特許第5667825号(P5667825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5667825
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】ゲート装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/665 20150101AFI20150122BHJP
   E04H 6/06 20060101ALI20150122BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   E05F15/16
   E04H6/06 D
   E04H6/42 Z
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-215006(P2010-215006)
(22)【出願日】2010年9月27日
(65)【公開番号】特開2012-67547(P2012-67547A)
(43)【公開日】2012年4月5日
【審査請求日】2013年6月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】坂田 優
【審査官】 西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−167995(JP,A)
【文献】 特開2002−054318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H6/00−6/44
E05F15/00−15/20
E06B9/00−11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に立設した複数の支柱により形成される複数の出入口を開閉するゲート本体を有するゲート装置において、
前記ゲート本体は凹部を有し、
前記ゲート本体の凹部は、前記複数の支柱のうち隣り合う出入口を仕切る支柱の前方を覆うとともに、前記複数の支柱のうち隣り合う出入口を仕切る支柱と当接可能な当接部を有することを特徴とするゲート装置。
【請求項2】
前記ゲート本体は、複数のゲート板と、隣り合う前記複数のゲート板を連結する連結部とからなり、
前記凹部が、複数のゲート板と連結部とにより形成されることを特徴とする請求項1に記載のゲート装置。
【請求項3】
前記複数のゲート板の幅を同一とした請求項2に記載のゲート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット上に車両を駐車可能な立体駐車装置において、立体駐車装置内への車両の入出庫を規制することができるゲート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な立体駐車装置として、出入口を複数並設したフレーム構造体内に複数のパレットを設け、前記パレット上に車両を搭載可能な立体駐車装置は知られている。前記出入口は、フレーム構造体の一部であり、地面に立設した複数本の支柱間に形成される。また、前記複数のパレットは、車幅方向もしくは高さ方向に移動可能である。
そして、この立体駐車装置に車両を駐車する際には、下記手順を行う。まず、立体駐車装置に駐車させる車両を、前記出入口の前方に一時停止させる。次に、運転者によるスイッチ操作でパレットが横行・昇降し、車両の搭載されていないパレットが地面と略同等の高さまで移動する。その後、車両が移動させたパレット上に出入口を通って移動し、駐車を完了する。
【0003】
ところが、前記立体駐車装置は、パレットを地面と略同等の高さへ移動させる際に、複数のパレットが横行・昇降する。そのため、パレットの横行・昇降中に、車両が出入口を通って立体駐車装置内に進入すると、車両が移動中のパレットに接触し、危険である。
そのため、フレーム構造体の前面に昇降可能な一枚のゲート本体を設け、前記ゲート本体により出入口を閉鎖することが従来より行われている。これにより、パレットの横行・昇降動作中には、ゲート本体を降ろすことで、立体駐車装置内への車両の進入を防止できる。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3859268号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1においては、ゲート本体がフレーム構造体の前面に配置されるので、立体駐車装置の前方には、車両を一時停止させる為の待機スペースと、ゲート本体を配置する為のスペースとが必要となる。そのため、立体駐車装置を設置する際に広い敷地が必要となる。
そこで、立体駐車装置を設置する為に必要な敷地を小さくするために、ゲート本体の後面(立体駐車装置と向かい合う面)に凹部を設け、凹部内に支柱を配置することが考えられる。これにより、ゲート本体の前面が可能限立体駐車装置の前面に近接し、ゲート本体を配置する為のスペースを小さくできる。しかし、ゲート本体の凹部は、ゲート本体の他の部分に比べて薄いため、ゲート本体に外力が作用すると凹部にて変形し、破損する。
【0006】
そこで本発明においては、立体駐車装置を設置するために必要な敷地を小さくできるとともに、ゲート本体が外力によって破損することを防止できるゲート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明のゲート装置は、高さ方向に立設した複数の支柱により形成される複数の出入口を開閉するゲート本体を有するゲート装置において、前記ゲート本体は凹部を有し、前記ゲート本体の凹部は、前記複数の支柱のうち隣り合う出入口を仕切る支柱の前方を覆うとともに、前記複数の支柱のうち隣り合う出入口を仕切る支柱と当接可能な当接部を有することを特徴としている。このため、ゲート本体を立体駐車装置の前方に配置するためのスペースが少なくなり、立体駐車装置の設置スペースをコンパクトにできる。さらに、ゲート本体に外力が作用したとしても、凹部は当接部を介して支柱に支持されるので、ゲート本体の破損を防止できる。
【0008】
また、前記ゲート本体は、複数のゲート板と、隣り合う前記複数のゲート板を連結する連結部とからなり、前記凹部が、複数のゲート板と連結部とにより形成されることが好ましい。これにより、ゲート本体の凹部は、複数のゲート板を連結部で連結することにより簡単に形成することができるので、立体駐車装置の出入口の数が異っていても、容易にゲート本体が製造できる。
【0009】
また、前記複数のゲート板の幅を同一としてもよい。これにより、ゲート板の標準化を行うことができ、幅の異なるゲート板を作成し保管する必要がない。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲート装置によれば、ゲート本体は前記複数の支柱を覆う凹部を有し、前記ゲート本体の凹部は、前記支柱と当接可能な当接部を有するので、立体駐車装置の設置スペースをコンパクトにすることができるとともに、ゲート本体が外力により破損することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のゲート装置を設けた立体駐車装置の正面図。
図2】本発明のゲート装置を設けた立体駐車装置の右側面図。
図3】立体駐車装置のパレットの平面図。
図4】地上パレットの背面図。
図5】上方パレット横行装置および昇降装置を示す背面図。
図6】上方パレット昇降装置を示す右側面図。
図7】地下パレット昇降装置を示す正面図。
図8】本発明のゲート装置を示す正面図。
図9】本発明のゲート装置の詳細構造を示す図であり、(a)は、ゲート上部の要部拡大平面図、(b)は、ゲート下部の要部拡大平面図。
図10】他の実施形態のゲート本体についての詳細構造を示す要部拡大平面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る立体駐車装置について、図面を参照しながら説明する。なお、図1の紙面左側を立体駐車装置の左側、図1の紙面右側を立体駐車装置の右側、図1の紙面上側を立体駐車装置の上側、図1の紙面下側を立体駐車装置の下側、図2の紙面左側を立体駐車装置の前側、図2の紙面右側を立体駐車装置の後側と定義する。
【0013】
以下、本実施形態の立体駐車装置Aについて説明する。図1は、本発明のゲート装置を設けた立体駐車装置の正面図である。図2は、本発明のゲート装置を設けた立体駐車装置の右側面図である。図1、2に示すように、立体駐車装置Aは、地面GRに立設した地上立体駐車装置10と、地下ピットP内に立設した地下立体駐車装置20とにより構成されている。
前記地上立体駐車装置10について説明する。地面GRに複数本(左右方向に3本、前後方向に2本)の支柱11が所定間隔離して立設されている。前記複数本の支柱11のうち隣り合う支柱11の上部は、複数の地上横フレーム12により連結されている。前記支柱11および前記地上横フレーム12により地上フレーム構造体が形成される。なお、前側に配置された支柱11間は、車両Cが立体駐車装置A内に出入りするための出入口Eとなる。
【0014】
次に、地下立体駐車装置20について説明する。地下ピットP内に、複数本(左右方向に3本、前後方向に2本)の地下縦フレーム21が所定間隔離して立設されている。
なお、本実施形態の立体駐車装置Aにおいては、図1に示すように、後述するパレットが格納される領域ごとに、地上GRより下方を地下階B1、B2、地上GRと略同一の高さを地上階1F、地上階より上方を上方階2Fと定義する。
【0015】
図1に示すように、立体駐車装置Aは車両Cを搭載可能な複数のパレットが配置される。パレットについて具体的に説明すると、地上階1Fには、地上パレット30Gが設けられる。前記地上パレット30Gの上方には、上方パレット30Uが設けられる。地上パレット30Gの下方には、地下パレット30Dが設けられる。
【0016】
前記地上パレット30Gは、後述する地上パレット横行装置40により、左右方向に横行可能に配置される。前記上方パレット30Uは、後述する上方パレット横行装置50により上方階2Fにおいて左右方向へ移動可能とされるとともに、後述する上方パレット昇降装置60により地上階1Fと上方階2Fとの間で上下方向に移動可能に配置される。前記地下パレット30Dは、後述する地下パレット昇降装置70により地下階B1、B2と地上階1Fとの間で昇降可能とされる。
【0017】
[パレットの構成]
次に、パレットの基本的な構成について地上パレット30Gを用いて説明する。図3は、立体駐車装置のパレットの平面図である。図3に示すように、左右両側に前後方向に延びる一対の縦桁31が設けられる。前記一対の縦桁31には、左右方向に延びる複数本(図3においては5本)の横桁32の両端部が固定される。前記縦桁31と前記横桁32とにより枠体33が形成される。前記枠体33の左右両側上部に、前後方向に延びる一対の載置部材34が載置固定される。前記載置部材34の上部に車両Cを駐車する。載置部材34の後部上面には、規制部材35が固定されている。前記規制部材35は、載置部材上34に搭載された車両Cのタイヤと当接可能な高さに配置されており、車止めの役割を果たす。
なお、上方パレット30U、地下パレット30Dの基本的な構成については、地上パレット30Gと同様の構成のため、説明は省略する。
【0018】
また、地上パレット30Gには、後述する地上パレット横行装置40によって横行する際に使用されるローラが取付けられている。具体的に説明すると、地上パレット30Gの前側左右両端部には、地面に設置する横行ローラ36が連結軸37を介して左右一対設けられている。前記横行ローラ36は、地面GR上を転動する。また、地上パレット30Gの後側左右両端部には、鍔付の横行ローラ38が連結軸39を介して左右一対設けられている。前記鍔付の横行ローラ38は、地面に固定された左右方向に延びるレール(図示せず)上を転動する。
【0019】
[地上パレット横行装置40の構成]
次に、地上パレット30Gを左右方向へ移動させる地上パレット横行装置40について説明する。図4は、地上パレットの背面図である。なお、図4においては、鍔付の横行ローラ38を省略して図示してある。
図3、4に示すように、地上パレット30Gの後端左側には、モータ41が設けられる(図4参照)。前記モータ41の出力軸42には、スプロケット43が軸支されている。また、地上パレット30Gの後端左側には、アイドラ44が連結軸45を介して取付けられている。前記鍔付の横行ローラ38と地上パレット30Gとの間には、アイドラ46が前記連結軸39に軸支されている。
【0020】
図4に示すように、スプロケット43、アイドラ44、46、46には、チェーン47が巻き回されている。これにより、モータ41が駆動すると、スプロケット43が回転し、チェーン47、アイドラ46を介して連結軸39が回転する。そのため、鍔付の横行ローラ38がレール上を転動するので、地上パレット30Gが左右方向へ移動できる。
【0021】
[上方パレット横行装置50および上方パレット昇降装置60の構成]
次に、上方パレット30Uを、上方階2Fにおいて左右方向へ移動可能とする上方パレット横行装置50と、上方パレット30Uを地上階1Fと上方階2Fとの間で昇降可能とする上方パレット昇降装置60について説明する。図5は、上方パレット横行装置および昇降装置を示す背面図である。図6は、上方パレット昇降装置を示す右側面図である。
前記上方パレット横行装置50と、上方パレット昇降装置60は、地上横フレーム12の上方に設けた横行枠80に設けられる。横行枠80について具体的に説明すると、図5に示すように、地上横フレーム12の上方に、前後方向に延びる一対の縦梁81が配置されている。前記一対の縦梁81の両端部上部に、左右方向に延びる一対の横梁82の端部がそれぞれ固定されている。前記一対の縦梁81と、前記一対の横梁82とにより、井桁状の横行枠80が形成される。前記横行枠80には、後述する上方パレット昇降装置60を介して上方パレット30Uが設けられる。
前記一対の縦梁81の前後両端には、ブラケット83が固定されている。前記各ブラケット83には前後方向に延びる軸84を介して鍔付のローラ85が軸支されている。前記鍔付きのローラ85は、地上横フレーム12上に固定された左右方向に延びるガイドレール86と係合した状態で転動可能に配置されている。
【0022】
[上方パレット横行装置50の構成]
まず、上方パレット横行装置50について説明する。
後方側の前記横梁82の上面には、ブラケット51を介してモータ52が固定されている。前記モータ52は、モータ52の出力軸53が後方に向けての延びるように固定される。前記出力軸53には、スプロケット54が固定されている。また、横梁82の上面には、図示しないブラケット、軸55を介してアイドラ56が設けられている。また、前記鍔付のローラ85と、ブラケット83との間には、アイドラ57が軸84に固定されている。
【0023】
前記スプロケット54、前記アイドラ56、57、57には、図5に示すように、チェーン58巻き回されている。これにより、モータ52が駆動すると、チェーン58を介して鍔付のローラ85が回転し、ガイドレール86上を転動する。これにより、横行枠80が左右方向へ移動する。
【0024】
[上方パレット昇降装置60の構成]
次に、上方パレット昇降装置60について説明する。図5、6に示すように、横行枠80の横梁82の左側上部に、ブラケットを介してモータ61が固定される。前記モータ61は、出力軸が左側に向けて延びるように固定される。前記モータ61の出力軸には、スプロケット62が固定されている。
【0025】
横梁82の左右両端上部には、一対の軸受けを介して左右方向に延びるトルクシャフト63の両端がそれぞれ回動可能に支持される。前記トルクシャフト63の左側には、アイドラ64が軸支されている。そして、前記スプロケット62と前記アイドラ64とをチェーンで巻き回す。これにより、モータ62が駆動することで、トルクシャフト63が回転可能となっている。また、前記トルクシャフトの左右両端部には、それぞれ2個のアイドラ65i、65oが配置されている。前記アイドラ65i、65oは、図5に示すように、横行枠80の縦梁81内面より内部に突出して配置されている。
【0026】
図6に示すように、左右一対の縦梁81の中央部上面には、後述するブラケット111がボルト81a,ナット81bによりそれぞれ取付けられている。前記各ブラケット111に、アイドラ66がそれぞれ軸支されている。前記アイドラ66は、横行枠80の縦梁81内面より内部に突出して配置されている。
また、左右一対の縦梁81の前部上面には、左右一対のブラケットを介してアイドラ67が、左右一対の縦梁81の後部上面には、左右一対のブラケットを介してアイドラ68がそれぞれ軸支されている。前記アイドラ67、68は、横行枠80の縦梁81内面より内部に突出して配置されている。
【0027】
前記アイドラ65i,65o、66、67、68にはチェーン69が巻き回されている。以下、チェーン69について具体的に説明する。チェーン69は、二本のチェーン69a、69bを接続部材69c、69dで連結して構成されている。チェーン69aは、一端が上方パレット30Uの前部上面に固定されている。チェーン69aは、上方パレット30Uの上方に延び、アイドラ67に巻き回される。その後、後方へ延び、アイドラ65iに巻き回される。そして、前方へ延びアイドラ66に巻き回された後、チェーン69aの他端は、アイドラ66とアイドラ65iとの間で接続部材69dによりチェーン69aの中間部に接続固定され、チェーン69aの他端からチェーン69aの中間部で無端チェーンが形成されている。そのため、チェーン69aの他端から中間部は、スプロケットの回動によりチェーンが駆動するチェーン駆動部C1を構成する。また、チェーン69aの中間部からチェーン69aの一端までは、前記チェーン駆動部C1と上方パレット30Uとを繋いでいる。
チェーン69bは、一端が上方パレット30Uの後部上面に固定されている。チェーン69bは、上方パレット30Uの上方へ延び、アイドラ68、65oに巻き回された後、前方へ延び、アイドラ66とアイドラ65iとの間で接続部材69cによりチェーン69aに接続固定される。
ここで、チェーン69bは、前記チェーン69aのチェーン駆動部C1と上方パレット30Uとを繋いでいる。そのため、チェーン69aの中間部から一端までと、チェーン69bの中間部から一端までは、チェーン駆動部C1の駆動に応じて上方パレット30Uを昇降させる前記チェーン連動部C2を構成する。
これにより、モータ61が駆動すると、トルクシャフト63を介してアイドラ65i、65oが回動する。アイドラ65i、65oが回動することにより、チェーン69a、69bが巻き取り、引出され、上方パレット30Uが昇降する。
【0028】
[地下パレット昇降装置70の構成]
次に、地下パレット30Dを地下階と地上階との間で昇降させる地下パレット昇降装置70について説明する。本実施形態においては、地下パレット昇降装置70を左右方向に二つ配置しているが、構造が同一なため、左側の地下パレット昇降装置70について説明する。また、図7においては、地下階B1に配置される地下パレット30Dは省略し、地下階B2に配置される地下パレット30Dのみを示している。図7は、地下パレット昇降装置を示す正面図である。
図2、7に示すように、地下パレット30Dの左方に配置された後側の地下縦フレーム21の中間部には、ブラケットを介してモータ71が設けられる。前記モータ71の出力軸にスプロケット72が固定されている。また、前側および後側の地下縦フレーム21の上端部には、ブラケットを介して一対の軸受け73(図示せず)がそれぞれ固定されている。前記一対の軸受け73(図示せず)は、前後方向に延びるトルクシャフト74の両端部を回動可能に軸支する。前記トルクシャフト74の後部には、アイドラ75(図2参照)が軸支されている。また、前記トルクシャフト74の前部および後部には、アイドラ76がそれぞれ軸支されている。また、地下パレット30Dの四隅には、ブラケットを介してアイドラ77が取付けられている。
【0029】
前記スプロケット72とアイドラ75とにはチェーンが巻き回されている。前記アイドラ76とアイドラ77とには、チェーン78がかけ回されている。前記チェーン78の一端は、地下パレット30Dの左方に位置する地下縦フレーム21にブラケットを介して固定される。前記チェーン78の他端は、地下パレット30Dの右方に位置する地下縦フレーム12の上端に設けられた歩廊79にボルトで固定される。
これにより、モータ71が駆動すると、トルクシャフト74、アイドラ76を介してチェーン78が引き込み、繰り出される。そしてチェーン78の引き込み、繰り出しにより地下パレット30Dが昇降する。
【0030】
[ゲート装置Gの構成]
次に、ゲート装置Gについて説明する。図8は、ゲート装置を示す正面図である。図9は、本発明のゲート装置の詳細構造を示す図であり、(a)は、ゲート上部の要部拡大平面図、(b)は、ゲート下部の要部拡大平面図である。図8、9に示すように、立体駐車装置Aの前側には、出入口Eを開閉するゲート装置Gが設けられる。
図1、8、9に示すように、地上立体駐車装置10の前側にはゲート本体90が設けられている。地上立体駐車装置10の上部には、前記ゲート本体90を昇降可能とするゲート駆動装置100が設けられる。前記ゲート本体90とゲート駆動装置100とによりゲート装置Gが構成される。
これにより、立体駐車装置A内でパレットが横行・昇降させる間は、ゲート駆動装置100がゲート本体90を地上近くまで下降させる。これにより、ゲート本体90が出入口Eを閉鎖し、車両Cが立体駐車装置A内に進入できないようにする。
また、立体駐車装置A内のパレットの横行・昇降が終了し、車両Cをパレット上に駐車・退出が可能となると、ゲート駆動装置100がゲート本体90を上昇させる。これにより、出入口Eが開放され、車両Cが立体駐車装置A内へ移動できる。
【0031】
[ゲート本体90の構成]
次に、ゲート本体90の構成について説明する。図8に示すように、ゲート本体90は、複数枚(本実施例においては2枚)のゲート板91と連結部材92(本発明の連結部に相当)とにより構成されている。
ゲート板91について説明する。図8に示すように、左右方向の長さが支柱11間の長さと略同一とした一対のゲート横枠91aが上下方向に並べて配置される。前記一対のゲート横枠91aの左右両端部には、上下方向に延びる一対のゲート縦枠91bの端部が溶接により固定されている。前記ゲート横枠91aおよび前記ゲート縦枠91bは、断面がコの字形のチャンネル材で形成される。そして、前記一対のゲート横枠91aと前記一対のゲート縦枠91bとにより、ゲート枠93が形成される。前記ゲート枠の内側には、フェンス91cがブラケットを介して取付けられる。
【0032】
また、前記ゲート板91は、図9に示すように、支柱11の前面と後面との間に配置されている。これにより、立体駐車装置Aの前方(支柱11の前方)にゲート板91を配置するスペースが不要となる。したがって、立体駐車装置Aを設置するために必要なスペースが少なくて済む。
【0033】
次に、連結部材92について説明する。図8に示すように、連結部材92は隣り合うゲート板91を連結する。具体的に説明すると、図9に示すように、連結部材92の一端部は、左側ゲート板91の一部である右側ゲート縦枠91bの前面にボルト92bで固定されている。また、連結部材92の他端部は、右側ゲート板91の一部である左側ゲート縦枠91bの前面にボルト92bで固定されている。これにより、単一のゲート駆動装置100が駆動することで、複数枚のゲート板91を一度に昇降させることができる。
したがって、ゲート板91毎にゲート駆動装置100を設ける必要が無く、ゲート装置G全体を安価に構成できる。
【0034】
さらに、本実施形態のゲート本体90は、単一形状のゲート板91を連結部材92で連結することで形成されている。そのため、ゲート板91の共通化が容易に行える。しかも、ゲート板91と連結部材92とはボルトにより脱着可能に取付けられているので、立体駐車装置の設置現場まで搬送する際には、ゲート板91と連結部材92とを分離して搬送できる。したがって、ゲート本体90の搬送作業が容易である。
【0035】
また、本実施形態のゲート本体90は、ゲート板91を連結部材92で連結する構成である。したがって、出入口Eが3箇所以上の場合であっても、出入口Eと同数のゲート板91を連結部材92で連結するのみで、ゲート本体90を作成できる。したがって、出入口の数に応じたゲート本体90を事前に作成しておく必要が無い。
【0036】
連結部材92は、中央部が前方に向けて突出する突出部92aを有している。前記連結部材92の突出部92aと隣り合うゲート板91のゲート縦枠91bとは、支柱11の前面側を覆う凹部を形成している。そのため、図9に示すように、連結部材92は、支柱11の前面と後面との間に配置された隣り合うゲート板91同士を、支柱11に接触することなく配置できる。その結果、立体駐車装置前方に、ゲート板91を配置するためのスペースを少なくすることができるので、少ないスペースに立体駐車装置全体を設置することができる。
【0037】
図9に示すように、前記ゲート本体90の左右両端部には、第一ガイド装置94(本発明の当接部に相当)が上下に取付けられる。ゲート本体90への第一ガイド装置94の取付構造は、左右同一のため、ゲート本体90の左側端部で説明する。
まず、ゲート本体90左側下部における第一ガイド装置94の構造について説明する。ゲート縦枠91bに、開口部を覆う板部材94aを溶接により固定する。そして、前記板部材94aに、Z形に折り曲げられたZ形部材94bの一端をボルト止めする。前記Z形部材94bの他端には、軸心が前後方向に伸びるようにローラ94cが連結軸を介して取付けられる。
前記ローラ94cは、支柱11に左右方向から接触可能に配置されている。これにより、ゲート本体90の昇降中に、ゲート本体90が左右方向に揺れることを防止できる。
次に、ゲート本体90上部における第一ガイド装置94(本発明の当接部に相当)の取付構造について説明する。ゲート縦枠91bの側面に、ローラ94dが連結軸を介して取付けられている。前記ローラ94dは軸心が左右方向に伸びるように設けられている。また、支柱11には、断面形状がL字型のガイドレール94eがボルトにより固定されている。
ローラ94dは、支柱11および前記ガイドレール94eに接触可能に配置されている。これにより、ゲート本体90の昇降中に、ゲート本体90が前後方向に揺れることを防止できる。
したがって、第一ガイド装置94により、ゲート本体90の昇降中に、ゲート本体90が前後左右に揺れることを防止できる。よってゲート本体90の円滑な昇降が可能となる。
【0038】
また、図9に示すように、ゲート本体90の中間部上部(連結部材92が取付けられたゲート縦枠91b)には、第二ガイド部材95(本発明の当接部に相当)が取付けられている。
前記第二ガイド部材95の構造について説明する。ゲート縦枠91bの上部側面に、ローラ95aが連結軸を介して取付けられている。前記ローラ95aは軸心が左右方向に伸びるように配置されている。また、支柱11には、断面形状がL字型のガイドレール95bがボルトにより固定されている。
ローラ95aは、支柱11および前記ガイドレール95bに接触可能に配置されている。これにより、ゲート本体90の昇降中に、ゲート本体90が前後方向に揺れることを防止できる。
また、ゲート本体90が外力により前後方向に押された場合には、ローラ95aが支柱11もしくはガイドレール95bに接触する。これにより、ゲート板91の前後方向への移動が規制されるので、外力によって連結部材92が変形し、ゲート本体90が大きくたわむことを防止する。
【0039】
[ゲート駆動装置の構成]
次に、ゲート本体90を昇降させるゲート駆動装置100について説明する。図8に示すように、ゲート駆動装置100は、立体駐車装置Aの上部に配置されている。
詳細に説明すると、地上立体駐車装置10の前側左右方向中間部に立設した支柱11の上端部には、ブラケットを介してモータ101が固定されている。前記モータ101は、出力軸が前方に向くように配置されている。モータ101の出力軸には、スプロケット102が軸支されている。地上立体駐車装置10の前側左端に立設した支柱11の上端部には、ブラケットを介して二個のアイドラ103が回動可能に軸支されている。前記二個のアイドラ103は、前後方向に平行に配置されている。以下、前側のアイドラ103をアイドラ103f、後側のアイドラ103をアイドラ103rとする。地上立体駐車装置10の前側右側に立設した支柱11の上端部には、ブラケットを介してアイドラ104が回動可能に軸支されている。
【0040】
前記スプロケット102と、前記アイドラ103rとには、無端チェーン105が巻き回される。前記無端チェーン105の中間部には、連結部材106、106を介して、チェーン107、108の一端がそれぞれ固定されている。前記チェーン107は、左方へ伸びた後、アイドラ103fに巻き回され、下方へ伸びる。チェーン107の他端は、ゲート本体90の左端部上部に固定される。チェーン108は、右方へ伸びた後、アイドラ104に巻き回された後、下方へ伸びる。チェーン108の他端は、ゲート本体90右端部上部に固定される。
これにより、モータ101が駆動すると、スプロケット102が回動し、無端チェーン105が駆動する。無端チェーン105の駆動により、チェーン107、108の他端は上下方向に引き込み、繰り出しされ、ゲート本体90が昇降する。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない、例えば、ゲート本体について、実施形態においてはゲート板91と連結部材92とにより形成したが、ゲート板91と連結部材92とが一体となった構造としても良い。図10は他の実施形態のゲート本体についての詳細構造を示す要部拡大平面図である。図10に示すように、複数の出入口E全体の左右方向の幅と略同じ長さのゲート横枠291aと、ゲート縦枠291bとによりゲート本体290を形成するようにしてもよい。この構成においても、ゲート横枠291aとゲート縦枠292bとにより凹部が形成される。そして、ゲート縦枠291bに取付けられた当接部に相当する第二ガイド装置295により、凹部は当接部を介して支柱に支持されるので、ゲート本体の破損を防止できる。また、ゲート本体としては、他に、一枚の板部材に凹部を形成したものとしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、ゲート駆動装置100のチェーンとして、無端チェーン105、連結部材106、106、チェーン107、108を用いた構成を示したが、上方パレット昇降装置60のように、二本のチェーン69a、69bを用いた構成のようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 立体駐車装置
6 地上縦フレーム
7 地上横フレーム
90 ゲート本体
91 ゲート板
92 連結部材
95 第二ガイド部材(当接部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10