【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、データを配信する配信サーバと、無線端末と、配信サーバから受信したデータを無線端末へ配信する複数の基地局とを有するシステムにおけるデータ配信方法において、
基地局は、無線端末へ、マルチキャストデータとユニキャストデータとを混在して配信することができ、
配信サーバが、無線端末へ配信すべきデータを異なるエンコーダによって符号化した複数の帯域候補データを生成する第1のステップと、
配信サーバが、基地局毎に応じた複数の帯域候補データ全てを、当該基地局へ配信する第2のステップと、
複数の基地局が、配信サーバから受信した複数の帯域候補データの中から、当該無線端末との間の通信利用帯域に応じて選択したいずれか1つの帯域候補データを、無線端末へ配信すると共に、その帯域候補データの識別子を配信サーバへ通知する第3のステップと、
無線端末が、現在通信中の基地局の基地局識別子と、通信可能な周辺基地局の基地局識別子とを、基地局を介して、配信サーバへ送信する第4のステップと、
配信サーバが、無線端末について通信可能な周辺基地局の中で、最もマルチキャストデータの容量が大きい帯域候補データを配信する基地局における基地局識別子を、無線端末へ送信する第5のステップと、
無線端末が、配信サーバから受信した基地局識別子に基づく基地局へ、現在通信中の基地局から切り替える第6のステップと
を有することを特徴とする。
【0012】
本発明のデータ配信方法における他の実施形態によれば、
無線端末は、基地局から受信する電波の受信信号強度(RSSI(Received Signal Strength Indicator))を計測しており、
第5のステップについて、受信信号強度が所定閾値以上となる基地局を、周辺基地局とすることも好ましい。
【0013】
本発明のデータ配信方法における他の実施形態によれば、配信サーバは、受信信号強度に基づく所定閾値を、無線端末へ予め送信することも好ましい。
【0014】
本発明のデータ配信方法における他の実施形態によれば、
第1のステップの前段について、無線端末が、マルチキャストエントリメッセージを、基地局を介して配信サーバへ送信し、
第2のステップについて、配信サーバは、マルチキャストエントリメッセージを受信した基地局に対してのみ、複数の帯域候補データを配信することも好ましい。
【0015】
本発明のデータ配信方法における他の実施形態によれば、
第3のステップについて、基地局は、
無線端末への下りのユニキャストデータのユニキャスト通信利用帯域を検出し、
無線端末への下りの全通信帯域に対するユニキャスト通信利用帯域の割合が、所定閾値以上となった場合、帯域候補データを送信しないように制御することも好ましい。
【0016】
本発明のデータ配信方法における他の実施形態によれば、
基地局は、複数の無線端末に対する下りのユニキャスト通信利用帯域における単位時間の平均帯域Tの値を、配信サーバへ送信し、
配信サーバは、
当該基地局から無線端末への下りの全通信帯域Pから、ユニキャスト通信利用帯域の平均帯域Tを差引いたマルチキャスト配信可能帯域Aに基づいて、複数の帯域候補データの組合せを選択することも好ましい。
【0017】
本発明によれば、データを配信する配信サーバと、無線端末と、配信サーバから受信したデータを無線端末へ配信する複数の基地局とを有するデータ配信システムにおいて、
配信サーバは、
無線端末へ配信すべきデータを異なるエンコーダによって符号化した複数の帯域候補データを生成する帯域候補生成手段と、
基地局毎に応じた複数の帯域候補データ全てを、当該基地局へ配信する帯域候補配信手段と
無線端末について通信可能な周辺基地局の中で、最もマルチキャストデータの容量が大きい帯域候補データを配信する基地局における基地局識別子を、無線端末へ送信する基地局指示手段と
を有し、
基地局は、
配信サーバから受信した複数の帯域候補データの中から、当該無線端末との間の通信状態に応じていずれか1つの帯域候補データを選択する帯域候補選択手段と、
無線端末へ、選択された1つの帯域候補データをマルチキャストデータとして配信すると共に、その帯域候補データの識別子を配信サーバへ通知するマルチキャスト配信手段と、
無線端末へ、ユニキャストデータを配信するユニキャスト通信手段と
を有し、
無線端末は、
現在通信中の基地局の基地局識別子と、通信可能な周辺基地局の基地局識別子とを、基地局を介して、配信サーバへ送信する周辺基地局通知手段と、
配信サーバから受信した基地局識別子に基づく基地局へ、現在通信中の基地局から切り替える基地局切替手段と
を有することを特徴とする。
【0018】
本発明のデータ配信システムにおける他の実施形態によれば、
無線端末は、無線インタフェースによって、基地局から受信する電波の受信信号強度(RSSI)を計測することができ、
周辺基地局通知手段は、受信信号強度が所定閾値以上となる基地局を、周辺基地局とすることも好ましい。
【0019】
本発明のデータ配信システムにおける他の実施形態によれば、配信サーバは、受信信号強度に基づく所定閾値を、無線端末へ予め送信することも好ましい。
【0020】
本発明のデータ配信システムにおける他の実施形態によれば、
基地局は、
無線端末から、マルチキャストエントリメッセージを受信するマルチキャストエントリ受信手段と、
配信サーバへ、マルチキャストエントリメッセージを送信するマルチキャストエントリ送信手段と
を有し、
配信サーバにおける帯域候補配信手段は、マルチキャストエントリメッセージを受信した基地局に対してのみ、帯域候補データを配信することも好ましい。
【0021】
本発明のデータ配信システムにおける他の実施形態によれば、
基地局は、
ユニキャスト通信手段から、無線端末への下りのユニキャストデータのユニキャスト通信利用帯域を検出するユニキャスト帯域検出手段と、
マルチキャスト配信手段に対して、無線端末への下りの全通信帯域に対するユニキャスト通信利用帯域の割合が、所定閾値以上となった場合、帯域候補データを送信しないように制御する配信制御手段と
を有することも好ましい。
【0022】
本発明のデータ配信システムにおける他の実施形態によれば、
基地局は、複数の無線端末に対する下りのユニキャスト通信利用帯域における単位時間の平均帯域Tの値を、配信サーバへ送信するユニキャスト帯域通知手段を更に有し、
配信サーバは、帯域候補配信手段に対して、当該基地局から無線端末への下りの全通信帯域Pから、ユニキャスト通信利用帯域の平均帯域Tを差引いたマルチキャスト配信可能帯域Aに基づいて、複数の帯域候補データの組合せを選択する帯域候補選択手段を更に有することも好ましい。