(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
地面に立設される複数の支柱と、それら複数の支柱に架設される複数のワイヤと、それら複数のワイヤに展張される防球ネットとを備え、所定領域の周囲に設置されるフェンスにおいて、
前記防球ネットが、請求項1から6のいずれかに記載の仕切ネットを備えていることを特徴とするフェンス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、地面から所定の高さ位置までの範囲に設置されるフェンスとしては、部外者の敷地内への侵入を抑止するため、剛性の高い金属製の線材で形成された仕切ネットを展張したフェンスが多く利用されている。
【0005】
しかしながら、金属製の線材で形成された仕切ネット(以下「金属製の仕切ネット」と称す)は、合成繊維のフィラメントからなる網糸で形成された仕切ネット(以下「合成繊維製の仕切ネット」と称す)と比べて、単位面積あたりの重量が重くなるという問題点があった。即ち、金属製の仕切ネットを展張したフェンスは、合成繊維製の仕切ネットを展張したフェンスと比べて、仕切ネットを展張させるワイヤ等を架設するための支柱の設置間隔を短く設定する必要があるので、フェンスの設置コストが嵩んでいた。
【0006】
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、剛性の確保と軽量化との両立を図ることができると共に、耐久性の向上を図りつつ藻の付着を低減させることができる仕切ネット及びフェン
スを提供することを目的としている。
【0008】
請求項1記載の仕切ネットによれば、網地部
を構成する網糸が合成繊維製の
第1融点繊維素材および
第2融点繊維素材から構成される第1糸を少なくとも含んでいるので、従来の金属製の仕切ネットと比べて、網地部の単位面積あたりの重量を軽くすることができる。
【0009】
また、第1糸が所定の融点を有する
第1融点繊維素材から構成される芯部とその芯部の外周面を被覆すると共に
第1融点繊維素材よりも低い融点を有する
第2融点繊維素材から構成される鞘部とを備え、網地部が第1糸の鞘部を溶融して融着させること
で亀甲状の網目を有する網状に成形されているので、従来の合成繊維製の仕切ネットと比べて、網地部の剛性を確保することができる。
【0010】
このように、請求項1記載の仕切ネットは、網地部が合成繊維製の第1糸
を少なくとも含む網糸により形成されると共に、網地部が第1糸の鞘部を溶融して融着させることで形成されているので、剛性の確保と軽量化との両立を図ることができるという効果がある。
【0011】
これにより、仕切ネットをフェンスに使用する場合には、網地部を切断されにくくすることでフェンスによる部外者の所定領域内への侵入抑止力を高めることができると共に、仕切ネットを展張させるワイヤ等を架設するための支柱の設置間隔を広く設定することができるので、フェンスの設置コストを低減させることができる。
【0012】
また、網地部
の網糸が合成繊維製の第1糸を含んでいるので、仕切ネットをフェンスとして使用する場合には、金属製の仕切ネットを使用したフェンスと比べて、網地部にボール等が衝突した際に発生する衝突音を低減させることができると共に、熱容量を低減させることで網地部に触れた際に火傷することを回避しやすくすることができるという効果がある。
【0016】
また、網地部
の網糸が合成繊維製の第1糸を含んでいるので、金属製の仕切ネットと比べて、網地部に衝突した
人等が負傷することを回避しやすくすることができるという効果がある。
【0017】
請求項2記載の仕切ネットによれば、請求項1記載の仕切ネットの奏する効果に加え、網地部
の網糸が第1糸と第2糸とを合糸することで形成された複数の混合糸により形成され、混合糸の全体に対する第1糸の含有率が15%以上に設定されているので、網地部の剛性を高めつつ、混合糸の伸縮性を確保することができるという効果がある。
請求項3記載の仕切ネットによれば、請求項2記載の仕切ネットの奏する効果に加え、混合糸全体に対する第1糸の含有率が60%以下に設定されているので、混合糸の伸縮性を高めることができるという効果がある。その結果、人やボール等の衝突や海水の流れ等により網地部に引張力が作用した際に、その引張力を混合糸の伸縮によって緩衝させることができるので、網地部の破損を抑制できる。
【0018】
請求項4記載の仕切ネットによれば、請求項1から3のいずれかに記載の仕切ネットの奏する効果に加え、
第1融点繊維素材および
第2融点繊維素材がポリエステル製またはポリプロピレン製なので、例えば、合成繊維製の網糸を樹脂でコーティングした仕切ネット等の製造過程において樹脂を硬化させる際に必要となる硬化剤の使用を回避することができる。よって、硬化剤の使用により環境へ悪影響を及ぼすことを防止できるという効果がある。
【0019】
請求項5記載の仕切ネットによれば、請求項1から4のいずれかに記載の仕切ネットの奏する効果に加え、直線状の直線部が網地部の少なくとも一の側端に取着されているので、ワイヤ等に仕切ネットを拘束させる際に、直線部をワイヤ等に沿わせつつ取着させることができる。よって、網地部をワイヤ等に取着させる場合と比べて、ワイヤ等に対する仕切ネットの取着作業を効率化させることができるという効果がある。
【0020】
請求項6記載の仕切ネットによれば、請求項5記載の仕切ネットの奏する効果に加え、直線部が、所定の幅寸法を有する帯状に形成されると共に、網地部よりも剛性が低く設定されているので、直線部をワイヤ等に巻き付けやすくすることができる。よって、直線部をワイヤ等に取着する際に直線部をワイヤ等に巻き付けつつ直線部をワイヤ等に対して紐等により緊縛することで、仕切ネットをワイヤ等に対して強固に拘束させることができるという効果がある。
【0021】
請求項7記載のフェンスによれば、防球ネットが、請求項1から6のいずれかに記載の仕切ネットを備えているので、防球ネットとして金属製のネットを使用する場合と比べて、防球ネットの単位面積あたりの重量を軽くすることができる。よって、防球ネットを展張させるワイヤ等を架設するための支柱の設置間隔を広く設定することができるので、フェンスの設置コストを低減させることができるという効果がある。
【0022】
また、防球ネットが、請求項1から6のいずれかに記載の仕切ネットを備えているので、防球ネットとして金属製のネットを使用する場合と比べて、防球ネットにボール等が衝突した際に発生する衝突音を低減させることができると共に、熱容量を低減させることで防球ネットに触れた際に火傷することを回避しやすくすることができるという効果がある。さらに、防球ネットが、請求項1から5のいずれかに記載の仕切ネットを備えているので、防球ネットとして金属製のネットを使用する場合と比べて、仕切ネットに衝突した人が負傷することを回避しやすくすることができるという効果がある。
【0023】
請求項8記載のフェンスによれば、請求項7記載のフェンスの奏する効果に加え、軽量ネットの鉛直方向下側における側端部分と仕切ネットの鉛直方向上側における側端部分とが第1水平ワイヤに拘束されると共に、軽量ネットの幅方向両側における側端部分と仕切ネットの幅方向両側における側端部分とが鉛直ワイヤに拘束されているので、軽量ネットと仕切ネットとを共通のワイヤに展張させることができる。よって、フェンスの設置コストを低減させることができるという効果がある。
【0024】
また、所定の高さ位置に架設される第1水平ワイヤに対し、軽量ネットの鉛直方向下部と仕切ネットの鉛直方向上部とが拘束されることにより、所定の高さ位置から上方においては仕切ネットよりも単位面積あたりの重量が軽い軽量ネットを設置することで、ワイヤ及びそのワイヤを架設する支柱にかかる負担を軽減させつつ、所定の高さ位置から下方においては剛性の高い仕切りネットを設置することで、部外者の所定領域内への侵入抑止力を高めることができるという効果がある。
【0025】
請求項9記載のフェンスによれば、請求項8記載のフェンスの奏する効果に加え、少なくとも網地部の鉛直方向上側における側端部分に取着される直線部が第1水平ワイヤに拘束されているので、ワイヤ等に仕切ネットを拘束させる際に、直線部をワイヤ等に沿わせつつ取着させることができる。よって、網地部を第1水平ワイヤに取着させる場合と比べて、第1水平ワイヤに対する仕切ネットの取着作業を効率化させることができるという効果がある。
【0026】
また、直線部が、網地部よりも剛性が低く設定されている場合には、直線部を第1水平ワイヤに巻き付けやすくすることができる。よって、直線部を第1水平ワイヤに取着する際に直線部を第1水平ワイヤに巻き付けつつ直線部を第1水平ワイヤに対して紐等により緊縛することで、仕切ネットを第1水平ワイヤに対して強固に拘束させることができるという効果がある。
【0027】
請求項10記載のフェンスによれば、請求項8又は9に記載のフェンスの奏する効果に加え、仕切ネットが第1水平ワイヤよりも下方で水平方向に沿って架設される第2水平ワイヤに拘束されているので、仕切ネットの鉛直方向下側部分がめくれ上がることを抑制できる。よって、仕切ネットの下側部分に衝突したボール等が仕切ネットをめくり上げることで所定領域の外部へ飛び出ることを抑制できるという効果がある。
【0028】
さらに、第2水平ワイヤが第1水平ワイヤよりも下方、即ち、地面に近接する側に架設されているので、部外者が第2水平ワイヤをくぐり抜けて所定領域内へ侵入することに対する抑止力を高めることができるという効果がある。
【0029】
請求項11記載のフェンスによれば、請求項7から10のいずれかに記載のフェンスの奏する効果に加え、仕切ネットの鉛直方向下側部分が地面に接地しているので、ボール等が敷地の内部から場外へ飛び出すことを防止できるという効果がある。
また、仕切ネットを撓ませつつ地面に接地させることができる
ので、剛性の高い金属製の仕切ネットの鉛直方向下側部分を地面に接地させる場合と比べて、地面に接地させるための寸法管理を容易に行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、フェンス100の概略構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態におけるフェンス100の正面図である。なお、
図1では、図面を簡素化して理解を容易とするため、フェンス100の主要な部分を模式的に図示すると共に、フェンス100の一部を省略して図示している。
【0033】
図1に示すように、フェンス100は、学校の校庭や球技場等の敷地の周囲に設けられている。このフェンス100を設置することにより、敷地の内部で使用されたボール等が場外へ飛び出すことを防止できると共に、部外者の敷地内への侵入を抑止することができる。
【0034】
フェンス100は、複数の支柱20と、それら支柱20に架設される複数のワイヤ30と、それら複数のワイヤ30に展張される防球ネット40とを備えている。なお、
図1では、図面を簡素化して理解を容易とするため、防球ネット40の網糸および網目を拡大して図示している。
【0035】
複数の支柱20は、一部が地中に埋設されることで地面に立設されており、敷地の周囲に等間隔(例えば、8mおき)に設置されている。
【0036】
複数のワイヤ30は、防球ネット40を展張させるための部材であり、鉛直方向に沿って架設される鉛直ワイヤ31と、所定の高さ位置において水平方向に沿って架設される兼用ワイヤ32と、その兼用ワイヤ32よりも上方で水平方向に沿って架設される上ワイヤ33と、兼用ワイヤ32よりも下方であって地面から所定寸法離れた高さ位置において水平方向に沿って架設される下ワイヤ34とを備えている。
【0037】
なお、本実施の形態では、兼用ワイヤ32の地面からの高さ位置が2m、上ワイヤ33の地面からの高さ位置が12m、下ワイヤの地面からの高さ位置が10cmにそれぞれ設定されているが、これら複数のワイヤ30の架設位置は、使用状況において適宜変更してもよい。
【0038】
防球ネット40は、所定の高さ位置から上方において展張される上方ネット50と、所定の高さ位置から下方において展張される下方ネット60とを備えている。
【0039】
上方ネット50は、敷地内で使用しているボール等が場外へ飛び出すことを主な目的とするネットであり、上方ネット50の幅方向(
図1左右方向)両側における側端部分が鉛直ワイヤ31に拘束され、上方ネット50の上側(
図1上側)における側端部分が上ワイヤ33に拘束され、上方ネット50の下側(
図1下側)における側端部分が所定の高さ位置で兼用ワイヤ32に拘束されている。
【0040】
下方ネット60は、敷地内で使用しているボール等が場外へ飛び出すこと及び部外者の敷地内への侵入を抑止することを主な目的とするネットであり、下方ネット60の幅方向(
図1左右方向)両側における側端部分が鉛直ワイヤ31に拘束され、下方ネット60の上側(
図1上側)における側端部分が所定の高さ位置で兼用ワイヤ32に拘束され、地面から所定寸法離れた高さ位置で下方ネット60が下ワイヤ34に拘束されている。
【0041】
次に、
図2から
図4を参照して、上方ネット50及び下方ネット60の構成とフェンス100の設置構造とについて説明する。
図2(a)は、
図1のII部分におけるフェンス100の部分拡大図である。
図3(a)は、
図1のIIIa部分におけるフェンス100の部分拡大図であり、
図3(b)は、
図3(a)のIIIb方向から視たフェンス100の側面図である。
図4(a)は、
図1のIVa部分におけるフェンス100の部分拡大図であり、
図4(b)は、
図4(a)のIVb方向から視たフェンス100の上面図である。
【0042】
なお、図面を簡素化して理解を容易とするため、
図3(b)では、主要な部分のみを図示すると共に下方ネット60及び下ワイヤ34を模式的に図示し、
図4(b)では、主要な部分のみを図示すると共に下方ネット60、支柱20及び鉛直ワイヤ31を模式的に図示している。
【0043】
図2に示すように、上方ネット50は、ポリエステル製のフィラメントを合糸して形成される網糸を編網した従来のネットであり、下方ネット60よりも単位面積あたりの重量が軽く設定されている。よって、金属製の線材を使用した従来のネット(以下「金属製のネットを称す)」と比べて、軽量化を図ることができるので、上方ネット50を展張させる複数のワイヤ30を架設するための複数の支柱20の設置間隔を広く設定することができ、その結果、フェンス100の設置コストを低減させることができる。
【0044】
なお、「単位面積あたりの重量」とは、防球ネット40の通常の使用状態(防球ネット40の網目を広げた状態)における防球ネット40の単位面積(例えば、1m四方)あたりの重量を意味している。
【0045】
下方ネット60は、網状に形成された網地部61と、その網地部61の上側および下側における側端部分に取着された直線部62とを備えている。
【0046】
網地部61は、下方ネット60の網地を形成する部位であり、所定の融点を有するポリエステル製の通常融点繊維素材
(第1融点繊維素材)から構成される芯部およびその芯部の外周面を被覆すると共に通常融点繊維素材よりも低い融点を有するポリエステル製の低融点繊維素材
(第2融点繊維素材)から構成される鞘部を備えた第1糸と、通常融点繊維素材から構成される第2糸と、を合糸した複数の混合糸63を網糸として使用し、第1糸の鞘部を溶融して複数の混合糸63を互いに融着させることで網状に成形されている。
【0047】
これにより、網地部61の網糸に使用される混合糸63の剛性を高めることができるので、ポリエステル等の合成繊維製のフィラメントからなる網糸を使用した従来のネット(以下「合成繊維製のネット」と称す)と比べて、網地部61を切断されにくくすることができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、通常融点繊維素材の融点が230℃以上、かつ、260℃以下の範囲内、低融点繊維素材の融点が150℃以上、かつ、180℃以下の範囲内にそれぞれ設定されているが、使用状況に応じて適宜、通常融点繊維素材および低融点繊維素材の融点を変更してもよい。また、第1糸の繊度と第2糸の繊度とが同等に設定され、第1糸における芯部と鞘部との割合比は1:1に設定されている。
【0049】
ここで、網地部61に使用される混合糸63は、第1糸の混合糸63全体に対する含有率が15%以上、かつ、60%以下に設定されることが好ましい。
【0050】
第1糸の混合糸63全体に対する含有率を15%以上に設定することで、第1糸の鞘部を溶融した後の混合糸63の剛性を確保できる。これにより、網地部61の混合糸63を切断されにくくすることができる。
【0051】
また、第1糸の混合糸63全体に対する含有率を60%以下に設定することで、第1糸の鞘部を溶融した後の混合糸63の伸縮性を確保できる。これにより、混合糸63を網糸として使用した網地部61に対し、人やボール等の衝突等により引張力が作用した際に、その引張力を混合糸63の伸縮によって緩衝させることができるので、網地部61の破損を抑制できる。
【0052】
また、網地部61は、混合糸63がポリエステル製の第1糸および第2糸により形成されているので、金属製のネットと比べて、下方ネット60の軽量化を図ることができる。その結果、下方ネット60を展張させる複数のワイヤ30を架設するための複数の支柱20の設置間隔を広く設定することができるので、フェンス100の設置コストを低減させることができる。
【0053】
従って、下方ネット60は、混合糸63がポリエステル製の第1糸および第2糸により形成されると共に、網地部61が第1糸の鞘部を溶融して混合糸63を互いに融着させることで形成されているので、剛性の確保と軽量化との両立を図ることができる。
【0054】
また、混合糸63がポリエステル製の第1糸および第2糸により形成されているので、金属製のネットと比べて、網地部61にボール等が衝突した際の衝突音を低減させることができると共に、網地部61に衝突した人が負傷したり、網地部61に衝突したボール等に傷がついたりすることを回避しやすくすることができる。また、混合糸63の熱容量を金属よりも低減させることができるので、下方ネット60に触れることによる火傷を回避しやすくすることができる。
【0055】
直線部62は、直線状に並設された複数の混合糸63から構成されることで所定の幅寸法を有する帯状に形成されており、網地部61の上側および下側における側端部分に位置する混合糸63に融着されている。なお、本実施の形態では、直線部62が3本の混合糸63から構成されているが、使用状況に応じて直線部62を2本以下または4本以上の混合糸63から構成してもよい。
【0056】
また、直線部62に使用される複数の混合糸63のうち、網地部61の上側および下側における側端部分に位置する一の混合糸63を除く他の混合糸63は、融着された網地部61の混合糸63よりも剛性が低く設定されている。これにより、直線部62を網地部61よりも撓ませやすくすることができる。
【0057】
ここで、下方ネット60の製造方法について説明する。まず、混合糸製造工程として、第1糸と第2糸とを合糸して複数の混合糸63を製造する。
【0058】
混合糸製造工程に続き、混合糸配置工程として、製造すべき網地部61及び直線部62の形状に合わせて複数の混合糸63を配置する。
【0059】
このとき、網地部61となる部分には、所定間隔を空けつつ両隣に位置する混合糸63の一部分同士を交互に当接させ、全体として亀甲状の網目が形成されるように、複数の混合糸63を蛇行状に配置する。
【0060】
なお、隣接する混合糸63の一部分同士を当接させる際、その当接面積を広くすることで、隣接する混合糸63同士の融着力を強固にすることができる。本実施の形態では、8コース分の間隔を空けつつ両隣に位置する混合糸63に対して交互に1箇所あたり5コース分ずつ当接させている。また、網目の形状は亀甲状に限られるものではなく、格子状等であってもよい。また、使用目的に応じて、網目の大きさや1箇所あたりの隣接する混合糸63同士の当接面積を適宜設定してもよい。
【0061】
直線部62となる部分には、一の混合糸63を網地部61となる部分の上側および下側の側端部分に位置する混合糸63に当接させつつ、一の混合糸63を含む複数の混合糸63を直線状に並設する。
【0062】
混合糸配置工程に続き、網地部成形工程として、混合糸配置工程における混合糸63の配置を保持した状態で、テンターを用いて低融点繊維素材の融点よりも高く、かつ、通常融点繊維素材の融点よりも低い温度(例えば、200℃)で加熱する。これにより、第1糸の鞘部が溶融されると共に、その溶融した第1糸の鞘部を介して複数の混合糸63が互いに融着され、網地部61及び直線部62が成形される。
【0063】
なお、テンターによる加熱を行う際、網地部61の上側および下側の側端部分に位置する直線部62に使用される混合糸63は、網状部61に使用される混合糸63よりも加熱されにくく、第1糸の鞘部の溶融による混合糸63の融着力が小さくなるので、直線部62は、網地部61と比べて混合糸63の剛性が低く設定される。
【0064】
ここで、本実施の形態では、網地部成形工程において網地部61と共に直線部62を成形したが、網地部成形工程において網地部61のみ又は網地部61及び直線部62の一部を成形した後、直線部形成工程として、網地部61の上側および下側の側端部分に位置する混合糸63又は直線部62の一部を構成する混合糸63に対し、第1糸の鞘部が溶融されていない混合糸63を編成や接着等の方法により直線状に取着してもよい。これにより、直線部62に使用される混合糸63の剛性をより低く設定できる。
【0065】
次に、フェンス100の設置構造について説明する。所定の高さ位置には、兼用ワイヤ32が架設され、その兼用ワイヤ32には上方ネット50の下側における側端部分と下方ネット60の上側における側端部分との双方が拘束されている。また、鉛直ワイヤ31(
図1参照)には、上方ネット50の幅方向両側における側端部分と下方ネット60の幅方向両側における側端部分とが拘束されている。
【0066】
ここで、地面から所定の高さ位置までの範囲内に設置されるフェンスには、部外者の敷地内への侵入抑止力の観点から、従来、合成繊維製のネットよりも剛性の高い金属製のネットが多く使用されていた。
【0067】
しかしながら、金属製のネットは、合成繊維製のネットよりも単位面積あたりの重量が重くなるので、金属製のネットをフェンスに使用する場合、金属製のネットを展張させるワイヤ等を架設するための支柱の設置間隔を短く設定する必要がある。そのため、金属製のネットを上方ネット50と並設する場合には、上方ネット50が展張されるワイヤ30を架設するための支柱20とは別個に、金属製のネットを展張させるワイヤ等を架設するための支柱を追加的に設置する必要があり、フェンスの設置コストが嵩む。
【0068】
これに対し、地面から所定の高さ位置までの範囲内に、ポリエステル製の第1糸および第2糸により形成される混合糸63を網糸として使用した下方ネット60を展張させることで、金属製のネットよりも軽量化を図ることができる。これにより、上方ネット50を展張させる際に使用される鉛直ワイヤ31及び兼用ワイヤ32を使用して下方ネット60を展張させることができるので、支柱20を追加的に設置することを不要とすることができ、その結果、フェンス100の設置コストを低減させることができる。
【0069】
さらに、フェンス100が球技等を行うグラウンドと観客席との間に設けられる場合には、金属製のネットをフェンスに使用する場合と比べて、支柱20の数量を少なくできるので、観客席にいる観客がグラウンドで行われる球技等を観戦する際に支柱20によって観客の視線が遮られる範囲を少なくすることができる。
【0070】
また、地面から所定の高さ位置までの範囲内に、合成繊維製のネットよりも網地部61の剛性が高い下方ネット60を展張させることで、部外者の敷地内への侵入抑止力を高めることができる。
【0071】
さらに、所定の高さ位置よりも上方においては、下方ネット60よりも単位面積あたりの重量が軽い上方ネット50が展張されているので、支柱20及びワイヤ30にかかる負担を軽減させることができる。
【0072】
また、下方ネット60の上側の側端部分には直線部62が形成されているので、下方ネット60を兼用ワイヤ32に取着させる際には、直線部62を兼用ワイヤ32に沿わせつつ取着させることができる。これにより、網地部61の網糸を兼用ワイヤ32に取着させる場合と比べて、下方ネット60の兼用ワイヤ32への取着作業を効率化させることができる。
【0073】
さらに、直線部62が、複数の混合糸63から構成されることで所定の幅寸法を有する帯状に形成されると共に、網地部61よりも混合糸63の剛性が低く設定されているので、直線部62を兼用ワイヤ32に巻き付けやすくすることができる。よって、直線部62を兼用ワイヤ32に取着させる際に直線部62を兼用ワイヤ32に巻き付けつつ直線部62を兼用ワイヤ32に対して紐64により緊縛することで、下方ネット60を兼用ワイヤ32に対して強固に拘束させることができる。
【0074】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、下方ネット60は、その下方ネット60の鉛直方向下方部分(
図3(b)下側部分)が地面に接地した状態で下ワイヤ34に対して紐64により緊縛されている。下方ネット60を地面に接地させることで、地面を転動するボール等がフェンス100に包囲される敷地の内部から場外へ飛び出すことを防止できる。
【0075】
ここで、下方ネット60は、混合糸63がポリエステル製の第1糸および第2糸により形成されているので、下方ネット60の鉛直方向下方部分を撓ませた状態で地面に接地させることができる。従って、剛性の高い金属製のネットの鉛直方向下方部分を地面に接地させる場合と比べて、寸法管理を容易に行うことができる。
【0076】
また、網地部61の鉛直方向下方における側端部分に直線部62が取着されているので、鉛直方向下方における側端部分に位置する混合糸63のほつれを抑制できる。
【0077】
さらに、下方ネット60は、地面から所定寸法離れた高さ位置に架設された下ワイヤ34に拘束されているので、下方ネット60の鉛直方向下側部分がめくれ上がることを抑制できる。よって、下方ネット60の下側部分に衝突したボール等が下方ネット60をめくり上げることで敷地の場外へ飛び出ることを抑制できる。
【0078】
さらに、下ワイヤ34が地面に近接した位置に架設されているので、部外者が下ワイヤ34をくぐり抜けて敷地内へ侵入することに対する抑止力を高めることができる。
【0079】
なお、下方ネット60の地面と接地する鉛直方向下側部分をU字釘等により地面に固定してもよい。
【0080】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、下方ネット60を鉛直ワイヤ31に固定する際は、下方ネット60の幅方向(
図4(a)左右方向)における側端部分よりも幅方向内側に位置する網地部61を鉛直ワイヤ31に巻き付けつつ折り返し、折り返すことで対向する網地部61の網目の位置を合わせた状態で網地部61同士を紐(図示せず)で緊縛する。
【0081】
これにより、下方ネット60の幅方向における側端部分を鉛直ワイヤ31に拘束する場合と比べて、一の下方ネット60の幅方向における寸法と、一の下方ネット60の幅方向における両側部分を拘束する2本の鉛直ワイヤ31の設置間隔との寸法誤差を調整しやすくすることができるので、下方ネット60の寸法管理を容易に行うことができる。また、対向する網地部61の網目の位置を合わせることで、展張された下方ネット60の美感を向上させることができる。
【0082】
なお、
図4(a)では、図面を簡素化するため、対向することで重なり合う2枚の網地部61のうちの1枚の網地部61の図示を省略している。
【0083】
次に、
図5を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、本発明における仕切ネットをフェンス100に使用する場合について説明したが、第2実施の形態では、本発明における仕切ネットを生簀200に使用する場合について説明する。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0084】
図5(a)は、第2実施の形態における生簀200の斜視図であり、
図5(b)は、生簀200の側面図であり、
図5(c)は、生簀200の上面図である。なお、
図5(a)では、図面を簡素化して理解を容易とするため、囲い網210の図示を省略している。
【0085】
図5(a)から
図5(c)に示すように、生簀200は、魚等を海中で養殖する際に海中における所定領域の内部と外部とを仕切るためのネットであり、網状に形成される囲い網210と、その囲い網210を取着される複数の筋縄220と、を主に備えて構成されている。
【0086】
囲い網210は、生簀200の網地を形成する部位である。囲い網210は、複数の混合糸63を網糸として使用し、第1糸の鞘部を溶融して複数の混合糸63を互いに融着させることで網状に成形されており、生簀200の底面部分を形成する底網部211と、生簀200の側面部分を形成する側網部212とを備えている。
【0087】
筋縄220は、側網部212の上側の側端部分を拘束する上筋縄221と、側網部212の下側の側端部分および底網部211の側端部分を拘束する下筋縄222と、上筋縄221及び下筋縄222に連結されると共に側網部212を拘束する側筋縄223と、下筋縄222に連結されると共に底網部211を拘束する底筋縄224と、を備えている。
【0088】
上筋縄221及び側筋縄223は、海中に設置された枠やブイ(図示せず)等にロープ等(図示せず)を介して固定される部位である。また、下筋縄222及び底筋縄224は、一部が鉛から構成されたいわゆる沈子ロープであり、底網部211を海中に沈ませるための錘として機能する部位である。
【0089】
ここで、囲い網210は、混合糸63がポリエステル製の第1糸および第2糸により形成されているので、金属製の線材を使用した従来の生簀と比べて、囲い網210の海水による腐食を抑制することができる。よって、囲い網210の耐久性の向上を図ることができると共に、囲い網210に衝突した魚等が負傷することを回避しやすくすることができる。
【0090】
また、囲い網210は、第1糸の鞘部を溶融して混合糸63が互いに融着させることで網状に成形されているので、ポリエステル等の合成繊維のフィラメントからなる網糸を使用した従来の生簀と比べて、混合糸63と海水との接触面積を小さくすることができる。よって、囲い網210への藻の付着を抑制させることができる。
【0091】
このように、生簀200は、混合糸63がポリエステル製の第1糸および第2糸により形成されると共に、囲い網210が第1糸の鞘部を溶融して混合糸63を互いに融着させることで網状に成形されているので、囲い網210の耐久性の向上を図りつつ、囲い網210への藻の付着を抑制することができる。
【0092】
なお、本実施の形態における生簀200の形状は、一例であり、生簀の形状は使用状況に応じて適宜変更してもよい。
【0093】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0094】
例えば、上記各実施の形態では、通常融点繊維素材および低融点繊維素材がポリエステルから構成される場合について説明したが、ポリプロピレンから構成されていてもよい。
【0095】
上記各実施の形態では、仕切ネットをフェンス100又は生簀200に使用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の用途、例えば、工事現場の足場等の下方に展張される安全ネットや、野生動物等の敷地内への侵入を防止する防獣ネット等に使用してもよい。
【0096】
上記各実施の形態では、第1糸の繊度と第2糸の繊度とが同等に設定され、第1糸における芯部と鞘部との比は1:1に設定されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1糸の繊度と第2糸の繊度とが異なる繊度に設定されていてもよく、第1糸における芯部と鞘部との割合が本実施の形態とは異なる割合に設定されていてもよい。
【0097】
上記各実施の形態では、混合糸63全体に対する第1糸の含有率が60%以下に設定される点について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、使用状況に応じ、混合糸63全体に対する第1糸の含有率を60%よりも高く設定してもよい。例えば、混合糸63全体に対する第1糸の含有率を100%、即ち、混合糸63を第1糸のみにより形成してもよい。これにより、混合糸63の剛性を高めることができる。
【0098】
また、上記第1実施の形態では、直線部62が複数の混合糸63により形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、混合糸63とは異なるフィラメントからなる網糸を使用してもよく、網地部61に使用される混合糸63とは第1糸の混合糸63全体に対する含有率が異なる混合糸を直線部62に使用してもよい。例えば、直線部62に使用される混合糸全体に対する第1糸の含有率を、網地部61に使用される混合糸63全体に対する第1糸の含有率よりも少なくすることで、第1糸の鞘部を溶融させた後において、直線部62に使用される混合糸63の剛性を網地部61に使用される混合糸63よりも低く設定することができる。
【0099】
上記第1実施の形態では、下方ネット60が複数のワイヤ30に対して紐64により緊縛される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の手段を用いて下方ネット60を複数のワイヤ30に拘束させてもよい。他の手段としては、針金や接着テープ、押さえ金具等が例示される。
<その他>
<手段>
技術的思想1の仕切ネットは、所定領域の内部と外部とを仕切るものであり、所定の融点を有する合成繊維製の通常融点繊維素材から構成される芯部およびその芯部の外周面を被覆すると共に前記通常融点繊維素材よりも低い融点を有する合成繊維製の低融点繊維素材から構成される鞘部を備えた第1糸を少なくとも含み、前記第1糸の鞘部を溶融して融着させることで網状に成形された網地部を備えている。
技術的思想2の仕切ネットは、技術的思想1記載の仕切ネットにおいて、前記網地部は、前記第1糸と、前記通常融点繊維素材から構成される第2糸と、を合糸することで形成された複数の混合糸により形成され、前記混合糸は、その混合糸全体に対する前記第1糸の含有率が15%以上に設定されている。
技術的思想3の仕切ネットは、技術的思想2記載の仕切ネットにおいて、前記混合糸は、その混合糸全体に対する前記第1糸の含有率が60%以下に設定されている。
技術的思想4の仕切ネットは、技術的思想1から3のいずれかに記載の仕切ネットにおいて、前記通常融点繊維素材および前記低融点繊維素材がポリエステル製またはポリプロピレン製である。
技術的思想5の仕切ネットは、技術的思想1から4のいずれかに記載の仕切ネットにおいて、前記網地部の少なくとも一の側端に取着される直線状の直線部を備えている。
技術的思想6の仕切ネットは、技術的思想5記載の仕切ネットにおいて、前記直線部は、所定の幅寸法を有する帯状に形成されると共に、前記網地部よりも剛性が低く設定されている。
技術的思想7のフェンスは、地面に立設される複数の支柱と、それら複数の支柱に架設される複数のワイヤと、それら複数のワイヤに展張される防球ネットとを備え、所定領域の周囲に設置されるものであり、前記防球ネットが、技術的思想1から6のいずれかに記載の仕切ネットを備えている。
技術的思想8のフェンスは、技術的思想7記載のフェンスにおいて、前記防球ネットは、前記仕切ネットよりも単位面積あたりの重量が軽い軽量ネットを備え、前記複数のワイヤは、所定の高さ位置で水平方向に沿って架設される第1水平ワイヤと、鉛直方向に沿って架設される鉛直ワイヤとを備え、前記軽量ネットの鉛直方向下側における側端部分と前記仕切ネットの鉛直方向上側における側端部分とが前記第1水平ワイヤに拘束されると共に、前記軽量ネットの幅方向両側における側端部分と前記仕切ネットの幅方向両側における側端部分とが前記鉛直ワイヤに拘束されている。
技術的思想9のフェンスは、技術的思想8記載のフェンスにおいて、前記仕切ネットは、前記網地部の少なくとも鉛直方向上側における側端部分に取着される直線部を備え、前記直線部が前記第1水平ワイヤに拘束されている。
技術的思想10のフェンスは、技術的思想8又は9に記載のフェンスにおいて、前記複数のワイヤは、前記第1水平ワイヤよりも下方で水平方向に沿って架設される第2水平ワイヤを備え、前記仕切ネットは、前記第2水平ワイヤに拘束されている。
技術的思想11のフェンスは、技術的思想7から10のいずれかに記載のフェンスにおいて、前記仕切ネットは、その鉛直方向下側部分が地面に接地している。
技術的思想12の生簀は、海中の所定領域内で魚等を養殖する際に用いられるものであり、技術的思想1から6のいずれかに記載の仕切ネットを備えている。
<効果>
技術的思想1記載の仕切ネットによれば、網地部が合成繊維製の通常融点繊維素材および低融点繊維素材から構成される第1糸を少なくとも含んでいるので、従来の金属製の仕切ネットと比べて、網地部の単位面積あたりの重量を軽くすることができる。
また、第1糸が所定の融点を有する通常融点繊維素材から構成される芯部とその芯部の外周面を被覆すると共に通常融点繊維素材よりも低い融点を有する低融点繊維素材から構成される鞘部とを備え、網地部が第1糸の鞘部を溶融して融着させることで網状に成形されているので、従来の合成繊維製の仕切ネットと比べて、網地部の剛性を確保することができる。
このように、技術的思想1記載の仕切ネットは、網地部が合成繊維製の第1糸および第2糸により形成されると共に、網地部が第1糸の鞘部を溶融して融着させることで形成されているので、剛性の確保と軽量化との両立を図ることができるという効果がある。
これにより、仕切ネットをフェンスに使用する場合には、網地部を切断されにくくすることでフェンスによる部外者の所定領域内への侵入抑止力を高めることができると共に、仕切ネットを展張させるワイヤ等を架設するための支柱の設置間隔を広く設定することができるので、フェンスの設置コストを低減させることができる。
また、網地部が合成繊維製の第1糸を含んでいるので、仕切ネットをフェンスとして使用する場合には、金属製の仕切ネットを使用したフェンスと比べて、網地部にボール等が衝突した際に発生する衝突音を低減させることができると共に、熱容量を低減させることで網地部に触れた際に火傷することを回避しやすくすることができるという効果がある。
さらに、網地部が合成繊維製の第1糸を含んでいるので、仕切ネットを生簀として使用する場合には、従来の金属製の仕切ネットを使用した生簀と比べて、海水による網地部の腐食を抑制することができる。
また、網地部が第1糸の鞘部を溶融して融着させることで網状に成形されているので、仕切ネットを生簀として使用する場合には、従来の合成繊維製の仕切ネットを使用した生簀と比べて、海水との接触面積を小さくすることができる。
このように、技術的思想1記載の仕切ネットを生簀として使用する場合には、海水による網地部の腐食を抑制することで耐久性の向上を図りつつ、網地部と海水との接触面積を小さくすることで藻の付着を低減させることができるという効果がある。
また、網地部が合成繊維製の第1糸を含んでいるので、金属製の仕切ネットと比べて、網地部に衝突した人や魚等が負傷することを回避しやすくすることができるという効果がある。
技術的思想2記載の仕切ネットによれば、技術的思想1記載の仕切ネットの奏する効果に加え、網地部が第1糸と第2糸とを合糸することで形成された複数の混合糸により形成され、混合糸の全体に対する第1糸の含有率が15%以上に設定されているので、網地部の剛性を高めつつ、混合糸の伸縮性を確保することができるという効果がある。
技術的思想3記載の仕切ネットによれば、技術的思想2記載の仕切ネットの奏する効果に加え、混合糸全体に対する第1糸の含有率が60%以下に設定されているので、混合糸の伸縮性を高めることができるという効果がある。その結果、人やボール等の衝突や海水の流れ等により網地部に引張力が作用した際に、その引張力を混合糸の伸縮によって緩衝させることができるので、網地部の破損を抑制できる。
技術的思想4記載の仕切ネットによれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の仕切ネットの奏する効果に加え、通常融点繊維素材および低融点繊維素材がポリエステル製またはポリプロピレン製なので、例えば、合成繊維製の網糸を樹脂でコーティングした仕切ネット等の製造過程において樹脂を硬化させる際に必要となる硬化剤の使用を回避することができる。よって、硬化剤の使用により環境へ悪影響を及ぼすことを防止できるという効果がある。
技術的思想5記載の仕切ネットによれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の仕切ネットの奏する効果に加え、直線状の直線部が網地部の少なくとも一の側端に取着されているので、ワイヤ等に仕切ネットを拘束させる際に、直線部をワイヤ等に沿わせつつ取着させることができる。よって、網地部をワイヤ等に取着させる場合と比べて、ワイヤ等に対する仕切ネットの取着作業を効率化させることができるという効果がある。
技術的思想6記載の仕切ネットによれば、技術的思想5記載の仕切ネットの奏する効果に加え、直線部が、所定の幅寸法を有する帯状に形成されると共に、網地部よりも剛性が低く設定されているので、直線部をワイヤ等に巻き付けやすくすることができる。よって、直線部をワイヤ等に取着する際に直線部をワイヤ等に巻き付けつつ直線部をワイヤ等に対して紐等により緊縛することで、仕切ネットをワイヤ等に対して強固に拘束させることができるという効果がある。
技術的思想7記載のフェンスによれば、防球ネットが、技術的思想1から6のいずれかに記載の仕切ネットを備えているので、防球ネットとして金属製のネットを使用する場合と比べて、防球ネットの単位面積あたりの重量を軽くすることができる。よって、防球ネットを展張させるワイヤ等を架設するための支柱の設置間隔を広く設定することができるので、フェンスの設置コストを低減させることができるという効果がある。
また、防球ネットが、技術的思想1から6のいずれかに記載の仕切ネットを備えているので、防球ネットとして金属製のネットを使用する場合と比べて、防球ネットにボール等が衝突した際に発生する衝突音を低減させることができると共に、熱容量を低減させることで防球ネットに触れた際に火傷することを回避しやすくすることができるという効果がある。さらに、防球ネットが、請求項1から5のいずれかに記載の仕切ネットを備えているので、防球ネットとして金属製のネットを使用する場合と比べて、仕切ネットに衝突した人が負傷することを回避しやすくすることができるという効果がある。
技術的思想8記載のフェンスによれば、技術的思想7記載のフェンスの奏する効果に加え、軽量ネットの鉛直方向下側における側端部分と仕切ネットの鉛直方向上側における側端部分とが第1水平ワイヤに拘束されると共に、軽量ネットの幅方向両側における側端部分と仕切ネットの幅方向両側における側端部分とが鉛直ワイヤに拘束されているので、軽量ネットと仕切ネットとを共通のワイヤに展張させることができる。よって、フェンスの設置コストを低減させることができるという効果がある。
また、所定の高さ位置に架設される第1水平ワイヤに対し、軽量ネットの鉛直方向下部と仕切ネットの鉛直方向上部とが拘束されることにより、所定の高さ位置から上方においては仕切ネットよりも単位面積あたりの重量が軽い軽量ネットを設置することで、ワイヤ及びそのワイヤを架設する支柱にかかる負担を軽減させつつ、所定の高さ位置から下方においては剛性の高い仕切りネットを設置することで、部外者の所定領域内への侵入抑止力を高めることができるという効果がある。
技術的思想9記載のフェンスによれば、技術的思想8記載のフェンスの奏する効果に加え、少なくとも網地部の鉛直方向上側における側端部分に取着される直線部が第1水平ワイヤに拘束されているので、ワイヤ等に仕切ネットを拘束させる際に、直線部をワイヤ等に沿わせつつ取着させることができる。よって、網地部を第1水平ワイヤに取着させる場合と比べて、第1水平ワイヤに対する仕切ネットの取着作業を効率化させることができるという効果がある。
また、直線部が、網地部よりも剛性が低く設定されている場合には、直線部を第1水平ワイヤに巻き付けやすくすることができる。よって、直線部を第1水平ワイヤに取着する際に直線部を第1水平ワイヤに巻き付けつつ直線部を第1水平ワイヤに対して紐等により緊縛することで、仕切ネットを第1水平ワイヤに対して強固に拘束させることができるという効果がある。
技術的思想10記載のフェンスによれば、技術的思想8又は9に記載のフェンスの奏する効果に加え、仕切ネットが第1水平ワイヤよりも下方で水平方向に沿って架設される第2水平ワイヤに拘束されているので、仕切ネットの鉛直方向下側部分がめくれ上がることを抑制できる。よって、仕切ネットの下側部分に衝突したボール等が仕切ネットをめくり上げることで所定領域の外部へ飛び出ることを抑制できるという効果がある。
さらに、第2水平ワイヤが第1水平ワイヤよりも下方、即ち、地面に近接する側に架設されているので、部外者が第2水平ワイヤをくぐり抜けて所定領域内へ侵入することに対する抑止力を高めることができるという効果がある。
技術的思想11記載のフェンスによれば、技術的思想7から10のいずれかに記載のフェンスの奏する効果に加え、仕切ネットの鉛直方向下側部分が地面に接地しているので、ボール等が敷地の内部から場外へ飛び出すことを防止できるという効果がある。
また、仕切ネットを撓ませつつ地面に接地させることができるので、剛性の高い金属製の仕切ネットの鉛直方向下側部分を地面に接地させる場合と比べて、地面に接地させるための寸法管理を容易に行うことができるという効果がある。
技術的思想12記載の生簀によれば、技術的思想1から6のいずれかに記載の仕切ネットを備えているので、従来の金属製の仕切ネットを使用した生簀と比べて、海水による仕切ネットの腐食を抑制することができると共に、従来の合成繊維製の仕切ネットを使用した生簀と比べて、網地部と海水との接触面積を小さくすることができる。従って、海水による腐食の抑制することで耐久性の向上を図りつつ、網地部と海水との接触面積を小さくすることで藻の付着を低減させることができるという効果がある。また、金属製の仕切ネットを使用した生簀と比べて、仕切ネットに衝突した魚が負傷することを回避しやすくすることができるという効果がある。