【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、本発明は、空気入口を含む本体と本体に接続されたノズルとを含む空気流れを発生させるための送風機を提供し、ノズルは、本体から空気流を受け入れる内部通路と、空気流が送風機から放出される少なくとも1つの空気出口とを含み、内部通路は、ノズルの外側の空気が少なくとも1つの空気出口から放出される空気によって引き込まれる時に通る開口部の周りに延び、本体は、空気入口及び空気出口を有するダクトと、ダクトを通して空気流を引き込むためにダクト内に位置付けられたインペラと、インペラを駆動するためのモータとを含み、本体は、本体の空気入口からダクトの空気出口まで延びる空気流経路を形成し、本体は、ダクトの空気入口の下に位置付けられたノイズ抑制空洞を更に含み、空洞は、ダクトの空気入口の下に好ましくは、これと同心に位置付けられる入口を有する。
【0008】
ダクトの空気入口の下に位置付けられたノイズ抑制空洞の具備により、この形式の送風機からのノイズ放出を更に低減することができる。ノイズ抑制空洞の大きさは、ノイズ抑制空洞が、送風機の使用中に発生するノイズの特定の波長をターゲットにした共振器として作用し、並びに全体的にノイズレベルを低下することができるように、好ましくは、インペラの回転トーンの波長に同調される。
【0009】
本体は、好ましくは、少なくとも1つの壁、より好ましくは、複数の壁を含み、壁は、ノイズ抑制空洞の境界を少なくとも部分的に定め、空洞の入口が、本体の少なくとも1つの壁に位置付けられる。ノイズ抑制空洞は、好ましくは、上側壁及び下側壁によって境界を定められ、ノイズ抑制空洞の入口が上側壁に位置付けられる。本体は、好ましくは、下側部分と、下側部分に対して移動するように装着された上側部分とを含む。これは、本体の上側部分及びノズルが、下側部分に対して傾き、送風機によって発生される空気流れの方向を調節することを可能にする。本体の空気入口及びダクトは、好ましくは、本体の上側部分に位置付けられる。本体の上側部分は、好ましくは、底壁を有し、それは、ノイズ抑制空洞の下側壁を提供することによってノイズ抑制空洞の境界を部分的に定める。本体の上側部分の底壁を部分的に利用してノイズ抑制空洞の境界を定めることにより、本体の全体の大きさを最小にすることができる。本体の上側部分の底壁は、好ましくは、形状が凹面である。上側壁は、好ましくは、実質的に平坦形状である。空気入口とノイズ抑制空洞の上側壁とは、好ましくは、本体の上側部分の底壁の上に位置付けられた環状板によって形成される。
【0010】
送風機から放出される広帯域ノイズのレベルを低下させるために、本体は、好ましくは、ダクトとノイズ抑制空洞の間に位置付けられた環状吸音部材を含む。環状吸音部材は、好ましくは、ノイズ抑制空洞の入口と同心であり、好ましくは、そこに空気入口が形成された本体の管状又は円筒状のケーシングと接触する外周縁を有する。吸音材料のシート又はディスクを環状吸音部材の上に配置することができ、ノイズ抑制空洞へのほこりの進入を抑制する。吸音材料のこのシートの厚みは、好ましくは、吸音材料がその上に位置付けられる吸音部材のそれよりも小さい。例えば、環状吸音部材は、約5mmの厚みを有することができ、これに対して吸音材料のシートは、約1mmの厚みを有することができる。
【0011】
本体は、好ましくは、ダクトの周りに延びて本体の空気入口からの空気をダクトの空気入口へ案内する環状案内手段を含むことができる。案内手段は、好ましくは、ダクトと空気入口が形成された本体の外側ケーシングとの間に位置付けられ、本体の空気入口とダクトの空気入口の間に曲がりくねった空気流経路を部分的に形成する。案内手段は、従って、ダクトの空気出口から本体の空気入口へ向けて通るどのようなノイズの直接の経路も阻止するように役立つ。
【0012】
案内手段は、好ましくは、ダクトの周りに延びる環状ノイズ抑制空洞をダクトと共に形成し、従って、第2の態様において、本発明は、空気流れを発生させるための送風機を提供し、この送風機は、空気入口を含む本体と、本体に接続されたノズルとを含み、ノズルは、本体から空気流を受け入れる内部通路と、空気流がそこを通って送風機から放出される少なくとも1つの空気出口とを含み、内部通路は、ノズルの外側の空気が、少なくとも1つの空気出口から放出される空気によって引き込まれる時に通る開口部の周りに延び、本体は、空気入口及び空気出口を有するダクトと、ダクトを通して空気流を引き込むためにダクト内に位置付けられたインペラと、インペラを回転軸線の周りに回転させるモータとを含み、本体は、本体の空気入口からダクトの空気出口まで延びる空気流経路を形成し、本体は、ダクトの周りに延びて空気を本体の空気入口からダクトの空気入口へ案内する環状案内手段を更に含み、案内手段は、ダクトと共に環状ノイズ抑制空洞を形成する。
【0013】
好ましくは、本体を通過する空気流に露出される案内手段の面は、吸音材料で少なくとも部分的に裏打ちされ、送風機から放出される広帯域ノイズのレベルを低下させる。環状ノイズ抑制空洞は、好ましくは、案内手段によって少なくとも部分的に形成される入口を有する。この入口は、好ましくは、環形状である。環状ノイズ抑制空洞の入口は、好ましくは、環状ノイズ抑制空洞の最下端、及び従って空気流経路の曲がりくねった部分が本体の空気入口から離れる方向からダクトの空気入口に向けて延びる方向へ90°よりも大きい角度で曲がる場所に位置付けられる。環状ノイズ抑制空洞の大きさも、ノイズ抑制空洞が送風機の使用中に発生するノイズの特定の波長をターゲットにした共振器として作用し、並びにノイズレベルを低下することができるように、好ましくは、インペラの回転トーンの波長に同調される。
【0014】
案内手段に本体の下面に向けてテーパがつくように、案内手段は、好ましくは、インペラの回転軸線に対して傾斜する。案内手段は、好ましくは、実質的に円錐形の案内部材の形態であり又はこれを含む。案内部材は、好ましくは、本体とダクトの間を延びる環状リブから垂下する。
【0015】
本体の空気入口は、好ましくは、本体の外側ケーシングに形成された開口のアレイを含む。開口のアレイは、案内手段及び/又はダクトの周りに延びる。好ましくは、本体のケーシングの内面は、吸音材料によって少なくとも部分的に裏打ちされる。例えば、吸音材料の環状シートを空気入口の下流に配置することができ、本体の空気入口を通して放出される広帯域ノイズのレベルを低下させる。
【0016】
ダクトの空気入口は、好ましくは、外向きに広がり、空気流をダクト内へ案内し、それによってインペラの上流においてダクト内の渦を最小にする。ダクトは、好ましくは、内壁と、内壁の周りに延びる外壁とを含む。ダクトの内壁は、好ましくは、モータハウジングの少なくとも一部を形成してモータを収容する。好ましくは、ダクトの内壁の一部分は、穿孔されかつ内部が吸音材料で裏打ちされる。内壁の穿孔された部分は、好ましくは、切頭円錐形であり、かつダクトの出口へ向けてテーパがつく。内壁のこの穿孔された部分に隣接するダクトの部分は、好ましくは、ディフューザを収容する。
【0017】
ディフューザは、インペラの回転軸線の周りに配列された複数の湾曲した静止ブレードの形態とされる。各ブレードは、好ましくは、インペラに隣接して位置付けられた前縁と、ダクトの空気出口に隣接して位置付けられた後縁と、内壁の外面に接続されかつその周りに部分的に延びる内側側縁と、内側側縁の反対側に位置付けられかつ外壁に接続された外側側縁とを有する。ディフューザのブレードの内側側縁は、好ましくは、内壁と一体であり、これに対して、ディフューザのブレードの外側側縁は、好ましくは、例えば、接着剤を使用して外壁に接続される。
【0018】
ディフューザを通る滑らかな空気流を発生させ、かつ従ってディフューザを通る空気流の通過によって発生するノイズを最小にするために、インペラの回転軸線と直交して延びる平面とダクトとの交差部から形成されるディフューザを通る空気流経路の断面積の変動は、ディフューザの入口における空気流経路の断面積の好ましくは50%よりも大きくなく、より好ましくは、20%よりも大きくなく、より好ましくは、10%よりも大きくない。従って、第3の態様において、本発明は、空気流れを発生させるための送風機を提供し、この送風機は、空気入口を含む本体と、本体に接続されたノズルとを含み、ノズルは、本体から空気流を受け入れる内部通路と、空気流がそこを通って送風機から放出される少なくとも1つの空気出口とを含み、内部通路は、ノズルの外側の空気が、少なくとも1つの空気出口から放出される空気によって引き込まれる時に通る開口部の周りに延び、本体は、空気入口及び空気出口を有するダクトと、ダクトを通して空気流を引き込むためにダクト内に位置付けられたインペラと、インペラを回転軸線の周りに回転させるモータと、インペラの下流においてダクト内に位置付けられたディフューザとを含み、本体は、本体の空気入口からダクトの空気出口まで延びる空気流経路を形成し、空気流経路のディフューザ部分は、ディフューザの入口からディフューザの出口まで延び、空気流経路のディフューザ部分は、環形状でありかつディフューザの出口端へ向けて収束し、空気流経路のディフューザ部分は、インペラの回転軸線と直交して延びる平面とダクトとの交差部から形成される断面積を有し、ディフューザ部分に沿った空気流経路の断面積の変動は、好ましくは、ディフューザの入口における空気流経路の断面積の20%よりも大きくない。
【0019】
ダクトは、好ましくは、本体内に位置付けられた環状シート上に装着される。本体は、好ましくは、ダクトとシートとに密封係合する環状シールを含む。ダクトとシートの間における環状シートの圧縮は、気密シールを形成し、これは、ケーシングとダクトの間を延びる通路に沿ってダクトの入口へ向けて戻る空気の漏れを防止し、従って、インペラによって発生した加圧空気流を強制的にノズルの内部通路へ通す。環状シールは、好ましくは、10%圧縮時に0.01MPaよりも大きくない応力を示す材料から形成される。環状シールは、好ましくは、発泡環状シールである。発泡材料から形成した環状シールは、エラストマー又はゴム材料とは異なり、環状シールを通じた振動のケーシングへの伝達を低減することができる。好ましい実施形態において、環状シールは、クローズドセル発泡材料から形成することができる。発泡材料は、好ましくは、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン−モノマー)ゴムのような合成ゴムから形成することができる。
【0020】
環状シールに作用する圧縮力は、好ましくは、振動がそこから隔離されるべき面、すなわち、送風機の外側ケーシングの最大剛性の方向に整列する。好ましい実施形態において、この方向は、インペラの回転軸線と平行である。環状シールからケーシングへ振動が半径方向外向きに伝達しないように、環状シールは、好ましくは、ケーシングの内面から離間する。
【0021】
ダクトとシートの間における環状シールのどのような過剰な圧縮も、環状シールを通じたモータハウジングからケーシングへの振動の伝達の望ましくない増加をもたらすので、少なくとも1つの弾性支持体をダクトとシートの間に設けることができ、環状シールに加わる圧縮を低減し、従って、環状シールの変形の広がりを低減する。
【0022】
インペラは、好ましくは、混成流インペラである。インペラは、好ましくは、モータに接続された実質的に円錐形のハブと、ハブに接続された複数のブレードとを含み、各ブレードは、インペラハウジングの空気入口に隣接して位置付けられた前縁と、後縁と、ハブの外面に接続されかつ部分的にその周りに延びる内側側縁と、内側側縁の反対側に位置付けられた外側側縁と、前縁と外側側縁との交差部に位置付けられたブレード先端とを含む。前縁は、好ましくは、ハブに隣接して位置付けられた内側部分と、ブレード先端に隣接して位置付けられた外側部分とを含み、内側部分は、ハブから外側部分まで後方へ弧状に形成され、外側部分は、内側部分
からブレード先端まで前方へ弧状に形成される。各ブレードの前縁におけるブレード先端へ向けたこの局所的な前方への弧状部は、ブレードのハブから先端の負荷のピークを低下させることができ、このピークは、ほぼブレードの前縁又はその近くに位置付けられる。ブレードの前縁におけるブレードからブレードの負荷は、内側側縁の長さが外側側縁のそれに近づくようにブレードの内側側縁の長さを増加することによって低減することができ、それは、前縁の内側部分が、ハブから外側部分まで後方へ弧状に形成されることをもたらす。前縁の内側部分は、好ましくは、凸面であり、これに対して、前縁の外側部分は、好ましくは、凹面である。
【0023】
ダクトの空気出口からノズルへ空気流が通る時の空気流における伝導損失を避けるために、ダクトの空気出口は、好ましくは、ノズルの内部通路内に位置付けられる。従って、第4の態様において、本発明は、空気流れを発生させるための送風機を提供し、この送風機は、空気入口を含む本体と、本体に接続されたノズルとを含み、ノズルは、内部通路と、空気流がそこを通して送風機から放出される少なくとも1つの空気出口とを含み、内部通路は、ノズルの外側の空気が、少なくとも1つの空気出口から放出される空気によって引き込まれる時に通る開口部の周りに延び、本体は、ダクトの空気入口を形成する第1の端部と第1の端部の反対側に位置付けられかつダクトの空気出口を形成する第2の端部とを有するダクトと、ダクト内に位置付けられてダクトを通して空気流を引き込むインペラと、インペラを駆動するためのモータとを含み、ダクトの第2の端部は、本体からノズルの内部通路内へ突出する。
【0024】
ノズルは、内部通路が、第1の部分及び第2の部分を有し、その各々が、本体から内部通路へ入る空気流のそれぞれの部分を受け入れ、かつ空気流のその部分を開口部の周りで角度的反対方向に運ぶように構成されることが好ましい。ダクトの第2の端部の少なくとも一部分が外向きに広がって、空気流のそれぞれの部分を内部通路の部分内へ案内する。従って、第5の態様において、本発明は、空気流れを発生させるための送風機を提供し、この送風機は、空気入口を含む本体と、本体に接続されたノズルとを含み、ノズルは、内部通路と、空気流がそこを通って送風機から放出される少なくとも1つの空気出口とを含み、内部通路は、ノズルの外側の空気が、少なくとも1つの空気出口から放出される空気によって引き込まれる時に通る開口部の周りに延び、内部通路は、第1の部分及び第2の部分を有し、その各々は、本体から内部通路へ入る空気流のそれぞれの部分を受け入れ、かつ空気流のそれらの部分を開口部の周りで角度的反対方向に運び、本体は、ダクトの空気入口を形成する第1の端部と第1の端部の反対側に位置付けられかつダクトの空気出口を形成する第2の端部とを有するダクトと、ダクト内に位置付けられてダクトを通して空気流を引き込むインペラと、インペラを駆動するためのモータとを含み、ダクトの第2の端部の少なくとも一部分は、外向きに広がって空気流の各部分をノズルのそれぞれの部分内へ案内する。
【0025】
ダクトの第2の端部は、好ましくは、第1のフレア部分及び第2のフレア部分を有し、その各々は、空気流の一部分を内部通路のそれぞれの部分内へ案内するように構成される。ノズルは、好ましくは、内部通路及びノズルの空気出口を形成する環状ケーシングを含み、各フレア部分の端部は、好ましくは、ケーシングの隣接部分の曲率とほぼ同じ曲率を有する。各フレア部分の端部とその隣接部分の間の分離は、空気流がノズルの内部通路に入る時に空気流のプロフィールの中断が最小になるように、好ましくは、10mmよりも大きくなく、より好ましくは、5mmよりも大きくない。
【0026】
ノズルは、好ましくは、環状内壁と、内壁の周りに延びる外壁とを含み、内部通路が内壁と外壁の間に位置付けられる。内壁は、ノズルの外側の空気が少なくとも1つの空気出口から放出される空気によってそこを通して引き込まれる開口部を少なくとも部分的に形成する。
【0027】
内壁は、好ましくは、内部通路の各部分が、内部通路と外壁の縦軸線を通って延びかつこれを含む平面との交差部によって形成されかつ開口部の周りで大きさが減少する断面積を有するように外壁に対して偏心している。内部通路の各部分の断面積は、開口部の周りで漸次的に減少し又はテーパをつけることができる。ノズルは、好ましくは、空気入口とノズルの中心とを通る平面に関して実質的に対称であり、従って、内部通路の各部分は、好ましくは、断面積の変動が同じである。例えば、ノズルは、ほぼ円形状、楕円形状、又は「レーストラック」形状を有し、内部通路の各部分は、開口部のそれぞれの側に位置付けられた2つの比較的真っ直ぐな部分を含む。
【0028】
内部通路の各部分の断面積の変動は、好ましくは、断面積の大きさが開口部の周りで減少するようなものである。各部分の断面積は、好ましくは、ダクトから空気流の一部分を受け入れるその部分のこの部分における最大値と、ダクトの直径方向で反対側に位置付けられた最小値とを有する。断面積の変動は、内部通路内の静圧のどのような変動でも最小にすることができるのみならず、内部通路がダクトの広がった端部を収納することを可能にする。
【0029】
少なくとも1つの空気出口は、好ましくは、内壁と外壁の間に位置付けられる。例えば、少なくとも1つの空気出口は、内壁と外壁との重複部分に位置付けることができる。壁のこれらの重複部分は、内壁の内部面の一部と、外壁の外部面の一部とを含むことができる。代わりに、壁のこれらの重複部分は、外壁の内部面の一部と、内壁の外部面の一部とを含むことができる。
【0030】
本発明の第1の態様に関連して上述した特徴は、本発明の第2の態様から第5の態様へ同様に適用することができ、その逆についても同じである。
【0031】
ここで、本発明の好ましい特徴を添付図面を参照して一例として以下に説明する。