(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被貼付け部材に貼付けられる貼付け部材を負圧吸引して、当該負圧吸引した貼付け部材を、接着剤層の加熱によって前記被貼付け部材の所定位置に貼付ける部材貼付け装置であって、
先端部に吸引孔を有するとともに、内部に前記吸引孔に連通する空気吸引路を有し、前記貼付け部材を前記吸引孔において負圧吸引する吸引ヘッドと、
前記接着剤層を加熱するように、前記吸引ヘッドに吸引されている貼付け部材にレーザー光を照射するレーザー光出力ヘッドと、
を備え、
前記レーザー光出力ヘッドは、当該レーザー光出力ヘッドから出力されるレーザー光が前記空気吸引路を通るように設けられていることを特徴とする部材貼付け装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている部材貼付け装置900においては、上記したように、電気をエネルギー源としたヒーター(電気ヒーターという。)によって接着剤層を溶融又は軟化させている。しかしながら、電気ヒーターは通電状態となってから、接着剤層の溶融又は軟化可能となる温度に達するまでに多くの時間を要するため、貼付け動作の高速化に対応できないといった課題がある。
【0007】
また、溶融又は軟化可能となる温度に達するまでに多くの時間を要すると、時間の経過とともに加熱したくない箇所にまで熱が伝達されてしまう場合もあるといった課題もある。例えば、電子回路基板(基板という。)の所定位置に放熱板、シールド板、補強板などの板状の貼付け部材を貼付ける部材貼付け装置においては、まずは、これらの貼付け部材を基板の所定位置(部材貼付け位置という場合もある。)に仮貼付けする仮貼付け工程を行い、そのあとで本貼付けを行うことがある。
【0008】
このような貼付け部材を基板の所定位置に仮貼付けする仮貼付け工程においては、貼付け部材の局所的な範囲(例えば、直径が1mm〜数mm程度の範囲)を加熱すべき範囲として加熱して、当該加熱すべき範囲に対応する接着剤層を溶融又は軟化させて、当該貼付け部材を基板の所定位置に仮貼付けするといったことを行う場合が多い。この場合、貼付け部材は当該貼付け部材の一部のみが接着剤によって基板の所定位置に接着された状態となっている。
【0009】
このような仮貼付けを行う場合には、加熱すべき範囲以外は可能な限り加熱しないようにすることが要求される場合もある。なお、このことは仮貼付けを行う場合に限られるものではなく、貼付け部材における加熱すべき範囲を加熱して、当該加熱すべき範囲に対応する接着剤層を溶融又は軟化させることにより、当該貼付け部材を基板の所定位置に貼付けする場合(例えば、本貼り付けする場合など)には同様のことがいえる。
【0010】
このように、加熱すべき範囲以外は可能な限り加熱しないようにすることが要求される場合には、上記特許文献1に記載されている部材貼付け装置のように、電気ヒーターによる加熱によって、貼付け部材に形成されている接着剤層を溶融又は軟化する方法では対応しにくいものとなる。
【0011】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、短時間で接着剤層を溶融又は軟化可能とすることにより貼付け動作の高速化を可能とするとともに、加熱すべき範囲以外は可能な限り加熱しないようにすることができる部材貼付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[1]本発明の部材貼付け装置は、被貼付け部材に貼付けられる貼付け部材を負圧吸引して、当該負圧吸引した貼付け部材を、接着剤層の加熱によって前記被貼付け部材の所定位置に貼付ける部材貼付け装置であって、先端部に吸引孔を有するとともに、内部に前記吸引孔に連通する空気吸引路を有し、前記貼付け部材を前記吸引孔において負圧吸引する吸引ヘッドと、前記接着剤層を加熱するように、前記吸引ヘッドに吸引されている貼付け部材にレーザー光を照射するレーザー光出力ヘッドと、を備え、前記レーザー光出力ヘッドは、当該レーザー光出力ヘッドから出力されるレーザー光が前記空気吸引路を通るように設けられていることを特徴とする。
【0013】
このように本発明の部材貼付け装置においては、レーザー光によって部材を加熱することにより、短時間で接着剤層を溶融又は軟化させることができ、それにより、貼付け動作の高速化を可能とするとともに、加熱すべき範囲以外は可能な限り加熱しないようにすることができる。なお、短時間で接着剤層を溶融又は軟化させることができることによって、電気ヒーターを用いる場合に比べて消費電力を削減できるといった効果も得られる。
【0014】
また、本発明の部材貼付け装置においては、レーザー光出力ヘッドは、当該レーザー光出力ヘッドから出力されるレーザー光が空気吸引路を通るように設けられていることから、部材貼付け装置全体が簡素化されてコンパクトなものとなる。
【0015】
[2]本発明の部材貼付け装置においては、前記貼付け部材を加熱する際の加熱すべき範囲は、前記貼付け部材の局所的な範囲であることが好ましい。
【0016】
本発明の部材貼付け装置は、レーザー光によって部材を加熱することにより、加熱すべき範囲が貼付け部材における局所的な範囲(局所的範囲という。)である場合においても、当該局所な範囲だけを加熱することができる。
【0017】
[3]本発明の部材貼付け装置においては、前記レーザー光出力ヘッドは、前記吸引ヘッドに取り付けられていることが好ましい。
【0018】
このように、レーザー光出力ヘッドが、吸引ヘッドに取り付けられているため、レーザー光出力ヘッドは、吸引ヘッドとともに移動可能である。これにより、レーザー光出力ヘッドを移動させるための移動機構部は不要となるとともに、吸引ヘッドとレーザー光出力ヘッドとが1つのユニットとして構成されているため、部材貼付け装置全体がより簡素化されてコンパクトなものとなる。
【0019】
また、レーザー光出力ヘッドが、吸引ヘッドに取り付けられていることにより、当該レーザー光出力ヘッドから出力されるレーザー光は、吸引ヘッドにおける空気吸引路内に直接的に出力されることとなる。これにより、当該部材貼付け装置の周辺にいるオペレーターなどはレーザー光を直視することがなく、オペレーターなどにレーザー光の影響を与えることがなく、安全性を高くすることができる。
【0020】
また、レーザー光出力ヘッドが、吸引ヘッドに取り付けられていることにより、吸引ヘッドが貼付け部材を吸引したあと、当該貼吸引ヘッドが被貼付け部材の位置に到達するまでの移動中の段階で、貼付け部材にレーザー光を照射するといったこともできる。これにより、貼付け部材を吸引して、吸引した貼付けを被貼付け部材の所定位置に貼付けるといった一連の動作を効率的に行うことができ、貼付け部材の貼付け動作時間の短縮化が図れる。
【0021】
[4]本発明の部材貼付け装置においては、前記レーザー光出力ヘッドは、前記吸引ヘッドから離間した位置に設けられているとともに、前記吸引ヘッドは、前記先端部とは反対側の後端部に前記レーザー光出力ヘッドから出力されるレーザー光を透過可能とする光透過部材を有し、前記レーザー光出力ヘッドから出力されるレーザー光は、前記光透過部材を介して前記空気吸引路に出力されることも好ましい。
【0022】
このような構成としても、上記[1]に記載の本発明の部材貼付け装置と同様の効果が得られる。なお、この場合、レーザー光出力ヘッドは、吸引ヘッドの移動に伴って移動するような構成としてもよく、予め、被貼付け部材の所定位置を照射可能とするように設けられているような構成としてもよい。なお、レーザー光出力ヘッドが、予め、被貼付け部材の所定位置に対応する位置に設けられているような構成とした場合には、貼付け部材を吸引している吸引ヘッドが、貼付け部材を当該部材貼付け位置に置いた時点でレーザー光出力ヘッドからレーザー光を出力するようにする。
【0023】
[5]本発明の部材貼付け装置においては、前記光透過部材は、集光レンズであって、前記レーザー光出力ヘッドは、前記集光レンズに平行光を出力することが好ましい。
【0024】
このような構成とすることにより、レーザー光出力ヘッドの構成を簡素化することができる。
【0025】
[6]本発明の部材貼付け装置においては、前記吸引ヘッドにおける前記先端部には、前記レーザー光が照射されることにより加熱されて熱を発し、当該加熱されて発した熱を前記貼付け部材に伝導させる熱伝導部が設けられていることが好ましい。
【0026】
吸引ヘッドをこのような構成とすることにより、レーザー光出力ヘッドから出力されるレーザー光が、貼付け部材に直接的に照射されないため、貼付け部材が必要以上に高温となってしまうことを防止できる効果が得られる。また、レーザー光が貼付け部材を直接的に照射しないため、貼付け部材の品質が劣化してしまうといったことを防止できるといった効果も得られる。
【0027】
[7]本発明の部材貼付け装置においては、前記吸引孔は、前記熱伝導部を囲むように複数箇所に形成されていることが好ましい。
【0028】
吸引孔が熱伝導部を囲むように複数箇所に形成されていることにより、熱伝導部の熱が吸引孔の外側の範囲にまで伝導しにくくなる。すなわち、熱伝導部と吸引孔の外側の範囲との間には、吸引孔が存在しているため、熱伝導部と吸引孔外側の範囲とを連結する連結部の断面積が小さくなる。このため、熱伝導部の熱は、吸引孔の外側の範囲にまで、伝導しにくくなる。これにより、貼付け部材においても、熱伝導部に対応する範囲以外(加熱すべき範囲以外)の範囲が高温となることを抑制することができる。
【0029】
[8]本発明の部材貼付け装置においては、前記熱伝導部は、前記レーザー光を吸収して熱に変換し易くするための加工が施されていることが好ましい。
【0030】
このような加工を施すことにより、レーザー光を効率的に吸収して熱に変換することができる。また、レーザー光出力ヘッドに対して集中的に反射するレーザー光の光量を少なくすることができるため、レーザー光出力ヘッドの光学系などを保護することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0033】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る部材貼付け装置を説明するために示す図である。
図2は、
図1における破線枠A内を拡大して示す一部断面図である。
【0034】
実施形態1に係る部材貼付け装置1は、
図1に示すように、被貼付け部材10の所定位置(部材貼付け位置という場合もある。)に貼付けるべき部材(貼付け部材という。)20を負圧吸引する吸引ヘッド100と、吸引ヘッド100を移動させる移動機構部200と、貼付け部材20を加熱するレーザー光出力ヘッド300とを有している。
【0035】
なお、実施形態1及び後述する他の実施形態(実施形態2及び実施形態3)においては、被貼付け部材10は、例えば、電子回路部品などが搭載されるフレキシブル基板などの基板であるとする。このため、以下の説明においては、被貼付け部材10を基板10と表記する場合もある。また、貼付け部材20は、例えば、金属板からなる補強板であるとする。当該貼付け部材20の裏面側(吸引される側の面とは反対側の面)には接着剤層21が形成されている。接着剤層21を溶融又は軟化可能とする温度は、実施形態1に係る部材貼付け装置においては、100℃〜200℃程度であるとする。
【0036】
吸引ヘッド100は、
図2に示すように、筒状本体部110の先端部111に、貼付け部材20を吸引するための吸引孔120を有するとともに、内部に当該吸引孔120に連通する空気吸引路130を有している。空気吸引路130は空気吸引パイプ140によって負圧生成ポンプ(図示せず。)に連結されている。
【0037】
移動機構部200は、吸引ヘッド100をxy平面(水平面とする。)上の任意の位置に移動可能とするとともにz軸に沿って昇降可能とする。このような移動機構部200により、吸引ヘッド100は、貼付け部材20が置かれている位置と、基板10が置かれている位置との間を往復移動可能となっている。
【0038】
具体的には、吸引ヘッド100が貼付け部材20を吸引する動作を行う際には、吸引ヘッド100をxy平面上において貼付け部材20の位置に移動させた後に、z軸に沿って下降させて吸引ヘッド100の先端部111を貼付け部材20に当接させる。そして、吸引ヘッド100が貼付け部材20を吸引したら、吸引ヘッド100を上昇させ後に、当該吸引ヘッド100をxy平面上において基板10が置かれている位置に移動させて、基板10の所定位置(部材貼付け位置)に吸引ヘッド100を下降させるという動作を行う。
【0039】
吸引ヘッド100にこのような動作を行わせるための移動機構部200は、例えば多関節アームなどを用いた公知の技術を使用可能であり、また、本発明の要旨ではないため、ここでは、詳細な構成についての図示及び説明は省略する。
【0040】
なお、実施形態1及び他の実施形態(実施形態2及び実施形態3)においては、現時点において吸引対象となる1枚の貼付け部材20と、現時点において被貼付け対象となる1枚の基板10とは、ワークテーブル40上において、x軸に沿った位置に置かれているものとする。このため、吸引ヘッド100は移動機構部200によって、当該基板10と当該貼付け部材20との間をx軸に沿って図示の左右方向(矢印x方向及び矢印x’方向)に往復動作するとともに、貼付け部材20が置かれている位置及び基板10が置かれている位置においては、それぞれz軸に沿って図示の上下方向(矢印z方向及び矢印z’方向)に昇降する。
【0041】
レーザー光出力ヘッド300は、当該レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光が空気吸引路130を通って吸引孔120に達するように、吸引ヘッド100の後端部112に取り付けられている。なお、レーザー光出力ヘッド300は、吸引ヘッド100における空気吸引路130の気密性が保持可能となるように吸引ヘッド100に取り付けられている。
【0042】
レーザー光出力ヘッド300が吸引ヘッド100にこのように取り付けられているため、貼付け部材20が吸引孔120に吸引されている状態においては、レーザー光出力ヘッド300からレーザー光が出力されると、出力されたレーザー光は貼付け部材20を照射することとなる。これについては、
図4により後述する。
【0043】
レーザー光出力ヘッド300は、レーザー光発生装置(図示せず。)に光ファイバーケーブル320によって接続されている。なお、レーザー光発生装置は、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光の出力の大きさが設定可能となっている。実施形態1に係る部材貼付け装置1においては、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光の出力の大きさは、レーザー光を貼付け部材20の表面に照射したときに、貼付け部材20の裏面に形成されている接着剤層21を溶融又は軟化可能とする程度に設定されている。
【0044】
図3は、実施形態1に係る部材貼付け装置1の部材貼付け動作を説明するために示す図である。
図3(a)〜
図3(c)は、部材貼付け動作の各過程を示している。なお、
図3においては、貼付け部材20を基板10の所定位置(部材貼付け位置)に仮貼付けする場合について説明する。
【0045】
まず、吸引ヘッド100が
図3において矢印x’方向に移動して、貼付け部材20が置かれている位置に達すると、当該貼付け部材20が置かれている位置において矢印z’方向に下降して貼付け部材20を吸引する(
図3(a)参照。)。
【0046】
そして、貼付け部材20を吸引した吸引ヘッド100は上昇して(
図3(b)参照。)、矢印x方向に移動して、基板10が置かれている位置(具体的には基板10の部材貼付け位置)に達すると、当該部材貼付け位置において下降する。これにより、貼付け部材20は、吸引ヘッド100に吸引されたまま、基板10の部材貼付け位置に当接した状態となる(
図3(c)参照。)。
【0047】
なお、貼付け部材20の裏面(基板10に当接している側の面)には、接着剤層21が形成されているため、
図3(c)の状態、すなわち、貼付け部材20が基板10の貼付け位置に当接した状態においては、貼付け部材20と基板10との間には接着剤層21が介在されている状態となっている。この状態で、レーザー光出力ヘッド300からレーザー光が出力される。
【0048】
図4は、実施形態1に係る部材貼付け装置1において貼付け部材20に対してレーザー光を照射している状態を示す拡大図である。なお、
図4においては吸引ヘッド100が断面図として示されている。
【0049】
図4に示すように、レーザー光出力ヘッド300からレーザー光Lが出力されると、当該レーザー光Lは貼付け部材20を照射する。これにより、貼付け部材20が加熱されて、加熱による熱が接着剤層21に伝導するため、接着剤層21が溶融又は軟化して貼付け部材20は基板10の部材貼付け位置に接着される。
【0050】
なお、
図3及び
図4は貼付け部材20を基板10の貼付け位置に仮貼付けする場合であるため、貼付け部材20の局所的な範囲(例えば、直径が1mm〜数mm程度の範囲)を加熱すべき範囲として加熱して、当該加熱すべき範囲に対応する接着剤層を溶融又は軟化させればよい。このため、貼付け部材20に対するレーザー光の照射範囲は、接着剤層21が上記局所的範囲で溶融又は軟化可能となる程度に設定すればよい。また、レーザー光の照射時間は、レーザー光の出力の大きさなどにもよるが、ごくわずかな時間(例えば、数秒程度以下の時間)で十分である。
【0051】
このようにして、貼付け部材20が基板10に仮貼付けされると、吸引ヘッド100は吸引動作を解除して矢印z方向に上昇し、貼付け部材20が置かれている位置に戻り、次の貼付け部材20に対して
図3(a)〜
図3(c)の動作を行う。このような動作を繰り返し行う。
【0052】
ところで、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光Lは、貼付け部材20の表面で焦点を結ぶように設定されていてもよく、また、焦点を僅かにずらすように設定されていてもよい。なお、焦点を僅かにずらすように設定する場合には、焦点は貼付け部材20よりもさらに先の方、すなわち、貼付け部材20の裏面(接着剤層21が形成されている側の面)よりもさらに先の方(
図4における下方向)に僅かにずらすように設定する。このように設定することにより、貼付け部材20が必要以上に高温となることを防止することができる。なお、貼付け部材20に対するレーザー光Lの照射範囲は、必要以上に広がらないように設定することが好ましい。
また、焦点は、貼付け部材20よりも手前側(
図4における上方向)に僅かにずらすように設定してもよい。
【0053】
以上説明したように、実施形態1に係る部材貼付け装置1においては、レーザー光Lを貼付け部材20の局所的範囲に照射することにより、貼付け部材20の裏面に形成されている接着剤層21の局所的範囲を溶融又は軟化させるようにしている。このため、貼付け部材20を短時間に接着剤層21の溶融又は軟化が可能となる温度にまで加熱させることができ、貼付け動作(仮貼付け動作)の高速化が可能となるという効果が得られる。なお、短時間で接着剤層21を溶融又は軟化可能とすることにより、電気ヒーターを用いる場合に比べて消費電力を削減できるといった効果も得られる。また、貼付け部材20においては、加熱される範囲が必要以上に周辺に広がらないため、加熱すべき範囲以外は可能な限り加熱しないようにすることができるという効果も得られる。
【0054】
また、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光Lは、吸引ヘッド100の空気吸引路130を通って貼付け部材20に照射されるため、部材貼付け装置1全体が簡素化されてコンパクトなものとなる。
【0055】
また、実施形態1に係る部材貼付け装置1においては、レーザー光出力ヘッド300が、吸引ヘッド100に取り付けられているため、レーザー光出力ヘッド300は、吸引ヘッド100とともに移動可能である。これにより、実施形態1に係る部材貼付け装置1においては、レーザー光出力ヘッド300を移動させるための移動機構部は不要となるとともに、吸引ヘッド100とレーザー光出力ヘッド300とが1つのユニットとして構成されているため、部材貼付け装置1全体がより簡素化されてコンパクトなものとなる。
【0056】
また、レーザー光出力ヘッド300が、吸引ヘッド100に取り付けられていることにより、当該レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光は、吸引ヘッド100における空気吸引路130内に直接的に出力されることとなる。これにより、当該部材貼付け装置1の周辺にいるオペレーターなどはレーザー光を直視することがなく、オペレーターなどにレーザー光の影響を与えることがなく、安全性を高くすることができる。
【0057】
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係る部材貼付け装置2を説明するために示す図である。
図6は、実施形態2に係る部材貼付け装置2における吸引ヘッド100を拡大して示す断面図である。
【0058】
実施形態2に係る部材貼付け装置2が実施形態1に係る部材貼付け装置1と異なる点は、レーザー光出力ヘッド300が吸引ヘッド100に取り付けられているのではなく、
図5に示すように、レーザー光出力ヘッド300は、吸引ヘッド100から離間した位置で、かつ、当該吸引ヘッド100の後端部112よりも上方の位置に設けられており、また、
図6に示すように、吸引ヘッド100は、後端部112にレーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光を透過可能とする光透過部材150を有している点である。その他は、実施形態1に係る部材貼付け装置1と同様の構成となっている。このため、実施形態1に係る部材貼付け装置1と同一構成要素には同一符号が付されている。
【0059】
なお、実施形態2に係る部材貼付け装置2においては、レーザー光出力ヘッド300は、
図5に示すように、基板10の部材貼付け位置の上方に設けられており、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光は、基板10の部材貼付け位置に照射されるように設定されている。
【0060】
また、吸引ヘッド100の後端部112に設けられている光透過部材150としては、例えば、耐熱性を有する平面ガラスなどを好ましく用いることができる。このような光透過部材150は、吸引ヘッド100における空気吸引路130の気密性が保持可能となるように吸引ヘッド100に取り付けられている。
【0061】
なお、レーザー光出力ヘッド300と、吸引ヘッド100の光透過部材150との間には、光を透過させない材質でなる内部が空洞の筒状体(図示せず。)を設けるようにしてもよい。このような筒状体を設けることにより、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光は、筒状体の内部を通過して、吸引ヘッド100の光透過部材150を透過したのち、吸引ヘッド100の空気吸引路130を進行することとなる。これにより、当該部材貼付け装置3の周辺にいるオペレーターなどにレーザー光の影響を与えることがなく、安全性を高くすることができる。
【0062】
このように構成されている実施形態2に係る部材貼付け装置2における部材貼付け動作(仮貼付け動作)は、基本的には、実施形態1に係る部材貼付け装置1と同様に行うことができる。
【0063】
但し、実施形態2に係る部材貼付け装置2においては、レーザー光出力ヘッド300は基板10の部材貼付け位置の上方に設けられているため、貼付け部材20を吸引した吸引ヘッド100が基板10の部材貼付け位置に貼付け部材20を当接させた状態としたときに、レーザー光出力ヘッド300からレーザー光が出力される。
【0064】
図7は、実施形態2に係る部材貼付け装置2において貼付け部材20に対してレーザー光を照射している状態を示す図である。レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光Lは、
図7に示すように、吸引ヘッド100の光透過部材150を介して空気吸引路130を通り、吸引孔120に吸引されている貼付け部材20を照射する。これにより、貼付け部材20が加熱されて、加熱による熱が接着剤層21に伝わるため、接着剤層21が溶融又は軟化して、貼付け部材20は基板10の部材貼付け位置に貼付けられる。
【0065】
実施形態2に係る部材貼付け装置2においても、上記実施形態1によって得られる効果のうち、貼付け部材20を短時間に接着剤層21の溶融又は軟化が可能となる温度にまで加熱させることができ、貼付け動作(仮貼付け動作)の高速化が可能となるという効果が得られる。また、短時間で接着剤層21を溶融又は軟化可能とすることにより、電気ヒーターを用いる場合に比べて消費電力を削減できるといった効果も得られる。また、貼付け部材20においては、加熱される範囲が必要以上に周辺に広がらないため、加熱すべき範囲以外は可能な限り加熱しないようにすることができるという効果も得られる。また、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光Lは、吸引ヘッド100の空気吸引路130を通って貼付け部材20に照射されるため、部材貼付け装置1全体が簡素化されてコンパクトなものとなる。
【0066】
なお、レーザー光出力ヘッド300は、当該レーザー光出力ヘッド300を移動させるための移動機構部(図示せず。)によって、xy平面上に沿った移動とz軸に沿った昇降が能となるようにしてもよい。このようにすることで、基板10の位置の変化に対応可能となるとともに、焦点の位置も調整可能となる。
【0067】
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係る部材貼付け装置3を説明するために示す図である。
図9は、
図8における破線枠B内を拡大して示す図である。なお、
図9(a)は吸引ヘッド100の先端部111を下方向から見た場合を拡大して示す平面図であり、
図9(b)は
図9(a)のa−a矢視断面図である。
【0068】
実施形態3に係る部材貼付け装置3の外観構成は、実施形態1に係る部材貼付け装置1と同様であり、実施形態3に係る部材貼付け装置3が実施形態1に係る部材貼付け装置1と異なる点は、吸引ヘッド100の先端部111の構成である。その他の構成は、実施形態1に係る部材貼付け装置1と同様の構成と同じであるため、同一構成要素には同一符号が付されている。
【0069】
実施形態3に係る部材貼付け装置3においては、吸引ヘッド100は、先端部111に吸引孔120を有する点では実施形態1に係る部材貼付け装置1と同じであるが、当該先端部111には、吸引孔120とともに、レーザー光が照射されることにより加熱されて熱を発し、当該加熱されて発した熱を貼付け部材20に伝導させる熱伝導部170が設けられている。
【0070】
具体的には、
図9に示すように、吸引ヘッド100の先端部111におけるほぼ中心部には熱伝導部170が設けられており、その周囲を囲むように、円形状をなす複数の吸引孔120が設けられている。熱伝導部170は、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光によって素早く加熱され、それによって発した熱を効率よく貼付け部材20に伝導でき、かつ、高耐熱性の素材であれば特に限定されるものではなく、例えば、金属、カーボンなど種々の素材を使用できる。
【0071】
また、実施形態3に係る部材貼付け装置3においても、実施形態1に係る部材貼付け装置1と同様に、貼付け部材20は基板10に対して局所的範囲(例えば、直径が1mm〜数mm程度)で貼付けられていればよいため、接着剤層21は上記局所的範囲のみが溶融又は軟化されればよい。このため、熱伝導部170は、このような局所的範囲にほぼ対応する程度に設けられていればよい。
【0072】
なお、吸引ヘッド100の先端部111にこのような熱伝導部170を設けるには、例えば、吸引ヘッド100の先端部111全体をこれらの素材で形成して、中心部の所定範囲を熱伝導部170とし、当該熱伝導部170を囲むように複数個の吸引孔120を設けるようにしてもよく、また、中心部の所定範囲のみを上記した熱伝導性に優れた素材を用いて熱伝導部170を形成し、当該熱伝導部170以外は他の素材で形成するようにしてもよい。
【0073】
また、熱伝導部170の表面(レーザー光Lが照射される側の面)は、レーザー光Lを吸収して熱に変換しやすくするための加工を施すことが好ましい。特に、表面が鏡面となっている素材を用いて熱伝導部170を形成した場合には、レーザー光Lを吸収して熱に変換しやすくするための加工を施すことが好ましい。レーザー光Lを吸収して熱に変換しやすくするための加工としては、例えば、表面に黒色系の塗装を施したりすることを例示できる。このような加工を施すことにより、レーザー光を効率的に吸収することができる。また、レーザー光出力ヘッド300に対して集中的に反射するレーザー光の光量を少なくすることができるため、レーザー光出力ヘッド300の光学系などを保護することができる。
【0074】
このように構成されている実施形態3に係る部材貼付け装置3における部材貼付け動作は、基本的には、実施形態1に係る部材貼付け装置1と同様に行うことができる。但し、実施形態3に係る部材貼付け装置3においては、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光は、貼付け部材20を直接的に照射するのではなく、熱伝導部170を照射して当該熱伝導部170を加熱し、熱伝導部170が発した熱を貼付け部材20に伝導するようにしている点が異なる。
【0075】
図10は、実施形態3に係る部材貼付け装置3においてレーザー光を照射している状態を示す図である。なお、
図10に示す吸引ヘッド100及びレーザー光出力ヘッド300は、
図8における吸引ヘッド100及びレーザー光出力ヘッド300の一部を拡大し、かつ、吸引ヘッド100を断面として示している。
【0076】
実施形態3に係る部材貼付け装置3においては、
図10に示すように、貼付け部材20にレーザー光Lを直接的に照射して貼付け部材20を加熱するのではなく、熱伝導部170を介して間接的に貼付け部材20を加熱している。このようにしても、電気ヒーターを用いた加熱に比べれば、短時間に接着剤層21の溶融又は軟化が可能となる温度とすることができ、それによって、貼付け動作の高速化が可能となるという効果が得られる。
【0077】
また、実施形態3に係る部材貼付け装置3においては、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光Lが、貼付け部材20に直接的に照射されないため、貼付け部材20が必要以上に高温となってしまうといったことを防止できる効果が得られる。また、レーザー光Lが貼付け部材20に直接的に照射されないため、貼付け部材20の品質が劣化してしまうといったことを防止できるといった効果も得られる。
【0078】
また、実施形態3に係る部材貼付け装置3においては、吸引ヘッド100は、熱伝導部170を囲むように複数個の吸引孔120が形成されているため、熱伝導部170の熱が吸引孔120の外側の範囲にまでは伝導しにくくなる。すなわち、熱伝導部170と吸引孔120の外側の範囲との間には、円形状の吸引孔120が存在しているため、熱伝導部170と吸引孔120の外側の範囲とを連結する連結部の断面積が小さくなる。このため、熱伝導部170の熱は、吸引孔120の外側の範囲にまで、より伝導しにくくなる。これにより、貼付け部材20においても、熱伝導部170に対応する範囲以外(加熱すべき範囲以外)の範囲が高温となることを抑制することができる。
【0079】
なお、実施形態3に係る部材貼付け装置3においては、レーザー光出力ヘッド300は実施形態1に係る部材貼付け装置1と同様に、吸引ヘッド100に取り付けられている場合を例示したが、実施形態2に係る部材貼付け装置10のように、レーザー光出力ヘッド300が吸引ヘッド100から離間した位置に設けられている場合にも同様に適用することができることは勿論である。
【0080】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0081】
(1)上記実施形態1及び3においては、接着剤層21を溶融又は軟化させる際のレーザー光の照射のタイミングは、吸引ヘッド100に吸引されている貼付け部材20が基板10の所定位置(部材貼付け位置)に当接した状態となった時点としたが、これに限られるものではない。例えば、吸引ヘッド100の移動中、すなわち、吸引ヘッド100が貼付け部材20を吸引して基板10に移動する途中(移動中)にレーザー光を照射して接着剤層21を溶融又は軟化させるようにしてもよい。
【0082】
このようにすることによって、吸引ヘッド100に吸引されている貼付け部材20が基板10の貼付け位置に当接した状態となったときには、既に接着剤層21は溶融又は軟化している状態となるため、吸引ヘッド100に吸引されている貼付け部材20が基板10の貼付け位置に当接すると同時に貼付け部材20は基板10に貼付けられることとなる。これにより、貼付け部材20が基板10の貼付け位置に当接した状態となった時点でレーザー光を照射して接着剤層21を溶融又は軟化させる場合に比べて、貼付け部材20を吸引して、吸引した貼付け部材20を基板10の部材貼付け位置に貼付けるといった一連の動作を効率的に行うことができ、貼付け部材20の貼付け動作時間の短縮化が図れる。
【0083】
(2)上記実施形態2においては、吸引ヘッド100の後端部112に設けられている光透過部材150は、平面ガラスとしたが、集光レンズとしてもよい。この場合、レーザー光出力ヘッド300からは平行光が出力されるようにして、当該平行光を集光レンズによって所定位置に焦点を結ぶように設定してもよい。なお、吸引ヘッド100における空気吸引路130の気密性が保可能あれば、焦点を可変としてもよい。
【0084】
(3)上記実施形態1においては、レーザー光出力ヘッド300は吸引ヘッド100に取り付けられていて、吸引ヘッド100とともに移動するような構成としたが、レーザー光出力ヘッド300は吸引ヘッド100から離間した位置に設けられていて、かつ、吸引ヘッド100と同様にxy平面上で移動可能としてもよい。この場合、吸引ヘッド100は、実施形態3に係る部材貼付け装置3と同様に、吸引ヘッド100の後端部112には、レーザー光を透過させるための光透過部材150が設けられることとなる。また、この場合も、上記(2)に記載したように、当該光透過部材150は、集光レンズとしてもよい。
【0085】
(4)上記各実施形態においては、基板10はフレキシブル基板とした場合を例示したが、フレキシブル基板に限られものではなく、硬い素材でなる基板であってもよい。また、貼付け部材20は補強板とした場合を例示したが、補強板に限られるものではなく、放熱板又はシールド板などであってもよい。また、貼付け部材20は、金属でなく合成樹脂などであってもよい。
【0086】
(5)上記各実施形態においては、貼付け部材20を基板10に仮貼付けする場合を例示したが、仮貼付けに限られるものではなく、本貼付けを行う場合にも適用できる。
【0087】
(6)上記各実施形態においては、接着剤層21は貼付け部材20の裏面の側に形成されている場合を例示したが、基板10の表面(貼付け部材20の裏面に対面する側の面)に形成しておいてもよい。
【0088】
(7)上記実施形態3においては、熱伝導部170を囲むように設けられている複数の吸引孔120は、それぞれ円形状とし、かつ、熱伝導部170を囲むように1列だけ設けるようにしたが、吸収孔120の形状や吸収孔の設け方は、種々変形実施可能である。
【0089】
図11は、熱伝導部170を囲むように設けられている吸引孔120の変形例を示す図である。
図11(a)は第1の変形例を示す図であり、
図11(b)は第2の変形例であり、
図11(c)は第3の変形例を示す図である。
【0090】
第1の変形例は、
図11(a)に示すように、吸引孔120の形状は、上記実施形態3と3と同様に、円形状であるが、当該円形状の吸収孔120が熱伝導部170を囲むように複数列(例えば2列とする。)設けられている。なお、この場合、1列目の吸収孔と2列目の吸収孔とが互い違いになるように設けることが好ましい。
【0091】
第2の変形例は、
図11(b)に示すように、吸引孔120の形状は、円弧を描く長孔形状とし、当該円弧を描く長孔形状の吸引孔120が、熱伝導部170を囲むように複数個(
図11(b)においては3個としている。)設けられている。
【0092】
第3の変形例は、
図11(c)に示すように、吸引孔120の形状は、
図11(b)と3と同様に、円弧を描く長孔形状であるが、当該円弧を描く長孔形状の吸引孔120が熱伝導部170を囲むように複数列(例えば2列とする。)設けられている。なお、この場合、1列目の吸収孔と2列目の吸収孔とが互い違いになるように設けることが好ましい。
【0093】
吸引孔120を
図11に示すように設けることにより、熱伝導部170の熱は、吸引孔120の外側の範囲にまで、より伝導しにくくなる。また、吸引孔120を複数列設ける場合、吸引孔を隣接する列において互い違いに設けることにより(
図11(a)及び
図11(c)参照。)、熱伝導部170と吸引孔120の外側の範囲までの熱伝導経路の長さが長くなるため、熱伝導部170の熱は、吸引孔120の外側の範囲にまで、より伝導しにくくなる。
【0094】
(8)上記各実施形態においては、説明の簡単化のため、基板10及び貼付け部材20は、現時点において吸引対象となる1枚の貼付け部材と現時点において被貼付け対象となる1枚の基板とが同じワークテーブル40上において互いに離間した所定位置に置かれていて、吸引ヘッド100は、基板10と貼付け部材20との間をx軸に沿って図示の左右方向(矢印x方向及び矢印x’方向)に往復動するものとして説明したが、吸引ヘッド100は、様々な動作が可能となる。
【0095】
例えば、複数個の貼付け部材20及び複数個の基板10がそれぞれワークテーブル上に位置決めされた状態で平面的に並べられて置かれているような場合においては、吸引ヘッド100は、並べられている複数個の貼付け部材のうちの1枚の貼付け部材を吸引して、吸引した貼付け部材を同じく並べられている複数個の基板10のうちの1枚の基板の貼付け位置に貼付けるような動作を行うようにすることもできる。
【0096】
また、貼付け部材20と基板10とがそれぞれ異なるベルトコンベアなどにより並列的に間欠的に搬送されてくるような場合には、所定のタイミングで吸引ヘッド100が搬送されてくる1枚の貼付け部材を吸引して、吸引した貼付け部材を同じく搬送されてくる1枚の基板10に貼付けるような動作を行うものも例示することができる。
【0097】
また、貼付け部材20は、トレイに積層された状態で収納されていて、当該トレイから吸引ヘッド100が1枚の貼付け部材20を吸引して、吸引した貼付け部材を対応する基板10に貼付けるような動作を行うものであってもよい。
【0098】
(9)上記各実施形態においては、接着剤層21が溶融又は軟化する温度は、100℃〜200℃程度の範囲としているが、これは一例であって、接着剤層21が溶融又は軟化する温度はこのような範囲に限られるものではない。すなわち、接着剤層21を形成するために使用する接着剤の種類などによっては、溶融又は軟化する温度が100℃〜200℃程度の範囲以外のものもあり、溶融又は軟化する温度がこのような温度であっても、レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光の出力の大きさなどを適宜設定することによって適用できる。
【0099】
(10)上記各実施形態においては、接着剤層21を加熱することにより当該接着剤層を溶融又は軟化させることによって貼り付け部材20を基板10に貼り付けるようにしたが、溶融又は軟化に限られるものではなく、接着剤層21を加熱することにより当該接着剤層を化学変化させて貼り付け部材20を基板10に貼り付けるようにすることもできる。
【課題】短時間で接着剤層を溶融又は軟化可能とすることにより貼付け動作の高速化を可能とするとともに、加熱すべき範囲としての局所的範囲以外は可能な限り加熱しないようにすることができる部材貼付け装置を提供する。
【解決手段】被貼り付け部材10に貼付けられる貼付け部材20を負圧吸引して、当該負圧吸引した貼付け部材20を、接着剤層21の加熱によって被貼付け部材10の所定位置に貼付ける部材貼付け装置1であって、先端部111に吸引孔を有するとともに内部に吸引孔に連通する空気吸引路を有し、貼付け部材20を吸引孔で負圧吸引する吸引ヘッド100と、接着剤層21を加熱するように吸引ヘッド100に吸引されている貼付け部材20にレーザー光を照射するレーザー光出力ヘッド100とを備え、レーザー光出力ヘッド30は、当該レーザー光出力ヘッド300から出力されるレーザー光が空気吸引路を通るように設けられている。