(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5667556
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】ジュール加熱装置
(51)【国際特許分類】
H05B 3/00 20060101AFI20150122BHJP
H05B 3/60 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
H05B3/00 340
H05B3/60 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-272178(P2011-272178)
(22)【出願日】2011年12月13日
(65)【公開番号】特開2013-125592(P2013-125592A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2013年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000136642
【氏名又は名称】株式会社フロンティアエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100093023
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 善高
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(72)【発明者】
【氏名】星野 弘
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−055274(JP,A)
【文献】
特開2000−340338(JP,A)
【文献】
特開2001−087132(JP,A)
【文献】
特公昭47−048541(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/00
H05B 3/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性を有する飲食物を被加熱物として被加熱物を搬送流路内に連続的に搬送しつつジュール熱により加熱するジュール加熱装置であって、
それぞれ被加熱物を搬送しながら加熱する加熱流路が相互に平行となって複数形成された絶縁性の加熱流路部材と、
前記加熱流路部材の一端側に配置され、1つの前記加熱流路の流出側開口部と他の1つの前記加熱流路の流入側開口部とを連通させる反転流路が形成された第1の反転流路部材と、
前記加熱流路部材の他端側に配置され、1つの前記加熱流路の流出側開口部と他の1つの前記加熱流路の流入側開口部とを連通させる反転流路が形成された第2の反転流路部材と、
前記加熱流路部材と前記第1の反転流路部材との間に配置され、前記加熱流路に露出される通電面を形成する貫通孔が設けられた第1の電極と、
前記加熱流路部材と前記第2の反転流路部材との間に配置され、前記加熱流路に露出される通電面を形成する貫通孔が設けられた第2の電極と、
対をなす前記第1の電極と前記第2の電極とに電力を供給し、前記加熱流路内を流れる被加熱物を通電加熱する電源ユニットとを有し、
1つの前記加熱流路の流出側開口部から他の1つの流入側開口部に前記反転流路を介して被加熱物が流れるときに、第1と第2の前記反転流路部材において被加熱物を反転させて撹拌することを特徴とするジュール加熱装置。
【請求項2】
請求項1記載のジュール加熱装置において、前記反転流路を介して連通される偶数の前記加熱流路を前記加熱流路部材に設け、前記反転流路と前記加熱流路とにより形成される前記搬送流路の流入端に接続される流入側ジョイントと、前記搬送流路の流出端に接続される流出側ジョイントとを前記加熱流路部材の一端側に接続することを特徴とするジュール加熱装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のジュール加熱装置において、前記加熱流路部材を複数の前記加熱流路が相互に平行となって形成された樹脂製のブロックにより形成することを特徴とするジュール加熱装置。
【請求項4】
請求項1または2記載のジュール加熱装置において、それぞれ内部に加熱流路が形成された複数の絶縁性の管部材により前記加熱流路部材を形成することを特徴とするジュール加熱装置。
【請求項5】
請求項2記載のジュール加熱装置において、前記第1の反転流路部材は前記流入側ジョイントと前記流出側ジョイントとが取り付けられるとともに複数の前記反転流路が設けられた第1の端板であり、前記第2の反転流路部材は複数の前記反転流路が設けられた第2の端板であることを特徴とするジュール加熱装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のジュール加熱装置において、内部に前記反転流路が形成された管部材により第1と第2の前記反転流路部材を形成することを特徴とするジュール加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流動性を有する飲食物をジュール加熱により通電加熱するジュール加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流動性を有する飲食物を調理したり、殺菌したりするために、ジュール熱により流動性を有する飲食物を通電加熱するジュール加熱装置が使用されている。流動性を有する飲食物としては、例えば、ジュースやスープ等の液状の飲食物、味噌や練りからし等のペースト状の食品、さらにカレーやビーフシチュー等のように野菜や肉等の固形物を含む液状の食品等がある。
【0003】
このような流動性飲食物を被加熱物としてこれを通電加熱するジュール加熱装置としては、例えば、特許文献1に記載されるように、内部に一直線状に流路が形成された加熱ユニットを有するものがある。この加熱ユニットは、絶縁性筒体と環状電極とを交互に配置して複数の環状電極と複数の絶縁性筒体とにより形成される搬送管を備えており、搬送管の搬送流路内を搬送される被加熱物を撹拌するために、撹拌部材が搬送管に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2821087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
搬送管の内部を流れる流動性飲食物を撹拌するために、搬送管内に撹拌部材を組み込むようにすると、撹拌部材の部分は食品を搬送することができないので、搬送流量を増加させるには、その分だけ搬送管の内径を大きくする必要がある。このため、撹拌部材が組み込まれたジュール加熱装置は、飲食物の流動抵抗が大きくなるだけでなく、搬送管の内径を大きくしなければならないという問題点がある。しかも、1対の加熱ユニットを一直線状の形状とすると、加熱ユニットが長くなるので、加熱ユニットの設置面積を広くしなければならないという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、ジュール加熱装置を小型化するとともに撹拌効率を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のジュール加熱装置は、流動性を有する飲食物を被加熱物として被加熱物を搬送流路内に連続的に搬送しつつジュール熱により加熱するジュール加熱装置であって、それぞれ被加熱物を搬送しながら加熱する加熱流路が相互に平行となって複数形成された絶縁性の加熱流路部材と、
前記加熱流路部材の一端側に配置され、1つの前記加熱流路の流出側開口部と他の1つの前記加熱流路の流入側開口部とを連通させる反転流路が形成された
第1の反転流路部材と、前記加熱流路部材の他端側に配置され、1つの前記加熱流路の流出側開口部と他の1つの前記加熱流路の流入側開口部とを連通させる反転流路が形成された第2の反転流路部材と、前記加熱流路部材と前記第1の反転流路部材との間に配置され、前記加熱流路に露出される通電面を形成する貫通孔が設けられた第1の電極と、前記加熱流路部材と前記第2の反転流路部材との間に配置され、前記加熱流路に露出される通電面を形成する貫通孔が設けられた第2の電極と、対をなす前記第1の電極と前記第2の電極とに電力を供給
し、前記加熱流路内を流れる被加熱物を通電加熱する電源ユニットとを有し、1つの前記加熱流路の流出側開口部から他の1つの流入側開口部に前記反転流路を介して被加熱物が流れるときに
、第1と第2の前記反転流路部材において被加熱物を反転させて撹拌することを特徴とする。
【0008】
本発明のジュール加熱装置は、前記反転
流路を介して連通される偶数の前記加熱流路を前記加熱流路部材に設け、前記反転流路と前記加熱流路とにより形成される前記搬送流路の流入端に接続される流入側ジョイントと、前記搬送流路の流出端に接続される流出側ジョイントとを前記加熱流路部材の一端側に接続することを特徴とする。本発明のジュール加熱装置は、前記加熱流路部材を複数の前記加熱流路が相互に平行となって形成された樹脂製のブロックにより形成することを特徴とする。本発明のジュール加熱装置は、それぞれ内部に加熱流路が形成された複数の絶縁性の管部材により前記加熱流路部材を形成することを特徴とする。本発明のジュール加熱装置は、前記第1の反転流路部材は前記流入側ジョイントと前記流出側ジョイントとが取り付けられるとともに複数の前記反転流路が設けられた第1の端板であり、前記第2の反転流路部材は複数の前記反転流路が設けられた第2の端板であることを特徴とする。本発明のジュール加熱装置は、内部に前記反転流路が形成された管部材により第1と第2の前記反転流路部材を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の加熱流路が相互に平行となって加熱流路部材に設けられており、1つの加熱流路の流出開口部と他の1つの加熱流路の流出開口部とが反転流路により連通されているので、上流側の加熱流路から下流側の加熱流路に流入する被加熱物は反転流路により撹拌されることになる。これにより、撹拌部材を流路内に設けることなく、流路内を搬送しながら被加熱物を撹拌することができる。
【0010】
反転流路において被加熱物が撹拌されるので、加熱流路において全体的に均一に被加熱物を通電加熱することができ、被加熱物の加熱品質を高めることができる。しかも、撹拌部材を設けることが不要となるので、それぞれの加熱流路の横断面積を大きくすることなく、流通面積を大きくすることができる。複数の加熱流路は相互に平行に配置されるので、ジュール加熱装置の長さ寸法を短くすることができ、ジュール加熱装置の小型化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施の形態であるジュール加熱装置の外観を示す斜視図である。
【
図5】
図2に示された一方の端板の内面を示す正面図である。
【
図6】
図2に示された他方の端板の内面を示す正面図である。
【
図10】搬送流路内における被加熱物の流動経路を示す概略図である。
【
図11】(A)は一方の電極板の外面を示す正面図であり、(B)は(A)における11B−11B線断面図であり、(C)は一方の電極板の内面を示す正面図である。
【
図12】変形例である加熱流路部材を有するジュール加熱装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。このジュール加熱装置は、
図1および
図2に示されるように、樹脂等の絶縁性材料により形成された直方体のブロック形状の加熱流路部材10と、その一端側に配置される第1の端板11と、他端側に配置される第2の端板12とを有している。それぞれの端板11,12は樹脂等の絶縁性材料により形成されて四辺形となっており、反転流路部材を構成している。ブロック形状の加熱流路部材10には、
図7〜
図9に示されるように、合計6つの加熱流路13a〜13fが相互に平行となって長手方向に貫通して形成されている。
【0013】
図2に示されるように、加熱流路部材10と端板11との間には板状の電極14が配置され、加熱流路部材10と端板12との間には同様に板状の電極15が配置されている。電極14の両面にはゴムまたは樹脂系等のシール材16,17が積層されており、シール材16により端板11の内面と電極14との間がシールされ、シール材17により電極14と加熱流路部材10の端面との間がシールされている。同様に、電極15の両側にはゴム製のシール材18,19が積層されている。それぞれの電極14,15と、シール材16〜19には、
図7および
図8に示されるように、加熱流路13a〜13fに連通する貫通孔が形成されている。それぞれの電極14,15は、加熱流路13a〜13fの流入端側と流出端側とに対となって配置されており、貫通孔の内周面は加熱流路13a〜13fに露出される通電面となっている。
【0014】
両方の端板11,12は
図1に示されるように6本の締結ボルト20により相互に締結されており、両方の端板11,12の間に配置された電極14,15とシール材16〜19は締結ボルト20により端板11,12と加熱流路部材10との間で締結されている。端板11には締結ボルト20が貫通する取付孔20aが
図5に示されるように形成されており、端板12には締結ボルト20が貫通する取付孔20bが
図6に示されるように形成されている。締結ボルト20の一端部には、
図1および
図2に示されるように、複数の皿ばね20cが装着されており、皿ばね20cにより端板11,12には締結力が加えられるとともに、皿ばね20cにより樹脂製の加熱流路部材や端板11,12の熱膨張が吸収される。なお、
図7〜
図9においては、
図1および
図2に示された締結ボルト20や皿ばね20cが図示省略されている。
【0015】
端板11の外面には、流入側ジョイント21と流出側ジョイント22とが取り付けられている。流入側ジョイント21と流出側ジョイント22のフランジ部はシール材23,24を介して端板11の外面に突き当てられ、締結ボルト25により端板11に締結されている。
【0016】
流入側ジョイント21は、
図7に示されるように、端板11に形成された流入流路26を介して最上流側の加熱流路13aに連通しており、外部から流入側ジョイント21に供給される被加熱物は流入流路26から加熱流路13a内に供給される。加熱流路13aとこれに対して
図1および
図2において水平方向に隣り合う加熱流路13bとが端板12に水平方向に形成された反転流路27aを介して連通されている。この反転流路27aにより加熱流路13aの流出側開口部と加熱流路13bの流入側開口部とが連通されており、加熱流路13aから流出した被加熱物は反転流路27aを介して反転して加熱流路13bに撹拌されて流入することになる。
【0017】
加熱流路13bとこれに対して
図8に示されるように上方に隣り合う加熱流路13cとが端板11に垂直方向に形成された反転流路27bを介して連通されている。加熱流路13cとこれに対して水平方向に隣り合うとともに加熱流路13aの上方に形成された加熱流路13dとが端板12に水平方向に形成された反転流路27cを介して連通されている。加熱流路13dとこれに対して
図7に示されるように上方に隣り合う加熱流路13eとが端板11に垂直方向に形成された反転流路27dを介して連通されている。加熱流路13eとこれに対して水平方向に隣り合うとともに加熱流路13cの上方に形成された加熱流路13fとが
図8および
図9に示されるように端板12に水平方向に形成された反転流路27eを介して連通されている。このように、それぞれの端板11,12には、それぞれの加熱流路の流出側開口部と流入側開口部とを連通させる反転流路が形成されており、それぞれの加熱流路から流出した被加熱物は反転流路において撹拌された後に下流側の加熱流路に流入することになる。
【0018】
流出側ジョイント22は、
図8に示されるように、端板11に形成された流出流路28を介して最下流側の加熱流路13fに連通しており、加熱処理がなされた流動性飲食物は流出側ジョイント22から外部に供給される。上述した流入流路26,加熱流路13a〜13f、反転流路27a〜27eおよび流出流路28により搬送流路29が形成されている。搬送流路29内における被加熱物の流動経路を示すと
図10の通りであり、ジュール加熱装置は被加熱物を搬送流路29内に連続的に搬送しながらジュール熱により加熱する。このように、それぞれの加熱流路から流出した被加熱物は反転流路を介して反転して下流側の加熱流路に流入することになるので、被加熱物はそれぞれの反転流路において反転することにより撹拌されることになる。それぞれの反転流路における被加熱物の撹拌作用により反転流路内における被加熱物の温度分布が均一になり、搬送流路29内に撹拌部材を設けることなく、反転構造の搬送流路29により被加熱物の加熱温度が均一化されて被加熱物の加熱処理品質を高めることができる。
【0019】
加熱流路部材10には偶数の加熱流路が形成されているので、一方の端板11の外面に流入側ジョイント21と流出側ジョイント22とが取り付けられることになり、流入側ジョイント21に接続される図示しない供給配管と、流出側ジョイント22に接続される図示しない流出配管とを端板11側に接続することができる。これに対し、奇数の加熱流路を加熱流路部材10に形成すると、一方の端板に流入側ジョイント21が設けられ、他方の端板に流出側ジョイント22が設けられることになる。何れの形態においても、それぞれの加熱流路が相互に平行となっているので、ジュール加熱装置の長さを短くして小型化が達成される。特に、一方の端板11に流入側ジョイント21と流出側ジョイント22とを設けることにより、ジュール加熱装置を小型化することができるとともに供給配管と流出配管との接続操作を容易に行うことができる。
【0020】
それぞれの板状の電極14,15は、加熱流路13a〜13fの流入端側と流出端側とに対となって配置されており、それぞれの加熱流路13a〜13fに露出される通電面30を備えている。このように、それぞれの電極14,15には6つの通電面30が形成された板状の部材により形成されている。
図2に示されるように、電極14,15には電源ユニット31が接続されており、電源ユニット31から電極14,15に
高周波電流が供給される。電極14に形成された全ての通電面30は同一位相の同一電位となり、電極15に形成された全ての通電面30も同様である。
【0021】
電極15は、
図11(A)に示されるように、加熱流路部材10の端面に対向する内面に環状の凹部32が形成されている。電極15が加熱流路部材10に締結されると、凹部32にはシール材19が入り込んで被加熱物の漏出が防止される。端板12には、
図6に示されるように8つの貫通孔33が形成されており、それぞれの貫通孔33を貫通する締結ボルト34が
図4に示されるように端板12に取り付けられている。それぞれの締結ボルト34は、
図11に示されるように、電極15に形成されたねじ孔35にねじ結合され、締結ボルト34により電極15が端板12に固定される。
【0022】
電極14の内面にも同様に図示しない凹部が形成されており、電極14が加熱流路部材10の端面に締結されると、凹部内にはシール材17が入り込んで被加熱物の漏出が防止される。端板11には
図5に示されるように5つの貫通孔36が形成されており、
図3に示されるように、端板11を貫通する3本の締結ボルト37と、流入側ジョイント21と流出側ジョイント22とをそれぞれ締結するための合計8本の締結ボルト25のうちの2本が電極14にねじ結合され、電極14が端板11に固定される。それぞれの電極14,15の両面に凹部を形成し、加熱流路部材10の両端面に凹部を形成し、さらに端板11,12の内面に凹部を形成するようにしても良い。
【0023】
図12は変形例である加熱流路部材10が設けられたジュール加熱装置を示す断面図である。
図12には、上述したジュール加熱装置における
図7と同様の部分が示されている。
【0024】
図12に示されるジュール加熱装置においては、加熱流路部材10が6本の樹脂製の管部材41により構成されている。それぞれの管部材41は2列3行にマトリックス状に配置されており、内部は加熱流路となっている。加熱流路部材10としては、上述のように1つの樹脂製のブロックに複数の加熱流路を形成するようにした形態と、別々の管部材41を端板11,12の間に締結するようにした形態とがある。
図12に示されるように、6つの管部材41により加熱流路部材10を形成した形態においては、上述のように板状の電極14,15をそれぞれの管部材41の両端に配置するようにした形態と、環状の電極をそれぞれの管部材41の両端に配置するようにした形態とがある。後者の場合には、管部材41の一端側に別々に配置される複数の環状の電極14をケーブル等により相互に電気的に接続し、他端側に別々に配置される複数の環状の電極15をケーブル等により相互に電気的に接続する。
【0025】
上述したそれぞれのジュール加熱装置においては、加熱流路部材10の両端に取り付けられる端板11,12に反転流路27a〜27eを形成するようにしているが、それぞれ半円形状に折り曲げられた管部材により加熱流路に連通する反転流路を形成するようにしても良い。
【0026】
いずれの形態においても、搬送流路29は全体的に真っ直ぐとはなっておらず、反転流路において被加熱物は反転されて搬送されるので、被加熱物は撹拌部材を用いることなく、反転流路において撹拌されることになる。これにより、搬送流路29を搬送しつつジュール加熱される被加熱物は全体的に均一な温度に加熱され、被加熱物としての流動性の飲食物の加熱品質を高めることができる。
【0027】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図示するジュール加熱装置は、6つの加熱流路を有しているが、複数の加熱流路を有し、隣り合う2つの加熱流路の端部を反転流路により連通するようにすれば、加熱流路の数は図示した数に限定されることはない。
【符号の説明】
【0028】
10 加熱流路部材
11 第1の端板(反転流路部材)
12 第2の端板(反転流路部材)
13a〜13f 加熱流路
14 電極
15 電極
16〜19 シール材
20 締結ボルト
21 流入側ジョイント
22 流出側ジョイント
23 シール材
25 締結ボルト
26 流入流路
27a〜27e 反転流路
28 流出流路
29 搬送流路
30 通電面
31 電源ユニット