(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5667260
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 16/06 20060101AFI20150122BHJP
G11C 16/02 20060101ALI20150122BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
G11C17/00 634B
G11C17/00 632C
G11C17/00 601E
G11C17/00 622E
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-170147(P2013-170147)
(22)【出願日】2013年8月20日
【審査請求日】2013年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】村上 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】荒川 賢一
【審査官】
滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−508354(JP,A)
【文献】
特開2007−164891(JP,A)
【文献】
特開2011−222090(JP,A)
【文献】
特開2011−181157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/06
G11C 16/02
G11C 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビット線のセンスノードに結合された電荷転送トランジスタにクランプ電圧を提供するクランプ電圧生成回路を備えた半導体記憶装置であって、
前記クランプ電圧生成回路は、
ドレインが第1の電位に結合され、ソースがノードに結合され、クランプ電圧がゲートに結合されたトランジスタと、
前記ノードと第2の電位との間に接続され、前記ノードから第2の電位に流れる電流を設定する電流設定手段と、
前記ノードからフィードバックされた電圧と基準電圧とを入力し、前記フィードバックされた電圧が前記基準電圧に一致するように前記クランプ電圧の出力を制御する定電圧出力手段と、
を有する半導体記憶装置。
【請求項2】
前記電流設定手段は、前記トランジスタのドレイン電流を設定する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記電流設定手段は、並列に接続された複数の電流設定用トランジスタと、前記複数の電流設定用トランジスタにそれぞれ直列に接続される電流源とを含み、前記電流設定手段は、前記複数の電流設定用トランジスタの中から選択された電流設定用トランジスタをオンすることで電流を設定する、請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
半導体記憶装置はさらに、ビット線の電流を複製した複製データを予め記憶し、前記電流設定手段は、前記複製データに基づき電流を設定する、請求項1ないし3いずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複製データは、半導体チップ毎にフューズレジスタに記憶される、請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記電流設定手段は、前記複製データに基づきオンされる電流設定用トランジスタを選択する、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記電流設定手段は、前記電荷転送トランジスタを介してビット線をプリチャージする開始する一定期間に、相対的に大きなドレイン電流を設定し、当該開始期間終了後に前記電荷転送トランジスタのドレイン電流をエミュレートする電流を設定する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記相対的に大きなドレイン電流は、予めメモリに記憶される、請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1の電位は、前記センスノードに供給される電位に等しく、前記トランジスタのドレイン電流は、前記電荷転送トランジスタのドレイン電流に等しい、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記定電圧出力手段は、非反転入力端子に前記基準電圧を入力し、反転入力端子に前記フィードバックされた電圧を入力し、前記クランプ電圧を出力するレギュレータを含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記定電圧出力手段は、選択された電流値に基づき前記基準電圧を生成するカレントミラー回路とを含み、前記カレントミラー回路は、前記第1の電位よりも大きい第3の電位に結合される、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NAND型フラッシュメモリ等の半導体記憶装置の電圧生成回路に関し、特に、ビット線クランプ電圧等に利用可能な電圧を生成する電圧生成回路に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリの読出し動作では、ビット線をプリチャージした後、ビット線をセンスアンプから切り離し、メモリセルのデータの状態に応じた電位をビット線に生成し、このビット線の電位がセンスアンプによって検出される。ビット線とセンスアンプとの間には、ビット線へのプリチャージやビット線の電荷の転送を制御するための電荷転送トランジスタが接続される。電荷転送トランジスタは、クランプ電圧生成回路によって生成されたクランプ電圧によって動作が制御される。
【0003】
一般に、クランプ電圧生成回路は、データ「0」または「1」を判定するために、低電圧のクランプ電圧を生成する必要がある。このため、ある従来のクランプ電圧生成回路は、しきい値が低いイントリンシック型のトランジスタを用いて構成されるが、このようなトランジスタは、しきい値のばらつきが大きいという欠点がある。これを回避するため、特許文献1では、カレントミラー回路の入力段と接地電位との間に抵抗分割回路を設け、抵抗分割回路の出力とカレントミラー回路の出力段との間に電位設定回路を設け、カレントミラー回路の出力段からクランプ電圧を生成するクランプ電圧生成回路を開示している。
【0004】
また、メモリセルが記憶するデータの誤センスを防止するため、特許文献2は、
図1に示すようなクランプ電圧生成回路を開示している。同図に示すように、電荷転送トランジスタ30の一端は、ビット線BLに接続され、他端は、センスアンプ20に接続される。電荷転送トランジスタ30のゲートは、クランプ電圧生成回路10に接続される。クランプ電圧生成回路10は、定電流源14、スイッチ素子としてのNMOSトランジスタ12及び13、電荷転送トランジスタ30と同じ閾値電圧を有するNMOSトランジスタ15、及び可変抵抗器16を備えている。
【0005】
センスアンプ20は、NMOSトランジスタ21、キャパシタ22、及びラッチ回路23を備えている。NMOSトランジスタ21のドレインは、電源ノードVDD/VSSに接続され、ソースは、センスノードTDCに接続され、NMOSトランジスタ21は、センスノードTDCを電源電圧VDD及び接地電圧VSSのいずれかに設定する。
【0006】
読み出し動作では、最初に、クランプ電圧生成回路10によってビット線BLがプリチャージ電圧VPREに充電される。具体的には、トランジスタ12がオン、トランジスタ13がオフする。可変抵抗器16の抵抗値は、その電圧降下がプリチャージ電圧VPREになるように設定される。これにより、電荷転送トランジスタ30のゲートに、BLクランプ電圧BLCLAMPとして“VPRE+Vth”が印加される。この時、センスノードTDCは、電源電圧VDDに充電されている。電荷転送トランジスタ30は、ビット線BLがプリチャージ電圧VPREになった時点でオフする。
【0007】
続いて、トランジスタ12がオフ、トランジスタ13がオンし、電荷転送トランジスタ30のゲートに、クランプ電圧BLCLAMPとして0Vが印加され、電荷転送トランジスタ30がオフされ、ビット線BLがフローティング状態になる。続いて、選択ワード線に読み出し電圧が印加され、非選択ワード線に読み出しパス電圧が印加され、選択トランジスタST1及びST2はオンされ、ソース線CELSRCは、例えば0Vである。
【0008】
続いて、クランプ電圧生成回路10は、クランプ電圧BLCLAMPとして電圧“Vsen+Vth”を生成する。これは、可変抵抗器16の電圧降下をセンス電圧Vsenに設定することで実現される。選択メモリセルがオンのとき、ビット線BLが放電され、ビット線BLの電圧がセンス電圧Vsen以下になり、電荷転送トランジスタ30がオンする。電荷転送トランジスタ30がオンすると、電源電圧VDDに充電されていたセンスノードTDCが放電される。センスアンプ20は、選択メモリセルの記憶データが「1」と判定し、この判定結果がラッチ回路23に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−164891号公報
【特許文献2】特開2011−181157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図2に、従来の他のクランプ電圧生成回路を示す。クランプ電圧生成回路10Aは、フラッシュメモリの周辺回路領域に形成されるものであり、電流設定回路40、カレントミラー回路50、60、70、電荷転送トランジスタをエミュレートするトランジスタ80、レールツーレールアンプ(Rail to Rail Amplifier)90等を含んで構成される。
【0011】
電流設定回路40は、並列に接続された複数のNMOSトランジスタ(図の例では、4つのトランジスタTR1〜TR4)と、複数のトランジスタTR1〜TR4に直列に接続された定電流源41〜44とを有する。各トランジスタTR1〜TR4は、それぞれのゲートに入力されるクランプ制御信号CLMP1〜CLMP4によってオン/オフを制御される。また、定電流源41〜44は、例えば、1μA、2μA、4μA、8μAの定電流を流す。クランプ制御信号CLMP1〜CLMP4の16通りの組合せにより、例えば、1μAから16μAまで、1μAのステップの16通りの電流をノードCSUMに生成することができる。
【0012】
カレントミラー回路50は、VDD電源(例えば、2.4V)に接続された一対のPMOSトランジスタを含み、一対のPMOSトランジスタの共通ゲートは、電流設定回路40のノードCSUMが接続される。これにより、カレントミラー回路50のノードN1には、ノードCSUMの電流と等しい電流が流され、1μAから16μAまでの1μAのステップの電流を流すことが可能である。
【0013】
カレントミラー回路60は、グランドに接地された一対のNMOSトランジスタを含み、一対のNMOSトランジスタの共通ゲートは、ノードN1に接続される。これにより、カレントミラー回路60のノードN2には、ノードN1の電流と等しい電流が生成され、ノードN2には、1μAから16μAまでの1μAのステップの電流を流すことが可能である。
【0014】
カレントミラー回路70は、Vd電源(例えば、6V)に接続された一対のPMOSトランジスタを含み、一対のPMOSトランジスタの共通ゲートは、ノードN2に接続される。また、一対のPMOSトランジスタに直列に一対のPMOSトランジスタが接続され、このゲートには、バイアス信号PBIASが印加される。クランプ電圧生成回路10Aが動作されるとき、バイアス信号PBIASがLレベルとなり、PMOSトランジスタがオンする。これにより、カレントミラー回路70のノードN3には、ノードN2の電流と等しい電流が生成され、ノードN3には、1μAから16μAまでの1μAのステップの電流を流すことが可能である。
【0015】
カレントミラー回路70の出力段のノードN3には、電荷転送トランジスタTGをエミュレートするNMOSトトランジスタ80、抵抗R1、R2がそれぞれ直列に接続される。トランジスタ80は、ゲートがドレインに接続されたダイオード接続であり、トランジスタ80のしきい値電圧Vth、すなわち電圧降下は、電荷転送トランジスタTGのしきい値電圧と等しい。電源Vd、抵抗R1、R2の値を適切に選定することで、例えば、ノードCSUMの電流値に対応する0.1Vから1.6Vまでの0.1Vのステップの電圧を、ノードN4に生成することができる。例えば、電流設定回路20によって0.8μAが設定されたとき、0.8Vが生成され、1.2μAが設定されたとき、1.2Vが生成される。従って、ノードN3には、トランジスタ80のしきい値電圧Vthを加えた、0.1V+Vthから1.6V+Vthまでの0.1Vのステップの基準電圧VREFを生成することができる。
【0016】
レールツーレールアンプ90の非反転入力端子には、ノードN3の電圧が基準電圧VREFとして入力され、反転入力端子には、その出力が負帰還される。レールツーレールアンプ90は、入力された基準電圧VREFにほぼ等しいVCLMP(クランプ)電圧を出力するアナログ出力バッファとして機能し、VCLMP電圧は、ページバッファ/センス回路内の複数のビット線に接続された複数の電荷転送トランジスタのゲートに印加される。
【0017】
次に、クランプ電圧生成回路の動作について説明する。
図3は、基準電圧VREF(ノードN3)、VCLMP電圧、およびビット線BLの電圧波形を示している。時刻T1において、ビット線のプリチャージが開始される。このとき、VCLMP電圧は、例えば、1.2V+Vthとなるように設定され、センスノードSNSにはVDD電位が供給される。VCLMP電圧により電荷転送トランジスタTGがオンし、ビット線BLには、センスノードSNSからVCLMP−Vth、すなわち、1.2Vがプリチャージされる。
【0018】
次に、時刻T2においてプリチャージが終了すると、選択されたワード線には、電圧Vcg(例えば、0V)が印加され、非選択ワード線には、Vpass電圧が印加され、選択ゲート線SGD、SGSによって選択トランジスタがオンされる。メモリセルMCnにデータ「0」が記憶されているとき、メモリセルMCnはオフし、ビット線BLのプリチャージ電位はほとんど変化しないが、メモリセルMCnにデータ「1」が記憶されているとき、メモリセルMCnがオンし、ビット線BLの放電が開始される。
【0019】
次に、時刻T3〜T4の期間において、センスノードSNSのセンシングが行われる。VCLMP電圧は、例えば、0.8V+Vthに設定される。上記したように、例えば、VCLMP電圧は、0.1V+Vth〜1.6V+Vthの範囲内で0.1Vのステップで選択することが可能であり、VCLMP電圧は、電流設定回路110のノードCSUMの電流(1μA〜16μA)を設定することで得られる。こうして、データ「0」のとき、電荷転送トランジスタTGがオンされないため、センスノードSNSはVDDのままであり、データ「1」のとき、電荷転送トランジスタTGがオンされ、センスノードSNSの電位が降下する。
【0020】
ノードN4の電圧がビット線BLの電圧に等しく、かつトランジスタ150のしきい値電圧Vthが電荷転送トランジスタTGのしきい値電圧に等しければ、電荷転送トランジスタTGのソース/ドレイン間電圧が正確にエミュレートされたことになり、VCLMP電圧は、正確なセンシングレベルとなり得る。しかしながら、実際には、エミュレートされるトランジスタ150のソース/ドレイン間電圧は、ノードN3とノードN4であり、必ずしも電荷転送トランジスタTGのソース/ドレイン間電圧に一致せず、正確なセンシングレベルに一致しないことがある。
【0021】
図4は、GBL(Global Bit Line)およびVCLMP電圧(ノードN4)をシミュレーションしたグラフであり、横軸にコード、縦軸にGBL(Global Bit Line)およびVCLMP電圧(ノードN4)の差分を示す。なお、横軸のコードは、4ビットのクランプ制御信号CLMP1〜4のシミュレーション結果を示している。同グラフから明らかなように、差分電圧が、理想となるターゲットの0Vから、0.2〜0.3V程度オフセットし、かつばらつきがあることが分かる。なお、ノードN4のVCLMPMVT電圧は、回路特性の測定または評価のために利用される。
【0022】
このように、ページバッファ側でセンスレベルを決定する電荷転送トランジスタTGのソース/ドレイン間電圧の条件が、周辺回路領域側のクランプ電圧発生回路内で電荷転送トランジスタTGを模写したエミュレートトランジスタ80のソース/ドレイン間電圧の条件に一致しないため、結果として生成されたVCLMP電圧がオフセットを持つ上に、この電圧自身がばらつく可能性をもつ。センスレベルを決定するVCLMP電圧がばらつくと、そのままメモリセルのしきい値電圧Vthのばらつきに繋がり、メモリセルのしきい値分布に悪影響を及ぼしてしまう。
【0023】
本発明は、正確なクランプ電圧を生成する電圧生成回路を備えた半導体記憶装置を提供ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明に係る半導体記憶装置は、ビット線のセンスノードに結合された電荷転送トランジスタにクランプ電圧を提供するクランプ電圧生成回路を備えたものであって、前記クランプ電圧生成回路は、ドレインが第1の電位に結合され、ソースがノードに結合され、クランプ電圧がゲートに結合されたトランジスタと、前記ノードと第2の電位との間に接続され、前記ノードから第2の電位に流れる電流を設定する電流設定手段と、前記ノードからフィードバックされた電圧と基準電圧とを入力し、前記フィードバックされた電圧が前記基準電圧に一致するように前記クランプ電圧の出力を制御する定電圧出力手段とを有する。
【0025】
好ましくは前記電流設定手段は、前記トランジスタのドレイン電流を設定する。好ましくは前記電流設定手段は、並列に接続された複数の電流設定用トランジスタと、前記複数の電流設定用トランジスタにそれぞれ直列に接続される電流源とを含み、前記電流設定手段は、前記複数の電流設定用トランジスタの中から選択された電流設定用トランジスタをオンすることで電流を設定する。好ましくはフラッシュメモリはさらに、ビット線の電流を複製した複製データを予め記憶し、前記電流設定手段は、前記複製データに基づき電流を設定する。好ましくは複製データは、半導体チップ毎にフューズレジスタに記憶される。好ましくは前記電流設定手段は、前記複製データに基づきオンされる電流設定用トランジスタを選択する。好ましくは前記電流設定手段は、前記電流設定手段は、前記電荷転送トランジスタを介してビット線をプリチャージする開始する一定期間に、相対的に大きなドレイン電流を設定し、当該開始期間終了後に前記電荷転送トランジスタのドレイン電流をエミュレートする電流を設定する。好ましくは前記相対的に大きなドレイン電流は、予めメモリに記憶される。好ましくは前記第1の電位は、前記センスノードに供給される電位に等しく、前記トランジスタのドレイン電流は、前記電荷転送トランジスタのドレイン電流に等しい。好ましくは前記定電圧出力手段は、非反転入力端子に前記基準電圧を入力し、反転入力端子に前記フィードバックされた電圧を入力し、前記クランプ電圧を出力するレギュレータを含む。好ましくは前記定電圧出力手段は、選択された電流値に基づき前記基準電圧を生成するカレントミラー回路とを含み、前記カレントミラー回路は、前記第1の電位よりも大きい第3の電位に結合される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、電流設定手段によりビット線の電流を複製することが可能となり、電荷転送トランジスタの条件に、エミュレート用のトランジスタの条件を近似させることが容易にとなる。これにより、より正確で、ばらつきの少ないクランプ電圧を電荷転送トランジスタへ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】従来のフラッシュメモリのクランプ電圧生成回路を示す図である。
【
図2】従来のフラッシュメモリのクランプ電圧生成回路を示す図である。
【
図3】VCLAMP電圧およびビット線の電圧波形を示す図である。
【
図4】
図2に示すクランプ電圧生成回路からセンスノードの電圧を検知する際に出力されるクランプ電圧の乖離状態を説明するグラフである。
【
図5】本発明の実施例に係るフラッシュメモリの一構成例を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施例に係るNANDストリングの構成を示す回路図である。
【
図7】本実施例に係るフラッシュメモリの各部に印加される電圧の一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施例に係るクランプ電圧生成回路を示す図である。
【
図9】本発明の実施例に係るクランプ電圧生成回路の動作を説明する図である。
【
図10】本発明の実施例に係るクランプ電圧生成回路の動作波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図面は、分かり易くするために各部を強調して示してあり、実際のデバイスのスケールとは異なることに留意すべきである。
【実施例】
【0029】
図5は、本発明の実施例に係るフラッシュメモリの構成を示すブロック図である。但し、ここに示すフラッシュメモリの構成は、例示であって、本発明は、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。
【0030】
本実施例のフラッシュメモリ100は、行列状に配列された複数のメモリセルが形成されたメモリアレイ110と、外部入出力端子I/Oに接続され入出力データを保持する入出力バッファ120と、入出力バッファ120からのアドレスデータを受け取るアドレスレジスタ130と、入出力されるデータを保持するデータレジスタ140、入出力バッファ120からのコマンドデータおよび外部制御信号(図示されないチップイネーブルやアドレスラッチイネーブル等)に基づき各部を制御する制御信号C1、C2、C3等を供給するコントローラ150と、アドレスレジスタ130からの行アドレス情報Axをデコードしデコード結果に基づきブロックの選択およびワード線の選択等を行うワード線選択回路160と、ワード線選択回路160によって選択されたページから読み出されたデータを保持したり、選択されたページへの書込みデータを保持するページバッファ/センス回路170と、アドレスレジスタ130からの列アドレス情報Ayをデコードし当該デコード結果に基づきページバッファ170内の列データを選択する列選択回路180と、クランプ電圧生成回路等が形成された周辺回路182と、データの読出し、プログラムおよび消去等のために必要な電圧(プログラム電圧Vpgm、パス電圧Vpass、読出しパス電圧Vread、消去電圧Versなど)を生成する内部電圧発生回路190とを含んで構成される。
【0031】
メモリアレイ110は、列方向に配置された複数のブロックBLK(0)、BLK(1)、・・・、BLK(m)を有する。ブロックの一方の端部には、ページバッファ/センス回路170が配置される。但し、ページバッファ/センス回路170は、ブロックの他方の端部、あるいはの両側の端部に配置されるものであってもよい。
【0032】
1つのメモリブロックには、
図6に示すように、複数のメモリセルを直列に接続したNANDストリングユニットNUが複数形成され、1つのメモリブロック内にn+1個のストリングユニットNUが行方向に配列されている。セルユニットNUは、直列に接続された複数のメモリセルMCi(i=0、1、・・・、31)と、一方の端部であるメモリセルMC31のドレイン側に接続された選択トランジスタTDと、他方の端部であるメモリセルMC0のソース側に接続された選択トランジスタTSとを含み、選択トランジスタTDのドレインは、対応する1つのビット線GBLに接続され、選択トランジスタTSのソースは、共通のソース線SLに接続される。
【0033】
メモリセルMCiのコントロールゲートは、ワード線WLiに接続され、選択トランジスタTD、TSのゲートは、ワード線WLと並行する選択ゲート線SGD、SGSに接続される。ワード線選択回路160は、行アドレスAxに基づきメモリブロックを選択するとき、当該メモリブロックの選択ゲート信号SGS、SGDを介して選択トランジスタTD、TSを選択的に駆動する。
【0034】
メモリセルは、典型的に、Pウエル内に形成されたN型の拡散領域であるソース/ドレインと、ソース/ドレイン間のチャンネル上に形成されたトンネル酸化膜と、トンネル酸化膜上に形成されたフローティングゲート(電荷蓄積層)と、フローティングゲート上に誘電体膜を介して形成されたコントロールゲートとを含むMOS構造を有する。フローティングゲートに電荷が蓄積されていないとき、つまりデータ「1」が書込まれているとき、しきい値は負状態にあり、メモリセルは、ノーマリオンである。フローティングゲートに電子が蓄積されたとき、つまりデータ「0」が書込まれているとき、しきい値は正にシフトし、メモリセルは、ノーマリオフである。
【0035】
図7は、フラッシュメモリの各動作時に印加されるバイアス電圧の一例を示したテーブルである。読出し動作では、ビット線に或る正の電圧を印加し、選択されたワード線に或る電圧(例えば0V)を印加し、非選択ワード線にパス電圧Vpass(例えば4.5V)を印加し、選択ゲート線SGD、SGSに正の電圧(例えば4.5V)を印加し、ビット線選択トランジスタTD、ソース線選択トランジスタTSをオンし、共通ソース線に0Vを印加する。プログラム(書込み)動作では、選択されたワード線に高電圧のプログラム電圧Vprog(15〜20V)を印加し、非選択のワード線に中間電位(例えば10V)を印加し、ビット線選択トランジスタTDをオンさせ、ソース線選択トランジスタTSをオフさせ、「0」または「1」のデータに応じた電位をビット線GBLに供給する。消去動作では、ブロック内の選択されたワード線に0Vを印加し、Pウエルに高電圧(例えば20V)を印加し、フローティングゲートの電子を基板に引き抜くことで、ブロック単位でデータを消去する。
【0036】
次に、本発明の実施例に係るクランプ電圧生成回路を
図8に示す。本実施例のクランプ電圧生成回路200において、
図2に示したクランプ電圧生成回路10Aと同一構成については同一参照番号を付し、重複した説明を省略する。
【0037】
本実施例のクランプ電圧生成回路200は、フラッシュメモリ100の周辺回路182内に形成され、そこで生成されたVCLMP(クランプ)電圧は、ページバッファ/センス回路170内のn+1個のビット線にそれぞれ接続された電荷転送トランジスタTGのゲートに供給される。
【0038】
本実施例のクランプ電圧生成回路200は、
図2に示すクランプ電圧生成回路10Aのエミュレート用のトランジスタ80が取り除かれ、その代わりに、定電圧出力回路210の出力にエミュレート用トランジスタ220が設けられている。好ましくは、定電圧出力回路210は、定電圧を出力するレギュレータを含んで構成され、レギュレータ210の非反転入力端子には、ノードN3の基準電圧VREFが入力され、反転入力端子には、エミュレート用トランジスタ220のソース、すなわちノードN5の電圧がフィードバックされる。レギュレータ210は、このフィードバックにより、VREF+VthのVCLMP電圧を出力するように制御される。
【0039】
VDD電源とノードN5との間には、エミュレート用のNMOSトランジスタ220が直列に接続される。すなわち、トランジスタ220のドレインがVDD電源に接続され、ソースがノードN5に接続され、ゲートにレギュレータ210のVCLMP電圧が供給される。トランジスタ220がオンすると、ノードN5が充電を開始され、それがレギュレータ210にフィードバック入力される。レギュレータ210は、ノードN5の電圧が基準電圧VREFと等しくなるようにVCLMP電圧を制御する。ノードN5の電圧は、VREF相当となるので、VCLAMP電圧は、VREF+Vthになるようにフィードバック制御される。
【0040】
エミュレート用のトランジスタ220と直列に第2の電流設定回路230が接続される。第2の電流設定回路230は、電流設定回路40と類似の構成を有するが、第2の電流設定回路230は、電流設定回路40と比べてより微細な電流値を設定することができる。第2の電流設定回路230は、複数の並列に接続されたNMOSトランジスタと(ここでは、4つのトランジスタTR5〜TR8)、各トランジスタにそれぞれ直列に接続された4つの電流源231〜234とを含んで構成される。各トランジスタTR5〜TR8のゲートには、クランプ制御信号CLMP5〜8がそれぞれ入力され、各トランジスタTR5〜TR8がそれぞれオン/オフされる。各定電流源231〜234は、例えば、0.125μA、0.25μA、0.5μA、1.0μAの定電流を流す。4ビットのクランプ制御信号CLMP4〜8の16通りの組合せにより、例えば、0.125μAから2μAまでの電流を0.125μAのステップで設定することができる。
【0041】
第2の電流設定回路230は、読み出し時のページバッファ/センス回路内のビット線BLの電流を複製することができる。好ましい態様では、半導体ウエハ内の各チップ毎のばらつきを防ぐため、各チップには、クランプ制御信号CLMP5〜8の2値データが複製データとして記憶するためのフューズレジスタまたはフューズROM等が用意される。例えば、半導体ウエハ段階で、選択されたチップまたはテスト用素子のビット線から放電される電流値などが測定され、その測定結果に基づきフューズをトリミングし、各チップのフューズレジスタに複製データが格納される。また、第1の電流設定回路40のクランプ制御信号CLMP1〜4のコードも同様にフューズレジスタ等に記憶することができる。そして、コントローラ150は、読み出しを行うとき、フューズレジスタからクランプ制御信号1〜4ないしクランプ制御信号CLMP5〜8を読出し、第1の電流設定回路40および第2の電流設定回路230の電流値を設定することができる。また、他の態様では、チップ単位ではなく、フラッシュメモリのブロック単位でクランプ制御信号CLMP5〜8の2値データを記憶し、読み出しが行われるとき、選択されたページに対応するブロックのクランプ制御信号CLMP5〜8を読出し、第2の電流生成回路230の電流値を設定するようにしてもよい。さらに好ましい態様では、定電力回路210の非反転入力端子に入力された基準電圧VREF(ノードN3)は、クランプ制御信号CLMP5〜8の設定のために、外部出力もしくは測定可能である。
【0042】
図9は、本実施例のクランプ電圧生成回路の動作を説明する図である。レギュレータ210、すなわち定電圧出力回路210は、ノードN5のフィードバックにより、基準電圧VREF+VthのVCLMP電圧を出力する。VCLMP電圧は、エミュレート用のトランジスタ220のゲートに供給され、さらにページバッファ/センス回路170内の各ビット線BLに接続された各電荷転送トランジスタTGのゲートに供給される。第2の電流生成回路230は、エミュレート用のトランジスタ220のドレイン電流I’dsを、電荷転送トランジスタTGのドレイン量Idsに調整可能な構成とすることで、電荷転送トランジスタTGのドレイン/ソース間電圧の条件と、エミュレート用のトランジスタ220のドレイン/ソース間電圧の条件とを極めて近いものにすることができる。これにより、生成されたVCLMP電圧は、ターゲット電圧からオフセットすることが抑制される。さらに、第2の電流生成回路230のクランプ制御信号CLMP5〜8により、エミュレート用のトランジスタ220のドレイン電流を、電荷転送トランジスタのドレイン電流に一致させることで、VCLMP電圧のバラツキを抑制することができる。
【0043】
さらに好ましい態様では、本実施例のクランプ電圧生成回路200は、コントローラ150の制御により、読み出し時にトランジスタ220に流す電流量I’dsを可変することで、例えば、プリチャージ開始時に、相対的に大ききなドレイン電流Imaxを流してオーバードライブさせる、ビット線BLのプリチャージ時間を短縮させることが可能である。第2の電流設定回路230は、例えば、上記したフューズレジスタから読み出されたクランプ制御信号CLMP5〜8に基づきドレイン電流Imax(Imax=I’ds×k:kは、任意の係数)を設定することができる。あるいは、フューズレジスタに、ドレイン電流Imaxとなるクランプ制御信号CLMP5〜8を記憶するようにしてもよい。
【0044】
図10は、プリチャージ開始時の電圧波形を示す図である。時刻T1において、プリチャージが開始され、時刻T2において、オーバードライブによるドレイン電流がピークになるものとする。基準電圧VREFは、時刻T1からT2に向けて立ち上がり、これに応答して、VCLMP電圧が時刻T2で、1.2V+Vth+αにオーバードライブされる。このオーバードライブにより、各ビット線BLには、時刻T2もしくはそれより幾分遅れて、プリチャージ電圧(1.2V)が充電される。破線で示す曲線は、このようなオーバードライブがされないときの従来のプリチャージ時間を示している。第2の電流設定回路23−は、時刻T2がピークとなるように、増加した電流Q+αμAを流すように制御され、その後、エミュレートされた電流QμAを流すように制御される。
【0045】
本実施例のように正確なビット線のプリチャージ電圧を生成することで、ビット線の放電時間のバラツキが単純にメモリセル固有のもの(メモリセルのしきい値Vthに依存)となる。このため、センスアンプによるセンシング時間を正確に設定することができ、読出し時間の短縮を図ることが可能になる。
【0046】
上記実施例では、読出し時にクランプ電圧生成回路が利用される例を示したが、これ以外にも、ベリファイ時に利用されることも可能である。さらに上記実施例では、第1および第2の電流設定回路40、230は、4ビットのトランジスタから構成される例を示したが、トランジスタは、複数のビットから構成されるものであってもよい。さらに上記実施例では、2値データを記憶するメモリセルの読出しを例示したが、本発明は、多値データを記憶するメモリセルを有するフラッシュメモリにも適用可能である。この場合、クランプ電圧生成回路は、多値データをセンシングするためのVCLMP電圧を生成する。さらに上記実施例では、フラッシュメモリのクランプ電圧生成回路を例示したが、他の半導体メモリにおいても利用することができる。
【0047】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
10、10A:クランプ電圧生成回路
40:電流設定回路
50、60、70:カレントミラー回路
80:エミュレート用トランジスタ
90:レールツーレールアンプ
100:フラッシュメモリ
110:メモリアレイ
120:入出力バッファ
130:アドレスレジスタ
140:データレジスタ
150:コントローラ
160:ワード線選択回路
170:ページバッファ/センス回路
180:列選択回路
182:周辺回路
190:内部電圧発生回路
200:クランプ電圧生成回路
210:定電圧出力回路(レギュレータ)
220:エミュレート用トランジスタ
230:第2の電流設定回路
BL:ビット線
SL:共通ソース線
TD:ビット線選択トランジスタ
TS:ソース線選択トランジスタ
SGD、SGS:選択ゲート線
【要約】
【課題】 正確なクランプ電圧を生成するクランプ電圧生成回路を提供する。
【解決手段】 本発明のクランプ電圧生成回路200は、ドレインがVDD電源に結合され、ソースがノードN5に結合され、クランプ電圧がゲートに結合されたエミュレート用のトランジスタ220と、ノードN5と接地電位との間に接続され、ノードN5から接地電位に流れる電流を設定する電流設定回路230と、ノードN5からフィードバックされた電圧と基準電圧VREFとを入力し、VCLMP電圧を出力するレギュレータ210とを有する。電流設定回路230は、ビット線BLの電流を複製可能であり、電荷転送トランジスタTGにエミュレート用のトランジスタ220を近似させることができる。
【選択図】
図8