【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。なお、以下の実験において重量平均分子量は、GPCにより、THFを移動相として、ポリスチレン換算で測定した(装置名:HLC−9120(東ソー(株)社製)、カラム:TSKgelSuperHZ2500、スピード:0.3mL/分、溶質濃度:10g/l、温度:40℃、検出器:RI)。
【0056】
(1)原料の準備方法
(1−1)化合物(A−1)の合成
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)JER834)240質量部をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120質量部に溶解したものにアクリル酸72質量部を加え加熱還流条件下、定法により反応させ、化合物(A)に相当する合成樹脂1を得た(重量平均分子量500)。
(1−2)化合物(A−2)の合成
(1−2−1)トリアミン化合物の合成
1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]−1,1−ビス[4−ヒドロキシフェニル]エタン(本州化学工業社製 trisP−PA)42.5g(0.1mol)とp−クロロニトロベンゼン50.4g(0.32mol)と炭酸カリウム55.3g(0.4mol)を加え、N−メチルピロリドン150g溶媒中で、窒素気流下5時間還流、攪拌し反応させた。室温まで冷却した後、減圧濾過により複製した無機塩及び残留した炭酸カリウム取り除くことにより、トリニトロ体のN−メチルピロリドン溶液を得た。
【0057】
続いて、攪拌機、温度計、還流管と窒素導入管を備えた1Lの4つ口フラスコに得られたトリニトロ体のN−メチルピロリドン溶液とプロピレングリコールモノメチルエーテル150g及び5%パラジウム炭素1.0gを加え、フラスコ内を窒素置換した後、攪拌しながら80〜85℃に昇温後、60%ヒドラジン水溶液50mlをゆっくり滴下し、反応温度を80〜95℃になるように調節しながら5時間加熱攪拌した。その後HPLCで反応液を分析しながら、トリニトロ体の還元中間体のピークが消失したのを確認した後反応を停止した。冷却後減圧濾過によりパラジウム炭素を取り除いた反応液に、攪拌しながらメタノール300g及び水600gをゆっくり投入し、析出物を減圧濾過で回収し、水洗した後真空乾燥して下記式(x)であらわされるトリアミン化合物の茶白色結晶を得た。収量は62.5g(収率92%)であった。
【0058】
【化10】
【0059】
HPLC面積(%) 99.3%、
1H−NMR(DMSOd−6、TMS)δ7.14−7.10(m、4H)、6.94−6.91(m、6H)、6.77−6.73(m、12H)、6.59−6.55(m、6H)、4.96(s、6H)、2.01(s、3H)、1.58(s、6H)
【0060】
(1−2−2)化合物(A2)の合成
攪拌機、窒素導入管、温度計、還流管及びディーンスタークトラップを備えた300ml4つ口フラスコに水添トリメリット酸無水物(H−TMAn−s、三菱ガス化学製)39.63g(0.2mol)及び溶媒としてγ−ブチロラクトン30gを加え、10〜15℃に冷却下攪拌しながら、(1−2−1)で合成したトリアミン化合物46.5g(0.067mol)をガンマブチロラクトン70gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した後、室温で1時間攪拌することでイミド前駆体樹脂溶液を得た。得られたイミド前駆体樹脂溶液にシクロペンチルメチルエーテル30gを加えて窒素を流通させて生成する水を共沸脱水により取り除きながら130℃で2時間、更に150℃で2時間加熱攪拌することで末端にカルボキシルを有するイミド化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た。つづいてグリシジルメタクリレート(ブレンマーGH、日油製)42.7g(0.3mol)及び重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン0.2g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン0.2gを加え、フラスコ内に乾燥空気を流通させながら90℃で5時間加熱攪拌後、更に100℃で10時間加熱攪拌し、固形分酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応を行うことで、化合物(A)に相当する下記式(xi)の構造の化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た(分子量1665)。固形分は57%で、GPCでの重量平均分子量約2800であった。
【0061】
【化11】
【0062】
(1−3)化合物A3の合成
攪拌機、窒素導入管、温度計、還流管及びディーンスタークトラップを備えた500ml4つ口フラスコに水添トリメリット酸無水物(H−TMAn−s、三菱ガス化学製)237.8g(1.2mol)及び溶媒としてγ−ブチロラクトン540gを加え、10〜15℃に冷却下攪拌しながら、上記トリアミン化合物279.14g(0.4mol)をガンマブチロラクトン60gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した後、室温で1時間攪拌することでイミド前駆体樹脂溶液を得た。得られたイミド前駆体樹脂溶液にシクロペンチルメチルエーテル100gを加えて窒素を流通させて生成する水を共沸脱水により取り除きながら130℃で2時間、更に150℃で2時間加熱攪拌することで末端にカルボキシルを有するイミド化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た。つづいて4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE、日本化成製)360.18g(1.8mol)及び重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン3.0g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン1.5gを加え、フラスコ内に乾燥空気を流通させながら90℃で5時間加熱攪拌後、更に100℃で10時間加熱攪拌し、固形分酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応を行うことで、化合物A3のγ−ブチロラクトン溶液を得た(分子量1838)。固形分は53.5%で、GPCでの重量平均分子量約2400であった。合成スキームを以下に示す。
【0063】
【化12】
【0064】
(1−4)化合物A4の合成
攪拌機、窒素導入管、温度計、還流管及びディーンスタークトラップを備えた500ml4つ口フラスコに水添トリメリット酸無水物(H−TMAn−s、三菱ガス化学製)99.09g(0.5mol)及び溶媒としてγ−ブチロラクトン180gを加え、10〜15℃に冷却下攪拌しながら、(2,2-ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン102.55g(0.25mol)をガンマブチロラクトン30gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した後、室温で1時間攪拌することでイミド前駆体樹脂溶液を得た。得られたイミド前駆体樹脂溶液にシクロペンチルメチルエーテル50gを加えて窒素を流通させて生成する水を共沸脱水により取り除きながら130℃で2時間、更に150℃で2時間加熱攪拌することで末端にカルボキシルを有するイミド化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た。つづいてグリシジルメタクリレート(ブレンマーGH、日油製)106.88g(0.75mol)及び重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン0.5g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン0.5gを加え、フラスコ内に乾燥空気を流通させながら90℃で5時間加熱攪拌後、更に100℃で10時間加熱攪拌し、固形分酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応を行うことで、化合物A4のγ−ブチロラクトン溶液を得た(分子量1055)。固形分は62.5%で、GPCでの重量平均分子量約1190であった。合成スキームを以下に示す。
【0065】
【化13】
【0066】
(1−5)化合物A5の合成
攪拌機、窒素導入管、温度計、還流管及びディーンスタークトラップを備えた500ml4つ口フラスコに水添トリメリット酸無水物(H−TMAn−s、三菱ガス化学製)99.09g(0.5mol)及び溶媒としてγ−ブチロラクトン180gを加え、10〜15℃に冷却下攪拌しながら、(トリメチレン ビス(4−アミノベンゾアート:CUA-4イハラケミカル工業製)78.53g(0.25mol)をガンマブチロラクトン20gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した後、室温で1時間攪拌することでイミド前駆体樹脂溶液を得た。得られたイミド前駆体樹脂溶液にシクロペンチルメチルエーテル50gを加えて窒素を流通させて生成する水を共沸脱水により取り除きながら130℃で2時間、更に150℃で2時間加熱攪拌することで末端にカルボキシルを有するイミド化合物のγ−ブチロラクトン溶液を得た。つづいてグリシジルメタクリレート(ブレンマーGH、日油製)106.88g(0.75mol)及び重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン0.5g、反応触媒としてトリフェニルホスフィン0.5gを加え、フラスコ内に乾燥空気を流通させながら90℃で5時間加熱攪拌後、更に100℃で10時間加熱攪拌し、固形分酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応を行うことで、化合物A5のγ−ブチロラクトン溶液を得た(分子量958)。固形分は57%で、GPCでの重量平均分子量約1080であった。合成スキームを以下に示す。
【0067】
(1−6)比較化合物1
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)JER834)240質量部をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120質量部に溶解したものにアクリル酸72質量部を加え加熱還流条件下、定法により反応させ、続いて、テトラヒドロ無水フタル酸83質量部を定法により反応させて重量平均分子量500の1分子中にカルボキシル基を有し、且つ2以上の不飽和基を有する樹脂を得た。
【0068】
(1−7)比較化合物2
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)JER1010)400質量部をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120質量部に溶解したものにアクリル酸7.2質量部を加え加熱還流条件下、定法により反応させ、重量平均分子量5800の1分子中にカルボキシル基を有さず、2以上の不飽和基を有する樹脂を得た。
【0069】
(2)評価試験片作製方法
(2−1)実施例1〜7及び比較例1〜5
表1に示される重量比で各配合物を3本ロールで混合分散させて、硬化性樹脂組成物を調製した。また、硬化塗膜の作製工程は以下の通りである。
【0070】
表面処理:バフ研磨
塗膜膜厚:dry20〜23μm
塗工:バーコーター塗布
UV照射: レジスト上: 400mJ/cm
2(オーク社製HMW−680GW)
加熱処理: 150℃−60分(BOX炉内70分)
【0071】
(2−2)実施例8〜14及び比較例6〜10
表2に示される重量比で各配合物を3本ロールで混合分散させて、白色の硬化性樹脂組成物を調製した。厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製、「ルミラー」)の表面を3%硫酸水溶液で処理して表面を洗浄後、DRY膜厚が20〜23μmとなるように白色の硬化性樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の表面全体にスクリーン印刷法にて塗布し、上記と同様のUV照射及び加熱処理条件で硬化塗膜を作製し、試験片とした。なお、反射率に関しては、加速試験である環境放置に伴うポリエチレンテレフタレート自体の劣化の影響を除くため、ガラス板(1.2mm厚)上に同様な方法にて硬化塗膜を形成し評価した。
【0072】
(2−3)実施例15〜30
表3に示される重量比で各配合物を3本ロールで混合分散させて樹脂組成物を調製した。厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ製)の表面をイソプロピルアルコールを用いて脱脂処理した。次いで、DRY膜厚が10〜15μmとなるように樹脂組成物を当該フィルムにバーコーター塗布し、500〜2000mJ/cm
2(ランプ光源:メタルハライドランプ)のUVを照射した。ついで、120〜150℃で60分(BOX炉内70分)ポストキュアして試験片を作製した。
【0073】
(3)評価方法
(3−1)粘度測定
硬化性組成物の粘度を音叉型振動式粘度計により測定した。
【0074】
測定装置名:SV型粘度計(SV−10)、(株)エー・アンド・デイ社製
固有周波数:30Hz、測定温度:25℃
【0075】
(3−2)保存安定性(増粘率)
樹脂組成物を音叉型振動式粘度計にて粘度測定(25℃)を行い、恒温槽にて50℃−7日間後の増粘率を求めた。増粘率1.1未満を◎、1.1以上−1.2未満を○、1.2以上−1.5未満を△、1.5以上を×と評価した。
【0076】
(3−3)変色性評価
実施例1〜7及び比較例1〜5については、硬化塗膜を260℃で5分間加熱後、変色を目視にて評価した。変色なしのものを○、変色が若干認められるものを△、黄変したものを×と評価した。実施例15〜30に関しては、上記(2−3)におけるポストキュア後の基板を目視にて確認し同様に評価した。
【0077】
(3−4)塗膜硬度
銅箔上の硬化塗膜の鉛筆硬度を、JIS K−5600−5−4の試験方法に従って評価した。
【0078】
(3−5)はんだ耐熱性
はんだ耐熱性は、試験片の硬化塗膜を、JIS C−6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒間浸せき後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、これを1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない。
○:3サイクル繰り返し後の塗膜にほんの僅か変化が認められる。
△:2サイクル繰り返し後の塗膜に変化が認められる。
×:1サイクル繰り返し後の塗膜に剥離が認められる。
【0079】
(3−6)絶縁特性
絶縁特性はIPC−TM−650のIPC−SM840B B−25テストクーポンのくし形電極を用い、85℃、85%R.H.で200時間加湿した後の絶縁抵抗を、DC50Vを印加して測定した。
【0080】
(3−7)反射率
分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)を用いて、硬化塗膜を被覆した試験片の450nmにおける反射率を測定した。また、「初期」とは評価試験片作製直後、評価試験片を作製後、「加温加湿後」とは85℃、85%RHにて、1000時間放置後を意味する。
(3−8)透過率
樹脂組成物を石英ガラス(50×50×1mm)に塗工し、(2−3)の条件で硬化させた後、硬化膜に対してJIS-K-7105、JIS-K-7136に準じて、日立ハイテク社製U-3310分光高度計を用いて全光線透過率を測定した。
(3−9)ヘーズ
樹脂組成物を石英ガラス(50×50×1mm)に塗工し、(2−3)の条件で硬化させた後、硬化膜に対してJIS-K-7105、JIS-K-7136に準じて、日立ハイテク社製U-3310分光高度計を用いてヘーズを測定した。
(3−10)折り曲げ試験
(2−3)の条件で硬化塗膜を形成した試験片をハゼ折りにより180°折り曲げを数回繰り返して行い、その際の透明絶縁膜におけるクラック発生状況を目視及び200倍の光学顕微鏡で観察し、クラックが発生し無かった回数を評価した。
(3−11)伸び率(%)
樹脂組成物をPETフィルムに厚さ50μm±10μmになるようにバーコーターを用いて均一に塗布した後、(2−3)の予備乾燥からポストキュアまでの工程を行い、硬化塗膜を形成した。つづいて作成された硬化塗膜をPETフィルム(125μm)から剥がし所定の大きさに切断したものついて、SHIMAZU社製オートグラフを使用し、引っ張り速度5mm/minの条件で伸び率を測定した。
【0081】
(4)実験結果
各樹脂組成物(硬化物)の評価結果を表1〜表3に示した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
*1:式(iv)で表されるアリル基含有ジイミド(丸善石油化学社製)
*2:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、チバ スペシャルティ ケミカルズ社製)
*3:メラミン誘導体(MX−750LM、(株)三和ケミカル社製)
*4:フタロシアニングリーン(リオノールグリーン2Y−301、東洋インキ製造(株)社製)
*5:シリカ(MIN−U−SIL 5、林化成(株)社製)
*6:消泡剤(KS−66、信越化学工業(株)社製)
*7:チクソ性付与剤(R−974、日本アエロジル(株)社製)
*8:2.4.6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(SPEEDCURE TPO、日本シイベルヘグナー(株)社製)
*9:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア819、チバ スペシャルティ ケミカルズ(株)社製)
EBECRYL3708:ダイセル・サイテック(株)製、二官能変性エポキシアクリレート、重量平均分子量1500
EBECRYL9270:ダイセル・サイテック(株)製、二官能ウレタンアクリレート、重量平均分子量1000
イルガキュア184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
ダロキュア1173:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン
イルガキュア2959:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、1‐[4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル]‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン
イルガキュア127:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン
イルガキュア651:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、ベンジルジメチルケタール系光重合開始剤(2,2‐ジメトキシ‐1,2‐ジフェニルエタン‐1‐オン)
イルガキュア369:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、α‐アミノケトン系光重合開始剤(2‐ベンジル‐2‐ジメチルアミノ‐1‐(4‐モルフォリノフェニル)‐ブタノン‐1)
MX708:メラミン誘導体、(株)三和ケミカル社製
MX002:メラミン誘導体、(株)三和ケミカル社製
【0086】
表1から明らかなとおり、本発明の硬化性組成物は、保存安定性、変色性評価、はんだ耐熱性がいずれも優れていることが分かる。なお、実施例6では、保存安定性がやや劣る傾向があったことから、メラミンの含有量としては2質量部程度が適切であることが分かる。
【0087】
また、本発明の硬化性組成物は、いずれも、塗膜硬度が3H以上(好ましくは4H以上)、絶縁抵抗が0.8×10
12Ω以上という良好な結果となった。特に、実施例2及び実施例3の組成物については、評価項目がいずれも良好であり、優れていることが分かる。
【0088】
さらに、表2から明らかなとおり、本発明の硬化性組成物の硬化物は、優れた反射率を有し、塗膜硬度も良好であることから、太陽電池モジュール用の反射シートとしても好適である。
また、表3から、実施例15〜30の硬化性組成物の硬化物、特に実施例15〜25の硬化性組成物の硬化物は、良好な透明性を有することが分かる。