(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送電網(202)内においてノード(212)に関連付けられたエージェントプロセス(218)が、任意の数の負荷(208)からの電力(214)の要求に応答して任意の負荷(208)に電力(214)を送達するために、送電網(202)内のノード(212)から複数のノード(224)を選択するように構成されている、請求項1に記載の装置。
エージェントプロセス(218)に含まれる1つのエージェントプロセス(318)が、送電網(202)内のノード(212)を介して電力(214)を送達するための容量の要求(818、1128、1228)を送り、この容量の要求に対する任意の数の応答(1166、1242)を受け取り、且つこの任意の数の応答(1166、1242)に基づいて送電網(202)内のノード(212)から複数のノード(224)を選択するように構成されている、請求項1ないし3の何れか一項に記載の装置。
エージェントプロセス(318)が第1のエージェントプロセス(1102、1204)であり、送電網(202)内のノード(212)のうちの1つのノード(330)に関連付けられた第2のエージェントプロセス(1106、1208)が、第1のエージェントプロセス(1102、1204)が送った容量の要求(1128、1228)を受け取り、第2のエージェントプロセス(1106、1208)に関連付けられたノード(330)の容量を特定し、且つ第1のエージェントプロセス(1102、1204)に任意の数の応答(1166、1242)を返す、請求項1ないし4の何れか一項に記載の装置。
任意の数のエージェントプロセス(226)が、任意の数の負荷(208)に電力(214)を送達する間に容量に変化が生じると、送電網(202)内の複数のノード(224)内の電力の流れを変化させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
通信ネットワーク(204)が、送電網(202)内の動力線(210)、無線通信リンク(225)、有線通信リンク(227)、及び光ファイバケーブル(229)のうちの少なくとも1つから選択された通信リンク(223)を含んでいる、請求項1に記載の装置。
任意の数の動力線(233)及び複数のノード(224)が、回路(220)内に電力潮流回路(242)を形成しており、任意の数のエージェントプロセス(226)が、回路(220)内に電力制御回路(244)を形成している、請求項1に記載の装置。
第1の終点(230)が、任意の数の電源(206)のうちの1つの電源、及び複数のノード(224)のうちの1つのノードから選択され、第2の終点(232)が、任意の数の負荷(208)のうちの1つの負荷、及び複数のノード(224)のうちの1つのノードから選択される、請求項10に記載の装置。
制御プロセス(238)が、通信ネットワーク(204)を使用して任意の数のエージェントプロセス(226)と通信することにより、任意の数のエージェントプロセス(226)が、送電網(202)内の複数のノード(224)を回路(220)に構成する、請求項1ないし3の何れか一項に記載の装置。
エージェントプロセス(218)のうちの1つのエージェントプロセス(318)が、制御装置インターフェースプロセス(321)、デマンド応答システムインターフェースプロセス(323)、最適化プロセス(325)、安定化プロセス(327)、電力潮流信号送信プロセス(329)、通知プロセス(331)、及びサイバーセキュリティプロセス(333)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1ないし3の何れか一項に記載の装置。
任意の数のエージェントプロセス(226)のうちの少なくとも1つがインテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセス(320)である、請求項1ないし3の何れか一項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、有利な一実施形態による電力モデルを示している。この実施例では、電力モデル100は、三次元の電力モデルである。電力モデル100は、送電網における電力のモデルとして使用することができる。具体的には、電力モデル100は、送電網の電力潮流、電力管理、及び電力制御を、互いに独立して扱うことができる。
【0018】
図示のように、電力モデル100は、電力潮流面102、電力管理面104、及び電力制御面106を含んでいる。この実施例では、電力潮流面102は、送電網内の電力の流れの物理的側面を含む。このような物理的側面には、電気の流れ108、熱の流れ110、及び物理的セキュリティ112が含まれる。
【0019】
この実施例では、電力管理面104及び電力制御面106は、開放形システム相互接続(OSI)モデルの一部である層114を含む。開放形システム相互接続モデルは、7層に分割された通信及びコンピュータネットワークアーキテクチャのモデルである。
【0020】
電力管理面104は、集中型コンピュータシステムによって実行される、送電網内電力潮流の管理機能を含んでいる。例えば、集中型コンピュータシステムは、1つの境界内部で送電網の一部と通信することにより、当該境界内の電力潮流を管理する。
【0021】
1つの境界は、送電網の複数の部分を区別している。例えば、境界は、地理的境界、組織的境界、行政的境界、又は他の何らかの適切な種類の境界とすることができる。例えば、組織的境界は、2つの異なる電気供給者が管理する電力網の2つの部分を分けることができる。
【0022】
電力制御面106は、複数の組織的境界にまたがる送電網に関連付けられたコンポーネントにより実行される機能を含んでいる。これらのコンポーネントには、例えば、送電網に関連付けられたデータ処理システム上で実行されるプロセスが含まれる。これらのプロセスは、自立的に通信して、送電網の電力の流れを制御することができる。本明細書において使用される「自立的に」という表現は、人間による制御及び/又は介入を必要としないことを意味する。
【0023】
図1に示す電力モデル100は、例示であり、異なる有利な実施形態をアーキテクチャ的に制限するものではない。
【0024】
種々の有利な実施形態は、任意の数の様々な検討事項を認識して考慮している。例えば、種々の有利な実施形態は、送電網の動力線内で電力損失が発生することを認識して考慮している。種々の有利な実施形態は、また、送電網の一部を送電に使用することにより、他の部分を使用した場合より電力損失が小さくなることを認識して考慮している。
【0025】
さらに、種々の有利な実施形態は、状況によっては、選択された電源から電力を消費することが望ましいことを認識して考慮している。このような状況には、例えば、特定の電源に関連するコスト、嗜好される環境、及び/又は他の種類の状況が含まれる。
【0026】
種々の有利な実施形態は、現在のところ送電網内の電力の流れは組織的境界にまたがって制御できないことを認識している。さらに、種々の有利な実施形態は、現在のところ送電網の一部がオペレーションセンターによって管理されていることを認識して考慮している。各オペレーションセンターは、1つの組織的境界内で電力の一部を管理する集中型コンピュータシステムを含むことができる。
【0027】
種々の有利な実施形態は、複数の組織的境界にまたがる送電網内のコンポーネントが互いに自立的に通信することが可能であるように構成されたネットワークが望ましいということを認識し、考慮している。この種の通信により、送電網内のコンポーネントは、オペレーションセンターからの入力を必要とせずに、電力の流れを制御することができる。
【0028】
このように、種々の有利な実施形態は、電力潮流のネットワークを用いた中央制御のための方法と装置を提供する。有利な一実施形態において、装置は、送電網内の任意の数の動力線と、送電網内の複数のノードと、情報を運搬する通信ネットワークと、複数のノードに関連付けられた任意の数のエージェントプロセスとを含む。任意の数の動力線は電力を運搬する。複数のノードは、任意の数の動力線上を運搬される電力を制御する。任意の数のエージェントプロセスは、通信ネットワークを使用して互いに通信し、送電網内の複数のノードを回路に構成し、この回路に関連付けられた任意の数の負荷への回路を介した電力送達を制御する。
【0029】
図2は、有利な一実施形態による電力環境のブロック図を示している。この実施例では、電力環境200は、送電網202と通信ネットワーク204とを含む。送電網202は
図1の電力潮流面102に使用される。通信ネットワーク204は、
図1の電力管理面104及び/又は電力制御面106に使用される。
【0030】
この実施例に示すように、送電網202は、任意の数の電源206、任意の数の負荷208、動力線210、及びノード212を含んでいる。送電網202は、任意の数の電源206から任意の数の負荷208へと電力214を送達する。動力線210は、任意の数の電源206から任意の数の負荷208へと電力214を送達するために使用することができる。この実施例では、動力線210は送電線の形態をとる。具体的には、動力線210は電力線の形態をとる。
【0031】
動力線210のうちの2つ以上の動力線は、ノード212のうちの1つのノードにおいて接続されている。ノード212は、動力線210のうちの1つで運搬される電力214を、動力線210のうちの1つ又は複数の他の動力線に伝送する。ノード212は、動力線センサ、協調フレキシブル交流電流送電システムデバイス、電子フィルタ、位相シフタ、変圧器、アダプタ、プロセッサユニット、及び/又は他の適切なデバイスのうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
本明細書において、列挙されたアイテムと共に使用する「〜のうちの少なくとも1つの」という表現は、列挙されたアイテムのうちの一又は複数からなる様々な組み合わせが使用可能であり、且つ列挙された各アイテムが1つだけあればよいことを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「アイテムA」、又は「アイテムAとアイテムB」を含む。この例は、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含む。他の例として、「〜のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、並びに他の適切な組み合わせを含む。
【0033】
これらの実施例では、動力線210とノード212とは、送電網202において相互接続される。換言すれば、動力線210の1つ、及び/又はノード212の少なくとも1つを通る電力214の流れは、他の動力線210及び/又はノード212を通る電力214の流れに影響を与える。さらに、ノード212のうちの一つに含まれるデバイスは、他のノード212を通る電力214の流れに影響を与える。
【0034】
これらの実施例では、通信ネットワーク204は送電網202と関連付けられている。第1のコンポーネントは、第2のコンポーネントに対して、固定、結合、締結、及び/又は他の何らかの方法で接続されていることにより、第2のコンポーネントに関連付けられていると考えられる。例えば、第1のコンポーネントは、有線で、無線で、又は他の何らかの方法で第2のコンポーネントに接続することができる。第1のコンポーネントは、第3のコンポーネントによって第2のコンポーネントに接続されてもよい。第1のコンポーネントを、第2のコンポーネントの一部及び/又は延長部とすることにより第2のコンポーネントに関連付けることを考えることもできる。
【0035】
通信ネットワーク204は、データ処理システム216と通信リンク223とを含んでいる。データ処理システム216は、ノード212と関連している。一例として、データ処理システム216はワイヤによりノード212に接続されている。このような実施例では、データ処理システム216の各々は、ノード212のうちの1つに関連付けられている。他の実施例では、ノード212の一部のみがデータ処理システム216に関連付けられている。
【0036】
エージェントプロセス218は、データ処理システム216上で実行される。エージェントプロセス218は、プログラムコードの形態のソフトウェアプロセスである。エージェントプロセス218は、ノード212の少なくとも一部と関連付けられる。この部分は、ノード212の一部又は全部とすることができる。
【0037】
このような実施例では、エージェントプロセス218の各々は、データ処理システム216のそれぞれ異なる1つで実行される。このように、エージェントプロセス218の各々は、ノード212のうちの1つに関連付けられている。
【0038】
このような実施例では、エージェントプロセス218の1つに関連付けられるとき、ノード212の1つは制御ノード213と呼ばれる。幾つかの実施例では、ノード212の1つは、エージェントプロセス218のうちの2つ以上に関連付けられる。例えば、ノード212のうちの1つに関連付けられたデータ処理システム216のうちの1つは、2つ以上のエージェントプロセス218を実行することができる。
【0039】
通信ネットワーク204は、データ処理システム216上で実行されるエージェントプロセス218間における情報交換を可能にする。さらに、通信ネットワーク204は、データ処理システム219上で実行される任意の数のプロセスと、エージェントプロセス218との間の情報交換を可能にする。これらの実施例では、データ処理システム219はオペレーションセンター235の一部である。オペレーションセンター235は、送電網202の外側に位置していてよい。オペレーションセンター235のオペレーターは、送電網202を通る電力214の流れを、通信ネットワーク204を用いて監視及び/又は制御することができる。
【0040】
通信ネットワーク204におけるこのような情報交換は、通信ネットワーク204内の通信リンク223を使用して行われる。例えば、エージェントプロセス218は、通信ネットワーク204内の通信リンク223を使用して互いに通信する。
【0041】
通信リンク223は、動力線210、無線通信リンク225、有線通信リンク227、光ファイバケーブル229、及びその他適切な通信リンクのうちの少なくとも1つを含むことができる。さらに、通信ネットワーク204は、例えば、限定しないが、スイッチ、ルータ、及び他の適切な種類の通信デバイスといった他の種類のデバイスを含むことができる。図示のような実施例では、通信ネットワーク204は、インターネットプロトコル(IP)ネットワークを使用して実施することができる。
【0042】
データ処理システム216上で実行されるエージェントプロセス218は、電力環境200においては制御システム221の一部である。他の実施例では、制御システム221は、他のデータ処理システム上で実行される他のプロセスを含むことができる。このような他のデータ処理システムは、送電網202の内部、及び/又は外部に位置させることができる。例えば、制御システム221は、オペレーションセンター235内にデータ処理システム219を含むことができる。
【0043】
このような実施例では、制御システム221は、エージェントプロセス218を使用して送電網202を通る電力214の流れを制御する。具体的には、エージェントプロセス218の各々は、エージェントプロセスに関連付けられたノード212のうちの1つを通る電力の流れを制御する。
【0044】
このような実施例では、制御システム221内のエージェントプロセス218は、通信ネットワーク204を使用して互いに通信することにより回路220を形成する。このような実施例では、回路220は、仮想電力回路222である。仮想電力回路222は、電力潮流回路242及び電力制御回路244を含む。電力潮流回路242は、送電網202内部に形成される。さらに、電力潮流回路242は、
図1の電力潮流面102内部で動作する。電力制御回路244は、送電網204内部に形成される。電力制御回路244は、
図1の電力制御面106内部で動作する。
【0045】
電力潮流回路242は、第1の終点230、第2の終点232、ノード212のうちの複数のノード224、及び動力線210のうちの任意の数の動力線233により、送電網202内に形成される。第1の終点230は、任意の数の電源206及び複数のノード224から選択された1つとすることができる。第2の終点232は、任意の数の負荷208及び複数のノード224から選択された1つとすることができる。
【0046】
第1の終点230、第2の終点232、及び複数のノード224は、動力線210のうちの任意の数の動力線233により接続される。このような実施例において、仮想電力回路222は、送電網202内の電力214の一部231を、任意の数の動力線233内で運搬する。一部231は、仮想電力回路222の構成に応じて、電力214の一部又は全部とすることができる。
【0047】
仮想電力回路222内の電力潮流回路242は、送電網202内の任意の数の他の電力潮流回路とコンポーネントを共有することができる。一実施例として、電力潮流回路242は、任意の数の動力線233の少なくとも一部を別の電力潮流回路と共有することができる。
【0048】
例えば、任意の数の動力線233を流れる電力の一部は、任意の数の動力線233を流れる電力の別の部分と同じ
始点を有しても、有さなくてもよい。さらに、任意の数の動力線233を流れる電力の一部は、任意の数の動力線233を流れる電力の別の部分と同じ終点に送達されても、されなくてもよい。任意の数の動力線233を流れる電力のこのような異なる部分は、互いから区別できないことがある。さらに、任意の数の動力線233を流れる電力のこのような異なる部分は、
図1の電力潮流面102において区別できないことがある。
【0049】
図示の実施例では、複数のノード224は、エージェントプロセス218によって1つのグループとして選択される。例えば、エージェントプロセス218の1つ、幾つか、又はすべてが、複数のノード224を選択する。換言すれば、仮想電力回路222の複数のノード224は、制御システム221内のエージェントプロセス218の少なくとも一部により選択される。エージェントプロセス218の少なくとも一部は、互いに通信することにより、複数のノード224に関連付けられたエージェントプロセス218のうちの任意の数のエージェントプロセス226を特定する。
【0050】
任意の数のエージェントプロセス226は、複数のノード224と関連付けられた任意の数のデータ処理システム228上で実行される。任意の数のデータ処理システム228上で実行される任意の数のエージェントプロセス226は、仮想電力回路222内に電力制御回路244を形成する。
【0051】
このような実施例では、電力制御回路244内の任意の数のデータ処理システム228の位置は、送電網202内の電力潮流回路242の複数のノード224の位置に従う。換言すると、このような実施例では、電力制御回路244は電力潮流回路242を反映している。
【0052】
任意の数のエージェントプロセス226は、複数のノード224を、仮想電力回路222内の電力潮流回路242の一部として構成する。複数のノード224のこのような構成は、任意の数のエージェントプロセス226の任意の数の方針に基づいている。幾つかの実施例では、任意の数のエージェントプロセス226のうちの1つは、複数の方針を使用できる。
【0053】
さらに、複数のノード224を構成することは、通信ネットワーク
204を使用することにより、任意の数の動力線2
33を選択し、複数のノード224を通して電力214の一部231を送達するための容量を任意の数の動力線233に確保することを含む。電力制御回路244内の任意の数のエージェントプロセス226は、電力潮流回路242内の任意の数の動力線233及び複数のノード224を通して電力214の一部231の送達及び流れを監視及び制御する。
【0054】
電力潮流回路内の動力線は、送電網202内に形成された複数の異なる電力潮流回路のために、電力214の複数の異なる流れを運搬することができる。通信ネットワーク204内の複数の異なる電力制御回路は、動力線内を運搬される電力214のこのような複数の異なる流れを、
図1の電力制御面106において互いに区別することを可能にする。換言すると、各電力制御回路は、特定の電力潮流回路の電力214の流れの監視及び制御を行う。
【0055】
図2に示す電力環境200は、種々の有利な実施形態を実施可能な方式に対する物理的又はアーキテクチャ的な限定であることを意図していない。図示されたコンポーネントに加えて及び/又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。一部の有利な実施形態では幾つかのコンポーネントは不要である。また、ブロックは、幾つかの機能的なコンポーネントを示すために提示されている。種々の有利な実施形態において実施されるとき、これらのブロックの一又は複数は異なるブロックに合成及び/又は分割することができる。
【0056】
例えば、制御システム221内の制御プロセス238は、送電網202の外側に位置するデータ処理システム219で実行されてもよい。制御プロセス238は、無線通信リンク225によりエージェントプロセス218と通信することができる。制御プロセス238は、電力制御回路244のエージェントプロセス218内の任意の数のエージェントプロセス226を選択することができる。さらに、制御プロセス238は、任意の数のエージェントプロセス226に対し、複数のノード224を電力潮流回路242の一部に構成するようにとのコマンドを送ることができる。
【0057】
また別の有利な実施形態では、エージェントプロセス218は、ノード212内のプロセッサユニット240上で実行することができる。例えば、プロセッサユニット240は、ノード212内のデバイスの一部とすることができる。
【0058】
図3は、有利な一実施形態による複数のノードのブロック図を示している。この実施例では、複数のノード300は、
図2の複数のノード224の一実装態様の一例である。複数のノード300は、送電網の回路(例えば、
図2の送電網202の回路220)の一部である。
【0059】
図示のように、複数のノード300にはノード302が含まれる。ノード302は、動力線301と動力線303との接続部に位置している。ノード302は、動力線センサ306、動力線センサ307、制御装置308、制御装置309、及びプロセッサユニット310を含んでいる。動力線センサ306と制御装置308とは、動力線301上に位置している。動力線センサ307と制御装置309とは、動力線303上に位置している。
【0060】
この実施例では、プロセッサユニット310は、任意の数の異なるデバイス(例えば、データ処理システム、ノード、センサ、又はその他何らかの適切なデバイス)において実施される。例えば、データ処理システムは、
図2のデータ処理システム216のうちの1つのデータ処理システムである。プロセッサユニット310の例には、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、中央処理ユニット、マルチコアプロセッサ、又はその他何らかの同種のハードウェアコンポーネントが含まれる。プロセッサユニット310は、動力線センサ306、動力線センサ307、制御装置308、及び制御装置309との通信を行う。
【0061】
この実施例では、エージェントプロセス318は、プロセッサユニット310上で実行される。エージェントプロセス318は、ノード302を通る電力316の流れを監視し、追跡し、且つ制御する。エージェントプロセス318は、任意の数のプロセスを含む。これらのプロセスには、制御装置インターフェースプロセス321、デマンド応答システムインターフェースプロセス323、最適化プロセス325、安定化プロセス327、電力潮流信号送信プロセス329、通知プロセス331、サイバーセキュリティプロセス333、及びその他のプロセスのうちの少なくとも一つが含まれる。
【0062】
複数のノード300に関連付けられた異なるエージェントプロセスは、異なるエージェントプロセスに含まれるプロセスに応じて異なる工程を実行する。例えば、工程を1つだけ実行するエージェントプロセスもあれば、4つ又は5つの異なる種類の工程を実行するエージェントプロセスもある。
【0063】
エージェントプロセス318が制御装置インターフェースプロセス321、デマンド応答システムインターフェースプロセス323、最適化プロセス325、安定化プロセス327、電力潮流信号送信プロセス329、通知プロセス331、及びサイバーセキュリティプロセス333を含むとき、エージェントプロセス318はインテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセス320と呼ばれる。
【0064】
インテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセス320は、他の種類のエージェントプロセスと比較して、メモリが大きく、計算リソースが大きく、且つデータ伝送速度が高い。インテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセス320は、送電網の選択された位置に置くことができる。これらの位置は、情報交換時の待ち時間を減らすこと、データ使用を最適化すること、複数のノード300に含まれるノードの負荷バランスを調整すること、及び情報交換に使用される帯域幅を減らすことを目的として選択される。
【0065】
この実施例では、動力センサ306及び動力センサ307は、それぞれ動力線301及び動力線303に関する任意の数のパラメータの情報319をエージェントプロセッサ318に送信する。情報319には、例えば、動力線の容量、電圧、及び/又は他の適切な情報が含まれる。動力線の容量は熱容量でもよい。さらに、この容量は時間の経過に伴って変動しうる。
【0066】
情報319は、通信ネットワーク(例えば、
図2の通信ネットワーク204)を使用してエージェントプロセス318に送られる。情報319は、1つのイベントに応答する形でエージェントプロセス318に送られる。例えば、このイベントは、限定しないが、情報319の要求、一定の期間の経過、信号の1つの周期の開始、又は他の何らかの適切なイベントとすることができる。情報319の要求は、エージェントプロセス318が受け取るサービスの要求に応答して作成される。例えば、このようなサービスには、限定されないが、データの翻訳、アラートの生成、情報交換用のインターフェースの提供、及び/又は他の適切な動作が含まれる。
【0067】
エージェントプロセス318は、情報319を使用して、ノード302を通る電力の流れに関する決定を行う。エージェントプロセス318は、このような決定に基づいて、制御装置308及び/又は制御装置309にコマンド322を送る。制御装置308及び制御装置309は、このような実施例においては、協調フレキシブル交流電流送電システム(FACTS)デバイスである。制御装置308及び制御装置309は、コマンド322を受け取ると、ノード302を通る電力316の流れを変更する。
【0068】
このような実施例では、エージェントプロセス318は、プロセッサユニット310のデータベース324に情報319を格納する。データベース324は情報の集合である。さらに、データベース324は、任意の数のプロセッサ及び/又は情報の集合にアクセスするためのインターフェースから構成される。
【0069】
データベース324は、エージェントプロセス318が情報319を受け取ると、情報319により更新される。他の実施例では、データベース324は、1つのイベントに基づいて更新される。このようなイベントは、例えば、限定しないが、一定の期間の経過、データベース324の更新要求の受領、又は他の何らかの適切なイベントである。
【0070】
このような実施例では、データベース324は分散型データベース341である。分散型データベース341は、ノード302に加えて、複数のノード300のうちの他のノードに関する情報を含んでいる。このような実施例では、分散型データベース341は、複数のノード300の全部又は一部に関連付けられている。例えば、エージェントプロセス318は、ノード302内の分散型データベース341に格納された情報319を、複数のノード300のうちの他のノードの他のエージェントプロセスに送ることができる。これらの他のエージェントプロセスは、これらの他のノードに関連付けられたデータベースに情報319を格納する。このような実施例では、これらのデータベースは、分散型データベース341とほぼ同じである。
【0071】
さらに、このような実施例では、分散型データベース341は組織的境界にまたがって分散している。このようにして、複数のノード300のエージェントプロセスの少なくとも一部は、組織的境界を越えて情報を交換することにより、分散型データベース341を形成及び/又は更新することができる。
【0072】
一実施例として、エージェントプロセス326は、複数のノード300のうちの1つのノード330に関連付けられたプロセッサユニット328上で実行される。エージェントプロセス326は、情報332を受け取って、この情報332をプロセッサユニット328内のデータベース324に格納する。エージェントプロセス326は、さらに、通信ネットワーク(例えば、
図2の通信ネットワーク204)を使用してエージェントプロセス318に情報332を送る。次いで、エージェントプロセス318は、プロセッサユニット310に格納されているデータベース324内に情報332を格納する。このようにして、複数のノード300は自動的にデータベース324を更新する。
【0073】
情報は、任意の数の要因に基づいてデータベース324に格納される。これらの要因には、例えば、限定されないが、情報の種類、情報の質、格納時間の長さ、データベース324内における格納スペースの利用可能性、及び他の適切な要因が含まれる。データベース324内での情報319の格納は、異なるエージェントプロセスが使用する通信ネットワークの待ち時間及び/又はスループットにも基づいている。
【0074】
このような実施例では、複数のノード300に関連付けられたエージェントプロセスは、TCP/IPネットワークプロトコルを使用して情報を交換する。しかしながら、幾つかの実施例では、エージェントプロセスは移動体を使用して情報を交換する。このような移動体は、情報を含むプログラムコードである。このような情報には、容量情報、経路指定情報、及び/又は他の適切な情報といったノードの情報が含まれる。このような情報には、例えば、新規プロセスのプログラムコード、新規ルール及び/又は方針、ソフトウェア更新、並びに/或いは他の適切な種類の情報も含まれる。
【0075】
移動体は、オペレーションセンターからエージェントプロセス318に送ることができる。エージェントプロセス318は、移動体を読み取って、移動体内部の情報を格納する。移動体はそれ自体のクローンを作成する。エージェントプロセス318は、これらのクローンを他の
エージェントプロセスに送る。
【0076】
図3に示す複数のノード300は、種々の有利な実施形態を実施可能な方式に対する物理的又はアーキテクチャ的な限定であることを意図していない。図示されたコンポーネントに加えて及び/又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。一部の実施形態では幾つかのコンポーネントは不要である。また、ブロックは、幾つかの機能的なコンポーネントを示すために提示されている。種々の有利な実施形態において実施されるとき、これらのブロックの一又は複数は異なるブロックに合成及び/又は分割することができる。
【0077】
例えば、幾つかの有利な実施形態では、プロセッサユニット310はデータ処理システム334の一部とすることができる。データ処理システム334は、ノード302に含まれる代わりに、ノード302に接続されてもよい。他の有利な実施形態では、プロセッサユニット310は、ノード302内の制御装置308及び/又は制御装置309の一部である。
【0078】
他の有利な実施形態では、動力線301及び動力線303以外の動力線をノード302に接続することができる。
【0079】
また別の実施例では、動力線センサ306及び/又は動力線センサ307以外のセンサを、動力線301、及び/又は動力線303に関連付けることができる。これらのセンサは、例えば、限定しないが、温度、電流、動力の位相、動力線のテンション、動力線の位置、及び/又は動力線の他の適切なパラメータといったパラメータを検出することができる。
【0080】
幾つかの実施例では、データベース324は複数のノード300に接続された記憶装置である。例えば、データベース324は、無線通信リンクを使用して、エージェントプロセス318、及び複数のノード300のうちの他のノードに関連付けられた他のエージェントプロセスがアクセスできる記憶装置とすることができる。
【0081】
図4は、有利な一実施形態によるデータ処理システムのブロック図を示している。この実施例では、データ処理システム400は、
図2のデータ処理システム216に含まれる1つのデータ処理システム、及び/又は
図3のプロセッサユニット310を実施するために使用される。データ処理システム400は通信ファブリック402を含み、この通信ファブリック402はプロセッサユニット404、メモリ406、固定記憶域408、通信ユニット410、入出力(I/O)ユニット412、及びディスプレイ414の間の通信を行う。
【0082】
プロセッサユニット404は、メモリ406にローディング可能なソフトウェアに対する命令を実行する。プロセッサユニット404は、特定の実装態様に応じて、1つ又は複数のプロセッサの組か、或いはマルチプロセッサコアとすることができる。さらに、プロセッサユニット404は、単一のチップ上に主要プロセッサと共に二次プロセッサが存在する1つ又は複数の異種プロセッサシステムを使用して実施してもよい。別の実施例として、プロセッサユニット404は、同種のプロセッサを複数個含む対称型マルチプロセッサシステムである。
【0083】
メモリ406及び固定記憶域408は、記憶装置416の例である。記憶装置は、情報を一時的に及び/又は恒久的に格納できる何らかのハードウェア部分であり、この情報には、限定されないが、データ、機能的形態のプログラムコード、及び/又はその他の適切な情報が含まれる。このような実施例では、メモリ406は、例えば、ランダムアクセスメモリか、或いは他のいずれかの適切な揮発性又は非揮発性の記憶装置とすることができる。固定記憶域408は、特定の実装態様に応じて様々な形態をとることができる。例えば、固定記憶域408は、1つ又は複数のコンポーネント又はデバイスを含みうる。例えば、固定記憶域408は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換え形光ディスク、書換え可能磁気テープ、又はそれらの何らかの組み合わせである。固定記憶域408によって使用される媒体は、取り外し可能なものでもよい。例えば、取り外し可能なハードドライブを固定記憶域408に使用することができる。
【0084】
このような実施例では、通信ユニット410が他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を行う。このような実施例では、通信ユニット410はネットワークインターフェースカードである。通信ユニット410は、物理的な及び/又は無線の通信リンクを使用して通信することができる。
【0085】
入出力ユニット412は、データ処理システム400に接続される他のデバイスとのデータの入出力を可能にする。例えば、入出力ユニット412は、キーボード、マウス、及び/又は他の何らかの適切な入力装置によりユーザ入力のための接続を提供する。さらに、入出力ユニット412は、プリンタに出力を送ることができる。ディスプレイ414は、ユーザに対して情報を表示する機構を提供する。
【0086】
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムのための命令は、記憶装置416に置くことができ、記憶装置416は通信ファブリック402によりプロセッサユニット404と通信する。このような実施例では、命令は固定記憶域408上に機能的形態で存在する。このような命令は、メモリ406にローディングされて、プロセッサユニット404によって実行される。メモリ406のようなメモリに位置させることができるコンピュータで実施可能な命令を使用して、プロセッサユニット404により様々な実施形態のプロセスを実行することができる。
【0087】
このような命令はプログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はコンピュータで読み取り可能なプログラムコードと呼ばれ、プロセッサユニット404に含まれる1つのプロセッサによって読み取られて実行される。種々の実施形態において、プログラムコードは、様々な物理的記憶媒体又はコンピュータで読み取り可能な記憶媒体(例えば、メモリ406又は固定記憶域408)上に具現化される。
【0088】
プログラムコード418は、選択的に取り外し可能で、且つデータ処理システム400にローディング又は移設可能なコンピュータで読み取り可能な媒体420上に機能的形態で位置し、プロセッサユニット404によって実行される。プログラムコード418及びコンピュータで読み取り可能な媒体420は、コンピュータプログラム製品422を形成する。一実施例では、コンピュータで読み取り可能な媒体420は、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体424又はコンピュータで読み取り可能な信号媒体426とすることができる。コンピュータで読み取り可能な媒体424は、例えば、記憶装置上への転送のために、固定記憶域408の一部であるドライブ又は他のデバイス(例えば、固定記憶域408の一部であるハードドライブ)に挿入又は配置される光ディスク又は磁気ディスクを含むことができる。コンピュータで読み取り可能な記憶媒体424は、データ処理システム400に接続された固定記憶域(例えば、ハードドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリ)の形態をとることができる。場合によっては、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体424は、データ処理システム400から取り外し可能でなくともよい。
【0089】
別の構成では、プログラムコード418は、コンピュータで読み取り可能な信号媒体426を使用してデータ処理システム400に転送される。コンピュータで読み取り可能な信号媒体426は、例えば、プログラムコード418を含む伝播データ信号である。例えば、コンピュータで読み取り可能な信号媒体426は、電磁信号、光信号、及び/又は他のいずれかの適切な種類の信号である。これらの信号は、通信リンク(例えば、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、電線、及び/又は他のいずれかの適切な種類の通信リンク)と、動力線とを介して伝送される。すなわち、これらの実施例では、通信リンク及び/又は接続は物理的なものでも、無線でもよい。
【0090】
幾つかの実施形態では、プログラムコード418は、コンピュータで読み取り可能な信号媒体426により、ネットワークを介して別のデバイス又はデータ処理システムから固定記憶域408にダウンロードされて、データ処理システム400内で使用される。例えば、サーバデータ処理システム内のコンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納されているプログラムコードは、ネットワーク(例えば、
図2の通信ネットワーク204)を介してダウンロード可能である。このようなプログラムコードは、サーバからデータ処理システム400にダウンロードされる。プログラムコード418を供給するデータ処理システムは、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はプログラムコード418を格納及び転送できる他の何らかのデバイスとすることができる。
【0091】
データ処理システム400について説明した種々のコンポーネントは、種々の実施形態が実施される方法をアーキテクチャ的に限定するものではない。種々の有利な実施形態は、データ処理システム400について説明されたコンポーネントに追加の又はそれらコンポーネントに代わるコンポーネントを含むデータ処理スステムにおいて実施することができる。
【0092】
図4に示す他のコンポーネントを、図示されたものから変更することができる。種々の実施形態は、プログラムコードを実行できる任意のハードウェアデバイス又はシステムを用いて実施することができる。一実施例として、データ処理システム400は、無機コンポーネントと統合された有機コンポーネントを含むことができる、及び/又はすべて人間以外の有機コンポーネントから構成することができる。例えば、記憶装置は、有機半導体で構成することができる。
【0093】
別の実施例として、データ処理システム400に含まれる記憶装置は、データを格納できる任意のハードウェア装置である。メモリ406、固定記憶域408、及びコンピュータで読み取り可能な媒体420は、有形形態の記憶装置の例である。
【0094】
別の実施例では、バスシステムは、通信ファブリック402を実施するために使用することができ、システムバス又は入出力バスといった1つ又は複数のバスから構成することができる。言うまでもなく、バスシステムは、バスシステムに取り付けられた種々のコンポーネント又はデバイスの間でのデータ伝送を行う任意の適切な種類のアーキテクチャを使用して実施することができる。加えて、通信ユニットは、モデム又はネットワークアダプタといったデータの送受信に使用される1つ又は複数のデバイスを含むことができる。さらに、メモリは、例えば、メモリ406、又はインターフェースに見られるようなキャッシュ、及び通信ファブリック402中に存在するメモリコントローラハブとすることができる。
【0095】
図5は、有利な一実施形態による電力環境を示している。この実施例では、電力環境500は、
図2の電力環境200の一実装態様の一例である。電力環境500は、送電網502を含んでいる。送電網502は、
図2の送電網202の一実装態様の一例である。
【0096】
この実施例では、送電網502は境界504を有している。境界504は、送電網502の部分506と部分508とを区分している。さらに、境界504は、部分506と部分508との電力管理の調整を阻んでいる。例えば、境界504は、地理的境界、組織的境界、行政的境界、又は他の何らかの適切な種類の境界でありうる。
【0097】
一実施例として、送電網502の部分506はオペレーションセンター507によって管理され、送電網502の部分508はオペレーションセンター510によって管理される。この実施例では、オペレーションセンター507及びオペレーションセンター510は、送電網502の電力管理を調整することができない。
【0098】
図示のように、オペレーションセンター507は、オペレーター511によって操作されるデータ処理システム509を含んでいる。オペレーションセンター510は、オペレーター515によって操作されるデータ処理システム513を含んでいる。この実施例では、電力環境502は、発電機512と負荷514とを含む。発電機512は、
図2の任意の数の電源206の一実装態様の一例である。負荷514は、任意の数の負荷208のうちの1つの負荷の一実装態様の一例である。負荷514は、一般家庭、工場、商業施設、機器、又は他の何らかの適切な種類の負荷である。送電網502は、発電機512によって供給される電力を負荷514へと送達する。
【0099】
送電網502は、動力線528、530、532、534、536、538、540、542、544、及び545と共にノード516、518、520、522、524、及び526も含む。ノード516、518、520、522、524、及び526は、制御装置517、519、521、523、525、及び527を含んでいる。制御装置は、このような実施例において、協調フレキシブル交流電流送電システム(FACTS)デバイスである。しかしながら、他の実施例では、これらの制御装置はパワー半導体素子、又は他の適切な種類のデバイスとすることができる。
【0100】
さらに、ノード516は、動力線530上に位置する動力線センサ529と、動力線532上に位置する動力線センサ531とを含んでいる。ノード518は、動力線534上に位置する動力線センサ533と、動力線538上に位置する動力線センサ535とを含んでいる。ノード520は、動力線536上に位置する動力線センサ572と、動力線540上に位置する動力線センサ537とを含んでいる。ノード522は、動力線542上に位置する動力線センサ539を含む。ノード524は、動力線544上に位置する動力線センサ541を含む。
【0101】
この実施例では、ノード516、518、520、522、524、及び526は、それぞれデータ処理システム546、548、550、552、554、及び556に接続されている。エージェントプロセス558、560、562、564、566、及び568は、それぞれデータ処理システム546、548、550、552、554、及び556上で実行される。これらのエージェントプロセスは、ノード516、518、520、522、524、及び526を通る電力の流れを制御する。特に、エージェントプロセスは、任意の数の方針を使用して、ノードを通る電力の流れを制御する。
【0102】
エージェントプロセス558、560、562、564、566、及び568は、通信リンク(例えば、
図2の通信リンク223)を使用して互いに自立的に通信する。このような通信リンクは、この実施例では、動力線528、530、532、534、536、538、540、542、544、及び545である。特に、このような通信リンクは動力線上のブロードバンドの形態をとる。エージェントプロセス558、560、562、564、566、及び568が互いに通信することにより、仮想電力回路570が形成される。
【0103】
仮想電力回路570は、電力潮流回路571及び電力制御回路573を含む。電力潮流回路571は、発電機512、ノード516、ノード518、ノード524、ノード526、負荷514、並びに動力線528、530、532、538、542、及び544を含む。動力線528、530、532、538、542、及び544は、発電機512、ノード516、ノード518、ノード524、ノード526、及び負荷514を接続している。仮想電力回路570内の電力潮流回路571は、発電機512から負荷514へと電力を送達する。
【0104】
仮想電力回路570内の電力制御回路573は、ノード516、518、524、及び526にそれぞれ関連付けられたエージェントプロセス558、560、564、及び568を含む。電力制御回路573は、ノード516、518、524、及び526を介した発電機512から負荷514への電力の流れを監視し、制御する。
【0105】
この実施例では、エージェントプロセス558及びエージェントプロセス568は、エージェントプロセス560、562、564、及び566より多い工程を実行する。例えば、エージェントプロセス558及びエージェントプロセス568は、インテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセス(例えば、
図3のインテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセス320)である。
【0106】
この実施例では、エージェントプロセス558及びエージェントプロセス568は、それぞれオペレーションセンター507及びオペレーションセンター510と情報を交換する。このような情報交換により、オペレーションセンター507のオペレータ511及びオペレーションセンター510のオペレーター515は、それぞれエージェントプロセス558及びエージェントプロセス568を使用して、送電網502のそれぞれ部分506及び部分508を管理することができる。
【0107】
さらに、仮想電力回路570は、送電網502の部分506及び部分508両方のコンポーネントを含む。仮想電力回路570の電力制御回路573内の様々なエージェントプロセスは、境界504をまたいで情報を交換するように選択される。
【0108】
例えば、エージェントプロセス560及びエージェントプロセス564は、境界504をまたいで情報を交換するように選択されている。エージェントプロセス562及びエージェントプロセス566は、境界504をまたいで情報を交換するように選択されている。このような実施例では、これらのエージェントプロセスが情報を交換することにより、分散型データベース(例えば、
図3の分散型データベース341)が形成及び/又は更新される。
【0109】
図6は、有利な一実施形態による電力環境を示している。この実施例では、電力環境600は、
図2の電力環境200の一実装態様の一例である。電力環境600は、送電網602を含んでいる。
【0110】
この実施例では、送電網602は、発電機604、発電機605、発電機606、負荷608、負荷610、ノード612、ノード614、ノード616、ノード618、動力線620、動力線622、動力線624、動力線626、動力線628、動力線630、動力線632、動力線634、及び動力線635を含んでいる。
【0111】
ノード612、614、616、及び618は、それぞれ制御装置613、615、617、及び619を含んでいる。これらの制御装置は、このような実施例においては、協調フレキシブル交流電流送電デバイスである。さらに、ノード612は、動力線624上に位置する動力線センサ621と、動力線626上に位置する動力線センサ623とを含んでいる。ノード614は、動力線628上に位置する動力線センサ625を含む。ノード616は、動力線630上に位置する動力線センサ627を含む。ノード618は、動力線632及び動力線634上に位置する動力線センサ629を含んでいる。
【0112】
この実施例に示すように、ノード612、614、616、及び618は、データ処理システム636、638、640、及び642に接続されている。エージェントプロセス644、646、648、及び650は、それぞれデータ処理システム636、638、640、及び642上で実行される。エージェントプロセス644、646、648、及び650は、それぞれノード612、614、616、及び618に関連付けられている。これらのエージェントプロセスは、ノードを通る電力の流れを制御する。
【0113】
さらに、エージェントプロセス644、646、648、及び650は、通信ネットワーク652を使用して互いに自立的に通信する。通信ネットワーク652は、
図2の通信ネットワーク204の一実装態様の一例である。通信ネットワーク652は、この実施例では、無線通信リンクによる通信を提供する。
【0114】
発電機604、605、及び606は、通信ネットワーク652を使用して、エージェントプロセス644、646、648、及び/又は650と通信することもできる。動力線センサ621、623、625、627、及び629は、通信ネットワーク652を使用して、エージェントプロセス644、646、648、及び/又は650と情報交換する。
【0115】
任意の数の仮想電力回路が送電網602内に形成されて、発電機604、605、及び606のうちの少なくとも1つが供給する動力が負荷608及び負荷610の少なくとも一方に提供される。例えば、第1の仮想電力回路660は、発電機605、負荷608、負荷610、ノード612、ノード614、ノード618、動力線622、動力線624、動力線628、動力線632、及び動力線634を含むことができる。エージェントプロセス644、646、及び650は、ノード612、614、及び618を、第1の仮想電力回路660内に構成する。
【0116】
第2の仮想電力回路662は、発電機604、負荷608、負荷610、ノード612、ノード616、ノード618、動力線620、動力線626、及び動力線630を含むことができる。エージェントプロセス644、648、及び650は、ノード612、616、及び618を、仮想電力回路662内に構成する。
【0117】
第3の仮想電力回路664は、発電機604、負荷608、負荷610、ノード612、ノード616、ノード618、動力線620、動力線626、及び動力線630を含むことができる。エージェントプロセス644、648、及び650は、ノード612、616、及び618を、第3の仮想電力回路664に構成する。図示のように、動力線620、動力線626、及び動力線630は、第2の仮想電力回路662及び第3の仮想電力回路664両方のために電力の流れを運搬する。
【0118】
電力の流れは、第2の仮想電力回路662と第3の仮想電力回路664とでは異なる。動力線620、626、及び630を流れる電力の第1の部分は、第2の仮想電力回路662のために使われる。動力線620、626、及び630を流れる電力の第2の部分は、第3の仮想電力回路664のために使われる。しかしながら、これらの仮想電力回路の各々に使用される動力線620、626、及び630内の電力のこれらの部分は、
図1の電力潮流面102において区別することができない。
【0119】
第2の仮想電力回路662及び第3の仮想電力回路664のエージェントプロセス664、648、及び650は、動力線620、626、及び630を通る電流のこれらの流れを区別することができる。さらに、エージェントプロセス644、648、及び650は、電流のこれら複数の流れを追跡し、監視し、且つ制御する。このようにして、仮想電力回路を使用して、送電網602の電力の流れの負荷を平衡させることができる。
【0120】
図5に示す電力環境500と、
図6に示す電力環境600とは、種々の有利な実施形態を実施可能な方式に対する物理的又はアーキテクチャ的な限定であることを意図していない。例えば、幾つかの有利な実施形態では、通信ネットワーク652は、送電網602の動力線を介して通信を提供する。換言すると、無線通信リンクではなく、これらの動力線を使用して情報を交換してもよい。
【0121】
図7は、有利な一実施形態による制御ノードを示している。この実施例では、制御ノード700は、
図2の複数のノード212に含まれる1つのノードの一実装態様の一例である。さらに、制御ノード700は、
図3のノード302の一実装態様の一例である。
【0122】
この実施例に示すように、動力線701と動力線703は、制御ノード700において接続されている。この実施例では、制御ノード700は、動力線センサ702、動力線センサ704、制御装置706、制御装置708、スイッチ710、及びプロセッサユニット712を含んでいる。エージェントプロセス713は、プロセッサユニット712上で実行される。
【0123】
動力線センサ702と制御装置706とは、動力線701上に位置している。動力線センサ704と制御装置708とは、動力線703上に位置している。制御装置706及び制御装置708は、このような実施例においては、協調フレキシブル交流電流送電システム(FACTS)デバイスである。
【0124】
動力センサ702及び動力センサ704は、それぞれ動力線701及び動力線703に関する任意の数のパラメータを感知する。これらのパラメータには、例えば、限定されないが、電力容量、温度、電流、動力の位相、動力線のテンション、動力線の位置、及び動力線の他の適切なパラメータが含まれる。このような実施例では、動力線センサ702及び動力線センサ704は、任意の数のパラメータに関する情報を保存するように構成される。
【0125】
このような実施例では、スイッチ710は、動力線センサ702、動力線センサ704、制御装置706、制御装置708、及びプロセッサユニット712上で実行されるエージェントプロセス713が制御ノード700内で互いに通信することを可能にする。例えば、動力センサ702及び動力センサ704は、それぞれ動力線701及び動力線703に関する任意の数のパラメータの情報を、スイッチ710を介してプロセッサユニット712に送信する。
【0126】
この実施例では、プロセッサユニット712上で実行されるエージェントプロセス713が、動力線センサ702及び動力線センサ704がスイッチ710を介して送った任意の数のパラメータの情報を受取る。エージェントプロセス713は、受け取った情報に基づいて、制御装置706及び/又は制御装置708にコマンドを送る。
【0127】
このような実施例では、エージェントプロセス713は、動力線701及び/又は動力線703を通る電力の流れが所望の閾値内であるかどうかを決定することができる。これらの決定に基づいて、エージェントプロセス713は、制御装置706及び/又は制御装置708に対し、ノード700を通る電力の流れを制御するようにとのコマンドを送る。
【0128】
この実施例では、プロセッサユニット712上で実行されるエージェントプロセス713は、他の制御ノードに関連付けられたエージェントプロセスと情報を交換することができる。情報を交換することには、情報を送信すること及び受信することのうちの少なくとも一方が含まれる。例えば、エージェントプロセス713は、プロセッサユニット714上で実行されるエージェントプロセス715、及び/又はプロセッサユニット716上で実行されるエージェントプロセス717に情報を送ることができる。プロセッサユニット714及びプロセッサユニット716の各々は、異なる制御ノードに関連付けられている。
【0129】
この実施例では、エージェントプロセス713、エージェントプロセス715、及び/又はエージェントプロセス717の間で交換される情報は、分散型データベース(例えば、
図3の分散型データベース341)に格納される。
【0130】
他の実施例では、プロセッサユニット712は制御ノード700内になくともよい。例えば、プロセッサユニット712は、制御ノード700に接続されたデータ処理システムにおいて実施されてもよい。
【0131】
ここで
図8を参照する。
図8は、有利な一実施形態によるエージェントプロセスを示している。この実施例では、エージェントプロセス800は、
図2のエージェントプロセス218に含まれる1つのエージェントプロセス、及び/又は
図3のエージェントプロセス318の一実装態様の一例である。さらに、エージェントプロセス800は、仮想電力回路(例えば、
図2の仮想電力回路222)の一部とすることができる。
【0132】
エージェントプロセス800は、電力制御面インターフェース802、電力管理面インターフェース804、及び電力潮流面インターフェース806を含む。これらのインターフェースは、例えば、イーサネットインターフェースである。電力制御面インターフェース802は、送電網内におけるエージェントプロセス800と他のエージェントプロセスとの通信を可能にする。電力管理面インターフェース804は、エージェントプロセス800と、オペレーションセンターとの間の通信を可能にする。電力潮流インターフェース806は、エージェントプロセス800と、エージェントプロセス800に関連付けられたノードに含まれるデバイスとの間の通信を可能にする。ノード内のデバイスには、例えば、任意の数の協調フレキシブル交流電流送電システムデバイス、任意の数の動力線センサ、及び他の適切なデバイスが含まれる。
【0133】
エージェントプロセス800は、電力潮流信号送信プロセス808、通知プロセス810、最適化プロセス812、安定化プロセス814、及びデマンド応答インターフェースプロセス816を含む。これらのプロセスにより、エージェントプロセス800は、
図1の電力制御面106内の工程を実行することができる。
【0134】
この実施例では、電力潮流信号送信プロセス808は、電力潮流面インターフェース806を使用して、エージェントプロセス800に関連付けられたノード内の制御装置に対し、容量の要求818を送る。制御装置は、例えば、協調フレキシブル交流電流送電システムデバイスである。制御装置は、要求が認められることを示すメッセージ820を電力潮流信号送信プロセス808に送る。
【0135】
電力潮流信号送信プロセス808は、さらに、容量の要求822を、他のエージェントプロセスへ送る、及び/又は他のエージェントプロセスから受けとる。さらに、電力潮流信号送信プロセス808は、容量の要求822が認められることを示すメッセージ824を、他のエージェントプロセスへ送る、及び/又は他のエージェントプロセスから受けとる。これらのエージェントプロセスは、例えば電源と負荷との間の経路に沿って配置されたノードに関連付けられている。
【0136】
通知プロセス810は、動力線センサから情報826を受け取る。通知プロセス810は、情報826をデータベース(例えば、
図3の分散型データベース341)に格納する。さらに、通知プロセス810は、他のエージェントプロセスに通知828を送る。通知828は情報826を含む。次いで、他のエージェントプロセスは、ほぼ同様のデータベースに情報826を格納する。情報826には、例えば、限定されないが、エージェントプロセス800に関連付けられたノードに接続される動力線の容量、バス電圧、電力潮流、位相角、及び/又は他の適切な情報が含まれる。
【0137】
この実施例では、最適化プロセス812は、通知プロセス810からトラフィックエンジニアリングデータ830を受け取る。この実施例では、トラフィックエンジニアリングデータ830には、情報826の少なくとも一部と、他の適切な情報とが含まれる。例えば、トラフィックエンジニアリングデータ830には、エージェントプロセス800に関連付けられたノードに接続された動力線を通る伝力潮流、及びそのような動力線の容量、並びに他の適切な情報が含まれる。
【0138】
最適化プロセス812は、さらに、他のノードに関連付けられた他のエージェントプロセスから、仮想電力回路の経路情報832を受け取る。仮想電力回路の経路情報832には、例えば、エージェントプロセス800を含む仮想電力回路の一部ではないノード及び動力線を通る電力潮流、及びそのようなノード及び動力線の容量といった情報が含まれる。
【0139】
最適化プロセス812は、トラフィックエンジニアリングデータ830及び電力回路の経路情報832を使用して、送電網を通る電力の流れを最適化する。例えば、最適化プロセス812は、エージェントプロセス800に関連付けられたノードを仮想電力回路内に設定する。このような仮想電力回路は、送電網の動力線を通る電力の流れが動力線の容量を超えないように、送電網内の電力潮流の負荷を平衡化するために使用される。
【0140】
さらに、最適化プロセス812によるこのような電力の流れの最適化は、送電網内の電力損失を低減し、送電網内の送電コストを低下させ、且つ送電網内の輻輳を低減する。さらに、このような最適化は、安全閾値外での動作から制御装置を守り、送電網の容量に対する電力潮流を増大させることもできる。このような実施例では、コストとは財務費用のことである。
【0141】
最適化プロセス812は、電力潮流信号送信プロセス808と最適化情報834を交換する。電力潮流信号送信プロセス808は、最適化情報834を使用して、仮想電力回路を最適化するように、エージェントプロセス800に関連付けられたノードを構成することができる。さらに、最適化プロセス812は、仮想電力回路内の他のエージェントプロセスに最適化情報836を送る。これにより、他のエージェントプロセスは、最適化情報836を使用して、最適化のために他のエージェントプロセスに関連付けられた他のノードを構成することができる。
【0142】
最適化情報836には、例えば、所望の効率で送電網の動力線の容量を使用する送電網内の任意の数の仮想電力回路の構成が含まれる。
【0143】
安定化プロセス814は、エージェントプロセス800に関連付けられたノード内の任意のデバイスから安定化情報838を受け取る。安定化情報838は、任意の数のデバイスに関する任意の数のパラメータの値を含む。例えば、安定化情報838は、電圧データ、無効電圧(VAr)データ、及びノードに関する他の適切な種類のデータを含むことができる。
【0144】
例えば、安定化情報838は、ノードを介した電力の分散に望ましくない変動が存在することを示すことができる。ノードを介した電力の分散を概ね望ましい状態に維持するように制御装置を構成するようにとのコマンド840が、ノード内の制御装置に送られる。
【0145】
さらに、安定化プロセス814は、通知プロセス810に安定化情報839を送る。通知プロセス810は、データベースの安定化情報838を保存することができる。さらに、通知プロセス810は、他のエージェントプロセスに安定化情報839を送って、ほぼ同様のデータベースに保存することができる。
【0146】
デマンド応答インターフェースプロセス816は、オペレーションセンター(例えば、
図5のオペレーションセンター507、及び/又はオペレーションセンター510)と通信する。このような通信は、電力管理面インターフェース804により行われる。オペレーションセンターのオペレーターは、情報の要求842を、デマンド応答インターフェースプロセス816に送ることができる。この情報は、ノード内の任意の数のデバイス、及び/又は他のノード内の他のデバイスから得られる。デマンド応答インターフェースプロセス816は、要求842が認められることを示すメッセージ844を送る。
【0147】
デマンド応答インターフェースプロセス816は、容量の要求846を電力潮流信号送信プロセス808に送る。容量の要求846を受け取ると、電力潮流信号送信プロセス808は、エージェントプロセス800に関連付けられたノード内の制御装置に容量の要求を818を送り、他のエージェントプロセスに容量の要求822を送る。特に、容量の要求822は、送電網内の電源と負荷との間の経路に沿った任意の数のエージェントプロセスに送られる。このような任意の数のエージェントプロセスを使用して、任意の数のエージェントプロセスに関連付けられたノードを仮想電力回路に構成することができる。
【0148】
この実施例では、エージェントプロセス800に関連付けられたノード及び任意の数のエージェントプロセスに関連付けられたノードは、それぞれメッセージ820及びメッセージ824を電力潮流信号送信プロセス808に送る。これらのメッセージは、容量の要求818及び容量の要求824が認められることを示す。換言すれば、これらのメッセージは、ノードが利用可能であり、且つ仮想電力回路の一部となる容量を有していることを示す。
【0149】
メッセージ820及びメッセージ824を受け取ると、電力潮流信号送信プロセス808は、デマンド応答インターフェースプロセス816に対し、情報の要求が認められることを示すメッセージ847を送る。
【0150】
幾つかの実施例では、エージェントプロセス800は、インテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセス(例えば、
図3のインテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセス320)の形態をとる。このような実施例では、デマンド応答インターフェースプロセス816は、他のインテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセスと情報を交換するために使用される。
【0151】
例えば、デマンド応答インターフェースプロセス816は、電力850の要求を、電力制御面インターフェース802を介して別のインテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセスに送ることができる。デマンド応答インターフェースプロセス816は、電力制御面インターフェース802を介してこのインテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセスから、電力の要求850の受け取りを確認するメッセージ852を受け取る。
【0152】
この実施例では、電力潮流信号送信プロセス808は、さらに、電力管理面インターフェース804を使用して、オペレーションセンターに情報848を送る。情報848は、仮想電力回路の健全性とステータスに関するものである。
【0153】
ここで
図9を参照する。
図9は、有利な一実施形態によるエージェントプロセスを示している。この実施例では、エージェントプロセス900は、
図2のエージェントプロセス218に含まれる1つのエージェントプロセス、及び/又は
図3のエージェントプロセス318の一実装態様の一例である。この実施例に示すように、エージェントプロセス900は、電力制御面インターフェース902、電力管理面インターフェース904、及び電力潮流面インターフェース906を含む。これらのインターフェースは、例えば、イーサネットインターフェースである。
【0154】
エージェントプロセス900は、さらに、電力管理プロセス908、サイバーセキュリティプロセス910、物理的セキュリティプロセス912、及びモデル化/シミュレーションインターフェースプロセス914を含んでいる。これらのプロセスにより、エージェントプロセス900は、
図1の電力管理面104内の工程を実行することができる。さらに、この実施例では、これらのプロセスはエージェントプロセス900に含まれるプロセスの一部にすぎない。
【0155】
電力管理プロセス908は、エージェントプロセス900に関連付けられたノード内の任意の数のデバイスに対し、コマンド及びステータス要求916を送る。コマンド及びステータス要求916は、エージェントプロセス900に関連付けられたノード内の任意の数のデバイスに関する健全性及びステータスの情報に対するものである。任意の数のデバイスは、電力管理プロセス908に応答918を送る。このような実施例では、応答918には、要求された健全性及びステータスの情報が含まれる。電力管理プロセス908は、オペレーションセンターからコマンド及びステータスの要求920も受け取る。コマンド及びステータスの要求920に応答して、電力管理プロセス908は、オペレーションセンターにステータス情報及び応答922を送る。
【0156】
サイバーセキュリティプロセス910は、他のエージェントプロセスにサイバーセキュリティ情報924を送り、他のエージェントプロセスからサイバーセキュリティ情報925を受け取る。サイバーセキュリティ情報924には、ログ、アラート、セキュリティイベント、パスワード、ルール、閾値、方針、及び/又は他の適切な種類の情報が含まれる。さらに、サイバーセキュリティプロセス910は、オペレーションセンターからコマンド及びステータスの要求926を受け取る。サイバーセキュリティプロセス910は、サイバーセキュリティ情報928をオペレーションセンターに送る。サイバーセキュリティ情報92
8には、ログ、アラート、セキュリティイベント、及び/又は他の適切な種類の情報が含まれる。
【0157】
物理的セキュリティプロセス912は、エージェントプロセス900に関連付けられたノード内の任意の数のデバイスに対し、コマンド及びステータス要求930を送る。物理的セキュリティプロセス912は、ノード内の任意の数のデバイスから物理的セキュリティ情報932を受け取る。例えば、コマンド及びステータスの要求930は、ノード内のカメラに送られる。カメラは物理的セキュリティ情報932に含めて映像を送り返す。
【0158】
さらに、物理的セキュリティプロセス912は、オペレーションセンターからコマンド及びステータスの要求934を受け取る。物理的セキュリティプロセス912は、物理的セキュリティ情報936をオペレーションセンターに送る。物理的セキュリティ情報936には、ログ、物理的セキュリティイベント、アラート、及び/又は他の適切な情報が含まれる。
【0159】
モデル化/シミュレーションインターフェースプロセス914は、エージェントプロセス900に関連付けられたノードのシミュレーションを実行する。このようなシミュレーションは、ノード内での電力の分布について行われる。
【0160】
モデル化/シミュレーションプロセス914は、オペレーションセンターから要求938を受け取る。要求938は、ノードのシミュレーションを実行することにより生成される情報を求めるものである。モデル化/シミュレーションプロセス914は、オペレーションセンターへ要求940を送る。
【0161】
幾つかの実施例では、エージェントプロセス900に含まれるプロセスと
図8のエージェントプロセス800に含まれるプロセスとは、同じノードに関連付けられたプロセスである。例えば、エージェントプロセス800とエージェントプロセス900とは、共に1つのノード内の1つのプロセッサユニット上で実行される。
【0162】
エージェントプロセス900に含まれるプロセスと、
図8のエージェントプロセス800に含まれるプロセスとは、情報を交換する、及び/又は協働して工程を実行することができる。例えば、エージェントプロセス900内のサイバーセキュリティプロセス910は、エージェントプロセス800内の通知プロセス810に使用される。
【0163】
具体的な実施例として、通知828は、サイバーセキュリティ情報924が、エージェントプロセス900内のサイバーセキュリティプロセス910により他のエージェントプロセスへと送られた後で初めて、エージェントプロセス800内の通知プロセス810から他のエージェントプロセスへ送られる。このようにして、他のエージェントプロセスは、エージェントプロセス900及びエージェントプロセス800に関連付けられたノードを確認することができる。
【0164】
図10は、有利な一実施形態による、1つのノードにおいて容量を通知及び変更するためのメッセージフローを示している。
図10に示すメッセージフローは、ノード(例えば、
図3のノード302及び/又は
図7のノード700)で実施することができる。
【0165】
この実施例では、メッセージフローはノード内のデバイスに関するものである。これらのデバイスには、第1の動力線センサ1001、第2の動力線センサ1002、第1のエージェントプロセス1004、第1の制御装置インターフェース1006、第2の制御装置インターフェース1008、第2のエージェントプロセス1010、第1の制御装置1012、及び第2の制御装置1014が含まれる。第1の制御装置1012及び第2の制御装置1014は、このような実施例においては、協調フレキシブル交流電流送電システムデバイスである。さらに、第1の制御装置インターフェース1006及び第2の制御装置インターフェース1008は、それぞれ第1の制御装置1012及び第2の制御装置1014に位置している。
【0166】
第1の動力線センサ1001は、第1の動力線の容量の変化を感知する(ステップ1020)。このような容量は、第1の動力線の熱容量である。第1の動力線センサ1001は、容量の変化をエージェントプロセス1004に報告する(メッセージ1022)。第1のエージェントプロセス1004は、容量の変化でデータベース(例えば、
図3の分散型データベース341)を更新する(ステップ1024)。次いで、第1のエージェントプロセス1004は、容量の変化を第2のエージェントプロセス1010に報告する(メッセージ1026)。
【0167】
第2の動力線センサ1002は、第2の動力線の容量の変化を感知する(ステップ1028)。第2の動力線センサ1002は、容量の変化を第1のエージェントプロセス1004に報告する(メッセージ1030)。第1のエージェントプロセス1004は、容量の変化でデータベースを更新する(ステップ1032)。次いで、第1のエージェントプロセス1004は、容量の変化を第2のエージェントプロセス1010に報告する(メッセージ1034)。
【0168】
この実施例では、第1のエージェントプロセス1004は、エージェントプロセス1004に関連付けられたノードを通る電力の新しい流れに設定された容量を計算する(ステップ1036)。設定された容量は、動力線の容量とは異なっている。動力線の容量は、動力線に測定される熱容量である。設定された容量は、ノードに接続されている各動力線を通る電力の所望の流れについて計算される。換言すれば、設定容量は、動力線に測定される熱容量を上回るように計算される。
【0169】
第1のエージェントプロセス1004は、第1の制御装置1012の設定容量のコマンドを第1の制御装置インターフェース1006に送る(メッセージ1037)。第1の制御装置インターフェース1006は、このようなコマンドを第1の制御装置1012に送る(メッセージ1038)。第1の制御装置1012は、設定容量の変更を実施することにより、第1の動力線に所望の電力の流れを提供する(ステップ1040)。第1の制御装置1012は、第1の制御装置インターフェース1006に対し、変更が行われたことを示す応答を送る(メッセージ1042)。第1の制御装置インターフェース1006は、第1制御装置1012から第1のエージェントプロセス1004へこの応答を送る(メッセージ1044)。
【0170】
第1のエージェントプロセス1004は、第2の制御装置1014の設定容量のコマンドを第2の制御装置インターフェース1008に送る(メッセージ1046)。第2の制御装置インターフェース1008は、このようなコマンドを第2の制御装置1014に送る(メッセージ1048)。第2の制御装置1014は、設定容量の変更を実施することにより、第1の動力線に所望の電力の流れを提供する(ステップ1050)。第2の制御装置1014は、第2の制御装置インターフェース1008に対し、変更が行われたことを示す応答を送る(メッセージ1052)。第2の制御装置インターフェース1008は、第2制御装置1014から第1のエージェントプロセス1004へこの応答を送る(メッセージ1054)。
【0171】
次に
図11A及び11Bを参照する。
図11A及び11Bは、有利な実施形態による、送電網内に仮想電力回路を形成するためのメッセージフローを示している。
図11A及び11Bに示すメッセージフローは、送電網(例えば、
図2の送電網202、及び/又は
図5の送電網502)において実施される。
【0172】
仮想電力回路は、発電機1100と、負荷1118と、送電網内において発電機1100と負荷1118との間に位置する第1、第2、第3、及び第4のノードとを含んでいる。仮想電力回路のこのような構成は、仮想電力回路(例えば、
図2の仮想電力回路222)の一実装態様の一例である。仮想電力回路に含まれる種々のコンポーネントは電力線に接続されている。
【0173】
第1のエージェントプロセス1102及び第1の制御装置1104は、発電機1100に接続された第1のノードに関連付けられている。第2のエージェントプロセス1106及び第2の制御装置1108は、第1のノード及び第3のノードに接続された第2のノードに関連付けられている。第3のエージェントプロセス1110及び第3の制御装置1112は、第2のノード及び第4のノードに接続された第3のノードに関連付けられている。第4のエージェントプロセス1114及び第4の制御装置1116は、第3のノード及び負荷1118に接続された第4のノードに関連付けられている。
【0174】
第1のエージェントプロセス1102及び第4のエージェントプロセス1114は、この実施例では、インテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセスである。
【0175】
負荷1118に変化があったことを示すメッセージが、負荷1118から第4のエージェントプロセス1114に送られる(メッセージ1120)。負荷1118の変化に応答して、第4のエージェントプロセス1114は、電力の要求を第1のエージェントプロセス1102に送る(メッセージ1122)。第1のエージェントプロセス1102は、要求の受領を確認する応答を第4のエージェントプロセス1114に送る(メッセージ1123)。
【0176】
第1のエージェントプロセス1102は、容量の要求を第1の制御装置1104に送る(メッセージ1124)。容量の要求は、ノードが電力に所望の容量を有しているかどうかを決定する要求である。この実施例では、所望の容量は、要求された電力を負荷1118に送達可能にするものである。第1の制御装置1104は、第1のエージェントプロセス1102に対し、第1のノードが所望の容量を有することを示す応答を送る(メッセージ1126)。
【0177】
第1のエージェントプロセス1102は、容量の要求を第2の
エージェントプロセス1106に送る(メッセージ1128)。第2のエージェントプロセス1106は、容量の要求を第2の制御装置1108に送る(メッセージ1130)。第2の制御装置1108は、第2のエージェントプロセス1106に対し、第2のノードが所望の容量を有することを示す応答を送る(メッセージ1132)。
【0178】
第2のエージェントプロセス1106は、容量の要求を第3のエージェントプロセス1110に送る(メッセージ1134)。第3のエージェントプロセス1110は、容量の要求を第3の制御装置1112に送る(メッセージ1136)。第3の制御装置1112は、第3のエージェントプロセス1110に対し、第3のノードが所望の容量を有することを示す応答を送る(メッセージ1138)。
【0179】
第3のエージェントプロセス1110は、容量の要求を第4のエージェントプロセス1114に送る(メッセージ1140)。第4のエージェントプロセス1114は、容量の要求を第4の制御装置1116に送る(メッセージ1142)。第4の制御装置1116は、第4のエージェントプロセス1114に対し、第4のノードが所望の容量を有することを示す応答を送る(メッセージ1144)。
【0180】
第4のエージェントプロセス1114は、容量の要求を認める応答を第3のエージェントプロセス1110に送る(メッセージ1146)。第3のエージェントプロセス1110は、容量の確認を第3の制御装置1112に送る(メッセージ1148)。第3の制御装置1112は仮想電力回路に使用できるように第3のノードを設定する(ステップ1150)。第3の制御装置1112は、仮想電力回路に関する情報を第3のエージェントプロセス1110に送る(メッセージ1152)。さらに、第3のエージェントプロセス1110は、第3のノードの容量を他のエージェントプロセスに対して通知する(ステップ1154)。
【0181】
第3のエージェントプロセス1110は、容量の要求を認める応答を第2のエージェントプロセス1106に送る(メッセージ1156)。第2のエージェントプロセス1106は、容量の確認を第2の制御装置1108に送る(メッセージ1158)。第2の制御装置1108は仮想電力回路に使用できるように第2のノードを設定する(ステップ1160)。第2の制御装置1108は、仮想電力回路に関する情報を第2のエージェントプロセス1106に送る(メッセージ1162)。さらに、第2のエージェントプロセス1106は、第2のノードの容量を他のエージェントプロセスに対して通知する(ステップ1164)。
【0182】
第2のエージェントプロセス1106は、容量の要求を認める応答を第1のエージェントプロセス1102に送る(メッセージ1166)。第1のエージェントプロセス1102は、容量の確認を第1の制御装置1104に送る(メッセージ1168)。第1の制御装置1104は仮想電力回路に使用できるように第1のノードを設定する(ステップ1170)。第1の制御装置1104は、仮想電力回路に関する情報を第1のエージェントプロセス1102に送る(メッセージ1172)。第1エージェントプロセス1102は、第1のノードの容量を他のエージェントプロセスに対して通知する(ステップ1173)。
【0183】
仮想電力回路内のすべてのノードが仮想電力回路用に設定されたら、第1のエージェントプロセス1102は、発電機1100に対し、要求された電力の発電を開始するようにとのコマンドを送る(メッセージ1174)。発電機1100は、要求された電力の発電を開始する(ステップ1176)。
【0184】
このような実施例では、電力の要求は、負荷1118における変更に応答して生成される。しかしながら、他の実施例では、電力の要求はオペレーションセンターから受け取られてもよい。
【0185】
次に
図12を参照する。
図12は、有利な一実施形態による、送電網内における仮想電力回路の形成を拒否するためのメッセージフローを示している。
図12に示すメッセージフローは、送電網(例えば、
図2の送電網202、及び/又は
図5の送電網502)において実施される。
【0186】
送電網は、負荷1200、発電機1202、第1のノード、第2のノード、第3のノード、及び第4のノードを含んでいる。第1のノードは、第1のエージェントプロセス1204に関連付けられており、第1の制御装置1206を含んでいる。第2のノードは、第2のエージェントプロセス1208に関連付けられており、第2の制御装置1210を含んでいる。第3のノードは、第3のエージェントプロセス1212に関連付けられており、第3の制御装置1214を含んでいる。第4のノードは、第4のエージェントプロセス1216に関連付けられており、第4の制御装置1218を含んでいる。
【0187】
この実施例では、負荷1200に変化があったことを示すメッセージが第4のエージェントプロセス1214に送られる(メッセージ1219)。第4のエージェントプロセス1216は、電力の要求を第1のエージェントプロセス1204に送る(メッセージ1220)。第1のエージェントプロセス1204は、要求の受領を確認する応答を第4のエージェントプロセス1216に送る(メッセージ1222)。
【0188】
第1のエージェントプロセス1204は、容量の要求を第1の制御装置1206に送る(メッセージ1224)。第1の制御装置1206は、第1のエージェントプロセス1204に対し、第1のノードが所望の容量を有することを示す応答を送る(メッセージ1226)。
【0189】
第1のエージェントプロセス1204は、容量の要求を第2の
エージェントプロセス1208に送る(メッセージ1228)。第2のエージェントプロセス1208は、容量の要求を第2の制御装置1210に送る(メッセージ1230)。第2の制御装置1210は、第2のエージェントプロセス1208に対し、第2のノードが所望の電力容量を有することを示す応答を送る(メッセージ1232)。
【0190】
第2のエージェントプロセス1208は、容量の要求を第3のエージェントプロセス1212に送る(メッセージ1234)。第3のエージェントプロセス1212は、容量の要求を第3の制御装置1214に送る(メッセージ1236)。第3の制御装置1214は、第3のエージェントプロセス1212に対し、第3のノードが所望の電力容量を有さないことを示す応答を送る(メッセージ1238)。
【0191】
第3のエージェントプロセス1212は、容量の要求を拒否する応答を第2のエージェントプロセス1208に送る(メッセージ1240)。第2のエージェントプロセス1208は、容量の要求を拒否する応答を第1のエージェントプロセス1204に送る(メッセージ1242)。第1のエージェントプロセス1204は、容量の要求を拒否する応答を第4のエージェントプロセス1216に送る(メッセージ1244)。
【0192】
次に
図13を参照する。
図13は、有利な一実施形態による、送電網内において仮想電力回路を終結させるためのメッセージフローを示している。
図13に示すメッセージフローは、送電網(例えば、
図2の送電網202、及び/又は
図5の送電網502)において実施される。さらに、終結させる仮想電力回路は、例えば、
図2の仮想電力回路222、及び/又は
図5の仮想電力回路570である。
【0193】
仮想電力回路は、発電機1300、負荷1301、第1のノード、第2のノード、第3のノード、及び第4のノードを含んでいる。第1のノードは、第1のエージェントプロセス1302に関連付けられており、第1の制御装置1304を含んでいる。第2のノードは、第2のエージェントプロセス1306に関連付けられており、第2の制御装置1308を含んでいる。第3のノードは、第3のエージェントプロセス1310に関連付けられており、第3の制御装置1312を含んでいる。第4のノードは、第4のエージェントプロセス1314に関連付けられており、第4の制御装置1316を含んでいる。
【0194】
この実施例では、負荷1301に変化があったことを示すメッセージが、負荷1301から第4のエージェントプロセス1314に送られる(メッセージ1318)。第4のエージェントプロセス1314は、電力潮流の停止要求を第1のエージェントプロセス1302に送る(メッセージ1319)。第1のエージェントプロセス1302は、要求の受領を確認する応答を第4のエージェントプロセス1314に送る(メッセージ1320)。
【0195】
第1のエージェントプロセス1302は、仮想電力回路に対する電力供給の停止を求める要求を発電機1300に送る(メッセージ1321)。換言すれば、この要求は仮想電力回路を破壊するためのものである。この実施例では、仮想電力回路の破壊は、第1のノード、第2のノード、第3のノード、及び第4のノードにおける容量の解放、及び/又は発電機1300による電力供給の停止を含む。
【0196】
発電機1300は仮想電力回路に対する電力供給を停止する(1322)。発電機1300は、第1のエージェントプロセス1302に対し、電力の供給が停止したことを示す応答を送る(メッセージ1324)。
【0197】
第1のエージェントプロセス1302は、第1の制御装置1304に対し、電力を運搬する動力線の容量を利用可能にするようにとのコマンドを送る(メッセージ1326)。第1の制御装置1304は、第1のエージェントプロセス1302に対し、容量が利用可能になったことを示す確認を送る(メッセージ1328)。第1のエージェントプロセス1302は、仮想電力回路の破壊を求める要求を第2のエージェントプロセス1306に送る(メッセージ1330)。
【0198】
第2のエージェントプロセス1306は、第2の制御装置1308に対し、電力を運搬する動力線の容量を利用可能にするようにとのコマンドを送る(メッセージ1332)。第2の制御装置1308は、第2のエージェントプロセス1306に対し、容量が利用可能になったことを示す確認を送る(メッセージ1334)。第2のエージェントプロセス1306は、仮想電力回路の破壊を求める要求を第3のエージェントプロセス1310に送る(メッセージ1336)。
【0199】
第3のエージェントプロセス1310は、第3の制御装置1312に対し、電力を運搬する動力線の容量を利用可能にするようにとのコマンドを送る(メッセージ1338)。第3の制御装置1312は、第3のエージェントプロセス1310に対し、容量が利用可能になったことを示す確認を送る(メッセージ1340)。第3のエージェントプロセス1310は、仮想電力回路の破壊を求める要求を第4のエージェントプロセス1314に送る(メッセージ1342)。
【0200】
第4のエージェントプロセス1314は、第4の制御装置1316に対し、電力を運搬する動力線の容量を利用可能にするようにとのコマンドを送る(メッセージ1344)。第4の制御装置1316は、第4のエージェントプロセス1314に対し、容量が利用可能になったことを示す確認を送る(メッセージ1346)。
【0201】
電力を運搬する動力線の容量に関する通知の第4のエージェントプロセスによる送信が起動される(ステップ1348)。このような通知は、データベース(例えば、
図3の分散型データベース341)に送られる。
【0202】
第4のエージェントプロセス1314は、第3のエージェントプロセス1310に対し、第4のノードが既に仮想電力回路の一部ではないことを示す応答を送る(メッセージ1350)。電力を運搬する動力線の容量に関する通知の第3のエージェントプロセスによる送信が起動される(ステップ1352)。第3のエージェントプロセス1310は、第2のエージェントプロセス1306に対し、第3及び第4のノードが既に仮想電力回路の一部ではないことを示す応答を送る(メッセージ1354)。
【0203】
電力を運搬する動力線の容量に関する通知の第2のエージェントプロセス1306による送信が起動される(ステップ1356)。第2のエージェントプロセス1306は、第1のエージェントプロセス1302に対し、第2、第3及び第4のノードが既に仮想電力回路の一部ではないことを示す応答を送る(メッセージ1358)。
【0204】
このようにして、第1、第2、第3、及び第4のノードを介した発電機1300から負荷1301への電力の流れは停止する。
【0205】
次に
図14を参照する。
図14は、有利な一実施形態による、任意の数の負荷への送電プロセスのフロー図である。
図14に示すプロセスは、
図2の電力環境200、及び/又は
図5の電力環境500のような電力環境において実施される。
【0206】
このプロセスは、複数のノードと任意の数の送電線とを介して送電するための容量に基づいて任意の数の電源から任意の数の負荷へと送電するために、複数のノードと、これら複数のノードに接続された任意の数の動力線とを選択する(工程1400)ことにより開始される。任意の数の電源、任意の数の負荷、複数のノード、及び任意の数の動力線は、送電網(例えば、
図2の送電網202)内部のコンポーネントである。
【0207】
その後、プロセスは、複数のノードを回路に構成する(工程1402)。工程1402では、回路は仮想電力回路である。さらに、回路は、任意の数の電源から任意の数の負荷へと電力を運搬するために使用される。このような実施例では、任意の数の負荷は回路に関連付けられている。例えば、任意の数の負荷は、回路の一部であるか、回路に接続されているか、及び/又は他の何らかの適切な方法で回路に関連付けられている。
【0208】
プロセスは、次いで、複数のノードを、複数のノードに関連付けられた任意の数のエージェントプロセスを用いて、回路を介して任意の数の負荷に送電するように制御し(工程1404)、その後終了する。工程1404では、任意の数のエージェントプロセスは、
図3のエージェントプロセス318を使用して実施される。
【0209】
次に
図15を参照する。
図15は、有利な一実施形態による、送電網内において任意の数の回路を制御するプロセスのフロー図である。
図15に示すプロセスは、
図2の電力環境200のような電力環境において実施される。さらに、このプロセスは、
図6の電力環境600において実施することができる。
【0210】
このプロセスは、送電網内の任意の数の回路の任意の数のパラメータを監視することにより開始される(工程1500)。工程1500では、監視することは、送電網内の任意の数の回路に関連付けられたセンサから任意の数のパラメータに関する情報を受取ることを含む。任意の数のパラメータには、例えば、限定されないが、動力線の容量、動力線の温度、所望のレベルを上回る値を有する電圧の存在、及び動力線の容量低下が含まれる。
【0211】
任意の数の回路の各々は、送電網内に、任意の数の動力線と、複数のノードとを含む。任意の数の動力線は、任意の数の負荷へと電力を運搬する。複数のノードは、任意の数の動力線を運搬される電力を制御する。
【0212】
複数のノードは、任意の数のエージェントプロセスに関連付けられている。任意の数のエージェントプロセスは、通信ネットワーク(例えば、
図2の通信ネットワーク204)を使用して互いに通信する。任意の数のエージェントプロセスは、送電網内の複数のノードを任意の数の回路のうちの1つの回路に構成する。任意の数のエージェントプロセスは、任意の数の回路のうちのこの回路を介して任意の数の負荷へと電力を送達する。
【0213】
その後、プロセスは、任意の数のパラメータと方針とに基づいて、任意の数の回路に変更を加えるかどうかを決定する(工程1502)。次いで、プロセスは、任意の数の回路に変更を加えるという決定に応答して、方針を使用して任意の数の回路に変更を加え(工程1504)、その後終了する。
【0214】
工程1504では、任意の数の回路は任意の数の異なる方法で変更される。例えば、任意の数の回路を変更することは、任意の数の回路のうちの少なくとも1つの回路に関して複数のノードの少なくとも一部の構成を変更することを含む。他の実施例では、任意の数の回路を変更することは、任意の数の回路に新規の回路を加えることを含みうる。任意の数の回路は、任意の数のエージェントプロセス(例えば、
図2の任意の数のエージェントプロセス226)を用いて変更される。
【0215】
次に
図16を参照する。
図16は、有利な一実施形態による、送電網内において電力を安定化させるプロセスのフロー図である。
図16に示すプロセスは、
図2の送電網202のような、電力環境内の送電網において実施される。さらに、このプロセスは、複数のノードの容量変更に応答して仮想電力回路内の複数のノードの構成を変更するために使用される。
【0216】
このプロセスは、複数のノードと任意の数の送電線とを介して送電するための容量に基づいて任意の数の電源から任意の数の負荷へと送電するために、送電網内の複数のノードと、これら複数のノードに接続された任意の数の動力線とを選択する(工程1600)ことにより開始される。
【0217】
その後、プロセスは、任意の数の電源から任意の数の負荷へ複数のノードを用いて電力を運搬する任意の数の動力線を有する回路へと、複数のノードを構成する(工程1602)。この実施例において、この回路は仮想電力回路である。
【0218】
次いで、プロセスは、回路内の任意の数の動力線のパラメータを監視する(工程1604)。工程1604では、監視することは、送電網内の回路に関連付けられたセンサからパラメータに関する情報を受取ることを含む。送電網内の任意の数の動力線のパラメータは、任意の数の動力線内を流れる電流の周波数、任意の数の動力線内を運搬される電力の位相、任意の数の動力線が消費する電力量、及び任意の数の負荷の電圧低下のうちの少なくとも1つを含む。
【0219】
その後、プロセスは、パラメータが閾値の許容範囲を逸脱したかどうかを決定する(工程1606)。工程1606において、決定は、任意の数のエージェントプロセス(例えば、
図2の任意の数のエージェントプロセス226)により行われる。
【0220】
次いで、プロセスは、パラメータが閾値の許容範囲を逸脱したという決定に応答して、複数のノードの構成を調整し(工程1608)、その後終了する。
【0221】
工程1608では、複数のノードの構成は、任意の数の異なる方法で調整される。例えば、複数のノードの構成を調整することは、回路内の複数のノードのうちのノードを送電網内の他のノードで置換することを含む。別の実施例では、複数のノードの構成を調整することは、制御装置(例えば、
図3の制御装置308、又は制御装置309)の構成を調整することを含む。
【0222】
図17は、有利な一実施形態による、回路の複数のノードを選択するプロセスを示している。
図17に示すプロセスは、
図2の電力環境200、
図5の電力環境500、及び/又は
図6の電力環境600において実施される。
【0223】
このプロセスは、送電網内の1つのノードにおいて電力の要求を受け取ることにより開始される(工程1700)。工程1700では、要求は、ノードに関連付けられたエージェントプロセス(例えば、
図3のエージェントプロセス318)によって受け取られる。プロセスは、次いで、送電網内のノードのデータベースにアクセスする(工程1702)。工程1702において、データベースは、例えば、
図3の分散型データベース341である。
【0224】
データベースは、例えば、送電網内の各ノードの識別子、送電網内の各ノードの位置、送電網内の各ノードに接続された1つ又は複数の動力線の電力容量、セキュリティアラート、送電網内の各ノードで発生するイベントのログ、及び/又は他の適切な情報といった情報を含んでいる。データベースは、各ノードの現ステート及び各ノードの前ステートの少なくとも一方に関する情報を含んでいる。
【0225】
データベースは、送電網内のすべてのノードにより共有される。例えば、データベースは、送電網内のノードの各々に含まれるプロセッサユニットに格納される。プロセッサユニット上で実行されるエージェントプロセスは、データベースにアクセスすることができる。さらに、送電網内のノード上で実行されるエージェントプロセスは、イベントに基づいてデータベースを更新することができる。このようなイベントは、例えば、一定の期間の経過とすることができる。
【0226】
プロセスは、次いで、データベース内の情報を使用して、回路を形成する送電網内の複数のノードを選択する(工程1704)。工程1704では、工程1700において要求を受け取ったエージェントプロセスが、要求された電力量と、要求された電力を運搬するノード容量とに基づいてこの選択を行う。
【0227】
その後、プロセスは、要求された電力を送達する回路へと、複数のノードを構成し(工程1706)、その後終了する。工程1706では、複数のードの構成は、複数のノードに関連付けられた任意の数のエージェントプロセスによって実行される。
【0228】
別の有利な実施形態のフロー図及びブロック図は、種々の有利な実施形態による装置及び方法に可能な幾つかの実装態様のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示している。これに関し、フロー図又はブロック図の各ブロックは、1つの工程又はステップの1つのモジュール、セグメント、機能及び/又は部分を表わすことができる。幾つかの代替的な実装態様では、ブロックに記載された1つ又は複数の機能は、図示の順序で現れなくともよい。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックがほぼ同時に実行されても、又は時には含まれる機能によってはブロックが逆順に実行されてもよい。また、フロー図又はブロック図に示されるブロックに他のブロックが追加されてもよい。
【0229】
種々の有利な実施形態は、全体がハードウェアからなる実施形態、全体がソフトウェアからなる実施形態、又はハードウェア要素とソフトウェア要素とを含む実施形態の形態をとることができる。幾つかの実施形態は、限定しないが、例えばファームウェア、常駐ソフトウェア、及びマイクロコードといった形態を含むソフトウェアにおいて実施される。
【0230】
さらに、種々の実施形態は、コンピュータ、或いは命令を実行する何らかのデバイス又はシステムにより使用される、或いはそれに接続されて使用されるプログラムコードを提供するコンピュータで使用可能又は読み取り可能な媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。本明細書の目的のために、コンピュータで使用可能又は読み取り可能な媒体は、一般に、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用される、或いはそれに接続されて使用されるプログラムの収容、格納、通信、伝播、又は運搬を行う任意の有形装置とすることができる。
【0231】
コンピュータで使用可能又はコンピュータで読み取り可能な媒体は、例えば、限定しないが、電子システム、磁気システム、光学システム、電磁システム、赤外システム、又は半導体システム、或いは伝播媒体とすることができる。コンピュータで読み取り可能な媒体の非限定的な実施例には、半導体又は固体状態のメモリ、磁気テープ、取り出し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、及び光ディスクが含まれる。光ディスクには、コンパクトディスク−リードオンリーメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−リード/ライト(CD−R/W)、及びDVDが含まれる。
【0232】
さらに、コンピュータで使用可能な又はコンピュータで読み取り可能な媒体は、コンピュータで読み取り可能又は使用可能なプログラムコードを収容又は格納し、コンピュータで読み取り可能又は使用可能なこのプログラムコードがコンピュータ上で実行されるとき、このコンピュータで読み取り可能又は使用可能なプログラムコードの実行によって、コンピュータに、コンピュータで読み取り可能又は使用可能な別のプログラムコードを、通信リンクを介して伝送させることができる。このような通信リンクは、例えば、限定しないが、物理的な又は無線の媒体を使用することができる。
【0233】
コンピュータで読み取り可能な又はコンピュータで使用可能なプログラムコードを格納及び/又は実行するデータ処理システムは、システムバスのような通信ファブリックによりメモリ要素に直接的に又は間接的に連結された1つ又は複数のプロセッサを含む。メモリ要素は、プログラムコードが実際に実行される間に使用されるローカルメモリ、大容量記憶装置、及び少なくとも何らかのコンピュータで読み取り可能な又はコンピュータで使用可能なプログラムコードを一時的に格納することにより、コード実行中に大容量記憶装置からコードを取り出す回数を低減できるキャッシュメモリを含むことができる。
【0234】
入出力又はI/O装置は、直接的に、又はI/Oコントローラを介して、システムに連結することができる。このような装置には、例えば、限定されないが、キーボード、タッチスクリーンディスプレイ、及びポインティングデバイスが含まれる。さらに、種々の通信アダプタをシステムに連結することにより、データ処理システムを、構内ネットワーク又は公衆ネットワークを介在させて、他のデータ処理システム、遠隔プリンタ、又は記憶装置に連結させることができる。非限定的な実施例はモデムであり、ネットワークアダプタは、現在利用可能な種類の通信アダプタのうちのごく一部に過ぎない。
【0235】
種々の有利な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示されているものであり、完全な説明であること、又は開示された形態に実施形態を限定することを意図していない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態とは異なる利点を提供することができる。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施形態の開示内容と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
送電網(202)内の任意の数の動力線(233)であって、電力を運搬するように構成された任意の数の動力線(210)と、
送電網(202)内の複数のノード(224)であって、任意の数の動力線(233)上を運搬される電力(214)を制御するように構成された複数のノード(224)と、
情報を運搬するように構成された通信ネットワーク(204)と、
複数のノード(224)に関連付けられた任意の数のエージェントプロセス(226)であって、通信ネットワーク(204)を使用して互いに通信し、送電網(202)内の複数のノード(224)を回路(220)に構成し、且つこの回路を介した、回路(220)に関連付けられた任意の数の負荷(208)への電力(214)の送達を制御するように構成された任意の数のエージェントプロセス(226)と
を備えた装置。
(態様2)
回路(220)は第1の回路(242、662)であり、動力線内の電力(214)の第1の部分(231)が第1の回路に、及び電力(214)の第2の部分が第2の回路(244、664)にそれぞれ使われるように、第1の回路(242、662)が第2の回路(664)と任意の数の動力線(233)のうちの1つの動力線を共有する、態様1に記載の装置。
(態様3)
送電網(202)内においてノード(212)に関連付けられたエージェントプロセス(218)が、任意の数の負荷(208)からの電力(214)の要求に応答して任意の負荷(208)に電力(214)を送達するために、送電網(202)内のノード(212)から複数のノード(224)を選択するように構成されている、態様1に記載の装置。
(態様4)
エージェントプロセス(218)に含まれる1つのエージェントプロセス(318)が、送電網(202)内のノード(212)を介して電力(214)を送達するための容量の要求(818、1128、1224)を送り、この容量の要求に対する任意の数の応答(1132、1242)を受け取り、且つこの任意の数の応答(1166)に基づいて送電網(202)内のノード(212)から複数のノード(224)を選択するように構成されている、態様3に記載の装置。
(態様5)
エージェントプロセス(318)が第1のエージェントプロセス(1102、1204)であり、送電網(202)内のノード(212)のうちの1つのノード(330)に関連付けられた第2のエージェントプロセス(1106、1206)が、第1のエージェントプロセス(1102、1204)が送った容量の要求(1128、1224)を受け取り、第2のエージェントプロセス(1106、1204)に関連付けられたノード(330)の容量を特定し、且つ第1のエージェントプロセス(1102、1204)に任意の数の応答(1132)を返す、態様4に記載の装置。
(態様6)
送電網(202、502)内のノード(212)のうちの前記1つのノード(330)に関連付けられたエージェントプロセスのうちの第2のエージェントプロセス(1106、1204)が、容量の要求(1134、1234)を受け取ると、エージェントプロセス(218)のうちの第3のエージェントプロセス(1110、1212)に容量の要求(1110、1212)を送る、態様5に記載の装置。
(態様7)
任意の数のエージェントプロセス(226)が、任意の数の負荷(208)に電力(214)を送達する間に容量に変化が生じると、送電網(202)内の複数のノード(224)内の電力の流れを変化させるように構成されている、態様1に記載の装置。
(態様8)
通信ネットワーク(204)が、送電網(202)内の動力線(210)、無線通信リンク(225)、有線通信リンク(227)、及び光ファイバケーブル(229)のうちの少なくとも1つから選択された通信リンク(223)を含んでいる、態様1に記載の装置。
(態様9)
任意の数の動力線(233)及び複数のノード(224)が、回路(220)内に電力潮流回路(242)を形成しており、任意の数のエージェントプロセス(226)が、回路(220)内に電力制御回路(244)を形成している、態様1に記載の装置。
(態様10)
回路(220)の第1の終点(230)と、回路(220)の第2の終点(232)とをさらに備える、態様1に記載の装置。
(態様11)
第1の終点(230)が、任意の数の電源(206)のうちの1つの電源、及び複数のノード(224)のうちの1つのノードから選択され、第2の終点(232)が、任意の数の負荷(208)のうちの1つの負荷、及び複数のノード(224)のうちの1つのノードから選択される、態様10に記載の装置。
(態様12)
回路が仮想電力回路(222)である、態様1に記載の装置。
(態様13)
制御プロセス(238)が、通信ネットワーク(204)を使用して任意の数のエージェントプロセス(226)と通信することにより、任意の数のエージェントプロセス(226)が、送電網(202)内の複数のノード(224)を回路(220)に構成する、態様3に記載の装置。
(態様14)
エージェントプロセス(218)のうちの1つのエージェントプロセス(318)が、制御装置インターフェースプロセス(321)、デマンド応答システムインターフェースプロセス(323)、最適化プロセス(325)、安定化プロセス(327)、電力潮流信号送信プロセス(329)、通知プロセス(331)、及びサイバーセキュリティプロセス(333)のうちの少なくとも1つを含む、態様3に記載の装置。
(態様15)
任意の数のエージェントプロセス(226)のうちの少なくとも1つがインテリジェント電力ゲートウェイエージェントプロセス(320)である、態様3に記載の装置。