特許第5667296号(P5667296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5667296スリット入りドーナツ型ブレークシール及びそれを製造する方法並びにそれを用いた容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5667296
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】スリット入りドーナツ型ブレークシール及びそれを製造する方法並びにそれを用いた容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/50 20060101AFI20150122BHJP
   B65D 53/04 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   B65D41/50
   B65D53/04 Z
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-527378(P2013-527378)
(86)(22)【出願日】2011年9月16日
(65)【公表番号】特表2013-538758(P2013-538758A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】US2011051978
(87)【国際公開番号】WO2012037483
(87)【国際公開日】20120322
【審査請求日】2013年2月27日
(31)【優先権主張番号】61/384,167
(32)【優先日】2010年9月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100089347
【弁理士】
【氏名又は名称】木川 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・エス・モントゥーリ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ケイ・グロス
(72)【発明者】
【氏名】リーランド・イー・モール
【審査官】 八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第01857015(US,A)
【文献】 特開2006−055670(JP,A)
【文献】 特開平10−202803(JP,A)
【文献】 米国特許第06457613(US,B1)
【文献】 米国特許第04133457(US,A)
【文献】 国際公開第90/006269(WO,A1)
【文献】 米国特許第04938390(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0043330(US,A1)
【文献】 特開2003−334234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D35/44−35/54、39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の主面を有し、外側輪郭と開口部を画定する内側輪郭とを有し、熱可塑性ポリマーを含むフォームシートと、
層を介在することなく、前記フォームシートの前記第1の主面と直接接触し、前記内側輪郭を超えて内側に延在し、フルオロポリマーを含むフィルム層と、
を含み、前記フィルム層が、前記フィルム層の厚さ方向に部分的に刻まれているシール。
【請求項2】
前記シールが、少なくとも219N/m(1.25lb/in)の剥離強度を有する請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記フォームシートが、熱可塑性ポリマーを含む請求項1に記載のシール。
【請求項4】
前記フォームシートが、0.508mm〜3.18mm(0.020インチ〜0.125インチ)の範囲の厚さを有する請求項1に記載のシール。
【請求項5】
前記フォームシートが、0.42g/cm〜0.54g/cm(26lb/ft〜34lb/ftの範囲の密度を有する請求項1に記載のシール。
【請求項6】
前記フルオロポリマーが、パーフルオロポリマーを含む請求項1に記載のシール。
【請求項7】
前記フィルム層が、0.203mm〜1.60mm(0.008インチ〜0.063インチ)の範囲の厚さを有する請求項1に記載のシール。
【請求項8】
前記フィルム層が、2.10g/cm〜2.22g/cmの密度を有する請求項1に記載のシール。
【請求項9】
前記フィルム層が、前記フィルム層の厚さ方向に星形に部分的に刻まれる請求項1に記載のシール。
【請求項10】
前記フィルム層が、前記フィルム層の厚さ方向に星形に部分的に刻まれており、前記星形の近接するライン間の角度が、少なくとも1°である請求項9に記載のシール。
【請求項11】
前記星形の近接するライン間の角度が、最大で90°である請求項10に記載のシール。
【請求項12】
水平配置で、熱可塑性ポリマーを含み、プレフォーム開口部を有するフォームシートを分配する工程と、
水平配置で、前記フォームシートに近接するフルオロポリマーフィルムを分配する工程と、
前記フォームシートと前記フルオロポリマーフィルムとの間に位置する直火で、前記フォームシートおよび前記フルオロポリマーフィルムを加熱する工程と、
前記フォームシートを前記フルオロポリマーフィルムにプレスして、前記フォームシートと前記フルオロポリマーフィルムとの間に層を介在することなく構造を形成する工程と、
前記構造を冷却する工程と、
前記構造から、シール本体を切断するする工程と、を含み、
前記シール本体はフォームシートおよびフルオロポリマー層と、前記フォームシートの内側輪郭を画定するプレフォーム開口部と外側輪郭とを有し、前記フルオロポリマー層は前記内側輪郭を超えて前記外側輪郭から内側に延在している、シールを製造する方法。
【請求項13】
前記フルオロポリマー層を刻む工程をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
開口部を有する器と、
前記器の前記開口部をカバーするシールであって、第1および第2の主面を有し、外側輪郭と、開口部を画定する内側輪郭とを有し、熱可塑性ポリマーを含むフォームシートを含むシールと、
層を介在することなく、前記フォームシートの前記第1の主面と直接接触し、前記内側輪郭を超えて内側に延在し、フルオロポリマーを含むフィルム層と、を含み、
前記フィルム層が、前記フィルム層の厚さ方向に部分的に刻まれている容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、スリット入りブレークシールおよびスリット入りブレークシールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブレークシールは、容器のためのシールとして実験室で用いられている。このシールは、容器のネックに取り付けられて、瓶の気密シールとなる。ブレークシールは、有害な化学薬品への露出の機会を減じるために、有害な化学薬品と共に使用されることが多い。ブレークシールはまた、シールが破損する前に、化学薬品漏出の機会を減じるのにも用いることができる。ブレークシールは、さらに、特に、生物学的汚染物質による汚染を防ぐために、殺菌された取付具と共に用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在入手できるブレークシールは、高価であり、製造が複雑で、物理的に弱く望ましい時間の前にシールが破損してしまうといった数多くの欠点を有する。他のシールは、接着剤でできており、容器内の流体へ浸出して、流体を汚染する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、添付の図面を参照することにより、当業者であれば、より良く理解でき、その数多くの特徴および利点が明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】例示のスリット入りドーナツ型ブレークシールの図を含む。
図2】スリット入りドーナツ型ブレークシールの例示の構成要素の図を含む。
図3】例示の穿孔入りフォームシートの図およびフォームシートの角の拡大図を含む。
図4】スリット入りドーナツ型ブレークシールの例示の前駆体の図を含む。
図5】火炎ラミネーションの例示の方法の図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
異なる図面における同一の参照符号の使用は、同様または同一の品目を示している。
【0007】
特定の実施形態において、シールは、フォームシートと、層を介在することなく、フォームシートと直接接触するフィルム層とを含む。フォームシートは、第1および第2の主面を含み、外側輪郭と内側輪郭とを有する。内側輪郭は、フォームシートにおいて、直径約22.7mm(0.895インチ)のセンター開口部を画定している。特に、フォームシートは、ポリエチレン等の熱可塑性ポリマーで形成することができる。フィルム層は、フォームシートの表面を横断し、フォームシートのセンター開口部を横断して延在している。フィルム層は、星形に刻まれている。星形は少なくとも8個の点を有することができる。特に、フィルム層は、パーフルオロポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフルオロポリマーで形成することができる。
【0008】
例示の実施形態において、シールを製造する方法は、フォームシートを水平に分配し、フォームシートの下に近接して水平にフィルム層を分配する工程を含む。フォームシートおよびフィルム層は、シートと層の間に配置した直火で加熱し、一緒にプレスして、層状ラミネートを形成する。層状ラミネートを、一連の冷却ローラーで所定の温度まで冷却する。冷却後、ラミネートをシールへとカットし、各シールのフィルム層を刻む。
【0009】
図1に示すとおり、ブレークシール100は、センター孔およびフィルム層102を有するフォームシート101を含む。フィルム層102は、星形103に刻むことができる。
【0010】
シールを形成する方法は、フォームシートをフィルム層にラミネートする工程を含む。フォームシートは、熱可塑性ポリマーで形成することができる。熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン(PE)、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、長低密度ポリエチレンまたはこれらの任意の組み合わせ;ポリプロピレン(PP);ポリブテン;ポリペンテン;ポリメチルペンテン;またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。他の例において、熱可塑材は、ナイロン等のポリアミド(PA)、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。さらなる例において、熱可塑材は、ポリアクリレート(アクリル)、ポリケトン(PK)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブタジエン(PBD)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSU)、ポリウレタン(PU)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステルまたはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。例示のポリエステルは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PIT)またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。特定の例において、熱可塑性ポリマーは、ポリエチレン(PE)を含む。
【0011】
図3に示すとおり、306で示されるフォームシート300は、2層以上の層を含むことができる。例えば、フォームシート300は、3層、例えば、低密度ポリエチレンフォームコア等のフォーム熱可塑性ポリマーの3枚合わせの共押出し材料を、低密度ポリエチレンフィルム等の熱可塑性ポリマーの2枚のフィルム層間に含むことができる。
【0012】
同じく図3に示すとおり、フォームシート300には、孔302を予め穿孔しておくことができる。孔は、12.7mm〜127mm(0.5インチ〜5インチ)の直径を有することができる。例えば、直径は、少なくとも19.1mm(0.75インチ)、例えば、少なくとも、24.1mm(0.95インチ)とすることができる。一例において、直径は、約29.44mm(1.159インチ)とすることができる。特に、直径は、76.2mm(3インチ)以下、例えば、58.4mm(2.3インチ)以下とすることができる。孔は、小さな合わせ孔304で囲むことができる。合わせ孔304は、合わせ孔304が、孔302を囲む各四辺の角に位置するようにして、孔302の周囲の四方の形状で並べることができる。他の実施形態において、フォームシート300は、合わせ孔304なしで形成することができる。
【0013】
フォームシート300は、0.42g/cm〜0.54g/cm(26 lb/ft〜34 lb/ftの範囲の密度を有することができる。例えば、熱可塑性ポリマーは、少なくとも0.45g/cm(28 lb/ft、例えば、少なくとも0.46g/cm(29 lb/ftの密度を有することができる。一例において、熱可塑性ポリマーの密度は、0.51g/cm(32 lb/ft以下、例えば、0.50g/cm(31 lb/ft以下である。
【0014】
フォームシート300は、0.508mm〜3.18mm(0.020インチ〜0.125インチ)の厚さを有することができる。一例において、フォームシート300の厚さは、少なくとも1.27mm(0.050インチ)、例えば、少なくとも1.52mm(0.060インチ)とすることができる。さらなる例において、フォームシート300の厚さは、2.41mm(0.095インチ)以下、例えば、2.29mm(0.090インチ)以下とすることができる。
【0015】
図4に示すとおり、フォームシート401は、フィルム層402に取り付けられている。フィルム層402は、フルオロポリマーで形成することができる。フルオロポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレンパーフルオロメチルビニルエーテル(MFA)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン(THV)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFE)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)を挙げることができる。特に、フルオロポリマーは、パーフルオロポリマーとすることができる。特定の例において、フルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。
【0016】
さらなる例において、フィルム層402は、例えば、フルオロポリマー材料片からスカイブされたスカイブドフィルムである。フィルム層402は、0.076mm〜1.60mm(0.003インチ〜0.063インチ)の厚さを有することができる。一例において、フィルム層402は、少なくとも0.229mm(0.009インチ)、例えば、少なくとも0.241mm(0.0095インチ)の厚さを有することができる。他の例において、フィルム層402は、0.127mm(0.005インチ)の厚さを有することができる。他の例において、フィルム層402は、0.203mm(0.008インチ)の厚さを有することができる。さらなる例において、フィルム層402は、1.27mm(0.05インチ)以下、例えば、0.584mm(0.023インチ)以下の厚さを有することができる。
【0017】
さらなる例において、フィルム層402は、2.10g/cm〜2.22g/cmの密度を有する。例えば、フィルム層402は、少なくとも2.13g/cm、例えば、2.15g/cmの密度を有することができる。特定の例において、フィルム層402の密度は、2.19g/cm以下、例えば、2.17g/cm以下とすることができる。
【0018】
さらなる例において、フィルム層402は、少なくとも200%、例えば、少なくとも250%、さらに少なくとも280%の破断点伸びを示す。特定の例において、破断点伸びは、500%以下、例えば、300%以下とすることができる。
【0019】
フィルム層402は、少なくとも50のショアD硬度を有することができる。一例において、ショアD硬度は、少なくとも54、例えば、少なくとも56とすることができる。さらなる例において、フィルム層402のショアD硬度は、60以下とすることができる。
【0020】
フィルム層402は、少なくとも26.20MPa(3800psi)の引張強度を示すことができる。一例において、フィルム層の引張強度は、少なくとも26.89MPa(3900psi)、例えば、少なくとも27.58MPa(4000psi)とすることができる。さらなる例において、引張強度は、28.96MPa(4200psi)以下とすることができる。
【0021】
図5に示すとおり、シールは、層を介在することなく、フィルムシートに火炎ラミネートされたフォームシートから形成することができる。プレフォームされた開口部を備えたフォームのロールを、水平配置で分配する。フィルムのロールは、フィルムのロールに近接配置され、水平に分配される。フォームのシートとフィルムのシートとの間に位置する直火で、フォームのシートとフィルムのシートの両方を加熱する。加熱したフォームとフィルムを、大きなローラーにより一緒にプレスして、ラミネートを形成する。
【0022】
火炎の温度は、フォームシートおよびフィルム層から25.4〜50.8mm(1〜2インチ)で測定するとき、少なくとも537.8°C(1000°F)とすることができる。一例において、フォームシートおよびフィルム層から50.8mm(2インチ)で、火炎の温度は、少なくとも593.3°C(1100°F)、例えば、少なくとも648.9°C(1200°F)とすることができる。さらなる例において、火炎は、製品から50.8mm(2インチ)で、704.4°C(1300°F)以下とすることができる。
【0023】
直火は、シートまたはフィルムの表面で、少なくとも260°C(500°F)の温度を有することができる。一例において、直火は、シートまたはフィルムの表面で少なくとも288°C(550°F)の温度を有することができる。さらなる例において、直火は、表面で316°C(600°F)以下の温度を有することができる。
【0024】
加熱したフォームシートを加熱したフィルムへプレスして構造を形成した後、ラミネートを、いくつかの冷却ロールを横断して供給することができる。冷却ロールを横断してラミネートを巻き付けると、ラミネートの温度が下がる。一例において、ラミネートは、120℃以下、例えば、110℃以下、さらに、100℃以下まで冷却される。ラミネートが十分に冷却されたら、ラミネートを巻き付け、周囲温度まで冷却を続けるために置いておく。
【0025】
ラミネートが冷却されたら、シール本体をラミネートから切断する。一例において、シールは、スタンピング操作により切断される。合わせ孔304を用いると、適切な位置での切断を確実に行うことができる。
【0026】
シールのフィルム層は刻むことができる。刻み線は、連続または断続とすることができる。刻み線は、パンチプレス等のスタンピングまたはスコアリングの何らかの従来の方法により形成することができる。一例において、フィルム層は、シールをラミネートから切断するのと同時に刻むことができる。他の例において、フィルム層は、シール本体を切断する前に刻まれる。さらに他の例において、フィルム層は、シール本体を切断した後に刻まれる。
【0027】
一例において、フィルム層は、複数のラインを含む星形に刻まれる。特定の例において、星形は、少なくとも4個の点、例えば、少なくとも8個の点有する。ラインは、12.7μm〜330.2μm(0.5ミル〜13.0ミル)の深さでフィルム層の厚さ方向に刻まれる。一例において、星形のラインは、少なくとも17.8μm(0.7ミル)、例えば、少なくとも21.6μm(0.85ミル)またはさらに少なくとも25.4μm(1.0ミル)の深さで、フィルム層の厚さ方向に刻むことができる。他の例において、星形のラインは、少なくとも50.8μm(2.0ミル)、例えば、少なくとも127.0μm(5.0ミル)、少なくとも203.2μm(8.0ミル)、少なくとも254.0μm(10.0ミル)、またはさらに少なくとも304.8μm(12.0ミル)の深さで、フィルム層の厚さ方向に刻むことができる。さらなる例において、ラインは、45.7μm(1.8ミル)以下、例えば、38.1μm(1.5ミル)以下、またはさらに33.0μm(1.3ミル以下)の深さで、フィルム層の厚さ方向に刻むことができる。さらなる例において、ラインは、330.2μm(13.0ミル)以下、例えば、266.7μm(10.5ミル)以下、例えば、177.8μm(7.0ミル)以下、例えば、127.0μm(5.0ミル)以下、またはさらに63.5μm(2.5ミル)以下の深さで、フィルム層の厚さ方向に刻むことができる。さらなる例において、フィルム層は、星形を含む近接するライン間の角度が、少なくとも約1°となるように星形に刻むことができる。他の例において、フィルム層は、星形を含む近接するライン間の角度が、少なくとも約15°、例えば、少なくとも約30°、またはさらに少なくとも約45°となるように刻むことができる。さらなる例において、フィルム層は、星形を含む近接するライン間の角度が、最大で約90°、例えば、最大で約60°となるように刻むことができる。
【0028】
さらなる例において、フィルム層102に刻まれた星形103のラインは、長さ少なくとも10.2mm(0.40インチ)である。さらなる例において、フィルム層102に刻まれた星形103のラインは、長さ少なくとも12.7mm(0.50インチ)、例えば、長さ少なくとも17.8mm(0.70インチ)、またはさらに長さ少なくとも19.1mm(0.75インチ)である。さらなる例において、フィルム層102に刻まれた星形103のラインは、長さ76.2mm(3インチ)以下である。さらなる例において、フィルム層102に刻まれた星形103のラインは、長さ50.8mm(2インチ)以下、例えば、長さ40.6mm(1.6インチ)以下、またはさらに長さ35.6mm(1.4インチ)以下である。さらなる例において、フィルム層102に刻まれた星形103のラインの長さは、フォームシート300の孔302の内径の少なくとも87%である。さらなる例において、フィルム層102に刻まれた星形103のラインの長さは、フォームシート300の孔302の内径の少なくとも90%、例えば、少なくとも95%またはさらに少なくとも97%である。
【0029】
図2に示すとおり、例示のシール本体200は、フォームリングとフィルムディスクを含む。一例において、フォームシートは、0.508mm〜3.18mm(0.020インチ〜0.125インチ)の厚さを有することができる。さらなる例において、フォームシートは、12.7mm〜127mm(0.5インチ〜5インチ)の直径のセンター孔を含むことができる。層を介在させずにフォームシートに取り付けられるものはフィルムディスクとすることができる。一例において、フィルムディスクは、0.203mm〜1.60mm(0.008インチ〜0.063インチ)の厚さを有することができる。さらなる例において、フィルムディスクは、星形に刻むことができ、星形は、少なくとも4個の点、またはさらに少なくとも8個の点を含む。シール本体は、20.3mm〜178mm(0.8インチ〜7インチ)の外径を有することができる。一例において、シールは、33.0mm〜157mm(1.3インチ〜6.2インチ)、例えば、40.6mm〜135mm(1.6インチ〜5.3インチ)の外径を含む。
【0030】
一例において、シールは、少なくとも219N/m(1.25 lb/in)の剥離強度を有する。さらなる例において、シールは、少なくとも263N/m(1.5 lb/in)、例えば、少なくとも350N/m(2 lb/in)、少なくとも438N/m(2.5 lb/in)、またはさらに少なくとも525N/m(3 lb/in)の剥離強度を有する。
【0031】
容器は、開口部を有する器を含むことができる。かかる器は、前記器において開口部をカバーするシールを含むことができる。かかる状況において、シールは、フィルム層を覆うセンターに開口部を備えたフォームシートを含み、フィルム層は、その中に刻まれた星形を含む。
【0032】
第1の実施形態において、シールは、第1および第2の主面を有し、外側輪郭と開口部を画定する内側輪郭とを有するフォームシートを含む。フォームシートは、熱可塑性ポリマーを含む。シールはまた、層を介在することなく、フォームシートの第1の主面と直接接触するフィルム層を含む。フィルム層は、内側輪郭を超えて、内側に延在しており、フィルム層は、フルオロポリマーを含む。第1の実施形態の例において、フォームシートは、熱可塑性ポリマーを含む。さらなる例において、熱可塑性ポリマーは、ポリエチレンを含む。第1の実施形態の他の例において、フィルム層は、フルオロポリマーを含む。他の例において、フィルム層は、パーフルオロポリマーを含む。さらなる例において、パーフルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンを含む。
【0033】
第1の実施形態の例において、フォームシートは、0.508mm〜3.18mm(0.020インチ〜0.125インチ)の範囲の厚さを有する。他の例において、フォームシートは、1.27mm〜2.41mm(0.050インチ〜0.095インチ)の範囲の厚さを有する。さらなる例において、フォームシートは、1.52mm〜2.29mm(0.060インチ〜0.090インチ)の範囲の厚さを有する。第1の実施形態の他の例において、フォームシートは、0.42g/cm〜0.54g/cm(26 lb/ft〜34 lb/ftの範囲の密度を有する。他の例において、フォームシートは、0.45g/cm〜0.51g/cm(28 lb/ft〜32 lb/ftの範囲の密度を有する。さらなる例において、フォームシートは、0.46g/cm〜0.50g/cm(29 lb/ft〜31 lb/ftの範囲の密度を有する。
【0034】
第1の実施形態の例において、フィルム層は、0.203mm〜1.60mm(0.008インチ〜0.063インチ)の範囲の厚さを有する。他の例において、フィルム層は、0.229mm〜0.584mm(0.009インチ〜0.023インチ)の範囲の厚さを有する。さらなる例において、フィルム層は、0.241mm〜0.584mm(0.0095インチ〜0.023インチ)の範囲の厚さを有する。
【0035】
第1の実施形態の例において、フィルム層は、2.10g/cm〜2.22g/cmの範囲の密度を有する。他の例において、フィルム層は、2.13g/cm〜2.19g/cmの範囲の密度を有する。さらなる例において、フィルム層は、2.15g/cm〜2.17g/cmの範囲の密度を有する。
【0036】
第1の実施形態の例において、フィルム層は、少なくとも26.20MPa(3800psi)の引張強度を有する。他の例において、フィルム層は、少なくとも26.89MPa(3900psi)の引張強度を有する。さらなる例において、フィルム層は、少なくとも27.58MPa(4000psi)の引張強度を有する。さらに他の例において、フィルム層は、最大で28.96MPa(4200psi)の引張強度を有する。
【0037】
第1の実施形態の例において、フィルム層は、少なくとも200%の破断点伸びを有する。他の例において、フィルム層は、少なくとも250%の破断点伸びを有する。さらなる例において、フィルム層は、少なくとも280%の破断点伸びを有する。さらなる例において、フィルム層は、最大で300%の破断点伸びを有する。
【0038】
第1の実施形態の例において、フィルム層は、少なくとも50のショアD硬度を有する。他の例において、フィルム層は、少なくとも54のショアD硬度を有する。他の例において、フィルム層は、少なくとも56のショアD硬度を有する。さらなる例において、フィルム層は、最大で60のショアD硬度を有する。
【0039】
第1の実施形態の例において、シールは、20.3mm〜178mm(0.8インチ〜7インチ)の範囲の外径を有する。第1の実施形態の他の例において、シールは、33.0mm〜157mm(1.3インチ〜6.2インチ)の範囲の外径を有する。第1の実施形態のさらなる例において、シールは、40.6mm〜135mm(1.6インチ〜5.3インチ)の範囲の外径を有する。第1の実施形態の例において、シールは、12.7mm〜127mm(0.5インチ〜5インチ)の範囲の直径を備えた内側開口部を有する。第1の実施形態の他の例において、シールは、19.1mm〜76.2mm(0.75インチ〜3インチ)の範囲の直径を備えた内側開口部を有する。第1の実施形態のさらなる例において、シールは、24.1mm〜58.4mm(0.95インチ〜2.3インチ)の範囲の直径を備えた内側開口部を有する。
【0040】
第1の実施形態の例において、フィルム層は、厚さ方向に部分的に刻まれる。他の例において、フィルム層は、12.7μm〜50.8μm(0.5ミル〜2.0ミル)の範囲の深さで厚さ方向に刻まれる。他の例において、フィルム層は、17.8μm〜45.7μm(0.7ミル〜1.8ミル)の深さで厚さ方向に刻まれる。他の例において、フィルム層は、21.6μm〜38.1μm(0.85ミル〜1.5ミル)の深さで厚さ方向に刻まれる。さらなる例において、フィルム層は、25.4μm〜33.0μm(1.0ミル〜1.3ミル)の深さで厚さ方向に刻まれる。
【0041】
他の例において、フィルム層は、星形に厚さ方向に部分的に刻まれる。他の例において、星形は、少なくとも4個の点を含む。さらなる例において、星形は、少なくとも8個の点を含む。さらなる例において、フィルム層は、星形に厚さ方向に分割され、星形の近接するライン間の角度は、少なくとも約1°である。他の例において、星形の近接するライン間の角度は、少なくとも約15°である。他の例において、星形の近接するライン間の角度は、少なくとも約30°である。さらなる例において、星形の近接するライン間の角度は、少なくとも約45°である。他の例において、星形の近接するライン間の角度は、最大で約90°である。さらなる例において、星形の近接するライン間の角度は、最大で約60°である。
【0042】
第1の実施形態の例において、フィルム層は、星形に厚さ方向に刻まれており、星形のラインは、少なくとも約7.6mm(0.3インチ)の長さである。第1の実施形態の例において、星形のラインは、少なくとも約12.7mm(0.5インチ)の長さである。さらなる例において、星形のラインは、少なくとも約17.8mm(0.7インチ)の長さである。
【0043】
第1の実施形態の例において、星形のラインは、最大で約76.2mm(3インチ)の長さである。他の例において、星形のラインは、最大で約50.8mm(2インチ)の長さである。他の例において、星形のラインは、最大で約40.6mm(1.6インチ)の長さである。さらなる例において、星形のラインは、最大で約35.6mm(1.4インチ)の長さである。
【0044】
第1の実施形態の例において、シールは、ある直径を有する内側開口部を含み、星形のラインの長さは、その直径の少なくとも約65%である。他の例において、星形のラインの長さは、その直径の少なくとも約87%である。さらに他の例において、星形のラインの長さは、その直径の少なくとも約90%である。さらなる例において、星形のラインの長さは、その直径の少なくとも約95%である。
【0045】
第1の実施形態の例において、シールは、少なくとも263N/m(1.5 lb/in)の剥離強度を有する。第1の実施形態の他の例において、シールは、少なくとも350N/m(2 lb/in)の剥離強度を有する。第1の実施形態の他の例において、シールは、少なくとも438N/m(2.5 lb/in)の剥離強度を有する。さらなる例において、シールは、少なくとも525N/m(3 lb/in)の剥離強度を有する。
【0046】
第2の実施形態において、シールを製造する方法は、水平配置で、熱可塑性ポリマーを含み、プレフォーム開口部を有するフォームシートを分配する工程と、水平配置で、フォームシートに近接するフルオロポリマーフィルムを分配する工程と、フォームシートとフルオロポリマーフィルムとの間に位置する直火で、フォームシートおよびフルオロポリマーフィルムを加熱する工程と、フォームシートをフルオロポリマーフィルムにプレスして、フォームシートとフルオロポリマーフィルムとの間に層を介在することなく構造を形成する工程と、構造を冷却する工程と、構造から、シール本体を切断する工程とを含む。シール本体は、フォームシートおよびフルオロポリマーフィルム層、フォームシートの内側輪郭を画定するプレフォーム開口部と外側輪郭とを含む。フルオロポリマー層は、内側輪郭を超えて外側輪郭から内側に延在している。
【0047】
第2の実施形態の例において、フォームシートの表面から50.8mm(2インチ)で、直火は少なくとも537.8°C(1000°F)の温度を有する。第2の実施形態の他の例において、フォームシートの表面から50.8mm(2インチ)で、直火は少なくとも593.3°C(1100°F)の温度を有する。他の例において、表面から50.8mm(2インチ)で、直火は少なくとも648.9°C(1200°F)の温度を有する。さらなる例において、表面から50.8mm(2インチ)で、直火は最大で704.4°C(1300°F)の温度を有する。第2の実施形態の例において、フォームシートの表面で、直火は少なくとも260°C(500°F)の温度を有する。他の例において、フォームシートの表面で、直火は少なくとも288°C(550°F)の温度を有する。さらなる例において、フォームシートの表面で、直火は少なくとも316°C(600°F)の温度を有する。
【0048】
第2の実施形態の例において、方法は、フルオロポリマー層を刻む工程を含む。他の例において、フルオロポリマー層は、星形に刻まれる。別の例において、星形は、少なくとも4個の点を含む。さらなる例において、星形は、少なくとも8個の点を含む。
【0049】
第2の実施形態の他の例において、フルオロポリマー層を刻む工程は、12.7μm〜50.8μm(0.5ミル〜2.0ミル)の範囲の深さで厚さ方向に刻むことを含む。他の例において、フルオロポリマー層を刻む工程は、少なくとも17.8μm〜45.7μm(0.7ミル〜1.8ミル)以下の深さで厚さ方向に刻むことを含む。他の例において、フルオロポリマー層は、少なくとも21.6μm〜38.1μm(0.85ミル〜1.5ミル)以下の深さで厚さ方向に刻まれる。さらなる例において、フルオロポリマー層は、少なくとも25.4μm〜33.0μm(1.0ミル〜1.3ミル)以下の深さで厚さ方向に刻まれる。
【0050】
第3の実施形態において、容器は、開口部を有する器と、器の開口部をカバーするシールとを含み、シールは、第1および第2の主面を有し、外側輪郭と内側輪郭とを有するフォームシートを含む。内側輪郭は、開口部を画定している。フォームシートは、熱可塑性ポリマーと、層を介在することなくフォームシートの第1の主面と直接接触するフィルム層とを含む。フィルム層は、内側輪郭を超えて内側に延在し、フィルム層はフルオロポリマーを含む。
【0051】
概要または実施例に上述した活動の全てが必要ではなく、特定の活動の一部は必要ない場合もあり、1つ以上のさらなる活動を、記載されたことに加えて行ってもよいことに留意されたい。さらに、活動を挙げた順番は、必ずしもそれらを行う順番ではない。
【0052】
上記の明細書において、概念を、特定の実施形態を参照して記載してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の請求項に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が行えることは理解される。従って、明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示とみなすべきであり、かかる修正形態は全て本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0053】
本明細書で用いる「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「持つ」、「持っている」または何らかのその他変形の用語は、非排他的な包括を規定するものである。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの特徴に必ずしも限定されず、明示的にリストされていない、またはかかるプロセス、方法、物品または装置に固有の他の特徴も含まれてよい。さらに、明示的にそれには反するとした場合を除き、「または」は、包括的またはであり、排他的またはでない。例えば、条件AまたはBを満足するものは以下のうちのいずれかである、すなわち、Aが真(または存在する)でBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)でBが真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)。
【0054】
単数形(「a」または「an」)の使用は、本明細書に記載された要素および構成要素を記載するために使用される。これは、単に便宜上のために、かつ本発明の一般的な意味を与えるために使用される。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含めるように読まれるべきであり、他の意味であることが明白でない限り、単数には複数も含まれる。
【0055】
利点、他の有利な点および問題の解決策が特定の実施形態に関して記載されてきた。しかしながら、利点、他の有利な点、問題の解決策およびいかなる利点、有利な点および解決策を生じる、あるいはより明白とするいずれの特徴も、請求項のいずれかまたは全ての必須の、必要な、または不可欠な特徴と解釈されないものとする。
【0056】
明細書を読めば、当業者であれば、特定の特徴は、明確にするために、別個の実施形態の文脈で記載されており、単一の実施形態の組み合わせで提供されてもよいことが分かるであろう。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載された様々な特徴はまた、別個に、または任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲で記載された値の参照には、その範囲内のあらゆる値が含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5