特許第5667003号(P5667003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5667003
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】リード線準備装置及びリード線準備方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20150122BHJP
【FI】
   H01L31/04 570
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-158351(P2011-158351)
(22)【出願日】2011年7月19日
(65)【公開番号】特開2013-26354(P2013-26354A)
(43)【公開日】2013年2月4日
【審査請求日】2014年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】391032358
【氏名又は名称】平田機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】園部 司
【審査官】 清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−177131(JP,A)
【文献】 特開2008−306068(JP,A)
【文献】 特開2007−173619(JP,A)
【文献】 特開2009−295860(JP,A)
【文献】 特表平09−509013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02 − 31/056
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のリード線の先端を保持する保持部と、前記保持部を所定の引出方向に移動する駆動部と、を有し、前記リード線の巻体から前記リード線を引き出す引出ユニットと、
前記引出ユニットが引き出した前記リード線を直線状態にガイドする第1ガイドユニットと、
前記巻体と前記第1ガイドユニットとの間に配置され、前記巻体から引き出された前記リード線を切断する切断ユニットと、
前記引出方向で前記第1ガイドユニットの下流側において前記引出ユニットが引き出した前記リード線の先端側を直線状態にガイドするガイド位置と、退避位置と、の間で移動可能な第2ガイドユニットと、
前記引出ユニットを制御する制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、
前記リード線を前記第1ガイドユニット上に引き出す第1制御と、
前記リード線の切断後、前記リード線を前記引出方向に移動して前記第1及び第2ガイドユニット上に位置させる第2制御と、
を実行することを特徴とするリード線準備装置。
【請求項2】
前記第2ガイドユニットを、前記ガイド位置と、前記退避位置との間で移動させる駆動ユニットを備えたことを特徴とする請求項1に記載のリード線準備装置。
【請求項3】
前記第1及び第2ガイドユニットは、それぞれ、前記リード線を直線状態で保持するガイド保持部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のリード線準備装置。
【請求項4】
前記第1及び第2ガイドユニットが、それぞれ、前記リード線が載置される載置面を有し、
前記ガイド保持部は、前記載置面に設けられ、前記リード線を吸着する複数の吸着部であることを特徴とする請求項に記載のリード線準備装置。
【請求項5】
前記第2ガイドユニットは、前記ガイド位置と前記退避位置との間で上下方向に回動自在に支持され、
前記第2ガイドユニットを、前記ガイド位置に常時付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のリード線準備装置。
【請求項6】
前記第1及び第2ガイドユニットが、それぞれ、前記載置面と前記吸着部とを有する載置保持ユニットを備え、
前記第1及び第2ガイドユニットの各々の前記載置保持ユニットを、前記引出ユニットにより前記載置保持ユニット上に前記リード線を引き出し可能な作業位置と、前記リード線を処理する装置へ前記リード線を移載する待機位置と、の間で水平方向に移動する移動機構を備えたことを特徴とする請求項に記載のリード線準備装置。
【請求項7】
前記第1ガイドユニットが、
前記載置面となる底面及び前記リード線の幅方向の位置を規定する一対の側面を有する溝、及び、前記吸着部を備えた載置保持ユニットと、
前記溝に対向して配置され、前記底面上の前記リード線の上面位置を規定する押さえ部を有する押さえ部材と、を備え、
前記載置保持ユニットと前記押さえ部材とを相対的に昇降させる昇降機構を備えたことを特徴とする請求項に記載のリード線準備装置。
【請求項8】
帯状のリード線の先端を保持する保持部と、前記保持部を所定の引出方向に移動する駆動部と、を有し、前記リード線の巻体から前記リード線を引き出す引出ユニットと、
前記引出ユニットが引き出した前記リード線を直線状態にガイドする第1ガイドユニットと、
前記巻体と前記第1ガイドユニットとの間に配置され、前記巻体から引き出された前記リード線を切断する切断ユニットと、
前記引出方向で前記第1ガイドユニットの下流側において前記引出ユニットが引き出した前記リード線の先端側を直線状態にガイドするガイド位置と、退避位置と、の間で移動可能な第2ガイドユニットと、を備え
前記切断ユニットにて前記リード線を切断した際に、切断されたリード線を前記駆動部にて前記引出方向に移動させ、リード線の先端側の部分を前記第2ガイドユニットで、リード線の切断側の端部を含む部分を前記第1ガイドユニットで、それぞれ直線状態にガイドすることを特徴とするリード線準備装置。
【請求項9】
帯状のリード線の先端を保持し、前記リード線の巻体から前記リード線を所定の引出方向に引き出す引出工程と、
前記引出工程で引き出した前記リード線を、第1ガイドユニットで直線状態にガイドする第1ガイド工程と、
前記巻体と前記第1ガイドユニットとの間の位置において前記巻体から引き出された前記リード線を切断する切断工程と、
前記リード線の切断端が前記第1ガイドユニット上に位置するよう、前記引出方向に前記リード線を移動する移動工程と、
前記リード線の切断端側を前記第1ガイドユニットで直線状態にガイドし、前記第1ガイドユニットから前記引出方向に突出する前記リード線の先端側を第2ガイドユニットで直線状態にガイドする第2ガイド工程と、
を備えたことを特徴とするリード線準備方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リード線の巻体からリード線を引き出して切断する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールは、セルと呼ばれる光変換装置が複数配列され、それら複数のセルをリード線によって接続している。リード線は、専用のリール(ボビン)に巻かれた巻体として保管管理されており、使用時に巻体から引き出されて切断され、太陽電池モジュールの所定の位置に配置して複数のセル同士の接続を行っている。
【0003】
セル同士を接続する際に、セルからリード線が浮かないよう、リード線は直線状態であることが好ましい。しかし、リード線は上記のとおり巻体として保管管理されているため、歪みを有している。そこで、この歪みを解消する方法として、特許文献1にはリード線を強制的に引っ張ることで歪みを解消する方法が提案されている。特許文献2には載置ガイドによりリード線を直線状態にガイドし、その歪みを解消する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−298096号公報
【特許文献2】特開2009−231711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の方法のようにリード線を強制的に引っ張ると、リード線の耐久性や寿命が低下する虞がある。特許文献2の方法のように、リード線を直線状態にガイドするものでは、リード線の耐久性及び寿命に影響を与える可能性が低い点で好適である。しかし、リード線の切断箇所とガイド部分との間においてはリード線がガイドされないことから、リード線の切断側の端部に歪みが残る場合がある。
【0006】
本発明の目的は、巻体から引き出したリード線を直線状態にガイドするにあたり、切断側の端部も含めてその全体に渡って歪みを解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、帯状のリード線の先端を保持する保持部と、前記保持部を所定の引出方向に移動する駆動部と、を有し、前記リード線の巻体から前記リード線を引き出す引出ユニットと、前記引出ユニットが引き出した前記リード線を直線状態にガイドする第1ガイドユニットと、前記巻体と前記第1ガイドユニットとの間に配置され、前記巻体から引き出された前記リード線を切断する切断ユニットと、前記引出方向で前記第1ガイドユニットの下流側において前記引出ユニットが引き出した前記リード線の先端側を直線状態にガイドするガイド位置と、退避位置と、の間で移動可能な第2ガイドユニットと、前記引出ユニットを制御する制御ユニットと、を備え、前記制御ユニットは、前記リード線を前記第1ガイドユニット上に引き出す第1制御と、前記リード線の切断後、前記リード線を前記引出方向に移動して前記第1及び第2ガイドユニット上に位置させる第2制御と、を実行することを特徴とするリード線準備装置が提供される。
また、本発明によれば、帯状のリード線の先端を保持する保持部と、前記保持部を所定の引出方向に移動する駆動部と、を有し、前記リード線の巻体から前記リード線を引き出す引出ユニットと、前記引出ユニットが引き出した前記リード線を直線状態にガイドする第1ガイドユニットと、前記巻体と前記第1ガイドユニットとの間に配置され、前記巻体から引き出された前記リード線を切断する切断ユニットと、前記引出方向で前記第1ガイドユニットの下流側において前記引出ユニットが引き出した前記リード線の先端側を直線状態にガイドするガイド位置と、退避位置と、の間で移動可能な第2ガイドユニットと、を備え、前記切断ユニットにて前記リード線を切断した際に、切断されたリード線を前記駆動部にて前記引出方向に移動させ、リード線の先端側の部分を前記第2ガイドユニットで、リード線の切断側の端部を含む部分を前記第1ガイドユニットで、それぞれ直線状態にガイドすることを特徴とするリード線準備装置が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、帯状のリード線の先端を保持し、前記リード線の巻体から前記リード線を所定の引出方向に引き出す引出工程と、前記引出工程で引き出した前記リード線を、第1ガイドユニットで直線状態にガイドする第1ガイド工程と、前記巻体と前記第1ガイドユニットとの間の位置において前記巻体から引き出された前記リード線を切断する切断工程と、前記リード線の切断端が前記第1ガイドユニット上に位置するよう、前記引出方向に前記リード線を移動する移動工程と、前記リード線の切断端側を前記第1ガイドユニットで直線状態にガイドし、前記第1ガイドユニットから前記引出方向に突出する前記リード線の先端側を第2ガイドユニットで直線状態にガイドする第2ガイド工程と、を備えたことを特徴とするリード線準備方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、巻体から引き出したリード線を直線状態にガイドするにあたり、切断側の端部も含めてその全体に渡って歪みを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態のリード線準備装置の正面図。
図2】上記リード線準備装置の平面図。
図3】(A)は図1の線I−Iに沿う断面図、(B)は図1の線II−IIに沿う断面図。
図4】(A)乃至(C)はリード線のガイドの説明図。
図5】制御ユニットのブロック図。
図6】(A)及び(B)は上記リード線準備装置の動作説明図。
図7】(A)及び(B)は上記リード線準備装置の動作説明図。
図8】(A)及び(B)は上記リード線準備装置の動作説明図。
図9】(A)及び(B)は上記リード線準備装置の動作説明図。
図10】(A)及び(B)は上記リード線準備装置の動作説明図。
図11】第2ガイドユニットの移動機構の別例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<装置の構成>
図1は本発明の一実施形態のリード線準備装置Aの正面図、図2はリード線準備装置Aの平面図、図3(A)は図1の線I−Iに沿う断面図、図3(B)は図1の線II−IIに沿う断面図である。なお、各図において矢印Zは上下方向(垂直方向)を示し、矢印X、Yは互いに直交する水平方向を示す。
【0012】
リード線準備装置Aは、巻体保持ユニット1と、引出ユニット2と、第1ガイドユニット3と、第2ガイドユニット4と、移動機構6と、を備える。
【0013】
<巻体保持ユニット>
巻体保持ユニット1は、壁体状の支持体11を備える。支持体11には、巻体支持部12、ローラ群13、保持ユニット14、切断ユニット15と、が支持されている。巻体支持部12には、帯状のリード線Wの巻体が回転自在に支持される。ローラ群13は、大小の複数のローラからなり、巻体支持部12に支持されている巻体から引き出されるリード線Wを支持する。
【0014】
保持ユニット14は、リード線Wの引出方向でローラ群13の下流側に配設されている。保持ユニット14は、例えば、リード線Wを挟持する上下一対の把持部材と、これらを開閉する駆動機構と、を備える。保持ユニット14は、後述するように、リード線Wの切断時等においてリード線Wを保持する。
【0015】
切断ユニット15は、巻体支持部12に支持されている巻体と、第1ガイドユニット3との間に配置され、特に、リード線Wの引出方向で保持ユニット14の下流側に配設されている。切断ユニット15は、例えば、一対の切断刃と、これらを開閉する駆動機構と、を備え、巻体から引き出されたリード線Wを切断する。
【0016】
図2に示すように、本実施形態の場合、切断ユニット15は、移動機構16を介して支持体11に支持されている。移動機構16は、例えば、電動シリンダやエアシリンダであり、切断ユニット15を矢印d1で示す方向(Y方向)に進退させる。切断ユニット15は、移動機構16によって、図2に示す切断位置(リード線Wを切断する位置)と、支持体11側に退避した退避位置と、の間で移動する。なお、切断ユニット15を退避位置に移動するのは、引出ユニット2の保持部21がリード線Wの先端を保持するために移動する際、切断ユニット15と保持部21とが干渉することを回避するためである。
【0017】
<引出ユニット2>
引出ユニット2は、保持部21と、保持部21を支持する支持部22と、支持部22を引出方向に平行なX方向に往復移動する駆動部23と、を備える。支持部22がX方向に移動すると、保持部21もX方向に移動することになる。
【0018】
保持部21は、リード線Wを挟持する上下一対の把持部材21aと、これらを開閉する駆動機構と、を備える。支持部22は、Y方向に離間した2つの下端部を有する門型(逆U字形)をなしており、その一方の下端部が駆動部23に連結され、その他方の下端部に保持部21が取り付けられている。駆動部23は、X方向に延設されており、例えば、モータ等の駆動源とボールねじ機構とから構成される。駆動部23はベース部材71に支持されている。ベース部材71は脚部72、72上に水平に架設されている。
【0019】
このような構成の引出ユニット2は、X方向を引出方向として、リード線Wを巻体から引き出すことができる。すなわち、保持部21を駆動部23によって保持ユニット14近傍(図2中では右側)に移動し、リード線Wの先端を保持部21で保持する。そして、駆動部23により保持部21をX方向(図2中では左側)に保持ユニット14から離れるように移動する。これにより、巻体支持部12に支持された巻体からリード線Wを引き出すことができる。
【0020】
<第1ガイドユニット及び移動機構>
第1ガイドユニット3は、X方向(引出方向と平行)に延設され、Y方向に移動自在であると共にZ方向に上下動自在な載置保持ユニット31と、X方向に延設され、Z方向に上下動自在な押さえ部材32と、を備える。本実施形態の場合、載置保持ユニット31を複数備え(3つ)、押さえ部材32を一つ備える。後述するように、各載置保持ユニット31は順次押さえ部材32に対向する位置に移動されて、複数のリード線Wを直線状態にガイドする工程を連続的に行う。
【0021】
載置保持ユニット31はその上面にX方向に延びるガイド溝311を備え、押さえ部材32はその下部にガイド溝311に挿入される押さえ部321を備える。図4(A)乃至(C)は、これらの機能を説明する断面図である。
【0022】
ガイド溝311は、底面BTと、一対の側面SW、SWとを有する。底面BTは水平面をなしており、引出ユニット2によって引き出されるリード線Wが載置される載置面として機能する。底面BTには、X方向に複数のガイド保持部312が形成されている。ガイド保持部312は、後述する手順で直線状態にガイドされたリード線Wを直線状態のまま、底面BT上に保持する。
【0023】
本実施形態の場合、ガイド保持部312は、リード線Wを吸着(吸引)する吸着部であって、不図示のバキュームポンプ(吸引源)に接続され、底面BTに開口した複数の孔である。なお、ガイド保持部312は、このような吸着部以外の構成も採用可能である。例えば、底面BT上のリード線Wに上から当接して押さえ込み、その直線状態を保持するものであってもよい。
【0024】
側面SW、SWは、それらの下部(底面BT側の部位)がリード線Wの幅方向の位置を規定するよう、互いに平行な垂直面をなし、かつ、略リード線Wの幅分だけ離間している。側面SW、SWの上部は前述した垂直面の部分から上方に向けて拡幅するテーパ面をなしており、これらのテーパ面によりリード線Wがスムーズに底面BT上に導かれるようにしている。
【0025】
押さえ部321は、下方に突出する突起部であり、ガイド溝311へ挿入されてリード線Wの上面位置を規定する。つまり、押さえ部321の下端面は水平面をなしており、ガイド溝311に挿入された場合に、押さえ部321の下端面と底面BTとの距離は略リード線Wの厚みとなる。
【0026】
こうして本実施形態では、ガイド溝311と押さえ部321とにより、リード線Wの上下左右の双方について、直線状態のガイドができる。
【0027】
次に、載置保持ユニット31と押さえ部材32とによるリード線Wのガイド機能について説明する。先ず、載置保持ユニット31を押さえ部材32の直下に位置するように移動させる。この段階では、押さえ部材32の押さえ部32と、載置保持ユニット31のガイド溝311とは互いに対向して配置された状態となる一方、図4(A)に示すように、載置保持ユニット31と押さえ部材32とは、初期位置において互いに離間している。この状態で図4(B)に示すように引出ユニット2によってリード線Wが、載置保持ユニット31と押さえ部材32と間に引き出される。
【0028】
その後、後述する昇降ユニット67の作動によって載置保持ユニット31が上昇し、昇降ユニット73の作動によって押さえ部材32が降下する。リード線Wは図4(C)に示すようにガイド溝311内においてその厚み方向及び幅方向の位置が規定され、直線状態にガイドされることになる。
【0029】
なお、本実施形態では、載置保持ユニット31と押さえ部材32との双方を昇降する構成としたが、これらを相対的に昇降させることができればよく、少なくともいずれか一方を昇降できればよい。また、ガイド保持部312の吸着部による吸着力(吸引力)を調整することでリード線Wを底面BT上に吸引当接(厚み方向をガイド)しつつ吸引ユニット2によるリード線Wの移動が可能となり、押さえ部材32と同様のガイド効果を得ることも可能となる。
【0030】
次に、図1乃至図3を再び参照して載置保持ユニット31及び押さえ部材32の昇降機構について説明する。各載置保持ユニット31は、それぞれ、ベース部材61A乃至61C上に搭載されている。各ベース部材61A乃至61Cには、支持板64が立設されており、支持板64には支持板64と平行に設けられる支持板65がスライド機構66を介して連結されている。スライド機構66は、レール部材とレール部材に係合するスライダとからなり、その一方が支持板64に他方が支持板65に取り付けられている。そして、このスライド機構66により、支持板65は支持板64に対してZ方向に移動可能となっている。
【0031】
支持板65は、その中央下部に切り欠き65aが形成されており、ここに昇降ユニット67が配設されている。昇降ユニット67は、例えば、電動シリンダやエアシリンダであり、ベース部材61A乃至61Cにそれぞれ搭載されており、支持板65をZ方向に昇降する駆動源である。載置保持ユニット31は支持板65に固定されており、昇降ユニット67の作動により載置保持ユニット31をZ方向に昇降することができる。
【0032】
押さえ部材32はスライド機構75を介してL字型のブラケット74に支持されている。ブラケット74はベース部材71上に立設されている。スライド機構75は、レール部材とレール部材に係合するスライダとからなり、その一方が押さえ部材32に他方がブラケット74に取り付けられている。
【0033】
ベース部材71上には、また、昇降ユニット73が搭載されている。昇降ユニット73は、例えば、電動シリンダやエアシリンダであり、押さえ部材32に連結されてこれをZ方向に昇降する駆動源である。昇降ユニット73の作動により押さえ部材32をZ方向に昇降することができ、この昇降移動をスライド機構75がガイドし、押さえ部材32全体がZ方向に移動される。
【0034】
次に、移動機構6について説明する。移動機構6は、3つの載置保持ユニット31を水平方向(Y方向)に移動する。移動機構6は、全てのベース部材61A乃至61Cに共通のスライド機構62、62と、各ベース部材61A乃至61Cに個別の駆動機構63A乃至63C(総称する場合は符号を63とする。)と、を備える。スライド機構62はY方向に延設されたレール部材と、各ベース部材61A乃至61Cに設けられたスライダと、を備え、スライダがレール部材上をそれぞれスライドすることにより各ベース部材61A乃至61CがY方向に独立して移動可能となっている。
【0035】
駆動機構63A乃至63Cは、Y方向に延設されており、例えば、モータ等の駆動源とボールねじ機構とから構成される。駆動機構63Aはベース部材61Aに連結され、ベース部材61AをY方向に移動する。駆動機構63Aの作動によりベース部材61A上の載置保持ユニット31をY方向に移動することができる。駆動機構63Bはベース部材61Bに、駆動機構63Cはベース部材61Cに、それぞれ連結されており、駆動機構63Bの作動によりベース部材61B上の載置保持ユニット31が、駆動機構63Cの作動によりベース部材61C上の載置保持ユニット31が、それぞれY方向に移動することになる。
【0036】
Y方向に延設されるスライド機構62、62および駆動機構63A乃至63Cは、引出ユニット2と交差するように、言い換えると引出ユニット2の駆動部23を越える位置まで、延設することが好ましい。これによって、図9(A)に示すように、ベース部材61B、61C上の載置保持ユニット31を、引出ユニット2側に退避させた状態で、ベース部材61A上の載置保持ユニット31を押さえ部材32の直下に位置させることができる。
【0037】
<第2ガイドユニット>
第2ガイドユニット4は、第1ガイドユニット3におけるリード線Wの引出方向下流側に、載置保持ユニット31と連続的に(又は隣接して)配置されている。第2ガイドユニット4は、載置保持ユニット31と同様に、X方向に延設される。本実施形態の場合、第2ガイドユニット4は、載置保持ユニット31と同様の構成を有しており、ガイド溝311と同じ構成のガイド溝41をその上面に有し、また、ガイド溝41の底面にはガイド保持部312と同じ構成のガイド保持部(吸着部)42が設けられている。
【0038】
第2ガイドユニット4は、ガイド位置(図1に示す位置)と、ガイド位置よりも下方の退避位置との間で移動可能となっている。詳細には、第2ガイドユニット4は駆動ユニット5に支持されており、駆動ユニット5の作動によって、ガイド位置と、退避位置との間でZ方向に昇降する。ガイド位置に位置する第2ガイドユニット4は、ガイド溝41が載置保持ユニット31のガイド溝311と面一に連続し、これらに跨るリード線Wを共同で直線状態に維持することができる。
【0039】
駆動ユニット5は、例えば、電動シリンダやエアシリンダであり、ブラケット51を介して載置保持ユニット31に支持されている。したがって、載置保持ユニット31の昇降、水平移動に伴って第2ガイドユニット4も昇降、水平移動する。本実施形態の場合、第2ガイドユニット4は、駆動ユニット5及びブラケット51を介して載置保持ユニット31に支持された構成であるが、載置保持ユニット31と分離して、他の構成(例えばベース部材61A乃至61C)に支持させる構成も採用可能である。
【0040】
<制御ユニット>
図5は、リード線準備装置Aの制御ユニット100のブロック図である。制御ユニット100は、CPU等の処理部101と、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶部102と、外部デバイスと処理部101とをインターフェースするインターフェース部103と、を備える。インターフェース部103には、ホストコンピュータ等、上位のコンピュータや周辺装置(不図示)との通信を行う通信インターフェースも含まれる。
【0041】
処理部101は記憶部102に記憶されたプログラムを実行し、各種のセンサ105の検出結果や上位のコンピュータ等の指示に基づいて、各種のアクチュエータ104を制御する。各種のアクチュエータ104には、リード線準備装置Aの上述した各構成を構成する駆動源等が含まれる。各種センサ105には、保持部21の位置、各載置保持ユニット31の位置等を検知するセンサが含まれる。
【0042】
<制御例>
次に、制御ユニット100によるリード線準備装置Aの制御例について図6乃至図10を参照して説明する。図6(A)はリード線Wの引出前の状態を示している。引出ユニット2の保持部21は初期位置に位置しており、把持部材21aは第2ガイドユニット4の上方からX方向に僅かにずれた位置にある。切断ユニット15は退避位置に位置しており、保持ユニット14はリード線Wを保持した状態にある。
【0043】
第1ガイドユニット3については、押さえ部材32は上昇した位置に、載置保持ユニット31は降下した位置に、それぞれ位置している(図4(A)の状態)。第2ガイドユニット4はガイド位置に位置しているが、載置保持ユニット31が降下しているため、実際にリード線Wをガイドするときよりも下方に位置している。
【0044】
各載置保持ユニット31の水平方向の位置は図9(A)に示す状態にある。ベース部材61A上の載置保持ユニット31のみが、押さえ部材32に対向し、かつ、引出ユニット2によりリード線Wを載置保持ユニット31上に引き出し可能な作業位置にある。つまり、始めにベース部材61A上の載置保持ユニット31を利用してリード線Wを直線状態にガイドする。
【0045】
ベース部材61B及び61Cに搭載された残りの載置保持ユニット31は、作業位置よりも同図で右側の、矢印R1で示す準備位置(準備領域)に位置している。作業位置よりも同図で左側の、矢印R2で示す待機位置(待機領域)は、直線状態にガイドされたリード線Wを処理する装置(不図示)へリード線Wを移載するための位置である。リード線Wを処理する装置としては、例えば、太陽電池モジュールのセル間をリード線Wで接続する装置が挙げられる。
【0046】
次に、リード線Wを引出ユニット2により引き出す動作を開始する。図6(B)を参照して、引出ユニット2の駆動部23の作動により保持部21を、矢印d2で示すように、X方向(引出方向上流側)に移動し、保持部21の把持部材21aがリード線Wの先端を保持する。続いて、保持ユニット14によるリード線Wの保持を解除する。
【0047】
図7(A)に示すように、駆動部23の作動により保持部21を、矢印d3で示すように、X方向(引出方向下流側)に移動し、一点鎖線L1で示す載置保持ユニット31の一端から僅かにずれた(通過した)位置に把持部材21aを位置させる(引出工程)。これにより、載置保持ユニット31と押さえ部材31との間にリード線Wを引き出すことができる(図4(B)の状態)。
【0048】
図7(B)及び図9(B)を参照して、続いて、第2ガイドユニット4を矢印d5(図7(B)で示すように退避位置に降下させ、載置保持ユニット31を矢印d6で示すように上昇させる。その後、押さえ部材32を矢印d4(図7(B))で示すように降下させる。第2ガイドユニット4を退避位置に移動することで、第2ガイドユニット4と保持部21とが干渉することを回避できる。押さえ部材32の降下と、載置保持ユニット31の上昇により、リード線Wは図4(C)に示したように直線状態にガイドされる。
【0049】
次に、図8(A)に示すように、保持ユニット14によりリード線Wを保持する。続いて、切断ユニット15を切断位置に移動したのち、切断ユニット15を作動してリード線Wを切断する(切断工程)。切断後、切断ユニット15は退避位置に移動させる。
【0050】
ここで、リード線Wのうち、切断端側の一部(切断ユニット15と第1ガイドユニット3との間の長さDの部分)については、直線状態にガイドされていない。そこで、リード線Wの切断端が第1ガイドユニット3上に位置するよう、引出方向にリード線Wを移動する(移動工程)。詳細には、図8(B)の矢印d7で示すように、駆動部23の作動により保持部21を、X方向に移動する。本実施形態の場合、保持部21は図6(A)に示した初期位置に戻る。
【0051】
リード線Wの切断端側の部分は、第1ガイドユニット3のガイド溝311内に引き込まれて直線状態にガイドされる。一方、リード線Wの先端側の部分は、第1ガイドユニット3によって一旦直線状態にガイドされているが、第1ガイドユニット3から引出方向に突出することになり、直線状態に維持されなくなる。そこで、図8(B)の矢印d8で示すように、第2ガイドユニット4をガイド位置へ上昇する。これにより、リード線Wの先端側の部分が再び直線状態にガイドされる(第2ガイド工程)。
【0052】
リード線Wは、第1ガイドユニット3と第2ガイドユニット4とに跨って位置し、切断端側は第1ガイドユニット3に、先端側は第2ガイドユニット4によって、それぞれ直線状態にガイドされる。こうして本実施形態では、切断側の端部も含めてリード線Wの全体に渡って歪みを解消することができる。
【0053】
その後、ガイド保持部312、42によりガイド溝311、41内のリード線Wを吸着した後、ガイド溝311の底面BTに押さえ部321の下端面を当接することで、切断されたリード線の全長に亘って直線状態を維持する。そして、押さえ部材32を上昇した位置に、載置保持ユニット31を降下した位置に、それぞれ移動し(図10(A))、図6(A)の状態に戻る。
【0054】
次に、図10(B)に示すように、ベース部材61Aを待機位置へ移動する。ベース部材61Aに搭載された載置保持ユニット31のガイド溝311内には、ガイド保持部312、42によって直線状態に維持されているリード線Wが載置されている。リード線Wを処理する装置(不図示)にリード線を移載する移載装置Bは、ガイド溝311内のリード線Wをピックアップして搬送する。このとき、ガイド保持部312、42によるリード線Wの吸着を解除する。
【0055】
ベース部材61Aの待機位置への移動に並行してベース部材61Bを移動し、ベース部材61B上の載置保持ユニット31を作業位置に位置させる。そして、同様の手順でリード線Wの巻体からリード線Wの切断を行う。切断済みのリード線Wの移載と、切断作業とを並行して行うことができる。ベース部材61B上の載置保持ユニット31を用いた切断作業が終了すると、これを待機位置へ移動し、ベース部材61C上の載置保持ユニット31を作業位置に位置させ、同様に切断作業を行い、その終了後には待機位置へ移動する。
【0056】
その後、ベース部材61A乃至61Cを全て準備位置に位置させると図9(A)の状態に戻る。これらの手順を繰り返すことで、直線状態のリード線Wが順次準備されていくことになる。
【0057】
<他の実施形態>
上記実施形態では、巻体保持ユニット1、引出ユニット2、押さえ部材32及び押さえ部材32の昇降機構を1組のみとしたが、Y方向に離間して複数(例えば2組)設けてもよい。この構成によれば、リード線Wの巻体を交換する際にも、リード線Wの切断作業を中断することなく行うことができる。
【0058】
上記実施形態では、第2ガイドユニット4を駆動ユニット5によって、ガイド位置と退避位置との間で移動するように構成したが、保持部21との干渉を利用してガイド位置から退避位置へ移動する構成としてもよい。この構成によればアクチュエータを不要とすることができ、コストの削減が図れる。
【0059】
図11はその一例を示す。同図の例では、第2ガイドユニット4’は、ヒンジ部43を介して、載置保持ユニット31に回動自在に支持されている。詳細には、第2ガイドユニット4’は、Y方向の回転軸中心回りに回動自在に支持され、図11(A)に示すガイド位置と図11(B)に示す退避位置との間で、矢印d9で示すように上下方向に回動自在になっている。
【0060】
弾性部材44は、第2ガイドユニット4’と載置保持ユニット31との間に設けられており、第2ガイドユニット4’をガイド位置(図11(A))に常時付勢している。同図の例では弾性部材44はコイルスプリングであるが、ゴム等、他の種類の弾性部材でもよい。
【0061】
本実施形態の場合、保持部21には、当接部21bが設けられている。第2ガイドユニット4’が把持部材21aに干渉しないよう、当接部21bは下方に突出したガード部材(押下部材)である。
【0062】
図11(A)は載置保持ユニット31が降下した状態を示しており、この状態では、当接部21bと第2ガイドユニット4’とはZ方向にずれて(離間して)おり、互いに当接しない。
【0063】
図11(B)は、載置保持ユニット31が上昇した状態を示しており、図7(B)及び図9(B)に示した工程と同じ工程を示している。当接部21bが第2ガイドユニット4’に当接することで第2ガイドユニット4’が下方へ回動している。この後、保持部21は、図8(B)で示したように移動して、リード線Wの先端側が第1ガイドユニット3から突出する状態となるが、保持部21の移動に伴って当接部21bに対する第2ガイドユニット4’の当接位置が移動し、弾性部材44の付勢により第2ガイドユニット4’が徐々にガイド位置に戻るので、リード線Wの先端側の部分を第2ガイドユニット4’で直線状態にガイドすることができる。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11