【実施例】
【0040】
実施例1
図3は、本発明に従ったプロセスのフロー図を説明する。
図3で示されたプロセスで考察されているフィードガスの組成および条件は、
図1および2で示されたものと同じである。従って、本発明の利点を説明するために、
図3のプロセスは、
図1および2のプロセスと比較することができる。
【0041】
図3のプロセスのシミュレーションにおいて、入口ガスは、ストリーム31としてプラントに入り、熱交換器10中で−4°F[−20℃]の冷えた残留ガス(ストリーム45b)、36°F[2℃]の脱メタン装置下部のサイドリボイラー液(ストリーム40)、および、プロパン冷媒と熱交換することによって冷却される。冷却されたストリーム31aは、1°F[−17℃]および955psia[6,584kPa(a)]でセパレーター11に入り、セパレーター11で蒸気(ストリーム32)は、凝縮された液体(ストリーム33)から分離される。セパレーター液(ストリーム33)を、膨張弁12によって分留塔20の運転圧力(およそ452psia[3,116kPa(a)])に膨張させ、ストリーム33aを−25°F[−32℃]に冷却し、続いてそれを分留塔20にカラム中間下部のフィードポイントで供給する。
【0042】
セパレーター11からの蒸気(ストリーム32)は、熱交換器13中で、−38°F[−39℃]の冷えた残留ガス(ストリーム45a)、および、−37°F[−38℃]の脱メタン装置上部のサイドリボイラー液(ストリーム39)と熱交換することによってさらに冷却される。冷却されたストリーム32aは、−31°F[−35℃]および950psia[6,550kPa(a)]でセパレーター14に入り、セパレーター14で蒸気(ストリーム34)が凝縮された液体(ストリーム37)から分離される。セパレーター液(ストリーム37)を、膨張弁19によって塔の運転圧力に膨張させ、ストリーム37aを−65°F[−54℃]に冷却し、続いてそれを分留塔20にカラム中間下部の第2フィードポイントで供給する。
【0043】
セパレーター14からの蒸気(ストリーム34)は、2つのストリーム35及び36に分割される。全蒸気の約38%を含有するストリーム35は、熱交換器15を通過して−124°F[−86℃]の冷たい残留ガス(ストリーム45)と熱交換関係を持ち、冷却されて実質的に凝縮される。続いて、このようにして得られた、実質的に凝縮されたストリーム35aは、−119°F[−84℃]で膨張弁16を介して分留塔20の運転圧力にフラッシュ膨張させる。膨張中にストリームの一部が気化することによって、ストリーム全体が冷却される。
図3で説明されているプロセスにおいて、膨張弁16を出る膨張させたストリーム35bは、−129°F[−89℃]の温度に至り、分留塔20にカラム中間上部のフィードポイントで供給される。
【0044】
セパレーター14からの蒸気の残りの62%(ストリーム36)は、仕事膨張装置17に入り、仕事膨張装置17で高圧フィードのこの部分から機械的エネルギーが抽出される。装置17は、この蒸気を実質的に等エントロピーで塔の運転圧力に膨張させ、その仕事膨張によって、膨張させたストリーム36aを約−85°F[−65℃]の温度に冷却させる。続いて、部分的に凝縮させ膨張させたストリーム36aを、フィードとして分留塔20にカラム中間下部の第3フィードポイントで供給する。
【0045】
塔20における脱メタン装置は、垂直に間隔をあけられた複数のトレイ、1つ以上の充填床、または、トレイと充填材とのいくつかの組み合わせを含有する従来型の蒸留カラムである。脱メタン装置の塔は、上部の吸収(精留)セクション20a(これは、上昇する膨張させたストリーム35bおよび36aの蒸気部分と、下降する冷たい液体との間の必要な接触を提供して、上昇する蒸気からC
2成分、C
3成分およびより重質の成分を凝縮し、かつ吸収するための複数のトレイおよび/または充填材を含有する);および、下部のストリッピングセクション20b(これは、下降する液体と上昇する蒸気との間の必要な接触を提供するための複数のトレイおよび/または充填材を含有する)の2つのセクションからなる。脱メタンセクション20bはまた、リボイラー(例えば、リボイラー21、および、前述したサイドリボイラー)も含み、これによりカラムを下方に流れる液体の一部を加熱し、かつ蒸発させて、ストリッピング蒸気を提供することができ、このストリッピング蒸気はカラムを上方に流れて、メタンおよびより軽い成分の液体生成物、すなわちストリーム41をストリッピングする。ストリーム36aは、脱メタン装置20の吸収セクション20aの下部領域に配置された中央フィード位置で脱メタン装置20に入る。膨張させたストリームの液体部分は、吸収セクション20aから下降する液体と一体化し、合流された液体は下方へ流れ続け、脱メタン装置20のストリッピングセクション20bに至る。膨張させたストリームの蒸気部分は吸収セクション20aを通じて上昇し、下降する冷たい液体と接触して、C
2成分、C
3成分およびより重質の成分を凝縮し、かつ吸収する。
【0046】
蒸留蒸気の一部(ストリーム42)は、吸収セクション20aの下部領域における膨張させたストリーム36aのフィード位置より上で、吸収セクション20aの中央領域から抜き出される。続いてこの蒸留蒸気ストリーム42を−101°F[−74℃]から−124°F[−86℃]に冷却し、−128°F[−89℃]で脱メタン装置20の頂部から出る冷たい脱メタン装置のオーバーヘッドストリーム38との熱交換によって熱交換器22中で部分的に凝縮する(ストリーム42a)。それが冷却されるにつれて、冷たい脱メタン装置のオーバーヘッドストリームは、わずかに−124°F[−86℃]に温められ(ストリーム38a)、ストリーム42の少なくとも一部が凝縮される。
【0047】
還流セパレーター23における運転圧力(448psia[3,090kPa(a)])は、脱メタン装置20の運転圧力よりわずかに低く維持される。これにより、蒸留蒸気ストリーム42を熱交換器22に通し、そこから還流セパレーター23へと流動させる駆動力が提供され、還流セパレーター23で全ての凝縮されていない蒸気(ストリーム43)から凝縮された液体(ストリーム44)が分離される。続いてストリーム43が熱交換器22からの温められた脱メタン装置のオーバーヘッドストリーム38aと合流して、−124°F[−86℃]の冷たい残留ガスストリーム45を形成する。
【0048】
還流セパレーター23からの液体ストリーム44を、ポンプ24によって脱メタン装置20の運転圧力をわずかに超える圧力にして、続いてストリーム44aを、冷たいカラム頂部へのフィード(還流)として脱メタン装置20に−123°F[−86℃]で供給する。この冷たい液体の還流は、脱メタン装置20の吸収セクション20aの上部の精留領域中で上昇するC
2成分、C
3成分およびより重質の成分を吸収し、かつ凝縮する。
【0049】
脱メタン装置20のストリッピングセクション20bにおいて、フィードストリームは、それらのメタンおよびより軽い成分からストリッピングされる。得られた液体生成物(ストリーム41)は、113°F[45℃]で塔20の底部から出る。塔のオーバーヘッドを形成する蒸留蒸気ストリーム(ストリーム38)は、前述したように、それが蒸留ストリーム42に冷却を提供するにつれて熱交換器22中で温められ、続いて、還流セパレーター23からの蒸気ストリーム43と合流されて、冷たい残留ガスストリーム45を形成する。残留ガスは、入ってくるフィードガスと向流して通過し、前述したように冷却を提供しながら、熱交換器15中で−38°F[−39℃]に加熱され(ストリーム45a)、熱交換器13中で−4°F[−20℃]に加熱され(ストリーム45b)、そして熱交換器10中で80°F[27℃]に加熱される(ストリーム45c)。続いて残留ガスは、二段階で、すなわち膨張装置17によって駆動するコンプレッサー18、および、補助動力源によって駆動するコンプレッサー25で再度圧縮される。ストリーム45eを吐出冷却器26中で120°F[49℃]に冷却した後、残留ガス生成物(ストリーム45f)を1015psia[6,998kPa(a)]で販売ガスのパイプラインに送る。
【0050】
以下の表に、
図3で説明されているプロセスに関するストリームの流速およびエネルギー消費の要約を記載する。
【0051】
【表3】
表I、IIおよびIIIの比較によれば、従来技術と比較して、本発明は、エタンの回収率を84.20%(
図1の場合)および85.08%(
図2の場合)から87.33%に、プロパンの回収率を98.58%(
図1の場合)および99.20%(
図2の場合)から99.36%に、および、ブタン+の回収率を99.88%(
図1の場合)および99.98%(
図2の場合)から99.99%に改善したことが示される。さらなる表I、IIおよびIIIの比較によれば、従来技術よりもわずかに少ない動力を用いて収量の改善が達成されたことが示される。回収効率(動力単位あたりの回収されたエタンの量によって定義される)の点で、本発明は、
図1のプロセスの従来技術に対して4%の改善、および、
図2のプロセスの従来技術に対して3%の改善を示す。
【0052】
本発明によって提供される回収率および回収効率の、
図1のプロセスの従来技術のものに対する改善は、還流ストリーム44aによって提供される追加の精留によるものであり、それにより、残留ガスから失われた、入口のフィードガスに含まれるC
2成分、C
3成分およびC
4+成分の量が減少する。脱メタン装置20の吸収セクション20aに供給される、膨張させた、実質的に凝縮されたフィードストリーム35bは、膨張させたフィード36aおよびストリッピングセクション20bから上昇する蒸気に含有されるC
2成分、C
3成分およびより重質の炭化水素成分の大半の回収を提供するにもかかわらず、ストリーム35bそれ自体がC
2成分、C
3成分およびより重質の炭化水素成分を含有するので、平衡作用のために全てのC
2成分、C
3成分およびより重質の炭化水素成分を取り込めない。しかしながら、本発明の還流ストリーム44aは主として液状メタンであり、C
2成分、C
3成分およびより重質の炭化水素成分は極めてわずかしか含有しないため、結果として、C
2成分の殆どとC
3成分およびより重質の炭化水素成分ほぼ全てとを取り込むには、吸収セクション20aにおける上部の精留領域への還流はほんの少量で十分である。結果として、エタンの回収率における改善に加えて、ほぼ100%のプロパンおよび本質的により重質の炭化水素成分の全てが、脱メタン装置20の底部を出る液体生成物41中に回収される。膨張させた、実質的に凝縮されたフィードストリーム35bによって提供される大半の液体回収のため、必要な還流(ストリーム44a)の量は、熱交換器15中のフィードストリーム35の冷却に有意な影響を与えないで、冷たい脱メタン装置のオーバーヘッド蒸気(ストリーム38)が冷却を提供して、この還流を作り出すことができる程度に十分に少ない。
【0053】
図2のプロセスの従来技術の主要な特徴に対する本発明の主要な特徴は、蒸留蒸気ストリーム42の引き抜き地点の位置である。
図2のプロセスに関する引き抜き地点は、分留塔20のストリッピングセクション20bの上部領域内であるのに対して、本発明では、膨張させたストリーム36aのフィード位置より上で、吸収セクション20aの中央領域から蒸留蒸気ストリーム42が抜き出される。吸収セクション20aのこの中央領域中の蒸気は、還流ストリーム44aおよび膨張させた実質的に凝縮されたストリーム35bで見出された冷たい液体によってすでに部分的な精留を受けている。結果として、表IIおよびIIIを比較すればわかるように、本発明の蒸留蒸気ストリーム42は、それに対応する
図2の従来技術のプロセスにおけるストリーム42と比較して有意に低いC
2成分、C
3成分およびC
4+成分の濃度を含有する。得られた還流ストリーム44aは、吸収セクション20a中の蒸気をより効率的に精留することができ、必要な還流ストリーム44aの量を減少させ、結果的に本発明の効率を従来技術に対して改善することができる。
【0054】
還流ストリーム44aは、メタンおよびより高い揮発性を有する成分のみを含有し、C
2+成分を含まない場合に、さらにより有効であろう。残念ながら、それが少なくともある程度のC
2+成分を含んでいない限り、ストリーム42の圧力を高めることなくプロセスストリームで利用可能な冷却だけを用いて蒸留蒸気ストリーム42からの還流を十分な量凝縮することは不可能である。得られた蒸留蒸気ストリーム42に多すぎる量のC
2+成分が含有されてしまうことにより、還流ストリーム44aの有効性を損なうことなく、結果として容易に凝縮できる程度の十分なC
2+成分を含有するために、吸収セクション20aにおける引き抜き位置を慎重に選択することが必要である。従って、本発明の蒸留蒸気ストリーム42の引き抜き位置は、各用途ごとに評価しなければならない。
【0055】
実施例2
図4で説明したように、本発明のその他の実施態様において、カラムから蒸留蒸気を抜き出すための代替手段を示す。
図4で示されたプロセスで考察されているフィードガスの組成および条件は、
図1〜3で示されたものと同じである。従って、
図4は、本発明の利点を説明するために、
図1および2のプロセスと比較することができ、同様に
図3に表示された実施態様と比較することもできる。
【0056】
図4のプロセスのシミュレーションにおいて、入口ガスは、ストリーム31としてプラントに入り、熱交換器10中で−4°F[−20℃]の冷えた残留ガス(ストリーム45b)、35°F[2℃]の脱メタン装置下部のサイドリボイラー液(ストリーム40)、および、プロパン冷媒と熱交換することによって冷却される。冷却されたストリーム31aは、1°F[−17℃]および955psia[6,584kPa(a)]でセパレーター11に入り、セパレーター11で蒸気(ストリーム32)は、凝縮された液体(ストリーム33)から分離される。セパレーター液(ストリーム33)を、膨張弁12によって分留塔20の運転圧力(およそ451psia[3、107kPa(a)])に膨張させ、ストリーム33aを、−25°F[−32℃]に冷却し、続いてそれを分留塔20にカラム中間下部のフィードポイントで供給する。
【0057】
セパレーター11からの蒸気(ストリーム32)は、熱交換器13中で、−40°F[−40℃]の冷えた残留ガス(ストリーム45a)、および、−37°F[−39℃]の脱メタン装置上部のサイドリボイラー液(ストリーム39)と熱交換することによってさらに冷却される。冷却されたストリーム32aは、−32°F[−35℃]および950psia[6,550kPa(a)]でセパレーター14に入り、セパレーター14で蒸気(ストリーム34)が凝縮された液体(ストリーム37)から分離される。セパレーター液(ストリーム37)を、膨張弁19によって塔の運転圧力に膨張させ、ストリーム37aを−67°F[−55℃]に冷却し、続いてそれを分留塔20にカラム中間下部の第2フィードポイントで供給する。
【0058】
セパレーター14からの蒸気(ストリーム34)は、2つのストリーム35及び36に分割される。全蒸気の約37%を含有するストリーム35は、熱交換器15を通過して−123°F[−86℃]で冷たい残留ガス(ストリーム45)と熱交換関係を持ち、冷却されて実質的に凝縮される。続いて、得られた、実質的に凝縮されたストリーム35aは、−118°F[−83℃]で膨張弁16を介して分留塔20の運転圧力にフラッシュ膨張させる。膨張中にストリームの一部が気化することによって、ストリーム全体が冷却される。
図4で説明されているプロセスにおいて、膨張弁16から出る膨張させたストリーム35bは、−129°F[−90℃]の温度に至り、分留塔20にカラム中間上部のフィードポイントで供給される。
【0059】
セパレーター14からの蒸気の残りの63%(ストリーム36)は、仕事膨張装置17に入り、仕事膨張装置17で高圧フィードのこの部分から機械的エネルギーが抽出される。装置17は、この蒸気を実質的に等エントロピーで塔の運転圧力に膨張させ、その仕事膨張によって、膨張させたストリーム36aをおよそ−86°F[−66℃]の温度に冷却させる。続いて、部分的に凝縮させ膨張させたストリーム36aを、フィードとして分留塔20にカラム中間下部の第3フィードポイントで供給する。
【0060】
蒸留蒸気の第1部分(ストリーム54)は、吸収セクション20aの下部領域における膨張させたストリーム36aのフィード位置より上で、吸収セクション20aの中央領域から抜き出される。蒸留蒸気(ストリーム55)の第2部分は、膨張させたストリーム36aのフィード位置より下で、ストリッピングセクション20bの上部領域から抜き出される。−105°F[−76℃]の第1部分は、−92°F[−69℃]の第2部分と合流されて、合流された蒸気ストリーム42が形成される。続いて合流された蒸気ストリーム42を−102°F[−74℃]から−124°F[−87℃]に冷却し、−129°F[−90℃]で脱メタン装置20の頂部から出る冷たい脱メタン装置のオーバーヘッドストリーム38との熱交換により熱交換器22中で部分的に凝縮する(ストリーム42a)。それが冷却されるにつれて、この冷たい脱メタン装置のオーバーヘッドストリームは、わずかに−122°F[−86℃]に温められ(ストリーム38a)、ストリーム42の少なくとも一部が凝縮される。
【0061】
還流セパレーター23における運転圧力(447psia[3,081kPa(a)])は、脱メタン装置20の運転圧力よりわずかに低く維持される。これにより、合流された蒸気ストリーム42を熱交換器22に通し、そこから還流セパレーター23に流動させる駆動力が提供され、還流セパレーター23で全ての凝縮されていない蒸気(ストリーム43)から凝縮された液体(ストリーム44)が分離される。続いてストリーム43は熱交換器22からの温められた脱メタン装置のオーバーヘッドストリーム38aと合流して、−123°F[−86℃]で冷たい残留ガスストリーム45を形成する。
【0062】
還流セパレーター23からの液体ストリーム44を、ポンプ24によって脱メタン装置20の運転圧力をわずかに超える圧力にして、続いてストリーム44aを、冷たいカラム頂部へのフィード(還流)として脱メタン装置20に−124°F[−86℃]で供給する。この冷たい液体の還流は、脱メタン装置20の吸収セクション20aの上部の精留領域中で上昇するC
2成分、C
3成分、および、より重質の成分を吸収し、かつ凝縮する。
【0063】
脱メタン装置20のストリッピングセクション20bにおいて、フィードストリームは、それらのメタンおよびより軽い成分からストリッピングされる。得られた液体生成物(ストリーム41)は、112°F[44℃]で塔20の底部から出る。塔のオーバーヘッドを形成する蒸留蒸気ストリーム(ストリーム38)は、前述したように、それが蒸留ストリーム42に冷却を提供するにつれて熱交換器22中で温められ、続いて、還流セパレーター23からの蒸気ストリーム43と合流されて、冷たい残留ガスストリーム45を形成する。残留ガスは、入ってくるフィードガスと向流して通過し、前述したように冷却を提供しながら、熱交換器15中で−40°F[−40℃]に加熱され(ストリーム45a)、熱交換器13中で−4°F[−20℃]に加熱され(ストリーム45b)、そして熱交換器10中で80°F[27℃]に加熱される(ストリーム45c)。続いて残留ガスは、二段階で、すなわち膨張装置17によって駆動するコンプレッサー18、および、補助動力源によって駆動するコンプレッサー25で再度圧縮される。ストリーム45eを吐出冷却器26中で120°F[49℃]に冷却した後、残留ガス生成物(ストリーム45f)を1015psia[6,998kPa(a)]で販売ガスのパイプラインに送る。
【0064】
以下の表に、
図4で説明されているプロセスに関するストリームの流速およびエネルギー消費の要約を記載する。
【0065】
【表4】
表IIIとIVとの比較によれば、
図3の本発明の実施態様と比較して、
図4の実施態様は、さらにエタンの回収率を87.33%から87.59%に、および、プロパンの回収率を99.36%から99.43%に改善したことが示される。さらなる表IIIとIVとの比較によれば、本質的に同じ量の動力を用いて収量の改善が達成されたことが示される。回収効率(動力単位あたりの回収されたエタンの量によって定義される)の点で、本発明の
図4の実施態様は、
図1のプロセスの従来技術に対して4%の改善、および、
図2のプロセスの従来技術に対して3%の改善を維持する。
【0066】
本発明の
図4の実施態様の回収率の、
図3の実施態様の回収率に対する改善は、
図4の実施態様に関する還流ストリーム44aの量の増加によるものである。表IIIとIVとを比較すればわかるように、還流ストリーム44aの流速は、
図4の実施態様のものよりも24%高い。還流速度が速いほど、吸収セクション20aの上部領域における追加の精留が改善され、それにより入口のフィードガスに含有される残留ガスから失われたC
2成分、C
3成分およびC
4+成分の量が減少する。
【0067】
図4の実施態様の合流された蒸気ストリーム42は、
図3の実施態様における蒸留蒸気ストリーム42よりも容易に凝縮されるために、このより速い還流速度が可能になる。注目すべきことに、合流された蒸気ストリーム42の一部(ストリーム55)は、膨張させたストリーム36aのカラム中間のフィード位置より下で蒸留カラム20から抜き出されている。そのようなものとして、ストリーム55は、膨張させたストリーム36aのカラム中間のフィード位置より上で抜き出されたその他の部分(ストリーム54)よりも少しの精留しか受けていないため、より高濃度のC
2+成分を有する。結果として、
図4の実施態様の合流された蒸気ストリーム42は、
図3の実施態様の蒸留蒸気ストリーム42よりもわずかに高濃度のC
3+成分を有し、それらストリームがカラムのオーバーヘッドストリーム38によって冷却されるので、より多くのストリームを凝縮することが可能になる。
【0068】
実質的には、蒸留カラムの異なる位置で蒸留蒸気の一部を抜き出すことによって、所定の一連の動作条件に関する還流の生成を最適化するために、合流された蒸気ストリーム42の組成を調節することが可能になる。得られた合流された蒸気ストリーム42に多すぎる量のC
2+成分が含有されてしまうことにより還流ストリーム44aの有効性を損なうことなく、結果として容易に凝縮できる程度の十分なC
2+成分を含有するために、吸収セクション20aおよびストリッピングセクション20bにおける引き抜き位置、ならびに、各位置で抜き出される相対量を慎重に選択することが必要である。この実施態様に関する回収率の、
図3の実施態様の回収率に対する増加は、
図3の実施態様と比較して
図4の実施態様に関して予想される資本コストのわずかな増加に関連して各用途ごとに評価しなければならない。
【0069】
その他の実施態様
本発明に従うと、一般的に、脱メタン装置の吸収(精留)セクションを、複数の理論分離段数を含有するように設計することが有利である。しかしながら、本発明の利点は、わずか2つの理論段数で達成できる。例えば、還流セパレーター23を出るポンプ注入した凝縮された液体(ストリーム44a)の全部または一部、および、膨張弁16からの膨張させた実質的に凝縮されたストリーム35bの全部または一部を(例えば、膨張弁を脱メタン装置に繋ぐ配管中で)合流させることができ、そして、十分に混合された場合には、その蒸気および液体は、一緒に混合されて、合流されたストリーム全体の様々な成分の相対的な揮発性に従って分離する。このような2つのストリームの混合は、膨張させたストリーム36aの少なくとも一部と接触させることと併せて、本発明の目的のために吸収セクションを構成することとみなされるであろう。
【0070】
図3〜6は、単一の容器で構築した分留塔を示す。
図7および8は、2つの容器で、すなわち吸収(精留)カラム27(接触および分離デバイス)、および、ストリッパー(蒸留)カラム20で構築した分留塔を示す。このような場合において、蒸留蒸気(ストリーム54)の一部は、吸収カラム27の下部セクションから抜き出され、(任意に、ストリッパーカラム20からのオーバーヘッド蒸気ストリーム50の一部、すなわちストリーム55に合流されて)還流凝縮器22に導かれて、吸収カラム27のための還流が作り出される。ストリッパーカラム20からのオーバーヘッド蒸気ストリーム50の残りの部分(ストリーム51)は、吸収カラム27の下部セクションに流れて、それにより還流ストリーム52および膨張させた実質的に凝縮されたストリーム35bを接触させることができる。ポンプ28を用いて、2つの塔を1つの蒸留システムとして効果的に機能させるために、吸収カラム27底部からの液体(ストリーム47)をストリッパーカラム20の頂部に導く。分留塔を単一の容器(例えば、
図3〜6における脱メタン装置20)として、または、複数の容器として構築するかどうかの決定は、例えばプラントサイズ、製造施設への距離などの多数の要因に依存する。
【0071】
ある種の環境では、蒸留ストリーム42aの残りの蒸気部分と、分留カラム20(
図6)または吸収カラム27(
図8)からのオーバーヘッドストリーム38とを混合し、続いてこの混合されたストリームを熱交換器22に供給して、蒸留ストリーム42または合流された蒸気ストリーム42の冷却を提供することが好ましい場合がある。
図6および8で示したように、還流セパレーターの蒸気(ストリーム43)をオーバーヘッドストリーム38と合流させることによって得られた混合されたストリーム45は、熱交換器22に導かれる。
【0072】
前述したように、蒸留蒸気ストリーム42または合流された蒸気ストリーム42は、部分的に凝縮され、得られた凝縮体を用いて、脱メタン装置20の吸収セクション20aを介して、または、吸収カラム27を介して上昇する蒸気から有用なC
2成分、C
3成分およびより重質の成分を吸収する。しかしながら、本発明はこの実施態様に限定されない。例えば、この方式でこれらの蒸気の一部だけを処理するために、または、吸収剤として凝縮体の一部だけを使用するために、その他の設計の考察が示される場合において、蒸気または凝縮体の一部は、脱メタン装置20の吸収セクション20a、または、吸収カラム27を迂回するほうが有利な場合がある。ある種の環境では、熱交換器22中で、蒸留蒸気ストリーム42または合流された蒸気ストリーム42を部分的に凝縮するよりも、それら全体を凝縮するほうが好ましい場合がある。その他の環境では、蒸留蒸気ストリーム42は、分留カラム20からの部分的な蒸気サイドドローではなく、全部の蒸気サイドドローであるほうが好ましい場合がある。また注目すべきことに、フィードガスストリームの組成に応じて、熱交換器22中で蒸留蒸気ストリーム42または合流された蒸気ストリーム42の部分的な冷却を提供するために、外部の冷却源を使用するほうが有利な場合がある。
【0073】
仕事膨張装置17の除去、または、代わりの膨張デバイス(例えば膨張弁)との交換がふさわしいかどうかは、フィードガス条件、プラントサイズ、利用可能な器具またはその他の要因によって示される場合がある。個々のストリームの膨張において、膨張デバイスが具体的に示されていても、必要に応じて代替の膨張手段を用いても良い。例えば、フィードストリーム(ストリーム35a)の実質的に凝縮された部分の仕事膨張を条件により保証してもよい。
【0074】
入口ガスが薄い場合、
図3および4におけるセパレーター11が不要と判断される場合がある。このような場合において、
図3および4における熱交換器10および13で達成されるフィードガスの冷却は、
図5〜8で示されるように介在するセパレーターなしで達成してもよい。複数の工程でフィードガスを冷却し、かつ分離するかどうかの決定は、フィードガスの豊富さ、プラントサイズ、利用可能な器具などに依存する。フィードガス中のより重質の炭化水素の量およびフィードガス圧に応じて、
図3〜8における熱交換器10を出る冷却されたフィードストリーム31a、および/または、
図3および4における熱交換器13を出る冷却されたストリーム32aは、液体をまったく含まなくても良く(なぜならそれは、その露点を超えているか、または、そのクリコンデンバールを超えているためである)、結果として、
図3〜8に示されるセパレーター11、および/または、
図3および4に示されるセパレーター14は必要ではない。
【0075】
高圧の液体(
図3および4におけるストリーム37、および、
図5〜8におけるストリーム33)は、必ずしも膨張させ、蒸留カラムのカラム中間のフィードポイントに供給させなくてもよい。その代わりに、その全部または一部を、熱交換器15に流れるセパレーター蒸気(
図3および4におけるストリーム35、および、
図5〜8におけるストリーム34)の一部と合流させてもよい。(これは、
図5〜8において破線のストリーム46により示される。)液体の残りの部分は全て、膨張弁または膨張装置などの適切な膨張デバイスを介して膨張させ、蒸留カラムのカラム中間のフィードポイント(
図5〜8におけるストリーム37a)に供給されてもよい。
図3および4におけるストリーム33、および、
図3〜8におけるストリーム37はまた、脱メタン装置に流す前の膨張工程より先に、または、その後に、入口ガスの冷却またはその他の熱交換作業に利用してもよい。
【0076】
本発明に従うと、特に豊富な入口ガスの場合において、その他のプロセスストリームからの入口ガスに利用可能な冷却を追加するために、外部の冷却源を用いても良い。セパレーター液の使用および分配、ならびに、プロセス熱交換のための脱メタン装置のサイドドロー液、加えて入口ガスを冷却するための熱交換器の具体的な配列は、具体的な用途ごとに評価しなければならず、特定の熱交換作業のためのプロセスストリームの選択も同様である。
【0077】
ある種の環境では、熱交換のために、例えば
図5〜8における破線のストリーム49のような、吸収セクション20aまたは吸収カラム27を出る冷たい蒸留液体の一部を用いるほうが好ましい場合がある。脱メタン装置20またはストリッパーカラム20におけるエタンの回収率を減少させることなく、プロセス熱交換のために吸収セクション20aまたは吸収カラム27からの液体の一部だけを用いることが出来るが、これらの液体から、ストリッピングセクション20bまたはストリッパーカラム20からの液体を用いた場合よりも多くの能率が生じることがある。これは、脱メタン装置20の吸収セクション20a(または吸収カラム27)中の液体が、ストリッピングセクション20b(またはストリッパーカラム20)における温度レベルよりも低い温度レベルで利用可能であるからである。
【0078】
図5〜8において破線のストリーム53で示したように、場合によっては、液体ストリームを還流ポンプ24(ストリーム44a)から少なくとも2つのストリームに分配することが有利な場合がある。続いて一部(ストリーム53)を分留塔20のストリッピングセクション(
図5および6)、または、ストリッパーカラム20の頂部(
図7および8)に供給して、蒸留システムのその部分における液体の流れを増加させ、精留を改善することができ、それによってストリーム42中のC
2+成分の濃度を減少させることができる。このような場合において、残りの部分(ストリーム52)は、吸収セクション20aの頂部(
図5および6)、または、吸収カラム27(
図7および8)に供給される。
【0079】
本発明に従うと、蒸気フィードの分配は、いくつかの方法で達成してもよい。
図3〜8のプロセスにおいて、蒸気の分配は、形成された可能性がある全ての液体を冷却および分離した後に起こる。しかしながら、高圧ガスは、入口ガスのあらゆる冷却の前に、または、ガスの冷却の後に、および、あらゆる分離段階の前に分配してもよい。いくつかの実施態様において、蒸気の分配は、セパレーター中で実行されてもよい。
【0080】
分配蒸気フィードの各枝で見出されたフィードの相対量はまた、例えばガス圧、フィードガスの組成、フィードから経済的に抽出することができる熱の量、および、利用可能な馬力の量などのいくつかの要因に依存すると認められる。カラムの頂部へのフィードが多ければ、回収率が増加し、同時に膨脹器から回収される動力を減少させる可能性があり、それによって再加圧するための馬力の必要量が増加する。カラム下部のフィードを増加させることによって馬力消費を減少させるが、生成物の回収率が減少する可能性もある。カラム中間におけるフィードの相対的な位置は、入口の組成、または、望ましい回収レベルおよび入口ガスの冷却中に形成された液体の量などのその他の要因に応じて変化しても良い。その上、2つ以上のフィードストリームまたはそれらの一部が、相対的な温度および個々のストリームの量に応じて合流されてもよく、続いて合流されたストリームは、カラム中間のフィード位置に供給される。
【0081】
本発明は、プロセスを運転させるのに必要なユーティリティー消費量あたりの、C
2成分、C
3成分およびより重質の炭化水素成分の回収率の改善を提供する。脱メタン装置プロセスを運転させるのに必要なユーティリティー消費の改善は、圧縮または再圧縮のための必要動力の低減、外部の冷却のための必要動力の低減、塔リボイラーのためのエネルギー必要量の低減の形態で、または、それらの組み合わせで実現することができる。
【0082】
本発明の好ましい実施態様と考えられるものを説明したが、当業者は、例えば、以下の特許請求の範囲によって定義されているような本発明の精神から逸脱することなく、本発明を様々な条件、フィードのタイプまたはその他の必要条件に適合させるために、それらにその他の変更およびさらなる変更を施すことができることを認識している。