(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
中断されたコンテンツの再生を再開する際、前記コンテンツをコンテンツ管理サーバから取得するコンテンツ再生装置と、前記コンテンツを保存するとともに、前記コンテンツ内の一部を削除又は前記コンテンツ内の一部へ映像を追加することにより前記コンテンツの編集を行う前記コンテンツ管理サーバと、を有するシステムにおいて、
前記コンテンツ再生装置で前記コンテンツの再生が中断された位置である第1の再生中断位置を受信する受信部と、
前記コンテンツ内の、前記編集により削除または追加される編集区間、及び、前記第1の再生中断位置に基づいて、前記編集の後のコンテンツにおける、前記コンテンツ再生装置で前記コンテンツの再生が中断された位置に対応する第2の再生中断位置を算出する算出部と、
前記第2の再生中断位置を前記コンテンツ再生装置に送信する送信部と、
を具備するコンテンツ管理サーバ。
中断されたコンテンツの再生を再開する際、前記コンテンツをコンテンツ管理サーバから取得するコンテンツ再生装置と、前記コンテンツを保存するとともに、前記コンテンツ内の一部を削除又は前記コンテンツ内の一部へ映像を追加することにより前記コンテンツの編集を行う前記コンテンツ管理サーバと、を有するシステムにおいて、
前記コンテンツ再生装置で前記コンテンツの再生が中断された位置である第1の再生中断位置を、前記コンテンツ再生装置から前記コンテンツ管理サーバへ通知し、
前記コンテンツ内の、前記編集により削除または追加される編集区間、及び、前記第1の再生中断位置に基づいて、前記編集の後のコンテンツにおける、前記コンテンツ再生装置で再生が中断された位置に対応する第2の再生中断位置を算出し、
前記第2の再生中断位置を、前記コンテンツ管理サーバから前記コンテンツ再生装置に
通知する、
コンテンツ管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で示す実施の形態は一例であり、システムの構成、機能ブロックの構成は限定されるものではない。
【0012】
図1Aは、本実施の形態に係るコンテンツ再生装置100の構成を示すブロック図を示す。コンテンツ再生装置100は、中断されたコンテンツの再生を再開する際、当該コンテンツをコンテンツ管理サーバから取得する。
【0013】
図1Aに示すコンテンツ再生装置100は、通信制御部101、送受信部102、コンテンツ管理制御部103、コンテンツ情報取得部104、記憶部105、外部入力受付部106、映像取得制御部107、デコード処理部108及び映像出力部109、を有する。
【0014】
コンテンツ再生装置100において、通信制御部101は、コンテンツ再生装置100で或るコンテンツの再生が中断されている場合、コンテンツ再生装置100の周辺にサーバ(コンテンツ管理サーバ200等)が存在することを検知する。通信制御部101は、周辺にサーバが存在することを検知すると、コンテンツ管理制御部103に対して、再生中断されたコンテンツの情報(端末コンテンツ情報)の取得要求を出力する。
【0015】
なお、コンテンツ再生装置100の周辺にサーバが存在することを検知する方法は、特に限定されるものではない。例えば、ネットワーク上に接続された機器は、UPnP(Universal Plug and Play)のSSDP(Simple Service Discover Protocol)を利用して、検知することが知られている。そこで、コンテンツ再生装置100の周辺にサーバの存在することを検知する方法は、当該機能を利用することにより、コンテンツ管理サーバの存在を検知する方法等が挙げられる。
【0016】
送受信部102は、コンテンツ管理制御部103からコンテンツ取得要求が入力されると、後述するコンテンツ管理サーバ200の送受信部202に対して、コンテンツ取得要求を出力する。
【0017】
コンテンツ管理制御部103は、通信制御部101から端末コンテンツ情報の取得要求が入力されると、コンテンツ情報取得部104に対して、端末コンテンツ情報の取得要求を出力する。また、コンテンツ管理制御部103は、コンテンツ情報取得部104から端末コンテンツ情報を取得できた場合、送受信部102に対して、端末コンテンツ情報を含むコンテンツ取得要求を出力する。また、コンテンツ管理制御部103は、外部入力受付部106からコンテンツ特定情報を含むコンテンツ再生要求が入力されると、映像取得制御部107に対して、コンテンツ特定情報を含む映像データ取得要求を出力する。
【0018】
ここで、コンテンツ特定情報は、コンテンツを一意に定める情報である。例えば、コンテンツ特定情報は、コンテンツ名、コンテンツ毎にユニークなID等から構成される。以下の説明では、一例として、コンテンツ特定情報がコンテンツ名から構成される場合について説明する。
【0019】
また、コンテンツ管理制御部103は、コンテンツ管理サーバ200から、送受信部102を介して再生情報及びコンテンツ実体が入力されると、再生情報に該当するコンテンツを記憶部105から検索する。そして、コンテンツ管理制御部103は、該当するコンテンツが存在する場合、記憶部105に対して、再生情報の登録及びコンテンツ実体の上書き処理を行う。
【0020】
コンテンツ情報取得部104は、コンテンツ管理制御部103から端末コンテンツ情報の取得要求が入力されると、記憶部105に対して所望のコンテンツ検索を行い、端末コンテンツ情報の取得処理を行う。そして、コンテンツ情報取得部104は、取得した端末コンテンツ情報を、コンテンツ管理制御部103に出力する。
【0021】
記憶部105は、コンテンツ管理サーバ200からコピーした端末コンテンツ情報と、コンテンツ管理サーバ200からコピーしたコンテンツ名及びコンテンツ実体に関する情報等のデータを保存する。
【0022】
図2Aは、一例として、端末コンテンツ情報301を示す。
図2Aに示すように、端末コンテンツ情報301は、「コンテンツ名」、「スキップ開始」/「スキップ終了」、及び、コンテンツ再生装置100における再生中断位置(時間)を関連付けて保存している。なお、「スキップ開始」/「スキップ終了」は、ユーザがコンテンツ再生装置100において、再生視聴中にスキップ操作等によりコンテンツ再生を行わなかった期間(非再生区間)の開始時間と終了時間とを示す。
【0023】
例えば、
図2Aに示す「コンテンツ名:プロ野球ニュース」のコンテンツは、スキップ開始時間が10分30秒でそれに対するスキップ終了時刻が12分30秒であり、再生中断位置が12分35秒であることを示す。なお、
図2Aに示す「コンテンツ名:ドラマスペシャル」のコンテンツには、時間が記載されていない。これは、「コンテンツ名:ドラマスペシャル」のコンテンツには、スキップ開始/スキップ終了時間、再生中断位置が設定されていないことを示す。
【0024】
また、
図2Bは、一例として、コンテンツ名及びコンテンツ実体に関する情報302を示す。
図2Bに示すように、コンテンツ名及びコンテンツ実体に関する情報302は、「コンテンツ名」及び「コンテンツ実体」を関連付けて保存している。
図2Bに示すコンテンツ名及びコンテンツ実体に関する情報302では、コンテンツ実体は、コンテンツ名から参照可能となっており、シーン毎に保存されている。例えば、
図2Bは、「コンテンツ名:プロ野球ニュース」の「コンテンツ実体:シーンA」の先頭が、1000番地からアクセス可能であることを示している。
【0025】
外部入力受付部106は、リモコン等の外部制御機器又はコンテンツ再生装置100に備え付けられたボタンを介して、発行されるコンテンツ特定情報を含む再生要求信号を検出する。外部入力受付部106は、再生要求信号を検出すると、コンテンツ管理制御部103に対して、コンテンツ特定情報を含むコンテンツ再生要求を出力する。
【0026】
映像取得制御部107には、コンテンツ管理制御部103から、コンテンツ特定情報を含む映像データ取得要求が入力される。次に、映像取得制御部107は、入力された映像データ取得要求に含まれるコンテンツ特定情報に基づいて、該当するコンテンツの映像データ(何れかのシーンに含まれる映像データ)を記憶部105から取得する処理を行う。映像取得制御部107は、取得した映像データを、デコード処理部108へ出力する。
【0027】
また、映像取得制御部107は、映像データ取得要求が入力される際、記憶部105に対して、該当するコンテンツの再生情報があるか検索する。そして、映像取得制御部107は、該当するコンテンツの再生情報に再生中断位置が設定されている場合、再生中断位置に該当する映像データを、記憶部105から読み出す処理を行う。更に、映像取得制御部107は、該当するコンテンツの再生情報が見つかった場合、該当するコンテンツに自動スキップ開始時間/自動スキップ終了時間の設定が有るか否かの判定処理を行う。そして、映像取得制御部107は、該当するコンテンツに自動スキップ開始時間/自動スキップ終了時間が設定されている場合には、次の処理を行う。具体的には、映像取得制御部107は、記憶部105から取得する映像データのタイムスタンプが、再生情報の自動スキップ開始時間に到達したことを検出すると、まず、現在取得している映像データを削除する。次いで、映像取得制御部107は、再生情報の自動スキップ終了時間直後の映像データを取得する。
【0028】
デコード処理部108は、映像取得制御部107から入力された映像データをデコード処理する。そして、デコード処理部108は、デコード処理後の映像データを映像出力部109へ出力する。
【0029】
映像出力部109は、デコード処理部108から入力された映像データを画面に出力する処理を行う。
【0030】
図1Bは、本実施の形態に係るコンテンツ管理サーバ200の構成を示すブロック図を示す。コンテンツ管理サーバ200は、コンテンツ再生装置100又はコンテンツ管理サーバ200で再生されるコンテンツを管理する。また、コンテンツ管理サーバ200は、コンテンツ内の一部を削除することによりコンテンツの編集を行う。
【0031】
図1Bに示すコンテンツ管理サーバ200は、外部入力受付部201、送受信部202、コンテンツ管理制御部203、映像取得制御部204、デコード処理部205、マーキング時刻取得部206、編集区間算出部207、編集情報取得部208、再生中断位置算出部209、記憶部210、データ転送部211、映像出力部212、を有する。
【0032】
外部入力受付部201は、リモコン等の外部制御機器を介してユーザからの操作入力を受け付ける。外部入力受付部201は、ユーザからの操作入力を受け付けた場合、コンテンツ管理制御部203に対して、コンテンツ特定情報を含むコンテンツの再生要求を出力する。また、外部入力受付部201は、マーキング時刻取得部206に対して、コンテンツ編集を行う際のマーキング要求を出力する。
【0033】
送受信部202は、コンテンツ再生装置100から入力された端末コンテンツ情報を含むコンテンツ取得要求を、コンテンツ管理制御部203へ出力する。これにより、送受信部202は、端末コンテンツ情報に含まれる、コンテンツ再生装置100でコンテンツの再生が中断された位置を示す再生中断位置を受信する。また、送受信部202は、端末コンテンツ情報を、再生中断位置算出部209へ出力する。
【0034】
また、送受信部202は、データ転送部211から入力される情報及びコンテンツ実体を、コンテンツ再生装置100の送受信部102に出力する。なお、データ転送部211から入力される情報は、再生情報(コンテンツ再生装置100がコンテンツ再生を再開する際に用いる情報であり、後述する)及びコンテンツ実体である。これにより、送受信部202は、再生情報に含まれる、編集後コンテンツにおける、コンテンツ再生装置100で再生が中断された位置に対応する再生中断位置をコンテンツ再生装置100へ送信する。
【0035】
コンテンツ管理制御部203は、外部入力受付部201からコンテンツの再生要求が入力されると、映像取得制御部204に対して映像データ取得要求を出力する。また、コンテンツ管理制御部203は、マーキング時刻取得部206からタイムスタンプが入力されると、タイムスタンプを含む編集区間算出要求を編集区間算出部207に出力する。また、コンテンツ管理制御部203は、コンテンツ再生装置100から送受信部202を介してコンテンツ取得要求が入力されると、コンテンツ検索要求を編集情報取得部208に出力する。また、コンテンツ管理制御部203は、コンテンツ取得要求に含まれる端末コンテンツ情報、及び、編集情報取得部208から取得した編集情報を含む、再生中断位置算出要求を再生中断位置算出部209へ出力する。
【0036】
映像取得制御部204は、コンテンツ管理制御部203から映像データ取得要求が入力されると、記憶部210に保存されているコンテンツを検索し、該当するコンテンツの映像データを取得する。映像取得制御部204は、取得した映像データを、デコード処理部205に出力する。また、映像取得制御部204は、マーキング時刻取得部206からタイムスタンプ取得要求が入力されると、タイムスタンプ取得要求が入力されたタイミングで取得した映像データからタイムスタンプを取得する。映像取得制御部204は、取得したタイムスタンプをマーキング時刻取得部206へ出力する。
【0037】
デコード処理部205は、映像取得制御部204から入力された映像データをデコード処理する。そして、デコード処理部205は、デコード処理後の映像データを映像出力部212へ出力する。
【0038】
マーキング時刻取得部206は、外部入力受付部201からマーキング要求が入力されると、映像取得制御部204にタイムスタンプ取得要求を出力する。また、マーキング時刻取得部206は、映像取得制御部204から取得したタイムスタンプをコンテンツ管理制御部203へ出力する。
【0039】
編集区間算出部207は、コンテンツ管理制御部203から入力された編集区間算出要求に含まれるタイムスタンプ(編集対象の再生時間)に基づいて、編集区間の算出処理を行う。編集区間算出部207は、算出した編集区間を、記憶部210に登録されているコンテンツ名に関連付けて編集情報として記憶部210に登録する。
【0040】
編集情報取得部208は、コンテンツ管理制御部203からコンテンツ検索要求が入力されると、該当するコンテンツの編集情報を記憶部210から取得する処理を行う。編集情報取得部208は、取得した編集情報をコンテンツ管理制御部203へ出力する。
【0041】
再生中断位置算出部209には、コンテンツ管理制御部203から再生中断位置算出要求が入力される。なお、再生中断位置算出要求は、編集情報、及び端末コンテンツ情報(コンテンツ再生装置100での再生中断位置)を含む。再生中断位置算出部209は、編集情報及び端末コンテンツ情報に基づいて、コンテンツ管理サーバ200上で編集されたコンテンツ(編集後コンテンツ)における再生中断位置を算出する。ここで、算出された再生中断位置は、編集後コンテンツにおけるコンテンツ再生装置100でコンテンツの再生が中断された位置に対応する。再生中断位置算出部209は、算出した再生中断位置を、記憶部210に登録されているコンテンツ名に関連付けて記憶部210に登録する。
【0042】
記憶部210は、サーバコンテンツ情報、及び、コンテンツ名及びコンテンツ実体に関する情報等のデータを保存する。
【0043】
図3Aは、一例として、サーバコンテンツ情報311を示す。
図3Aに示すサーバコンテンツ情報311は、「コンテンツ名」、「編集情報」及び「再生中断位置」を関連付けて保存している。また、
図3Bは、一例として、コンテンツ名及びコンテンツ実体に関する情報312を示す。
図3Bに示すコンテンツ名及びコンテンツ実体に関する情報312は、「コンテンツ名」及び「コンテンツ実体」を関連付けて保存している。例えば、
図3Bは、「コンテンツ名:プロ野球ニュース」の「コンテンツ実体:シーンA」の先頭が、1000番地からアクセス可能であることを示している。
【0044】
データ転送部211は、再生情報及びコンテンツ実体を記憶部210から取得し、取得した情報を送受信部202に出力する。なお、再生情報は、例えば、コンテンツ名、再生中断位置、コンテンツ再生装置100において再生を再開する際に参照する制御命令情報を含む。また、制御命令情報は、例えば、自動スキップ開始時間/終了時間であり、詳細については後述する。
【0045】
映像出力部212は、デコード処理部205から入力された映像データを画面に出力する処理を行う。
【0046】
次に、本実施の形態のコンテンツ再生装置100及びコンテンツ管理サーバ200における、最適なコンテンツ再生中断位置の導出処理の詳細について説明する。
【0047】
図4、
図10A、
図10B及び
図10Cは、本発明の実施の形態に係るコンテンツ再生装置100及びコンテンツ管理サーバ200で実行されるコンテンツ再生中断位置の最適な導出方法を、説明するためのフローチャートである。
【0048】
具体的には、
図4は、コンテンツ管理サーバ200におけるコンテンツ編集処理の流れ(ステップS1〜ステップS6)を示すフローチャートである。ここでは、コンテンツ管理サーバ200は、コンテンツ再生装置100へコピーしたコンテンツと同一のコンテンツを編集する。
【0049】
また、具体的には、
図10A〜
図10Cは、以下の2つの処理の方法を説明するためのフローチャートである(ステップS7〜ステップS21)。第1の処理は、コンテンツ管理サーバ200からコンテンツ再生装置100へコピーしたコンテンツのオリジナルと、コンテンツ管理サーバ200によって編集された同一コンテンツとの差異を抽出する方法である。また、第2の処理は、再生中断位置を算出する方法である。なお、コンテンツのオリジナルは、編集前コンテンツであり、コンテンツ管理サーバ200によって編集された同一コンテンツは、編集後コンテンツである。
【0050】
なお、
図10A及び
図10Cは、コンテンツ再生装置100での処理を示し、
図10Bはコンテンツ管理サーバ200での処理を示す。
【0051】
まず、
図4のフローチャートについて説明する。
図4のフローチャートは、コンテンツ管理サーバ200でのコンテンツ編集処理を示す。
【0052】
ここでは、コマーシャル(CM)の前後で映像が重複している場合に、コンテンツ管理サーバ200が、その重複部分(映像重複部分)を削除(編集)するユースケースについて説明する。例えば、
図5は、60分番組の構成を示しており、5分のCMと、55分の番組内容(シーンA、シーンB、シーンB’、シーンC、シーンD、シーンE)とから成る番組構成の一例である。例えば、
図5に示すCM(2分間)直前のt1からt2までの区間に相当するシーンBと、CM(2分間)直後のt3からt4までの区間に相当するシーンB’とが、上記映像重複部分となる。ここでは、コンテンツ管理サーバ200が
図5に示すシーンB及びシーンB’のいずれか一方を選択し、削除するユースケースについて述べる。
【0053】
外部入力受付部201は、リモコン等の外部制御機器からのコンテンツ情報を含む再生要求信号を検出する。外部入力受付部201は、再生要求信号を検出した場合、コンテンツ特定情報を含む再生要求を生成し、コンテンツ特定情報を含む再生要求をコンテンツ管理制御部203に出力する(ステップS1)。
【0054】
コンテンツ管理制御部203は、外部入力受付部201からコンテンツ特定情報を含む再生要求が入力されると、映像データ取得要求を生成し、映像データ取得要求を映像取得制御部204に出力する(ステップS2)。
【0055】
映像取得制御部204は、コンテンツ管理制御部203からコンテンツ特定情報を含む映像データ取得要求が入力されると、記憶部210に対して該当するコンテンツの検索及び取得処理を開始する。そして、映像取得制御部204は、取得した映像データをデコード処理部205に出力する。デコード処理部205は、映像取得制御部204から映像データが入力されると、入力された映像データのデコード処理(コンテンツの再生処理)を開始する(ステップS3)。なお、デコード処理された映像データは、映像出力部212に入力され、映像として画面に出力される。
【0056】
外部入力受付部201は、コンテンツ再生中にリモコン等の外部制御機器からの削除開始ポイントのマーキング要求(1回目)を検出すると、マーキング時刻取得部206に対してマーキング要求を出力する。マーキング時刻取得部206は、外部入力受付部201からマーキング要求が入力されると、映像取得制御部204に対してタイムスタンプ取得要求を出力する。映像取得制御部204は、マーキング時刻取得部206からタイムスタンプ取得要求が入力されると、タイムスタンプ取得要求が入力されたタイミングで取得した映像データからタイムスタンプを取得する。そして、映像取得制御部204は、取得したタイムスタンプを削除開始ポイントの情報としてマーキング時刻取得部206へ出力する。マーキング時刻取得部206は、映像取得制御部204から取得したタイムスタンプを一時的に保持する(ステップS4)。
【0057】
外部入力受付部201は、リモコン等の外部制御機器から2回目のマーキング要求を検出すると、マーキング時刻取得部206に対してマーキング要求を出力する。マーキング時刻取得部206は、外部入力受付部201から2回目のマーキング要求が入力されると、1回目(ステップS4)と同様に、映像取得制御部204からタイムスタンプを削除終了ポイントの情報として取得する。マーキング時刻取得部206は、映像取得制御部204から取得したタイムスタンプを一時的に保持する(ステップS5)。
【0058】
図6は、ステップS4及びステップS5の各ステップで一時的に保持される情報(タイムスタンプ)の一例を示す。なお、
図6に示すt3、t4は、
図5に示す重複映像部分(シーンB’)に対応した時間を示す。すなわち、
図6は、ユーザが削除ポイントとして、
図5に示すt3からt4までの区間(シーンB’)をマーキングした例を示す。つまり、
図6に示すように、マーキング時刻取得部206は、再生時間t3(12分30秒)からt4(12分40秒)までの区間(シーンB’)を削除ポイントとして保持する。
【0059】
マーキング時刻取得部206は、タイムスタンプ(再生時間t3及びt4)をコンテンツ管理制御部203に出力する。コンテンツ管理制御部203は、再生時間t3及びt4を含む編集区間算出要求を編集区間算出部207に出力する。編集区間算出部207は、再生時間t3(削除開始ポイント)及びt4(削除終了ポイント)を編集情報として、記憶部210に登録する処理を行う(ステップS6)。
図7に示すように、編集情報は、編集したコンテンツ名に関連付けられて登録される。
図7に示す情報(コンテンツ名、編集情報及び再生中断位置から成る情報)は、サーバコンテンツ情報として定義される。
【0060】
ここで、
図8は、編集前のコンテンツ321及び編集後のコンテンツ322を示す。
図8において、コンテンツ管理サーバ200は、編集前のコンテンツ321における映像重複部分(シーンB及びシーンB’)のうち、シーンB’(t3〜t4の区間:10秒)を削除する。よって、
図8に示す編集後のコンテンツ322では、コンテンツ全体の長さが60分から59分50秒になっている。この編集されたコンテンツ322は、記憶部210に保存される。
【0061】
なお、コンテンツ編集方法は、ユーザのボタン制御による編集作業に限るものではない。例えば、コンテンツ編集方法は、システムの自動編集機能により映像の重複部分が削除されるケース等、他の方法でもよい。コンテンツ管理サーバ200は、他のコンテンツ編集方法によりコンテンツが編集される場合も上記のように編集情報を管理することが可能である。
【0062】
また、コンテンツ編集は、映像削除に限定されるものではなく映像追加も含む。
図9Aは、
図8に示す編集前のコンテンツ321のシーンB’とシーンCとの間にシーンF(t4〜t7の区間:2分)を追加する例を示す。
図9Aに示す編集後コンテンツ341では、コンテンツ全体の長さが60分から62分になっている。この編集後コンテンツ341は、記憶部210に保存される。また、
図9Bは、コンテンツ編集後に生成されるサーバコンテンツ情報342を示す。
図9Bでは、コンテンツ名「プロ野球ニュース」のコンテンツは、16分30秒(追加開始時間t4)から18分30秒(追加終了時間t7)の区間に新しいシーンが追加されたことを示す。
【0063】
次に、
図10Aのフローチャートについて説明する。
図10Aのフローチャートは、コンテンツ再生装置100におけるコンテンツ再生処理、コンテンツスキップ処理及びコンテンツ再生中断処理を示す。
【0064】
外部入力受付部106は、コンテンツ再生装置100に備え付けられたボタンを介して発行されるコンテンツ再生要求信号を検出すると、コンテンツ特定情報を含む再生要求を生成する。外部入力受付部106は、再生要求をコンテンツ管理制御部103に入力する(ステップS7)。
【0065】
コンテンツ管理制御部103は、コンテンツ特定情報を含む再生要求が入力されると、映像取得制御部107に対して映像データ取得要求を出力する。映像取得制御部107は、コンテンツ管理制御部103から映像データ取得要求が入力されると、記憶部105から該当するコンテンツの映像データを取得する処理を開始する(ステップS8)。
【0066】
映像取得制御部107は、取得した映像データをデコード処理部108に入力する。デコード処理部108は、入力された映像データに対してデコード処理(再生処理)を行う。デコードされた映像データは、映像出力部109へ入力され、画面出力される(ステップS9)。
【0067】
ステップS7〜ステップS9の各ステップの処理により、ユーザは、コンテンツ視聴が可能となる。
【0068】
また、ユーザがコンテンツ視聴中にCM等に対するスキップ処理を行った場合、コンテンツ再生装置100は、スキップ情報を記憶部105に登録する。
【0069】
以下、具体例を示す。外部入力受付部106は、コンテンツ再生装置100に備え付けられたボタンを介してスキップ開始要求を検出すると、コンテンツスキップ開始要求を生成する。外部入力受付部106は、コンテンツスキップ開始要求をコンテンツ管理制御部103に出力する。コンテンツ管理制御部103は、コンテンツスキップ開始要求が入力されると、映像取得制御部107に対して映像スキップ要求を入力する。映像取得制御部107は、映像スキップ要求が入力されると、映像スキップ要求を受けたタイミングのタイムスタンプを映像データから取得し、タイムスタンプをコンテンツ管理制御部103に出力する。その後、映像取得制御部107は、映像データをデコード処理部108に出力する処理を停止し、映像データを廃棄する処理に切り替える。コンテンツ管理制御部103は、映像取得制御部107から取得したタイムスタンプを、記憶部105へ登録する。例えば、
図2Aに示す端末コンテンツ情報301のように、タイムスタンプは、スキップ情報(スキップ開始/スキップ終了)として、コンテンツ名と関連付けられて記憶部105に登録される。
図2Aに示す端末コンテンツ情報では、スキップ開始時間が10分30秒に設定され、スキップ終了時間が12分30秒に設定されている。
【0070】
外部入力受付部106は、コンテンツ再生装置100に備え付けられたボタンを介して再生中断要求を検出するとコンテンツ再生中断要求を生成する。外部入力受付部106は、コンテンツ再生中断要求をコンテンツ管理制御部103へ出力する。コンテンツ管理制御部103は、コンテンツ再生中断要求が入力されると、タイムスタンプ取得要求を映像取得制御部107へ出力する。映像取得制御部107は、タイムスタンプ取得要求が入力されると、タイムスタンプ取得要求が入力されたタイミングで、記憶部105から取得した映像データからタイムスタンプを取得する。映像取得制御部107は、タイムスタンプをコンテンツ管理制御部103へ出力する。コンテンツ管理制御部103は、取得したタイムスタンプを再生中断位置として記憶部105へ登録する(ステップS10)。
図2Aに示す端末コンテンツ情報301のように、再生中断位置は、コンテンツ名と関連付けられて記憶部105に登録される。
図2Aに示す端末コンテンツ情報では、「コンテンツ名:プロ野球ニュース」の再生中断位置が12分35秒に設定されている。
【0071】
通信制御部101は、コンテンツ再生装置100の周辺にサーバ(コンテンツ管理サーバ等)が存在することを検知すると、コンテンツ管理制御部103に対して端末コンテンツ情報の取得要求を出力する。コンテンツ管理制御部103は、端末コンテンツ情報の取得要求が入力されると、コンテンツ情報取得部104を介して、記憶部105に対して所望のコンテンツが存在するか否かを検索する(ステップS11)。上記所望のコンテンツは、例えば、再生中断されたコンテンツである。
【0072】
コンテンツ情報取得部104は、ステップS11でのコンテンツ検索において、該当するコンテンツが存在した場合、端末コンテンツ情報をコンテンツ管理制御部103に出力する。なお、端末コンテンツ情報は、例えば、コンテンツ名、スキップ開始/スキップ終了時間、再生中断位置を含む。コンテンツ管理制御部103は、コンテンツ情報取得部104から端末コンテンツ情報が入力されると、再生中断されたコンテンツが記憶部105に存在すると判断する。そして、コンテンツ管理制御部103は、送受信部102に対して、端末コンテンツ情報を含むコンテンツ取得要求を出力する。送受信部102は、コンテンツ取得要求が入力されると、コンテンツ管理サーバ200の送受信部202に対して、端末コンテンツ情報を含むコンテンツ取得要求を出力する(ステップS12)。
【0073】
以上の
図10Aに示すステップS7〜ステップS12は、各ステップの処理によってコンテンツ再生装置100の処理が行われる。
【0074】
次に、
図10Bのフローチャートについて説明する。
図10Bのフローチャートは、コンテンツ管理サーバ200における編集後コンテンツの再生中断位置算出処理を示す。
【0075】
図10Aに示すステップS12において、コンテンツ再生装置100から入力されたコンテンツ取得要求は、コンテンツ管理サーバ200の送受信部202を介して、コンテンツ管理制御部203に入力される。
【0076】
コンテンツ管理制御部203は、コンテンツ取得要求が入力されると、編集情報取得部208に対して、該当するコンテンツの取得要求を出力する。編集情報取得部208は、該当するコンテンツが編集処理されている場合、そのコンテンツの編集情報を取得する(ステップS13)。
【0077】
次に、ステップS13の処理について具体的に説明する。コンテンツ管理制御部203は、コンテンツ再生装置100から入力されたコンテンツ取得要求に含まれる端末コンテンツ情報を含むコンテンツの検索要求を、編集情報取得部208に対して出力する。なお、端末コンテンツ情報は、例えば、コンテンツ名:プロ野球ニュース、スキップ開始時間:10分30秒、スキップ終了時間:12分30秒、再生中断位置:12分35秒を示す。編集情報取得部208は、コンテンツ検索要求が入力されると、端末コンテンツ情報の“コンテンツ名”に該当するコンテンツが記憶部210に保存されているか否かを検索する。編集情報取得部208は、該当するコンテンツが見つかった場合、該当するコンテンツの編集情報を取得し、取得した編集情報をコンテンツ管理制御部203に出力する。なお、該当するコンテンツの編集情報は、例えば、
図3Aに示すサーバコンテンツ情報311に記載の編集情報である。
【0078】
コンテンツ管理制御部203は、取得した編集情報、及び、コンテンツ再生装置100から取得した端末コンテンツ情報を含む再生中断位置算出要求を、再生中断位置算出部209へ入力する。なお、取得した端末コンテンツ情報は、スキップ開始/スキップ終了時間および再生中断位置を含む。再生中断位置算出部209は、入力された編集情報及び端末コンテンツ情報に基づいて、編集後コンテンツの再生中断位置の算出処理を行う(ステップS14)。
【0079】
ステップS14における再生中断位置算出部209による編集後コンテンツの再生中断位置算出処理の具体的な手順について、
図11〜
図13を参照して説明する。なお、
図11〜
図13では、端末コンテンツ情報に含まれる再生中断位置はt5であり、スキップ開始時間はt2(10分30秒)であり、スキップ終了時間はt3(12分30秒)である。また、
図11〜
図13において、編集情報は、削除開始時間t3(12分30秒)及び削除終了時間t4(12分40秒)を示す。つまり、
図11〜
図13は、シーンB’の削除の処理を示す。
【0080】
<手順1>
再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5と編集情報(削除開始時間t3、削除終了時間t4)との比較を行う。
【0081】
<手順2(ケース1:
図11)>
図11Aは、手順1での比較の結果、再生中断位置t5(5分20秒)が削除開始時間t3(つまり、編集区間)より前となる場合を示す。この場合、再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5を、コンテンツ編集後の再生中断位置として記憶部210に登録する。すなわち、再生中断位置算出部209は、コンテンツ再生装置100における編集前コンテンツの再生中断位置t5を、再生再開位置とする。具体的には、
図11Bに示すように、再生中断位置t5は、コンテンツ名と関連付けられて登録される。
【0082】
<手順2(ケース2:
図12)>
図12Aは、手順1での比較の結果、再生中断位置t5(29分20秒)が削除終了時間t4(編集区間)より後となる場合を示す。この場合、再生中断位置算出部209は、以下の処理を行って編集後コンテンツの再生中断位置を算出する。
【0083】
例えば、
図12Bは、編集情報(t3:12分30秒からt4:12分40秒までの区間)が入力される場合を示す。この場合、コンテンツ編集によって削除された時間(トータル編集時間)は、10秒(=12分40秒−12分30秒)となる。再生中断位置算出部209は、このトータル編集時間及び再生中断位置t5(編集前コンテンツの再生中断位置)を用いて、編集後コンテンツの再生中断位置t6を式(1)に従って算出する。
【0084】
図12Aにおいて、再生中断位置t6は、(再生中断位置t5:29分20秒)−(トータル編集時間10秒)=29分10秒となる。すなわち、再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5が削除終了時間t4(編集区間)より後の場合、再生中断位置t5から編集区間に相当する時間だけ早めた時間を、コンテンツ編集後の再生中断位置として算出する。つまり、再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5から編集区間に相当する時間(トータル編集時間)だけ早めた時間を、再生再開位置とする。そして、再生中断位置算出部209は、
図12Bに示すように、再生中断位置t6(29分10秒)を記憶部210に登録する。具体的には、
図12Bに示すように、再生中断位置t6は、コンテンツ名と関連付けられて登録される。
t6=(再生中断位置t5)−(トータル編集時間) …(1)
【0085】
<手順2(ケース3:
図13)>
図13Aは、手順1での比較の結果、再生中断位置t5(12分35秒)が編集情報に示される編集区間内に存在する場合を示す。つまり、
図13Aは、再生中断位置t5が削除開始時間t3と削除終了時間t4との間に含まれる場合を示す。この場合、再生中断位置算出部209は、以下の処理を行って編集後コンテンツの再生中断位置を算出する。
【0086】
具体的には、再生中断位置算出部209は、編集情報に記載されているコンテンツ削除開始時間t3に最も近いスキップ開始時間t2(10分30秒)を、記憶部210から取得する。次いで、再生中断位置算出部209は、端末コンテンツ情報に示される再生中断位置t5(12分35秒)と削除終了時間t4(12分40秒)との差分Δtを、式(2)に従って算出する。
Δt=t4−t5 …(2)
【0087】
次いで、再生中断位置算出部209は、コンテンツ削除開始時間t3に最も近いスキップ開始時間t2(10分30秒)と、式(2)で算出したΔt(ここでは5秒)を用いて、編集後コンテンツの再生中断位置t6を、式(3)で算出する。つまり、再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5が編集区間(t3〜t4)内に存在する場合、次のようにしてコンテンツ編集後の再生中断位置(つまり、再生再開位置)を算出する。すなわち、再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5に最も近いスキップ開始時間から、再生中断位置t5と編集区間の終了時間t4との差分Δtに相当する時間だけ早めた時間を、コンテンツ編集後の再生中断位置として算出する。
【0088】
換言すると、手順2(ケース3)は、CM(2分)の両端に配置された同一の2つのコンテンツ実体のうちいずれか一方を削除する際、再生中断位置t5が、削除されるコンテンツ実体に相当する編集区間内に存在する場合である。具体的には、
図13Aは、CM(2分)の両端に配置されたシーンB及びシーンB’のうちいずれか一方(シーンB’)を削除する際、再生中断位置t5が、削除されるシーンB’に相当する編集区間(t3〜t4)内に存在する場合である。この場合、再生中断位置算出部209は、削除されない他方のコンテンツ実体(
図13AではシーンB)の終了時間(t2)から、編集区間の終了時間(t4)と再生中断位置(t5)との差分Δtを減じた時間を、再生中断位置t6とする。
t6=t2−Δt …(3)
【0089】
再生中断位置算出部209は、式(3)で算出した再生中断位置t6(ここでは、10分25秒)を記憶部210に登録する。具体的には
図13Bに示すように、再生中断位置t6は、コンテンツ名と関連付けられて登録される。
【0090】
なお、再生中断位置算出部209は、編集後コンテンツの再生中断位置t6を算出した結果、再生中断位置t6よりも後続にスキップ開始時間/スキップ終了時間が存在する場合、次の処理を行う。すなわち、再生中断位置算出部209は、スキップ開始時間/スキップ終了時間のそれぞれを、コンテンツ再生装置100においてコンテンツ再生を再開する際に参照する制御命令情報として記憶部210に登録する。つまり、制御命令情報は、例えば、自動スキップ開始時間及び自動スキップ終了時間である。
【0091】
例えば、
図14は、
図13Aに示す番組構成に対して再生中断位置の算出処理が行われた結果を示す。また、
図14は、再生中断位置t6(10分25秒)よりも後続に、スキップ開始時間t2(10分30秒)及びスキップ終了時間t3(12分30秒)が存在している場合を示す。よって、再生中断位置算出部209は、
図15に示すように、自動スキップ開始時間としてt2(10分30秒)を記憶部210に登録し、自動スキップ終了時間としてt3(12分30秒)を記憶部210に登録する。
【0092】
上記では、再生中断位置算出部209における編集後コンテンツの再生中断位置算出処理の具体的な手順について説明した。以上の処理が終了すると、再生中断位置算出部209は、コンテンツ管理制御部203に対して処理が終了したことを通知する。
【0093】
なお、ここまでの手順1、手順2の説明では、コンテンツ編集で映像削除した場合の再生中断位置算出方法について説明した。しかし、例えば、
図9に示す編集後コンテンツ341のように、新しいシーンが追加された場合でも、再生中断位置算出部209は、再生中断位置を算出可能である。以下にその手順を示す。
【0094】
<手順1A>
再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5と編集情報(追加開始時間t4、追加終了時間t7)との比較を行う。
【0095】
<手順2(ケース4:
図16)>
図16Aは、手順1Aでの比較の結果、再生中断位置t5(29分20秒)が追加終了時間t7(つまり、編集区間)より後となる場合を示す。この場合、再生中断位置算出部209は、以下の処理を行って編集後コンテンツの再生中断位置を算出する。
【0096】
例えば、
図16Bは、編集情報(t4:16分30秒からt7:18分30秒までの区間)が入力される場合を示す。この場合、コンテンツ編集によって追加された時間(トータル編集時間)は、2分(=18分30秒−16分30秒)となる。再生中断位置算出部209は、このトータル編集時間及び再生中断位置t5(編集前コンテンツの再生中断位置)を用いて、編集後コンテンツの再生中断位置t6を、式(4)に従って算出する。
【0097】
図16Aにおいて、再生中断位置t6は、(再生中断位置t5:29分20秒)+(トータル編集時間2分)=31分20秒となる。すなわち、再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5が追加終了時間t7(編集区間)より後の場合、再生中断位置t5から編集区間に相当する時間だけ遅らせた時間を、コンテンツ編集後の再生中断位置として算出する。つまり、再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5から編集区間に相当する時間(トータル編集時間)だけ遅らせた時間を、再生再開位置とする。そして、再生中断位置算出部209は、
図16Bに示すように、再生中断位置t6(31分20秒)を記憶部210に登録する。具体的には、
図16Bに示すように、再生中断位置t6は、コンテンツ名と関連付けられて登録される。
t6=(再生中断位置t5)+(トータル編集時間) …(4)
【0098】
<手順2(ケース5:
図17)>
図17Aは、手順1Aでの比較の結果、再生中断位置t5が追加開始時間t4(つまり、編集区間)より前となる場合を示す。この場合、再生中断位置算出部209は、再生中断位置t5を、コンテンツ編集後の再生中断位置として記憶部210に登録する。なお、再生中断位置t5は、つまり、コンテンツ再生装置100における編集前コンテンツの再生中断位置を示し、コンテンツ編集後の再生中断位置(つまり、再生再開位置)を示す。具体的には、
図17Bに示すように、再生中断位置t5は、コンテンツ名と関連付けられ登録される。
【0099】
コンテンツ管理制御部203は、再生中断位置算出部209から再生中断位置の算出処理が終了したことを通知されると、再生情報を含むコンテンツ転送要求を生成する。なお、再生情報は、コンテンツ名、再生中断位置、制御命令情報(自動スキップ開始/自動スキップ終了時間)を含む。そして、コンテンツ管理制御部203は、コンテンツ転送要求をデータ転送部211に出力する。データ転送部211は、コンテンツ転送要求が入力されると、該当するコンテンツの再生情報(コンテンツ名、再生中断位置、制御命令情報)及びコンテンツ実体を記憶部210から取得する。そして、データ転送部211は、再生情報及びコンテンツ実体を送受信部202に出力する。送受信部202は、データ転送部211から再生情報及びコンテンツ実体が入力されると、コンテンツ再生装置100の送受信部102に対して、再生情報及びコンテンツ実体を出力する(ステップS15)。
【0100】
以上説明したように、編集後コンテンツの再生中断位置の算出処理は、
図10Bに示すステップS13からステップS15の各ステップの処理によって、行われる。
【0101】
次に、
図10Cのフローチャートについて説明する。
図10Cのフローチャートは、コンテンツ再生装置100における再生中断位置からの再生再開処理を示す。
【0102】
送受信部102は、コンテンツ管理サーバ200から再生情報及びコンテンツ実体が入力されると、それらのデータをコンテンツ管理制御部103に入力する。コンテンツ管理制御部103は、入力された再生情報を用いて、該当するコンテンツを記憶部105から検索する。そして、コンテンツ管理制御部103は、該当するコンテンツが存在する場合、記憶部105に対して、再生情報の登録及びコンテンツ実体の上書き処理(コンテンツ保存処理)を行う(ステップS16)。
【0103】
具体的には、
図18Aに示すように、コンテンツ管理制御部103は、コンテンツ管理サーバ200から取得した再生情報331の登録を行う。また、
図18Bに示すように、コンテンツ管理制御部103は、コンテンツ名及びコンテンツ実体に関する情報332におけるコンテンツ実体の上書き処理を行う。なお、
図18Aに示す再生情報331は、コンテンツ名、自動スキップ開始時間、自動スキップ終了時間、及び再生中断位置を含む。
【0104】
外部入力受付部106は、リモコン等の外部制御機器又はコンテンツ再生装置100に備え付けられたボタンを介して、発行されるコンテンツ再生要求信号を検出する。外部入力受付部106は、コンテンツ再生要求信号を検出すると、コンテンツ特定情報を含む再生要求を生成し、再生要求をコンテンツ管理制御部103に出力する(ステップS17)。
【0105】
コンテンツ管理制御部103は、コンテンツ特定情報を含む再生要求が入力されると、映像取得制御部107に対して映像データ取得要求を出力する。映像取得制御部107は、映像データ取得要求が入力されると、記憶部105に対して、該当するコンテンツの再生情報があるか検索する。映像取得制御部107は、該当するコンテンツの再生情報が見つかった場合、該当するコンテンツに自動スキップ開始時間/自動スキップ終了時間の設定が有るか否かの判定処理を行う(ステップS18)。
【0106】
具体的には、映像取得制御部107は、
図18Aの再生情報331に示されるコンテンツ名に基づいて、記憶部105に対して、該当するコンテンツの再生情報を検索する。そして、検索の結果、再生情報が見つかった場合、映像取得制御部107は、その再生情報に自動スキップ開始時間/自動スキップ終了時間が設定されているか否かを判定する。映像取得制御部107は、再生情報に自動スキップ開始時間/自動スキップ終了時間が設定されている場合には設定値を読み出す処理を行う。更に、映像取得制御部107は、該当するコンテンツに再生中断位置が設定されている場合、再生中断位置の数値を読み出す処理も行う(ステップS19)。
【0107】
映像取得制御部107は、記憶部105から読み出した再生中断位置に該当する映像データを、記憶部105から読み出す処理を行う(ステップS20)。
【0108】
映像取得制御部107は、再生情報の自動スキップ開始時間と、記憶部105から取得した映像データのタイムスタンプとを比較する。映像取得制御部107は、比較の結果、タイムスタンプが自動スキップ開始時間に到達したことを検出すると、現在取得している映像データを削除し、再生情報の自動スキップ終了時間直後の映像データを取得する。つまり、映像取得制御部107は、現在取得している映像データを削除し、再生情報の自動スキップ終了時間直後の映像データを取得することで、スキップ処理を行う(ステップS21)。
【0109】
スキップ処理は、例えば、編集後コンテンツが
図8に示す番組構成322であり、コンテンツ再生装置100における編集前コンテンツの再生中断位置t5が
図13Aに示す位置である場合について説明する。また、コンテンツ再生装置100に送信される再生情報は、
図18Aに示す再生情報331とする。
【0110】
よって、映像取得制御部107は、
図13Bに示すように、編集後コンテンツの再生中断位置t6(10分25秒)に該当する映像データを記憶部105から読み出して、コンテンツ再生を再開する。
【0111】
更に、映像取得制御部107は、
図18Aに示す再生情報331の自動スキップ開始時間(例えば10分30秒)と、記憶部105から取得した映像データのタイムスタンプとを比較する。そして、映像取得制御部107は、比較の結果、タイムスタンプが自動スキップ開始時間(10分30秒)に到達したことを検出したとする。この場合、映像取得制御部107は、10分30秒のタイムスタンプに対応する映像データを削除し、
図18Aに示す再生情報331の自動スキップ終了時間(12分30秒)直後の映像データの取得処理を記憶部105に対して行う。
【0112】
これにより、コンテンツ再生装置100では、ユーザがコンテンツ再生中断前に1度視聴したCM(
図13Aに示す番組構成におけるCM(2分間))はスキップされる。つまり、ユーザは、CM終了後の映像を視聴することが可能となる。
【0113】
このようにして、本実施の形態では、コンテンツ再生装置100は、コンテンツ管理サーバ200からコピーした編集前コンテンツの端末コンテンツ情報をコンテンツ管理サーバ200に送信する。なお、端末コンテンツ情報は、例えば、コンテンツ名、再生中断位置、スキップ開始/スキップ終了時間である。また、スキップ開始/スキップ終了時間は、ユーザがコンテンツ再生装置100での再生視聴中にスキップ操作などにより再生しなかった区間(非再生期間)を表す。
【0114】
そして、コンテンツ管理サーバ200は、端末コンテンツ情報、コンテンツ管理サーバ200で管理する編集されたコンテンツの編集情報を用いて、コンテンツ再生装置100でコンテンツ再生を再開する際に用いる再生情報を生成する。そして、コンテンツ管理サーバ200は、生成した再生情報をコンテンツ再生装置100に送信する。なお、編集されたコンテンツ(編集後コンテンツ)の編集情報は、例えば、追加又は削除した区間の情報を含む。また、再生情報は、例えば、編集後にコンテンツ管理サーバ200で再計算された再生中断位置、コンテンツ再生装置100において再生を再開する際に参照する制御命令情報を含む。
【0115】
そして、コンテンツ再生装置100は、再生情報を用いて、適切な再生中断位置からコンテンツ再生を再開する。
【0116】
これにより、コンテンツ管理サーバ200は、コンテンツ再生装置100にコピーされた当該コンテンツに対して、編集処理を行う場合でも、コンテンツ再生装置100における再生中断位置を編集処理に応じて適切に算出することができる。上述したように、コンテンツ再生装置100で管理している編集前コンテンツ、及び、コンテンツ管理サーバ200で管理している編集後コンテンツは、コンテンツ内容又はコンテンツ長がそれぞれ異なることが想定される。つまり、コンテンツ再生装置100において、コンテンツ再生の中断時に管理していた編集前コンテンツと、コンテンツ再生の再開時に再コピーする編集後コンテンツとは、コンテンツ内容及びコンテンツ長に差異が発生する。この場合でも、コンテンツ再生装置100は、適切な再生中断位置からのコンテンツ再生再開が可能となる。
【0117】
つまり、コンテンツ再生装置100で再生中断したコンテンツは、コンテンツ管理サーバ200でユーザの好みの形態にコンテンツを変更(編集)した後に、コンテンツ再生装置100で再生を再開する場合がある。この際、本実施の形態によれば、ユーザが視聴中断したコンテンツを視聴し直す場合でも、コンテンツ再生装置100を利用するユーザは、コンテンツ内容及びコンテンツ長を意識することなく、コンテンツの再生を再開することが可能となる。
【0118】
なお、本実施の形態では、コンテンツ管理サーバ200において算出した再生中断位置(編集後コンテンツの再生中断位置)を用いて、コンテンツ再生装置100で編集後コンテンツを再生する例について説明した。しかし、本実施の形態は、これに限らず、例えば、コンテンツ管理サーバ200が編集後コンテンツを再生中断位置から再生することも可能である。
【0119】
また、本実施の形態は、コンテンツ編集による映像削除・映像追加処理及び再生中断位置の算出処理を、携帯端末(コンテンツ再生装置)において実施することも可能である。
【0120】
また、本実施の形態では、コンテンツ編集による映像削除または映像追加それぞれのケースについて、編集後コンテンツの再生中断位置算出方法を説明した。しかし、本実施の形態は、これに限らず、コンテンツ編集で映像削除及び映像追加が同時に発生した場合においても、編集後コンテンツの再生中断位置を算出可能である。
【0121】
また、本実施の形態では、例えば、コンテンツ再生装置を携帯電話、携帯端末等に搭載し、コンテンツ管理サーバをハードディスク・レコーダ、デジタルテレビ、STB等に搭載することが可能である。つまり、レコーダ(コンテンツ管理サーバ)内でコンテンツ編集が行われる場合でも、携帯電話(コンテンツ再生装置)を利用するユーザは、コンテンツ内容及びコンテンツ長を意識することなく、コンテンツ再生を再開することができる。
【0122】
以上のように、本実施の形態に係るコンテンツ管理サーバは、中断されたコンテンツの再生を再開する際、前記コンテンツをコンテンツ管理サーバから取得するコンテンツ再生装置と、前記コンテンツを保存するとともに、前記コンテンツ内の一部を削除又は前記コンテンツ内の一部へ追加することにより前記コンテンツの編集を行う前記コンテンツ管理サーバと、を有するシステムにおいて、前記コンテンツ再生装置で前記コンテンツの再生が中断された位置である第1の再生中断位置を受信する受信部と、前記コンテンツ内の、前記編集により削除される編集区間、及び、前記第1の再生中断位置に基づいて、前記編集の後のコンテンツにおける、前記コンテンツ再生装置で前記コンテンツの再生が中断された位置に対応する第2の再生中断位置を算出する算出部と、前記第2の再生中断位置を前記コンテンツ再生装置に送信する送信部と、を具備するものである。これにより、本実施の形態では、コンテンツ管理サーバでコンテンツ編集が行われる場合でも、コンテンツ再生装置を利用するユーザは、コンテンツ内容及びコンテンツ長を意識することなく、コンテンツ再生を再開することができる。
【0123】
また、本実施の形態で説明した各手段は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)により構成される。これら各手段は、個別に1チップ化されていてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いによりIC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法は、LSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサにより行ってもよい。また、本実施の形態は、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)を利用して各部を構成してもよい。また、本実施の形態は、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なコンフィギュラブル・プロセッサを利用して各部を構成してもよい。さらには、本実施の形態は、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術により各部の集積化を行ってもよい。例えば、本実施の形態は、バイオ技術を適用することによって集積化を行ってもよい。
【0124】
2010年6月8日出願の特願2010−131181の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。