(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔第1の実施形態〕
  本発明の第1の実施形態による電磁調理器について
図1から
図5を用いて説明する。
図1は、本実施形態による電磁調理器1の外観斜視図である。
図2は、電磁調理器1の底面図である。
  
図1及び
図2に示すように、電磁調理器1は、食卓などの上に置いて使用する卓上型の電磁調理器である。電磁調理器1は、長方形薄板状の外観形状を有している。電磁調理器1は、薄型の電磁調理器である。電磁調理器1は、高出力(例えば1400W)の電磁調理器である。
 
【0028】
  図1に示すように、電磁調理器1は、箱状の本体部3と、本体部3の開口(不図示)を塞ぐように本体部3上に配置されたトッププレート5とを有している。トッププレート5は薄板形状を有し、結晶化ガラス等で構成されている。電磁調理器1の正面側のトッププレート5上には、電磁調理器1に電源投入するための電源スイッチや温度調整スイッチなどの電磁調理器1の使用者が操作する操作パネル5bが設けられている。なお、操作パネル5bは、本体部3の側面に設けられていてもよい。操作パネル5bを除くトッププレート5のほぼ全面には、円形状の鍋底配置部5aが設けられている。本体部3の内部であって鍋底配置部5aの下方には、後述する加熱コイル27が設けられている。電磁調理器1は、トッププレート5上に鍋底配置部5aを設けることにより、加熱コイル27で発生する磁界を最も効率よく鍋底に印加できる場所を使用者に示唆するようになっている。また、背面側には、電源コード7が接続されている。本体部3は、40mmの厚さを有している。
 
【0029】
  図2に示すように、本体部3の底部3aの外表面の角部には、脚部3bがそれぞれ設けられている。脚部3bは、底部3aの外表面から突出して形成されている。脚部3bは、底部3a側から先端側に向かって細くなる円錐台形状を有している。電磁調理器1は、脚部3bを有することにより、底部3aと電磁調理器1を置く食卓の天板とが直接接触するのを防止するようになっている。
 
【0030】
  電磁調理器1は、本体部3の底部3aの外表面の中央よりも正面側に形成された第1の吸気口9と、第1の吸気口9と並んで底部3aに形成された第2の吸気口11と有している。第1の吸気口9と第2の吸気口11とは同じ形状を有している。
  ここで、第1及び第2の吸気口9,11の構造について、第1の吸気口9を例にとって説明する。第1の吸気口9は、平皿状(シャーレ状)の形状を有し、底部3aから下方に向かって突出して形成されている。第1の吸気口9は、同心円状に形成された複数の同心円部9aと、最も内側に配置された同心円部9aから第1の吸気口9の外周側に向かって放射状に延びる複数の放射状部9bとを有している。複数の同心円部9aは、互いに所定の間隙を設けて配置され、複数の放射状部9bは、互いに所定の間隙を設けて配置されている。このため、隣り合う同心円部9aと、隣り合う放射状部9bとで囲まれた領域は、本体部3の内部空間と電磁調理器1が配置された外部の空間とを連通する連通口となる。また、最も内側に配置された同心円部9aに囲まれた空間も同様に連通口となる。外周囲の空気は、第1の吸気口9に形成されたこの連通口を通って本体部3の内部空間に吸気される。また、第1の吸気口9は、複数の放射状部9bのうちの3個の放射状部9bにそれぞれ設けられた薄板脚部9cを有している。薄板脚部9cは、同心円部9a及び放射状部9bの高さよりも高く形成されている。薄板脚部9cは、脚部3bとほぼ同じ高さに形成されている。薄板脚部9cと同心円部9a及び放射状部9bとの高さを異ならせることにより、後述する第1の送風機17の稼働中に第1の吸気口9の表面に紙などの異物が張り付くのを防止するようになっている。
 
【0031】
  本体部3の背面側には、第1及び第2の吸気口9,11から吸気され、本体部3の内部を通過した空気を外部に排気する排気口13が形成されている。排気口13は、長方形状の開口が複数並んで形成されたスリット状を有している。排気口13は、本体部3の背面側側面と、背面側側面近傍の左側側面及び右側側面とにそれぞれ形成されている。なお、「左側側面」は正面側から見て左側に位置する側面であり、「右側側面」は正面側から見て右側に位置する側面である。
  また、電磁調理器1の背面側側面の右寄りであって排気口13の右隣には、電源コード7を差し込むコード差込口15が設けられている。コード差込口15は、マグネット式の差し込み口である。
 
【0032】
  次に、電磁調理器1の内部構造について
図3から
図5を用いて説明する。
図3は、トッププレート5を取り外して見た電磁調理器1の内部構造を示す斜視図である。
図4は、加熱コイル27を取り外して見た電磁調理器1の内部構造を示す斜視図である。
図5は、電源回路部37を取り外して見た電磁調理器1の内部構造を示す斜視図である。
  
図3に示すように、電磁調理器1は、箱状の本体部3の内部に設けられた加熱コイル27と、本体部3の内部に設けられ、電力制御用半導体素子(不図示)から発生した熱を放熱する放熱部25と、底部3aと直交する回転軸17aを備えて第1の吸気口9の上方に配置された第1の送風機17と、底部3aと直交する回転軸19aを備えて第2の吸気口11の上方に配置された第2の送風機19とを有している。電源制御用半導体素子は、使用者の操作パネル5bの操作に基づいて、加熱コイル27への電流供給の開始や停止を制御したり、加熱コイル27に流す高周波電流の電流値を制御したりする素子である。加熱コイル27、第1の送風機17及び第2の送風機19は、平面視で互いに重ならないように配置されている。第1及び第2の吸気口9,11は、加熱コイル27の周囲に形成されている。
 
【0033】
  本体部3の正面側には、制御回路部35が配置されている。制御回路部35は、使用者による操作パネル5b(
図1参照)が操作されたことに基づいて、電源投入や温度調節などを制御するようになっている。
 
【0034】
  加熱コイル27は、底部3aのほぼ中央に配置されている。加熱コイル27は、第1の吸気口9と排気口13とを連通し、第1の送風機17が送風する空気が流通する第1の流通部39に配置されている。加熱コイル27は、高周波電流が流れる導線部(不図示)と、導線部を巻き回して固定する導線固定部27aとを有している。導線固定部27aは、中心に配置された円環状の中央部27a−1と、中央部27a−1の周りに同心状に配置された外周部27a−2と、中央部27a−1から外周部27a−2の間に放射状に張り渡して配置され、導線を配線する複数の溝部が形成された複数(本例では8つ)の配線部27a−3とを有している。
 
【0035】
  加熱コイル27の左側には、放熱部25が配置されている。放熱部25は、第2の吸気口11と排気口13とを連通し、第2の送風機19が送風する空気が流通する第2の流通部41に配置されている。放熱部25は、第2の送風機19が送風する空気が流通する方向に延伸する複数のフィン25aを備えたヒートシンクを有している。放熱部25は、電力制御用半導体素子と熱的に接続されており、電力制御用半導体素子から発生し熱伝導により伝導した熱をフィン25aから放熱するようになっている。
 
【0036】
  第1の送風機17及び第2の送風機19は、加熱コイル27よりも正面側に配置されている。第1の送風機17は右寄りに配置され、第2の送風機19は左寄りに配置されている。第1及び第2の送風機17,19は、同期して回転するように制御される。第1及び第2の送風機17,19の回転数は、同一となるように制御される。これにより、第1の送風機17と第2の送風機19とが回転することによってうなりが生じるのを防止することができる。第1及び第2の送風機17,19は、遠心送風機である。このため、第1の吸気口9の直上に配置された第1の送風機17は、第1の吸気口9を介して本体部3の内部に吸気した空気を底部3aの広がる方向に送風することができる。同様に、第2の吸気口11の直上に配置された第2の送風機19は、第2の吸気口11を介して本体部3の内部に吸気した空気を底部3aの広がる方向に送風することができる。
 
【0037】
  電磁調理器1は、加熱コイル27側を開口して第1の送風機17の周囲に配置され、第1の送風機17が送風する空気を加熱コイル27に誘導する第1の風路29を形成する第1の風路壁21を有している。第1の風路壁21は、第1の送風機17の外周形状に沿うように配置されている。第1の風路29は、第1の流通部39の上流側を構成している。第1の送風機17は、第1の吸気口9を介して本体部3の内部に吸気した空気を第1の送風機17により、回転軸17a方向から吸い込み遠心方向に送風する。このため、第1の送風機17は、加熱コイル27が配置されていない方向にも送風してしまい、加熱コイル27の冷却効率が低くなってしまう。そこで、本実施形態では、第1の送風機17の周囲に加熱コイル27側を開口した第1の風路壁21を設け、加熱コイル27が配置されていない方向に向かう空気を塞き止めるとともに、開口側に導くようになっている。このように、第1の風路壁21は、第1の送風機17の回転軸17a方向から吸い込み遠心方向に送風される空気のほとんど全てを第1の風路29に導くことができる。第1の風路壁21の一端は、第1の送風機17の周囲から加熱コイル27の周囲に沿って第2の風路壁23まで延びて形成されている。また、第1の風路壁21の他端は、第1の風路壁21の一端とは反対方向に延びて加熱コイル27の周囲に沿って電源回路部37の近傍まで形成されている。これにより、電磁調理器1は、第1の送風機17から送風されるほとんど全ての空気を第1の風路29に導くとともに、加熱コイル27上に放出することができる。
 
【0038】
  第1の送風機17の送風によって第1の吸気口9から排気口13に向かう風の流れが第1の流通部39に形成されている。このため、第1の風路29から加熱コイル27上に進入する空気は、加熱コイル27上を通過する際に加熱コイル27の発熱によって温められた第1の流通部39内の空気を冷やすとともに、第1の流通部29から熱を奪った状態で排気口13から本体部3の外部に排気される。これにより、第1の流通部39内の温度が低下する。
 
【0039】
  電磁調理器1は、放熱部25側を開口して第2の送風機19の周囲に配置され、第2の送風機19が送風する空気を放熱部25に誘導する第2の風路31を形成する第2の風路壁23を有している。第2の風路壁23は、第2の送風機19の外周形状に沿うように配置されている。第2の風路31は、第2の流通部41の上流側を構成している。第2の送風機19は、第2の吸気口11を介して本体部3の内部に吸気した空気を回転軸19aを中心として360°の方向に送風する。このため、第2の送風機19は、放熱部25が配置されていない方向にも送風してしまい、放熱部25における熱変換効率が低くなってしまう。そこで、本実施形態では、第2の送風機19の周囲に放熱部25側を開口した第2の風路壁23を設け、放熱部25が配置されていない方向に向かう空気を塞き止めるとともに、開口側に導くようになっている。このように、第2の風路壁23は、回転軸19aを中心として360°の方向に第2の送風機19から送風される空気のほとんど全てを第2の風路31に導くことができる。第2の風路壁23の両端部は、放熱部25の端部近傍まで延びて形成されている。これにより、電磁調理器1は、第2の送風機19から送風されるほとんど全ての空気を第2の風路31に導くとともに、放熱部25上に放出することができる。
 
【0040】
  第2の送風機19の送風によって第2の吸気口11から排気口13に向かう風の流れが第2の流通部41に形成されている。さらに、複数のフィン25aは、第2の送風機19が送風する空気が流通する方向に延伸して形成されているので、放熱部25はこの空気の流れを妨げない上に複数のフィン25aの間に第2の送風機19から送風された空気を流通させることができる。このため、第2の風路31から放熱部25上に進入する空気は、電力制御用半導体素子から伝導した熱によって温められた放熱部25上、すなわち複数のフィン25a間を通過する際に放熱部25を冷やす。さらに、第2の風路31から放熱部25上に進入する空気は、放熱部25から熱を奪った状態で複数のフィン25a間で滞留せずに速やかに排気口13から本体部3の外部に排気される。これにより、第2の流通部41内の温度は効率よく低下する。
 
【0041】
  図4に示すように、電源回路部37には、電源コード7及びコード差込口15を介して供給された商用電源から加熱コイル27の導線部に流す高周波電流やその他の所定の電源電圧を生成する回路部品群37aを排気口13近傍に有している。回路部品群37aの発熱により回路部品群37a近傍の温度は上昇するものの、回路部品群37aは排気口13近傍に配置されているため、第1及び第2の流通部39,41を通過した空気とともに回路部品群37a近傍の空気も排気口13から排気される。これにより、電磁調理器1は、電源回路部37の発熱による本体部3の内部の温度上昇を防止できる。
  このように、電磁調理器1は、加熱コイル27を配置する本体部3の内部空間が狭くても、加熱コイル27での発熱による本体部3の内部空間の温度上昇を防止できる。
 
【0042】
  このように、電磁調理器1は、第1の吸気口9から排気口13に向かう気流を第1の送風機17によって発生させて本体部3の内部に形成された第1の流通部39に流通させることができる。また、電磁調理器1は、第2の吸気口11から排気口13に向かう気流を第2の送風機19によって発生させて本体部3の内部に形成された第2の流通部41に流通させることができる。これにより、加熱コイル27で発生した熱は、第1の流通部39を流通する気流により排気口13から本体部3の外部に直接排気されるとともに、第2の流通部41を流通する気流により放熱部25を介して排気口13から本体部3の外部に間接的に排気される。さらに、電源回路部37で発生する熱も第1及び第2の流通部39,41を流通する気流により本体部3の外部に排気される。これにより、電磁調理器1は、加熱コイル27で発生した熱を本体部3の外部に効率よく排気して本体部3内部の温度上昇を防止できる。
 
【0043】
  図4から
図5に示すように、電磁調理器1は、底部3aから本体部3の内部に向かって突出して形成され、排気口13から本体部3の内部への異物の進入を防止する異物進入防止部33を有している。異物進入防止部33は、排気口13と電源回路部37との間に配置されている。異物進入防止部33は、電源回路部37の回路部品群37aの高さよりも高くなるように形成されている。異物進入防止部33は、排気口13から進入する異物が本体部3の内部に進入するのを防止するようになっている。異物には、例えばナイフやフォークなどの金属物や水などの水分などが含まれる。
 
【0044】
  図4及び
図5に示すように、異物進入防止部33は、電源回路部37の回路部品群37aを実装する実装面よりも高い上側領域33aと、この実装面よりも低い下側領域33bとを有している。上側領域33aと下側領域33bとは、例えば一体的に形成されている。上側領域33aは、回路部品群37aの前面に配置されているので、電磁調理器1の使用中に排気口13から進入した例えば金属製の異物が回路部品群37aに接触して電源回路部37が短絡故障するのを防止できる。一方、下側領域33bは、電源回路部37の実装面よりも低い場所に位置している。このため、下側領域33bは、排気口13から浸入した例えば水などの異物が本体部3の内部に浸入するのを防止できる。
 
【0045】
  また、異物進入防止部33は、第1及び第2の流通部39,41を流通した空気が排気口13側に通過する通過部33cを有している。通過部33cは、異物進入防止部33の上側領域33aの少なくとも一部を切り欠いて形成されている。異物進入防止部33は、通過部33cを有しているので、本体部3の内部の空気を排気口13を介して外部に排気するのを妨げないようになっている。本実施形態では、異物進入防止部33は複数設けられている。また、複数の異物進入防止部33のそれぞれの形状は同一である必要はない。異物進入防止部33は、例えばコード差込口15の左隣に設けられた異物進入防止部33のように、下側領域33bのみを有していてもよい。
 
【0046】
〔第2の実施形態〕
  本発明の第2の実施形態による電磁調理器について
図6から
図11を用いて説明する。
図6は、本実施形態による電磁調理器101の外観斜視図である。
図7は、電磁調理器101の底面図である。
図8は、電磁調理器101の左側面図である。
図9は、電磁調理器101の右側面図である。
図10は、電磁調理器101の背面図である。なお、「左側面」は正面側から見て左側に位置する側面であり、「右側面」は正面側から見て右側に位置する側面である。
  
図6から
図10に示すように、電磁調理器101は、食卓などの上に置いて使用する卓上型の電磁調理器である。電磁調理器101は、長方形薄板状の外観形状を有している。電磁調理器101は、薄型の電磁調理器である。電磁調理器101は、上記第1の実施形態による電磁調理器1よりも低出力(例えば1000W)の電磁調理器である。
 
【0047】
  図6に示すように、電磁調理器101は、箱状の本体部103と、本体部103の開口(不図示)を塞ぐように本体部103上に配置されたトッププレート105とを有している。トッププレート105は薄板形状を有し、結晶化ガラス等で構成されている。電磁調理器101の正面側のトッププレート105上には、電磁調理器101に電源投入するための電源スイッチや温度調整スイッチなどの電磁調理器101の使用者が操作する操作パネル105bが設けられている。操作パネル105bを除くトッププレート105のほぼ全面には、円形状の鍋底配置部105aが設けられている。本体部103の内部であって鍋底配置部105aの下方には、後述する加熱コイル127が設けられている。電磁調理器101は、トッププレート105上に鍋底配置部105aを設けることにより、加熱コイル127で発生する磁界を最も効率よく鍋底に印加できる場所を使用者に示唆するようになっている。
 
【0048】
  図7に示すように、本体部103の底部103aの外表面の角部には、脚部103bがそれぞれ設けられている。脚部103bは、底部103aの外表面から突出して形成されている。脚部103bは、底部103a側から先端側に向かって細くなる円錐台形状を有している。電磁調理器101は、脚部103bを有することにより、底部103aと電磁調理器101を置く食卓の天板とが直接接触するのを防止するようになっている。
 
【0049】
  電磁調理器101は、本体部103の底部103aの外表面の中央よりも正面側の左寄りに形成された吸気口109を有している。吸気口109は、上記第1の実施形態における第1の吸気口9と同様の構成を有している。吸気口109は、平皿状(シャーレ状)の形状を有し、底部103aから下方に向かって突出して形成されている。吸気口109は、第1の吸気口9の複数の同心円部9aと同様の構成を備えた複数の同心円部109aと、複数の放射状部9bと同様の構成を備えた複数の放射状部109bと、3個の薄板脚部9cと同様の構成を備えた3個の薄板脚部109cとを有している。隣り合う同心円部109aと、隣り合う放射状部109bとで囲まれた領域と、最も内側に配置された同心円部109aに囲まれた空間とは、本体部103の内部空間と電磁調理器101が配置された外部の空間とを連通する連通口となる。外部の空気は、吸気口109に形成されたこの連通口を通って本体部103の内部空間に吸気される。また、薄板脚部109cと同心円部109a及び放射状部109bとの高さを異ならせることにより、後述する送風機117の稼働中に吸気口109の表面に紙などの異物が張り付くのを防止するようになっている。
 
【0050】
  図8及び
図9に示すように、本体部103は、吸気口109が形成された正面側の領域の方が吸気口109が形成されていない背面側の領域よりも薄く形成されている。これにより、吸気口109と、電磁調理器101が置かれる食卓の天板との間隔が長くなるので、電磁調理器101は、外部の空気を本体部103の内部に吸気しやすくなる。
 
【0051】
  図10に示すように、本体部3の背面側には、吸気口109から吸気され、本体部103の内部を通過した空気を外部に排気する排気口113が形成されている。排気口113は、長方形状の開口が複数並んで形成されたスリット状を有している。排気口113は、本体部103の背面側側面及び左側面の背面側近傍(
図8参照)に形成されている。
  また、電磁調理器101の背面側側面の右寄りであって排気口113の右隣には、電源コード107を差し込むコード差込口115が設けられている。コード差込口115は、マグネット式の差し込み口である。
 
【0052】
  次に、電磁調理器101の内部構造について
図11を用いて説明する。
図11は、トッププレート105を取り外して見た電磁調理器101の内部構造を示す斜視図である。
  
図11に示すように、電磁調理器101は、箱状の本体部103の内部に設けられた加熱コイル127と、本体部103の内部に設けられ、電力制御用半導体素子(不図示)から発生した熱を放熱する放熱部125と、底部103aと直交する回転軸117aを備えて吸気口109の上方に配置された送風機117とを有している。電源制御用半導体素子は、使用者の操作パネル105bの操作に基づいて、加熱コイル127への電流供給の開始や停止を制御したり、加熱コイル127に流す高周波電流の電流値を制御したりする素子である。加熱コイル127及び送風機117は、平面視で互いに重ならないように配置されている。吸気口109は、加熱コイル127の周囲に形成されている。
 
【0053】
  本体部103の正面側には、制御回路部135が配置されている。制御回路部135は、使用者による操作パネル105b(
図6参照)が操作されたことに基づいて、電源投入や温度調節などを制御するようになっている。なお、操作パネル105bは、本体部103の側面に設けられていてもよい。本体部103は、40mmの厚さを有している。
 
【0054】
  加熱コイル127は、底部103aのほぼ中央に配置されている。加熱コイル127は、吸気口109と排気口113とを連通し、送風機117が送風する空気が流通する流通部139に配置されている。加熱コイル127は、高周波電流が流れる導線部(不図示)と、導線部を巻き回して固定する導線固定部127aとを有している。導線固定部127aは、中心に配置された円環状の中央部127a−1と、中央部127a−1の周りに同心状に配置された外周部127a−2と、中央部127a−1から外周部127a−2の間に放射状に張り渡して配置され、導線を配線する複数の溝部が形成された複数(本例では8つ)の配線部127a−3とを有している。加熱コイル127は、上記第1の実施形態における加熱コイル27と同様の構造を有しているが、加熱コイル27に配線された導線よりも定格電流の低い導線が用いられている。
 
【0055】
  加熱コイル127の左側には、放熱部125が配置されている。放熱部125は、加熱コイル127と同様に、流通部139に配置されている。放熱部125は、送風機117が送風する空気が流通する方向に延伸する複数のフィン125aを備えたヒートシンクを有している。放熱部125は、電力制御用半導体素子と熱的に接続されており、電力制御用半導体素子から発生し熱伝導により伝導した熱を複数のフィン125aから放熱するようになっている。
 
【0056】
  送風機117は、加熱コイル127よりも正面側左寄りに配置されている。送風機117は、遠心送風機である。このため、吸気口109の直上に配置された送風機117は、吸気口109を介して本体部103の内部に吸気した空気を底部103aの広がる方向に送風することができる。
 
【0057】
  電磁調理器101は、放熱部125及び加熱コイル127側を開口して送風機117の周囲に配置され、送風機117が送風する空気を放熱部125及び加熱コイル127に誘導する風路129を形成する風路壁121を有している。風路壁121は、送風機117の外周形状に沿うように配置されている。風路129は、流通部139の上流側を構成している。送風機117は、吸気口109を介して本体部103の内部に吸気した空気を送風機117により、回転軸117a方向から吸い込み遠心方向に送風する。このため、送風機117は、放熱部125や加熱コイル127が配置されていない方向にも送風してしまい、放熱部125及び加熱コイル127の冷却効率が低くなってしまう。そこで、本実施形態では、送風機117の周囲に放熱部125及び加熱コイル127側を開口した風路壁121を設け、放熱部125や加熱コイル127が配置されていない方向に向かう空気を塞き止めるとともに、開口側に導くようになっている。このように、風路壁121は、回転軸117aを中心として360°の方向に送風機117から送風される空気のほとんど全てを風路129に導くことができる。風路壁121の一端は、送風機117の周囲から本体部103の左側側面の内側まで延びて形成されている。また、風路壁121の他端は、風路壁121の一端とは反対方向に延びて正面側に位置する加熱コイル127の周囲に沿って形成されている。これにより、電磁調理器101は、送風機117から送風されるほとんど全ての空気を風路129に導くとともに、放熱部125上及び加熱コイル127上に放出することができる。
 
【0058】
  送風機117の送風によって吸気口109から排気口113に向かう風の流れが流通部139に形成されている。このため、風路129から加熱コイル127上に進入する空気は、加熱コイル127上を通過する際に加熱コイル127の発熱によって温められた流通部139内の空気を冷やすとともに、流通部139から熱を奪った状態で排気口113から本体部103の外部に排気される。また、フィン125aは、送風機117が送風する空気が流通する方向に延伸して形成されているので、放熱部125はこの空気の流れを妨げない上に複数のフィン125aの間に送風機117から送風された空気を流通させることができる。このため、風路129から放熱部125上に進入する空気は、電力制御用半導体素子から伝導した熱によって温められた放熱部125上、すなわち複数のフィン125a間を通過する際に放熱部125を冷やす。さらに、風路129から放熱部125上に進入する空気は、放熱部125から熱を奪った状態で複数のフィン125a間で滞留せずに速やかに排気口113から本体部103の外部に排気される。これにより、流通部139内の温度は効率よく低下する。
 
【0059】
  図11に示すように、電源回路部137は、電源コード107及びコード差込口115を介して供給された商用電源から加熱コイル127の導線部に流す高周波電流やその他の所定の電源電圧を生成する回路部品群137aを排気口113近傍に有している。回路部品群137aの発熱により電源回路部137の回路部品群137a近傍の温度は上昇するものの、回路部品群137aは排気口113近傍に配置されているため、流通部139を通過した空気とともに回路部品群137a近傍の空気も排気口113から排気される。これにより、電磁調理器101は、電源回路部137の発熱による本体部103の内部の温度上昇を防止できる。
 
【0060】
  このように、電磁調理器101は、吸気口109から排気口113に向かう気流を送風機117によって発生させて本体部103の内部に形成された流通部139に流通させることができる。これにより、加熱コイル127で発生した熱は、流通部139を流通する気流により排気口113から本体部103の外部に直接排気されるとともに、放熱部125を介して排気口113から本体部103の外部に間接的に排気される。さらに、電源回路部137で発生する熱も流通部139を流通する気流により本体部103の外部に排気される。これにより、電磁調理器101は、加熱コイル127で発生した熱を本体部103の外部に効率よく排気して本体部103内部の温度上昇を防止できる。
  このように、電磁調理器101は、加熱コイル127を配置する本体部103の内部空間が狭くても、加熱コイル127での発熱による本体部103の内部空間の温度上昇を防止できる。
 
【0061】
  図11に示すように、電磁調理器101は、底部103aから本体部103の内部に向かって突出して形成され、排気口113から本体部103の内部への異物の進入を防止する異物進入防止部133を有している。異物進入防止部133は、排気口113と電源回路部137との間に配置されている。異物進入防止部133は、電源回路部137の回路部品群137aの高さよりも高くなるように形成されている。異物進入防止部133は、排気口113から進入する異物が本体部103の内部に進入するのを防止するようになっている。異物には、例えばナイフやフォークなどの金属製の異物や水などの水分などが含まれる。
 
【0062】
  異物進入防止部133は、電源回路部137の回路部品群137aを実装する実装面よりも高い上側領域133aと、この実装面よりも低い下側領域133bとを有している。上側領域133aと下側領域133bとは、例えば一体的に形成されている。上側領域133aは、回路部品群137aの前面に配置されているので、電磁調理器101の使用中に排気口113から進入した例えば金属製の異物が回路部品群137aに接触して電源回路部137が短絡故障するのを防止できる。一方、下側領域133bは、電源回路部137の実装面よりも低い場所に位置している。このため、下側領域133bは、排気口113から浸入した例えば水などの異物が本体部103の内部に浸入するのを防止できる。
 
【0063】
  また、異物進入防止部133は、流通部139を流通した空気が排気口113側に通過する通過部133cを有している。通過部133cは、異物進入防止部133の上側領域133aの少なくとも一部を切り欠いて形成されている。異物進入防止部133は、通過部133cを有しているので、本体部103の内部の空気が排気口113を介して外部に排気されるのを妨げないようになっている。本実施形態では、異物進入防止部133は複数設けられている。また、複数の異物進入防止部133のそれぞれの形状は同一である必要はない。図示は省略するが、上記第1の実施形態における異物進入防止部33と同様に、異物進入防止部133は下側領域133bのみを有していてもよい。
 
【0064】
〔第3の実施形態〕
  本発明の第3の実施形態による電磁調理器について
図12から
図14を用いて説明する。
図12は、本実施形態による電磁調理器201の外観斜視図である。
  
図12に示すように、電磁調理器201は、キッチンなどに設けられたキャビネットに組み込まれるビルトイン型の電磁調理器である。電磁調理器201は、トッププレート205が本体部103よりも周囲に張り出した箱型の外観形状を有している。電磁調理器201は、箱状の本体部203と、本体部203の開口(不図示)を塞ぐように本体部203上に配置されたトッププレート205とを有している。トッププレート205は薄板形状を有し、結晶化ガラス等で構成されている。トッププレート205は、本体部203の開口(不図示)よりも一回り大きく形成された枠体205cを有している。電磁調理器201の正面側の枠体205cの外側のトッププレート205上には、電磁調理器201に電源投入するための電源スイッチや温度調整スイッチなどの電磁調理器201の使用者が操作する操作パネル205bが設けられている。枠体205cの内側領域のトッププレート205のほぼ全面には、鍋底配置部205aが設けられている。図示は省略するが、鍋底配置部205aには、鍋などの調理器具を載置する場所を示唆する例えば円形状の目印が1つ又は複数形成されている。本体部203の内部であって鍋底配置部205aの下方には、後述する加熱コイル227が設けられている。
 
【0065】
  次に、電磁調理器201の内部構造について
図13及び
図14を用いて説明する。
図13は、電磁調理器201の断面図である。
図14は、トッププレート205や加熱コイル27などを取り外して見た電磁調理器201の本体部203の内部構造を示す斜視図である。
  
図13及び
図14に示すように、電磁調理器201は、本体部203の正面側右寄りの底部203aに形成された吸気口209を有している。吸気口209は、上記第1の実施形態における第1の吸気口9とほぼ同様の構成を有している。吸気口209は、平皿状(シャーレ状)の形状を有し、底部203aから下方に向かって突出して形成されている。吸気口209は、第1の吸気口9の複数の同心円部9aと同様の構成を備えた複数の同心円部209aと、最も内側の同心円部209aから吸気口209の外周まで放射状に延びる複数の放射状部209bとを有している。隣り合う同心円部209aと、隣り合う放射状部209bとで囲まれた領域は、本体部203の内部空間と電磁調理器201が配置された外部の空間とを連通する連通口となる。外部の空気は、吸気口209に形成されたこの連通口を通って本体部203の内部空間に吸気される。
 
【0066】
  本体部203の背面側には、吸気口209から吸気され、本体部203の内部を通過した空気を外部に排気する排気口213が形成されている。排気口213は、長方形状の開口が複数並んで形成されたスリット状を有している。
  
図13に示すように、電磁調理器201は、底部203aと直交する回転軸(不図示)を備えて吸気口109の上方に配置された送風機217と、送風機217上に設けられた加熱コイル227とを有している。
  加熱コイル227は、底部203aのほぼ中央に配置されている。加熱コイル227は、吸気口209と排気口213とを連通し、送風機217が送風する空気が流通する流通部239に配置されている。加熱コイル227は、高周波電流が流れる導線部(不図示)と、導線部を巻き回して固定する導線固定部227aとを有している。
 
【0067】
  送風機217は、加熱コイル227の下方に配置されている。送風機217は、軸流送風機である。このため、吸気口209の直上に配置された送風機217は、吸気口209を介して本体部203の内部に吸気した空気を加熱コイル227に直接送風することができる。
 
【0068】
  電磁調理器101は、送風機217の周囲に加熱コイル227の下方側を開口して配置され、送風機217が送風する空気を加熱コイル227の下方に誘導する風路壁221を有している。風路壁221は、送風機217の外周形状に沿うように配置されている。風路229の開口部は、流通部239に連通している。送風機217は、吸気口209を介して本体部203の内部に吸気した空気を回転軸の延伸方向に送風する。このため、送風機217から送風された空気は、加熱コイル227に当たって回転軸を中心に360°の方向に流れ、本体部203の内部で滞留してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、加熱コイル227の下方側を開口した風路壁221を送風機217の周囲に設け、加熱コイル227に当たって加熱コイル227の下方側、すなわち排気口213が設けられていない方向に向かう空気を塞き止めるとともに、開口側に導くようになっている。このように、風路壁221は、送風機117から送風される空気のほとんど全てを加熱コイル227の下方側に形成された流通部239に導くことができる。風路壁221の一端は、送風機217の周囲から本体部203の左側側面の内側まで延びて形成されている。また、風路壁221の他端は、吸気口209の周囲に沿って風路壁221の一端とは反対方向に延びて加熱コイル227の中心付近まで形成されている。これにより、電磁調理器201は、送風機217から送風されるほとんど全ての空気を加熱コイル227に直接当てるとともに、加熱コイル227の下方に設けられた流通部239に導いて排気口213から排気することができる。
 
【0069】
  送風機217の送風によって吸気口209から排気口213に向かう風の流れが流通部239に形成されている。このため、送風機217から加熱コイル227に送風される空気は、加熱コイル227に当たる際に加熱コイル227の発熱によって温められた加熱コイル227近傍の空気と、加熱コイル227に当たった後に流通部239を通過する際に流通部239内の空気を冷やす。また、送風機217から加熱コイル227に送風される空気は、加熱コイル227近傍及び流通部239内の空気から熱を奪った状態で排気口213から本体部203の外部に排気される。この結果、本体部203内部の温度が低下する。
 
【0070】
  このように、電磁調理器201は、吸気口209から排気口213に向かう気流を送風機217によって発生させて本体部203の内部に形成された流通部239に流通させることができる。これにより、加熱コイル227で発生した熱は、流通部239を流通する気流により排気口213から本体部203の外部に直接排気される。これにより、電磁調理器201は、加熱コイル227で発生した熱を本体部203の外部に効率よく排気して本体部203内部の温度上昇を防止できる。
 
【0071】
  また、電磁調理器201は、底部203aから本体部203の内部に向かって突出して形成され、排気口213から本体部203の内部への異物の進入を防止する異物進入防止部233を有している。異物進入防止部233は、排気口113と加熱コイル227との間に配置されている。
図13に示すように、トッププレート205を本体部203に取り付けた場合に、異物進入防止部233は、トッププレート205に当接しない高さに形成されている。このため、異物進入防止部233の頂部と、トッププレート205との間には、空気が流通可能な間隙が形成される。これにより、異物進入防止部233は、本体部203の内部の空気が排気口213を介して外部に排気されるのを妨げないようになっている。本実施形態では、異物には例えば水などの水分などが含まれる。
 
【0072】
(変形例)
  上記第1から第3の実施形態の変形例による電磁調理器について
図15及び
図16を用いて説明する。本変形例による電磁調理器は、吸気口の形状が上記第1から第3の実施形態における吸気口の形状と異なる点に特徴を有している。以下、上記第1の実施形態を例にとり、本変形例による電磁調理器が電磁調理器1と異なる点について簡述する。なお、上記第1の実施形態による電磁調理器1と同様の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
 
【0073】
  図15は、本変形例による電磁調理器301の底面図である。
図16は、第2の吸気口311近傍の拡大図である。
  
図15及び
図16に示すように、本変形例による電磁調理器301は、第1及び第2の送風機(不図示)の回転方向と同方向の渦巻き状に形成された連通口を備えた第1及び第2の吸気口309,311を有している。第1の吸気口309と第2の吸気口311とは同じ形状を有しているので、以下、第2の吸気口311を例にとって、第1及び第2の吸気口309,311の構造について説明する。
 
【0074】
  第2の吸気口311は、平皿状(シャーレ状)の形状を有し、本体部303の底部303aから下方に向かって突出して形成されている。第2の吸気口311は、同心円状に形成された複数の同心円部311aと、最も内側に配置された同心円部311aから外周側に向かって放射状に延びる複数の放射状部311bとを有している。複数の放射状部311bは、第2の吸気口311の上方に配置された第2の送風機(不図示)の回転方向と同方向に湾曲して形成されている。複数の同心円部311aは、互いに所定の間隙を設けて配置され、複数の放射状部311bは、互いに所定の間隙を設けて配置されている。隣り合う同心円部311aと、隣り合う放射状部311bとで囲まれた領域は、本体部303の内部空間と電磁調理器301が配置された外部の空間とを連通する連通口となる。また、最も内側に配置された同心円部311aに囲まれた空間も同様に連通口となる。
 
【0075】
  放射状部311bは湾曲して形成されているので、隣り合う放射状部311bの間隙は、第2の吸気口311の内側から外側に向かうほど長くなる。このため、隣り合う同心円部311aと隣り合う放射状部311bとで囲まれた連通口は、平面視における第2の吸気口311の内側から外側に向かって大きくなる。さらに、連通口の外形は、全体として台形状であって台形の脚が第2の送風機の回転方向側に位置する方が長くなる。このため、複数の連通口は、平面視において全体として、第2の送風機の回転方向と同方向の渦巻き状に形成される。第2の吸気口311は、第2の送風機の回転方向と同方向の渦巻き状の連通口を有することにより、吸気効率が向上する。
 
【0076】
  また、第2の吸気口311は、隣り合う同心円部311の間の放射状部311b上に所定の間隔で設けられた複数(本例では13個)の薄板脚部311cを有している。薄板脚部311cは、同心円部311a及び放射状部311bの高さよりも高く形成されている。薄板脚部311cと同心円部311a及び放射状部311bとの高さを異ならせることにより、第2の送風機の稼働中に第2の吸気口311の表面に紙などの異物が張り付くのを防止するようになっている。
 
【0077】
  以上説明したように、本変形例による電磁調理器によれば、本体部の内部への吸気の効率が向上するので、本体部内に効率よく冷風を送風でき、本体部の内部の冷却効率も向上する。
  なお、本例では、上記第1の実施形態の変形例として説明したが、上記第2及び第3の実施形態における吸気口にも
図15及び
図16に示す構造の吸気口を適用できる。
 
【0078】
(他の変形例)
  上記第1から第3の実施形態の他の変形例による電磁調理器について
図17を用いて説明する。本変形例による電磁調理器は、千鳥状に配置された異物進入防止部を備えている点に特徴を有している。以下、上記第1の実施形態を例にとり、本変形例による電磁調理器が電磁調理器1と異なる点について簡述する。なお、上記第1の実施形態による電磁調理器1と同様の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
 
【0079】
  図17は、本変形例による電磁調理器401を説明する図であって、トッププレート5(
図17では不図示)を取り外して見た電離調理器401の平面図である。
  
図17に示すように、本変形例による電磁調理器401は、排気口13と電源回路部37との間に、千鳥状に配置された複数の異物進入防止部433を有している。異物進入防止部433は、例えば本体部3の底部3aから本体部3の内部に向かって千鳥状に突出して形成されている。複数の異物進入防止部433が千鳥状に配置されることによって隣り合う異物進入防止部433の間に生じる間隙は、第1及び第2の流通部39,41を流通した空気が通過する通過部433cとなる。複数の異物進入防止部433は、異物進入防止部33に備えられた上側領域33a及び下側領域33bと同様の機能を発揮する上側領域及び下側領域を備え、上側領域の少なくとも一部を切り欠いて形成された通過部を有していてもよい。異物進入防止部433は、例えば本体部3の底部3aから本体部3の内部に向かって突出する異物進入防止部と、トッププレート5の裏面側から本体部3の内部に向かって突出する異物進入防止部とが千鳥状に配置されるように形成されていてもよい。
 
【0080】
  以上説明したように、本変形例による電磁調理器は、本体部の内部の温度上昇を防止するとともに、本体部の内部への異物の進入を防止するので、電磁調理器の故障率を低減できる。
  なお、本例では、上記第1の実施形態の変形例として説明したが、上記第2及び第3の実施形態における異物進入防止部にも
図18に示す構造の異物進入防止部を適用できる。
 
 
【課題】本発明は、加熱コイルを配置する本体部の内部空間が狭くても、加熱コイルでの発熱による本体部の内部空間の温度上昇を防止できる電磁調理器を提供することを目的とする。
【解決手段】電磁調理器1は、箱状の本体部3の内部に設けられた加熱コイル27と、この内部に設けられ、加熱コイル27が発熱した熱を放熱する放熱部25と、本体部3の底部3aに形成された第1の吸気口9と、底部3aと直交する回転軸17aを備えて第1の吸気口9の上方に配置された第1の送風機17と、第1の吸気口9と並んで底部3aに形成された第2の吸気口11と、底部3aと直交する回転軸19aを備えて第2の吸気口11の上方に配置された第2の送風機19と、本体部3に形成され、第1及び第2の送風機17,19から送風されて加熱コイル27及び放熱部25を通過した空気を本体部3の外部に排気する排気口13とを有している。