(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数枚の前記フィルムの少なくとも1枚は、その他の前記フィルムと重なっている箇所と、重なっていない箇所を有していることを特徴とする請求項1に記載のシートの検査装置。
前記不良が検出された前記シートを、前記シートの製造装置から排出する排出部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のシートの検査装置。
前記テープ状フィルムに、複数枚の前記フィルムの内のその他の前記フィルムを重ねる際に、前記テープ状フィルムに、複数枚の前記フィルムの内のその他の前記フィルムを接着させることを特徴とする請求項16に記載のシートの製造システム。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】専用の包装用の袋(袋状のシート)に入れられたサンドイッチの斜視図である。
【
図2】(a)はサンドイッチ専用の包装用の袋(袋状のシート)の平面図であり、(b)は(a)のA−A方向の矢視断面図であり、(c)は袋状のシートを構成する表側の包装フィルムの平面図であり、(d)は袋状のシートを構成する裏側の包装フィルムの平面図であり、(e)は袋状のシートを構成する接触フィルムの平面図であり、(f)は袋状のシートを構成する開封用テープ状フィルムの平面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る検査装置を備えたシートの製造装置(システム)の構成図である。
【
図4】シートの製造方法の途中工程の模式図(その1)である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る検査装置の構成図である。
【
図6A】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が直交している状態を示す検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その1)である。
【
図6B】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が平行である状態を示す検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その1)である。
【
図7】検査装置がシートの異常時に取得する画像データ(その1)である。
【
図8】シートの製造方法の途中工程の模式図(その2)である。
【
図9A】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が直交している状態を示す検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その2)である。
【
図9B】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が平行である状態を示す検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その2)である。
【
図10】検査装置がシートの異常時に取得する画像データ(その2)である。
【
図11】シートの製造方法の途中工程の模式図(その3)である。
【
図12A】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が直交している状態を示す検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その3)である。
【
図12B】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が平行である状態を示す検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その3)である。
【
図13】検査装置がシートの異常時に取得する画像データ(その3)である。
【
図14】専用の包装用のシート上に置かれたおにぎりの斜視図である。
【
図15】(a)はおにぎり専用の包装用のシートの平面図であり、(b)は(a)のB−B方向の矢視断面図であり、(c)はシートを構成する一方の側の分離フィルムの平面図であり、(d)はシートを構成する他方の側の分離フィルムの平面図であり、(e)はシートを構成する開封用テープ状フィルムの平面図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る検査装置を備えたシートの製造装置(システム)の構成図である。
【
図17A】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が直交している状態を示す第2の実施形態の検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その1)である。
【
図17B】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が平行である状態を示す第2の実施形態の検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その1)である。
【
図18A】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が直交している状態を示す第2の実施形態の検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その2)である。
【
図18B】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が平行である状態を示す第2の実施形態の検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データ(その2)である。
【
図19】(a)は専用の包装用の袋(袋状のシート)に入れられた調理パンの斜視図であり、(b)は(a)のC−C方向の矢視断面図である。
【
図20】本発明の第3の実施形態に係る検査装置を備えた包装装置(システム)の構成図である。
【
図21A】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が直交している状態を示す第3の実施形態の検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データである。
【
図21B】(a)は偏光子と検光子の偏光方向が平行である状態を示す第3の実施形態の検査装置の模式図であり、(b)はその検査装置がシートの正常時に取得する画像データである。
【
図22】偏光子と検光子の偏光方向が直交している状態の第4の実施形態の検査装置が、パッケージの正常時と異常時に取得する画像データである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略している。
【0015】
(第1の実施形態)
図1に、専用の包装用の袋(袋状のシート2)に入れられたサンドイッチ28の斜視図を示す。この袋状のシート2の状態は、サンドイッチ28が店頭に並べられているときの密封された状態とは異なり、密封前の状態になっている。サンドイッチ28は、惣菜(具)28bをパン28aで挟んだものである。パン28aは、側面から見ると直角三角形の形状をしており、その直角三角形の最も長い辺に当たるパン28aとパン28aの間からは、惣菜28bが露出している。この惣菜28bは、袋状のシート2を通して消費者に見られるようになっており、惣菜28bを含めたサンドイッチ28をおいしそうに見せることが、提供者にとって重要になっている。このために、透明な接触フィルム34が、この惣菜28bに接触するように配置されている、接触フィルム34は、表側の包装フィルム31aに重ねて接着されている。すなわち、惣菜28bと表側の包装フィルム31aの間に接触フィルム34が配置されている。接触フィルム34は惣菜28bに張り付いたままの状態が維持でき、表側の包装フィルム31aは惣菜28bから離れたままの状態が維持できるようになっている。惣菜28bの汁、ソースやマヨネーズ等は、接触フィルム34に付着することで、表側の包装フィルム31aへの付着が抑えられている。接触フィルム34がないと、表側の包装フィルム31aは惣菜28bに付いたり離れたりし、付着する場所は毎回異なるので、表側の包装フィルム31aに付いたソース等によって、真っ白のパン28aが汚れ惣菜28bも含めた美観を損ねてしまう。逆に、接触フィルム34によれば、美観を高め、サンドイッチ28をおいしそうに見せることができる。接触フィルム34は、透明であることが望ましいが、半透明でもよい。同様に、包装フィルム31a、31bと開封用テープ状フィルム33も透明又は半透明であることが望ましい。
【0016】
密封時には、表側の包装フィルム31aは、その周辺部が、裏側の包装フィルム31bの周辺部と接着され、包装用の袋の形状が形成されている。裏側の包装フィルム31bには、開封用テープ状フィルム33が重ねて接着されている。開封用テープ状フィルム33は、消費者がその一端を持って引き剥がすように引くと、下側の包装フィルム31bの開封用テープ状フィルム33が重ねられていた場所が破かれ、開封することができる。開封された場所は、惣菜28bがパン28aから露出していないので、手を汚すことなく容易にサンドイッチ28を取り出すことができる。
【0017】
図2(a)に、サンドイッチ専用の包装用の袋(袋状のシート2)の平面図を示し、
図2(b)に、
図2(a)のA−A方向の矢視断面図を示す。
図2(b)では、包装フィルム31a等のフィルムの厚さを幅に比べて強調して記載し互いの重なりの位置関係が明確になるように記載している。このため、シート2が厚さ方向に膨らんで見えるが、実際には、フィルム間、例えば、包装フィルム31aと31bの間に大きな隙間は存在しない。包装フィルム31aと31bとは、互いに周辺部の接着箇所36aで張り合わせて袋状に形成されている。
【0018】
図2(c)に、表側の包装フィルム31aの平面図を示し、
図2(d)に、裏側の包装フィルム31bの平面図を示す。
図2の(a)と(c)と(d)を比べると、表側の包装フィルム31aと、裏側の包装フィルム31bとは、概ね重なっているが、接着箇所36aのない周辺部において、裏側の包装フィルム31bが表側の包装フィルム31aに重なっていない箇所が設けられている。裏側の包装フィルム31bは、表側の包装フィルム31aより大きくなっており、大きさの異なる2枚のフィルムが重ねられていることになる。
【0019】
図2(a)と(b)に示すように、開封用テープ状フィルム33は、その略全域に設けられた接着箇所36cによって、裏側の包装フィルム31bに接着している。接触フィルム34は、包装フィルム31aと31bとで構成する袋の開口側に設けられた接着箇所36bによって、表側の包装フィルム31aに接着している。
【0020】
図2(e)に、接触フィルム34の平面図を示すが、
図2の(a)と(c)と(d)と(e)を比べると、接触フィルム34は、包装フィルム31aと31bに重なっている。包装フィルム31aと31bは、接触フィルム34より大きくなっており、接触フィルム34と重なっていない箇所が設けられている。すなわち、大きさの異なる3枚のフィルムが重ねられていることになる。
【0021】
図2(f)に、開封用テープ状フィルム33の平面図を示すが、
図2の(a)と(c)と(d)と(e)と(f)を比べると、開封用テープ状フィルム33は、包装フィルム31aと31bに重なっている。包装フィルム31aと31bは、開封用テープ状フィルム33より大きくなっており、開封用テープ状フィルム33と重なっていない箇所が設けられている。開封用テープ状フィルム33は、接触フィルム34と重なっている箇所といない箇所を有している。接触フィルム34は、開封用テープ状フィルム33と重なっている箇所といない箇所を有している。大きさの異なる4枚のフィルムが重ねられていることになる。
【0022】
図3に、本発明の第1の実施形態に係る検査装置1(1a、1b、1c)を備えたシート2の製造装置100の構成図を示す。
【0023】
テープ状フィルム35aには、複数の表側の包装フィルム31aが、前後の向きが互い違いに1列に配列されている。すなわち、テープ状フィルム35aには、複数の表側の包装フィルム31aのそれぞれの領域が分かるように、識別可能な模様が印刷されている。テープ状フィルム35aは、第1ロール35cから連続して引き出される。
【0024】
図3と、
図4のシートの製造方法の途中工程に示すように、テープ状フィルム35aのそれぞれの表側の包装フィルム31aは移動していく(移動工程)。重ね機41aは、重ね工程として、移動してきた表側の包装フィルム31aに対して、その所定の位置に接触フィルム34を重ねる(位置決めする)。接着機42aは、接着工程として、重ねたまま接触フィルム34の接着箇所36bを表側の包装フィルム31aに、熱溶着等により接着する。なお、接触フィルム34に予め接着剤を付けておき、表側の包装フィルム31aに重ねると同時に接着してもよい。この後、接触フィルム34が重ねられた表側の包装フィルム31aは、第1検査工程が行われる検査装置1a(1)へ移動する。
【0025】
なお、テープ状フィルム35aは、樹脂等を一定の方向(テープの長手方向)に延伸させることで形成されており、その延伸の方向はフィルム面内で一定になっている。これにより、配向方向D1もフィルム面内で一定になっている。テープ状フィルム35aの長手方向に対して、表側の包装フィルム31aは、一定の位置関係で配列しているので、それぞれの表側の包装フィルム31aの中でも、配向方向D1は一定の方向を向いている。接触フィルム34も延伸によって形成されているので、その配向方向D2は、どの接触フィルム34も、接触フィルム34の長手方向に対して一定の方向を向いている。
【0026】
図5に、本発明の第1の実施形態に係る検査装置1(1a)の構成図を示す。
図3と
図5に示すように、検査装置1(1a)は、照明(装置、照明部)4と、偏光子5と、検光子6と、カメラ(撮像部)8と、検出部(画像処理装置)9とを有している。照明装置4は、照明光4aを、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)に照射する。偏光子5は、照明光4aを直線偏光して透過させる。検光子6は、偏光子5と、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)を透過した照明光4aを直線偏光して透過させる。偏光子5と検光子6により、クロスニコルが構成されている。
【0027】
偏光子5と検光子6には、
(1)ポラロイド(登録商標)板やポーラコアなどの吸収型偏光子、
(2)グラン−トムソンプリズムやグラン−テーラープリズムなどの全反射型偏光子、
(3)TFPなどの薄膜型偏光子、
(4)ウォラストンプリズムなどの複屈折型偏光子、
(5)偏光度(率)をコントロールする1/4波長板や、偏光方向をコントロールする1/2波長板などの波長板
などを用いることができる。
【0028】
接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)は、偏光子5と検光子6の間に配置されている。テープ状フィルム35a(包装フィルム31a)は、延伸されていることから、前記した配向方向D1に配向し、この配向方向D1に対応した一定の楕円偏光をするようになっている。接触フィルム34は、延伸されていることから、前記した配向方向D2に配向し、この配向方向D2に対応した一定の楕円偏光をするようになっている。
【0029】
偏光子5で直線偏光した照明光4aは、テープ状フィルム35a(包装フィルム31a)を透過すると、配向方向D1に対応した楕円偏光をして、直線偏光の偏光方向が回転する。このように楕円偏光した照明光4aが、検光子6を透過すると、照明光4aは直線偏光するが、検光子6を透過する照明光4aの光量は偏光方向の回転量によって変化する。この回転量は、配向方向D1に対応した楕円偏光によって決まるので、その光量も、配向方向D1に対応した楕円偏光によって決まる。すなわち、テープ状フィルム35a(包装フィルム31a)は、相対的ではあるものの固有の明るさを持つものとして見ることができる。
【0030】
同様に、接触フィルム34も、配向方向D2に対応した楕円偏光によって、固有の明るさ(輝度)を持って見ることができる。すなわち、接触フィルム34は、テープ状フィルム35a(包装フィルム31a)とは、異なった輝度を持つものとして見ることができる。
【0031】
そして、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)は、配向方向D1に対応した楕円偏光による前記回転量と、配向方向D2に対応した楕円偏光による前記回転量とが足しあわされた回転量によって、光量が決まるので、重なっていない接触フィルム34や、重なっていないテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)とは、異なった輝度を持つものとして見ることができる。
【0032】
照明光4aには、白色光のように、複数の色の光が混ざっている。前記した回転量は、色(波長)によって異なっている。これらを検光子6によって直線偏光すると、色毎に透過できる光量が異なる。これにより、テープ状フィルム35a(包装フィルム31a)は、その透過できる光量が多い色として見えることになる。この色も、相対的ではあるものの、テープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の固有の色である。同様に、接触フィルム34も、固有の色を持つものとして見ることができる。すなわち、接触フィルム34を、テープ状フィルム35a(包装フィルム31a)とは、異なった色として見ることができる。また、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)も、固有の色を持つものとして見ることができる。すなわち、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)は、重なっていない接触フィルム34や、重なっていないテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)とは、異なった色として見ることができる。なお、同じ材料を用いて同じ製法で同じ膜厚に作られたフィルムは、同じ色(輝度)で見ることができ、その色(輝度)は、その材料固有であると考えられる。そこで、材料毎にその色(輝度)を登録(記憶)しておけば、材料の分からないフィルムがあっても、色(輝度)を計測することで、その計測結果に照らしてその材料を特定することができる。
【0033】
回転部7aは、偏光子5の偏光方向5aを回転させることができる。また、回転部7bは、検光子6の偏光方向6aを回転させることができる。検出部(画像処理装置)9は、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の輝度(色の波長)と、重ねられていないテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の輝度(色の波長)の差が最大になるような、検光子6の偏光方向6aの角度と、偏光子5の偏光方向5aの角度とを、予め、サーチし、決定・登録しておくことができる。
【0034】
カメラ(撮像部)8は、検光子6を透過した照明光4aを、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の像として撮像する。この像は、前記した輝度と色の光によって構成されていると考えることができる。この像は、画像データとして検出部(画像処理装置)9に送信される。検出部(画像処理装置)9は、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の像の輝度又は色に基づく、接触フィルム34とテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の重なりの状態から、不良を検出する。
図3に示すように、検出部(画像処理装置)9は、警報部11を有し、不良が検出されるとオペレータにアラームを発する。検出部(画像処理装置)9は、不良が検出されると、不良排斥信号を、排出部10とマーキング部12に送信する。排出部10では、不良排斥信号に基づいて、不良が検出された接触フィルム34が重ねられた包装フィルム31aを、シートの製造装置100から排出する。マーキング部12では、不良排斥信号に基づいて、不良が検出された接触フィルム34が重ねられた包装フィルム31aにマーキングを行う。排出部10とマーキング部12とは、両方備える必要は無く、どちらか一方を備えればよい。
【0035】
図6A(a)に示すように、検査装置1aによる第1検査工程では、偏光子5と検光子6の間に、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35aが配置され、照明光4aが偏光子5側から照射されることになる。まず、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している場合について説明する。
図6A(b)に、この場合において、検査装置1aがシート2(接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a)の正常時に取得する画像データを示す。接触フィルム34が重なっていないテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の領域は、色(輝度)C2になっている。接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の領域は、色(輝度)C3になり、色(輝度)C2とは異なっている。なお、テープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の外側の領域は、偏光子5を透過した照明光4aが直接、検光子6に入射している領域であるが、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが直交しているので、照明光4aは検光子6を透過できず、真っ暗(輝度ゼロ、色はなくなる(いわゆる黒色)C1)になる。
【0036】
図6B(a)に、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35aと偏光子5と検光子6との位置関係は、
図6A(a)と同じだが、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが平行である場合を示す。
図6B(b)に、この場合において、検査装置1aがシート2(接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a)の正常時に取得する画像データを示す。接触フィルム34が重なっていないテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の領域は、色(輝度)C12になり、前記色(輝度)C2、C3とは異なっている。接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の領域は、色(輝度)C13になり、前記色(輝度)C2、C3、C12とは異なっている。なお、テープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の外側の領域は、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが平行であるので、照明光4aは、検光子6をほとんど透過し、その色(輝度)C11は、元の照明光4aの色に近くなり、輝度は、(輝度)C12、C13より大きくなる。このように、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが平行でも直角でも、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35a(包装フィルム31a)の領域と、重ねられていない領域を、色(輝度)の違いとして識別することができる。そして、その平行と直角の間の状態でも、それぞれの領域を色(輝度)の違いとして識別することができる。
【0037】
図7に、シート2の不良の際に(異常時に)、検査装置1aが取得する画像データを示す。なお、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している状態の場合を例に説明する。不良21は、接触フィルム34の欠落による不良である。不良21では、接触フィルム34が配置されるべき所定の領域の色が、色(輝度)C3ではなく、色(輝度)C2になる。このことにより、不良21を検出することができる。
【0038】
不良22は、接触フィルム34の折れによる不良である。接触フィルム34の折れた箇所では、接触フィルム34が2枚重なっている。また、その箇所の配向方向D21は、接触フィルム34の配向方向D2と平行でなくなっている。これらにより、不良22では、接触フィルム34が配置されるべき所定の領域に、色(輝度)C3ではなく、色(輝度)C2、C3と異なる色(輝度)C4が生じることになる。このことにより、検出部9は不良22を検出することができる。
【0039】
不良23は、接触フィルム34の包装フィルム31aに対する位置関係のずれによる不良である。接触フィルム34のずれにより、ずれた接触フィルム34の配向方向D22は、ずれていない接触フィルム34の配向方向D2と平行でなくなっている。これにより、不良23では、接触フィルム34が配置されるべき所定の領域に、色(輝度)C3と異なる色(輝度)C6が生じることになる。このことにより、不良23を検出することができる。また、色(輝度)C6の領域から、接触フィルム34の位置を算出してもよい。算出した位置と配置すべき位置との差L1が、所定値より大きい場合に、検出部9は不良23が発生していると判定する。
【0040】
不良24は、接触フィルム34と包装フィルム31aの破けと穴あき25による不良である。
図7の不良24の例では、破けと穴あき25は、接触フィルム34に発生しているとする。破けと穴あき25の発生箇所(領域)では、包装フィルム31aがあり、接触フィルム34はなくなっている。このため、破けと穴あき25の領域の色(輝度)C5は、色(輝度)C2と同じになっている。また、色(輝度)C5の領域は、色(輝度)C3の領域に囲まれている。これらにより、不良24では、色(輝度)C3の領域に囲まれた色(輝度)C2と同じ色(輝度)C5の領域がある場合に、検出部9は不良24が発生していると判定することができる。なお、不良21〜24は、一例であり、検出できる不良はこれらに限られない。
【0041】
また、
図3に示すように、テープ状フィルム35bには、複数の裏側の包装フィルム31bが、前後の向きが互い違いに1列に配列されている。すなわち、テープ状フィルム35bには、複数の裏側の包装フィルム31bのそれぞれの領域が分かるように、識別可能な模様が印刷されている。テープ状フィルム35bは、第2ロール35dから連続して引き出される。
【0042】
図3と、
図8のシートの製造方法の途中工程に示すように、テープ状フィルム35bのそれぞれの裏側の包装フィルム31bは移動していく(移動工程)。重ね機41bは、重ね工程として、移動してきた裏側の包装フィルム31bに対して、その所定の位置に開封用テープ状フィルム33を重ねる(位置決めする)。接着機42bは、接着工程として、重ねたまま開封用テープ状フィルム33の接着箇所36cを裏側の包装フィルム31bに、熱溶着等により接着する。なお、開封用テープ状フィルム33に予め接着剤を付けておき、裏側の包装フィルム31bに重ねると同時に接着してもよい。この後、開封用テープ状フィルム33が重ねられた裏側の包装フィルム31bは、第2検査工程が行われる検査装置1b(1)へ移動する。検査装置1bは、
図3に示すように、検査装置1aと同様の構成になっている。
【0043】
なお、テープ状フィルム35b(包装フィルム31b)も、延伸によって形成されているので、その配向方向D3は、テープ状フィルム35bの長手方向に対して一定の方向を向いている。開封用テープ状フィルム33も延伸によって形成されているので、その配向方向D4は、どの開封用テープ状フィルム33も、その長手方向に対して一定の方向を向いている。
【0044】
図9A(a)に示すように、検査装置1bによる第2検査工程では、偏光子5と検光子6の間に、開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35bが配置され、照明光4aが偏光子5側から照射されることになる。まず、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している場合について説明する。
図9A(b)に、この場合において、検査装置1bがシート2(開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35b)の正常時に取得する画像データを示す。開封用テープ状フィルム33が重なっていないテープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の領域は、色(輝度)C22になっている。開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の領域は、色(輝度)C23になり、色(輝度)C22とは異なっている。なお、テープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の外側の領域は、真っ暗(輝度ゼロ、色はなくなる(いわゆる黒色)C21)になる。
【0045】
図9B(a)に、開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35bと偏光子5と検光子6との位置関係は、
図9A(a)と同じだが、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが平行である場合を示す。
図9B(b)に、この場合において、検査装置1bがシート2(開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35b)の正常時に取得する画像データを示す。開封用テープ状フィルム33が重なっていないテープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の領域は、色(輝度)C32になり、色(輝度)C22、C23とは異なっている。開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の領域は、色(輝度)C33になり、前記色(輝度)C22、C23、C32とは異なっている。なお、テープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の外側の領域は、その色(輝度)C31が、元の照明光4aの色に近くなり、輝度は、(輝度)C32、C33より大きくなる。このように、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが平行でも直角でも、開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の領域と、重ねられていない領域を、色(輝度)の違いとして識別することができる。そして、その平行と直角の間の状態でも、それぞれの領域を色(輝度)の違いとして識別することができる。
【0046】
図10に、シート2の不良の際に(異常時に)、検査装置1bが取得する画像データを示す。なお、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している状態の場合を例に説明する。不良21は、開封用テープ状フィルム33の欠落による不良である。不良21では、開封用テープ状フィルム33が配置されるべき所定の領域の色が、色(輝度)C23ではなく、色(輝度)C22になる。このことにより、検出部9は不良21を検出することができる。
【0047】
不良22は、開封用テープ状フィルム33の折れによる不良である。開封用テープ状フィルム33の折れた箇所の一部では、開封用テープ状フィルム33が2枚重なっている。また、その箇所の配向方向D41は、開封用テープ状フィルム33の配向方向D4と平行でなくなっている。これらにより、不良22では、開封用テープ状フィルム33の配置されている領域に、色(輝度)C23ではなく、色(輝度)C22、C23と異なる色(輝度)C24、C25が生じることになる。このことにより、検出部9は不良22を検出することができる。
【0048】
不良23は、開封用テープ状フィルム33の包装フィルム31bに対する位置関係のずれによる不良である。開封用テープ状フィルム33のずれにより、ずれた開封用テープ状フィルム33の配向方向D42は、ずれていない開封用テープ状フィルム33の配向方向D4と平行でなくなっている。これにより、不良23では、開封用テープ状フィルム33が配置されるべき所定の領域に、色(輝度)C23と異なる色(輝度)C28が生じることになる。このことにより、検出部9は不良23を検出することができる。また、色(輝度)C28の領域から、開封用テープ状フィルム33の位置を算出してもよい。算出した位置と配置すべき位置との差L2が、所定値より大きい場合に、不良23が発生していると判定する。
【0049】
不良24は、開封用テープ状フィルム33と包装フィルム31bの破けと穴あき25による不良である。
図10の不良24の例では、破けと穴あき25は、包装フィルム31bに発生しているとする。破けと穴あき25の発生している領域では、包装フィルム31bがなくなっている。破けと穴あき25の領域の色(輝度)C26は、色(輝度)C21(真っ暗)と同じになっている。色(輝度)C27の領域は、開封用テープ状フィルム33があるだけなので、色(輝度)C27は、色(輝度)C22、C23、C26とは異なっている。これらにより、検出部9は不良24の発生の有無を判定することができる。なお、不良21〜24は、一例であり、検出できる不良はこれらに限られない。
【0050】
また、
図3と、
図11のシートの製造方法の途中工程に示すように、テープ状フィルム35aのそれぞれの表側の包装フィルム31aと、テープ状フィルム35bのそれぞれの裏側の包装フィルム31bとは、重ね機41cへ移動していく(移動工程)。重ね機41cは、重ね工程として、包装フィルム31aと31bと、開封用テープ状フィルム33と、接触フィルム34との4枚のフィルムを重ねる(位置決めする)。この4枚のフィルム31a、31b、33、34は、位置決めされて重ねられたまま、第3検査工程が行われる検査装置1c(1)へ移動する。検査装置1cは、検査装置1a、2bと同様の構成になっている。
【0051】
図12A(a)に示すように、検査装置1cによる第3検査工程では、偏光子5と検光子6の間に、シート2、すなわち、互いに重なった接触フィルム34とテープ状フィルム35aと開封用テープ状フィルム33とテープ状フィルム35bが、配置され、照明光4aが偏光子5側から照射されることになる。まず、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している場合について説明する。
図12A(b)に、この場合において、検査装置1cがシート2の正常時に取得する画像データを示す。包装フィルム31bのみの領域は、色(輝度)C42になっている。包装フィルム31aと31bのみが重なっている領域は、色(輝度)C43になっている。包装フィルム31aと31bと接触フィルム34のみが重なっている領域は、色(輝度)C44になっている。包装フィルム31aと31bと開封用テープ状フィルム33のみが重なっている領域は、色(輝度)C45になっている。包装フィルム31aと31bと開封用テープ状フィルム33と接触フィルム34が重なっている領域は、色(輝度)C46になっている。色(輝度)C42〜C46は互いに異なっている。なお、テープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の外側の領域は、真っ暗(輝度ゼロ、色はなくなる(いわゆる黒色)C41)になる。
【0052】
図12B(a)に、シート2と偏光子5と検光子6との位置関係は、
図12A(a)と同じだが、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが平行である場合を示す。
図12B(b)に、この場合において、検査装置1cがシート2の正常時に取得する画像データを示す。包装フィルム31bのみの領域は、色(輝度)C52になっている。包装フィルム31aと31bのみが重なっている領域は、色(輝度)C53になっている。包装フィルム31aと31bと接触フィルム34のみが重なっている領域は、色(輝度)C54になっている。包装フィルム31aと31bと開封用テープ状フィルム33のみが重なっている領域は、色(輝度)C55になっている。包装フィルム31aと31bと開封用テープ状フィルム33と接触フィルム34が重なっている領域は、色(輝度)C56になっている。色(輝度)C52〜C56は互いに異なっている。また、色(輝度)C52〜C56は、前記色(輝度)C42〜C46とも異なっている。なお、テープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の外側の領域は、その色(輝度)C51が、元の照明光4aの色に近くなり、輝度は、(輝度)C52〜C56より大きくなる。このように、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが平行でも直角でも、開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35b(包装フィルム31b)の領域と、重ねられていない領域を、色(輝度)の違いとして識別することができる。そして、その平行と直角の間の状態でも、それぞれの領域を色(輝度)の違いとして識別することができる。
【0053】
図13に、シート2の不良の際に(異常時に)、検査装置1cが取得する画像データを示す。なお、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している状態の場合を例に説明する。不良21aは、接触フィルム34の欠落による不良である。不良21aでは、接触フィルム34が配置されるべき所定の領域の色が、色(輝度)C44ではなく、色(輝度)C43になる。このことにより、検出部9は不良21aを検出することができる。
【0054】
不良21bは、開封用テープ状フィルム33の欠落による不良である。不良21bは、開封用テープ状フィルム33が配置されるべき所定の領域の色が、色(輝度)C45又はC46ではなく、色(輝度)C43又はC44になる。このことにより、検出部9は不良21bを検出することができる。
【0055】
不良21cは、開封用テープ状フィルム33と接触フィルム34の欠落による不良である。不良21cでは、開封用テープ状フィルム33と接触フィルム34が配置されるべき所定の領域の色が、色(輝度)C43になる。このことにより、検出部9は不良21cを検出することができる。
【0056】
不良23aは、開封用テープ状フィルム33の包装フィルム31b等に対する位置関係のずれによる不良である。開封用テープ状フィルム33のずれにより、ずれた開封用テープ状フィルム33の配向方向D42は、ずれていない開封用テープ状フィルム33の配向方向D4と平行でなくなっている。これにより、不良23aでは、開封用テープ状フィルム33が配置されるべき所定の領域に、色(輝度)C45、C46と異なる色(輝度)CC47、C48が生じることになる。このことにより、検出部9は不良23aを検出することができる。また、色(輝度)C47、C48の領域から、開封用テープ状フィルム33の位置を算出してもよい。算出した位置と配置すべき位置との差L1が、所定値より大きい場合に、不良23aが発生していると判定する。
【0057】
不良23bは、表側の包装フィルム31a(接触フィルム34)の裏側の包装フィルム31bに対する位置関係のずれによる不良である。表側の包装フィルム31a(接触フィルム34)のずれにより、ずれた表側の包装フィルム31a(接触フィルム34)の配向方向D11(D23)は、ずれていない表側の包装フィルム31a(接触フィルム34)の配向方向D1(D2)と平行でなくなっている。これにより、不良23bでは、表側の包装フィルム31a(接触フィルム34)が配置されるべき所定の領域に、色(輝度)C43(C44)と異なる色(輝度)C49(C50)が生じることになる。また、開封用テープ状フィルム33の領域も、色(輝度)C45、C46から、色(輝度)C51、C52に変化する。これらのことにより、検出部9は不良23bを検出することができる。なお、不良21a等は一例であり、検出できる不良は記載した不良(21a等)に限られない。
【0058】
図3と
図11に示すように、検査装置1c(1)による第3検査工程が行われた後には、切断機43によって、切断工程が行われる。切断工程では、包装フィルム31aと31bが重ねあわされたまま、所定の形状に切断され、テープ状フィルム35aと35bから分離される。接着機42cは、接着工程として、重ねたまま包装フィルム31aと31bのそれぞれの接着箇所36aを、熱溶着等により袋状に接着する。これにより、シート2が完成する。なお、切断工程と接着工程の順序は逆でもよく、さらに、包装フィルム31aと31bのどちらかに予め接着剤を付けておき、接着工程は重ね工程と同時に実施して重ねると同時に接着してもよい。
【0059】
検出部(画像処理装置)9は、検査装置1a〜1c(1)による第1〜3検査工程によって不良21等を検出すると、不良排斥信号を、排出部10とマーキング部12に送信する。排出部10では、不良排斥信号に基づいて、不良が検出されたシート2を、不良品として、シートの製造装置100から排出する。マーキング部12では、不良排斥信号に基づいて、不良が検出されたシート2にマーキングを行う。排出部10とマーキング部12とは、両方備える必要は無く、どちらか一方を備えればよい。また、警報部11は、検出部9が不良21等を検出すると、アラームを鳴らし、オペレータに不良21等の発生を通報する。
【0060】
(第2の実施形態)
図14に、専用の包装用のシート2a上に置かれたおにぎり26の斜視図を示す。この袋状のシート2aの状態は、おにぎり26が店頭に並べられているときのおにぎり26を包んで密封した状態とは異なり、包む前の状態になっている。シート2aは、おにぎり26全体を包む包装フィルム31と、おにぎり26の本体とのり27とを分ける分離フィルム32a、32bと、開封用テープ状フィルム33とを有している。分離フィルム32a、32bによれば、のり27は、おにぎり26の水分を吸収して柔らかくならない。消費者は、食べる直前にのり27をおにぎり26に巻くことで、のり27のぱりぱりとした食感を楽しむことができる。また、開封用テープ状フィルム33によれば、包装フィルム31の所定の場所を破って開封することができ、手を汚すことなく容易におにぎり26の本体にのり27を巻くことができる。分離フィルム32aと包装フィルム31とは、互いに周辺部の接着箇所36で張り合わせてポケット(袋)状に形成されている。分離フィルム32bと包装フィルム31とは、互いに周辺部の接着箇所36で張り合わせてポケット(袋)状に形成されている。開封用テープ状フィルム33は、その略全域に設けられた接着箇所36cによって、包装フィルム31に接着している。
【0061】
図15(a)に、おにぎり専用の包装用のシート2aの平面図を示し、
図15(b)に、
図15(a)のB−B方向の矢視断面図を示す。
図15(b)では、包装フィルム31等のフィルムの厚さを幅に比べて強調して記載し互いの重なりの位置関係が明確になるように記載している。このため、シート2aが厚さ方向に膨らんで見えるが、実際には、フィルム間、例えば、包装フィルム31と分離フィルム32aの間に隙間はほとんど存在しない。分離フィルム32a、32bと、開封用テープ状フィルム33とは、互いに重なり合っているが、接着はしていない。
【0062】
図15(c)に、分離フィルム32aの平面図を示すが、
図15の(a)と(b)と(c)を比べると、分離フィルム32aは、包装フィルム31に重なっている。包装フィルム31は、分離フィルム32aより大きくなっており、分離フィルム32aと重なっていない箇所が設けられている。大きさの異なる2枚のフィルムが重ねられていることになる。
【0063】
図15(d)に、分離フィルム32bの平面図を示すが、
図15の(a)と(b)と(d)を比べると、分離フィルム32bは、包装フィルム31に重なっている。包装フィルム31は、分離フィルム32bより大きくなっており、分離フィルム32bと重なっていない箇所が設けられている。大きさの異なる2枚のフィルムが重ねられていることになる。
【0064】
図15(e)に、開封用テープ状フィルム33の平面図を示すが、
図15の(a)と(b)と(e)を比べると、開封用テープ状フィルム33は、包装フィルム31と分離フィルム32aと32bに重なっている。包装フィルム31と分離フィルム32aと32bは、開封用テープ状フィルム33より大きくなっており、開封用テープ状フィルム33と重なっていない箇所が設けられている。
【0065】
図16に、本発明の第2の実施形態に係る検査装置1(1a、1b)を備えたシート2aの製造装置100の構成図を示す。
【0066】
テープ状フィルム35には、複数の包装フィルム31が、1列に配列されている。すなわち、テープ状フィルム35には、複数の包装フィルム31のそれぞれの領域が分かるように、識別可能な模様が印刷されている。テープ状フィルム35は、第1ロール35cから連続して引き出される。
【0067】
重ね機41aは、重ね工程として、移動してきた包装フィルム31に対して、その所定の位置に開封用テープ状フィルム33を重ねる(位置決めする)。接着機42aは、接着工程として、重ねたまま開封用テープ状フィルム33を包装フィルム31に、熱溶着等により接着する。なお、開封用テープ状フィルム33に予め接着剤を付けておき、開封用テープ状フィルム33に重ねると同時に接着してもよい。この後、開封用テープ状フィルム33が重ねられた包装フィルム31は、第1検査工程が行われる検査装置1a(1)へ移動する。検査装置1aは、第1の実施形態の検査装置1aと同様の構成になっている。
【0068】
図17A(a)に示すように、検査装置1aによる第1検査工程では、偏光子5と検光子6の間に、開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35が配置され、照明光4aが偏光子5側から照射されることになる。まず、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している場合について説明する。
図17A(b)に、この場合において、検査装置1aがシート2a(開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35)の正常時に取得する画像データを示す。開封用テープ状フィルム33が重なっていないテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域は、色(輝度)C62になっている。開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域は、色(輝度)C63になり、色(輝度)C62とは異なっている。なお、テープ状フィルム35(包装フィルム31)の外側の領域は、真っ暗(輝度ゼロ、色はなくなる(いわゆる黒色)C61)になる。
【0069】
なお、テープ状フィルム35(包装フィルム31)も、延伸によって形成されているので、その配向方向D3は、テープ状フィルム35の長手方向に対して一定の方向を向いている。開封用テープ状フィルム33も延伸によって形成されているので、その配向方向D4は、どの開封用テープ状フィルム33も、その長手方向に対して一定の方向を向いている。
【0070】
図17B(a)に、開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35と偏光子5と検光子6との位置関係は、
図17A(a)と同じだが、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが平行である場合を示す。
図17B(b)に、この場合において、検査装置1aがシート2a(開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35)の正常時に取得する画像データを示す。開封用テープ状フィルム33が重なっていないテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域は、色(輝度)C72になり、色(輝度)C62、C63とは異なっている。開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域は、色(輝度)C73になり、色(輝度)C62、C63、C72とは異なっている。なお、テープ状フィルム35(包装フィルム31)の外側の領域は、その色(輝度)C71が、元の照明光4aの色に近くなり、輝度は、(輝度)C72、C73より大きくなる。このように、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが平行でも直角でも、開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域と、重ねられていない領域を、色(輝度)の違いとして識別することができる。そして、その平行と直角の間の状態でも、それぞれの領域を色(輝度)の違いとして識別することができる。そして、このように、重ねられたフィルムが色(輝度)の違いとして識別することができれば、第1の実施形態と同様に、検出部9は不良21等(
図7等参照)を検出することができる。
【0071】
また、
図16に示すように、それぞれの包装フィルム31は、重ね機41bへ移動していく(移動工程)。重ね機41bは、重ね工程として、既に開封用テープ状フィルム33の重ねられた包装フィルム31に、分離フィルム32aと32bを重ねる(位置決めする)。分離フィルム32aは、隣接する包装フィルム31用の分離フィルム32bと一体化していてもよい。分離フィルム32c、32dは、後に切断されることで、分離フィルム32aと32bになる。接着機42bは、接着工程として、重ねたまま包装フィルム31と、分離フィルム32c、32dのそれぞれの接着箇所36を、熱溶着等によりポケット(袋)状に接着する。包装フィルム31と分離フィルム32c、32dは、第2検査工程が行われる検査装置1b(1)へ移動する。検査装置1bは、検査装置1aと同様の構成になっている。
【0072】
図18A(a)に示すように、検査装置1bによる第2検査工程では、偏光子5と検光子6の間に、シート2a、すなわち、互いに重なった分離フィルム32aと32bと開封用テープ状フィルム33とテープ状フィルム35が、配置され、照明光4aが偏光子5側から照射されることになる。まず、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している場合について説明する。
図18A(b)に、この場合において、検査装置1bがシート2aの正常時に取得する画像データを示す。分離フィルム32a、32bのみの領域は、色(輝度)C86、C87になっている。分離フィルム32aと32bのみが重なっている領域は、色(輝度)C88になっている。包装フィルム31と、分離フィルム32a、32bどちらか一方のみが重なっている領域は、色(輝度)C82、C83になっている。包装フィルム31と分離フィルム32aと32bの3枚のみが重なっている領域は、色(輝度)C84になっている。包装フィルム31と分離フィルム32aと32bと開封用テープ状フィルム33の4枚が重なっている領域は、色(輝度)C85になっている。色(輝度)C82〜C88は互いに異なっている。なお、テープ状フィルム35(包装フィルム31)の外側の領域は、真っ暗(輝度ゼロ、色はなくなる(いわゆる黒色)C81)になる。なお、分離フィルム32a、32bも、延伸によって形成されているので、その配向方向D5は、一定の方向を向いている。
【0073】
図18B(a)に、シート2aと偏光子5と検光子6との位置関係は、
図18A(a)と同じだが、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが平行である場合を示す。
図18B(b)に、この場合において、検査装置1bがシート2aの正常時に取得する画像データを示す。分離フィルム32a、32bのみの領域は、色(輝度)C96、C97になっている。分離フィルム32aと32bのみが重なっている領域は、色(輝度)C98になっている。包装フィルム31と、分離フィルム32a、32bどちらか一方のみが重なっている領域は、色(輝度)C92、C93になっている。包装フィルム31と分離フィルム32aと32bの3枚のみが重なっている領域は、色(輝度)C94になっている。包装フィルム31と分離フィルム32aと32bと開封用テープ状フィルム33の4枚が重なっている領域は、色(輝度)C95になっている。色(輝度)C92〜C98は互いに異なっている。また、色(輝度)C92〜C98は、色(輝度)C82〜C88とも異なっている。なお、テープ状フィルム35(包装フィルム31)の外側の領域は、その色(輝度)C91が、元の照明光4aの色に近くなり、輝度は、輝度C92〜C98より大きくなる。このように、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが平行でも直角でも、開封用テープ状フィルム33が重ねられたテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域と、重ねられていない領域を、色(輝度)の違いとして識別することができる。そして、その平行と直角の間の状態でも、それぞれの領域を色(輝度)の違いとして識別することができる。そして、このように、重ねられたフィルムが色(輝度)の違いとして識別することができれば、第1の実施形態と同様に、検出部9は不良21等(
図7等参照)を検出することができる。
【0074】
図16に示すように、検査装置1b(1)による第2検査工程が行われた後には、切断機43によって、切断工程が行われる。切断工程では、包装フィルム31と分離フィルム32a、32bが重ねあわされたまま、所定の形状に切断され、テープ状フィルム35から分離される。これにより、シート2aが完成する。
【0075】
検出部(画像処理装置)9は、検査装置1a、1b(1)による第1、2検査工程によって不良21等を検出すると、不良排斥信号を、排出部10とマーキング部12に送信する。排出部10では、不良排斥信号に基づいて、不良が検出されたシート2aを、不良品として、シートの製造装置100から排出する。マーキング部12では、不良排斥信号に基づいて、不良が検出されたシート2aにマーキングを行う。排出部10とマーキング部12とは、両方備える必要は無く、どちらか一方を備えればよい。また、警報部11は、検出部9が不良21等を検出すると、アラームを鳴らし、オペレータに不良21等の発生を通報する。
【0076】
(第3の実施形態)
図19(a)に、専用の包装用の袋(袋状のシート2b)に入れられた調理パン29の斜視図を示し、
図19(b)に、
図19(a)のC−C方向の矢視断面図を示す。この袋状のシート2bの状態は、調理パン29が店頭に並べられているときの状態と同じになっている。シート2bは、調理パン29の本体を覆う包装フィルム31と、パン29aに挟まれた惣菜29bに接する接触フィルム34とを有している。包装フィルム31は、接着箇所36dによって筒形状になり、さらに両端の接着箇所36eによって袋状に密封されている。透明な接触フィルム34が、惣菜29bに接触するように配置されている、接触フィルム34は、包装フィルム31に重ねて接着されている。この接着箇所36bは、接着箇所36eの一方側の接触フィルム34の一部に設けられている。
【0077】
図20に、本発明の第3の実施形態に係る検査装置1を備えた包装(梱包)装置101の構成図を示す。テープ状フィルム35には、複数の包装フィルム31が、1列に配列されている。すなわち、テープ状フィルム35には、複数の包装フィルム31のそれぞれの領域が分かるように、識別可能な模様が印刷されている。テープ状フィルム35は、第1ロール35cから連続して引き出される。
【0078】
重ね機41aは、重ね工程として、移動してきた包装フィルム31に対して、その所定の位置に接触フィルム34を重ねる(位置決めする)。接着機42aは、接着工程として、重ねたまま接触フィルム34を包装フィルム31に、熱溶着等により接着する。なお、接触フィルム34に予め接着剤を付けておき、包装フィルム31に重ねると同時に接着してもよい。この後、接触フィルム34が重ねられた包装フィルム31は、検査工程が行われる検査装置1へ移動する。検査装置1は、第1の実施形態の検査装置1aと同様の構成になっている。
【0079】
図21A(a)に示すように、検査装置1による検査工程では、偏光子5と検光子6の間に、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35が配置され、照明光4aが偏光子5側から照射されることになる。まず、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している場合について説明する。
図21A(b)に、この場合において、その検査装置1がシート2bの正常時に取得する画像データを示す。接触フィルム34が重なっていないテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域は、色(輝度)C101になっている。接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域は、色(輝度)C102になり、色(輝度)C101とは異なっている。なお、テープ状フィルム35(包装フィルム31)の外側の領域は、真っ暗(輝度ゼロ、色はなくなる(いわゆる黒色)C100)になる。
【0080】
なお、テープ状フィルム35(包装フィルム31)も、延伸によって形成されているので、その配向方向D1は、テープ状フィルム35の長手方向に対して一定の方向を向いている。接触フィルム34も延伸によって形成されているので、その配向方向D2は、どの接触フィルム34も、その長手方向に対して一定の方向を向いている。
【0081】
図21B(a)に、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35と偏光子5と検光子6との位置関係は、
図21A(a)と同じだが、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが平行である場合を示す。
図21B(b)に、この場合において、検査装置1がシート2bの正常時に取得する画像データを示す。接触フィルム34が重なっていないテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域は、色(輝度)C111になり、色(輝度)C101、C102とは異なっている。接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域は、色(輝度)C112になり、色(輝度)C101、C102、C111とは異なっている。なお、テープ状フィルム35(包装フィルム31)の外側の領域は、その色(輝度)C110が、元の照明光4aの色に近くなり、輝度は、輝度C111、C112より大きくなる。このように、偏光子5の偏光方向5aと検光子6の偏光方向6aが平行でも直角でも、接触フィルム34が重ねられたテープ状フィルム35(包装フィルム31)の領域と、重ねられていない領域を、色(輝度)の違いとして識別することができる。そして、その平行と直角の間の状態でも、それぞれの領域を色(輝度)の違いとして識別することができる。そして、このように、重ねられたフィルムが色(輝度)の違いとして識別することができれば、第1の実施形態と同様に、検出部9は不良21等(
図7等参照)を検出することができる。
【0082】
次に、
図20に示すように、包装フィルム31は、筒形成機44へ移動していく(移動工程)。筒形成機44は、筒形成工程として、既に接触フィルム34の重ねられた包装フィルム31を筒状に丸める。接着機42bは、接着工程として、筒状に丸めた包装フィルム31を、そのまま筒状に熱溶着等により接着する。パン入れ機45は、パン入れ工程として、被包装物である惣菜29b付きパン29aを筒状の包装フィルム31の中に入れる。切断機43は、切断工程として、筒状の包装フィルム31の両端を切断する。接着機42cは、接着工程として、筒状の包装フィルム31の両端を封じる。なお、この接着工程と切断工程とは、どちらを先に行ってもよく、また、同時に行ってもよい。
【0083】
検出部(画像処理装置)9は、検査装置1による検査工程によって不良21等を検出すると、不良排斥信号を、パン入れ機45と排出部10とマーキング部12に送信する。パン入れ機45では、不良排斥信号に基づいて、不良が検出されたシート2bに、惣菜29b付きパン29aを入れない。排出部10では、不良排斥信号に基づいて、不良が検出されたシート2bを、不良品として、梱包装置101から排出する。マーキング部12では、不良排斥信号に基づいて、不良が検出されたシート2bにマーキングを行う。排出部10とマーキング部12とは、必ずしも必要では無い。また、警報部11は、検出部9が不良21等を検出すると、アラームを鳴らし、オペレータに不良21等の発生を通報する。
【0085】
図22に、偏光子5の偏光方向5aと、検光子6の偏光方向6aが直交(90度)している状態において、検査装置1がシート2の正常時と異常時に取得する画像データを示す。画像として映し出されているのは、1回使いきりの薬や化粧品等の液体が納められたパッケージ37である。このパッケージ37は、例えば、樹脂等で作られている。画像データには、4本のパッケージ37が写し出されている。左側2本のパッケージ37は正常であるが、右側2本のパッケージ37は、ばり38が発生し、異常(不良品)である。
そして、画像データでは、パッケージ37の領域は、色(輝度)C121になっている。パッケージ37の外側の領域は、真っ暗(輝度ゼロ、色はなくなる(いわゆる黒色)C120)になっている。ばり38の領域は、色(輝度)C122になり、色(輝度)C120とは異なり、ばり38の発生の有無が容易に確認できるようになっている。