【実施例】
【0021】
以下、本発明の好適な一実施例を説明する。本実施例は、機械本体に搭載された乳剤タンクと、車両の前部に設けられたアスファルト混合物収容用ホッパと、車両の後部にて機械本体の幅方向に支持されたスプレッディングスクリューと、スプレッディングスクリューの前側に設けられたスプレーバと、乳剤タンクからの乳剤をスプレーバに供給すると、ホッパの底部とスプレッディングスクリューとの間において機械本体に前後方向に設けられたコンベア(送出し装置)と、前端部が車両の前後方向中央の両側部に回動自在に支持され、かつ、後端部が機械本体に上下動可能に支持されたレベリングアームと、該レベリングアームの後端部に支持されているとともに、シリンダで上下に回動可能に支持された車両幅方向に伸縮自在なスクリード等を備えるアスファルトフィニッシャ(以下、「タックペーバ」という)に適用したものである。
【0022】
図1及び
図2は、本実施例に係るタックペーバの側面図及び平面図である。該タックペーバ1は、アスファルト混合物を収容するホッパ2と、該ホッパ2内のアスファルト混合物を施工面上に送り出すためのコンベア3と、該コンベア3におけるスプレッディングスクリュー(図示せず)の前側に設けられた左右一対の乳剤散布用のスプレーバ4と、スプレッディングスクリューの後側に設けられた一対のスクリード5と、機械本体6の中央部に配設されアスファルト乳剤を貯蔵する乳剤タンク7とを備えている。
【0023】
前記タックペーバ1は、左右一対のスプレーバ4によって、乳剤タンク7内に貯留されたアスファルト乳剤を施工面上に散布しながら、コンベア3によって、ホッパ2からのアスファルト混合物をアスファルト乳剤の上へ送り出す。その後、一対のスクリード5によってアスファルト混合物を敷き均す。
【0024】
各スプレーバ4には散布用の乳剤ノズル9が複数本取り付けられている。これら乳剤ノズル9は、スプレーバ4の長手方向に所定間隔を有して配設されている。左右一対の各スプレーバ4の内部には、乳剤を乳剤ノズル9に導く乳剤供給路が設けられ、該乳剤供給路には、乳剤タンク7からのアスファルト乳剤が伸縮用ホース10により供給されるように構成されている。
【0025】
次に、本実施例に係る乳剤保持装置について詳述する。この乳剤保持装置は、乳剤供給用の
伸縮用ホース10を自在ジョイント、ガイド及びホース受け部材によって、機械本体6の側面外方で伸縮するように構成し、スプレーバ4の伸長時における
伸縮用ホース10の切断を防止できるようにしたことを特徴とする。
【0026】
乳剤保持装置の構成例について説明すると、
図1に示すように、機械本体6の中央部下部にはフレーム11が設けられ、フレーム11の左右幅方向両側におけるスプレーバ4よりも前方箇所には、第一の自在ジョイント12を介してガイド13の前端部がピン結合されている。
【0027】
更に、ガイド13の後端部は、
図3に示すように、サポートパイプ14にスライド可能に差し込んで装着されている。サポートパイプ14は、皿形状のホース受け部材15の下側部分に固着され、ホース受け部材15の後端部には第二の自在ジョイント16を介して、スプレーバフレーム17がピン結合されている。スプレーバフレーム17はスプレーバ4の外端部に固設されている。
【0028】
ホース受け部材15の側面中央部には保持部18が突設され、保持部18には伸縮用ホース10が固定具としての束線バンド19により、ホース受け部材15から外れないように固定されている。この束線バンド19を緩めることで伸縮用ホース10をホース受け部材15から取り外すことができる。
【0029】
上記構成により、ガイド13の前端側の第一の自在ジョイント12がフレーム11にピン結合されているため、スプレーバ4とともにスプレーバフレーム17が伸長動作すると、スプレーバフレーム17にピン連結されたホース受け部材15とガイド13の後端部が、第一の自在ジョイント12を支点として扇形を描くように回動して、スプレーバ4が所望の左右幅まで拡開する。その際、この拡開動作に対応してガイド13は、ホース受け部材15に固設したサポートパイプ14に対し、軸方向に延伸するようにスライドする。
【0030】
この場合、ホース受け部材15の側面中央部には伸縮用ホース10の先端近傍部が固定されているため、伸縮用ホース10は機械本体6の側面外方でスプレーバフレーム17の拡開動作に応じてフレキシブルに伸長する。ここで、ガイド13側の第一の自在ジョイント12とホース受け部材15側の第二の自在ジョイント16は、スプレーバ4が上下に動作する際の誤差を吸収する機能を有する。
【0031】
スプレーバ4が所望の左右幅まで拡開した後に、該スプレーバ4が元の位置まで閉鎖するときは、上記とは逆の動作を行う。即ち、スプレーバ4とともにスプレーバフレーム17が短縮動作すると、ホース受け部材15とガイド13の後端部が、第一の自在ジョイント12を支点として機体本体6側に向かって回動して閉鎖する。その際、この閉鎖動作に対応してガイド13は、サポートパイプ14に対し軸方向に短縮するようにスライドする。
【0032】
叙上の如く本発明によると、ガイドの前端部がフレームに第一の自在ジョイントにより回動自在に結合されているため、スプレーバが機械本体の外方に伸長動作すると、ガイドとホース受け部材は、第一の自在ジョイントを支点として扇状に拡開動作し、その際、ガイドは、スプレーバの伸長動作に追従すべく、ホース受け部材側のサポートパイプに対して伸長方向にスライドする。また、これと同時に、ホース受け部材に先端近傍部が固定された
伸縮用ホースは、機械本体の側面外方のスペースにおいてスプレーバの伸長動作に追従して一体的に伸長する。
【0033】
従って、
伸縮用ホースの先端部がホース受け部材に固定された状態で伸張するので、ホース受け部材や
伸縮用ホースに対するアスファルト乳剤の付着の有無に関係なく、
伸縮用ホースはスプレーバの動作に応じて円滑に追従移動する。
【0034】
依って、
伸縮用ホースは、スプレーバの伸長動作に円滑に追従して伸長し、
伸縮用ホースに引っ張り力が作用する虞がないので、従来例の如き、アスファルト乳剤の付着に起因する
伸縮用ホースの切断を確実に未然防止することができる。又、
伸縮用ホースの先端近傍部分は、機械本体の側面外方の広いスペースに配設されるため、作業者は、
伸縮用ホースの交換等のメンテナンスを作業性良く容易に実施することができる。
【0035】
さらに、
伸縮用ホースは、その先端近傍部が束線バンド等の固定具によりホース受け部
材の側面に取り外し可能に固定されているので、
伸縮用ホースの交換作業などを行う際は、束線バンド等の固定具を緩めるだけで、ホース受け部
材から
伸縮用ホースを簡単に取り外すことができる。そのため、作業者は、機械本体の側面外方において、
伸縮用ホースの交換などを一層容易に行うことができる。
【0036】
以上、本発明の具体的な実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。