特許第5667553号(P5667553)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5667553
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】4
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2011-270347(P2011-270347)
(22)【出願日】2011年12月9日
(65)【公開番号】特開2013-121401(P2013-121401A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2013年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】長野 雅隆
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一貴
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 賢二
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−44307(JP,A)
【文献】 特開2004−254849(JP,A)
【文献】 特開2008−54766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の通常演出態様のうち同一種類の通常演出態様にて図柄変動ゲームが実行されたゲーム回数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段がカウントしたゲーム回数が予め決められた切替回数に達したことを契機に異なる種類の通常演出態様に切り替えて図柄変動ゲームを表示手段に実行させる演出切替制御手段と、1又は複数回の図柄変動ゲームに亘って、通常演出態様から前記ゲーム回数を切り替え契機としないで所定条件が成立したときに前記通常演出態様とは異なる特別演出態様に切り替える特別演出を表示手段に実行させる特別演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記演出切替制御手段は、
前記特別演出の終了後、当該特別演出が実行される直前の通常演出態様に切り替え、
前記カウント手段は、
前記演出切替制御手段によって通常演出態様の種類が切り替えられたときゲーム回数をリセットするようになっており、
前記特別演出制御手段にて特別演出が実行されたとき、当該特別演出が実行される図柄変動ゲームのゲーム回数をカウントしないとともに、特別演出の実行が終了するまでの間、前記特別演出が実行される直前までカウントしていたゲーム回数を記憶保持することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
始動入賞口へ遊技球が入賞したことを契機に、各種抽選に用いる各種乱数を取得する乱数取得手段と、
前記始動入賞口へ遊技球が入賞したことを契機に、前記乱数取得手段が取得した各種乱数の値とともに、図柄変動ゲームの実行を保留するゲーム保留記憶手段と、
前記ゲーム保留記憶手段に図柄変動ゲームの実行が保留されているとき、当該実行が保留されている図柄変動ゲームとともに記憶された各種乱数の値に基づいて、実行が保留されている図柄変動ゲームを実行させるゲーム実行手段と、を備え、
前記特別演出制御手段は、
前記始動入賞口へ遊技球が入賞したとき、前記乱数取得手段が取得した各種乱数の値に基づいて前記特別演出の実行有無を決定し、特別演出の実行を決定した際には、特別演出の実行契機となった図柄変動ゲームの実行が終了するまでの1又は複数回の図柄変動ゲームに亘って先読み用の特別演出を実行させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特別演出制御手段は、
大当りとなる図柄変動ゲーム終了後に、図柄変動ゲーム終了後に大当りとなる確率が通常よりも高確率となる確変状態を付与するとともに、所定の開放態様で特別入賞手段が開閉される確変大当りと、図柄変動ゲームの終了後に大当りとなる確率が通常の確率となる非確変状態を付与するとともに、前記確変大当りが付与された際と同様の開放態様で前記特別入賞手段が開閉される非確変大当りのうち何れか一方の大当りが付与されたとき、当該大当りの終了後、複数回の図柄変動ゲームに亘って確変秘匿用の特別演出を実行させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームが実行されるようになっており、図柄変動ゲームにて変動表示される複数種類の図柄の装飾として複数種類の装飾態様を備えており、予め決められた条件の成立を契機に前記図柄の装飾態様を切り替える図柄装飾切替手段を備え、
前記図柄装飾切替手段は、
同一種類の装飾態様の図柄で図柄変動ゲームが実行されているときに前記演出切替制御手段にて通常演出態様が切り替えられた回数が所定回数となったことを条件に、前記図柄の装飾態様を切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数回の図柄変動ゲームが実行されたことを契機に演出態様の種類を切り替えて、図柄変動ゲームを実行する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技盤に配設した始動入賞口への遊技球の入球を契機に大当りか否かの大当り抽選を行い、その大当り抽選の抽選結果を複数列の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを実行させることにより導出させている。図柄変動ゲームでは、最終的に確定停止表示された図柄が大当り図柄である場合、遊技者は大当りを認識し得るようになっている。
【0003】
このようなパチンコ遊技機においては、演出を多様化する目的で背景画像を演出表示装置上に表示させ、図柄変動ゲーム中の演出の興趣を向上させるようになっている。また、複数種類の背景画像を有して所定タイミングで背景画像の種類を変化させる(切り替える)遊技機がある(例えば、特許文献1)。特許文献1では、同一種類の背景画像での図柄変動ゲームの実行回数が所定回数以上であることを条件に、背景画像の種類を変化させるか(切り替えるか)否かの切替抽選を実行し、当該切替抽選の当選を契機として背景画像の種類を変化させるようになっている。その結果、特許文献1では、同一種類の背景画像での図柄変動ゲームの実行回数が少なくとも所定回数(例えば、20回)以上となるようにしている。つまり、同一種類の背景画像での図柄変動ゲームを少なくとも所定回数以上継続させるようにしている。このようにすることで、背景画像の変化(切り替え)が頻繁に行われるようなことを抑制するようになっている。
【0004】
また、パチンコ遊技機の中には、連続する複数回の図柄変動ゲームに亘って特定の演出を実行し、大当りになることを期待させる連続演出を実行する遊技機がある(例えば、特許文献2)。特許文献2では、連続演出が実行されていることを遊技者が認識できるように、連続演出が実行されているときは背景画像の種類を変化させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−44307号公報
【特許文献2】特開2010−227292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の遊技機において、特許文献2の連続演出を実行した場合、同一種類の背景画像での図柄変動ゲームを少なくとも所定回数以上継続させることができない虞がある。具体的には、ある背景画像での図柄変動ゲームを20回以上継続させようとする際に、途中の3回の図柄変動ゲームに亘って連続演出が実行されたとき、ある背景画像での図柄変動ゲームの回数が最低17回(=20−3)となってしまい、20回以上継続させられないことが考えられる。つまり、設計者が20回以上は同一種類の背景画像での図柄変動ゲームを継続させたくても、連続演出が行われた場合には、実現できない虞があった。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、通常演出態様で図柄変動ゲームが実行されているときに、通常演出態様とは異なる演出態様で図柄変動ゲームが実行されたとしても、通常演出態様で図柄変動ゲームが実行される回数が予め決められた回数は確実に継続させることのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の通常演出態様のうち同一種類の通常演出態様にて図柄変動ゲームが実行されたゲーム回数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段がカウントしたゲーム回数が予め決められた切替回数に達したことを契機に異なる種類の通常演出態様に切り替えて図柄変動ゲームを表示手段に実行させる演出切替制御手段と、1又は複数回の図柄変動ゲームに亘って、通常演出態様から前記ゲーム回数を切り替え契機としないで所定条件が成立したときに前記通常演出態様とは異なる特別演出態様に切り替える特別演出を表示手段に実行させる特別演出制御手段と、を備えた遊技機において、前記演出切替制御手段は、前記特別演出の終了後、当該特別演出が実行される直前の通常演出態様に切り替え、前記カウント手段は、前記演出切替制御手段によって通常演出態様の種類が切り替えられたときゲーム回数をリセットするようになっており、前記特別演出制御手段にて特別演出が実行されたとき、当該特別演出が実行される図柄変動ゲームのゲーム回数をカウントしないとともに、特別演出の実行が終了するまでの間、前記特別演出が実行される直前までカウントしていたゲーム回数を記憶保持することを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、始動入賞口へ遊技球が入賞したことを契機に、各種抽選に用いる各種乱数を取得する乱数取得手段と、前記始動入賞口へ遊技球が入賞したことを契機に、前記乱数取得手段が取得した各種乱数の値とともに、図柄変動ゲームの実行を保留するゲーム保留記憶手段と、前記ゲーム保留記憶手段に図柄変動ゲームの実行が保留されているとき、当該実行が保留されている図柄変動ゲームとともに記憶された各種乱数の値に基づいて、実行が保留されている図柄変動ゲームを実行させるゲーム実行手段と、を備え、前記特別演出制御手段は、前記始動入賞口へ遊技球が入賞したとき、前記乱数取得手段が取得した各種乱数の値に基づいて前記特別演出の実行有無を決定し、特別演出の実行を決定した際には、特別演出の実行契機となった図柄変動ゲームの実行が終了するまでの1又は複数回の図柄変動ゲームに亘って先読み用の特別演出を実行させることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記特別演出制御手段は、大当りとなる図柄変動ゲーム終了後に、図柄変動ゲーム終了後に大当りとなる確率が通常よりも高確率となる確変状態を付与するとともに、所定の開放態様で特別入賞手段が開閉される確変大当りと、図柄変動ゲームの終了後に大当りとなる確率が通常の確率となる非確変状態を付与するとともに、前記確変大当りが付与された際と同様の開放態様で前記特別入賞手段が開閉される非確変大当りのうち何れか一方の大当りが付与されたとき、当該大当りの終了後、複数回の図柄変動ゲームに亘って確変秘匿用の特別演出を実行させることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機において、複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームが実行されるようになっており、図柄変動ゲームにて変動表示される複数種類の図柄の装飾として複数種類の装飾態様を備えており、予め決められた条件の成立を契機に前記図柄の装飾態様を切り替える図柄装飾切替手段を備え、前記図柄装飾切替手段は、同一種類の装飾態様の図柄で図柄変動ゲームが実行されているときに前記演出切替制御手段にて通常演出態様が切り替えられた回数が所定回数となったことを条件に、前記図柄の装飾態様を切り替えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通常演出態様で図柄変動ゲームが実行されているときに、通常演出態様とは異なる演出態様で図柄変動ゲームが実行されたとしても、通常演出態様で図柄変動ゲームが実行される回数が予め決められた回数は確実に継続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
図2】大当り遊技の種類及び小当り遊技を示す説明図。
図3】演出モードの移行態様を示す説明図。
図4】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図5】特別図柄入力処理を示すフローチャート。
図6】先読みコマンド設定処理を示すフローチャート。
図7】先読み演出実行決定処理を示すフローチャート。
図8】通常演出モードにおける背景画像の種類の切り替え順序を示す説明図。
図9】(a)は、第1装飾態様の飾り図柄を示し、(b)は、第2装飾態様の飾り図柄を示す説明図。
図10】切替処理を示すフローチャート。
図11】通常演出モード滞在中における画像表示部の表示態様の一例を示す説明図。
図12】キャラクタ画像の種類の切替順序を示す説明図。
図13】演出モードの移行、背景画像の切替、飾り図柄の装飾態様の切替及びキャラクタ画像の切替の各態様について示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1図13にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数列(本実施形態では、3列)の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11で実行される図柄変動ゲームでは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
【0015】
また、演出表示装置11の左下には、7セグメント型の特図表示装置12が配設されている。特図表示装置12では、複数種類の特別図柄(特図)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否か(大当り抽選)及び小当りか否か(小当り抽選)などの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。
【0016】
本実施形態において特図表示装置12には、複数種類(本実施形態では、112種類)の特図の中から、大当り抽選及び小当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が確定停止表示される。112種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる11種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄と、に分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
【0017】
また、本実施形態において演出表示装置11には、各列に[1]〜[8]の8種類の数字が飾り図柄(以下、「数字図柄」と示す場合もある)として表示されるようになっている。そして、演出表示装置11には、特図表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的には、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示される場合、原則として、演出表示装置11にも大当り図柄(大当りの図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が同一の図柄組み合わせ([222][777]など)である。また、特図表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合、原則として、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれの図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が異なる図柄組み合わせ([123]など)、又は1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる図柄組み合わせ([122][767]など)である。
【0018】
また、特図表示装置12に小当り図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にも小当り図柄(確変示唆の図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。また、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示される場合でも、演出表示装置11に確変示唆の図柄組み合わせが確定停止表示される場合がある。なお、この確変示唆の図柄組み合わせは、大当り抽選の抽選確率が低確率(通常状態)から高確率に変動する確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される可能性を示唆する図柄組み合わせである。本実施形態の確変示唆の図柄組み合わせは、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる図柄組み合わせの中の所定の図柄組み合わせ(本実施形態では、[121][232][343][454][565][676][787][818])である。
【0019】
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列の飾り図柄は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に、変動表示された飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾り図柄が同一となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
【0020】
なお、「変動表示」とは、演出表示装置11と、特図表示装置12に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である。一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。そして、特図表示装置12における図柄変動ゲームと、演出表示装置11における図柄変動ゲームは、その図柄変動ゲームに係る表示演出が同時に開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
【0021】
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、発射装置としての発射ハンドルが装備されている(図示しない)。この発射ハンドルは、パチンコ遊技機において遊技者が操作可能な位置に配置されている。そして、遊技者が発射ハンドルを操作することにより、遊技球が、遊技盤10の左側(演出表示装置11の左側)より遊技領域16に発射されるようになっている。
【0022】
また、特図表示装置12の上方には、複数個(本実施形態では、2個)の特図保留発光部を備えた特図保留記憶表示装置13が配設されている。特図保留記憶表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口19,21に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口19,21へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における2個の特図保留発光部は、保留記憶数に応じて点灯、点滅又は消灯する。具体的には、保留記憶数が「0」の場合、2個の特図保留発光部は消灯し、保留記憶数が「1」の場合、左方の特図保留発光部が点灯して、右方の特図保留発光部が消灯するようになっている。また、保留記憶数が「2」の場合、2個の特図保留発光部が点灯し、保留記憶数が「3」の場合、左方の特図保留発光部が点滅して、右方の特図保留発光部が点灯するようになっている。また、保留記憶数が「4」の場合、2個の特図保留発光部が点滅するようになっている。なお、保留記憶数は、実行が保留されている図柄変動ゲームの数を示す。
【0023】
また、特図保留記憶表示装置13の上方には、2つのLEDから構成される普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、各LEDの点灯及び消灯によって構成される複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。普通図柄表示装置14には、普図当り抽選に当選した場合、普図当り抽選に当選したことを認識できる普通当り図柄が確定停止表示される。また、普通図柄表示装置14には、普図当り抽選に当選しなかった場合(非当選)、普図当り抽選に当選しなかったことを認識できる普通はずれ図柄が確定停止表示される。
【0024】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入賞口としての第1入賞口18を有する第1始動入賞手段としての第1始動入賞口19が配設されている。また、第1始動入賞口19の下方には、遊技球の入賞口としての第2入賞口20を有する第2始動入賞手段としての第2始動入賞口21が配設されている。第2始動入賞口21は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根22を備えている。第2始動入賞口21は、開閉羽根22の開動作により入口が拡大されて遊技球が入賞し易い開放状態とされる一方で、開閉羽根22の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入賞しない閉鎖状態とされる。すなわち、開閉羽根22は、第2始動入賞口21の第2入賞口20を、遊技球が入球しない閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、第1始動入賞口19と第2始動入賞口21の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口スイッチSW1が配設されている。本実施形態では、始動口スイッチSW1(図4に示す)で、第1始動入賞口19と第2始動入賞口21に入賞した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数(本実施形態では、3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0025】
なお、本実施形態において、遊技盤10の左側より発射された遊技球が、符号Yに示すように遊技盤10の右側(演出表示装置11の右側)から転動するときには、遊技盤10の左側(演出表示装置11の左側)から転動するときよりも、第1始動入賞口19に遊技球が入賞し難くなるように、障害釘等が配設されている。その一方で、本実施形態において、遊技盤10の左側より発射された遊技球が、符号Yに示すように遊技盤10の右側から転動するときには、遊技盤10の左側から転動するときよりも、第2始動入賞口21に遊技球が入賞し易くなるように障害釘等が配設されている。
【0026】
また、演出表示装置11の右方には、ゲート27が配設されている。ゲート27の奥方には、通過(入賞)した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。ゲート27は、通過した遊技球を普通図柄変動スイッチSW2で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口21の開閉羽根22を開放状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。そして、普図当り抽選に当選すると(普通当り図柄が確定停止表示されると)、開閉羽根22を開放する普図当り遊技が付与される。また、普図当り遊技における開閉羽根22の開放によって、第2始動入賞口21に遊技球を入賞させ易くなり、遊技者は、図柄変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
【0027】
また、第1始動入賞口19の右方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた特別入賞手段としての大入賞口24が配設されている。大入賞口24の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。大入賞口24は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば、15個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口24は、大当り遊技中に大入賞口扉23の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、本実施形態において、遊技盤10の左側より発射された遊技球が、符号Yに示すように遊技盤10の右側から転動するときには、遊技盤10の左側から転動するときよりも、大入賞口24に遊技球が入賞し易くなるように、障害釘等が配設されている。
【0028】
本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者にとって有利な確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される場合がある。確変状態が付与された場合、大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)させる。また、確変状態は、予め決められた確変付与回数(本実施形態では、80回)の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、付与される。このように確変状態が付与された場合は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0029】
また、本実施形態では、遊技者にとって有利な変動時間短縮(以下、「変短」と示す)状態が付与される場合がある。変短状態が付与された場合、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート27の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)させる。また、普図当り抽選に当選したとき、変短状態が付与されている場合は、変短状態が付与されていない場合と比較して、開閉羽根22を長い時間開放させる。このため、変短状態が付与されている場合、単位時間当りの開閉羽根22の開放時間が増加することになる。すなわち、変短状態が付与されている場合は、単位時間当りの第2始動入賞口21への遊技球の入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となる。また、変短状態は、予め決められた変短付与回数(本実施形態では、77回又は80回)の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、付与される。
【0030】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技及び小当り遊技について、図2に基づき説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示され、該図柄変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、11ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口24は、規定個数(入球上限個数(本実施形態では、9個))の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、予め定めた規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後には、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0031】
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す4種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、4種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。
【0032】
本実施形態において特図表示装置12に確定停止表示される100種類の特図の大当り図柄は、図柄A、図柄B、図柄C及び図柄Dに分類される。具体的には、図柄Aには特図表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち40種類の大当り図柄が振り分けられている。また、図柄Bには特図表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち25種類の大当り図柄が振り分けられている。また、図柄Cには特図表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち15種類の大当り図柄が振り分けられ、図柄Dには特図表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち20種類の大当り図柄が振り分けられている。また、図柄Eには、小当り遊技に対応する11種類の特図(小当り図柄)が振り分けられている。
【0033】
図柄Aに分類される大当り図柄が特図表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「11回」に設定され、該遊技終了後から「80回」の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、確変状態が付与される大当り遊技(以下、「確変確定大当り」と示す)である。また、図柄Bに分類される大当り図柄が特図表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「11回」に設定され、該遊技終了後から「80回」の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、確変状態が付与される大当り遊技(以下、「確変秘匿大当り」と示す)である。また、図柄Cに分類される大当り図柄が特図表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「11回」に設定され、該遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当り遊技(以下、「非確変大当り」と示す)である。なお、図2では、非確変大当り終了後に確変状態が付与される回数を「0回」と示す。
【0034】
確変確定大当り、確変秘匿大当り及び非確変大当りでは、オープニング時間として「7(秒)」が、エンディング時間として「10(秒)」がそれぞれ設定されている。また、確変確定大当り、確変秘匿大当り及び非確変大当りでは、各ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。また、図示しないが、確変確定大当り、確変秘匿大当り及び非確変大当りにおける各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「1.5(秒)」にそれぞれ設定されている。また、確変確定大当り終了後、当該確変確定大当り当選時の遊技状態に関係なく、「77回」の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、変短状態が付与される。一方、確変秘匿大当り及び非確変大当り終了後、当該大当り当選時の遊技状態に関係なく、「80回」の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、変短状態が付与される。
【0035】
このように、確変秘匿大当りと非確変大当りは、大当り遊技中の大入賞口24の開放態様が同一であり、且つ大当り遊技終了後の変短状態の付与態様も同一である。このため、大入賞口24の開放態様及び大当り遊技終了後の変短状態の付与態様から、確変秘匿大当りと非確変大当りのうち何れか大当り遊技が付与されたかについて認識できない。
【0036】
また、図柄Dに分類される大当り図柄が特図表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「11回」に設定され、該遊技終了後から「80回」の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、確変状態が付与される大当り遊技(以下、「短縮確変大当り」と示す)である。短縮確変大当りでは、オープニング時間として、「0.02(秒)」が、エンディング時間として「0.068(秒)」が設定されている。また、短縮確変大当りでは、各ラウンド遊技時間として「0.032(秒)」がそれぞれ設定されている。また、短縮確変大当りにおける各ラウンド間のインターバル時間は、「1.5(秒)」がそれぞれ設定されている。また、短縮確変大当りが付与されたとき、当該大当り当選時に変短状態が付与されている場合には、短縮確変大当り終了後から「77回」の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、変短状態が付与される。一方で、短縮確変大当りが付与されたとき、当該大当り当選時に変短状態が付与されていない場合には、短縮確変大当り終了後に変短状態が付与されない(図2では、「0回」と示す)。
【0037】
なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、短縮確変大当りにおけるラウンド遊技時間(0.032(秒))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口24に入球する遊技球の個数が、入球上限個数(9個)を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機では、1分間あたりの遊技球の発射個数が約「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は、「0.6(秒)」となる。すなわち、短縮確変大当りのラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(0.032(秒))内に、入球上限個数となる「9球」の遊技球を発射して、入球させるのは困難である。
【0038】
また、図柄Eに分類される小当り図柄が特図表示装置12に確定停止表示されたときに付与される小当り遊技では、オープニング時間として「0(秒)」が、エンディング時間として「0.096(秒)」がそれぞれ設定されている。また、小当り遊技では、大入賞口24の開放回数として「11回」が設定されている。また、小当り遊技では、開放1回目〜11回目の開放時間が「0.032(秒)」に設定されているとともに、各開放の間(例えば、2回目の開放から3回目の開放までの間)にはインターバル時間として「1.5(秒)」が設定されている。これにより、小当り遊技において1回目の開放から11回目の閉鎖までの開閉時間は、「0.032(秒)+1.5(秒)+0.032(秒)+1.5(秒)+…+0.032(秒)+1.5(秒)+0.032(秒)」からなる「15.064(秒)」に設定されていることになる。このように、短縮確変大当りにおける1ラウンド目の開放から11ラウンド目の閉鎖までと、小当り遊技における1回目の開放から11回目の閉鎖までと、では、大入賞口24の開放態様が同じとなっている。そのため、大入賞口24の開放態様及び演出時間からは、短縮確変大当りと小当り遊技の何れが付与されたかを認識できない。
【0039】
また、小当り遊技では、当該小当り遊技の終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている(図2では、「現状維持」と示す)。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技の終了後も確変状態が継続して付与される一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも確変状態が付与されない。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技の終了後も変短状態が継続して付与される一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも変短状態が付与されない。
【0040】
また、本実施形態では、図3に示すように、確変状態が付与されていることを遊技者に報知する「確変確定モード」を演出表示装置11で実行可能に構成されている。また、本実施形態では、確変状態が付与されていることに対して期待できることを遊技者に報知する「確変秘匿モード」と「チャンスモード」を演出表示装置11で実行可能に構成されている。また、本実施形態では、主に確変状態が付与されていないときに実行され、確変状態が付与されている可能性が低いことを遊技者に報知する「通常演出モード」を演出表示装置11で実行可能に構成されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において通常演出モード滞在中、実際には、確変状態が付与されているか否かを遊技者に把握させていない秘匿状態であるので、確変状態が付与されている可能性が皆無であるというわけではない。
【0041】
また、本実施形態において、演出表示装置11では、背景画像に重なるように各列の飾り図柄が表示されて、これら飾り図柄が変動表示されることで図柄変動ゲームが実行されるようになっている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、演出表示装置11に表示される背景画像の種類から遊技者に現在滞在している演出モードの種類を遊技者に把握させて確変状態が付与されていることに対して期待できるか否かを報知したり、確変状態が付与されていることを報知したりするようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機における背景画像は、図柄変動ゲームで表示される飾り図柄を除いて構成し得る画像である。
【0042】
なお、本実施形態において実行中(滞在中)の演出モードが確変確定モードである場合、「寺」をモチーフにした画像が背景画像として表示されるとともに、確変確定モードに滞在していることが認識できるように「確変確定モード」の文字が画像表示部GHの上部に表示されるようになっている。また、本実施形態において実行中の演出モードがチャンスモードである場合、「庭園」をモチーフにした画像が背景画像として表示されるとともに、チャンスモードに滞在していることが認識できるように「チャンスモード」の文字が画像表示部GHの上部に表示されるようになっている。また、本実施形態において実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合、「玄関」をモチーフにした画像が背景画像として表示されるとともに、確変秘匿モードに滞在していることが認識できるように「確変秘匿モード」の文字が画像表示部GHの上部に表示されるようになっている。また、本実施形態において実行中の演出モードが通常演出モードである場合、「風呂」をモチーフにした画像、「縁側」をモチーフにした画像及び「居間」をモチーフにした画像のうち何れかの画像が背景画像として表示されるようになっている。なお、図3では、破線部の内部を変短状態が付与されていない場合のモード移行態様を示しており、破線部の外部を変短状態が付与されている場合のモード移行態様を示している。
【0043】
図3に示すように、通常演出モードは、変短状態が付与されていないときに実行される(滞在する)演出モードである。実行中(滞在中)の演出モードが通常演出モードである場合、確変確定大当りが付与されると、当該大当り遊技終了後、確変確定モードへ移行する。また、実行中の演出モードが通常演出モードである場合、確変秘匿大当り又は非確変大当りが付与されると、当該大当り遊技終了後、チャンスモードへ移行する。また、実行中の演出モードが通常演出モードである場合、短縮確変大当り又は小当り遊技が付与されると、当該当り遊技終了後、確変秘匿モードへ移行する。
【0044】
また、確変秘匿モードは、変短状態が付与されていないときに実行される演出モードである。実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合、確変確定大当りが付与されると、当該大当り遊技終了後、確変確定モードへ移行する。また、実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合、確変秘匿大当り又は非確変大当りが付与されると、当該大当り遊技終了後、チャンスモードへ移行する。また、実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合、短縮確変大当り又は小当り遊技が付与されると、当該当り遊技終了後、確変秘匿モードが引き続き実行される。また、確変秘匿モードが実行されてから、確変秘匿モードのモード終了条件が成立すると、通常演出モードへ移行する。
【0045】
また、確変確定モードは、変短状態が付与されているときに実行され、確変状態が付与されていることを認識できる演出モードである。実行中の演出モードが確変確定モードである場合、確変確定大当り、短縮確変大当り及び小当り遊技のうち何れかの当り遊技が付与されると、当該当り遊技終了後、確変確定モードが引き続き実行される。また、実行中の演出モードが確変確定モードである場合、確変秘匿大当り又は非確変大当りが付与されると、当該大当り遊技終了後、チャンスモードへ移行する。また、実行中の演出モードが確変確定モードである場合、変短状態の付与が終了すると、通常演出モードへ移行する。
【0046】
また、チャンスモードは、変短状態が付与されているときに実行される演出モードである。実行中の演出モードがチャンスモードである場合、確変確定大当り又は短縮確変大当りが付与されると、当該大当り遊技終了後、確変確定モードへ移行する。また、実行中の演出モードがチャンスモードである場合、確変秘匿大当り、非確変大当り及び小当り遊技のうち何れかの当り遊技が付与されると、当該当り遊技終了後、チャンスモードが引き続き実行される。また、実行中の演出モードがチャンスモードである場合、変短状態の付与が終了すると、通常演出モードへ移行する。
【0047】
また、本実施形態では、通常演出モード滞在中に、大当りとなる可能性の高い図柄変動ゲームの実行が保留されていることを示唆する先読み演出を実行可能に構成されている。先読み演出の実行可否は、始動入賞口19,21に遊技球が入賞したときに決定されるようになっている。また、先読み演出は、先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームの実行が保留されてから、当該図柄変動ゲームが実行されるまでに実行される図柄変動ゲームと、前記先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームにて実行される。なお、先読み演出は、先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームの実行が保留記憶数「0」のときに保留された場合、先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームのみ実行される。
【0048】
また、本実施形態では、実行が保留された図柄変動ゲームが大当りとなる場合には、実行が保留された図柄変動ゲームがはずれとなる場合と比較して、先読み演出の実行が決定され易いように構成されている。このため、先読み演出が実行された際には、実行が保留されている図柄変動ゲーム又は実行が開始された図柄変動ゲームが大当りとなる可能性が高いことを期待することができる。また、本実施形態では、先読み演出の実行が開始されてから当該先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、先読み演出実行時にのみ表示される先読み専用の背景画像に切り替えて図柄変動ゲームが行われるようになっている。なお、本実施形態において先読み演出が実行されているとき、「台所」をモチーフにした画像が背景画像として表示されるとともに、先読み演出が実行されていることが認識できるように「先読み演出中」の文字が画像表示部GHの上部に表示されるようになっている。
【0049】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図4にしたがって説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)や各種の演出装置を制御する。
【0050】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特図表示装置12、特図保留記憶表示装置13及び普通図柄表示装置14が接続されている。
【0051】
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数及び普図当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)及び小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選に当選した場合に、付与する大当り遊技の種類を決定する際に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選及び小当り抽選で非当選の場合に、図柄変動ゲームにてリーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、普図当り判定用乱数は、普図当り抽選(普図当り判定)で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0052】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値など)や、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定し得る。また、変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、大当りのとき及び小当りのときに決定される確変示唆演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンがある。また、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチ演出を演出内容に含まないはずれ通常演出用の変動パターンがある。
【0053】
また、リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが表示されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り、はずれ又は確変示唆の図柄組み合わせ)が導出されるまでの間に行われる演出である。なお、はずれ通常演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、大当り演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、確変示唆演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的に確変示唆の図柄組み合わせが確定停止表示されるように展開される。
【0054】
主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、確変状態が付与されているときの大当り判定値(確変状態時の大当り判定値)は、少なくとも確変状態が付与されていないときの大当り判定値(非確変状態時の大当り判定値)を含むように定められている。
【0055】
また、主制御用ROM30bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、小当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から大当り判定値とは異なる値が定められている。また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、本実施形態においてリーチ判定用乱数の取り得る数値は「0〜238」としている。そして、本実施形態では、変短状態が付与されていないときのリーチ判定値として「0〜7」までの8個の数値が定められている一方、変短状態が付与されているときのリーチ判定値として「0〜14」までの15個の数値が定められている。
【0056】
また、主制御用ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
【0057】
次に、図4に示す演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、先読み判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。先読み判定用乱数とは、先読み演出の実行可否を決定する際に用いる乱数である。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、先読み判定値が記憶されている。先読み判定値は、先読み演出の実行可否を決定する際に用いる判定値であり、先読み判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0058】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理、普図ゲーム処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理、普図ゲーム処理などの各種処理を実行する。
【0059】
最初に、特別図柄入力処理について、図5に基づき説明する。
特別図柄入力処理において主制御用CPU30aは、始動入賞口19,21に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ステップS1において主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップS1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0060】
ステップS2の判定結果が肯定(保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数に1加算し、保留記憶数を書き換える(ステップS3)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の保留記憶数を表すように特図保留記憶表示装置13の表示内容を変更させる。続いて、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値及び変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS4)。その後、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を実行し(ステップS5)、特別図柄入力処理を終了する。この先読みコマンド設定処理は、始動入賞口19,21へ遊技球が入賞したこと(入賞検知)を契機に取得した各乱数の値に基づく各種判定(事前判定)結果を、入賞検知に基づく図柄変動ゲームの実行開始時期よりも前に演出制御基板31に把握させるための各種先読みコマンドを生成及び出力するための処理である。このように、各種乱数の値を取得する主制御用CPU30aが乱数取得手段として機能するとともに、図柄変動ゲームの実行を保留するために保留記憶数に対応する記憶領域に各種乱数の値を記憶する主制御用RAM30cがゲーム保留記憶手段として機能する。
【0061】
以下、先読みコマンド設定処理について、図6に基づき説明する。
先読みコマンド設定処理のステップS11において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理におけるステップS4にて取得した各乱数のうち当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前大当り判定」と示す)。なお、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態にて確変状態が付与されているか否かに関係なく、非確変状態時における大当り判定値を用いて事前大当り判定を行う。このように主制御用CPU30aは、始動入賞口19,21にて遊技球を入賞検知した時、当該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶された当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で確実に大当りに当選する判定結果になるか否かを事前判定するようになっている。
【0062】
また、ステップS11の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、事前大当り判定の判定結果が肯定であることを指定する大当り先読みコマンドを出力処理で演出制御用CPU31aに出力するように、出力バッファに設定する(ステップS12)。なお、主制御用CPU30aは、現在の保留記憶数に対応する種類の大当り先読みコマンドを出力バッファに設定する。そして、大当り先読みコマンドを設定した主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0063】
一方、ステップ11の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理におけるステップS13の処理として、特別図柄入力処理におけるステップS4にて取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前小当り判定」と示す)。ステップS13の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、事前小当り判定の判定結果が肯定であることを指定する小当り先読みコマンドを出力処理で演出制御用CPU31aに出力するように、出力バッファに設定する(ステップS14)。なお、主制御用CPU30aは、現在の保留記憶数に対応する種類の小当り先読みコマンドを出力バッファに設定する。そして、小当り先読みコマンドを設定した主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0064】
一方、ステップS13の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理におけるステップS15の処理として、特別図柄入力処理におけるステップS4にて取得したリーチ判定用乱数の値が、「7以下」であるか、つまり「0〜7」であるか否かを判定する(以下、「事前リーチ判定」と示す)。本実施形態では、変短状態が付与されているか否かに関係なく、リーチ判定用乱数の値が「7以下(「0〜7」)」である場合には、リーチ判定の判定結果が確実に肯定となる。このように主制御用CPU30aは、始動入賞口19,21にて遊技球を入賞検知した時、当該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶されたリーチ判定用乱数の値が、後に行うリーチ判定の判定結果が確実に肯定となるかを事前判定するようになっている。
【0065】
そして、ステップS15の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、事前リーチ判定の判定結果が肯定であることを指定するはずれリーチ先読みコマンドを出力処理で演出制御用CPU31aに出力するように、出力バッファに設定する(ステップS16)。なお、主制御用CPU30aは、現在の保留記憶数に対応する種類のはずれリーチ先読みコマンドを出力バッファに設定する。そして、はずれ先読みコマンドを設定した主制御用CPU30aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
【0066】
一方、ステップS15の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、事前リーチ判定の判定結果が否定であることを指定するはずれ通常先読みコマンドを出力処理で演出制御用CPU31aに出力するように、出力バッファに設定する(ステップS17)。
【0067】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、まず、大当り遊技中又は図柄変動ゲームの実行中であるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、前記判定結果が否定の場合(図柄変動ゲーム中ではなく、且つ大当り遊技中ではない)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに格納されている保留記憶数を読み出し、その保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。そして、保留記憶数が「0」の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、読み出した保留記憶数から1減算する。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各乱数の値を取得し、当該取得した各種乱数の値を実行中の図柄変動ゲームに係る各種乱数を記憶する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)する。その後、主制御用CPU30aは、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶する。次に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶する。その次に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶し、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を消去する。
【0068】
また、主制御用CPU30aは、所定の記憶領域に格納した各種乱数のうち当り判定用乱数の値を読み出し、当該読み出した当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較して、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、確変状態が付与されているときには確変状態時における大当り判定値と当り判定用乱数の値を比較し、確変状態が付与されていないときは非確変状態時における大当り判定値と当り判定用乱数の値を比較する。
【0069】
そして、大当り抽選において当り判定用乱数の値と大当り判定値が一致する場合、主制御用CPU30aは、大当りに当選したことから、大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、所定の記憶領域に格納した特図振分用乱数の値に基づいて特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定するとともに、変動パターンを決定する。その際、主制御用CPU30aは、確定停止表示させる大当り図柄として図柄A,B,Cのうち何れかを決定した場合には、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から所定の記憶領域に格納した変動パターン振分乱数の値に対応付けられた変動パターンを決定する。一方、主制御用CPU30aは、確定停止表示させる大当り図柄として図柄Dを決定した場合には、複数種類の確変示唆演出用の変動パターンの中から所定の記憶領域に格納した変動パターン振分用乱数の値に対応付けられた変動パターンを決定する。
【0070】
一方、大当り抽選において当り判定用乱数の値と大当り判定値が一致しない場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が小当り判定値と一致するか否かの小当り抽選を行う。そして、小当り抽選において当り判定用乱数の値と小当り判定値が一致する場合、主制御用CPU30aは、小当りに当選したことから、小当り変動処理を実行する。小当り変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として小当り図柄(図柄E)を決定するとともに、変動パターンを決定する。このとき、主制御用CPU30aは、複数種類の確変示唆演出用の変動パターンの中から所定の記憶領域に格納した変動パターン振分用乱数の値に対応付けられた変動パターンを決定する。
【0071】
一方、小当り抽選において当り判定用乱数の値と小当り判定値が一致しない場合、主制御用CPU30aは、大当り抽選及び小当り抽選に当選しなかったことから、はずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。
【0072】
また、主制御用CPU30aは、所定の記憶領域に格納したリーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、リーチ抽選(リーチ判定)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、変短状態が付与されていないときはリーチ判定用乱数の値が「7以下(0〜7)」であるか否かのリーチ抽選を行い、変短状態が付与されているときはリーチ判定用乱数の値が「14以下(0〜14)」であるか否かのリーチ抽選を行う。そして、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が一致する場合(リーチ判定の判定結果が肯定の場合)、複数種類のはずれリーチ演出用の変動パターンの中から所定の記憶領域に格納した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを決定する。一方、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が一致しない場合(リーチ判定の判定結果が否定の場合)、複数種類のはずれ通常演出用の変動パターンの中から所定の記憶領域に格納した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを決定する。
【0073】
そして、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させると決定した特別図柄を指示する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている演出時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。また、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている演出時間の経過時に、確定停止表示させると決定した特別図柄を確定停止表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。このように、実行が保留されている図柄変動ゲームを実行させる主制御用CPU30aがゲーム実行手段として機能する。
【0074】
次に、大当り抽選(又は小当り抽選)に当選した図柄変動ゲーム終了後に主制御用CPU30aが実行する当り遊技処理を説明する。
当り遊技処理において主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。次に、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合には、オープニング演出の終了後、各ラウンド遊技(小当り遊技の場合には、大入賞口24の1回目〜11回目の開閉時間における演出)を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御用CPU31aに出力するとともに、大入賞口24の開放及び閉鎖を制御する。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技(小当り遊技の場合には、11回目の大入賞口24の開放)が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。その後、主制御用CPU30aは、エンディング演出の終了によって大当り遊技又は小当り遊技を終了させる。
【0075】
また、主制御用CPU30aは、はずれの図柄変動ゲーム終了後、若しくは、当り遊技終了後、主制御用RAM30cに記憶されている各種主制御用設定フラグや各種主制御用リミッタの値を設定する。主制御用リミッタには、確変状態の付与が終了するまでに実行される図柄変動ゲームの回数が設定される主制御用確変リミッタと、変短状態の付与が終了するまでに実行される図柄変動ゲームの回数が設定される主制御用変短リミッタと、がある。また、主制御用設定フラグには、確変状態の付与態様を特定するための主制御用確変フラグと、変短状態の付与態様を特定するための主制御用作動フラグと、がある。
【0076】
そして、主制御用CPU30aは、図柄A、図柄B又は図柄Dを決定した場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、主制御用確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定するとともに、主制御用確変リミッタに「80」を設定する。一方で、主制御用CPU30aは、図柄Cを決定した場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、主制御用確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)を設定する。
【0077】
また、主制御用CPU30aは、図柄Aを決定した場合、大当り遊技開始前に主制御用作動フラグに設定されていた値に関係なく、大当り遊技終了後に主制御用作動フラグに変短状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定するとともに、主制御用変短リミッタに「77」を設定する。また、主制御用CPU30aは、図柄B又は図柄Cを決定した場合、大当り遊技開始前に主制御用作動フラグに設定されていた値に関係なく、大当り遊技終了後に主制御用作動フラグに「1」を設定するとともに、主制御用変短リミッタに「80」を設定する。また、主制御用CPU30aは、図柄Dを決定した場合、大当り遊技開始前に主制御用作動フラグに「1」が設定されていたときには、大当り遊技終了後に主制御用作動フラグに「1」を設定するとともに、主制御用変短リミッタに「77」を設定する。一方、主制御用CPU30aは、図柄Dを決定した場合、大当り遊技開始前に主制御用作動フラグに変短状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)が設定されていたときには、大当り遊技終了後に主制御用作動フラグに「0」を設定する。
【0078】
また、主制御用CPU30aは、はずれ図柄又は小当り図柄(図柄E)を決定した場合、主制御用確変フラグに「1」が設定されているときには、主制御用確変リミッタに設定された値から1減算する。そして、減算後の主制御用確変リミッタの値が「0」となった場合、主制御用CPU30aは、主制御用確変フラグに「0」を設定する。
【0079】
また、主制御用CPU30aは、はずれ図柄又は小当り図柄を決定した場合、主制御用作動フラグに「1」が設定されているときには、主制御用変短リミッタに設定された値から1減算する。そして、減算後の主制御用変短リミッタの値が「0」となった場合、主制御用CPU30aは、主制御用作動フラグに「0」を設定する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技中及び小当り遊技中は、主制御用確変フラグ及び主制御用作動フラグに、それぞれ「0」を設定する。
【0080】
このように、主制御用CPU30aは、主制御用確変フラグ及び主制御用作動フラグを参照することにより、現時点での確変状態の付与態様及び変短状態の付与態様を特定することができる。また、主制御用CPU30aは、主制御用確変リミッタに設定された値を参照することにより、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると確変状態の付与が終了するかについて特定することができる。また、主制御用CPU30aは、主制御用変短リミッタに設定された値を参照することにより、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると変短状態の付与が終了するかについて特定することができる。
【0081】
次に、普図ゲーム処理について説明する。
まず、普図ゲーム処理において主制御用CPU30aは、ゲート27へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW2が出力する検知信号を入力したか否かの実行判定を行う。実行判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普図ゲーム処理を終了する。一方で、実行判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図ゲーム中又は普図当り遊技中であるか否かを判定する。普図ゲーム中又は普図当り遊技中であると判定した場合、主制御用CPU30aは、普図ゲーム処理を終了する。一方、普図ゲーム中でなく、且つ普図当り遊技中でないと判定した場合、主制御用CPU30aは、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した普図当り判定用乱数の値が普図当り判定値と一致するか否かの普図当り判定を行う。このとき、変短状態が付与されているとき、主制御用CPU30aは、変短時の普図当り判定値と、取得した普図当り判定用乱数の値が一致するか否かの普図当り判定を行う。一方、変短状態が付与されていないとき、主制御用CPU30aは、非変短時の普図当り判定値と、取得した普図当り判定用乱数の値が一致するか否かの普図当り判定を行う。なお、変短時の普図当り判定値の個数は、非変短時の普図当り判定値の個数よりも多く設定されている。
【0082】
普図当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置14に確定停止表示させる普通当り図柄を決定し、普図ゲーム処理を終了する。一方、普図当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置14に確定停止表示させる普通はずれ図柄を決定し、普図ゲーム処理を終了する。
【0083】
普通図柄表示装置14に確定停止表示させる普通図柄を決定し、普図ゲーム処理を終了すると、主制御用CPU30aは、普図を変動表示させるように普通図柄表示装置14の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間が経過すると、普図ゲーム処理にて決定した普図を普通図柄表示装置14に確定停止表示させる。なお、本実施形態における普図ゲームの変動時間は、普図ゲーム開始時において、変短状態が付与されているときには「0.7(秒)」、変短状態が付与されていないときには「5(秒)」が設定されている。また、図柄変動ゲームと普図ゲームは、同時に実行可能である。
【0084】
次に、普図当り抽選に当選した場合に主制御用CPU30aが実行する普図当り遊技に係る制御について説明する。
主制御用CPU30aは、普図当りの普図ゲーム終了時(普通当り図柄を確定停止表示させた時)、変短状態が付与されている(主制御用作動フラグに「1」が設定されている)場合には、開閉羽根22を5回開放させ、各回の開放において開放してから「0.72(秒)」が経過するまで開放状態を維持するように開閉羽根22の開放を制御する。一方、主制御用CPU30aは、普図当りの普図ゲーム終了時、変短状態が付与されていない(主制御用作動フラグに「0」が設定されている)場合には、開閉羽根22を1回開放させ、開放してから「0.2(秒)」が経過するまで開放状態を維持するように開閉羽根22の開放を制御する。
【0085】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。以下、演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄の決定について説明する。
【0086】
演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、数字図柄[7]によって構成される大当りの図柄組み合わせ[777]を確定停止表示させる飾り図柄として決定する。また、演出制御用CPU31aは、図柄B又は図柄Cが指定された場合、数字図柄[7]以外の数字図柄[1]〜[6]、[8]によって構成される大当りの図柄組み合わせ(例えば、[888])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、図柄D又は小当り図柄(図柄E)が指定された場合、確変示唆の図柄組み合わせ(例えば、[454])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。
【0087】
また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[323])の中からはずれの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれ通常演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[426]や[211])の中からはずれの図柄組み合わせを決定する。
【0088】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の飾り図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した飾り図柄の図柄組み合わせを演出表示装置11に確定停止表示させる。
【0089】
また、演出制御用CPU31aは、はずれの図柄変動ゲーム終了後、若しくは、当り遊技終了後、演出制御用RAM31cに記憶されている各種演出制御用設定フラグや各種演出制御用リミッタの値を設定する。演出制御用リミッタには、確変状態の付与が終了するまでに実行される図柄変動ゲームの回数が設定される演出制御用確変リミッタと、変短状態の付与が終了するまでに実行される図柄変動ゲームの回数が設定される演出制御用変短リミッタと、がある。また、演出制御用設定フラグには、確変状態の付与態様を特定するための演出制御用確変フラグと、変短状態の付与態様を特定するための演出制御用作動フラグと、がある。
【0090】
そして、演出制御用CPU31aは、図柄A、図柄B又は図柄Dが指定された場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、演出制御用確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定するとともに、演出制御用確変リミッタに「80」を設定する。一方で、演出制御用CPU31aは、図柄Cが指定された場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、演出制御用確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)を設定する。
【0091】
また、演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、大当り遊技開始前に演出制御用作動フラグに設定されていた値に関係なく、大当り遊技終了後に演出制御用作動フラグに変短状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定するとともに、演出制御用変短リミッタに「77」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、図柄B又は図柄Cが指定された場合、大当り遊技開始前に演出制御用作動フラグに設定されていた値に関係なく、大当り遊技終了後に演出制御用作動フラグに「1」を設定するとともに、演出制御用変短リミッタに「80」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、図柄Dが指定された場合、大当り遊技開始前に演出制御用作動フラグに「1」が設定されていたときには、大当り遊技終了後に演出制御用作動フラグに「1」を設定するとともに、演出制御用変短リミッタに「77」を設定する。一方、演出制御用CPU31aは、図柄Dが指定された場合、大当り遊技開始前に演出制御用作動フラグに変短状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)が設定されていたときには、大当り遊技終了後に演出制御用作動フラグに「0」を設定する。
【0092】
また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄又は小当り図柄(図柄E)が指定された場合、演出制御用確変フラグに「1」が設定されているときには、演出制御用確変リミッタに設定された値から1減算する。そして、減算後の演出制御用確変リミッタの値が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用確変フラグに「0」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄又は小当り図柄が指定された場合、演出制御用作動フラグに「1」が設定されているときには、演出制御用変短リミッタに設定された値から1減算する。そして、減算後の演出制御用変短リミッタの値が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用作動フラグに「0」を設定する。
【0093】
このように、演出制御用CPU31aは、演出制御用確変フラグ及び演出制御用作動フラグを参照することにより、現時点での確変状態の付与態様及び変短状態の付与態様を特定することができる。また、演出制御用CPU31aは、演出制御用確変リミッタに設定された値を参照することにより、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると確変状態の付与が終了するかについて特定することができる。また、演出制御用CPU31aは、演出制御用変短リミッタに設定された値を参照することにより、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると変短状態の付与が終了するかについて特定することができる。
【0094】
また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム終了時、演出モードの切り替えを行うモード切替処理を行う。演出制御用RAM31cには実行中(滞在中)の演出モードの種類を特定可能なモード特定フラグが記憶されている。モード特定フラグには、確変確定モードを実行中であるか否かを特定できる確変確定モードフラグと、チャンスモードを実行中であるか否かを特定できるチャンスモードフラグと、確変秘匿モードを実行中であるか否かを特定できる確変秘匿モードフラグと、通常演出モードを実行中であるか否かを特定できる通常演出モードフラグと、がある。なお、各モード特定フラグのうち、実行中の演出モードに対応するモード特定フラグには実行中であることを示す値(本実施形態では、「1」)が設定され、実行中の演出モード以外の演出モードに対応するモード特定フラグには実行中でないことを示す値(本実施形態では、「0」)が設定されるようになっている。
【0095】
そして、演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、当該特別図柄に基づく大当り遊技の終了後、確変確定モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、図柄B又は図柄Cが指定された場合、当該特別図柄に基づく大当り遊技の終了後、チャンスモードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。
【0096】
また、演出制御用CPU31aは、確変秘匿モードフラグ又は通常演出モードフラグに「1」が設定されているときに、図柄D又は小当り図柄(図柄E)が指定された場合、当該特別図柄に基づく当り遊技終了後、確変秘匿モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、確変秘匿モードフラグに「1」を設定する際、確変秘匿モードの残りの最大滞在期間を示す確変秘匿滞在回数に「20」を設定する。一方、演出制御用CPU31aは、確変確定モードフラグ又はチャンスモードフラグに「1」が設定されているときに、図柄Dが指定された場合、確変確定モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、確変確定モードフラグ又はチャンスモードフラグに「1」が設定されているとき、小当り図柄が指定された場合、当該特別図柄に基づく小当り遊技終了後、各モード特定フラグに新たな値を設定しない。なお、確変秘匿モード滞在中において確変秘匿滞在回数だけの図柄変動ゲームが実行されることが、確変秘匿モードのモード終了条件の成立となる。
【0097】
また、演出制御用CPU31aは、確変確定モードフラグ又はチャンスモードフラグに「1」が設定されているときであって演出制御用作動フラグに「0」を設定する際には、通常演出モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。
【0098】
また、演出制御用CPU31aは、確変秘匿モードフラグに「1」が設定されているとき、はずれ図柄が指定されると、確変秘匿滞在回数から1を減算する。そして、減算後の確変秘匿滞在回数が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、通常演出モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。
【0099】
また、演出制御用CPU31aは、当り遊技が付与された場合には当該当り遊技終了後において「1」が設定されているモード特定フラグに対応する演出モードを実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、はずれの図柄変動ゲームが実行された場合には、次の図柄変動ゲーム開始時において「1」が設定されているモード特定フラグに対応する演出モードを実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。例えば、演出制御用CPU31aは、確変確定モードフラグに「1」が設定されている場合、「寺」をモチーフにした画像を背景画像として表示するとともに、画像表示部GHの上部に「確変確定モード」の文字を表示させて確変確定モードを実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、本実施形態では、通常演出モード以外の演出モード(確変確定モード、チャンスモード及び確変秘匿モード)に滞在しているときを、「特別演出が実行されているとき」としている。このため、本実施形態では、通常演出モード以外の演出モードを実行させる演出制御用CPU31aが特別演出制御手段として機能する。
【0100】
また、本実施形態では、通常演出モードの滞在中、通常演出モードの実行を中断して、先読み演出を実行するようになっている。先読み演出は、本実施形態において通常演出モード以外の演出モードの他に「特別演出」となる演出である。通常演出モード以外の演出モードは、通常演出モード滞在中に当り遊技を経由して実行される特別演出であり、確変状態が付与されていることを期待させるときに行われる特別演出である。その一方で、先読み演出は、通常演出モード滞在中に当り遊技を経由することなく実行される特別演出であり、現在又は後に実行される図柄変動ゲームが大当りになることを期待させるときに行われる特別演出である。そして、本実施形態では、通常演出モード以外の演出モードが実行されているとき、又は先読み演出が実行されているとき(特別演出が実行されているとき)は、通常演出モードが実行されているときに表示される背景画像とは異なる種類の背景画像が画像表示部GHに表示される。以下、先読み演出の実行に係る制御について説明する。
【0101】
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから大当り先読みコマンド、小当り先読みコマンド、はずれリーチ先読みコマンド及びはずれ通常先読みコマンド(以下、総称して「先読みコマンド」と示す)を入力すると、演出制御用RAM31cにおいて保留記憶数に対応付けられた所定の記憶領域に記憶(格納)する。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンを入力すると、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に格納する。次に、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に格納する。その次に、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に格納するとともに、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを消去する。
【0102】
また、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンドを入力した場合、先読み演出の実行可否について決定する先読み演出実行決定処理を行う。以下、先読み演出実行決定処理について、図7に基づき説明する。
【0103】
演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、現在滞在中の演出モードが通常演出モードであるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21において演出制御用CPU31aは、通常演出モードフラグに「1」が設定されているか否かを判定する。そして、ステップS21の判定結果が否定の場合、つまり、通常演出モード以外の演出モードに滞在している場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出実行決定処理を終了する。
【0104】
一方で、ステップS21の判定結果が肯定の場合、つまり通常演出モードに滞在している場合、演出制御用CPU31aは、各保留記憶数に対応する演出制御用RAM31cの所定の記憶領域に格納された先読みコマンドの全てがはずれ通常先読みコマンドであるか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22において演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行契機となる図柄変動ゲームが実行されるまでにはずれとなるリーチ演出が実行される可能性がないか否かを判定する。そして、ステップS22の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出実行決定処理を終了する。
【0105】
また、ステップS22の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行が既に決定されているか否かを示す先読み実行フラグに、先読み演出の実行が決定されていることを示す値(本実施形態では、「1」)が設定されているか否かを判定する(ステップS23)。そして、ステップS23の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは先読み演出実行決定処理を終了する。一方、ステップS23の判定結果が否定の場合、つまり、先読み演出の実行が決定されていない場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから先読み判定用乱数の値を取得する(ステップS24)。そして、演出制御用RAM31cは、取得した先読み判定用乱数の値が、入力した先読みコマンドに基づく先読み判定値と一致するか否かの判定(先読み実行判定)を行う(ステップS25)。そして、ステップS25の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出実行決定処理を終了する。
【0106】
なお、ステップS25において演出制御用CPU31aは、取得した先読み判定用乱数の値と比較する先読み判定値の個数は、入力した先読みコマンドによって異なる。具体的には、大当り先読みコマンドを入力した場合に先読み判定用乱数の値と比較する先読み判定値の個数は、小当り先読みコマンド、はずれリーチ先読みコマンドやはずれ通常先読みコマンドを入力した場合に先読み判定用乱数の値と比較する先読み判定値の個数よりも多く定められている。なお、本実施形態では、はずれ通常先読みコマンドを入力した場合に先読み判定用乱数の値と比較する先読み判定値の個数を、他の先読みコマンドを入力した場合に先読み判定用乱数の値と比較する先読み判定値の個数よりも少ない個数に定めている。
【0107】
また、ステップS25の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行を決定し、先読み演出を実行する図柄変動ゲームの回数(先読み演出の実行回数)を演出制御用RAM31cに記憶する(ステップS26)。ステップS26において演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドに基づき保留記憶数を特定するとともに、当該特定した保留記憶数の数を先読み演出の実行回数として演出制御用RAM31cに記憶する。また、先読み演出の実行回数を記憶させた演出制御用CPU31aは、先読み実行フラグに「1」を設定し(ステップS27)、先読み演出実行決定処理を終了する。
【0108】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力したとき、先読み実行フラグに「1」が設定されている場合、通常演出モードの実行を中断して、先読み演出を実行するように演出表示装置11の表示内容を制御する。具体的には、先読み実行フラグに「1」が設定されている場合、通常演出モードにおける背景画像の表示を中断して「台所」をモチーフにした画像を背景画像として表示するとともに、画像表示部GHの上部に「先読み演出中」の文字を表示させて先読み演出を実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0109】
また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム終了時、先読み実行フラグに「1」が設定されている場合には、演出制御用RAM31cに記憶された先読み演出の実行回数から1減算する。そして、減算後の先読み演出の実行回数が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、「1」が設定されたモード特定フラグに対応する演出モードを実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。このように、先読み演出を実行させる演出制御用CPU31aが特別演出制御手段として機能する。
【0110】
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技又は小当り遊技が付与されたとき、先読み実行フラグに「1」が設定されている場合には、先読み実行フラグに先読み演出の実行が決定されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)を設定する。それとともに、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶した先読み演出の実行回数として「0」を設定する。
【0111】
また、本実施形態では、通常演出モード滞在中に、設計者によって予め設定される切替回数だけの図柄変動ゲームが実行された場合、背景画像の種類を切り替えるようになっている。本実施形態では、前述したように、通常演出モードが実行されているときには、「風呂」をモチーフにした画像、「縁側」をモチーフにした画像及び「居間」をモチーフにした画像のうち何れか1種類の画像を背景画像として演出表示装置11に表示させて図柄変動ゲームが実行されるようになっている。
【0112】
また、本実施形態では、図8に示すように、予め決められた切替回数だけの図柄変動ゲームが実行される毎に、「風呂」をモチーフにした画像→「縁側」をモチーフにした画像→「居間」をモチーフにした画像→「風呂」をモチーフにした画像→…の順番で、背景画像として表示される画像が切り替わるようになっている。
【0113】
そして、本実施形態では、「居間」をモチーフにした画像から「風呂」をモチーフにした画像に背景画像が切り替わる際、飾り図柄の装飾態様を変更するようになっている。本実施形態では、図9(a)に示すように、円の形状をした画像にアラビア数字が描かれた第1装飾態様と、図9(b)に示すように、五角形の形状をした画像に漢数字が描かれた第2装飾態様と、の2種類の装飾態様を備えている。そして、全列にて変動表示及び停止表示される飾り図柄の装飾態様が、第1装飾態様と第2装飾態様のうち何れか一方の装飾態様に統一され、図柄変動ゲームが行われるようになっている。
【0114】
そして、演出制御用CPU31aは、通常演出モードの滞在中における背景画像の切り替え、及び飾り図柄の装飾態様の切り替えを行うための切替処理を実行する。以下、切替処理について図10に基づき説明する。演出制御用CPU31aは、変動パターンを入力した際に図10に示す切替処理を実行する。また、演出制御用RAM31cには、通常演出モードに滞在中であって、且つ先読み演出が実行されていないときに実行された図柄変動ゲームの回数を示す通常ゲーム回数と、通常演出モードの実行が行われているときに背景画像として表示させる画像の種類(画像表示部GHの表示内容)を特定するための表示指定値が記憶される。また、演出制御用ROM31bには、通常演出モードにおける背景画像の切り替え契機となる図柄変動ゲームの回数を示す切替回数が記憶されている。なお、本実施形態では、「25」が切替回数として演出制御用ROM31bに記憶されている。切替回数は、通常演出モード滞在中に設計者が少なくとも同一種類の背景画像で行わせたいと考える図柄変動ゲームの回数(先読み演出が実行される図柄変動ゲームの回数を除く)である。このため、通常演出モード滞在中に少なくとも同一種類の背景画像で行わせたいと考える図柄変動ゲームの回数を設計者が変更したい場合には、演出制御用ROM31bに記憶する切替回数の値を変更するだけで良い。
【0115】
演出制御用CPU31aは、変動パターンを入力すると、実行中の通常演出モードに滞在中か否か、つまり、通常演出モードフラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31において演出制御用CPU31aは、通常演出モード以外の演出モードが実行されていないか否かを判定することによって、特別演出が実行されていないか否かを判定している。そして、ステップS31の判定結果が否定の場合、つまり、通常演出モード以外の演出モードに滞在中の場合、演出制御用CPU31aは、切替処理を終了する。
【0116】
一方、ステップS31の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み実行フラグに「0」が設定されているか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32において演出制御用CPU31aは、先読み演出が実行されていないか否かを判定することによって、特別演出が実行されていないか否かを判定している。そして、ステップSS32の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、切替処理を終了する。一方、ステップS32の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、通常ゲーム回数に1加算する(ステップS33)。その後、演出制御用CPU31aは、加算後の通常ゲーム回数が通常演出モードにおける背景画像の切り替え契機となる切替回数(本実施形態では、25)に達したか否かを判定する(ステップS34)。ステップS34の判定結果が否定の場合、つまり、通常ゲーム回数が切替回数未満である場合、演出制御用CPU31aは、切替処理を終了する。このように、通常ゲーム回数を加算して、通常演出モード滞在中であって且つ先読み演出が実行されていない図柄変動ゲームの回数をカウントする演出制御用CPU31aがカウント手段として機能する。
【0117】
一方、ステップS34の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、通常ゲーム回数に「0」を設定し、通常ゲーム回数をリセットする(ステップS35)。そして、通常ゲーム回数をリセットした演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから表示指定値を読み出し、表示指定値に1加算する(ステップS36)。その次に、演出制御用CPU31aは、加算後の表示指定値に対応する種類の画像を背景画像として表示して、背景画像の種類を切り替えるように演出表示装置11の表示内容を制御する(ステップS37)。なお、本実施形態では、表示指定値として設定され得る値のうち「0,3,6,9,12…(3の倍数)」には、「風呂」をモチーフにした画像が対応付けられている。また、表示指定値として設定され得る値のうち「1,4,7,10,13…(3の倍数に1を加算した値)」には、「縁側」をモチーフにした画像が対応付けられている。また、表示指定値として設定され得る値のうち「2,5,8,11,14…(3の倍数に2を加算した値)」には、「居間」をモチーフにした画像が対応付けられている。このため、表示指定値の値を参照することにより、背景画像として表示させる画像の種類(「風呂」、「縁側」又は「居間」をモチーフにした画像)を特定することができる。
【0118】
ステップS37の処理後、演出制御用CPU31aは、ステップS37において「風呂」をモチーフにした画像(図10では、「風呂画像」と示す)に背景画像を切り替えたか否かを判定する(ステップS38)。ステップS38において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶する表示指定値が「風呂」をモチーフにした画像に対応する値(3の倍数)であるか否かについて判定する。そして、ステップS38の判定結果が否定の場合、つまり、「縁側」又は「居間」をモチーフにした画像に背景画像を切り替えた場合、演出制御用CPU31aは、切替処理を終了する。
【0119】
一方、ステップS38の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、飾り図柄の装飾態様を変更するように演出表示装置11の表示内容を制御する(ステップS39)。ステップS39において演出制御用CPU31aは、表示させてきた飾り図柄が第1装飾態様である場合、第2装飾態様の飾り図柄に変更して表示するように演出表示装置11の表示内容を制御する。その一方で、演出制御用CPU31aは、表示させてきた飾り図柄が第2装飾態様である場合、第1装飾態様の飾り図柄に変更して表示するように演出表示装置11の表示内容を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、切替処理を終了する。このように、飾り図柄の装飾態様を切り替える演出制御用CPU31aが図柄装飾切替手段として機能する。
【0120】
また、本実施形態では、通常演出モード滞在中であって且つ先読み演出が実行されていないとき、つまり、特別演出が実行されていないとき、様々な演出(キャラクタ画像の表示、課題付与演出及び確変示唆演出)を行うようになっている。なお、キャラクタ画像の表示、課題付与演出及び確変示唆演出は、特別演出ではなく、遊技に対する興趣を向上させるために実行される演出である。また、本実施形態では、キャラクタ画像の表示、課題付与演出及び確変示唆演出が実行されるときに、画像表示部GHに表示される背景画像の種類が、通常演出モードにおける背景画像以外の背景画像に切り替わることはない。以下、キャラクタ画像の表示、課題付与演出及び確変示唆演出について説明する。
【0121】
本実施形態では、通常演出モードの滞在中であって、且つ先読み演出が実行されていないとき、キャラクタ画像を演出表示装置11に表示するようになっている。このキャラクタ画像は、例えば、大当りを期待させるための予告演出を実行する際に用いられ、背景画像と同時に演出表示装置11に表示される。本実施形態では、キャラクタ画像の種類としてキャラクタCA、キャラクタCBとキャラクタCCの3種類があり、3種類のキャラクタ画像のうち1種類のキャラクタ画像を表示させることが可能に構成されている。なお、図11では、キャラクタCAのキャラクタ画像の表示態様を示す。
【0122】
そして、本実施形態では、通常演出モードの背景画像の種類が切り替わることを契機に、演出表示装置11に表示させるキャラクタ画像の種類が切り替わるようになっている。また、図12に示すように、キャラクタ画像の種類は、キャラクタCA→キャラクタCB→キャラクタCC→キャラクタCB→キャラクタCA→キャラクタCB→…の順に、切り替えられて演出表示装置11に表示されるようになっている。
【0123】
以下、演出表示装置11に表示させるキャラクタ画像の切り替えに係る制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム開始時において、通常演出モード滞在中であって、且つ、先読み演出が実行されていないときは、表示指定値に対応する種類のキャラクタ画像を表示するように演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、本実施形態では、表示指定値として設定され得る値のうち「0,4,8,12,16…(4の倍数)」には、キャラクタCAのキャラクタ画像が対応付けられている。また、表示指定値として設定され得る値のうち「1,3,5,7,9…(奇数)」には、キャラクタCBのキャラクタ画像が対応付けられている。また、表示指定値として設定され得る値のうち「2,6,10,14,18…(4の倍数に2加算した値)には、キャラクタCCのキャラクタ画像が対応付けられている。このように、通常演出モードにおける背景画像の種類やキャラクタ画像の種類を切り替える演出制御用CPU31aが、演出切替制御手段として機能する。
【0124】
また、本実施形態では、通常演出モードの滞在中であって、且つ先読み演出が実行されていないとき、同一種類の背景画像で図柄変動ゲームが実行されている間、課題付与演出(ミッション演出)を実行するようになっている。課題付与演出は、予め定めた課題演出の実行を課題として遊技者に提示し、当該課題演出が実行されたことによって実行中の図柄変動ゲームが大当りとなることを認識することができる演出である。本実施形態では、通常演出モード滞在中に実行される図柄変動ゲームが大当りとなるとき、課題付与演出で提示されている課題演出と、図柄変動ゲームで実行される演出と、が一致する場合がある。その一方で、通常演出モード滞在中に実行される図柄変動ゲームが大当りでないとき、課題付与演出で提示されている課題演出と、図柄変動ゲームで実行される演出と、が一致しないようになっている。
【0125】
なお、本実施形態における課題付与演出では、数字図柄[1]〜[8]のうち何れか1つの数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせを一旦停止表示させる演出が課題演出として提示される。以下、課題演出においてリーチの図柄組み合わせを構成する数字図柄を「課題図柄」と示す。また、本実施形態において課題付与演出にて提示される課題演出の種類(課題図柄となる数字図柄)は、図11に示すように、キャラクタ画像として表示されるキャラクタが提示するような表示態様で演出表示装置11に表示され、遊技者が課題演出を認識できるようになっている。また、本実施形態では、通常演出モードの背景画像の種類が切り替わることを契機に、通常演出モード滞在中に提示する課題演出として提示される課題演出の種類が変更されるようになっている。
【0126】
以下、課題付与演出の実行に係る制御について説明する。なお、演出制御用RAM31cには、通常演出モード滞在中に提示する課題演出の種類(課題図柄となる数字図柄)を特定可能な課題演出情報が記憶されている。
【0127】
演出制御用CPU31aは、通常演出モードにおける背景画像の種類を切り替えた際、課題図柄を数字図柄[1]〜[8]の中から決定するとともに、当該課題図柄として決定した数字図柄を特定可能な課題演出情報を演出制御用RAM31cに記憶する。また、演出制御用CPU31aは、通常演出モード滞在中(通常演出モードフラグに[1]が設定されているとき)、演出制御用RAM31cに記憶した課題演出情報から特定可能な数字図柄を課題図柄として提示(表示)するように演出表示装置11の表示内容を制御する。例えば、課題演出情報から特定可能な数字図柄の種類が数字図柄[3]である場合、図11に示すように、「数字図柄[3]でリーチをかけろ」と描かれた画像MSが演出表示装置11の画像表示部GHに表示される。
【0128】
また、演出制御用CPU31aは、図柄D又は小当り図柄が指定された場合、課題演出情報から特定可能な数字図柄以外の数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせを含む確変示唆の図柄組み合わせの中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定された場合であって、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、課題演出情報から特定可能な数字図柄以外の数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。
【0129】
このように、はずれの図柄変動ゲームが実行されるときには、課題演出情報から特定可能な数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させる飾り図柄として決定されないようにした。このため、課題演出情報から特定可能な数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示された際には、はずれとならないことを認識することができる。また、図柄D又は小当り図柄が指定された場合も同様に、課題演出情報から特定可能な数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせを含む確変示唆の図柄組み合わせが確定停止表示させる飾り図柄として決定されないようにした。これら構成により、課題演出情報から特定可能な数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示された際には、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなり、当該図柄変動ゲーム終了後に図柄A、図柄B及び図柄Cのうち何れかの大当り図柄に基づく大当り遊技が付与されることを認識することができる。
【0130】
また、本実施形態では、通常演出モードの滞在中であって、且つ先読み演出が実行されていないとき、同一種類の背景画像で図柄変動ゲームが実行されている間、確変状態が付与されていることを段階的に示唆する確変示唆演出を実行するようになっている。確変示唆演出は、段階数「1」〜段階数「5」までの5段階の演出内容のうち何れかの演出内容で実行されるようになっており、段階数が高いほど確変状態が付与されていることを期待できるようになっている。
【0131】
また、確変示唆演出の段階数は、1回の図柄変動ゲームにおいて1段階まで増加し得るように構成されている。例えば、今回の図柄変動ゲームにて確変示唆演出が段階数「1」の演出内容で行われた場合、次の図柄変動ゲームでは、段階数「1」又は段階数「2」の演出内容で確変示唆演出が実行されるようになっている。
【0132】
また、確変示唆演出が行われる際には、図11に示すように、演出表示装置11の画像表示部GHにゲージGKが表示されるようになっている。ゲージGKは、第1段階表示領域LH1〜第5段階表示領域LH5の5つの表示領域によって構成されている。第1段階表示領域LH1には、段階数が「1」以上であるときに斜線が表示され、第2段階表示領域LH2には、段階数が「2」以上であるときに斜線が表示される。また、第3段階表示領域LH3には、段階数が「3」以上であるときに斜線が表示され、第4段階表示領域LH4には、段階数が「4」以上であるときに斜線が表示される。そして、第5段階表示領域LH5には、段階数が「5」であるときに斜線が表示される。
【0133】
以下、確変示唆演出の実行に係る制御について説明する。なお、演出制御用RAM31cには、確変示唆演出の段階数を特定可能な段階数情報が記憶されている。
演出制御用CPU31aは、通常演出モード滞在中であって、且つ先読み演出が実行されていない図柄変動ゲームを実行において、段階数情報から特定可能な確変示唆演出の段階数が最大数でない場合(本実施形態では、段階数「5」でない場合)、確変示唆演出の段階数を増加させるか否かの増加抽選を行う。なお、本実施形態において演出制御用CPU31aは、通常演出モードにおける背景画像を切り替える図柄変動ゲーム、つまり、通常ゲーム回数と切替回数が一致する図柄変動ゲームでは、増加抽選を行わないようになっている。増加抽選の当選確率は、確変状態が付与されているときは、確変状態が付与されていないときよりも高く設定されている。本実施形態では、増加抽選を行う際に確変状態が付与されている場合の増加抽選の当選確率を10%に設定し、増加抽選を行う際に確変状態が付与されていない場合の増加抽選の当選確率を6%に設定している。そして、演出制御用CPU31aは、増加抽選に当選した場合、演出制御用RAM31cに記憶した段階数情報から特定可能な段階数よりも1段階高い段階数を特定可能な段階数情報に書き換えて記憶する。
【0134】
また、演出制御用CPU31aは、通常演出モードにおける背景画像の種類を切り替えた際、初期段階(本実施形態では、段階数「1」)を特定可能な段階数情報を演出制御用RAM31cに記憶する。
【0135】
また、演出制御用CPU31aは、通常演出モード滞在中、演出制御用RAM31cに記憶した段階数情報から特定可能な段階数の確変示唆演出を実行するように演出表示装置11の表示内容を制御する。例えば、段階数情報から段階数「3」を特定可能な場合、図11に示すように、第1段階表示領域LH1〜第3段階表示領域LH3に斜線が表示されるとともに第4段階表示領域LH4と第5段階表示領域LH5に斜線が表示されていないゲージGKが演出表示装置11の画像表示部GHに表示される。
【0136】
ここで、本実施形態における演出モードの移行、背景画像の切替、飾り図柄の装飾態様の切替及びキャラクタ画像の切替の各態様について、図13に基づき説明する。なお、図13では、遊技開始時点において、表示指定値として「5」、「0回」が通常ゲーム回数として記憶されているものとする。また、図13では、遊技開始時点において、通常演出モードに滞在しているものとする。すなわち、遊技開始時点において、表示指定値「5」は、3の倍数に2を加算した値であるため「居間」をモチーフにした画像が背景画像として演出表示装置11の画像表示部GHに表示される。また、遊技開始時点において、表示指定値「5」は、奇数であるためキャラクタCBがキャラクタ画像として演出表示装置11の画像表示部GHに表示される。また、遊技開始時点における飾り図柄の装飾態様は、第1装飾態様であるものとする。また、遊技開始時点より17回目の図柄変動ゲームが小当り抽選に当選し、小当り遊技が付与されるものとする。また、遊技開始時点より85回目〜87回目の図柄変動ゲームに亘って先読み演出が行われるものとする。また、図13に示す図柄変動ゲームは全て大当りとならない図柄変動ゲームであるものとする。
【0137】
遊技開始時点から17回目の図柄変動ゲーム(タイミングt1)の終了後、前提の通り、小当り遊技が付与されると、通常演出モードから確変秘匿モードへ移行する。このとき、遊技開始時点から17回の図柄変動ゲームが実行されたため、通常ゲーム回数として記憶されている値は「17回」である。また、確変秘匿モードは20回の図柄変動ゲームの実行が終了するまで滞在し、遊技開始時点から37回目の図柄変動ゲームの実行が終了する(タイミングt2)と、通常演出モードへ移行する。なお、タイミングt1からタイミングt2までの間は、確変秘匿モードに滞在していたため、タイミングt2において通常ゲーム回数として記憶されている値は、タイミングt1と同じ「17回」である。また、タイミングt2にて通常演出モードに移行してもタイミングt1から表示指定値などが変化していないので、確変秘匿モードへ移行する前と同じように、「居間」をモチーフにした画像が背景画像として表示されるとともに、キャラクタCBがキャラクタ画像として表示される。
【0138】
また、タイミングt2から8回の図柄変動ゲームが実行される(タイミングt3)と、通常ゲーム回数が切替回数に達し、表示指定値に1が加算され、背景画像とキャラクタ画像の種類が切り替わる。タイミングt3は、遊技開始時点より45回の図柄変動ゲームの実行が終了した時点であるが、遊技開始時点より20回の図柄変動ゲームが実行されている間は確変秘匿モードに滞在した(特別演出が実行された)ため、実質25回(=45−20)の図柄変動ゲームが実行されている間、同じ種類の背景画像で通常演出モードに滞在したことになる。
【0139】
また、タイミングt3にて、表示指定値に1が加算されると、表示指定値は「6」となる。表示指定値「6」は、3の倍数であるため「風呂」をモチーフにした画像が背景画像として演出表示装置11の画像表示部GHに表示される。また、表示指定値「6」は、4の倍数に2を加算した値であるため、キャラクタ画像としてキャラクタCCが演出表示装置11の画像表示部GHに表示される。タイミングt3では、「居間」をモチーフにした画像から「風呂」をモチーフにした画像に背景画像の種類が切り替わるため、飾り図柄の装飾態様が切り替わる。具体的には、タイミングt3において、飾り図柄の装飾態様が第1装飾態様から第2装飾態様へと切り替わる。また、タイミングt3では、通常ゲーム回数に「0」が設定され、通常ゲーム回数がリセットされる。
【0140】
また、タイミングt3から通常演出モード以外の演出モードに移行することなく、且つ先読み演出が行われないまま25回の図柄変動ゲームの実行が終了(タイミングt4)すると、通常ゲーム回数が切替回数に達し、表示指定値に1が加算され、背景画像とキャラクタ画像の種類が切り替わる。タイミングt4にて、表示指定値に1が加算されると、表示指定値は「7」となる。表示指定値「7」は、3の倍数に1を加算した値であるため「縁側」をモチーフにした画像が背景画像として演出表示装置11の画像表示部GHに表示される。また、表示指定値「7」は、奇数であるため、キャラクタ画像としてキャラクタCBが画像表示部GHに表示される。また、タイミングt4では、通常ゲーム回数に「0」が設定され、通常ゲーム回数がリセットされる。
【0141】
また、前提の通り、タイミングt4より15回目から17回目の図柄変動ゲーム(遊技開始時点より85回目から87回目の図柄変動ゲーム)に亘って先読み演出が行われると、タイミングt4より15回目の図柄変動ゲーム(タイミングt5)にて背景画像が「台所」をモチーフにした画像に切り替わって画像表示部GHに表示される。なお、先読み演出が行われる間は、先読み演出開始前の装飾態様の飾り図柄(図13では、第2装飾態様の飾り図柄)で図柄変動ゲームが行われる。また、先読み演出が行われる間は、キャラクタ画像は表示されない(図13では、「表示なし」と示す)。また、タイミングt5の時点では、タイミングt5の図柄変動ゲームが実行されるまでに、タイミングt4から14回の図柄変動ゲームが実行されたため、通常ゲーム回数として「14回」が記憶されている。
【0142】
また、先読み演出の実行が終了し、タイミングt4より18回目の図柄変動ゲーム(タイミングt6)が実行されるとき、3回の図柄変動ゲームに亘って先読み演出が行われていたため、タイミングt6において通常ゲーム回数は、先読み演出の実行開始時のタイミングt5と同じ「14回」である。また、タイミングt6にて先読み演出の実行が終了して通常演出モードの背景画像で図柄変動ゲームが行われる場合でも、先読み演出開始時と表示指定値などが変化していないので、先読み演出開始前と同じように、「縁側」をモチーフにした画像が背景画像として表示されるとともに、キャラクタCBがキャラクタ画像として表示される。
【0143】
また、タイミングt6から11回の図柄変動ゲームが実行される(タイミングt7)と、通常ゲーム回数が切替回数に達し、表示指定値に1が加算され、背景画像とキャラクタ画像の種類が切り替わる。タイミングt7は、タイミングt4より28回の図柄変動ゲームが実行された時点であるが、タイミングt4から3回の図柄変動ゲームに亘って先読み演出(特別演出)が行われたため、実質25回(=28−3)の図柄変動ゲームが実行されている間、同じ種類(「縁側」をモチーフにした画像)の背景画像で通常演出モードに滞在したことになる。
【0144】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)通常演出モードの背景画像(通常演出態様)から、通常演出モードの背景画像とは異なる背景画像(特別演出態様)に切り替えられて通常演出モード以外の演出モードや先読み演出(特別演出)が実行される場合がある。また、通常演出モード滞在中に表示されるキャラクタ画像及び課題付与演出(通常演出態様)は、通常演出モード以外の演出モード滞在中や先読み演出が行われている間は表示されないようにした。そして、通常演出モード以外の演出モードや先読み演出が実行される図柄変動ゲームの回数を通常ゲーム回数としてカウントしないようにした。また、通常演出モード以外の演出モードや先読み演出の終了後には、通常演出モード以外の演出モード移行前や先読み演出開始前の通常演出モードの背景画像及びキャラクタ画像に戻る。それとともに、通常演出モード以外の演出モード移行前や先読み演出実行前の通常ゲーム回数の続きから通常ゲーム回数がカウントされるようにした。これにより、演出モードや先読み演出など複数回の図柄変動ゲームに亘って行われる演出が実行されたとしても、同一種類の通常演出モードの背景画像やキャラクタ画像にて図柄変動ゲームが行われる回数を予め決められた切替回数とすることができる。すなわち、同一種類の通常演出モードの背景画像やキャラクタ画像で最低限継続させたい図柄変動ゲームの回数として設計者によって設定される切替回数だけ、確実に同一種類の通常演出モードの背景画像やキャラクタ画像で図柄変動ゲームが実行されるようにすることができる。
【0145】
(2)先読み演出を実行することにより、大当りが迫ってきていることを遊技者に報知することができる。また、先読み演出を行う場合であっても、同一種類の通常演出モードの背景画像やキャラクタ画像で最低限継続させたい図柄変動ゲームの回数として設計者によって設定される切替回数だけ、確実に同一種類の通常演出モードの背景画像やキャラクタ画像で図柄変動ゲームが実行されるようにすることができる。
【0146】
(3)確変秘匿モードやチャンスモードのように確変状態が付与されているか否かを期待させる演出モードを実行可能に構成することによって、確変状態が付与されていることを期待させて遊技を継続させることができる。また、確変秘匿モードやチャンスモードを実行する場合であっても、同一種類の通常演出モードの背景画像やキャラクタ画像で最低限継続させたい図柄変動ゲームの回数として設計者によって設定される切替回数だけ、確実に同一種類の通常演出モードの背景画像やキャラクタ画像で図柄変動ゲームが実行されるようにすることができる。
【0147】
(4)飾り図柄の装飾として複数種類の装飾態様(第1装飾態様と第2装飾態様)を備えており、「居間」をモチーフにした画像から「風呂」をモチーフにした画像に背景画像の種類が切り替わるとき(表示指定値が、3の倍数になるとき)、飾り図柄の装飾態様を変更するようにした。これにより、遊技に対する飽きを防止することができる。また、あと何回の図柄変動ゲームが実行されると飾り図柄の装飾態様が切り替わるかについてある程度推測することができるので、飾り図柄の装飾態様が切り替わるまでは遊技を継続しようという意欲を高めさせることができる。
【0148】
(5)通常演出モードにおける背景画像又はキャラクタ画像(通常演出態様)の種類が切り替わったときには、確変状態が付与されていることを示唆する確変示唆演出の段階数が初期段階に戻されるようにした。このため、同一種類の背景画像又はキャラクタ画像で図柄変動ゲームが継続すればするほど、確変示唆演出の段階数が高い段階数に到達する可能性が高くなるので、遊技を継続させやすくなる。一方で、同一種類の背景画像やキャラクタ画像での図柄変動ゲームが切替回数だけ実行された後は、背景画像やキャラクタ画像の種類が切り替わるので遊技に対する飽きを防止することができる。
【0149】
(6)通常演出モードにおける背景画像の種類と、キャラクタ画像の種類を同じ数(本実施形態では、3種類)にした。また、同じ3種類の選択肢の中から1つの選択肢を選択する順序を、通常演出モードにおける背景画像とキャラクタ画像で異ならせた。例えば、「風呂」をモチーフにした画像とキャラクタCAを第1選択肢、「縁側」をモチーフにした画像とキャラクタCBを第2選択肢、「居間」をモチーフにした画像とキャラクタCCを第3選択肢としたとする。この場合、通常演出モードにおける背景画像の種類は、第1選択肢→第2選択肢→第3選択肢→第1選択肢→第2選択肢→第3選択肢→…の順序で切り替わる。一方で、キャラクタ画像は、第1選択肢→第2選択肢→第3選択肢→第2選択肢→第1選択肢→第2選択肢→第3選択肢→…の順序で切り替わる。このように、遊技を継続しても背景画像の種類とキャラクタ画像の種類の組み合わせが異なるため、表示上の演出に変化を持たせることができ、遊技に対する飽きを防止することができる。
【0150】
(7)課題付与演出を実行することによって、最初に飾り図柄が一旦停止表示される左列に課題図柄となっている数字図柄が一旦停止表示するか否かについて注目させることができる。また、左列に課題図柄となっている数字図柄が一旦停止表示された場合には、次に飾り図柄が一旦停止表示される右列に課題図柄となっている数字図柄が一旦停止表示され、課題演出が実行されるか否かについて注目させることができる。また、通常演出モードにおける背景画像が切り替わる毎に課題図柄も変更するようにした。これにより、同じ通常演出モードで遊技が継続する場合であっても、遊技者を飽きさせることなく、遊技を継続する意欲を維持させることができる。
【0151】
(8)通常演出モードのみで課題付与演出を行うことにより、直前の通常演出モード滞在中に提示された課題演出が、移行後の確変秘匿モード滞在中に実行されたはずれの図柄変動ゲームで実行された場合、確変秘匿モードに移行しなければ大当りになったという不満感を遊技者が抱いてしまう虞がある。そこで、通常演出モード以外の演出モードでも、はずれの図柄変動ゲームでは、課題図柄となっている数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせが、確定停止表示される飾り図柄として決定されないようにした。また、通常演出モード以外の演出モードでも、図柄変動ゲーム終了後に図柄D又は小当り図柄に基づく当り遊技が付与される図柄変動ゲームでは、課題図柄となっている数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせを含む確変示唆の図柄組み合わせが、確定停止表示される飾り図柄として決定されないようにした。これにより、通常演出モードであれば大当りとなっていたにも係らず、滞在中の演出モードが通常演出モードでないから大当りにならなかったなどという不満感を遊技者が抱くことによって興趣を低下させてしまうようなことを防ぐことができる。
【0152】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、先読み演出を実行可能に構成しなくても良い。この場合、先読み演出の実行に係る処理(例えば、先読みコマンド設定処理)などを行う必要はない。
【0153】
・上記実施形態において、通常演出モード以外の演出モードであっても先読み演出を実行可能に構成しても良い。
・上記実施形態において、小当り抽選を行わなくても良い。この場合、小当り遊技が付与されることがなくなるため、小当り遊技を備える必要もない。
【0154】
・上記実施形態において、確変確定モード、チャンスモード及び確変秘匿モードのうちの全て又は一部の演出モードを実行可能に構成しなくても良い。すなわち、通常演出モードのみ実行可能に構成しても良い。この場合、通常演出モード滞在中に当り遊技が付与されると、当該当り遊技終了後に変短状態が付与される場合であっても、当り遊技終了後に引き続き通常演出モードが行われることになる。
【0155】
・上記実施形態において、確変示唆演出を実行可能に構成しなくても良い。
・上記実施形態において、課題付与演出を実行可能に構成しなくても良い。
・上記実施形態において、課題演出の内容を変更しても良い。例えば、大当りとなることを示唆する複数種類の予告演出のうち、特定の予告演出が実行されることを課題演出としても良い。
【0156】
・上記実施形態において、キャラクタ画像を表示しないようにしても良い。
・上記実施形態において、表示させるキャラクタ画像の種類を切り替える際に、次に表示させるキャラクタ画像の種類を抽選によって決定するようにしても良い。なお、この抽選において、これまでに表示した種類のキャラクタを選択肢として含めても良いし、選択肢として含めないようにしても良い。
【0157】
・上記実施形態において、通常演出モードにおける背景画像の種類を切り替える際に、次に表示させる背景画像の種類を抽選によって決定するようにしても良い。なお、この抽選において、これまでに表示した種類の画像を次に背景画像として表示させる画像として選択肢として含めても良いし、選択肢として含めなくても良い。
【0158】
・上記実施形態において、切替回数を演出制御用RAM31cに記憶し、通常演出モードにおける背景画像を切り替える毎に、切替回数として記憶する値を抽選によって決定するようにしても良い。例えば、20〜30回の中から切替回数として設定する回数を抽選によって決定するようにしても良い。これにより、同一種類の背景画像にて図柄変動ゲームが行われる回数を確実に20〜30回とすることができるとともに、通常演出モード滞在中に同一種類の背景画像にて図柄変動ゲームが行われる回数が無作為に決定されるために背景画像の種類がいつ切り替わるかについてより注目させることができる。また、切替回数として設定する回数を抽選によって決定する際に、例えば確変状態が付与されているときと付与されていないときで抽選確率を異ならせる場合には、より同一種類の背景画像で図柄変動ゲームが行われる回数に注目させることができる。例えば、確変状態が付与されているときには、確変状態が付与されていないときよりも切替回数として多い回数が決定されやすいように構成する場合、通常演出モード滞在中に同一種類の背景画像で実行される図柄変動ゲームが多くなることを期待させて遊技を継続させることができる。
【0159】
・上記実施形態において、確変秘匿滞在回数を変更しても良い。例えば、確変秘匿モード移行時に、15回〜25回の中から確変秘匿滞在回数を抽選によって決定するようにしても良い。また、確変秘匿滞在回数と確変付与回数を同一にしても良い。
【0160】
・上記実施形態において、通常演出モードにおける背景画像の種類を任意に変更しても良い。例えば、通常演出モードにおける背景画像の種類を1000種類として、大当り遊技が付与されてから予め決められた順序で通常演出モードにおける背景画像を切り替えるようにしても良い。これにより、例えば、前回大当り遊技が付与されてからはずれの図柄変動ゲームが実行され続けなければ表示されない種類の背景画像もあるため、図柄変動ゲームがはずれになり続けても遊技を継続する意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、通常演出モードにおける背景画像の種類を1000種類として、パチンコ遊技に電源が投入されてから予め決められた順序で通常演出モードにおける背景画像を切り替えるようにしても良い。これにより、同じ遊技で遊技を継続しなければ表示されない種類の背景画像もあるので、同じパチンコ遊技機で遊技を継続させる意欲を高めさせることができる。また、パチンコ遊技機の稼働率が向上することも期待できる。
【0161】
・上記実施形態において、通常演出モード以外の演出モード滞在中、はずれの図柄変動ゲームを実行するときに、課題演出情報から特定可能な数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させる飾り図柄として決定可能に構成しても良い。また、通常演出モード以外の演出モード滞在中、図柄変動ゲーム終了後に図柄D又は小当り図柄に基づく当り遊技が付与される図柄変動ゲームを実行するときに、課題演出情報から特定可能な数字図柄によって構成されるリーチの図柄組み合わせを含む確変示唆の図柄組み合わせを確定停止表示させる飾り図柄として決定可能に構成しても良い。
【0162】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特別演出制御手段は、当りとなる図柄変動ゲームの終了後に、図柄変動ゲーム終了後に大当りとなる確率が通常よりも高確率となる確変状態を付与する確変当りと、図柄変動ゲームの終了後に大当りとなる確率を変更しないとともに、前記確変当りが付与された際と同様の開放態様で特別入賞手段が開閉される小当りのうち何れか一方の当りが付与されたとき、当該当りの終了後、複数回の図柄変動ゲームに亘って潜伏確変用の特別演出を実行させることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0163】
(ロ)通常よりも大当りとなる確率が高確率となる確変状態が付与されていることを段階的に示唆する確変示唆演出を表示装置に実行させる確変示唆制御手段を備え、前記確変示唆制御手段は、同一種類の通常演出態様で図柄変動ゲームが実行されるとき、図柄変動ゲームが実行される毎に確変示唆演出の段階数を増加させ得るようになっている一方、通常演出態様の種類が切り替えられた際には確変示唆演出の段階数を初期段階とするようになっており、確変状態が付与されているときには、確変状態が付与されていないときと比較して、段階数の高い確変示唆演出が実行されるように確変示唆演出の段階数を増加させやすいことを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0164】
(ハ)通常演出態様には、第1の通常演出態様と、前記第1の通常演出態様とは演出内容が異なるとともに第1の通常演出と同時に実行される第2の通常演出態様がそれぞれ複数種類あり、前記演出切替手段は、同時に実行される第1の通常演出態様の種類と第2の通常演出態様の種類の組み合わせを異ならせるように、第1の通常演出態様及び第2の通常演出態様の種類をそれぞれ切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0165】
(ニ)前記演出切替手段は、大当りとなった図柄変動ゲームの終了後から予め決められた順序で通常演出態様の種類を切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0166】
(ホ)前記演出切替手段は、遊技機の電源投入後から予め決められた順序で通常演出態様の種類を切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0167】
GH…画像表示部、11…演出表示装置、12…特図表示装置、13…特図保留記憶表示装置、14…普通図柄表示装置、19…第1始動入賞口、21…第2始動入賞口、22…開閉羽根、24…大入賞口、27…ゲート、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU、31b…演出制御用ROM、31c…演出制御用RAM。
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