(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の直動ガイドおよび第2の直動ガイドのそれぞれに潤滑油を分配する潤滑油分配器が前記ナット部材に取り付けられる請求項1に記載のクランクシャフトミラー。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2529100号公報
【0004】
図9(a)〜(c)に示されるように、特許文献1に係るクランクシャフトミラー100は、加工すべきワーク(クランクシャフト)101の水平軸線と平行なZ軸方向に移動自在にベッド102上に設置されるサドル103を備えている。このサドル103上には、Z軸方向と直交かつ水平なY軸方向に移動自在にスライド104が設置されている。
【0005】
図9(a)に示されるように、スライド104には、スイングヘッド105が取り付けられている。このスイングヘッド105の一端部は、支持軸106によって回転自在に支持されている。また、このスイングヘッド105の他端部は、スライド104上に設置される揺動駆動機構107によって上下方向であるX軸方向に揺動自在に支持されている。
スイングヘッド105の中間部には、カッタモータ108(
図9(c)参照)によって駆動される回転カッタ109が装着されている。また、スイングヘッド105の他端部には、回転自在に軸部材110が装着されている。
ここで、
図9(c)に示されるように、スライド104には、軸部材110が装着されるスイングヘッド105の他端部に向かって開口された断面コの字形状の収容部104aが形成されている。
【0006】
図9(b)に示されるように、揺動駆動機構107は、スイングヘッド105の他端側でX軸方向に延設されるボール螺子軸111を備えている。このボール螺子軸111の上部および下部はそれぞれ軸受装置112および軸受装置113を介してスライド104に回転自在に支持されている。
ボール螺子軸111の上端部にはベベルギヤ114が取り付けられている。このベベルギヤ114に噛合するベベルギヤ115が揺動モータ116の出力軸に取り付けられている。
ボール螺子軸111の中間部には、ナット部材117が嵌め合わされている。
ここで、
図9(c)に示されるように、ボール螺子軸111やナット部材117は、スライド104の収容部104a内に納められている。
【0007】
図9(b)(c)に示されるように、ナット部材117と軸部材110との間には、ナット部材117に対し軸部材110をY軸方向に変位自在に案内する第1の直動ガイド121が介在されている。また、ナット部材117とスライド104との間には、ナット部材117をボール螺子軸111に沿ってX軸方向に案内する第2の直動ガイド122が介在されている。
【0008】
図9(a)(c)に示されるように、スイングヘッド105の他端部には、外側に向けて突出される係合凸部105aが設けられている。この係合凸部105aを挟み込む凹部を有してX軸方向に延設される挟み込みガイド123がスライド104に設けられている。この挟み込みガイド123は、スライド104の収容部104aの開口側でスイングヘッド105の外側に配置されている。
これら係合凸部105aと挟み込みガイド123とを係合させるようにした挟み込み構造124は、スイングヘッド105をZ軸方向に傾倒させようとするZ軸方向傾倒荷重F(
図9(b)参照)を受け止める役目をする。
【0009】
このクランクシャフトミラー100おいては、図示されないZ軸方向送り機構により、サドル103がZ軸方向に移動される。
また、
図9(a)に示されるY軸方向送り機構125により、スライド104がY軸方向に移動される。
また、
図9(b)(c)に示される揺動駆動機構107において、揺動モータ116の作動にてボール螺子軸111が回転駆動されると、このボール螺子軸111に嵌め合わされているナット部材117が上下方向に移動される。このナット部材117の上下方向の移動により、スイングヘッド105が支持軸106(
図9(a)参照)を支点として上下方向(X軸方向)に揺動される。
そして、スイングヘッド105に装備される回転カッタ109を回転させながら、サドル103のZ軸方向の直線運動と、スライド104のY軸方向の直線運動と、スイングヘッド105のX軸方向の揺動運動との合成運動により、回転カッタ109をワーク101の周囲で公転させつつワーク101の水平軸線に沿って移動させてワーク101のピン部やジャーナル部を切削加工する。
【0010】
ところで、特許文献1に係るクランクシャフトミラー100では、
図9(c)に示されるように、挟み込み構造124における挟み込みガイド123がスライド104の収容部104aの開口側でスイングヘッド105の外側に配置されている。
このため、揺動駆動機構107のメンテナンスのために、スライド104の収容部104a内に納められているボール螺子軸111やナット部材117にアクセスしようとしても、挟み込みガイド123が邪魔になり、メンテナンスが非常に困難であるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、スイングヘッドの揺動駆動機構のメンテナンス性を向上させることができるクランクシャフトミラーを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明によるクランクシャフトミラーは、
加工すべきワークの水平軸線に平行なZ軸方向と直交かつ水平なY軸方向に移動自在なスライドと、
一端部が支持軸によって回転自在に前記スライドに支持されて上下方向であるX軸方向に揺動自在なスイングヘッドと、
前記支持軸と平行を成して前記スイングヘッドの他端部に回転自在に装着される軸部材と、
前記スイングヘッドの他端側でX軸方向に延設される螺子軸と、
前記螺子軸に嵌め合わされるナット部材と、
前記ナット部材と前記軸部材との間に介在され、前記ナット部材に対し前記軸部材をY軸方向に変位自在に案内する第1の直動ガイドと、
前記ナット部材と前記スライドとの間に介在され、前記ナット部材を前記螺子軸に沿ってX軸方向に案内する第2の直動ガイドと
を備えるクランクシャフトミラーにおいて、
前記第1の直動ガイドは、Y軸方向に延設されてX軸方向に平行な配置で前記軸部材またはナット部材
の外側面に
前記ナット部材または軸部材に向けて突出するように固定される少なくとも2本のY軸方向ガイドレールと、
前記ナット部材または前記軸部材の外側面に固定され前記Y軸方向ガイドレールのそれぞれに摺動自在に設けられるY軸方向ガイドブロックとを備えてなり、
前記第2の直動ガイドは、前記螺子軸と平行にX軸方向に延設されて前記スライドに固定されるX軸方向ガイドレールと、
前記ナット部材の外側面に固定され前記X軸方向ガイドレールに摺動自在に
装着されてX軸方向に並んで配置される少なくとも2つのX軸方向ガイドブロックとを備えてなる
ことを特徴とするものである(第1発明)。
【0013】
本発明において、前記第1の直動ガイドおよび第2の直動ガイドのそれぞれに潤滑油を分配する潤滑油分配器が前記ナット部材に取り付けられるのが好ましい(第2発明)。
【0014】
本発明において、前記ナット部材には、X軸方向に張り出すようにフランジが形成されるのが好ましい(第3発明)。
【発明の効果】
【0015】
第1発明のクランクシャフトミラーにおいては、スイングヘッドをZ軸方向に傾倒させようとするZ軸方向傾倒荷重が、軸部材から第1の直動ガイド、ナット部材および第2の直動ガイドを介してスライドに伝達される。
ここで、Z軸方向傾倒荷重が軸部材から第1の直動ガイドを介してナット部材に伝達される際において、Z軸方向傾倒荷重は、X軸方向(上下方向)に平行に配置される少なくとも2本のY軸方向ガイドレールと、各Y軸方向ガイドレールに摺動自在に設けられるY軸方向ガイドブロックとによって強固に受け止められる。
また、Z軸方向傾倒荷重がナット部材から第2の直動ガイドを介してスライドに伝達される際において、Z軸方向傾倒荷重は、スライドに固定されるX軸方向ガイドレールと、このX軸方向ガイドレールに摺動自在に設けられてX軸方向(上下方向)に並んで配置される少なくとも2つのX軸方向ガイドブロックとによって強固に受け止められる。
第1発明のクランクシャフトミラーによれば、スイングヘッドのZ軸方向傾倒荷重が第1の直動ガイドおよび第2の直動ガイドによってそれぞれ強固に受け止められる。このため、従来のクランクシャフトミラー100において、係合凸部105aと挟み込みガイド123とによる挟み込み構造124が担っていたスイングヘッド105のZ軸方向傾倒荷重Fを受け止める役目を補完することができ、従来のクランクシャフトミラー100で必要とされていた挟み込み構造124をなくすことができる。したがって、スイングヘッドの揺動駆動機構のメンテナンス性を向上させることができるという効果がある。
【0016】
また、第2発明の構成を採用することにより、潤滑油分配器から第1の直動ガイドおよび第2の直動ガイドのそれぞれに繋がる潤滑油分配管の長さを短くすることができる。
【0017】
また、第3発明の構成を採用することにより、ナット部材のX軸方向の移動ストロークを犠牲にすることなく、X軸方向ガイドブロックの取付可能領域を広げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明によるクランクシャフトミラーの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
〔第1の実施形態〕
<クランクシャフトミラーの概略構成の説明:
図1参照>
図1に示されるクランクシャフトミラー1は、本体部分の基礎となる機台を構成するベッド2と、このベッド2上で互いに対向するように設置される2基のワークヘッド3,3と、これらワークヘッド3,3の間に設置される2基のカッタユニット4,4´とを備えている。
【0021】
<チャックの説明:
図2参照>
図2に示されるように、各ワークヘッド3,3の対向面には、ワーク(クランクシャフト)5をクランプするチャック6がそれぞれ配されている。
【0022】
<ワークの説明:
図2参照>
ワーク5は、例えば4気筒エンジンに使用されるクランクシャフトである。このワーク5は、水平軸線に沿う方向に所定の間隔を存して配される所要のメインジャーナル部5aを有している。互いに隣接するメインジャーナル部5aの間には、カウンタウェイト部5bを介してピンジャーナル部5cが形成されている。
【0023】
<カッタユニットの概略説明:
図1〜3参照>
図1に示されるように、各カッタユニット4,4´は、加工すべきワーク5(
図2参照)の水平軸線と平行なZ軸方向に移動自在にベッド2上に設置されるサドル7を備えている。
図3に示されるように、サドル7上には、Z軸方向と直交かつ水平なY軸方向に移動自在にスライド8が設置されている。
【0024】
<ワークレストの簡略説明:
図1,2参照>
図1に示されるように、2基のカッタユニット4,4´のうちの片側のカッタユニット4´におけるサドル7には、当該カッタユニット4´との相対位置を一定に保った状態でワークレスト9が固定されている。このワークレスト9は、例えば、
図2に示されるように、ワーク5のピンジャーナル部5cを加工する際に、その加工部に隣接するメインジャーナル部5aをクランプして加工中にワーク5が振れないように支持する役目をする。
【0025】
<サドルのZ軸方向送り機構の説明:
図4参照>
図4に示されるように、サドル7をZ軸方向に移動させるZ軸方向送り機構10は、ベッド2上でZ軸方向に延設されるボール螺子軸11を備えている。このボール螺子軸11には、サドル7に固着されたボールナット12が嵌め合わされている。また、このボール螺子軸11の端部は、カップリング13を介してZ軸方向送りモータ14の出力軸に接続されている。
ボール螺子軸11の外周面には、螺旋状の螺子溝が形成されている。
ボールナット12の内周面には、ボール螺子軸11の螺子溝に対向する螺子溝が形成されている。
ボール螺子軸11の螺子溝とボールナット12の螺子溝とによって形成される螺旋状のボール転動路には、複数のボールが転動自在に装填されている。
Z軸送りモータ14の作動にてボール螺子軸11が回転駆動されると、ボールナット12がZ軸方向に移動され、このボールナット12の移動に伴ってサドル7がZ軸方向に移動される。
【0026】
<スライドのY軸方向送り機構の説明:
図3参照>
図3に示されるように、スライド8をY軸方向に移動させるY軸方向送り機構15は、サドル7上でY軸方向に延設されるボール螺子軸16を備えている。このボール螺子軸16には、スライド8に固着されたボールナット17が嵌め合わされている。また、このボール螺子軸16の端部にはベベルギヤ18が取り付けられている。このベベルギヤ18に噛合するベベルギヤ19がY軸方向送りモータ20の出力軸に取り付けられている。
Y軸送りモータ20の作動にてボール螺子軸16が回転駆動されると、ボールナット17がY軸方向に移動され、ボールナット17の移動に伴ってスライド8がY軸方向に移動される。
【0027】
<スイングヘッドの説明:
図3参照>
スライド8には、スイングヘッド21が取り付けられている。このスイングヘッド21の一端部は、支持軸22を介してスライド8に回転自在に支持されている。また、このスイングヘッド21の他端部には、軸部材23が装着されている。
【0028】
<軸部材の説明:
図5参照>
図5に示されるように、軸部材23は、スイングヘッド21の他端部に回転自在に支持される軸部23aと、この軸部23aの基端側に一体的に設けられるガイドレール取付板部23bとを有している。この軸部材23は、スイングヘッド21の他端側においてスライド8上に設置される揺動駆動機構24に接続されている。この揺動駆動機構24により、スイングヘッド21の他端部が支持軸22を支点として上下方向であるX軸方向に揺動される。
【0029】
<スライドの収容部の説明:
図5参照>
スライド8の他端側には、軸部材23が装着されるスイングヘッド21の他端部に向かって開口された断面コの字形状の収容部8aが形成されている。
【0030】
<回転カッタ駆動機構の説明:
図5参照>
スイングヘッド21の中間部には、カッタドラム25が回転自在に組み込まれている。このカッタドラム25は、所要の歯車や動力伝達軸等により構成される動力伝達機構26を介してカッタモータ27に接続されている。
カッタドラム25には、カッタアダプタ28を介して回転カッタ29が装着されている。
こうして、カッタモータ27の作動により、回転カッタ29が回転駆動されるようになっている。
【0031】
<スイングヘッドの揺動駆動機構の説明:
図6参照>
図6に示されるように、揺動駆動機構24は、スイングヘッド21の他端側でX軸方向に延設されるボール螺子軸31を備えている。
【0032】
<ボール螺子軸の支持構造、ナット部材、動力伝達機構の説明:
図6参照>
ボール螺子軸31の上部は、スライド8の上面部に固定されたギヤボックス32に軸受装置33を介して回転自在に支持されている。また、ボール螺子軸31の下部は、軸受装置34を介してスライド8に回転自在に支持されている。
ボール螺子軸31の中間部には、ナット部材35が嵌め合わされている。このナット部材35は、複数のボールを介してボール螺子軸31に螺合するボールナット35aと、このボールナット35aが嵌め込まれて固定されるボールナット取付ブロック35bとにより構成されている。
ボール螺子軸31の上端部にはベベルギヤ36が取り付けられている。このベベルギヤ36に噛合するベベルギヤ37が揺動モータ38の出力軸に取り付けられている。
【0033】
<第1の直動ガイドの説明:
図6参照>
ナット部材35と軸部材23との間には、ナット部材35に対し軸部材23をY軸方向(
図6の紙面に対し垂直な方向)に変位自在に案内する第1の直動ガイド41が介在されている。この第1の直動ガイド41は、Y軸方向に延設される2本のY軸方向ガイドレール41a,41aを備えている。これら2本のY軸方向ガイドレール41a,41aは、X軸方向に所定間隔を存して平行な配置で軸部材23におけるガイドレール取付板部23bに固定されている。
各Y軸方向ガイドレール41aには、摺動自在にY軸方向ガイドブロック41bが装着されている。各Y軸方向ガイドブロック41bは、ナット部材35に固定されている。
Y軸方向ガイドレール41aにおいては、その長手方向に沿って図示されない転動溝が形成されている
Y軸方向ガイドブロック41bにおいては、Y軸方向ガイドレール41aの転動溝に対向する図示されない転動溝が形成されている。
Y軸方向ガイドレール41aの転動溝とY軸方向ガイドブロック41bの転動溝とによって形成される直線状のボール転動路には、図示されない複数のボールが転動自在に装填されている。
なお、各Y軸方向ガイドレール41aをナット部材35に固定し、各Y軸方向ガイドブロック41bをガイドレール取付板部23bに固定する態様もあり得る。
【0034】
<第2の直動ガイドの説明:
図6参照>
ナット部材35とスライド8との間には、ナット部材35をボール螺子軸31に沿ってX軸方向に案内する第2の直動ガイド42が介在されている。この第2の直動ガイド42は、ボール螺子軸31と平行にX軸方向に延設されてスライド8に固定される1本のX軸方向ガイドレール42aを備えている。
X軸方向ガイドレール42aには、X軸方向に並んで配置される2つのX軸方向ガイドブロック42b,42bが摺動自在に装着されている。各X軸方向ガイドブロック42bは、ナット部材35に固定されている。
【0035】
<ナット部材のフランジの説明:
図6参照>
ナット部材35のボールナット取付ブロック35bにおけるX軸方向ガイドブロック42bの取付部位には、X軸方向に張り出すようにフランジ43が形成されている。これにより、ナット部材35のX軸方向の移動ストロークを犠牲にすることなく、X軸方向ガイドブロック42bの取付可能領域を広げることができる。
【0036】
<直動ガイド等への潤滑油供給のための配管具の説明:
図6参照>
スイングヘッド21の他端側上部には、ブラケット43を介して第1スイベルジョイント44が取り付けられている。また、ナット部材35の上部には、ブラケット45を介して第2スイベルジョイント46が取り付けられている。
ナット部材35の側面には、潤滑油分配器47が取り付けられている。
第1スイベルジョイント44と第2スイベルジョイント46とはメインホース48によって接続されている。また、第2スイベルジョイント46と潤滑油分配器47とはメイン鋼管49によって接続されている。
潤滑油分配器47から第1の直動ガイド41の摺動部分に向かって分配鋼管(潤滑油分配管)51が配管されている。また、潤滑油分配器47から第2の直動ガイド42の摺動部分に向かって分配鋼管52が配管されている。また、潤滑油分配器47からボールナット35aとボール螺子軸31との螺合部分に向かって分配鋼管53が配管されている。
こうして、潤滑油分配器47をナット部材35に取り付けることにより、分配鋼管51,52,53を出来る限り短くすることができる。
【0037】
<切削加工動作の概略説明:
図2〜6参照>
以上に述べたように構成されるクランクシャフトミラー1においては、
図4に示されるZ軸方向送り機構10により、サドル7がZ軸方向に移動される。また、
図3に示されるY軸方向送り機構15により、スライド8がY軸方向に移動される。また、
図5および
図6に示される揺動駆動機構24において、揺動モータ38の作動にてボール螺子軸31が回転駆動されると、このボール螺子軸31に嵌め合わされているナット部材35が上下方向に移動される。このナット部材35の上下方向の移動により、スイングヘッド21が支持軸22を支点として上下方向(X軸方向)に揺動される。
そして、
図5に示されるカッタモータ27の作動にて回転カッタ29を回転させながら、サドル7のZ軸方向の直線運動(
図4参照)と、スライド8のY軸方向の直線運動(
図3参照)と、スイングヘッド21のX軸方向の揺動運動(
図3参照)との合成運動により、回転カッタ29をワーク5(
図2参照)の周囲で公転させつつワーク5の水平軸線に沿ってZ軸方向に移動させてワーク5のピンジャーナル部5cやメインジャーナル部5aを切削加工する。
【0038】
なお、スイングヘッド21の揺動運動に際して、ナット部材35は上下方向に直線状の軌跡を描く運動であるのに対し、軸部材23は円弧状の軌跡を描く運動であるから、ナット部材35と軸部材23とを直接的に連結するのは構造上不可能である。このため、ナット部材35と軸部材23との間には、ナット部材35に対し軸部材23をY軸方向に変位自在に案内する第1の直動ガイド41が介在されている。これにより、構造上問題なくナット部材35と軸部材23とを連結することができ、ナット部材35から軸部材23に揺動駆動力がスムーズに伝達される。
【0039】
<第1の実施形態の作用効果の説明:
図6参照>
第1の実施形態のクランクシャフトミラー1においては、スイングヘッド21をZ軸方向に傾倒させようとするZ軸方向傾倒荷重Fが、軸部材23から第1の直動ガイド41、ナット部材35および第2の直動ガイド42を介してスライド8に伝達される。
【0040】
ここで、Z軸方向傾倒荷重Fが軸部材23から第1の直動ガイド41を介してナット部材35に伝達される際において、Z軸方向傾倒荷重Fは、X軸方向(上下方向)に平行に配置される2本のY軸方向ガイドレール41a,41aと、各Y軸方向ガイドレール41aに摺動自在に設けられる合計2個のY軸方向ガイドブロック41b,41bとによって強固に受け止められる。
また、Z軸方向傾倒荷重Fがナット部材35から第2の直動ガイド42を介してスライド8に伝達される際において、Z軸方向傾倒荷重Fは、スライド8に固定されるX軸方向ガイドレール42aと、このX軸方向ガイドレール42aに摺動自在に設けられてX軸方向(上下方向)に並んで配置される2つのX軸方向ガイドブロック42bとによって強固に受け止められる。
【0041】
第1の実施形態のクランクシャフトミラー1によれば、スイングヘッド21のZ軸方向傾倒荷重Fが第1の直動ガイド41および第2の直動ガイド42によってそれぞれ強固に受け止められる。このため、従来のクランクシャフトミラー100において、係合凸部105aと挟み込みガイド123とによる挟み込み構造124が担っていたスイングヘッド105のZ軸方向傾倒荷重Fを受け止める役目を補完することができ、従来のクランクシャフトミラー100では必要とされていた挟み込み構造124をなくすことができる。したがって、スイングヘッド21の揺動駆動機構24のメンテナンス性を向上させることができるという効果がある。
【0042】
〔第2の実施形態〕
図7には、本発明の第2の実施形態に係るクランクシャフトミラーのカッタユニットの正面図が示されている。また、
図8には、
図7のD−D線断面図が示されている。
なお、第2の実施形態のクランクシャフトミラー1Aにおいて、第1の実施形態のクランクシャフトミラー1と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては第1の実施形態のクランクシャフトミラー1と異なる点を中心に説明することとする。
【0043】
<ボール螺子軸の支持構造の相違点の説明:
図6,8参照>
図6に示されるように、第1の実施形態のクランクシャフトミラー1において、スイングヘッド21の揺動駆動機構24におけるボール螺子軸31の上部は、スライド8の上面部に固定されたギヤボックス32に軸受装置33を介して回転自在に支持されている。また、ボール螺子軸31の下部は、軸受装置34を介してスライド8に回転自在に支持されている。つまり、第1の実施形態のクランクシャフトミラー1においては、ボール螺子軸31の支持構造として、両持支持構造が採用されている。
これに対し、
図8に示されるように、第2の実施形態のクランクシャフトミラー1Aにおいて、スイングヘッド21の揺動駆動機構24におけるボール螺子軸31の上部は、スライド8の上面部に固定されたギヤボックス32に軸受装置33を介して回転自在に支持される一方で、その下部は第1の実施形態のクランクシャフトミラー1では設けられている軸受装置34によって支持されることがなく、ボール螺子軸31の下端側は自由端状態とされている。つまり、第2の実施形態のクランクシャフトミラー1Aにおいては、ボール螺子軸31の支持構造として、片持支持構造が採用されている。これにより、ボール螺子軸31の下方には開放空間を形成することが可能となる。
【0044】
<シュート部の説明:
図7参照>
そして、
図7に示されるように、第2の実施形態のクランクシャフトミラー1Aにおいては、スライド8におけるボール螺子軸31の下端側に、回転カッタ29による切削加工に伴い発生する切粉を排出するためのシュート部60が形成されている。このシュート部60は、ベッド2側に向かって下方に傾斜する傾斜面60aを有している。
こうして、ボール螺子軸31の下端部分に向かって飛んできた切粉は、重力作用によってシュート部60の傾斜面60aに沿って落下され、ベッド2の内部へと排出される。なお、ベッド2内部に排出された切粉は、図示されない切粉排出装置によって機外へと搬出される。
【0045】
<第2の実施形態の作用効果の説明:
図3,7参照>
第1の実施形態のクランクシャフトミラー1で採用されているボール螺子軸31の両持支持構造(
図3参照)では、下側の軸受装置34に付着・堆積した切粉によってナット部材35の下降動作に支障を来す恐れがある。
これに対して、第2の実施形態のクランクシャフトミラー1Aでは、
図7に示されるように、ボール螺子軸31の支持構造として下側の軸受装置34を設けない片持支持構造が採用されている。しかも、スライド8には、切粉排出用のシュート部60がボール螺子軸31の下端側に形成されている。
第2の実施形態のクランクシャフトミラー1Aによれば、第1の実施形態のクランクシャフトミラー1と同様の作用効果を得ることができるのは言うまでもない。さらに、第2の実施形態のクランクシャフトミラー1Aによれば、切粉に起因するナット部材35の下降動作の不具合を未然に防ぐことができる。
【0046】
以上、本発明のクランクシャフトミラーについて、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。