【文献】
Yang Song,Keying Wu,Xiaolong Zhu,Alcatel-Lucent,Coexistence of Collaborative MIMO with Single-Base-Station Based MIMO,IEEE C802.16m-07/163,2007年 8月29日
【文献】
Samsong,Discussions on CoMP SU-MIMO,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #55bis R1-090099,www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_55b/Docs/R1-090099.zip,2009年 1月 7日,p.5-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記いずれか1つを選択するステップは、前記対象端末のチャネル状態の変化に基づいて前記CoMPまたは前記SPのうちいずれか1つを選択するステップであることを特徴とする請求項1に記載の送/受信制御方法。
前記いずれか1つを選択するステップは、前記CoMPまたは前記SPそれぞれに対するフィードバックオーバーヘッドまたは利益を考慮して、前記CoMPまたは前記SPのうちいずれか1つを選択するステップであることを特徴とする請求項1に記載の送/受信制御方法。
前記いずれか1つを選択するステップは、基準値よりも大きい移動性を有する前記対象端末に応答して前記SPを選択するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の送/受信制御方法。
前記いずれか1つを選択するステップは、基準値よりも小さい移動性を有する前記対象端末に応答して前記CoMPを選択するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の送/受信制御方法。
前記移動性に関連する情報は、前記対象端末の速度またはチャネル状態の変化のうち少なくとも1つに関する情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の送/受信制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。本明細書において「基地局」は一般的な基地局、中継機などのように端末へ信号を送信できる様々な装置を含み、「端末」は携帯電話、ノート型パソコンのように様々なモバイルデバイスを含む。また、「通信装置」は、基地局、中継機、端末、ネットワークコントローラなど、通信システムで用いられる様々な装置を含む。
【0019】
図1は、マルチセル通信システムの例を示す図である。
図1を参照すると、マルチセル通信システムは、複数の基地局110、120、130を備える。複数の基地局110、120、130は互いに協力して、協力マルチポイント送/受信(Coordinated_Multi−Point_transmission_and_reception、以下、CoMPと略記する)スキームを具現する。例えば、複数の基地局110、120、130は、互いに協力して複数の基地局110、120、130それぞれのセルエッジに位置している端末140に信号を送信することによって、端末における送信率を向上できる。
【0020】
端末140がセルエッジに位置する場合、端末140はCoMPよりもSP(Single_Point_transmission_and_reception、以下、SPと略記する)を選好することがある。例えば、端末140がA、B、C、Dの方向のいずれか1方向に向って速い速度に移動する場合、端末140のチャネル状態は大きく変わる。このとき、端末140は、CoMPを支援するために多い量の情報(例えば、チャネル情報など)を複数の基地局110、120、130のうち現在のサービング基地局にフィードバックしなければならないため、フィードバックオーバーヘッドが大きく増加する場合がある。したがって、端末140は、CoMPよりもSPを選好する。すなわち、端末140のチャネル状態が大きく変わる場合、ハンドオーバーによって端末140のサービング基地局は他の基地局に変更され、端末140と新しいサービング基地局はSPを行うことによって、フィードバックオーバーヘッドを減らし、所望するデータ送信率を達成できる。
ここで、CoMPスキームでは、複数の基地局が互いに協力して少なくとも1つの端末に信号を送信し、一方、SPスキームでは1つの基地局が異なる基地局と協力することなく、少なくとも1つの端末に信号を送信することを意味する。
【0021】
また、端末140がセルエッジ内を移動しても、SPを継続的に維持することは効率的ではない。例えば、端末140が遅い速度でセルエッジ内を移動する場合、端末140および現在のサービング基地局は、CoMPを行うことによってフィードバックオーバーヘッドを大きく増加することなく、データ送信率を向上できる。
【0022】
一実施形態によれば、端末の移動性に関する情報を含むチャネル状態に関する情報(以下、チャネル情報という)に基づいてSPおよびCoMPのうちいずれか1つのスキームを選択する。また、本実施形態によれば、チャネル状態に関する情報のみならず、フィードバックオーバーヘッド、端末に要求されるサービス品質、ネットワークの負荷量、ネットワークディレイ(遅延)、伝搬(propagation)ディレイ、ネットワークのオーバーヘッドなどをさらに考慮する。
【0023】
図2は、端末の移動性に応じてSPおよびCoMPのうち何を選好するかを概念的に示す図である。
図2を参照すると、端末230は、基地局210および基地局220それぞれのセルエッジに位置して、矢印から分かるように、基地局210のセルから基地局220のセルに移動する。ここで、基地局210は、端末230に対する制御権限を有する現在のサービング基地局である。
【0024】
端末230の移動性が高い場合、端末230と基地局210との間のチャネル、および端末230と基地局220との間のチャネルは早く変化する。このとき、端末230がCoMPを支援する場合、前記チャネルの状態または変化をサービング基地局である基地局210にフィードバックしなければならず、このようなフィードバックの過程において多量のオーバーヘッドが発生する恐れがある。したがって、端末230が基地局210のセルから基地局220のセルに比較的高速移動する場合、CoMPよりもSPが選好される。反対に、端末230がセルエッジの周辺で留まっているか又は低速移動する場合、CoMPが選好される。
【0025】
ここで、端末230の移動性は、端末230の実際の速度、チャネルの変化、ドップラー効果、チャネル情報をフィードバックするためのオーバーヘッドの量などに基づいて評価される。また、端末230の移動性は、端末230における基地局210および220のそれぞれに対する受信信号の強度(Received Signal Strength、以下RSSという)の変化に基づいて評価できる。
【0026】
すなわち、本実施形態によれば、端末230の移動性を含むチャネル状態、CoMPにより得られるゲイン(利得)とフィードバックオーバーヘッド(損失)を総合的に考慮してCoMPおよびSPのうちいずれか1つを選択できる。
次に
図3〜
図5を参照して、SPおよびCoMPのうちいずれか1つを選択する方法について具体的に説明する。
【0027】
図3は、端末が基地局Xから基地局Y方向に移動することによって端末の受信信号強度RSSを概念的に示すグラフである。
図4は、
図3に示すように端末が基地局Xから基地局Y方向に移動する場合、端末の移動性を考慮してSPおよびCoMPのうちいずれか1つを適応的に選択する例を示すテーブルである。
【0028】
図3を参照すると、端末が基地局Xから基地局Y方向に移動する場合、A、B、Cの領域で基地局Xおよび基地局Yそれぞれから端末における受信信号の強度は
図3に示すグラフの通りである。A、B、Cの領域は全てCoMPおよびSPのいずれも適用され得る領域である。また、A、B、Cの領域の全てにハンドオーバー(HO)が発生することがあり、主にB領域でハンドオーバーが起きる。ここで、「ハンドオーバー」は端末に対する制御権限を有するサービング基地局が変化することを意味する。
【0029】
図4を参照すると、端末は様々なシナリオに従って、A、B、Cの領域を通過する。すなわち、端末は、ケース1では、遅い速度でA、B、Cの領域を通過し、ケース2では、速い速度でA、B、Cの領域を通過する。それだけでなく、端末は、ケース3では、速い速度でA領域およびB領域を通過して遅い速度でC領域を通過し、ケース4では、遅い速度でA領域およびB領域を通過して速い速度でC領域を通過する。
【0030】
ケース1において、端末は遅い速度でA、B、Cの領域を通過する。このとき、データ送信率を向上させるために、SPよりもCoMPが相対的に選好される。すなわち、端末が遅い速度で移動する場合、CoMPによるフィードバックオーバーヘッドは大きくない一方、データ送信率は相対的に大きく向上するためである。そして、ケース1の場合、領域Bでハンドオーバー(HO)が特定時点で実行され、ハンドオーバーの実行が完了すると、端末のサービング基地局は基地局Xから基地局Yに変更される。ハンドオーバーの実行が完了された後にも、端末は遅い速度で移動するため、基地局Yがサービング基地局になったままCoMPが行われる。また、C領域でも端末が依然として遅い速度で移動する場合、CoMPが選好されることから、C領域でも基地局Yがサービング基地局になったまま継続的にCoMPが行われる。
【0031】
ケース2において、端末は速い速度でA、B、Cの領域を通過する。このとき、CoMPによるフィードバックオーバーヘッドの増加を防止するため、CoMPよりも相対的にSPが選好される。すなわち、ケース2においては、端末はA領域で基地局XとSPを行い、B領域で基地局YとSPを行う。ただし、B領域で端末のサービング基地局が基地局Xから基地局Yに変わるハンドオーバーが発生するため、B領域において端末は基地局XとSPを行ってから基地局YとSPを行う。ここで、端末は速く移動するため、B領域内でハンドオーバーが行われる時点はケース1の場合よりも早い時点になり得る。C領域でも端末が速い速度に移動している場合、SPが選好されるため、C領域でも端末は持続的に基地局YとSPを行う。
【0032】
ケース3において、端末はA領域およびB領域を速い速度で通過した後、C領域を遅い速度で通過する。このとき、端末がA領域を速い速度で通過するので、A領域で端末は基地局XとSPを行う。また、B領域内において、端末および基地局XがSPを行う途中、ハンドオーバーが比較的早い時点で行われ、サービング基地局が基地局Xから基地局Yに変更される。そして、サービング基地局が基地局Xから基地局Yに変更されたまま、基地局Yおよび端末はSPを行う。このとき、端末が遅い速度でC領域を移動する場合、CoMPが選好されるため、C領域でSPは中断され、CoMPが行われる。したがって、C領域で基地局Yがサービング基地局になったまま、基地局Yおよび基地局Xは端末に対してCoMPを行う。
【0033】
ケース4において、端末が遅い速度でA領域を移動している場合、サービング基地局が基地局Xのまま、CoMPが選択される。B領域でも端末は遅い速度で移動しているので、持続的にCoMPが行われて比較的に遅れた時点でハンドオーバーが発生する。ハンドオーバーが完了すると、端末のサービング基地局は基地局Xから基地局Yに変更される。ハンドオーバーが発生した後、端末はC領域で速い速度に移動するため、SPが選択される。したがって、C領域で端末は基地局Yがサービング基地局になったままSPを行う。
【0034】
ケース1から4の他に別のシナリオもあり得る。例えば、ケース3の場合、B領域でハンドオーバーが発生せずにC領域でハンドオーバーが発生したとき、C領域で端末は基地局XとSPを行って基地局Yがサービング基地局のCoMPを行う。他の例として、ケース4の場合にも、B領域でハンドオーバーが発生せずにC領域でハンドオーバーが発生するとき、C領域で端末は基地局Xがサービング基地局のCoMPを行って、基地局Yがサービング基地局のSPを行ってもよい。
【0035】
上記の例を参照して説明したように、本実施形態では、端末の移動性を含むチャネル状態に応じてSPおよびCoMPのうちいずれか1つを選択する。
【0036】
図5は、本実施形態に係る送/受信制御方法を示す動作フローチャートである。
本送/受信制御方法は、基地局、端末、中継機などの様々な通信装置によって実行できる。
【0037】
図5を参照すると、本送/受信制御方法では、対象端末の移動性に関連する情報を認知する(510)。ここで、対象端末の移動性は対象端末の実際の速度、チャネルの変化、ドップラー効果、チャネル情報をフィードバックするためのオーバーヘッドの量などに基づいて評価される。また、対象端末の移動性は、端末における複数の基地局それぞれに対する受信信号強度RSSの変化に基づいて評価できる。もし、上記の方法が端末で行われる場合、端末は移動性に関連する情報を直接に測定できるが、上記の方法が基地局(など)で行われる場合、移動性に関連する情報は端末から基地局(など)にリポートされる。
【0038】
また、本実施形態に係る方法では、対象端末の移動性に関連する情報を含むチャネル状態に関連する情報および様々なパラメータに基づいて予め決定された関数による尺度値を算出する(520)。ここで、尺度値は下記の数式(1)で定義された関数fによって算出される。
【0039】
[数1]
尺度値=f(移動性、ネットワーク負荷、要求QoS(要求されるサービス品質)、ネットワークディレイ、伝搬delay(電子ディレイ、許容可能なフィードバックオーバーヘッド、...) ・・・(1)
【0040】
便宜上、この尺度値をf(mobility)のように簡略に表現すると、本発明の一実施形態に係る方法は、算出された尺度値f(mobility)と予め設定された基準値refとを比較する(530)。もし、対象端末の移動性が高い場合のように算出された尺度値f(mobility)が基準値refよりも大きければ、SPが選択される(540)。反対に、対象端末の移動性が低い場合のように算出された尺度値f(mobility)が基準値refよりも小さければ、CoMPが選択される(550)。すなわち、本発明の実施形態は、対象端末の移動性が大きいほどSPを選好し、移動性が小さいほどCoMPを選好する。
【0041】
また、
図5に示していないが、SPまたはCoMPのうちいずれか1つを選択すると、本実施形態では選択に伴う後続処理を行う。特に、送/受信方法が変更される場合(例えば、SPからCoMPに、またはCoMPからSPに)、送/受信方法が円滑に変更されるように後続処理が行われる。例えば、SPからCoMPに転換されると、対象端末はCoMPを支援するために干渉チャネルに関する情報をサービング基地局にフィードバックし、サービング基地局およびCoMPに参加する基地局は適切に無線資源を調整(coordinate)する。反対に、CoMPからSPに転換されると、サービング基地局および対象端末は一般的な通信プロトコルによって後続処理を行う。また、サービング基地局の変更が要求される場合、ハンドオーバーのための後続処理が行われる。例えば、対象端末のサービング基地局が基地局Xから基地局Yに変更されなければならない場合、基地局Xは対象端末に対する制御権限を基地局Yに委譲し、基地局Yと対象端末との間には新しい制御チャネルが設立される一方、基地局Xと対象端末との間の制御チャネルは切断される。
【0042】
図6は、端末の移動性に応じて調整されるSPのためのマージンタイムを説明するためのグラフであり、
図6(a)、(b)は各々、対象端末が高い移動性、及び低い移動性を有する場合である。
【0043】
図6(a)に示すグラフ610は、対象端末が高い移動性を有する場合の、対象端末の位置に応じた、対象端末におけるサービング基地局に対する受信信号強度RSSおよび隣接の基地局に対する受信信号強度RSSを示す。ここで、サービング基地局が位置「0」にあり、隣接の基地局が位置Aにあると仮定する。ここで、RSSは受信信号強度(Received Signal Strength)を表す。
【0044】
グラフ610を参照すると、対象端末が高い移動性を有する場合、SPのためのマージンタイムは短く設定される。すなわち、対象端末が高い移動性を有する場合、CoMPを行うことは効率的ではなく、SPが相対的に選好される。したがって、SPがCoMPよりももっと選択されるようにSPのためのマージンタイムは短く設定される。このとき、SPのためのマージンタイムの間に持続的にSPのための必要条件が満たされる場合、最終的にSPが選択されて行われる。
【0045】
また、現在の選択されたSPがサービング基地局の変更を要求する場合、ハンドオーバーが行われる。例えば、以前に基地局Xがサービング基地局のままにSPが行われて、サービング基地局が基地局YのSPが選択されると、ハンドオーバーが行われる。一方、サービング基地局の変更が要求されない場合、サービング基地局が変更されることなく選択されたSPを行う。
【0046】
反対に、
図6(b)に示すグラフ620を参照すると、対象端末が低い移動性を有する場合、SPのためのマージンタイムは長く設定される。すなわち、対象端末が低い移動性を有する場合、ハンドオーバーを早い時点で行うことなくCoMPを行うとデータ送信率を向上できて効率的である。したがって、本実施形態では、対象端末が低い移動性を有する場合、ハンドオーバーが行われる時点を遅らせる一方、CoMPがより長く行われるようにSPのためのマージンタイムを長く設定する。
【0047】
図7は、端末の移動性に応じて調整されるCoMPのためのマージンタイムを説明するためのグラフであり、
図7(a)、(b)は各々、対象端末が高い移動性、及び低い移動性を有する場合である。
【0048】
図7(a)に示すグラフ710を参照すると、対象端末の移動性が高い場合、CoMPのためのマージンタイムは長く設定される。すなわち、対象端末の移動性が高い場合、CoMPを行うことは効率的ではないので、CoMPのためのマージンタイムは長く設定される。したがって、CoMPが最終的に選択されるためには、長いマージンタイムの間にCoMPのための必要条件が持続的に満足されなければならないので、CoMPは相対的に選択されない。
【0049】
反対に、
図7(b)に示すグラフ720を参照すると、対象端末の移動性が低い場合、CoMPのためのマージンタイムは短く設定される。すなわち、対象端末の移動性が低い場合、対象端末におけるデータ送信率を向上させるためにCoMPを行うことがSPを行うことよりも効率的であるので、CoMPのためのマージンタイムは短く設定される。したがって、短いマージンタイムの間にのみCoMPのための必要条件が持続的に満たされれば、CoMPが最終的に選択されることから、対象端末の移動性が低い場合、CoMPが選好されることが分かる。
【0050】
また、現在の選択されたCoMPがサービング基地局の変更を要求する場合ハンドオーバーが行われる。例えば、以前に基地局Xがサービング基地局のままCoMPが行われ、サービング基地局が基地局YのCoMPが選択されると、ハンドオーバーが行われる。一方、サービング基地局の変更が要求されない場合、サービング基地局が変更されることなく、送/受信方法に基づいて選択されたCoMPが行われる。
【0051】
対象端末の移動性に関連する情報は、対象端末でサービング基地局に対する受信信号強度RSSに関する情報および隣接の基地局に対するRSSに関する情報に基づいて表現され得る。特に、対象端末の移動性は、移動性ファクタに基づいて評価される。移動性ファクタθ
iは対象端末におけるサービング基地局に対するRSSの変化および隣接の基地局に対するRSSの変化に基づいて次の数式(2)のように定義される。
【0053】
ここで、P
0は対象端末におけるサービング基地局に対するRSSであり、P
iは対象端末における隣接の基地局iに対するRSSである。αは経路損失比率(Pathloss Rate)に関連するシステムパラメータであり、Ek(x)はk個のxの平均を示す。したがって、移動性ファクタθ
iは特定時間tの間に隣接の基地局に対するRSSの変化およびサービング基地局に対するRSSの変化の間の差として、対象端末の速度に関する情報を含蓄する。すなわち、対象端末の速力が増加すると、移動性ファクタθ
iは増加し、対象端末の移動方向が隣接の基地局の方向と一致するほど移動性ファクタθ
iは増加する。もし、対象端末がサービング基地局に移動する場合、移動性ファクタθ
iは負の値を有する。
【0054】
SPのためのマージンタイムτ
SPは、対象端末の移動性ファクタに基づいて数式(3)のように決定される。
【0056】
前記数式(3)において、τ
maxはSPのための最大マージンタイムであり、τ
0は予め定義されるシステムパラメータである。数式(3)を参照すると、対象端末が隣接の基地局に早く移動するほどSPのためのマージンタイムが減少するため、SPが相対的に選好されることが分かる。
【0057】
また、CoMPのためのマージンタイムτ
CoMPは下記の数式(4)のように定義される。
【0059】
上記の数式(4)において、τ
1は予め定義されるシステムパラメータであり、τ
minはCoMPのための最小マージンタイムである。数式(4)を参照すると、対象端末が早く隣接の基地局に移動するほど移動性ファクタθ
iは増加するので、τ
CoMPは増加する。したがって、対象端末が早く隣接の基地局に移動するほど最終的にCoMPを選択するためには長い時間の間にCoMPのための必要条件を満たさなければならない。すなわち、対象端末が速く隣接の基地局に移動するほどCoMPが選択される確率は減少する。
【0060】
パラメータα、τ
0、τ
1、τ
max、およびτ
minは初期に周期的または非周期的に基地局から端末にブロードキャストされる。その上、基地局は、特に1つのセルに含まれた複数の端末に対してブロードキャストすべきマージンタイムを決定してもよい。基地局によってブロードキャストされるマージンタイムは、ある1つの値またはある値の範囲(レンジ)であってもよい。例えば、端末は初期に、数式(2)ないし数式(4)を用いるために、ブロードキャストされたパラメータを格納してもよい。
【0061】
図8は、本実施形態に係りSPおよびCoMPを制御するために、SPのためのマージンタイムおよびCoMPのためのマージンタイムを算出する過程を示す動作フローチャートである。
【0062】
図8を参照すると、本実施形態に係る方法では、対象端末のチャネル状態に関連する情報(または移動性に関連する情報)を認知する(810)。チャネル状態に関連する情報(または移動性に関連する情報)については上述したので、その説明は省略する。
【0063】
また、本発明の一実施形態に係る方法では、数式(2)を用いて移動性ファクタθ
iを算出する(820)。
【0064】
そして、本発明の一実施形態に係る方法は、数式(3)および数式(4)を用いてCoMPのためのマージンタイムτ
CoMPおよびSPのためのマージンタイムτ
SPを算出する(830、840)。
移動性ファクタθ
iを算出する過程、CoMPのためのマージンタイムτ
CoMPおよびSPのためのマージンタイムτ
SPを算出する過程については上述したので、その説明は省略する。
【0065】
図9は、端末の移動性が増加または減少する場合、SPのためのマージンタイムおよびCoMPのためのマージンタイムそれぞれの変化および本発明の実施形態に係る動作を示すテーブルである。
【0066】
図9を参照すると、対象端末の移動速度が増加する場合、移動性ファクタθ
iは増加し、対象端末の移動速度が減少する場合、移動性ファクタθ
iは減少する。
【0067】
より具体的には、対象端末の移動速度が増加する場合、移動性ファクタθ
iが増加することによってSPのためのマージンタイムτ
SPは減少し、CoMPのためのマージンタイムτ
CoMPは増加する。したがって、対象端末が高い移動速度を有する場合、SPは相対的に早い時点で行われ、CoMPは行われないか相対的に遅れて行われる。
【0068】
反対に、対象端末の移動速度が減少する場合、移動性ファクタθ
iの減少によってSPのためのマージンタイムτ
SPは増加し、CoMPのためのマージンタイムτ
CoMPは減少する。このとき、CoMPは相対的に早い時点で行われ、SPは行われないか遅れて行われる。
【0069】
図10は、本実施形態に係るマージンタイムを用いた送/受信制御方法を示す動作フローチャートである。
【0070】
図10を参照すると、SPのための必要条件が、該当マージンタイムの間に持続的に満たされるか否かをチェックする過程、およびCoMPのための必要条件が該当マージンタイムの間に持続的に満たされるか否かをチェックする過程を互いに独立的に行う。
【0071】
前述した過程によって、SPのためのマージンタイムτ
SPが決定されれば(1011)、SPのための必要条件が満たされるか否かをチェックする(1012)。このとき、SPのための必要条件が満たされるか否かは、サービング基地局または隣接の基地局から端末における受信信号の強度に基づいて判断される。
【0072】
SPのための必要条件が満たされれば、タイマーの時間tは0に初期化され(1013)、タイマーの時間はδだけ増加される(1014)。反対に、SPのための必要条件が満たされなければ、ステップ1011を再び行う。
【0073】
そして、タイマーの時間t+δでSPのための必要条件が満たすか否かをチェックする(1015)。タイマーの時間t+δでSPのための必要条件が満たされれば、移動性ファクタθ
iの変化量が予め設定された閾値よりも小さいか否かをチェックする(1016)。反対に、タイマーの時間t+δでSPのための必要条件が満たされなければ、ステップ1011を再び行う。
【0074】
もし、移動性ファクタθ
iの変化量が予め設定された閾値よりも大きいか同一であれば、ステップ1011を再び行う。反対に、移動性ファクタθ
iの変化量が予め設定された閾値よりも小さければ、タイマーの時間tがSPのためのマージンタイムτ
SPよりも大きいか否かをチェックす(1017)。すなわち、SPのためのマージンタイムτ
SPよりもタイマーの時間tが大きければ、それはSPのためのマージンタイムτ
SP間に持続的にSPのための必要条件が満たされたことを意味する。したがって、SPの実行によって決定され、SPのための後続処理を行う(1018、1019)。反対に、タイマーの時間tがSPのためのマージンタイムτ
SPよりも小さければ、ステップ1014を再び行う。ここで、SPのための後続処理は、ハンドオーバーのための処理、送/受信方法の変化に応じて要求される処理などの様々な処理を含む。
【0075】
また、本発明の一実施形態に係るマージンタイムを用いた送/受信制御方法は、CoMPのためのマージンタイムτ
CoMPが決定されれば(1021)、CoMPのための必要条件が満たされるか否かをチェックする(1022)。ここで、CoMPのための必要条件が満たされるか否かは、サービング基地局または隣接の基地局から端末における受信信号の強度に基づいて判断される。
【0076】
このとき、CoMPのための必要条件が満たされれば、タイマーの時間tは0に初期化され(1023)、タイマーの時間はδだけ増加する(1024)。反対に、CoMPのための必要条件が満たされなければ、ステップ1021を再び行う。
【0077】
そして、タイマーの時間t+δでCoMPのための必要条件が満たすか否かをチェックする(1025)。タイマーの時間t+δでCoMPのための必要条件が満たされれば、移動性ファクタθ
iの変化量が予め設定された閾値よりも小さいか否かをチェックする(1026)。反対に、タイマーの時間t+δでCoMPのための必要条件が満たされなければ、ステップ1021を再び行う。
【0078】
もし、移動性ファクタθ
iの変化量が予め設定された閾値よりも大きいか同一であれば、ステップ1021を再び行う。反対に、移動性ファクタθ
iの変化量が予め設定された閾値よりも小さければ、タイマーの時間tがCoMPのためのマージンタイムτ
CoMPよりも大きいか否かをチェックする(1027)。すなわち、CoMPのためのマージンタイムτ
CoMPよりもタイマーの時間tが大きければ、それはCoMPのためのマージンタイムτ
CoMP間に持続的にCoMPのための必要条件が満たされたことを意味する。したがって、CoMPの実行によって決定され、CoMPのための後続処理が行われる(1028)。反対に、タイマーの時間tがCoMPのためのマージンタイムτ
CoMPよりも小さければ、ステップ1024を再び行う。ここで、CoMPのための後続処理は前述したようにハンドオーバーのための処理、送/受信方法の変更に応じて要求される処理を含む。
【0079】
図11は、複数の基地局がCoMPを行う間に端末が移動する場合の配置関係(
図11(a))と、複数の基地局から送信された信号の端末における受信パワーの時間経過を示す図(
図11(b)、(c))である。
【0080】
図11(a)を参照すると、端末に対する現在のサービング基地局、協力基地局1および協力基地局2は互いに協力して端末に同一の情報を含む信号を送信する。
【0081】
端末とサービング基地局、協力基地局1と協力基地局2との間の距離が互いに同一であり、端末が停止している場合、サービング基地局、協力基地局1および協力基地局2から送信された信号は同一の伝搬ディレイを有する。ここで、「伝搬ディレイ」は送信機の送信時点と受信機の受信時点の間の時間間隔を意味する。
【0082】
例えば、
図11(b)に示すように、サービング基地局、協力基地局1、および協力基地局2から送信された信号の伝搬ディレイは全てt
1である。すなわち、サービング基地局、協力基地局1、および協力基地局2から送信された信号に対する端末の受信時点は全て時間t
1である。
【0083】
ただし、
図11(a)において矢印で示すように、端末が協力基地局2側に移動する場合、端末の受信時点、即ち、基地局から送信された信号の伝搬ディレイは変化する。特に、端末が協力基地局2側に移動しているので、協力基地局2から送信された信号は現在のサービング基地局から送信された信号および協力基地局1から送信された信号よりも端末に早く達する。
【0084】
例えば、
図11(c)に示すように、端末が協力基地局2側に移動しているので、協力基地局2から送信された信号が端末に相対的に早く達する。すなわち、協力基地局2から送信された信号の受信時点はt
a、協力基地局1から送信された信号の受信時点はt
b、現在のサービング基地局から送信された信号の受信時点はt
c(t
a<t
b<t
c)となる。
【0085】
すなわち、受信時点の変化、伝搬ディレイの変化は端末の移動方向に関連することが分かる。このとき、複数の基地局から送信された信号の受信時点(即ち、伝搬ディレイ)が測定され、測定された受信時点(伝搬ディレイ)に基づいて複数の基地局のうち、端末の移動方向と最も一致する位置にある基地局が検索される。このとき、検索された基地局はサービング基地局に設定されてもよい。
【0086】
すなわち、測定された受信時点(または伝搬ディレイ)に基づいて複数の基地局のうち新しいサービング基地局が選択され、選択された新しいサービング基地局にハンドオーバーが行われる。例えば、複数の基地局から送信された信号のうち、端末に最も早く達する信号に対応する基地局が新しいサービング基地局として選択され、選択された新しい基地局にハンドオーバーが行われる。すなわち、本実施形態に係る方法によれば、受信信号のパワーを測定することなく、様々な基地局のうちハンドオーバーのための新しいサービング基地局を探索できる。
【0087】
図12〜
図14は本発明の実施形態に係る通信装置を示すブロック図である。このような通信装置は基地局、中継機、端末、ネットワークコントローラなどの様々な装置を含む。
【0088】
図12を参照すると、本実施形態に係る通信装置は、認知部1210、算出部1220、選択部1230、および後処理部1240を備える。
認知部1210は、対象端末のチャネル状態に関連する情報、移動性に関連する情報を認知する。
また、算出部1220は、前記チャネル状態に関連する情報に基づいて予め決定された関数による尺度値を算出し、選択部1230は尺度値を用いて前記CoMPまたは前記SPのうちいずれか1つを選択する。
また、後処理部1240は、前記CoMPまたは前記SPのうち選択されたもののための後続処理を行う。
【0089】
図13を参照すると、本実施形態に係る通信装置は、システムパラメータ管理部1310、認知部1320、(マージンタイム)決定部1330、処理部1340を備える。
システムパラメータ管理部1310は、様々なシステムパラメータを管理/格納する。ここで、システムパラメータは前述したα、τ
0、τ
1、τ
max、τ
minなどを含む。
また、認知部1320は、対象端末のチャネル状態に関連する情報または移動性に関連する情報を認知する。
また、(マージンタイム)決定部1330は、対象端末のチャネル状態に関連する情報に基づいてSPのためのマージンタイム、またはCoMPのためのマージンタイムのうち少なくとも1つを決定する。
また、処理部1340は、前記SPのためのマージンタイムまたは前記CoMPのためのマージンタイムを考慮して前記SPまたは前記CoMPのうち少なくとも1つのための処理を行う。
【0090】
図14を参照すると、本実施形態に係る通信装置は、認知部1410、(伝搬ディレイ)導出部1420、選択部1430、および後処理部1440を備える。
【0091】
認知部1410は、複数の基地局から送信された信号に対する端末における受信時点を認知する。すなわち、通信装置が端末の場合、認知部1410は複数の基地局から送信された信号の受信時点を測定し、通信装置が基地局の場合、認知部1410は端末によってリポートされた情報によって受信時点を認知する。
【0092】
また、(伝搬ディレイ)導出部1420は、前記認知された受信時点に基づいて前記複数の基地局から送信された信号の伝搬ディレイを導き出す。このとき、選択部1430は、前記端末のサービング基地局を決定するために前記認知された受信時点に基づいて前記複数の基地局のうち少なくとも1つを選択する。そして、後処理部1440は、端末が選択された基地局にハンドオーバーされるように必要な処理を行う。
【0093】
図12〜
図14に示した通信装置については、
図1〜
図11を参照して説明した内容がそのまま適用できるので、より詳細な説明は省略する。
【0094】
隣接の基地局iが調整沈黙(coordinated silencing、CS)している場合に対して取得された実効SINR(effective Signal To Interference−plus−Noise Ratio、実効的信号対干渉・雑音比)は下記の数式(5)のように定義される。
【0096】
ここで、P
0はサービング基地局0からの、対象端末における受信信号の強度(RSS)であり、P
jは隣接の基地局jからの、対象端末におけるRSSを示し、Nはバックグラウンド雑音パワーを示す。
【0097】
また、隣接の基地局iが協働処理(joint processing、JP)している場合に対して取得された実効SINRは下記の数式(6)のように定義される。
【0099】
図15は、サービング基地局および隣接の基地局に対して予め設定された参照信号(RS)を用いて実効SINRを測定して求める例を説明する図である。陰影が加えられた領域はRSに対応する部分を示す。JPに対する実効SINRは1つの領域で測定されてもよく、これによってRSはサービング基地局を含むセルと隣接の基地局を含むセルに対して類似の領域から提供されてもよい。CSに対する実効SINRは他の領域で測定されてもよく、例えば、ヌリング(nulling)資源エレメント領域で測定されてもよい。
【0100】
図16は実効SINR測定に際して対して具現できる協力手続の例を示す図である。
ステップ1610において、端末はサービング基地局から受信された信号に対するSINRを測定する。もし、RSがサービング基地局と隣接の基地局との間で調整(coordinated)されれば、端末はCSに対する実効SINRまたはJPに対する実効SINRを測定する(S1620、S1630)。実効SINR測定に関する資源領域情報は、サービング基地局と隣接の基地局との間における送信によって決定される。サービング基地局は、各SINR測定に先立って端末に資源領域情報を送信する。
【0101】
本発明に係るプロセス、機能、方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行することができるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録される。コンピュータ読取可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つまたはその組合せを含む。媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたもの、または、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知且つ使用可能なものである。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、光ディスクのような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コード(machine code)だけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コード(higher level code)を含む。上述したハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアのレイヤで動作するように構成されてもよい。
【0102】
上述したように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められる。