特許第5667699号(P5667699)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニサンティス エレクトロニクス シンガポール プライベート リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5667699
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法と半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20150122BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   H01L29/78 301X
【請求項の数】7
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-525062(P2013-525062)
(86)(22)【出願日】2011年12月2日
(86)【国際出願番号】JP2011077959
(87)【国際公開番号】WO2013080378
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2013年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】311014428
【氏名又は名称】ユニサンティス エレクトロニクス シンガポール プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Unisantis Electronics Singapore Pte Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】舛岡 富士雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 広記
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−071235(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/095997(WO,A1)
【文献】 特開2011−100826(JP,A)
【文献】 特開2010−251678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層を形成し、前記第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層はそれぞれの端で接続し閉ループを形成しており、前記第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層の周囲に第一の絶縁膜を形成し、前記第1のフィン状シリコン層の上部に第1の柱状シリコン層を形成し、前記第2のフィン状シリコン層の上部に第2の柱状シリコン層を形成する第1の工程と、前記第1の柱状シリコン層のは前記第1のフィン状シリコン層の幅と同じであって、前記第2の柱状シリコン層のは前記第2のフィン状シリコン層の幅と同じであって、前記第1の工程の後、前記第1の柱状シリコン層上部と前記第1のフィン状シリコン層上部と前記第1の柱状シリコン層下部に不純物を注入し拡散層を形成し、前記第2の柱状シリコン層上部と前記第2のフィン状シリコン層上部と前記第2の柱状シリコン層下部に不純物を注入し拡散層を形成する第2の工程と、前記第2の工程の後、ゲート絶縁膜と第1のポリシリコンゲート電極と第2のポリシリコンゲート電極とポリシリコンゲート配線を作成する第3の工程と、前記ゲート絶縁膜は前記第1の柱状シリコン層と前記第2の柱状シリコン層の周囲と上部を覆い、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極はゲート絶縁膜を覆い、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線形成後のポリシリコンの上面は、前記第1の柱状シリコン層上部の前記拡散層の上の前記ゲート絶縁膜と前記第2の柱状シリコン層上部の前記拡散層の上の前記ゲート絶縁膜より高い位置であって、前記第3の工程の後、前記第1のフィン状シリコン層上部の前記拡散層上部と前記第2のフィン状シリコン層上部の前記拡散層上部とにシリサイドを形成する第4の工程と、前記第4の工程の後、層間絶縁膜を堆積し、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線を露出し、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線をエッチング後、金属を堆積し、第1の金属ゲート電極と第2の金属ゲート電極と金属ゲート配線とを形成する第5の工程と、前記第1の金属ゲート電極と第2の金属ゲート電極に接続された前記第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層に直交する方向に延在する金属ゲート配線であって、前記第5の工程の後、コンタクトを形成する第6の工程と、前記第1の柱状シリコン層上部の前記拡散層と前記コンタクトとは直接接続するのであって、前記第2の柱状シリコン層上部の前記拡散層と前記コンタクトとは直接接続するのであって、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の工程であって、基板上にダミーパターンを形成するために第2の酸化膜を堆積し、ダミーパターンを形成するための第1のレジストを形成し、前記第2の酸化膜をエッチングし、ダミーパターンを形成し、前記第1のレジストを除去し、第1の窒化膜を堆積し、前記第1の窒化膜をエッチングし、サイドウォール状に残存させ、前記ダミーパターンの周りに第1の窒化膜サイドウォールを形成し、前記ダミーパターンを除去し、前記第1の窒化膜サイドウォールをマスクとして前記基板をエッチングし、それぞれの端で接続し閉ループが形成された第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層を形成し、前記第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層の周囲に第一の絶縁膜を形成し、前記第1の窒化膜サイドウォールを除去し、前記第一の絶縁膜をエッチバックし、前記第1のフィン状シリコン層の上部と前記第2のフィン状シリコン層の上部を露出し、前記第1のフィン状シリコン層と前記第2のフィン状シリコンに直交するように第2のレジストを形成し、前記第1のフィン状シリコン層と前記第2のフィン状シリコン層とをエッチングし、前記第2のレジストを除去することにより、前記第1のフィン状シリコン層と前記第2のレジストとが直交する部分が第1の柱状シリコン層となるよう前記第1の柱状シリコン層を形成し、前記第2のフィン状シリコン層と前記第2のレジストとが直交する部分が前記第2の柱状シリコン層となるよう第2の柱状シリコン層を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の工程後、前記第2の工程であって、第1の工程後の構造全体に第3の酸化膜を堆積し、第2の窒化膜を形成し、前記第2の窒化膜をエッチングし、サイドウォール状に残存させ、不純物を注入し、第1の柱状シリコン層上部と、第1のフィン状シリコン層上部と、第2の柱状シリコン層上部と、第2のフィン状シリコン層上部に拡散層を形成し、前記第2の窒化膜と前記第3の酸化膜を除去し、熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第2の工程の後、前記第3の工程であって、シリコン柱を取り囲むようにゲート絶縁膜を形成し、ポリシリコンを堆積し、平坦化後の前記ポリシリコンの上面が前記第1の柱状シリコン層上部の拡散層の上の前記ゲート絶縁膜より高く、前記第2の柱状シリコン層上部の拡散層の上の前記ゲート絶縁膜より高い位置となるよう平坦化をし、第3の窒化膜を堆積し、第1のポリシリコンゲート電極と第2のポリシリコンゲート電極及びポリシリコンゲート配線を形成するための第3のレジストを形成し、前記第3の窒化膜をエッチングし、前記ポリシリコンをエッチングし、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線を形成し、前記ゲート絶縁膜をエッチングし、前記第3のレジストを除去することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第3の工程の後の構造全体に、第4の窒化膜を堆積し、前記第4の窒化膜をエッチングし、サイドウォール状に残存させ、金属を堆積し、シリサイドを第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層の上部の拡散層の上部に形成することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第4の工程の後の構造全体に、第5の窒化膜を堆積し、層間絶縁膜を堆積し、化学機械研磨により平坦化し、化学機械研磨により第1のポリシリコンゲート電極と第2のポリシリコンゲート電極及びポリシリコンゲート配線を露出し、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線をエッチングし、金属を堆積し、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線があった部分に前記金属を埋めこみ、前記金属をエッチングし、第1の柱状シリコン層上部の拡散層上のゲート絶縁膜と、第2の柱状シリコン層上部の拡散層上のゲート絶縁膜とを露出し、第1の金属ゲート電極、第2の金属ゲート電極、金属ゲート配線を形成することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
基板上に形成された第1のフィン状半導体層と、基板上に形成された、前記第1のフィン状半導体層と共にそれぞれの端で接続し閉ループを形成する第2のフィン状半導体層と、前記第1のフィン状半導体層と前記第2のフィン状半導体層との周囲に形成された第1の絶縁膜と、前記第1のフィン状半導体層上に形成された、前記第1のフィン状半導体層の幅と同じ幅を有する第1の柱状半導体層と、前記第2のフィン状半導体層上に形成された、前記第2のフィン状半導体層の幅と同じ幅を有する第2の柱状半導体層と、前記第1のフィン状半導体層上部と前記第1の柱状半導体層の下部に形成された拡散層と、前記第1の柱状半導体層の上部に形成された拡散層と、前記第2のフィン状半導体層の上部と前記第2の柱状半導体層の下部に形成された拡散層と、前記第2の柱状半導体層の上部に形成された拡散層と、前記第1のフィン状半導体層の上部と前記第2のフィン状半導体層の上部の拡散層の上部に形成されたシリサイドと、前記第1の柱状半導体層の周囲に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の周囲に形成された第1の金属ゲート電極と、前記第2の柱状半導体層の周囲に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の周囲に形成された第2の金属ゲート電極と、前記第1の金属ゲート電極と前記第2の金属ゲート電極に接続された前記第1のフィン状半導体層と前記第2のフィン状半導体層に直交する方向に延在する金属ゲート配線と、前記第1の柱状半導体層上部に形成された拡散層上に形成されたコンタクトと、前記第2の柱状半導体層上部に形成された拡散層上に形成されたコンタクトと、を有し、前記第1の柱状半導体層上部に形成された拡散層と前記コンタクトとは直接接続し、前記第2の柱状半導体層上部に形成された拡散層と前記コンタクトとは直接接続することを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路、なかでもMOSトランジスタを用いた集積回路は、高集積化の一途を辿っている。この高集積化に伴って、その中で用いられているMOSトランジスタはナノ領域まで微細化が進んでいる。MOSトランジスタの微細化が進むと、リーク電流の抑制が困難であり、必要な電流量確保の要請から回路の占有面積をなかなか小さくできない、といった問題があった。この様な問題を解決するために、基板に対してソース、ゲート、ドレインが垂直方向に配置され、ゲートが柱状半導体層を取り囲む構造のSurrounding Gate Transistor(SGT)が提案された(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0003】
ゲート電極にポリシリコンではなくメタルを用いることにより、空乏化を抑制できかつ、ゲート電極を低抵抗化できる。しかし、メタルゲートを形成した後工程は常にメタルゲートによるメタル汚染を考慮した製造工程にする必要がある。
【0004】
また、従来のMOSトランジスタにおいて、メタルゲートプロセスと高温プロセスを両立させるために、高温プロセス後にメタルゲートを作成するメタルゲートラストプロセスが実際の製品で用いられている(非特許文献1)。ポリシリコンでゲートを作成し、その後、層間絶縁膜を堆積後、化学機械研磨によりポリシリコンゲートを露出し、ポリシリコンゲートをエッチング後、メタルを堆積している。そのためSGTにおいてもメタルゲートプロセスと高温プロセスを両立させるために、高温プロセス後にメタルゲートを作成するメタルゲートラストプロセスを用いる必要がある。SGTでは、柱状シリコン層がゲートより高い位置にあるため、メタルゲートラストプロセスを用いるための工夫が必要である。
【0005】
また、ゲート配線と基板間の寄生容量を低減するために、従来のMOSトランジスタでは、第1の絶縁膜を用いている。例えばFINFET(非特許文献2)では、1つのフィン状半導体層の周囲に第1の絶縁膜を形成し、第1の絶縁膜をエッチバックし、フィン状半導体層を露出し、ゲート配線と基板間の寄生容量を低減している。そのためSGTにおいてもゲート配線と基板間の寄生容量を低減するために第1の絶縁膜を用いる必要がある。SGTではフィン状半導体層に加えて、柱状半導体層があるため、柱状半導体層を形成するための工夫が必要である。
【0006】
一方で、一つのダミーパターンから2個のトランジスタを形成するFINFETが知られている(例えば特許文献4)。ダミーパターンの周りに側壁を形成し、その側壁をマスクとして基板をエッチングすることで、フィンを形成し、一つのダミーパターンから2個のトランジスタを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−71556号公報
【特許文献2】特開平2−188966号公報
【特許文献3】特開平3−145761号公報
【特許文献4】特開2011−71235号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】IEDM2007 K.Mistry et.al, pp 247-250
【非特許文献2】IEDM2010 CC.Wu, et. al, 27.1.1-27.1.4.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、ゲート配線と基板間の寄生容量を低減し、ゲートラストプロセスであり、一つのダミーパターンから2個のトランジスタを形成するSGTの製造方法とその結果であるSGTの構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の半導体装置の製造方法は、
基板上に第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層を形成し、前記第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層はそれぞれの端で接続し閉ループを形成しており、前記第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層の周囲に第一の絶縁膜を形成し、前記第1のフィン状シリコン層の上部に第1の柱状シリコン層を形成し、前記第2のフィン状シリコン層の上部に第2の柱状シリコン層を形成する第1の工程と、前記第1の柱状シリコン層のは前記第1のフィン状シリコン層の幅と同じであって、前記第2の柱状シリコン層のは前記第2のフィン状シリコン層の幅と同じであって、前記第1の工程の後、前記第1の柱状シリコン層上部と前記第1のフィン状シリコン層上部と前記第1の柱状シリコン層下部に不純物を注入し拡散層を形成し、前記第2の柱状シリコン層上部と前記第2のフィン状シリコン層上部と前記第2の柱状シリコン層下部に不純物を注入し拡散層を形成する第2の工程と、前記第2の工程の後、ゲート絶縁膜と第1のポリシリコンゲート電極と第2のポリシリコンゲート電極とポリシリコンゲート配線を作成する第3の工程と、前記ゲート絶縁膜は前記第1の柱状シリコン層と前記第2の柱状シリコン層の周囲と上部を覆い、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極はゲート絶縁膜を覆い、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線形成後のポリシリコンの上面は、前記第1の柱状シリコン層上部の前記拡散層の上の前記ゲート絶縁膜と前記第2の柱状シリコン層上部の前記拡散層の上の前記ゲート絶縁膜より高い位置であって、前記第3の工程の後、前記第1のフィン状シリコン層上部の前記拡散層上部と前記第2のフィン状シリコン層上部の前記拡散層上部とにシリサイドを形成する第4の工程と、前記第4の工程の後、層間絶縁膜を堆積し、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線を露出し、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線をエッチング後、金属を堆積し、第1の金属ゲート電極と第2の金属ゲート電極と金属ゲート配線とを形成する第5の工程と、前記第1の金属ゲート電極と第2の金属ゲート電極に接続された前記第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層に直交する方向に延在する金属ゲート配線であって、前記第5の工程の後、コンタクトを形成する第6の工程と、前記第1の柱状シリコン層上部の前記拡散層と前記コンタクトとは直接接続するのであって、前記第2の柱状シリコン層上部の前記拡散層と前記コンタクトとは直接接続するのであって、を有することを特徴とする。
【0011】
また、前記第1の工程であって、基板上にダミーパターンを形成するために第2の酸化膜を堆積し、ダミーパターンを形成するための第1のレジストを形成し、前記第2の酸化膜をエッチングし、ダミーパターンを形成し、前記第1のレジストを除去し、第1の窒化膜を堆積し、前記第1の窒化膜をエッチングし、サイドウォール状に残存させ、前記ダミーパターンの周りに第1の窒化膜サイドウォールを形成し、前記ダミーパターンを除去し、前記第1の窒化膜サイドウォールをマスクとして前記基板をエッチングし、それぞれの端で接続し閉ループが形成された第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層を形成し、前記第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層の周囲に第一の絶縁膜を形成し、前記第1の窒化膜サイドウォールを除去し、前記第1の絶縁膜をエッチバックし、前記第1のフィン状シリコン層の上部と前記第2のフィン状シリコン層の上部を露出し、前記第1のフィン状シリコン層と前記第2のフィン状シリコンに直交するように第2のレジストを形成し、前記第1のフィン状シリコン層と前記第2のフィン状シリコン層とをエッチングし、前記第2のレジストを除去することにより、前記第1のフィン状シリコン層と前記第2のレジストとが直交する部分が第1の柱状シリコン層となるよう前記第1の柱状シリコン層を形成し、前記第2のフィン状シリコン層と前記第2のレジストとが直交する部分が前記第2の柱状シリコン層となるよう第2の柱状シリコン層を形成することを特徴とする。
【0012】
また、前記第1の工程後、前記第2の工程であって、第1の工程後の構造全体に第3の酸化膜を堆積し、第2の窒化膜を形成し、前記第2の窒化膜をエッチングし、サイドウォール状に残存させ、不純物を注入し、第1の柱状シリコン層上部と、第1のフィン状シリコン層上部と、第2の柱状シリコン層上部と、第2のフィン状シリコン層上部に拡散層を形成し、前記第2の窒化膜と前記第3の酸化膜を除去し、熱処理を行うことを特徴とする。
【0013】
前記第2の工程の後、前記第3の工程であって、シリコン柱を取り囲むようにゲート絶縁膜を形成し、ポリシリコンを堆積し、平坦化後の前記ポリシリコンの上面が前記第1の柱状シリコン層上部の拡散層の上の前記ゲート絶縁膜より高く、前記第2の柱状シリコン層上部の拡散層の上の前記ゲート絶縁膜より高い位置となるよう平坦化をし、第3の窒化膜を堆積し、第1のポリシリコンゲート電極と第2のポリシリコンゲート電極及びポリシリコンゲート配線を形成するための第3のレジストを形成し、前記第3の窒化膜をエッチングし、前記ポリシリコンをエッチングし、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線を形成し、前記ゲート絶縁膜をエッチングし、前記第3のレジストを除去することを特徴とする。
【0014】
また、前記第3の工程の後の構造全体に、第4の窒化膜を堆積し、前記第4の窒化膜をエッチングし、サイドウォール状に残存させ、金属を堆積し、シリサイドを第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層の上部の拡散層の上部に形成することを特徴とする。
【0015】
また、前記第4の工程の後の構造全体に、第5の窒化膜を堆積し、層間絶縁膜を堆積し、化学機械研磨により平坦化し、化学機械研磨により第1のポリシリコンゲート電極と第2のポリシリコンゲート電極及びポリシリコンゲート配線を露出し、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線をエッチングし、金属を堆積し、前記第1のポリシリコンゲート電極と前記第2のポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線があった部分に前記金属を埋めこみ、前記金属をエッチングし、第1の柱状シリコン層上部の拡散層上のゲート絶縁膜と、第2の柱状シリコン層上部の拡散層上のゲート絶縁膜とを露出し、第1の金属ゲート電極、第2の金属ゲート電極、金属ゲート配線を形成することを特徴とする。
【0016】
また、基板上に形成された第1のフィン状半導体層と、基板上に形成された、前記第1のフィン状半導体層と共にそれぞれの端で接続し閉ループを形成する第2のフィン状半導体層と、前記第1のフィン状半導体層と前記第2のフィン状半導体層との周囲に形成された第1の絶縁膜と、前記第1のフィン状半導体層上に形成された、前記第1のフィン状半導体層の幅と同じ幅を有する第1の半導体層と、前記第2のフィン状半導体層上に形成された、前記第2のフィン状半導体層の幅と同じ幅を有する第2の半導体層と、前記第1のフィン状半導体層上部と前記第1の柱状半導体層の下部に形成された拡散層と、前記第1の柱状半導体層の上部に形成された拡散層と、前記第2のフィン状半導体層の上部と前記第2の柱状半導体層の下部に形成された拡散層と、前記第2の柱状半導体層の上部に形成された拡散層と、前記第1のフィン状半導体層の上部と前記第2のフィン状半導体層の上部の拡散層の上部に形成されたシリサイドと、前記第1の柱状半導体層の周囲に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の周囲に形成された第1の金属ゲート電極と、前記第2の柱状半導体層の周囲に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の周囲に形成された第2の金属ゲート電極と、前記第1の金属ゲート電極と前記第2の金属ゲート電極に接続された前記第1のフィン状半導体層と前記第2のフィン状半導体層に直交する方向に延在する金属ゲート配線と、前記第1の柱状半導体層上部に形成された拡散層上に形成されたコンタクトと、前記第2の柱状半導体層上部に形成された拡散層上に形成されたコンタクトと、を有し、前記第1の柱状半導体層上部に形成された拡散層と前記コンタクトとは直接接続し、前記第2の柱状半導体層上部に形成された拡散層と前記コンタクトとは直接接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ゲート配線と基板間の寄生容量を低減し、ゲートラストプロセスであり、一つのダミーパターンから2個のトランジスタを形成するSGTの製造方法とその結果であるSGTの構造を提供することができる。
ダミーパターンの周りに側壁を形成し、その側壁をマスクとして基板をエッチングすることで、フィンを形成し、一つのダミーパターンから2個のトランジスタを形成するという従来のFINFETの製造方法を元にしたため、一つのダミーパターンから2個のSGTを容易に形成できる。
加えて、従来は柱状シリコン層上部にシリサイドを形成していたが、ポリシリコンの堆積温度がシリサイドを形成するための温度より高いので、シリサイドはポリシリコンゲート形成後に形成しなければならないため、シリコン柱上部にシリサイドを形成しようとすると、ポリシリコンゲート形成後に、ポリシリコンゲート電極の上部に穴を開け、穴の側壁に絶縁膜のサイドウォールを形成した後、シリサイドを形成し、開けた穴に絶縁膜を埋めるという製造工程数の増加という欠点があったので、ポリシリコンゲート電極とポリシリコンゲート配線形成前に拡散層を形成し、柱状シリコン層をポリシリコンゲート電極で覆い、シリサイドをフィン状シリコン層上部にのみ形成することにより、ポリシリコンでゲートを作成し、その後、層間絶縁膜を堆積後、化学機械研磨によりポリシリコンゲートを露出し、ポリシリコンゲートをエッチング後、金属を堆積する従来のメタルゲートラストの製造方法を用いることができるため、メタルゲートSGTを容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)は本発明に係る半導体装置の平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図2】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図3】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図4】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図5】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図6】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図7】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図8】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図9】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図10】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図11】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図12】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図13】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図14】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図15】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図16】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図17】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図18】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図19】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図20】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図21】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図22】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図23】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図24】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図25】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図26】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図27】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図28】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図29】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図30】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図31】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図32】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図33】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図34】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図35】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図36】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図37】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図38】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図39】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図40】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図41】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図42】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図43】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図44】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図45】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図46】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図47】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態に係るSGTの構造を形成するための製造工程を、図2図47を参照して説明する。
【0020】
基板上に第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層を形成し、前記第1のフィン状シリコン層と第2のフィン状シリコン層の周囲に第一の絶縁膜を形成し、前記第1のフィン状シリコン層の上部に第1の柱状シリコン層を形成し、前記第2のフィン状シリコン層の上部に第2の柱状シリコン層を形成する製造方法を示す。図2に示すように、シリコン基板101上にダミーパターンを形成するために第2の酸化膜102を堆積する。窒化膜や、酸化膜とポリシリコンといった積層膜でもよい。
【0021】
図3に示すように、ダミーパターンを形成するための第1のレジスト103を形成する。
【0022】
図4に示すように、第2の酸化膜102をエッチングし、ダミーパターン102を形成する。
【0023】
図5に示すように、第1のレジスト103を除去する。
【0024】
図6に示すように、第1の窒化膜104を堆積する。
【0025】
図7に示すように、第1の窒化膜104をエッチングし、サイドウォール状に残存させる。ダミーパターン102の周りに第1の窒化膜サイドウォール104が形成された。この形成された第1の窒化膜サイドウォール104を用いてシリコンをエッチングすることにより、それぞれの端で接続し閉ループが形成された第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106が形成されることとなる。
【0026】
図8に示すように、ダミーパターン102を除去する。
【0027】
図9に示すように、第1の窒化膜サイドウォール104をマスクとしてシリコン基板101をエッチングし、それぞれの端で接続し閉ループが形成された第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106を形成する。
【0028】
図10に示すように、前記第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106の周囲に第一の絶縁膜107を形成する。
第1の絶縁膜として高密度プラズマによる酸化膜や低圧化学気相堆積による酸化膜を用いてもよい。
【0029】
図11に示すように、第1の窒化膜サイドウォール104を除去する。シリコンエッチング中や酸化膜堆積中に、第1の窒化膜サイドウォール104が除去された場合、この工程は不要である。
【0030】
図12に示すように、第1の絶縁膜107をエッチバックし、第1のフィン状シリコン層105の上部と第2のフィン状シリコン層106の上部を露出する。
【0031】
図13に示すように、第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン106に直交するように第2のレジスト108を形成する。第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106と第2のレジスト108とが直交する部分が柱状シリコン層となる部分である。ライン状のレジストを用いることができるため、パターン後にレジストが倒れる可能性が低く、安定したプロセスとなる。
【0032】
図14に示すように、第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106とをエッチングする。第1のフィン状シリコン層105と第2のレジスト108とが直交する部分が第1の柱状シリコン層109となる。第2のフィン状シリコン層106と第2のレジスト108とが直交する部分が第2の柱状シリコン層110となる。従って、第1の柱状シリコン層109の直径は、第1のフィン状シリコン層105の幅と同じとなる。第2の柱状シリコン層110の直径は、第2のフィン状シリコン層106の幅と同じとなる。
【0033】
第1のフィン状シリコン層105の上部に第1の柱状シリコン層109が形成され、第2のフィン状シリコン層106の上部に第2の柱状シリコン層110が形成され、第1のフィン状シリコン層105、第2のフィン状シリコン層106の周囲には第1の絶縁膜107が形成された構造となる。
【0034】
図15に示すように、第2のレジスト108を除去する。
【0035】
次に、ゲートラストとするために、第1の柱状シリコン層109上部と第1のフィン状シリコン層105上部と第1の柱状シリコン層109下部に不純物を注入し拡散層を形成し、第2の柱状シリコン層110上部と第2のフィン状シリコン層106上部と第2の柱状シリコン層110下部に不純物を注入し拡散層を形成する製造方法を示す。
図16に示すように、第3の酸化膜111を堆積し、第2の窒化膜112を形成する。後に、柱状シリコン層上部は、ゲート絶縁膜及びポリシリコンゲート電極に覆われることとなるので、覆われる前に、柱状シリコン層上部に拡散層を形成する。
【0036】
図17に示すように第2の窒化膜112をエッチングし、サイドウォール状に残存させる。
【0037】
図18に示すように砒素やリンやボロンといった不純物を注入し、第1の柱状シリコン層109上部に拡散層113、第1のフィン状シリコン層105上部に拡散層115、116、第2の柱状シリコン層110上部に拡散層114、第2のフィン状シリコン層106上部に拡散層115、116、を形成する。
【0038】
図19に示すように第2の窒化膜112と第3の酸化膜111を除去する。
【0039】
図20に示すように熱処理を行う。第1のフィン状シリコン層105上部と第2のフィン状シリコン層106上部の拡散層115、116は接触し拡散層117となる。以上よりゲートラストとするために、第1の柱状シリコン層109上部と第1のフィン状シリコン層105上部と第1の柱状シリコン層109下部に不純物を注入し拡散層113、117が形成され、第2の柱状シリコン層110上部と第2のフィン状シリコン層106上部と第2の柱状シリコン層110下部に不純物を注入し拡散層114、117が形成された。
【0040】
次に、ゲートラストとするために、ポリシリコンで第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cを作成する製造方法を示す。ゲートラストとするために層間絶縁膜を堆積後、化学機械研磨によりポリシリコンゲート電極及びポリシリコンゲート配線を露出するのであるから、化学機械研磨により柱状シリコン層上部が露出しないようにする必要がある。
【0041】
図21に示すように、ゲート絶縁膜118を形成し、ポリシリコン119を堆積し、平坦化する。平坦化後のポリシリコン119の上面は、第1の柱状シリコン層109上部の拡散層113の上のゲート絶縁膜118より高く、第2の柱状シリコン層110上部の拡散層114の上のゲート絶縁膜118より高い位置とする。これにより、ゲートラストとするために層間絶縁膜を堆積後、化学機械研磨によりポリシリコンゲート電極及びポリシリコンゲート配線を露出したとき、化学機械研磨により柱状シリコン層上部が露出しないようになる。
【0042】
また、第3の窒化膜120を堆積する。この第3の窒化膜120は、シリサイドを第1のフィン状シリコン層105上部と第2のフィン状シリコン層106上部に形成するとき、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119c上部にシリサイドが形成されることを阻害する膜である。
【0043】
図22に示すように、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cを形成するための第3のレジスト121を形成する。第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106とに対してゲート配線となる部分が直交することが望ましい。ゲート配線と基板間の寄生容量が低減するためである。
【0044】
図23に示すように、第3の窒化膜120をエッチングし、ポリシリコン119をエッチングし、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cを形成する。
【0045】
図24に示すように、ゲート絶縁膜118をエッチングする。
【0046】
図25に示すように、第3のレジスト121を除去する。
以上によりゲートラストとするために、ポリシリコンで第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cを形成する製造方法が示された。第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119c形成後のポリシリコンの上面は、第1の柱状シリコン層109上部の拡散層113の上のゲート絶縁膜118より高く、第2の柱状シリコン層110上部の拡散層114の上のゲート絶縁膜118より高い位置となっている。
【0047】
次に、第1のフィン状シリコン層105上部の拡散層117上部と第2のフィン状シリコン層106上部の拡散層117上部とにシリサイドを形成する製造方法を示す。
第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119c上部と第1の柱状シリコン層109上部の拡散層113と第2の柱状シリコン層110上部の拡散層114には、シリサイドを形成しないことが特徴である。第1の柱状シリコン層109上部の拡散層113と第2の柱状シリコン層110上部の拡散層114にシリサイドを形成しようとすると、製造工程が増大する。
図26に示すように、第4の窒化膜122を堆積する。
【0048】
図27に示すように、第4の窒化膜122をエッチングし、サイドウォール状に残存させる。
【0049】
図28に示すように、ニッケル、コバルトといった金属を堆積し、シリサイド123を第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106の上部の拡散層117の上部に形成する。このとき、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cは、第4の窒化膜122、第3の窒化膜120に覆われ、第1の柱状シリコン層109上の拡散層113と第2の柱状シリコン層110上の拡散層114とは、ゲート絶縁膜118と第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cに覆われているので、シリサイドが形成されない。
以上により第1のフィン状シリコン層105上部の拡散層117上部と第2のフィン状シリコン層106上部の拡散層117上部とにシリサイドを形成する製造方法が示された。
【0050】
次に、層間絶縁膜125を堆積し、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cを露出し、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cをエッチング後、金属126を堆積し、第1の金属ゲート電極126bと第2の金属ゲート電極126aと金属ゲート配線126cとを形成するゲートラストの製造方法を示す。
図29に示すように、シリサイド123を保護するために、第5の窒化膜124を堆積する。
【0051】
図30に示すように、層間絶縁膜125を堆積し、化学機械研磨により平坦化する。
【0052】
図31に示すように、化学機械研磨により第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cを露出する。
【0053】
図32に示すように、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cをエッチングする。ウエットエッチングが望ましい。
【0054】
図33に示すように金属126を堆積し、平坦化し、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cがあった部分に金属126を埋めこむ。原子層堆積を用いることが好ましい。
【0055】
図34に示すように、金属126をエッチングし、第1の柱状シリコン層109上部の拡散層113上のゲート絶縁膜118と、第2の柱状シリコン層110上部の拡散層114上のゲート絶縁膜118と、を露出する。第1の金属ゲート電極126b、第2の金属ゲート電極126a、金属ゲート配線126cが形成される。
【0056】
層間絶縁膜125を堆積し、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cを露出し、第1のポリシリコンゲート電極119bと第2のポリシリコンゲート電極119a及びポリシリコンゲート配線119cをエッチング後、金属126を堆積し、第1の金属ゲート電極126bと第2の金属ゲート電極126aと金属ゲート配線126cとを形成するゲートラストの製造方法が示された。
【0057】
次に、コンタクトを形成するための製造方法を示す。第1の柱状シリコン層109上部の拡散層113と第2の柱状シリコン層110上部の拡散層114とにシリサイドを形成しないため、コンタクトと第1の柱状シリコン層109上部の拡散層113とが直接接続され、コンタクトと第2の柱状シリコン層110上部の拡散層114とが直接接続されることとなる。
図35に示すように、層間絶縁膜127を堆積し、平坦化する。
【0058】
図36に示すように、第1の柱状シリコン層109上部と第2の柱状シリコン層110上部にコンタクト孔を形成するための第4のレジスト128を形成する。
【0059】
図37に示すように、層間絶縁膜127をエッチングし、コンタクト孔129を形成する。
【0060】
図38に示すように、第4のレジスト128を除去する。
【0061】
図39に示すように、金属ゲート配線126c上、第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106上にコンタクト孔を形成するための第5のレジスト130を形成する。
【0062】
図40に示すように、層間絶縁膜127、125をエッチングし、コンタクト孔131、132を形成する。
【0063】
図41に示すように、第5のレジスト130を除去する。
【0064】
図42に示すように、第5の窒化膜124とゲート絶縁膜118をエッチングし、シリサイド123と拡散層113、114とを露出する。
【0065】
図43に示すように、金属を堆積し、コンタクト133、134、135を形成する。 以上によりコンタクトを形成するための製造方法が示された。第1の柱状シリコン層109上部の拡散層113と第2の柱状シリコン層110上部の拡散層114にシリサイドを形成しないため、コンタクト134と第1の柱状シリコン層109上部の拡散層113とが直接接続され、コンタクト134と第2の柱状シリコン層110上部の拡散層114とが直接接続されることとなる。
【0066】
次に、金属配線層を形成するための製造方法を示す。
図44に示すように、金属136を堆積する。
【0067】
図45に示すように、金属配線を形成するための第6のレジスト137、138、139を形成する。
【0068】
図46に示すように、金属136をエッチングし、金属配線140、141、142を形成する。
【0069】
図47に示すように、第6のレジスト137、138、139を除去する。
以上により金属配線層を形成するための製造方法が示された。
【0070】
上記製造方法の結果を図1に示す。
基板101上に形成された第1のフィン状シリコン層105と、基板101上に形成された第2のフィン状シリコン層106と、前記第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106はそれぞれの端で接続し閉ループを形成しており、第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106との周囲に形成された第1の絶縁膜107と、第1のフィン状シリコン層105上に形成された第1の柱状シリコン層109と、第2のフィン状シリコン層106上に形成された第2の柱状シリコン層110と、第1の柱状シリコン層109のは第1のフィン状シリコン層105の幅と同じであって、第2の柱状シリコン層110のは第2のフィン状シリコン層106の幅と同じであって、第1のフィン状シリコン層105の上部と第1の柱状シリコン層109の下部に形成された拡散層117と、第1の柱状シリコン層109の上部に形成された拡散層113と、第2のフィン状シリコン層106の上部と第2の柱状シリコン層110の下部に形成された拡散層117と、第2の柱状シリコン層110の上部に形成された拡散層114と、第1のフィン状シリコン層105の上部と第2のフィン状シリコン層106の上部の拡散層117の上部に形成されたシリサイド123と、第1の柱状シリコン層109の周囲に形成されたゲート絶縁膜118と、ゲート絶縁膜118の周囲に形成された第1の金属ゲート電極126bと、第2の柱状シリコン層110の周囲に形成されたゲート絶縁膜118と、ゲート絶縁膜118の周囲に形成された第2の金属ゲート電極126aと、第1の金属ゲート電極126bと第2の金属ゲート電極126aに接続された第1のフィン状シリコン層105と第2のフィン状シリコン層106に直交する方向に延在する金属ゲート配線126cと、第1の柱状シリコン層109上部に形成された拡散層113上に形成されたコンタクト134と、第2の柱状シリコン層110上部に形成された拡散層114上に形成されたコンタクト134と、を有し、第1の柱状シリコン層109上部に形成された拡散層113とコンタクト134とは直接接続し、第2の柱状シリコン層110上部に形成された拡散層114とコンタクト134とは直接接続する構造となる。
以上から、ゲート配線と基板間の寄生容量を低減し、ゲートラストプロセスであり、一つのダミーパターンから2個のトランジスタを形成するSGTの製造方法とその結果であるSGTの構造が提供されうる。
【符号の説明】
【0071】
101.シリコン基板
102.第2の酸化膜、ダミーパターン
103.第1のレジスト
104.第1の窒化膜、第1の窒化膜サイドウォール
105.第1のフィン状シリコン層
106.第2のフィン状シリコン層
107.第一の絶縁膜
108.第2のレジスト
109.第1の柱状シリコン層
110.第2の柱状シリコン層
111.第3の酸化膜
112.第2の窒化膜
113.拡散層
114.拡散層
115.拡散層
116.拡散層
117.拡散層
118.ゲート絶縁膜
119.ポリシリコン
119a.第2のポリシリコンゲート電極
119b.第1のポリシリコンゲート電極
119c.ポリシリコンゲート配線
120.第3の窒化膜
121.第3のレジスト
122.第4の窒化膜
123.シリサイド
124.第5の窒化膜
125.層間絶縁膜
126.金属
126a.第2の金属ゲート電極
126b.第1の金属ゲート電極
126c.金属ゲート配線
127.層間絶縁膜
128.第4のレジスト
129.コンタクト孔
130.第5のレジスト
131.コンタクト孔
132.コンタクト孔
133.コンタクト
134.コンタクト
135.コンタクト
136.金属
137.第6のレジスト
138.第6のレジスト
139.第6のレジスト
140.金属配線
141.金属配線
142.金属配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47