乾燥運転のみ運転させる乾燥のみコースなど各種の運転コースを選択できるように構成され、さらに、連続運転コースとして、標準運転コース、念入り運転コース、スピーディ運転コース、快速運転コースを選択できるように構成されているが、本実施形態においては、連続コースの標準運転コースについてのみ説明する。
【0071】
図10のフローチャートに基づいて、制御部Hの制御作動について説明する。
先ず、収納スイッチNにより、引出し部2が本体部1の収納位置に収納されることが検出され(#1)、操作部SSの電源スイッチがON操作され(#2)、運転コースの選択が行われ(#3)、操作部SSのスタートスイッチがON操作されると(#4)、選択された運転コースが実行されることになる。
【0072】
以下、連続コースの標準運転コースが選択されて、操作部SSのスタートスイッチがON操作された場合であるとして、説明を続ける。
操作部SSスタートスイッチがON操作された後は、先ず、洗浄運転(#5)、その洗浄運転後の排水運転(#6)が実行され、次に、すすぎ運転(#7)、そのすすぎ運転後の排水運転(#8)が実行される。そして、すぎ運転が2回終了したか否かが判別されて(#9)、2回終了していない場合には、すすぎ運転(#7)、そのすすぎ運転後の排水運転(#8)が再び実行される。
【0073】
#9にて、すすぎ運転が2回終了したと判別した場合には、加熱すすぎ運転(#10)、その加熱すすぎ運転後の排水運転(#11)が実行され、引き続き、乾燥運転(#12)、消臭運転(#13)が順次実行される。
【0074】
洗浄運転は、先ず、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開弁して、給水路4A及び洗浄槽用分岐路4Bを通して給水口5から洗浄空間Q内に湯水を供給することに加えて、除湿用分岐路4Cを通して除湿部Gに湯水を供給して、その除湿部Gから空気吸引口22を通して洗浄空間Q内に湯水を供給する。そして、洗浄空間Qの水位が洗浄用水位Y2に達したことが水位検出センサJにて検出されると、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じて、洗浄空間Qへの湯水の供給を停止する。
【0075】
その後、兼用ポンプ6を正転作動させ且つ加熱ヒータ9を作動させて、洗浄水を洗浄用ノズル8から洗浄対象物に向けて噴出する洗浄動作を、設定された洗浄用運転時間が経過するまで行うことになる。
尚、使用者が操作部SSのスタートスイッチをON操作する前に洗浄用洗剤を洗浄槽D内に投入しておくことにより、洗剤を用いた洗浄を行うことができる。
【0076】
洗浄運転後の排水運転は、兼用ポンプ6を逆転作動させ、洗浄槽D内の湯水を排水する排水動作を開始し、その後、洗浄排水用の設定時間(例えば、30秒)が経過するまで、排水動作を継続して行うことになる。
【0077】
すすぎ運転は、上述の洗浄運転と同様に、洗浄空間Qに湯水を供給して、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2が検出されると、湯水の供給を停止することになる。
その後、兼用ポンプ6および加熱ヒータ9を作動させて、加熱ヒータ9にて加熱されたすすぎ水により洗浄対象物をすすぐことになるすすぎ動作を、設定されたすすぎ運転時間が経過するまで行うことになる。
【0078】
すすぎ運転後の排水運転は、洗浄運転後の排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて、洗浄槽D内の湯水を排水する排水動作を、洗浄排水用の設定時間(例えば、30秒)が経過するまで、継続して行うことになる。
【0079】
加熱すすぎ動作は、上述の洗浄運転と同様に、洗浄空間Qに湯水を供給して、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2が検出されると、湯水の供給を停止することになる。
その後、兼用ポンプ6および加熱ヒータ9を作動させて、加熱ヒータ9にて加熱されたすすぎ水により洗浄対象物をすすぐようにするすすぎ動作を行うことになり、そして、図外の温度センサにより、すすぎ水の温度が仕上げ用設定温度(例えば、67℃)になると、加熱すすぎ動作を終了することになる。
【0080】
加熱すすぎ運転後の排水運転は、洗浄運転後の排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて、洗浄排水用の設定時間(例えば、30秒)が経過するまで、継続して行うことになる。
【0081】
ちなみに、以下の説明においては、洗浄運転後の排水運転、すすぎ運転後の排水運転、及び、加熱すすぎ運転後の排水運転を、洗浄用排水運転と呼称する。
【0082】
乾燥運転は、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせることになり、その状態を設定乾燥処理時間(例えば、25分)が経過するまで継続させる。
そして、乾燥運転中において、水位検出センサJにて上述した乾燥用排出水位Y1bであることが検出されると、乾燥用排水運転を行うことになる。
この乾燥用排水運転は、兼用ポンプ6を逆転作動させて排水する排水動作を、乾燥排水用の設定時間(例えば、15秒)が経過するまで行うことになる。
【0083】
ちなみに、設定乾燥処理時間は、後述の如く、変更設定されることがあり、又、水位検出センサJが、乾燥用排出水位Y1bを検出できない故障を生じた場合には、後述の如く、乾燥用排水運転が、設定故障用インターバル時間に基づいて、繰り返し行われることになる。
【0084】
消臭運転は、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25の除湿用水の噴出作動を行わせることになり、その状態を消臭用設定時間(例えば、15分)が経過するまで行う。
そして、消臭運転中において、乾燥運転の場合と同様に、水位検出センサJにて乾燥用排出水位Y1bが検出されると、消臭用排水運転を行うことになる。
この消臭用排水運転は、乾燥用排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて排水する排水動作を、水位検出センサJにて湯水排出水位Y1aが検出されてから消臭排水用の設定時間(例えば、15秒)が経過するまで継続して行うことになる。
【0085】
ちなみに、本実施形態においては、水位検出センサJが、乾燥用排出水位Y1bを検出できない故障を生じた場合には、消臭用排水運転が省略されるように構成されている。
【0086】
本実施形態の食器洗浄機においては、
図2及び
図3に示すように、閉じた状態の洗浄空間Qの内部圧が機外圧となるように自動調整する圧力調整手段Wが設けられている。
すなわち、例えば、洗浄処理において、電気式の加熱ヒータ9を加熱させたときには洗浄空間Q内の温度はかなりの高温(例えば67℃)になる。その後、洗浄水が排出されて、すすぎ処理のためにすすぎ水が洗浄空間Qに供給され、そのすすぎ水が兼用ポンプ6の作動により洗浄用ノズル8より噴出されることになるが、そのすすぎ水の温度は低温(例えば13〜17℃)である。このため、低温のすすぎ水が洗浄用ノズル8から噴出されると、洗浄空間Q内の温度が急激に低下するものとなり、その結果、洗浄空間Q内の多量の空気が急激に収縮し、洗浄空間Qの内部圧が大きく減少しようとすることがあるが、このようなときには、圧力調整手段Wの作用によって、洗浄空間Qの内部圧が機外圧となるように自動調整されることになる。
【0087】
圧力調整手段Wは、洗浄槽Dの後側壁部DRに形成した連通孔32(
図3参照)を通して、洗浄槽D内の洗浄空間Qと連通して、洗浄空間Q内の圧力を調整するように構成されるものであるが、本実施形態においては、その詳細な構成についての説明は省略する。
尚、圧力調整手段Wには、結露水が生じることがあるが、その結露水が水位検出センサJを介して、洗浄槽Dに回収されるように構成されている。
【0088】
次に、水位検出センサJについて、
図5〜
図8に基づいて説明する。
上述の案内管13にて洗浄槽D内の湯水が導入される水位検出用の湯水貯留槽40と、湯水貯留槽40の内部に装備されて、その湯水貯留槽40に貯留される湯水の水位に応じて昇降する水位検出用のフロート41と、フロート41の本体部41Aから上方に延びる軸部41Bを昇降自在に案内する案内部Uと、湯水貯留槽40の上端よりも上方側箇所に位置されて、フロート41の上下2つの昇降位置を検出する一対の第1水位検出部T1及び第2水位検出部T2とが設けられている。
【0089】
湯水貯留槽40は、横断面形状が4角形状の有底筒状に形成されるものであって、その底部には、上述した案内管13が接続される連結用筒部40Cが形成され、そして、上部に外嵌される蓋体42にて、その上方開口が覆われるようになっている(
図5参照)。
【0090】
ちなみに、湯水貯留槽40の上端側部分は、洗浄水受け入れ部40A、及び、圧力調整手段Wからの結露水を受け止める結露水受け部40Bが、外方に突出状態で設けられ、蓋体42が、洗浄水受け入れ用の貯留部40A及び結露水受け部40Bを覆う状態に形成され、そして、蓋体42における結露水受け部40Bを覆う部分には、圧力調整手段Wとの連結用の開口部Vkが形成されている。
尚、洗浄水受け入れ部40Aの機能については後述する。
【0091】
フロート41の上下2つの昇降位置は、上述の洗浄用水位Y2を検出するための昇降位置(
図7参照)と、上述の湯水排出水位Y1aを検出するための昇降位置(
図6参照)とであり、第1水位検出部T1が、高位側の洗浄用水位Y2を検出する昇降位置にフロート41が位置することを検出し、第2水位検出部T2が、低位側の湯水排出水位Y1aを検出する昇降位置にフロート41が位置することを検出するように構成されている。
【0092】
第1水位検出部T1及び第2水位検出部T2が、フォトインタラプタ式の光センサを用いて構成され、第1水位検出部T1が、蓋体42の上部に突設した第1センサ取付け部42aに装着され、第2水位検出部T2が、蓋体42の上部に突設した第2センサ取付け部42bに装着されている。
尚、
図5〜8においては、水位検出センサJの内部構造を示すために、湯水貯留槽40及び蓋体42の一部の記載が省略されている。そして、第1センサ取付け部42aは、蓋体42における記載が省略されている部分に装着されるものであるため、図示できないものであるが、
図6において、2点鎖線(仮想線)にて示している。
【0093】
また、蓋体42には、上述した異常水位を検出する異常水位検出用の電極43が、上端側を蓋体42の上方に位置させ、且つ、下端側を湯水貯留槽40内に突出させる状態で設けられている。
つまり、異常水位検出用の電極43は、湯水貯留槽40の水位が第1水位検出部T1及び第2水位検出部T2のうちの高水位側の第1水位検出部T1にて検出される洗浄用水位Y2よりも設定量高くなったときに湯水貯留槽40に貯留される湯水にて導通される状態で、蓋体42に装備されている(
図8参照)。
【0094】
フロート41の軸部41Bが、フロート41が複数の昇降位置のうちの低水位側の昇降位置に位置する状態において、つまり、湯水排出水位Y1aを検出するための昇降位置に位置する状態において、その上端部を湯水貯留槽40の上端よりも下方に位置させる長さに形成されている(
図5、
図6参照)。
そして、第1水位検出部T1及び第2水位検出部T2のうちの低水位側の第2水位検出部T2にて検出される被検出部44aを備えた揺動レバー44が、フロート41の軸部41Bの上端部に連係されて上下に揺動する状態で設けられている。
【0095】
説明を加えると、揺動レバー44が、第2センサ取付け部42bに、横軸心X回りで上下揺動自在に枢支され、その横軸心Xの一端側部分が、上述の被検出部44aに形成され、横軸心Xの他端側部分が、軸部41Bとの連係部44bに形成されている。
この連係部44bは、二股状に形成されて、その連係部44bに、軸部41Bの上端が係合されるように構成されている。
つまり、軸部41Bの上端部であって、上端よりも下方側箇所には、左右一対の板状体41aが突設され、軸部41Bの上端には、外れ止め用の突起部41bが左右一対の板状体41aと同方向に突出する状態に形成されている。
そして、揺動レバー44の二股状の連係部44bが、外れ止め用の突起部41bと左右一対の板状体41aの間に挿入し、且つ、軸部41Bの上端が、二股状の連係部44bを貫通する状態となるように構成されている。
【0096】
フロート41が上下の昇降位置のうちの高水位側の昇降位置に位置する状態において、つまり、フロート41が洗浄用水位Y2を検出する状態において、フロート41の軸部41Bが、その上端部を湯水貯留槽40の上端よりも上方に位置させる長さに形成されている(
図7参照)。
そして、上述した一対の板状体41aのうちの、第1水位検出部T1の存在側に突出する1つが、第1水位検出部T1にて検出される被検出部として機能するように構成されている。
【0097】
案内部Uが、軸部41Bの上端部に設けた一対の板状体41aのうちの、第1水位検出部T1にて検出される被検出部として機能するものとは異なる1つを、フロート41の昇降全範囲に亘って係合案内する案内溝として構成されている(
図5参照)。
説明を加えると、湯水貯留槽40の上方開口を覆う蓋体42が、フロート41の軸部41Bの挿通箇所ほど低位となる状態で水貯留槽の上端よりも下方に突出する下向き凹入部分42A、及び、案内部形成用の上方突出部分42Bを備える状態に形成され、案内部Uが、蓋体42における凹入部分42A及び蓋体の上方突出部分42Bに亘る状態で形成されている。
【0098】
尚、例示はしないが、一対の板状体41aのうちの、第1水位検出部T1にて検出される被検出部として機能する板状体41aを、フロート41の昇降方向に沿って係合案内する補助案内溝が備えられているが、この補助案内溝は、第1水位検出部T1の近くまでは存在するものの、被検出部として機能する板状体41aが第1水位検出部T1にて検出される箇所では存在しないものであるため、フロート41の昇降全範囲に亘ってフロート41を案内するものではない。
【0099】
揺動レバー44は、湯水排出水位Y1aに相当する下方側位置に揺動したときに、蓋体42の上面にて受け止められるようになっているため、本実施形態の水位検出センサJは、その検出範囲の最低水位が、湯水排出水位Y1aに相当することになる。
このため、本実施形態の水位検出センサJは、洗浄空間Qの底部に湯水排出水位Y1aよりも少ない湯水が貯留された状態から、湯水排出水位Y1aよりも少し多い湯水が貯留されて、湯水排出水位Y1aを検出する状態から検出しない状態に変化することが、乾燥用排出水位Y1bを検出する状態に相当するように構成されている(
図6参照)。
【0100】
つまり、本実施形態の場合には、水位検出センサJが湯水排出水位Y1aを検出する状態から湯水排出水位Y1aを検出しない状態に変化することをもって、制御部Hが、乾燥用排出水位Y1bの湯水が貯留されたと判別するように構成されている。
【0101】
ちなみに、水位検出センサJの検出可能な範囲の最低水位を、湯水排出水位Y1aよりも低い水位となるように構成する場合には、水位検出センサJが、湯水排出水位Y1aを検出しない状態から湯水排出水位Y1aを検出する状態に変化することをもって、洗浄空間Qの底部に、乾燥用排出水位Y1bに相当する水位の湯水が貯留されたことを検出できることになる。この場合、湯水排出水位Y1aと乾燥用排出水位Y1bとは、同じ水位となる。
【0102】
以上の通り、水位検出センサJは、湯水貯留槽40やフロート41を兼用しながら、上述の如く、洗浄用水位Y2を検出する洗浄用水位検出手段、湯水排出水位Y1aを検出する湯水排出水位検出手段、乾燥用排出水位Y1bを検出する乾燥用排出水位検出手段、及び、異常水位Y3を検出する異常水位検出手段の夫々を構成するものであるが、洗浄用水位Y2は、第1水位検出部T1にて検出するものであるため、以下の記載においては、第1水位検出部T1が、洗浄用水位検出手段に相当するものであるとして説明し、また、乾燥用排出水位Y1bは、第2水位検出部T2にて検出するものであるため、以下の記載においては、第2水位検出部T2が、乾燥用排出水位検出手段に相当するものであるとして説明する。
【0103】
上述の洗浄水受け入れ部40Aについて説明を加えると、
図3に示すように、洗浄用排水運転等の排水運転を行うときに、排水管12を通流する湯水の一部が、分岐管12aを通して、水位検出センサJ側に分岐流動するように構成され、そして、分岐管12aが、洗浄水受け入れ部40Aに設けた管接続部40aに接続されている。
したがって、排水運転を行うときに、兼用ポンプ6にて排水される湯水の一部が洗浄水受け入れ部40Aに流動したのち、湯水貯留槽40の内部に吐出されることにより、湯水貯留槽40の壁面を洗浄できるように構成されている。
【0104】
本実施形態の食器洗浄機は、上述の如く、洗浄運転、すすぎ運転、加熱すすぎ運転、洗浄用排水運転、乾燥運転、及び、消臭運転を行うことによって、洗浄対象物を洗浄及び乾燥するものであるが、上記した構成に加えて、下記の構成を備えるものである。
【0105】
すなわち、制御部Hが、乾燥用排水運転にて洗浄空間Qの底部に貯留される湯水を排出した後、水位検出センサJの第2水位検出部T2にて乾燥用排出水位Y1bが再び検出されるまでの水位到達時間に応じて、設定乾燥処理時間を変更設定するように構成されている。
具体的には、制御部Hが、水位到達時間が予め設定した標準到達時間(例えば5分)以内であれば、予め設定した標準処理時間(例えば、25分)を、設定乾燥処理時間に設定し、かつ、水位到達時間が標準到達時間よりも長いときには、水位到達時間と標準到達時間との比を、標準処理時間に乗じて求めた時間を、設定乾燥処理時間に設定するように構成されている。
【0106】
そして、制御部Hが、水位到達時間が予め設定した異常判定時間(例えば、10分)よりも長いときには、メンテナンスが必要であることを報知する報知処理を実行するように構成されている。
この報知処理は、上述した警報手段Lの警報ランプL1を点灯作動させ、且つ、警報ブザーL2を設定短時間の間作動させ、加えて、表示部L3にて、水位到達時間が異常判定時間よりも長いことを示すエラーコードを表示させることになる。
【0107】
さらに、本実施形態においては、制御部Hが、洗浄処理としての、洗浄運転や、すすぎ処理としての、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転において、洗浄用水位Y2の湯水を洗浄空間Q内に貯留するときに、水位検出センサJの第2水位検出部T2が乾燥用排出水位Y1bを検出することなく、水位検出センサJの第1水位検出部T1が洗浄用水位Y2を検出した場合には、水位検出センサJの第2水位検出部T2が乾燥用排出水位Y1bを検出できない故障状態であると判別するように構成されている。
尚、以下の説明においては、第2水位検出部T2を、乾燥用排出水位検出部T2と呼称する場合がある。
【0108】
第2水位検出部、つまり、乾燥用排出水位検出部T2の故障状態について説明を加えると、本実施形態の場合には、上述の如く、乾燥用排出水位検出部T2が湯水排出水位Y1aを検出する状態から湯水排出水位Y1aを検出しない状態に変化することをもって、制御部Hが、乾燥用排出水位Y1bの湯水が貯留されたと判別するように構成されるものであり、具体的には、乾燥用排出水位検出部T2が、揺動レバー44にて遮光されていることを検出している遮光検出状態から、揺動レバー44にて遮光されないことを検出する非遮光状態に変化すると、乾燥用排出水位Y1bの湯水が貯留されたことを検出するものである。
【0109】
したがって、洗浄運転、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転において、洗浄用水位Y2の湯水を洗浄空間Q内に貯留するときに、その開始時点において、乾燥用排出水位検出部T2が遮光検出状態でないときには、乾燥用排出水位検出部T2が故障状態であると判別することになり、また、その開始時点において、乾燥用排出水位検出部T2が遮光検出状態であっても、その後、水位検出センサJの第1水位検出部T1が洗浄用水位Y2を検出するまでに、乾燥用排出水位検出部T2が遮光検出状態から非遮光状態に変化しないときには、乾燥用排出水位検出部T2が故障状態であると判別することになる。
【0110】
ちなみに、制御部Hは、乾燥用排出水位検出部T2が故障状態であると判別した場合には、上述の如く、消臭運転を実行しないように構成され、かつ、水位検出センサJにおける乾燥用排出水位検出部T2のメンテナンスが必要であることを報知する報知処理を行うことになる。
この報知処理は、水位到達時間が予め設定した異常判定時間よりも長いときに行う報知処理と同様に、上述した警報手段Lの警報ランプL1を点灯作動させ、且つ、警報ブザーL2を設定短時間の間作動させ、加えて、表示部L3にて、水位検出センサJにおける乾燥用排出水位検出部T2が異常であることを示すエラーコードを表示させることになる。
【0111】
そして、制御部Hが、水位検出センサJにおける乾燥用排出水位検出部T2の故障状態を判別した後の乾燥運転において、乾燥用排水運転を、兼用ポンプ6を逆転作動させて、洗浄空間Qの底部に貯留されている湯水を排出したのち、設定故障用インターバル時間が経過すると、再び兼用ポンプ6を逆転作動させて、洗浄空間Qの底部に貯留されている湯水を排出する形態で実行し、かつ、設定故障用運転時間を、設定乾燥処理時間に設定するように構成されている。
【0112】
具体的には、制御部Hが、洗浄処理としての、洗浄運転や、すすぎ処理としての、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転において、洗浄用水位Y2の湯水を洗浄空間Q内に貯留するときに、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が乾燥用排出水位Y1bを検出したのち、水位検出センサJの第1水位検出部T1が洗浄用水位Y2を検出した場合には、その後の乾燥運転にて計測する水位到達時間を、正常時水位到達時間として記憶して、その正常時水位到達時間を、設定故障用インターバル時間に設定するように構成されている。
【0113】
また、制御部Hが、洗浄処理としての、洗浄運転や、すすぎ処理としての、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転において、洗浄用水位Y2の湯水を洗浄空間Q内に貯留するときに、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が乾燥用排出水位Y1bを検出したのち、水位検出センサJの第1水位検出部T1が洗浄用水位Y2を検出した場合には、その後の乾燥運転にて計測する水位到達時間を、正常時水位到達時間として記憶して、その正常時水位到達時間と予め設定した標準水位到達時間(例えば、5分)との比を、予め設定した標準処理時間(例えば、25分)に乗じて求めた時間を、設定故障用運転時間として、設定乾燥処理時間に設定するように構成されている。
【0114】
以下、制御部Hの洗浄運転の制御作動について、
図11のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、洗浄空間Qに湯水を供給する湯水供給開始の処理が行われる(#21)。この湯水供給開始の処理は、上述の如く、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開弁して、給水路4A及び洗浄槽用分岐路4Bを通して給水口5から洗浄空間Q内に湯水を供給することに加えて、除湿用分岐路4Cを通して除湿部Gに湯水を供給して、その除湿部Gから空気吸引口22を通して洗浄空間Q内に湯水を供給することになる。
【0115】
次に、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が、湯水排出水位Y1aを検出する状態から湯水排出水位Y1aを検出しない状態に変化したか否か、つまり、乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が乾燥用排出水位Y1bを検出したか否かが判別され(#22)、乾燥用排出水位Y1bを検出していない場合には、続いて、水位検出センサJの第1水位検出部T1が洗浄用水位Y2を検出したか否かが判別される(#24)。
#24にて、洗浄用水位Y2を検出していないことが判別された場合には、#22の判別に移行することになる。
【0116】
そして、#24にて、洗浄用水位Y2を検出していることが判別される前に、#22にて、乾燥用排出水位Y1bを検出したことが判別された場合には、検出フラグをONにする処理が実行される(#23)。
つまり、#24にて、洗浄用水位Y2を検出していることを判別する前に、#22にて、乾燥用排出水位Y1bを検出したことが判別されない場合には、検出フラグがONにならないことになる。
【0117】
#24にて、水位検出センサJの第1水位検出部T1が洗浄用水位Y2を検出したことが判別されると、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じて、洗浄空間Qへの湯水の供給が停止される(#25)。
【0118】
次に、検出フラグがONであるか否かが判別されて、ONでない場合には、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が故障であることを示す異常フラグをONにする処理(#27)、及び、その故障を報知する報知処理(#28)が順次実行されることになる。
報知処理は、上述の如く、警報手段Lを作動させる処理であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0119】
#26にて、検出フラグがONであると判別されたときや、#28の報知処理が実行された後は、兼用ポンプ6を目標回転速度にて正転駆動し、かつ、加熱ヒータ9を駆動することが開始される(#29)。つまり、加熱ヒータ9にて洗浄用の湯水を加熱しながら、洗浄用ノズル8から洗浄用の湯水を噴出することが行われる。
【0120】
次に、洗浄運転を開始してからの経過時間が、設定した洗浄用運転時間に達した否か、つまり、洗浄用運転時間が経過したか否かが判別され(#30)、洗浄用運転時間が経過している場合には、兼用ポンプ6及び加熱ヒータ9が停止され(#31)、その後、次の処理に移行する。
【0121】
以上の通り、洗浄運転においては、洗浄用水位Y2の湯水を洗浄空間Q内に貯留するときに、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が乾燥用排出水位Y1bを検出することなく、水位検出センサJの第1水位検出部T1が洗浄用水位Y2を検出した場合には、乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が乾燥用排出水位Y1bを検出しない故障状態であると判別されることになり、そして、その故障状態を判別したときには、メンテナンスを促すための報知処理が行われる。
【0122】
そして、すすぎ処理としての、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転においても、洗浄運転と同様に、故障判別や報知処理が行われるが、その内容は、洗浄運転における故障判別や報知処理と同様であるので、本書では、その記載を省略する。
【0123】
次に、制御部Hの乾燥運転の制御作動について、
図12及び
図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0124】
先ず、加熱ヒータ9及び循環ファン23の作動を開始し、且つ、除湿用湯水の供給を開始する処理が実行される(#41)。
次に、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が故障であるか否かが判別される(#42)。この判別は、上述した検出フラグがONであるか否かに基づいて判別されることになる。
【0125】
乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が故障であるか、故障でないかによって、乾燥運転の処理内容は大きく2つに分かれることになるが、先に、#42にて、故障でないと判別した場合の処理内容を説明する。
すなわち、#42にて、故障でないと判別されると、次に、兼用ポンプ6が駆動中である乾燥用排水運転中であるか否かが判別され(#43)、乾燥用排水運転中でない場合には、乾燥用排水運転の終了直後であるか否かが判別される(#44)。
【0126】
#44にて、乾燥用排水運転の終了直後であると判別した場合には、水位到達時間用タイマの計測が開始される(#45)。
#44にて、乾燥用排水運転の終了直後でないと判別した場合や、#45の処理を実行した後は、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が乾燥用排出水位Y1bを検出したか否かが判別される(#46)。
つまり、本実施形態では、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が、湯水排出水位Y1aを検出する状態から湯水排出水位Y1aを検出しない状態に変化したか否かが判別される。
【0127】
#46にて、乾燥用排出水位Y1bでないことが判別された場合には、乾燥運転を開始してからの経過時間が設定乾燥処理時間を経過したか否かが判別され(#57)、設定乾燥処理時間が経過している場合には、加熱ヒータ9、循環ファン23、兼用ポンプ6の作動が停止され、且つ、除湿用湯水の供給が停止されて(#58)、次の運転に移行することになる。
また、#57にて、設定乾燥処理時間が経過していないと判別した場合には、#43の処理に移行する。
【0128】
#46にて、乾燥用排出水位Y1bであることを判別した場合には、水位到達時間用タイマが計測作動する作動中であるか否かが判別される(#47)。
#47にて、水位到達時間用タイマが作動中でないと判別された場合には、兼用ポンプ6を目標回転速度にて逆転駆動することが開始されて(#52)、乾燥用排水運転が開始されることになる。
【0129】
#47にて、水位到達時間用タイマが作動中であると判別された場合には、水位到達時間用タイマの計測作動を停止して、その計測値を、乾燥用排水運転にて洗浄空間Qの底部に貯留される湯水を排出した後、乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2にて乾燥用排出水位Y1bが再び検出されるまでの水位到達時間として、更新記憶する処理が実行される(#48)
ちなみに、水位到達時間用タイマは、#44にて、乾燥用排水運転の終了直後であると判別した場合には、その計測が開始されるものであるから、加熱すすぎ運転における洗浄用排水運転に引き続いて、乾燥運転が開始された直後においては、水位到達時間用タイマは、#44にて、その計測が開始されないことになる。
【0130】
#48の処理の後は、設定乾燥処理時間の設定処理が実行される(#49)。
この設定処理は、上述の如く、水位到達時間が予め設定した標準到達時間(例えば5分)以内であれば、予め設定した標準処理時間(例えば、25分)を、設定乾燥処理時間に設定し、かつ、水位到達時間が標準到達時間よりも長いときには、水位到達時間と標準到達時間との比を、標準処理時間に乗じて求めた時間を、設定乾燥処理時間に設定するものである。
【0131】
#49の処理に引き続いて、水位到達時間が予め設定した異常判定時間(例えば、10分)よりも長いか否かが判別され、長い場合には、報知処理が実行され(#51)、次に、#52に移行して、兼用ポンプ6を目標回転速度にて逆転駆動することが開始されることになる。
#51の報知処理は、上述の如く、警報手段Lを作動させる処理であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0132】
#52にて、兼用ポンプ6が逆転駆動された後は、乾燥用排出水位Y1bから変化したか否かが判別される(#53)。つまり、本実施形態の場合には、乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が、湯水排出水位Y1aを検出しない状態から湯水排出水位Y1aを検出する状態に変化したか否かが判別される。
【0133】
#53にて、乾燥用排出水位Y1bから変化したと判別された場合には、その時点からの経過時間が乾燥排水用の設定時間(例えば、15秒)を経過しているか否かが判別されて(#55)、乾燥排水用の設定時間が経過していると、兼用ポンプ6が停止され(#56)、その後、#57の処理に移行する。
また、#53にて、乾燥用排出水位Y1bから変化したことが判別されない場合には、#57の処理に移行する。
【0134】
#43にて、乾燥用排水運転中であると判別した場合には、乾燥用排出水位Y1bから変化したことが、既に判別されているか否かが判別される(#54)。
そして、既に乾燥用排出水位Y1bから変化していると判別したときには、#55の処理に移行し、既に乾燥用排出水位Y1bから変化していないと判別したときには、#53の処理に移行することになる。
【0135】
以上の説明が、#42にて、乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が故障でないと判別した場合の制御作動であり、次に、#42にて、乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が故障であると判別した場合の制御作動について説明する。
すなわち、#42にて、乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が故障であると判別したときには、設定故障用インターバル時間の設定処理(#59)、および、設定乾燥処理時間の設定処理(#60)が順次実行される。
【0136】
#59の設定故障用インターバル時間の設定処理は、上述の如く、洗浄運転、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転において、洗浄用水位Y2の湯水を洗浄空間Q内に貯留するときに、乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が乾燥用排出水位Y1bを検出したのち、第1水位検出部T1が洗浄用水位Y2を検出した場合には、その後の乾燥運転にて計測する水位到達時間を、正常時水位到達時間として記憶しておき、その正常時水位到達時間を、設定故障用インターバル時間に設定するものであり、本実施形態においては、#48の処理にて更新記憶されている水位到達時間を、正常時水位到達時間として、設定故障用インターバル時間に設定することになる。
尚、食器洗浄機の設置直後等であるために、水位到達時間が記憶されていない場合には、予め設定した標準到達時間(例えば5分)を、設定故障用インターバル時間に設定することになる。
【0137】
#60の設定乾燥処理時間の設定処理は、上述の如く、洗浄運転、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転において、洗浄用水位Y2の湯水を洗浄空間Q内に貯留するときに、乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が乾燥用排出水位Y1bを検出したのち、第1水位検出部T1が洗浄用水位Y2を検出した場合には、その後の乾燥運転にて計測する水位到達時間を、正常時水位到達時間として記憶しておき、その正常時水位到達時間と予め設定した標準水位到達時間(例えば、5分)との比を、予め設定した標準処理時間(例えば、25分)に乗じて求めた時間を、設定故障用運転時間として、設定乾燥処理時間に設定するものであり、本実施形態においては、#48の処理にて更新記憶されている水位到達時間を、正常時水位到達時間として用いることになる。
尚、食器洗浄機の設置直後等であるために、水位到達時間が記憶されていない場合には、予め設定した標準処理時間(例えば、25分)を、設定故障用運転時間として、設定乾燥処理時間に設定することになる。
【0138】
#59の設定処理、及び、#60の設定処理が実行された後は、兼用ポンプ6が駆動中である乾燥用排水運転中であるか否かが判別される(#61)。
そして、乾燥用排水運転中でない場合には、乾燥運転の開始直後であるか否かの判別、及び、乾燥用排水運転の終了直後であるか否かの判別が行われて(#62、#63)、
乾燥運転の開始直後である場合や、乾燥用排水運転の終了直後である場合には、インターバル時間用タイマの計測作動が開始される(#64)。
【0139】
#62、#63にて、乾燥運転の開始直後でなく、乾燥用排水運転の終了直後でないと判別した場合や、#64にて、インターバル時間用タイマをスタートする処理を実行した後は、インターバル時間用タイマの計測値に基づいて、設定故障用インターバル時間が経過したか否かが判別される(#65)。
【0140】
#65にて、設定故障用インターバル時間が経過していないと判別した場合には、乾燥運転を開始してからの経過時間が設定乾燥処理時間を経過しているか否かが判別され(#70)、設定乾燥処理時間を経過している場合には、#58の処理に移行して、加熱ヒータ9、循環ファン23、兼用ポンプ6の作動を停止し、且つ、除湿用湯水の供給を停止することになり、その後、次の運転に移行することになる。
また、#70にて、設定乾燥処理時間が経過していないと判別した場合には、#61の処理に移行する。
【0141】
#65にて、設定故障用インターバル時間が経過していると判別した場合には、兼用ポンプ6を目標回転速度にて逆転駆動することが開始されて(#66)、乾燥用排水運転が開始される。
そして、引き続き、排水運転用タイマの計測作動を開始され(#67)、その後、#70の処理に移行する。
【0142】
#61にて、乾燥用排水運転中であると判別した場合には、排水運転用タイマの計測値に基づいて、乾燥排水用の設定時間(例えば、15秒)が経過しているか否かが判別される(#68)。
そして、#68にて、乾燥排水用の設定時間が経過していると判別したときには、兼用ポンプ6を停止し(#69)、その後、#70の処理に移行し、また、#68にて、乾燥排水用の設定時間が経過していないと判別したときには、#70の処理に移行することになる。
【0143】
以上の通り、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が、故障でない場合には、乾燥運転において、水位到達時間に基づいて、設定乾燥処理時間が変更設定されることになり、また、水位検出センサJの乾燥用排出水位検出部(第2水位検出部)T2が、故障である場合には、設定故障用インターバル時間、及び、設定故障用運転時間が設定されて、乾燥運転が実行されるように構成されている。
【0144】
〔別実施形態〕
上記実施形態では、制御部Hが、洗浄用水位Y2の湯水を洗浄空間Q内に貯留するときに、水位検出センサJが乾燥用排出水位Y1bを検出したのち、水位検出センサJが洗浄用水位Y2を検出した場合には、その後の乾燥運転にて計測する水位到達時間を、正常時水位到達時間として記憶しておき、そして、水位検出センサJが乾燥用排出水位Y1bを検出できない故障状態となったときには、記憶している正常時水位到達時間を、設定故障用インターバル時間に設定する場合を例示したが、設定故障用インターバル時間の設定は、次の構成でもよい。
【0145】
すなわち、制御部Hが、洗浄処理及びすすぎ処理において、洗浄用水位Y2の湯水を洗浄空間Q内に貯留するときに、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2が検出されるまでの経過時間を計測して、その計測時間を貯留時間として記憶する。
そして、その貯留時間と予め設定した標準貯留時間との比を、予め設定した標準インターバル時間に乗じた時間を求めて、その時間を、設定故障用インターバル時間に設定する。
この別実施形態における制御部Hの制御作動は、上記実施形態の制御作動を参照すれば理解できる内容であるため、その記載を省略する。
【0146】
〔その他の別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ)上記実施形態においては、湯水断続手段が、給水路を開閉する第1開閉弁と、洗浄槽用分岐路を開閉する第2開閉弁と、除湿用分岐路に装備された定流量弁とから構成される場合を例示したが、これらの弁に加えて、除湿用分岐路を開閉する開閉弁を備えさせるようにしてもよい。
そして、除湿用分岐路を開閉する開閉弁を備えさせる場合には、給水路を開閉する第1開閉弁を省略する形態で実施してもよい。
【0147】
(ロ)上記実施形態では、洗浄槽が本体ケース部に対して水平方向に沿って引き出し及び収納自在に設けられる引き出し式の食器洗浄機を例示したが、本体ケース部に洗浄槽が収納されて、本体ケース部の前面扉が開閉されることにより、洗浄槽の洗浄空間が開閉される形態の食器洗浄機についても、本発明は適用できるものである。
【0148】
(ハ)上記実施形態では、排水ポンプを直流モータにて駆動する場合を例示したが、排水ポンプを交流モータにて駆動するようにしてもよく、この場合、例えば、洗浄ポンプを目標回転速度にて駆動すべく、交流モータに供給する駆動電力を位相制御により調整するようにするとよい。
【0149】
(ニ)上記実施形態では、正転で洗浄ポンプとして機能し、逆転で排水ポンプとして機能する兼用ポンプを例示したが、洗浄ポンプと排水ポンプとを各別に備える形態で実施しても良い。
【0150】
(ホ)上記実施形態では、回転速度の調整により排水能力を調整する場合を例示したが、例えば、排水ポンプとして可変容量型のポンプを用いて、その容量調整により排水能力を調整するようにする等、排水能力の調整形態は各種変更できる。
【0151】
(へ)本発明を実施するに、乾燥用排出水位検出手段、及び、洗浄用水位検出手段は、上記実施形態に記載の如く、一つの水位検出センサにて兼用構成する他、乾燥用排出水位検出手段と洗浄用水位検出手段とを別のセンサとして構成する等、種々の形態のものを適用できるものである。