(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の記録データと前記第2の記録データのうち、少なくとも一方の記録データは、前記記録媒体上の異なる位置に記録すべき異なる複数の画像の記録データを含み、前記制御手段は、前記複数の画像の中から前記記録媒体の中に記録可能な1つ以上の画像を選択し、当該選択した画像の記録データのみに基いて記録を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
前記制御手段は、前記第1の記録データと前記第2の記録データとに優先順位をつけ、前記オーバーラップ領域が存在する場合には、前記第1の記録データと前記第2の記録データのうち、優先順位の高い方の記録データに基づいて、前記オーバーラップ領域に記録を行うことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
前記第1の記録データ及び第2の記録データは、前記記録媒体の先端もしくは後端の何れを基準位置にするかの基準位置指定情報を含むことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の記録装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施する最良の形態について詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
本実施形態で使用する、インクジェット方式のライン記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」と称す)を使用したカード記録装置(以下、「記録装置」と称す)と、これに接続したパーソナルコンピュータ(以下「PC」)とを、
図5に示す。
【0019】
PCはPC制御装置(0502)と、表示部(以下「CRT」)(0503)と、キーボード入力部(0504)と、マウス入力部(0505)とにより構成されている。記録装置(0500)とPC制御装置(0502)とはプリンタケーブル(0501)で接続されている。記録装置(0500)はPC制御装置(0502)よりプリンタケーブル(0501)を介して各種制御コマンドを受信し処理を行う。
【0020】
本実施形態で使用するPC制御装置(0502)のブロック図を
図6に示す。
PC制御装置(0502)には、キーボードインタフェース(0602)を介して入力手段であるキーボード(0504)が接続され、マウスインタフェース(0603)を介してマウス(0505)が接続されている。さらに、CRT(0503)はビデオコントローラ(0601)を介してPC制御部に接続されている。
【0021】
PC制御装置(0502)は、MPU(0600)がハードディスク(0606)上の記録データ作成アプリケーションソフトをRAM(0605)で実行することにより記録データを作成する処理や、記録データを制御コマンドに変換しプリンタインタフェース(0604)を介してプリンタケーブル(0501)に出力する処理等を実行する。
【0022】
本実施形態で使用するPC制御装置(0502)が実行するアプリケーションソフトをCRT(0503)に表示する記録データレイアウト作成画面(0700)を
図7に示す。
【0023】
ユーザがキーボード(0504)やマウス(0505)を操作してハードディスク(0606)上の記録データアプリケーションソフトの起動操作を行うことで、PC制御装置(0502)のMPU(0600)はハードディスク(0606)上の記録データ作成アプリケーションソフトをRAM(0605)で実行し、アプリケーションソフトは記録データレイアウト作成画面(0700)をCRT(0503)に表示させる。ユーザは記録データレイアウト作成画面(0700)において、記録データ内のテキストデータやイメージデータを新規作成/編集/削除等の操作を実行することで可能である。さらにユーザは、テキストデータやイメージデータ毎に記録基準位置(先端基準/後端基準)も設定することが可能である。本実施形態では、宛名(0701)と切手位置決めマーク(0702)の記録基準位置を「先端基準」として設定し、差出名(0703)の記録基準位置を「後端基準」として設定する。
【0024】
本実施形態で使用する記録装置の概略構成を示す平面図を
図8Aに、縦断側面図を
図8(b)にそれぞれ示す。
【0025】
記録装置(0500)は記録部(0801)と、給紙部(0814)と、排紙トレー(0803)とを備えている。
【0026】
給紙部(0814)は、記録媒体(0809、0810、0811)を積載する給紙トレー(0813)と、給紙トレー(0813)に積載された記録媒体の下部から給送する給送ローラ(0812)と、給送ローラにより給送された記録媒体を1枚ずつ分離して記録部(0801)に給紙する給紙ローラ(0808)とにより構成される。給紙ローラ(0808)の下部ローラは記録媒体を記録部(0801)へと搬送する方向に回転し、逆に上部ローラは給紙トレー(0813)へと記録媒体を搬送する方向に回転する。これにより、給紙トレー(0813)に積載された記録媒体の中の最下部の1枚の記録媒体のみが、確実に他の記録媒体から分離されて記録部(0801)に給紙される。図の例では、通常サイズの記録媒体(0811)と通常より大きいサイズの記録媒体(0810)と通常サイズより小さい記録媒体(0809)の3種類が給紙トレー(0813)に混載されている。尚、給送ローラ(0812)及び、給紙ローラ(0808)は給紙モータ(0819)によって駆動される。
【0027】
記録部(0801)は、記録媒体(0806)を搬送するための搬送ベルト(0816)と、搬送ベルトを駆動する為の搬送ローラ(0815)と、搬送ローラを駆動する搬送モータ(0811)と、搬送している記録媒体の位置を光学的に検出する位置検出センサ(0807)と、インクを吐出する記録ヘッド(0805)と、インクタンク(0802)に貯留されたインク(ここではブラックインク)をチューブ(不図示)を介して記録ヘッド(0805)に供給するインクタンクユニット(0818)と、インクタンクユニット(0818)を駆動するポンプモータ(0817)とから構成される。
【0028】
また、搬送ベルトによって搬送される記録媒体(0806)の先端/後端は、位置検出センサ(0807)によって検出される。検出センサ(0807)から出力される位置情報を基に、記録装置に設けられた後述のMPUは、記録ヘッド(0805)から画像形成信号に応じてインクを吐出させ、記録媒体表面にインクを吹き付けて画像を形成する。排紙トレー(0803)には記録部(0801)から排出された記録済の記録媒体(0804)が積載される。
【0029】
本実施形態で使用する制御コマンドの構造を
図9(a)に示す。
【0030】
制御コマンドとしては、記録サイズX(記録ヘッドのノズルの配列方向における記録データのサイズ)、記録サイズY(記録媒体搬送方向における記録データのサイズ)、記録枚数を指定するフォーマットコマンド(0901)と、記録データのうちのテキストデータの記録基準指定情報(0908)や各種属性を含むテキストデータコマンド(0903)と、イメージデータの記録基準指定情報(0908)や各種属性を含むイメージデータコマンド(0904)と、テキストデータおよびイメージデータのデータ部(0905)と、記録を開始する記録開始コマンド(0906)とが存在する。
【0031】
これらの制御コマンドはPC制御装置(0502)からプリンタケーブル(0501)を介して記録装置(0500)へと、
図9(b)の転送例(0907)に示すように転送される。本実施形態ではテキストデータおよびイメージデータに存在する記録基準位置指定(0908)により、記録媒体の記録基準が先端か後端かを指定し、記録基準位置指定情報(0908)が「0」の場合は、記録媒体の先端基準で記録する画像のデータであることを示し、「1」の場合は、記録媒体の後端基準で記録する画像のデータであることを示す。
【0032】
本実施形態で使用するプリントバッファの構造を
図11(a)および
図11(b)に示す。先端基準で記録する画像のデータを格納するプリントバッファ(先端基準用プリントバッファ)であるプリントバッファA(1101)と、後端基準で記録する画像のデータを展開するプリントバッファ(後端基準用プリントバッファ)であるプリントバッファB(1102)の2つがビデオRAM(1004:後述の
図10参照)上に存在する。本プリントバッファのサイズは、フォーマットコマンド(0901)の前述の記録サイズXと記録サイズYとにより決定される。
【0033】
本実施形態における記録装置(0500)の制御系のブロック図を
図10に示す。記録制御手段としてのMPU(1001)がプログラムROM(1002)に格納された制御プログラムを実行することによって、以下の制御を実現する。
【0034】
MPU(1001)は、ホストインタフェース(1006)を制御することによりPC制御装置(0502)から出力された制御コマンドを受信する。受信した制御コマンドがフォーマットコマンド(0901)の場合は、各種パラメータをワークRAM(1005)に保存し、フォーマットコマンド(0901)の記録サイズXと記録サイズYのパラメータによりビデオRAM(1004)上に存在する前述の2つのプリントバッファ(1101、1102)のサイズを決定する。
【0035】
受信した制御コマンドがテキストデータコマンド(0903)の場合は、テキストデータ部のテキストコードと一致するフォントデータをCG-ROM(1003)より読み出し、テキストデータコマンドの属性パラメータに従って読み出したフォントデータを、記録基準位置指定(0908)に応じてビデオRAM(1004)上のデータプリントバッファ(1101または1102)に展開する。また、受信した制御コマンドがイメージデータコマンド(0904)の場合は、イメージデータの属性部におけるパラメータに従って読み出したイメージデータを、記録基準位置指定(0908)に応じてビデオRAM(1004)上のプリントバッファ(1101または1102)に展開する。
【0036】
受信した制御コマンドが記録開始コマンド(0906)の場合は、MPU(1001)は、記録動作処理を開始する。すなわち、MPU(1001)は、搬送モータドライバ(1013)、給紙ドライバ(1021)、およびポンプモータドライバ(1015)を制御することにより搬送モータ(0811)、給紙モータ(0819)、およびポンプモータ(0817)を駆動する。また、MPU(1001)入出力ポート(1020)を介して先端検出手段および後端検出手段としての位置検出センサ(0807)から出力される信号を監視し、記録媒体の先端/後端の位置情報を検出する。記録媒体が記録位置に達すると、MPU(1001)は、プリントバッファの記録データに基づいてヘッド駆動回路(1008)を制御し、記録ヘッド(0805)によるインク吐出動作を開始する。これにより、記録媒体への記録が開始される。また、MPU(1001)は、記録装置の状態に応じて、入出力ポート(1020)を介して、パネルLED1(1018)およびパネルLED2(1019)のON(点灯)/OFF(消灯)の制御を行ない、記録装置の状態を表示する。
【0037】
本実施形態の記録装置におけるメイン処理のフローチャートを
図12に示す。
記録装置のMPU(1001)がプログラムROM(1002)に格納された制御プログラムを実行することで以下の処理が行われる。まず、記録装置の電源が投入されると初期化処理を実行し、その後PC制御装置(0502)からのコマンドの受信を待つ(S1200)。コマンドを受信すると(S1200がYESとなると)コマンド識別コードを解析し、受信コマンドがフォーマットコマンド(0901)の場合(S1201の判断結果がYESの場合)はフォーマットコマンド処理(S1205)を実行する。また、受信コマンドが、イメージデータコマンド(0904)の場合(S1202の判別結果がYESの場合)はイメージデータ展開処理(S1206)を実行する。また、判別結果がテキストデータコマンド(0903)の場合(S1203の判断結果がYESの場合)はテキストデータ展開処理(S1207)を実行し、記録開始コマンド(0906)の場合(S1204の判別結果がYESの場合)は記録処理(S1208)を実行する。
【0038】
前述のフォーマットコマンド処理(S1205)では、フォーマットコマンド(0901)の記録サイズX、記録サイズY、記録枚数のパラメータをワークRAM(1005)上の領域「A(記録サイズX),B(記録サイズY)、C(記録枚数)」に保存しておく。そして、記録サイズXと記録サイズYのパラメータに基づいてプリントバッファ(1101、1102)のサイズを算出して決定する。
【0039】
イメージデータ展開処理(S1206)では記録基準位置指定(0908)で指定されているプリントバッファに対して、属性部の各パラメータに従ってデータ部(0905)のイメージデータを展開する。
【0040】
テキストデータ展開処理(S1207)では記録基準位置指定(0908)で指定されているプリントバッファ(1101または1102)に対し、属性部の各パラメータに基づいてデータ部(0905)のテキストデータを展開する。記録処理(S1208)では、C(記録枚数)の領域に保存されている記録枚数だけ、各プリントバッファ(1101、1102)に展開したデータに基づく記録動作を行う。
【0041】
本実施形態の記録装置における記録処理のフローチャートを
図13に示す。記録装置のMPU(1001)がプログラムROM(1002)に格納された制御プログラムを実行することで以下の処理が行われる。まず、給紙モータの駆動を開始(S1302)し、給紙部から記録媒体の給紙を開始する。次に記録部は搬送モータを1パルス駆動(S1303)しながら、位置検出センサ(0807)によって記録媒体の先端が検出されたか否かを判断する(S1304)。位置検出センサによって記録媒体の先端が検出されると(S1304の判断結果がYESの場合)、給紙モータの駆動を停止し、記録媒体の搬送方向のサイズをカウントするワークRAM(1005)上の領域N(記録媒体サイズカウンタ)に0を保存(S1305)する。
【0042】
さらに記録部(0801)は搬送モータ(0811)を1パルス駆動と、N(記録媒体サイズカウンタのカウント値)のインクリメント(S1306)とを実行しながら、位置検出センサ(0807)によって記録媒体後端が検出されたか否かを判断する(S1307)。位置検出センサによって記録媒体の後端が検出されると(S1307の判断結果がYESの場合)、N(記録媒体サイズカウンタ)の値は記録媒体のサイズを示すこととなる。
【0043】
位置検出センサによって記録媒体の後端が検出されると(S1307の判断結果がYES)、プリントバッファ記録処理(S1309)により給紙した記録媒体にプリントバッファに格納されているデータに基づいて記録動作を行うと共に、C(記録枚数)をデクリメント(S1310)する。また、C(記録枚数)が0でなければ(S1311の判断結果がNOであれば)、給紙モータ(0819)の駆動を開始(S1302)して、次の記録媒体を給紙部(0814)から記録部(0801)に給紙する。また、C(記録枚数)が0の場合には(S1311の判断結果がYESの場合には)記録媒体を排出して記録処理を終了する。
【0044】
本実施形態の記録装置におけるプリントバッファ記録処理のフローチャートを
図14に示す。
【0045】
記録装置の記録動作を制御する記録制御手段としてのMPU(1001)がプログラムROM(1002)に格納された制御プログラムを実行することで以下の処理が行われる。まず、搬送モータを1パルス駆動(S1401)しながら、記録媒体の先端が記録開始位置である記録ヘッド(0805)の位置に到達したかを判断(S1402)する。記録媒体の先端が記録開始位置に到達すると(S1402がYESとなると)、N(記録媒体サイズカウンタ)とB(記録サイズY)との関係により、以下に記載する最適な合成記録処理が実行される。尚、本実施形態では、記録媒体の先端/後端に形成する余白等は考慮せず、「記録媒体サイズ=記録可能サイズ」とする。
【0046】
合成記録処理1(S1404)は、N(記録媒体サイズカウンタ)とB(記録サイズY)が同じ場合(S1403の判断結果がYESの場合)に実行される処理である。この場合、プリントバッファA(1101)の記録データ(第1の記録データ)に基く記録動作タイミングと、プリントバッファB(1102)の記録データ(第2の記録データ)基づく記録動作タイミングとが一致する(
図15(a)参照)。
【0047】
この場合、両プリントバッファ(1101、1102)が全て重なっている(オーバーラップしている)ため、両プリントバッファ(1101、1102)それぞれのB(記録サイズY)(1501)分のデータの論理和をとり、その論理和をとったデータを記録する。
【0048】
合成記録処理2(S1406)は、N(記録媒体サイズカウンタ)がB(記録サイズY)より小さい場合(S1405の判別結果がYESの場合)に実行される処理である。この合成記録処理2では、プリントバッファB(1102)の記録開始タイミングがプリントバッファA(1101)の記録開始タイミングよりも早くなる(
図15(b)参照)。この場合、プリントバッファB(1102)の先頭部分(1502)の記録は行わず、両プリントバッファが重なっている部分(オーバーラップ領域(1503))については、両プリントバッファ(1101、1102)それぞれのデータ(第1の記録データおよび第2の記録データ)の論理和をとり、その論理和をとったデータを記録する。また、プリントバッファA(1101)の後端部分(1504)は記録しない。
【0049】
合成記録処理3(S1408)N(記録媒体サイズカウンタ)がB(記録サイズY)より大きく、且つN(記録媒体サイズカウンタ)がB(記録サイズY)の2倍より小さい場合(S1407の判断結果がYESの場合)に実行される処理である。この処理では、プリントバッファA(1101)の記録開始タイミングがプリントバッファB(1102)の記録開始タイミングよりも早く、かつ両プリントバッファの記録領域が重なる(
図15(c)参照)。記録媒体の先頭部分(1505)はプリントバッファA(1101)のデータを記録し、両プリントバッファが全て重なっている部分(1506)については、両プリントバッファ(1101、1102)それぞれのデータの論理和をとり、その論理和をとったデータを記録する。そして記録の後端部分(1507)はプリントバッファB(1102)のデータに基づいて記録を行う。
【0050】
合成記録処理4(S1410)N(記録媒体サイズカウンタ)がB(記録サイズY)の2倍以上の場合(S1409がYES)に実行される処理である。この合成記録処理4では、プリントバッファA(1101)の記録開始タイミングがプリントバッファB(1102)の記録開始タイミングよりも早く、かつ両プリントバッファの記録領域が重ならない(
図15D参照)。従って、記録媒体の先頭部分(1508)はプリントバッファA(1101)のデータに基づいて記録を行う。次に両プリントバッファ(1101、1102)が重なっていない部分(1509)は記録をせず、記録の後端部分(1510)はプリントバッファB(1102)のデータに基づいて記録を行う。
【0051】
以上説明したように、この第1の実施形態によれば、第1の記録データと第2の記録データとがオーバーラップする領域を、オーバーラップ領域識別手段としてのMPU(1001)が識別する。そして、記録媒体に形成すべき画像を、記録媒体のサイズに合ったバランス良いレイアウトで記録することが可能となり、記録結果の品質を向上させることが可能になる。
【0052】
(第2の実施形態)
本実施形態で使用する、インクジェット方式のライン記録ヘッド(以下「記録ヘッド」)を使用した郵便料金後納マーク記録装置(以下「記録装置」)の概略構成を示す平面図を
図16(a)に、横断面図を
図16(b)にそれぞれ示す。
【0053】
記録装置(1601)の記録ヘッドユニット(1608)には封筒搬送方向と直交した方向に記録幅に相当するノズルを配列したカラーデータを記録するためのブラック・シアン・マゼンタ・イエローの記録ヘッド(1620、1621、1622、1623)と、それらの記録ヘッドにインクを供給する交換可能なブラック・シアン・マゼンタ・イエローのインクタンク(1624、1625、1626、1627)とを装備している。記録ヘッドユニット(1608)はキャリッジモータ(1611)で駆動するキャリッジベルト(1610)により記録ポジション(1617)とメンテナンスポジション(1616)に移動可能である。記録ポジション(1617)は搬送される封筒(記録媒体)に記録可能なポジションであり、メンテナンスポジション(1616)はメンテナンスモータ(1613)で駆動されるメンテナンスユニット(1612)により、記録ヘッドの清掃や保護等のメンテナンスを行うポジションである。
【0054】
この第2の実施形態における給紙方式は、手差し給紙方式であり、ユーザが給紙口(1615)に封筒(1603)を挿入したことを検出する挿入検出センサ(1614)が設けられている。挿入検出センサ(1614)がユーザが封筒を給紙口(1615)に挿入したことを検出すると、記録ヘッドユニット(1608)が記録ポジション(1617)に移動し、次に搬送モータ(1606)が駆動を開始して搬送ベルト(1605)が移動し、基準壁(1609)に沿って封筒(1603)を搬送する。搬送する封筒の先端/後端等が位置検出センサ(1604)で検出されると、検出された位置情報を基に、各記録ヘッド(1620、1621、1622、1623)が記録データに応じて駆動され、インクを吐出して画像を形成する。
【0055】
本実施形態で使用するプリントバッファの構造を
図17(a)および(b)に示す。先端基準記録用プリントバッファであるプリントバッファC(1701)には郵便料金後納マークの画像データを展開し、後端基準記録用プリントバッファであるプリントバッファD(1702)には差出名(会社住所・会社名・ロゴマーク)の画像データを展開している。2つのプリントバッファはカラー記録を行うために各々ブラック・シアン・マゼンタ・イエロー用の4つの層から成り、各層は、
図19に示すビデオRAM(1904)上に存在している。なお、本プリントバッファのサイズは固定である。また、プリントバッファC(1701)の封筒への記録長もL1(1703)に固定、プリントバッファD(1702)の封筒への記録長もL2(1704)に固定である。
【0056】
本実施形態で使用する制御コマンドの構造を
図18(a)に示す。本制御コマンドは、記録装置(1601)に記録データを登録するためのコマンドである。登録バッファ選択コマンド(1801)のバッファ選択パラメータ(1808)は、プリントバッファC(1701)とプリントバッファD(1702)の何れのプリントバッファに記録データを登録するかを選択するパラメータである。
【0057】
また、データコマンドとしては、テキストの各種属性を含むテキストデータコマンド(1803)と、イメージデータの各種属性を含むイメージデータコマンド(1804)と、テキストデータおよびイメージデータ等のデータから成るデータ部(1805)と、登録データの終了を示し、書き換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュROM)であるプログラムROM(1902:
図19参照)に登録を開始する登録開始コマンド(1806)が存在する。
【0058】
これらの制御コマンドは、ホストコンピュータから、
図18(b)に示す転送例(1807)のように出力される。本実施形態ではバッファ選択パラメータ(1808)が「0」の場合はプリントバッファC(1701)を選択することを示し、「1」の場合はプリントバッファD(1702)を選択することを示す。
【0059】
本実施形態における記録装置(1601)の制御系のブロック図を
図19に示す。
MPU(1901)がプログラムROM(1902)に格納された制御プログラムを実行することによって、以下の制御を実現する。
【0060】
MPU(1901)は、ホストインタフェース(1906)を制御することによりホストコンピュータ(1907)から出力された各種制御コマンドを受信する。受信した制御コマンドが登録バッファ選択コマンド(1801)の場合は、バッファ選択パラメータ(1808)をワークRAM(1905)上の領域「P」に保存する。受信した制御コマンドがテキストデータコマンド(1803)の場合は、テキストデータ部のテキストコードと一致するフォントデータをCG-ROM(1903)より読み出し、テキストデータコマンドの属性パラメータに従って読み出したフォントデータをP(バッファ選択パラメータ)で指定されているプリントバッファに展開する。
【0061】
受信した制御コマンドがイメージデータコマンドの場合は、イメージデータコマンドの属性パラメータに従ってイメージデータをP(バッファ選択パラメータ)で指定されているプリントバッファに展開する。また、受信した制御コマンドが登録開始コマンド(1806)の場合は、P(バッファ選択パラメータ)で指定されているプリントバッファのデータを書き換え可能な不揮発性メモリであるプログラムROM(1902)に登録する。
【0062】
また、MPU(1901)は、搬送モータドライバ(1913)メンテナンスモータドライバ(1914)を制御することにより搬送モータ(1606)、メンテナンスモータ(1613)を駆動する。MPU(1901)は、入出力ポート(1915)を介して、挿入検出センサ(1614)、位置検出センサ(1604)から出力される信号を監視することで、給紙口への封筒の挿入や、封筒搬送中の封筒の先端/後端等の位置情報を検出する。さらに、MPU(1901)は、記録動作を開始すべきタイミングで、プリントバッファに格納されている記録データに基づいてヘッド駆動回路(1908)を制御し、記録ヘッドユニット(1608)に装備されている記録ヘッド(1620、1621、1622、1623)からインクを吐出させ、封筒への記録を行う。また、MPU(1901)は、記録装置の状態に応じて、入出力ポート(1915)を介して、パネルLED1(1918)およびパネルLED2(1919)のON(点灯)/OFF(消灯)の制御を行ない、記録装置の状態を表示する。
【0063】
本実施形態の記録装置におけるメイン処理のフローチャートを
図20に示す。記録装置のMPU(1901)がプログラムROM(1902)に格納された制御プログラムを実行することで以下の処理が行われる。尚、本実施形態では、記録媒体の先端/後端記録余白等は考慮せず、「記録媒体サイズ=記録可能サイズ」とする。記録装置の電源が投入されると初期化処理を実行した後、プログラムROM(1902)に格納されたプリントバッファC(1701)とプリントバッファD(1702)に対応する登録データをビデオRAM(1904)のプリントバッファC(1701)とプリントバッファD(1702)にコピーする。次いで、給紙口(1615)の挿入検出センサ(1614)で封筒の検出を待ち(S2000)、挿入検出センサ(1614)が封筒を検出すると(S2000でYESと判断されると)、ヘッドユニット(1608)を記録ポジション(1617)へ移動する(S2001)。
【0064】
次に封筒は搬送モータを1パルス駆動しながら(S2007)、位置検出センサ(1604)によって記録媒体の先端が検出されたか否かを判断する(S2008)。位置検出センサによって封筒の先端が検出されると(S2008の判断結果がYESの場合)、封筒の搬送方向のサイズをカウントするワークRAM(1905)上の領域M(封筒位置カウンタ)に0を保存(S2009)する。
【0065】
さらに搬送モータ(1606)を1パルス駆動と、M(封筒位置カウンタのカウント値)のインクリメント(S2010)とを実行しながら、位置検出センサ(1604)によって封筒後端が検出されたか否かを判断する(S2011)。位置検出センサによって封筒の後端が検出されると(S2011の判断結果がYESの場合)、M(封筒位置カウンタのカウント値)は封筒のサイズを示すこととなり、M(封筒位置カウンタのカウント値)をワークRAM(1905)上の領域P(封筒サイズ)に保存(S2012)する。次にプリントバッファ記録処理(S2002)により給紙した封筒にプリントバッファに格納されているデータに基づいて記録動作を行う。
【0066】
記録処理(S2002)が終了すると、搬送モータを1パルスずつ駆動(S2003)すると共に、M(封筒位置カウンタのカウント値)をインクリメント(S2003)しながら、排紙終了を待つ(S2004)。排紙動作中(S2004の判別結果がNOである場合)に、挿入検出センサで封筒が検出されると(S2005の判別結果がYESとなると)、検出した次の封筒を搬送して記録を行う。次の封筒が挿入されず排紙が終了すると(S2004の判別結果がYESとなると)、記録ヘッドユニット(1608)をメンテナンスポジション(1616)に移動し、記録ヘッドを保護する(S2006)。
【0067】
本実施形態の記録装置における記録結果の例を
図21(a)および
図21(b)に示す。
図21(a)はプリントバッファCの記録領域(2101)とプリントバッファDの記録領域(2102)とが重ならない場合の記録結果(2100)を示している。この場合、プリントバッファCの記録領域(2101)を記録した後に、算出した所定間隔(2109)だけ封筒を搬送し、プリントバッファDの記録領域(2102)内の画像の記録を行っている。また、
図21(b)はプリントバッファCの記録領域(2104)とプリントバッファDの記録領域(2105)とに部分的に重なる領域(2107)が存在する場合の記録結果を示している。この
図21(b)に示す場合においては、プリントバッファCの記録領域(2104)の記録終了後に、プリントバッファDの途中から最後までの記録領域(2106)の記録を行っている。
【0068】
本実施形態の記録装置における記録処理のフローチャートを
図22に示す。記録装置のMPU(1901)がプログラムROM(1902)に格納された制御プログラムを実行することで以下の処理が行われる。
まず、P(封筒サイズ)がL1(先端基準画像の記録長)以上でなければ(S2201の判断結果がNOの場合)、プリントバッファC(1701)に展開している郵便料金後納マークの画像データの全領域が記録出来ないため、本処理を終了する。
【0069】
次に、搬送モータ1パルス駆動と、M(封筒位置カウンタのカウント値)をインクリメント(S2202)しながら、封筒の先端が記録開始位置であるブラック用記録ヘッド(1624)の位置に到達したかを判断(S2203)する。封筒の先端がブラック用記録ヘッドの記録開始位置に到達すると(S2203の判断結果がYESとなると)、P(封筒サイズ)からL1(先端基準画像の記録長)を減算することによりL3(後端基準画像の記録可能サイズ)を算出(S2204)する。さらに、先端基準画像の後端から後端基準画像の先端までの距離(「記録開始位置までの距離」)と、プリンバッファD(1701)の「記録開始座標」とを算出する(S2205)。なお、プリンバッファD(1701)の「記録開始座標」は、プリントバッファD(1701)の先頭の位置を0とした座標である。この「記録開始位置までの距離」と「記録開始座標」の算出は、以下のように行う。
【0070】
(i)「P≧L1+L2」の場合
・「記録開始位置までの距離(2109)=P−L1−L2
・記録開始座標=0 (これは、プリントバッファDの先頭から記録することを意味する)
(ii)「P<L1+L2」の場合
・「記録開始位置までの距離」=0 (これは、プリントバッファCの後端の記録動作後、直ちに記録を開始することを意味する)
・記録開始座標(2108)=P−L1
【0071】
そして、先端基準画像としてプリンバッファC(1701)に格納されている画像データに従って封筒に記録を行い、M(封筒位置カウンタのカウント値)にL1(先端基準画像の記録長)を加算(S2206)する。
【0072】
次に、搬送モータ1パルス駆動と、M(封筒位置カウンタのカウント値)をインクリメント(S2207)しながら、上記(S2205)で算出した「記録開始位置までの距離」だけ搬送すると(S2208がYESとなると)、上記(S2205)で算出したプリンバッファD(1701)の「記録開始座標」から封筒に記録を行う。
尚、シアン・マゼンタ・イエローの記録ヘッド(1621、1622、1623)による記録は、隣接するヘッド間隔の距離分だけ記録タイミングをシフトして記録する。
【0073】
以上のように、この第2の実施形態においても、種々のサイズの記録媒体に対し、先端基準の画像部分と、後端基準の画像部分とをバランス良く記録することができる。
【0074】
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態では、インクジェット方式のライン記録ヘッド(以下「記録ヘッド」)による印影記録装置(以下「記録装置」と称す)について説明する。この第3の実施形態におけるインクジェット記録装置は、第2の実施形態に示した構成において、印影を記録するための専用の記録ヘッドおよび専用の特色インクのインクタンクを追加したものであり、これによって印影記録が実現可能になっている。また、第2の実施形態に示した構成において、印影で記録する封筒の郵便料金の金額を算出するための「封筒サイズ」や、「封筒重量」を入力するための操作パネルが追加されている。
【0075】
この第3の実施形態で使用する記録ヘッドユニット(2300)の模式図を
図23に示す。記録ヘッドユニット(2300)にはカラー画像を記録するためのブラック・シアン・マゼンタ・イエロー記録用の記録ヘッド(2307、2308、2309、2310)と、印影を記録するための特色記録用の記録ヘッド(2306)を装備している。さらに、これらの記録ヘッドにブラック・シアン・マゼンタ・イエロー・特色のインクを供給するインクタンク(2302、2303、2304、2305、2301)が交換可能に装着されている。
【0076】
また、本実施形態で使用する操作パネルの概略図を
図24に示す。操作パネル(2400)には各種メッセージ等を表示するLCD(2401)と入力手段である複数のキー(2402)が備えられている。
【0077】
本実施形態で使用する操作パネルのメニュー階層の一部を
図28に示す。メニュー階層としては、記録を行う封筒のサイズを設定する封筒サイズ設定画面メニュー(2901)と、記録を行う封筒重量を設定する封筒重量設定画面メニュー(2902)がある。この2つの設定画面より入力された値に基づいてMPU1901は封筒の郵便料金を決定し、封筒に対し、その郵便料金に応じた印影を記録するための記録動作を行う。
【0078】
さらに階層メニューには、プリントバッファF1〜F3の広告を記録するか否かを設定する広告設定画面メニュー(2903,2904,2905)があり、各々の画面から入力操作を行うことにより、F1〜F3の広告を記録するかどうかを設定する。
【0079】
本実施形態で使用するプリントバッファの構造を
図25(a)および(b)に示す。先端基準記録用の印影プリントバッファであるプリントバッファE(2501)には印影画像のデータが展開され、封筒への記録長はL5(2505)である。後端基準記録用の広告プリントバッファであるプリントバッファF1〜F3(2502,2503,2504)には広告画像データが展開され、本実施例で使用する広告の記録長はそれぞれL6(2506)、L7(2507)L8(2508)である。プリントバッファE(2501)は特色のみで形成される画像のデータを展開するものであるため、1層から成る。これに対し、プリントバッファF1〜F3(2502,2503,2504)はカラー画像のデータを展開するものであるため、ブラック・シアン・マゼンタ・イエロー用の4層から成る。これらのプリントバッファは、いずれも記録装置内のビデオRAM2704(
図27参照)上に存在する。
【0080】
また、プリントバッファF1〜F3(2502,2503,2504)には記録時の優先順位が決められており、プリントバッファF1(2502)が低優先順位、プリントバッファF2(2503)が中優先順位、プリントバッファF3(2504)が高優先順位である。記録する封筒サイズにより記録するべき広告が全て記録できない場合は、優先順位の高い広告から優先的に記録を実行する。
【0081】
本実施形態で使用する制御コマンドの構造を
図26(a)に示す。本制御コマンドは、記録装置に記録データを登録するためのコマンドである。登録バッファ選択コマンド(2601)のバッファ選択パラメータ(2605)は、プリントバッファF1〜F3(2502,2503,2504)の何れのプリントバッファに記録データを登録するかを選択するパラメータである。本実施形態ではバッファ選択パラメータ(2605)が「0」の場合はプリントバッファF1(2502)を選択することを示し、「1」の場合はプリントバッファF2(2503)を選択することを示し、「2」の場合はプリントバッファF3(2504)を選択することを示す。さらに、(2606,2507,2508)は各プリントバッファの記録長を示す値である。本実施形態で使用する広告を登録する際、「プリントバッファF1の記録長(2606)=L6」、「プリントバッファF2の記録長(2607)=L7」、「プリントバッファF3の記録長(2608)=L8」となる。
【0082】
また、データコマンドとしては、イメージデータの各種属性を含むイメージデータコマンド(2602)と、イメージデータのデータ部(2603)とがある。さらに、データコマンドとしては、登録データの終了を示し、書き換え可能な不揮発性メモリであるフラッシュROM(2703:
図27参照)に登録を開始する登録開始コマンド(2604)も存在する。これらの制御コマンドは、ホストコンピュータから、
図26(b)に示す転送例(2607)のように出力される。
【0083】
本実施形態における記録装置の制御系のブロック図を
図27に示す。
MPU(2701)がプログラムROM(2702)に格納された制御プログラムを実行することによって、以下の制御を実現する。
MPU(2701)は、ホストインタフェース(2706)を制御することによりホストコンピュータ(2707)から出力された各種制御コマンドを受信する。受信した制御コマンドが登録バッファ選択コマンド(2601)の場合は、バッファ選択パラメータ(2605)をワークRAM(2705)上の領域Qに保存する。そして、この領域Qに保存されたバッファ選択パラメータの値に従って、記録長(2606)の値をワークRAM(2705)上の領域「R1(プリントバッファF1の記録長)」、「R2(プリントバッファF2の記録長)」,「R3(プリントバッファF3の記録長)」の何れかに保存する。本実施形態で使用する広告を登録する際には、「R1=L6(2506)」、「R2=L7(2507)」「R3=L8(2508)」が保存される。
【0084】
受信した制御コマンドがイメージデータコマンド(2602)の場合は、イメージデータコマンドの属性パラメータに従ってイメージデータ(2603)を、Q(バッファ選択パラメータ)で指定されているプリントバッファに展開する。また、受信した制御コマンドが登録開始コマンド(2604)の場合は、Q(バッファ選択パラメータ)で指定されているプリントバッファのデータと記録長とを、書き換え可能な不揮発性メモリであるフラッシュROM(2703)に登録する。
【0085】
また、MPU(2701)は、搬送モータドライバ(2709)とメンテナンスモータドライバ(2710)とを制御することにより、搬送モータ(1606)およびメンテナンスモータ(1613)を駆動する。MPU(2701)は、入出力ポート(2711)を介して、挿入検出センサ(1614)および位置検出センサ(1604)から出力される信号を監視することで、給紙口への封筒の挿入や、封筒搬送中の封筒の先端/後端等の位置に関する情報を得る。さらに、MPU(2701)は、記録動作を開始すべきタイミングで、プリントバッファに格納されている記録データに基づいてヘッド駆動回路(2708)を制御し、記録ヘッド(2306、2307、2308、2309、2310)からインクを吐出させ、封筒への記録を行う。また、MPU(2701)は、LCDドライバ(2712)を介して、LCD(2401)を駆動制御を行ない、各種メッセージを表示する。
【0086】
ここで、この第3の実施形態の記録装置のMPUによって実行される処理について説明する。この第3の実施形態の記録装置においても、第2の実施形態の
図20において説明したメインの処理と同様の処理を実行する。但し、この第3,の実施形態では、プログラムROM(2702)に格納された制御プログラムに従って
図29のフローチャートに示す記録処理を実施するようになっている。以下、この記録処理を説明する。
【0087】
まず、封筒の記録可能長P(封筒サイズ)がL5(印影の記録長)以上でなければ(S3001の判断結果がNOの場合には)、プリントバッファE(2505)に展開している印影画像の全領域が記録できないため、本処理を終了する。
【0088】
なお、この第3の実施形態においては、封筒の搬送方向先端部および後端部にそれぞれ余白(margin)を設けて記録を行う方式を採っている。このため、封筒の記録可能長Pとは、封筒の搬送方向における長さから、封筒の後端部余白(top margin)および後端部余白(bottom margin)を除いた長さに相当する。
【0089】
次に、搬送モータを駆動パルス信号に応じて駆動すると共に、各駆動パルス毎にM(封筒位置カウンタのカウント値)をインクリメント(S3002)して行く。そして、このカウント値に基づき、封筒の先端が記録開始位置である印影用記録ヘッド(2306)の位置に到達したかを判断(S3003)する。封筒の先端が印影用記録ヘッドの記録開始位置に到達すると(S3003の判断結果がYESとなると)、操作パネルから入力した「封筒サイズ」と「封筒重量」とにより郵便料金を算出し、郵便料金に応じた印影画像をプリントバッファE(2501)に展開する。さらに、記録する広告画像(後端基準画像)を決定(S3005)し、印影画像の記録を開始(S3006)する。
【0090】
次に、搬送モータを駆動パルス信号に従って駆動すると共に、各駆動パルス信号毎に、M(封筒位置カウンタのカウント値)をインクリメント(S3007)する。そして、上記の記録広告決定処理(S3005)で決定した広告画像(後端基準画像)の記録開始位置が、カラー画像を記録するための記録ヘッドに達すると(S3008の判断結果がYESとなると)、上記のステップ(S3005)で決めた広告画像の記録を開始(S3009)する。そして、搬送モータをパルス駆動すると共に、M(封筒位置カウンタのカウント値)をインクリメント(S3010)し、広告画像の記録が終了すると(S3011がYESとなると)、本記録処理は終了する。
【0091】
次に、第3の実施形態によるF1〜F3の広告記録の決定処理を
図30のフローチャートに基づいて説明する。
広告画像を記録可能な搬送方向における広告記録可能長をパラメータQとする。そして、使用する封筒の搬送方向における記録可能長Pから印影画像のサイズL5を減算し、これをパラメータQに設定する(S3401)。なお、前述のように、封筒の記録可能長Pとは、封筒の搬送方向における長さから、封筒の後端部余白(top margin)および後端部余白(bottom margin)を除いた長さに相当する。
【0092】
次に、高優先順位のプリントバッファF3が選択されているか否かをチェックする。ここで、プリントバッファF3が選択されていると判断されれば(S3402の判断結果がYESであれば)、さらに、プリントバッファF3のサイズL8が広告記録可能長Q以下であるか否かを判断する。ここで、プリントバッファF3のサイズL8が、広告記録可能長Q以下であると判断された場合、すなわち、プリントバッファF3の画像を記録できる記録長が封筒に残されていると判断された場合(S3403の判別結果がYESである場合)には、プリントバッファF3の画像を記録画像として設定する。この後、現在設定されている広告記録可能長QからサイズL8を減算し、得られた値を新たな広告記録可能長としてQの値を書き換える(S3404)。
【0093】
続いて、中優先順位のプリントバッファF2が選択されているか否かをチェックする。ここで、プリントバッファF2が選択されていれば(S3405の判断結果がYESであれば)、プリントバッファF2のサイズL7が、Qに設定されている広告記録可能長以下であるか否かを判断する。その結果、サイズL7がQの値以下、すなわち、プリントバッファF2を記録できるサイズが残っていれば(S3406の判断がYESであれば)、プリントバッファF2の画像を記録画像として設定する。そして、プリントバッファF2の値からサイズL7をさらに減算し、得られた値を新たな広告記録可能長としてQの値を書き換える(S3407)。
【0094】
そして最後に、優先順位の最も低いプリントバッファF1が選択されているかをチェックする。ここで、プリントバッファF1が選択されていれば(S3408の判断がYESであれば)、そのプリントバッファF1のサイズが現在の記録可能長Q以下であるか否かを判断する。そして、プリントバッファF1が現在の記録可能長Q以下であって、封筒にプリントバッファF1の画像を記録できるサイズが残っていると判断されれば(S3409の判断結果がYESであれば)、F1を記録画像に設定する。この後、プリントバッファF2の値からサイズL6を更に減算し、得られた値を、新たな広告記録可能長としてQの値を書き換え(S3410)、記録処理を終了する。
【0095】
また、S3402にてF3が選択されていない場合(S3402の判断結果がNOである場合)には、S3405に進む。またS3405にてF2が選択されていなければ(S3405の判断結果がNOである場合には)、S3408に進み、同様にS3408にてF1が選択されていなければ(S3408の判断結果がNOである場合には)、記録処理を終了する。
【0096】
さらに、S3403においてQの値がL8未満であると判断された時(S3403の判断結果がNOである場合)、S3406においてQの値がL7未満であると判断された時(S3403の判断結果がNOである場合)、またはS3409においてQの値がL6未満であった時(S3403の判断結果がNOである場合)には、直ちに記録処理を終了する。
【0097】
以上の記録処理を実施することにより、封筒に画像が記録された結果の例を、
図31(a)および(b)に示す。
図31(a)はプリントバッファEの記録領域(3201)とプリントバッファFの記録領域(3202)とが重ならない場合の記録結果(3200)を示している。なお、本実施形態では、記録媒体に先端余白(3208)と後端余白(3209)とを設けてある。このため、記録可能サイズ(3207)は、記録媒体サイズ(3211)から先端余白(3208)と後端記録余白(3209)を減算した長さとなる。
【0098】
図31(b)は記録媒体の記録可能サイズ(3215)の中にプリントバッファEの記録領域(3201)とプリントバッファFの記録領域(3202)の中に、両領域の一部(3216)が重なってしまう場合の記録結果を示している。
【0099】
この
図31(b)に示す場合には、プリントバッファEの記録領域(3201)の記録終了後に、プリントバッファFの先頭から途中までの記録領域(3222)を記録している。すなわち、この例では最も優先順位の低いプリントバッファに書かれた広告画像3204が除かれることとなる。従って、この第3の実施形態によれば、画像が途中で途切れることがなく、完成された後端基準画像および先端基準画像を種々のサイズの封筒に対してバランス良く記録することが可能になる。
【0100】
(その他の実施形態)
上記第2、第3の実施形態では、後端基準用プリントバッファ(第2のプリントバッファ)と先端基準用プリントバッファ(第1のプリントバッファ)のうち、第2のプリントバッファのみを複数の層から成るものとした。しかし、第2のプリントバッファを複数の層から成るものとしても良く、さらには、第1のプリントバッファと第2のプリントバッファの双方を複数の層から成るものとすることも可能である。すなわち、本発明は、後端基準の記録データと先端基準の記録データの両データを、複数のプリントバッファに格納可能な複数のデータによって構成しても良い。
【0101】
さらに、上記第3の実施形態では、先端基準の画像と、後端基準の画像とが互いにオーバーラップする場合に、複数の画像の記録データを含む後端基準の画像の中から、優先順位の低いものを選択する場合を示した。しかしながら、上記のように、先端基準の記録データと後端基準の記録データの少なくとも一方が複数種類の画像の記録画像データを備える構成において、先端基準の画像と後端基準の画像とがオーバーラップしない場合にも、複数の画像の中から必要とする画像のみを選択して記録し得るようにすることも可能である。すなわち、先端基準の画像および後端基準の画像の全てを記録できるような大きなサイズの記録媒体を使用する場合にも、複数の画像を選択的に記録するようにすることも可能である。
【0102】
上記各実施形態では、ライン記録ヘッドによるインクジェット方式のカード記録装置を例として挙げた。しかし、本発明はこれに限らず記録ヘッドを記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にスキャンさせるシリアル型のインクジェット記録装置や、インクリボン等を使用する熱転写方式の記録装置や、連続紙(タグ紙/ラベル紙)を記録するラベル記録装置等、その記録方式や記録媒体の種類に関係なく有効である。