(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ステップ1では、前記2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩と前記ハロゲン化アルキルとの撹拌反応時間は、24時間〜72時間であり、反応液を冷却した後、酢酸エチルで洗浄し、洗浄後に得られた生成物を真空乾燥させ、精製のアルキルビス第四級アンモニウムハライドを得ることを特徴とする、請求項2に記載の2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体の調製方法。
ステップ1では、前記2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩と前記ハロゲン化アルキルとの反応は、窒素ガス又はアルゴンガスにより形成された雰囲気下で行うことを特徴とする、請求項2に記載の2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体の調製方法。
前記ステップ2では、前記イオン交換反応において、温度が室温であり、反応時間が8時間〜24時間であることを特徴とする、請求項2に記載の2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体の調製方法。
前記リチウム塩は、テトラフルオロほう酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド及びリチウム・ビス(フルオロスルホニル)イミドからなる群から任意に選択される少なくとも1つであることを特徴とする、請求項7に記載の電解液。
前記有機溶剤は、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート及びプロピオン酸エチルから任意に選択される少なくとも1つであることを特徴とする、請求項7に記載の電解液。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面及び具体的な実施例を用いて、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体、その調製方法及び使用についてさらに詳細に説明する。
【0031】
本発明の一実施形態において、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体は、下記に示す構造式を有する。
【0033】
ここで、nは2、3又は6であり、Y
−はBF
4−、PF
6−、(FSO
2)
2N
−、(CF
3SO
2)
2N
−又はCF
3SO
3−である。
【0034】
上述した2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体は、400℃の高い温度でも分解することなく、安定性が比較的高く、かつ、不燃性を有するため、電解液における使用の安全性が向上する。また、このようなイオン液体は、4Vより高い電位窓、比較的良好な電気化学的安定性を有するため、スーパーキャパシタ及びリチウム電池の電解液に適用可能である。
【0035】
本発明の一実施形態における2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体の調製方法は、下記のステップを含む。
【0036】
[ステップS11]窒素ガス又はアルゴンガスの雰囲気下で、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩とハロゲン化アルキルとをモル比1:2〜1:2.5で混合した後、60℃〜80℃に加熱し、撹拌して24時間〜72時間反応させる。反応液を冷却した後、酢酸エチルで三回洗浄し、洗浄した生成物を真空干燥し、精製されたアルキルビス第四級アンモニウムハライドを得る。
【0037】
ここで、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩は、N,N,N’,N’−テトラメチル−エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン又はN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンである。ハロゲン化アルキルは、メトキシエトキシクロロメタン
【0041】
である。洗浄後の生成物は、80℃で48時間真空干燥した後、アルキルビス第四級アンモニウムハライドを得る。
【0042】
本発明では、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩とハロゲン化アルキルとを完全に反応させればよく、反応時間が24時間〜72時間であることに限定することないこと、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩とハロゲン化アルキルとの反応は、不活性ガス雰囲気において行われればよく、窒素ガス又はアルゴンガスの雰囲気に限定することないこと、及び、反応液の冷却後に、酢酸エチルで三回洗浄することでアルキルビス第四級アンモニウムハライドを精製することに限定することなく、当該技術分野におけるその他の方法を用いてアルキルビス第四級アンモニウムハライドを精製してもよいことが理解されるべきである。
【0043】
[ステップS12]ステップS11で調製したアルキルビス第四級アンモニウムハライドと、一般式がM
+Y
−である塩とをモル比1:2で混合した後、脱イオン水に添加し、アルキルビス第四級アンモニウムハライドと、一般式M
+Y
−の塩とがイオン交換反応を行い、反応温度が室温であり、反応時間が8時間〜24時間である。アルキルビス第四級アンモニウムハライドと、一般式がM
+Y
−の塩とを撹拌し反応させた後得られた混合溶液をジクロロメタンで抽出する。当該抽出は、得られた脱イオン水相をAgNO
3飽和水溶液で滴定して沈殿が生じなくなるまで続ける。ジクロロメタンの抽出液を蒸発させ濃縮した後、80℃で48時間真空乾燥して下記に示す構造式を有する2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体を得る。
【0045】
ここで、nは2、3又は6であり、M
+は、Na
+、K
+又はNH
4+であり、Y
−は、BF
4−、PF
6−、(FSO
2)
2N
−、(CF
3SO
2)
2N
−又はCF
3SO
3−である。
【0053】
X
−は、Cl
−、又はBr
−を示し、R-は
【0056】
本発明では、ビス第四級アンモニウムハライドと、一般式がM
+Y
−である塩とが、完全にイオン交換反応すればよく、前記イオン交換反応時間が8時間〜24時間であることに限定することないこと、及び、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体の分離と精製は、当該技術分野におけるその他の方法及びその他の溶剤を用いてもよいことが理解されるべきである。
【0057】
上述した2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体の調製方法は、使用する溶剤の毒性が低く、調製工程が比較的簡単であるため、コストが低くなり、大規模の生産に好適である。
【0058】
本発明の一実施形態における電解液は、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体と、有機溶剤と、リチウム塩とを含む。
【0059】
2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体は、下記に示す構造式を有する。
【0061】
ここで、nは2、3又は6であり、Y
−はBF
4−、PF
6−、(FSO
2)
2N
−、(CF
3SO
2)
2N
−又はCF
3SO
3−である。
【0062】
有機溶剤と2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体との質量比は、0以上であり、かつ100以下である。有機溶剤は、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、及びプロピオン酸エチル(EP)からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0063】
リチウム塩の濃度は0.3mol/L〜1.2mol/Lであり、好ましくは、1mol/Lである。リチウム塩は、テトラフルオロほう酸リチウム(LiBF
4)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF
6)、リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)及びリチウム・ビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)からなる群から任意に選択される少なくとも1つである。
【0064】
本発明の一実施形態における電解液の調製方法は、下記のステップを含む。
【0065】
[ステップS21]有機溶剤を提供し、有機溶剤に対して2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体を添加し、均一に撹拌する。有機溶剤と2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体との質量比は、0以上100以下である。2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体は、下記に示す構造式を有する。
【0067】
ここで、nは2、3又は6であり、Y
−はBF
4−、PF
6−、(FSO
2)
2N
−、(CF
3SO
2)
2N
−又はCF
3SO
3−である。
【0068】
有機溶剤は、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、及びプロピオン酸エチル(EP)からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0069】
好ましくは、ステップS21は、不活性ガス雰囲気下で行われる。不活性ガスは、窒素ガス又はアルゴンガスである。
【0070】
[ステップS22]有機溶剤と2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体とから構成される混合溶液に対して、リチウム塩を添加し、撹拌して溶解させる。リチウム塩の濃度は0.3mol/L〜1.2mol/Lである。
【0071】
リチウム塩は、テトラフルオロほう酸リチウム(LiBF
4)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF
6)、リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)及びリチウム・ビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)からなる群から任意に選択される少なくとも1つである。リチウム塩の濃度は、好ましくは1mol/Lである。
【0072】
上述した電解液及びその調製方法において、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体の安定性が良好であり、電解液の分解電圧が高い。リチウム塩は、リチウムイオン電池又はリチウムキャパシタにおける使用では、リチウムイオンを提供し、有機溶剤は、電解液の粘度を降下させることができる。
【0073】
以下、具体的な実施例を説明する。
[実施例1]
本実施例は、ビス第四級アンモニウムテトラフルオロほう酸塩(n=2)を調製した。
【0074】
250mLのフラスコに、1molのN,N,N’,N’−テトラメチル−エチレンジアミンと2.1molのメトキシエトキシクロロメタンとをそれぞれ添加し、N
2雰囲気下で、60℃〜80℃に昇温し、撹拌して24時間〜72時間反応させた。静置冷却して、酢酸エチルで3回洗浄した。80℃で真空干燥し、薄黄色の固体を得た(収率が78%)。
【0075】
500mLのフラスコに、0.5molのアルキルアンモニウムクロライドと、1molのNaBF
4と、100mL〜150mLの脱イオン水とを添加し、室温で、8〜24時間撹拌した。反応終了後、混合溶液を、250mLのジクロロメタンで3回抽出し、抽出液を混合した。さらに、1回あたりに60mLの脱イオン水で逆抽出し、AgNO
3飽和水溶液で水相を滴定し、沈殿が生じなくなるまでに当該逆抽出を続けた。ジクロロメタン相に対して、エボパレーターで濃縮した後、80℃で48時間真空干燥して、薄黄色の固体を得た。
【0076】
nは2である場合、2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩テトラフルオロほう酸塩のNMRスペクトルデータは下記に示す。
【0077】
1H NMR ((CD
3)
2CO, 400 MHz, ppm): 5.85 (s, 4H), 4.34 (m, 4H), 3.48 (s, 12H), 3.44 (m,8H), 3.24 (s, 6H).
[実施例2]
本実施例では、ビス第四級アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩を調製した。
【0078】
250mLのフラスコに、1molのN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミンと2.1molのメトキシエトキシブロモメタンとをそれぞれ入れ、Ar
2雰囲気下で、60℃〜80℃に昇温し、撹拌して、24時間〜72時間反応させた。静置冷却した後、酢酸エチルで3回洗浄した。80℃で真空干燥し、薄黄色の固体を得た(收率が80%)。
【0079】
500mLのフラスコに、0.5molのアルキル第四級アンモニウムブロミドと、1molのKPF
6と、100mL〜150mLの脱イオン水を入れ、室温下で、8時間〜24時間撹拌した。反応終了後、混合溶液を250mLのジクロロメタンで3回抽出し、抽出液を混合した。さらに、1回あたりに60mLの脱イオン水で逆抽出し、AgNO
3飽和水溶液で水相を滴定し、沈殿が生じなくなるまでに当該逆抽出を続けた。ジクロロメタン相に対して、エボパレーターで濃縮した後、80℃で48時間真空干燥して、薄黄色の固体を得た。
【0080】
nは3である場合、ビス第四級アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩のNMRスペクトルデータは下記に示す。
【0081】
1H NMR ((CD
3)
2CO, 400 MHz, ppm): 5.84 (s, 4H), 3.76 (m, 4H), 2.64 (m, 2H), 3.46 (s,12H), 3.43 (m, 8H), 3.24 (s, 6H).
[実施例3]
本実施例では、ビス第四級アンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを調製した。
【0082】
250mLのフラスコに、それぞれ、1molのN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンと、2.1molのメトキシエトキシクロロメタンとを入れ、N
2雰囲気下で、60℃〜80℃に昇温し、24時間〜72時間撹拌して反応させた。静置冷却した後、酢酸エチルで3回洗浄した。80℃で真空干燥し、薄黄色の固体を得た(收率が78%)。
【0083】
500mLのフラスコに、それぞれ、0.5molのアルキル第四級アンモニウムクロライドと、カリウム・トリフルオロメタンスルホニルイミド(KTFSI、319g、1mol)と、100mL〜150mLの脱イオン水を入れ、室温下で、8時間〜24時間撹拌した。反応終了後、混合溶液を250mLのジクロロメタンで3回抽出し、抽出液を混合した。さらに、1回あたりに60mLの脱イオン水で逆抽出し、AgNO
3飽和水溶液で水相を滴定し、沈殿が生じなくなるまでに当該逆抽出を続けた。ジクロロメタン相に対して、エボパレーターで濃縮した後、80℃で48時間真空干燥して、薄黄色の固体を得た。
【0084】
nは6である場合、ビス第四級アンモニウムトリフルオロメタンスルホニルイミドのNMRスペクトルデータは下記に示す。
【0085】
1H NMR ((CD
3)
2CO, 400 MHz, ppm): 5.84 (s, 4H), 3.76 (m, 4H), 2.23 (m, 4H), 1.79 (m,4H), 3.46 (s, 12H), 3.43 (m, 8H), 3.24 (s, 6H).
[実施例4]
本実施例では、ビス第四級アンモニウムトリフルオロメタンスルホナートを調製した。
【0086】
250mLのフラスコに、それぞれ、1molのN,N,N’,N’−テトラメチル−エチレンジアミンと、2.1molのメトキシエトキシクロロメタンとを入れ、N
2雰囲気下で、60℃〜80℃に昇温し、24時間〜72時間撹拌して反応させた。静置冷却した後、酢酸エチルで3回洗浄した。80℃で真空干燥し、薄黄色の固体を得た(收率が78%)。
【0087】
500mLのフラスコに、0.5molのアルキル第四級アンモニウムクロライドと、1molのCF
3SO
3Naと、100mL〜150mLの脱イオン水を入れ、室温下で、8時間〜24時間撹拌した。反応終了後、混合溶液を250mLのジクロロメタンで3回抽出し、抽出液を混合した。さらに、1回あたりに60mLの脱イオン水で逆抽出し、AgNO
3飽和水溶液で水相を滴定し、沈殿が生じなくなるまでに当該逆抽出を続けた。ジクロロメタン相に対して、エボパレーターで濃縮した後、80℃で48時間真空干燥して、薄黄色の固体を得た。
【0088】
nは2である場合、ビス第四級アンモニウムトリフルオロメタンスルホナートのNMRスペクトルデータは下記に示す。
【0089】
1H NMR ((CD
3)
2CO, 400 MHz, ppm): 5.86 (s, 4H), 4.34 (m, 4H), 3.47 (s, 12H), 3.44 (m,8H), 3.25 (s, 6H).
[実施例5]
本実施例では、ビス第四級アンモニウムテトラフルオロほう酸塩を調製した(n=3)。
【0090】
250mLのフラスコに、それぞれ、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミンと、2.5molメトキシエトキシブロモメタンとを入れ、Ar
2雰囲気下で、60℃〜80℃に昇温し、24時間〜72時間撹拌して反応させた。静置冷却した後、酢酸エチルで3回洗浄した。80℃で真空干燥し、薄黄色の固体中間体であるアルキルビス第四級アンモニウムクロライドを得た。
【0091】
500mLのフラスコに、0.5molのアルキルビス第四級アンモニウムブロミドと、1molのKBF
4と、100mL〜150mLの脱イオン水を入れ、室温下で、8時間〜24時間撹拌した。反応終了後、混合溶液を250mLのジクロロメタンで3回抽出し、抽出液を混合した。さらに、1回あたりに60mLの脱イオン水で逆抽出し、AgNO
3飽和水溶液で水相を滴定し、沈殿が生じなくなるまでに当該逆抽出を続けた。ジクロロメタン相に対して、エボパレーターで濃縮した後、80℃で48時間真空干燥して、薄黄色の固体を得た。
【0092】
nは3である場合、ビス第四級アンモニウムテトラフルオロほう酸塩のNMRスペクトルデータは下記に示す。
【0093】
1H NMR ((CD
3)
2CO, 400 MHz, ppm): 5.84 (s, 4H), 3.76 (m, 4H), 2.64 (m, 2H), 3.46 (s,12H), 3.43 (m, 8H), 3.24 (s, 6H).
[実施例6]
本実施例では、ビス第四級アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩を調製した。
【0094】
250mLのフラスコに、それぞれ、1molのN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンと、メトキシエトキシブロモメタンとを入れ、N
2雰囲気下で、60℃〜80℃に昇温し、24時間〜72時間撹拌して反応させた。静置冷却した後、酢酸エチルで3回洗浄した。80℃で真空干燥し、薄黄色の固体中間体であるアルキルビス第四級アンモニウムブロミドを得た。
【0095】
500mLのフラスコに、0.5molのアルキルビス第四級アンモニウムブロミドと、1molのKPF
6と、100mL〜150mLの脱イオン水を入れ、室温下で、8時間〜24時間撹拌した。反応終了後、混合溶液を250mLのジクロロメタンで3回抽出し、抽出液を混合した。さらに、1回あたりに60mLの脱イオン水で逆抽出し、AgNO
3飽和水溶液で水相を滴定し、沈殿が生じなくなるまでに当該逆抽出を続けた。ジクロロメタン相に対して、エボパレーターで濃縮した後、80℃で48時間真空干燥して、薄黄色の固体を得た。
【0096】
nは6である場合、ビス第四級アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩のNMRスペクトルデータは下記に示す。
【0097】
1H NMR ((CD
3)
2CO, 400 MHz, ppm): 5.84 (s, 4H), 3.75 (m, 4H), 2.23 (m, 4H), 1.78 (m,4H), 3.46 (s, 12H), 3.43 (m, 8H), 3.24 (s, 6H).
[実施例7]
本実施例では、ビス第四級アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを調製した。
【0098】
250mLのフラスコに、それぞれ、1molのN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンと、2.4molのメトキシエトキシクロロメタンとを入れ、N
2雰囲気下で、60℃〜80℃に昇温し、24時間〜72時間撹拌して反応させた。静置冷却した後、酢酸エチルで3回洗浄した。80℃で真空干燥し、薄黄色の固体中間体であるアルキルビス第四級アンモニウムクロライドを得た。
【0099】
500mLのフラスコに、0.5molのアルキルビス第四級アンモニウムクロライドと、リチウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CF
3SO
2)
2NK、319g,1mol)と、100mL〜150mLの脱イオン水とを入れ、室温下で、8時間〜24時間撹拌した。反応終了後、混合溶液を250mLのジクロロメタンで3回抽出し、抽出液を混合した。さらに、1回あたりに60mLの脱イオン水で逆抽出し、AgNO
3飽和水溶液で水相を滴定し、沈殿が生じなくなるまでに当該逆抽出を続けた。ジクロロメタン相に対して、エボパレーターで濃縮した後、80℃で48時間真空干燥して、薄黄色の固体を得た。
【0100】
nは6である場合、ビス第四級アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのNMRスペクトルデータは下記に示す。
【0101】
1H NMR ((CD
3)
2CO, 400 MHz, ppm): 5.84 (s, 4H), 3.76 (m, 4H), 2.23 (m, 4H), 1.79 (m,4H), 3.46 (s, 12H), 3.43 (m, 8H), 3.24 (s, 6H).
[実施例8]
本実施例では、ビス第四級アンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドを調製した。
【0102】
250mLのフラスコに、それぞれ、1molの N,N,N’,N’−テトラメチル−エチレンジアミンと、2.5molのメトキシエトキシクロロメタンとを入れ、N
2雰囲気下で、60℃〜80℃に昇温し、24時間〜72時間撹拌して反応させた。静置冷却した後、酢酸エチルで3回洗浄した。80℃で真空干燥し、薄黄色の固体中間体であるアルキルビス第四級アンモニウムクロライドを得た。
【0103】
500mLのフラスコに、0.5molのアルキルビス第四級アンモニウムクロライドと、1mol(FSO
2)
2NNaと、100mL〜150mLの脱イオン水とを入れ、室温下で、8時間〜24時間撹拌した。反応終了後、混合溶液を250mLのジクロロメタンで3回抽出し、抽出液を混合した。さらに、1回あたりに60mLの脱イオン水で逆抽出し、AgNO
3飽和水溶液で水相を滴定し、沈殿が生じなくなるまでに当該逆抽出を続けた。ジクロロメタン相に対して、エボパレーターで濃縮した後、80℃で48時間真空干燥して、薄黄色の固体を得た。
【0104】
nは6である場合、ビス第四級アンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドのNMRスペクトルデータは下記に示す。
【0105】
1H NMR ((CD
3)
2CO, 400 MHz, ppm): 5.84 (s, 4H), 3.75 (m, 4H), 2.24 (m, 4H), 1.78 (m,4H), 3.45 (s, 12H), 3.42 (m, 8H), 3.24 (s, 6H).
[実施例9]
N
2雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを、2:3:1:2の体積比で、有機溶剤(混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PCと略し)を調製した。さらに、混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PC :2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体を質量比10:1で、ビス第四級アンモニウムテトラフルオロほう酸塩イオン液体を添加し、40℃に加熱して、均一な有機相になるように撹拌した。最後、リチウム塩のモル濃度が1mol/L(有機相の体積であるV
EC+ EMC + DMC + PC+2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体に基づいてリチウム塩の量を算出)になるように、所定量のリチウム塩(LiBF
4)を添加し、さらに、リチウム塩が完全に溶解するまでに撹拌し、目的の有機電解液を得た。
【0106】
図1を参照し、
図1では、グラフェンを電極材料とし、実施例9で得られた目的の有機電解液を電解液として使用し、ボタン式電池に組み立てた。エレクトロケミカルワークステーションのモデルCHI660Aを使用して、0V〜2.7Vの電位窓内で、0.75A/gの電流で充放電テストを行い、充放電曲線を得た。
【0107】
図1により、当該電解液と電極材料とから形成したスーパーキャパシタに対して、通常のテストを行うことで、標準の充放電曲線が得られることから、調製した電解液は、スーパーキャパシタの電解液に適用可能であり、2.7Vの高い充電電圧内の電解液は、比較的良好な安定性を有することが確認された。
[実施例10]
Ar
2の雰囲気下で、100mLのビス第四級アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩のイオン液体を入れ、40℃に加熱して撹拌して、さらに、リチウム塩のモル濃度が1mol/Lであるように、所定量のリチウム塩(LiPF
6)を添加し、リチウムが完全に溶解するまで撹拌し、目的の有機電解液を得た。
[実施例11]
N
2(又はAr
2)雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを2:3:1:2の体積比で、有機溶剤(混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PCと略し)を調製した。さらに、混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PC :2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体を質量比1:100で、ビス第四級アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩イオン液体を添加し、40℃に加熱し、均一の有機相になるまで撹拌した。最後、リチウム塩のモル濃度が0.3mol/L(有機相の体積であるV
EC+ EMC + DMC + PC+2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体に基づいてリチウム塩の量を算出)になるように、所定量のリチウム塩(LiTFSI)を添加し、さらに、リチウム塩が完全に溶解するまでに撹拌し、目的の有機電解液を得た。
[実施例12]
N
2(又はAr
2)雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを2:3:1:2の体積比で、有機溶剤(混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PCと略し)を調製した。さらに、混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PC :2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体を質量比1:10で、ビス第四級アンモニウムビス(トリフルオロメタスルホニル)イミドのイオン液体を添加し、40℃に加熱し、均一の有機相になるまで撹拌した。最後、リチウム塩のモル濃度が1.2mol/L(有機相の体積であるV
EC+ EMC + DMC + PC+2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体に基づいてリチウム塩の量を算出)になるように、所定量のリチウム塩(例えば、LiBF
4、LiPF
6、LiTFSI、LiFSI)を添加し、さらに、リチウム塩が完全に溶解するまでに撹拌し、目的の有機電解液を得た。
[実施例13]
N
2(又はAr
2)雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを2:3:1:2の体積比で、有機溶剤(混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PCと略し)を調製した。さらに、混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PC :2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体を質量比1:1で、ビス第四級アンモニウムビス(フルオロメタスルホニル)イミドのイオン液体を添加し、40℃に加熱し、均一の有機相になるまで撹拌した。最後、リチウム塩のモル濃度が1.2mol/L(有機相の体積であるV
EC+ EMC + DMC + PC+2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体に基づいてリチウム塩の量を算出)になるように、所定量のリチウム塩(LiTFSI、LiFSI)を添加し、さらに、リチウム塩が完全に溶解するまでに撹拌し、目的の有機電解液を得た。
[実施例14]
N
2(又はAr
2)雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを2:3:1:2の体積比で、有機溶剤(混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PCと略し)を調製した。さらに、混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PC :2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体を質量比40:1で、ビス第四級アンモニウムビス(フルオロメタスルホニル)イミドのイオン液体を添加し、40℃に加熱し、均一の有機相になるまで撹拌した。最後、リチウム塩のモル濃度が1mol/L(有機相の体積であるV
EC+ EMC + DMC + PC+2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体に基づいてリチウム塩の量を算出)になるように、所定量のリチウム塩(LiFSI)を添加し、さらに、リチウム塩が完全に溶解するまでに撹拌し、目的の有機電解液を得た。
[実施例15]
N
2(又はAr
2)雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを2:3:1:2の体積比で、有機溶剤(混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PCと略し)を調製した。さらに、混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PC :2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体を質量比70:1で、ビス第四級アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩のイオン液体を添加し、40℃に加熱し、均一の有機相になるまで撹拌した。最後、リチウム塩のモル濃度が1mol/L(有機相の体積であるV
EC+ EMC + DMC + PC+2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体に基づいてリチウム塩の量を算出)になるように、所定量のリチウム塩(LiTFSI)を添加し、さらに、リチウム塩が完全に溶解するまでに撹拌し、目的の有機電解液を得た。
[実施例16]
N
2(又はAr
2)雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを2:3:1:2の体積比で、有機溶剤(混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PCと略し)を調製した。さらに、混合溶剤
EC+ EMC + DMC + PC :2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体を質量比100:1で、ビス第四級アンモニウムテトラフルオロほう酸塩のイオン液体を添加し、40℃に加熱し、均一の有機相になるまで撹拌した。最後、リチウム塩のモル濃度が1mol/L(有機相の体積であるV
EC+ EMC + DMC + PC+2つの中心を有するビス第四級アンモニウム塩のイオン液体に基づいてリチウム塩の量を算出)になるように、所定量のリチウム塩(LiBF
4)を添加し、さらに、リチウム塩が完全に溶解するまでに撹拌し、目的の有機電解液を得た。
【0108】
上述した実施例は、具体的、かつ詳細に説明しており、本発明のいくつかの実施形態を示すものであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。本発明の思想を逸脱しないことを前提とする場合、当業者が、複数の変形及び変更をしても、本発明の保護範囲に属するものであると理解されるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に基づくものである。