(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁層に第1金属プラグおよび第2金属プラグを埋設する工程が、前記絶縁層に、第1貫通孔および第2貫通孔を形成する工程と、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を埋め尽くすように、前記絶縁層上にプラグ材料を堆積させる工程と、前記プラグ材料の上面と前記絶縁層の上面とが面一になるまで、前記プラグ材料の前記第1貫通孔および前記第2貫通孔外の部分を除去することにより、前記第1金属プラグおよび前記第2金属プラグを形成する工程とを含む、請求項3に記載の半導体記憶装置の製造方法。
【背景技術】
【0002】
従来、供給電源が遮断されても記憶内容を保持することのできる不揮発性メモリとして、強誘電体キャパシタを搭載する強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectric Random Access Memory)が知られている。従来の強誘電体メモリは、たとえば、下記に示す製造工程を経て製造される。
図7A〜
図7Hは、従来の強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す模式的な断面図である。
【0003】
この製造方法では、まず、
図7Aに示すように、P型のシリコン基板201の表層部に、N型不純物が注入されることにより、N
+型領域202およびN
+型領域203が形成される。次いで、熱酸化処理およびパターニング技術により、シリコン基板201の表面に、N
+型領域202からN
+型領域203に跨るゲート絶縁膜204が形成される。次いで、不純物が高濃度にドープされたポリシリコン(ドープトポリシリコン)が、CVD法によりシリコン基板201上に堆積され、パターニングされることにより、ゲート絶縁膜204上にゲート電極205が形成される。次に、CVD法により、酸化シリコンがシリコン基板201上に堆積され、その堆積された酸化シリコンがエッチバックされることにより、ゲート電極205の側壁を取り囲むサイドウォール206が形成される。こうして、
図7Aに示すように、ゲート電極205(Metal)と、ゲート絶縁膜204(Oxide)と、N
+型領域202(ドレイン領域)およびN
+型領域203(ソース領域)を含むシリコン基板201(Semiconductor)とを備えるMOSFET207が形成される。
【0004】
MOSFET207の形成後、CVD法により、シリコン基板201上に酸化シリコンからなる第1絶縁層208が積層される。次いで、第1絶縁層208がパターニングされる。これにより、第1絶縁層208の上面から、N
+型領域202(ドレイン領域)に達するドレインコンタクトホール209が形成される。また、第1絶縁層208の上面から、N
+型領域203(ソース領域)に達するソースコンタクトホール210が形成される。
【0005】
次いで、スパッタ法により、ドレインコンタクトホール209およびソースコンタクトホール210の内面を覆い、さらに第1絶縁層208の上面を覆うように、チタンを含有する導電材料が堆積される。そして、CVD法により、ドレインコンタクトホール209およびソースコンタクトホール210を埋め尽くすようにタングステンが堆積される。その後、CMP処理により、タングステンの上面と第1絶縁層208の上面とが面一になるまで、チタンを含有する導電材料およびタングステンが研磨される。こうして、
図7Aに示すように、バリア膜211を介して、ドレインコンタクトホール209に埋設されたドレインコンタクトプラグ213が形成される。また、バリア膜212を介して、ソースコンタクトホール210に埋設されたソースコンタクトプラグ214が形成される。ドレインコンタクトプラグ213は、バリア膜211を介してN
+型領域202(ドレイン領域)に電気的に接続されることとなる。一方、ソースコンタクトプラグ214は、バリア膜212を介してN
+型領域203(ソース領域)に電気的に接続されることとなる。
【0006】
次いで、スパッタ法により、
図7Bに示すように、第1絶縁層208上に、Ir(イリジウム)を含む導電材料からなる下部導電材料膜215、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる強誘電体材料膜216およびIr(イリジウム)を含む導電材料からなる上部導電材料膜217がこの順に積層される。これにより、第1絶縁層208上に、積層構造物239が形成される。
【0007】
続いて、
図7Cに示すように、積層構造物239におけるドレインコンタクトプラグ213上の部分に、TiNからなるハードマスク240が形成される。そして、このハードマスク240を介して、300℃以上のエッチング温度で、積層構造物239がエッチングされる。こうして、ドレインコンタクトプラグ213上に、下部電極218、強誘電体膜219および上部電極220からなる強誘電体キャパシタ221が形成される。強誘電体キャパシタ221の下部電極218は、ドレインコンタクトプラグ213に接触することにより、ドレインコンタクトプラグ213を介してN
+型領域202(ドレイン領域)に電気的に接続されることとなる。なお、上部電極220上には、エッチングにより薄くなったハードマスク240が残存する。
【0008】
次いで、第1絶縁層208上に、スパッタ法によりアルミナが堆積され、さらに、PECVD法によりSiNが堆積される。これにより、
図7Dに示すように、強誘電体キャパシタ221を水素から保護するための、第1水素バリア膜222および第2水素バリア膜223が形成される。
その後、CVD法により、
図7Eに示すように、第2水素バリア膜223上に、酸化シリコンからなる第2絶縁層224が積層される。
【0009】
次いで、第2絶縁層224がCMP処理により研磨されて、第2絶縁層224の上面が平坦化される。そして、
図7Fに示すように、第2絶縁層224、第2水素バリア膜223および第1水素バリア膜222がパターニングされる。これにより、第2絶縁層224の上面から、ハードマスク240に達するPL用配線ビアホール225が形成される。また、第2絶縁層224の上面から、ソースコンタクトプラグ214に達するBL用配線ビアホール226が形成される。
【0010】
次いで、スパッタ法により、PL用配線ビアホール225およびBL用配線ビアホール226の内面を覆い、さらに第2絶縁層224の上面を覆うように、チタンを含有する導電材料が堆積される。そして、CVD法により、PL用配線ビアホール225およびBL用配線ビアホール226を埋め尽くすように、タングステンが堆積される。その後、タングステンの上面と第2絶縁層224の上面とが面一になるまで、CMP処理により、チタンを含有する導電材料およびタングステンが研磨される。こうして、
図7Gに示すように、バリア膜227を介して、PL用配線ビアホール225に埋設されたPL用配線プラグ229が形成される。また、バリア膜228を介して、BL用配線ビアホール226に埋設されたBL用配線プラグ230が形成される。PL用配線プラグ229は、バリア膜227およびハードマスク240を介して上部電極220に電気的に接続されることとなる。一方、BL用配線プラグ230は、バリア膜228を介してソースコンタクトプラグ214に電気的に接続されることとなる。
【0011】
その後、スパッタ法により、チタンを含有する導電材料、アルミニウムを含有する導電材料およびチタンを含有する導電材料が、第2絶縁層224上に積層され、パターニングされる。これにより、
図7Hに示すように、PL用配線プラグ229に電気的に接続されるPL用配線231(チタン層233、アルミニウム層234およびチタン層235の3層構造からなる配線)と、BL用配線プラグ230に電気的に接続されるBL用配線232(チタン層236、アルミニウム層237およびチタン層238の3層構造からなる配線)とが形成される。
【0012】
そして、ゲート電極205にワード線241が接続され、PL用配線231にプレート線242が接続され、BL用配線232にビット線243が接続される。
こうして、
図7Hに示すように、強誘電体キャパシタ221を搭載する強誘電体メモリ200が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照してより詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る強誘電体メモリの模式的な平面図である。
図2は、
図1の強誘電体メモリの断面図であり、切断線II−IIでの切断面である。
半導体記憶装置としての強誘電体メモリ1は、供給電源が遮断されても記憶内容を保持することのできる不揮発性メモリである。
【0036】
強誘電体メモリ1は、
図2に示すように、P型のシリコン基板2を備えている。
シリコン基板2上には、たとえば、複数の平面視長方形状のアクティブ領域50が形成されている。アクティブ領域50の輪郭は、
図1では、太線で示されている。アクティブ領域50は、その長手方向および長手方向と直交する方向に整列するマトリクス状に配置されている。
【0037】
各アクティブ領域50には、1ビットの情報を保持するメモリセルが複数(本実施形態では2つ)形成されている。
図2では、複数のメモリセルのうちの1つを表している。
各メモリセルは、1つの強誘電体キャパシタ18(C)と、1つのMOSFET8(T)とが積層関係に配置される、1T1C型セル構造を有している。
アクティブ領域50(各メモリセル)において、シリコン基板2の表層部には、
図2に示すように、N
+型のドレイン領域3と、N
+型のソース領域4とが間隔を空けて形成されている。なお、ソース領域4は、2つのメモリセルのMOSFET8に共通の領域とされており、平面視において、アクティブ領域50の中央部に形成されている。一方、ドレイン領域3は、平面視において、アクティブ領域50の一端部および他端部のそれぞれに、各メモリセルのMOSFET8に対応して形成されている。
【0038】
また、シリコン基板2の表面には、ドレイン領域3からソース領域4に跨るゲート絶縁膜5が形成されている。ゲート絶縁膜5は、たとえば、酸化シリコンからなる。
ゲート絶縁膜5上には、たとえば、不純物がドープされたポリシリコン(ドープトポリシリコン)からなるゲート電極6が形成されている。
ゲート電極6の側壁には、その全周にわたって密着するサイドウォール7が形成されている。サイドウォール7は、たとえば、酸化シリコンからなる。
【0039】
このように、強誘電体メモリ1には、ゲート電極6(Metal)と、ゲート絶縁膜5(Oxide)と、ドレイン領域3およびソース領域4を含むシリコン基板2(Semiconductor)とを有するMOSFET8が備えられている。
シリコン基板2上には、第1絶縁層9が積層されている。第1絶縁層9は、たとえば、酸化シリコンからなる。また、第1絶縁層9の厚さは、たとえば、0.4〜0.9μmである。
【0040】
第1絶縁層9において、ドレイン領域3に対向する部分には、第1絶縁層9の上面61からドレイン領域3に達するドレインコンタクトホール10が形成されている。
ドレインコンタクトホール10には、タングステンなどの金属材料からなるドレインコンタクトプラグ14が埋設されている。第1金属プラグとしてのドレインコンタクトプラグ14は、その上面62が第1絶縁層9の上面61と面一になるまでドレインコンタクトホール10を埋め尽くしている。
【0041】
また、ドレインコンタクトホール10において、その内面(第1絶縁層9がなす側面およびシリコン基板2がなす底面)とドレインコンタクトプラグ14との間には、バリア膜12が介在されている。バリア膜12は、たとえば、チタンを含有する導電材料(たとえば、TiN、Tiなど)からなる。
導電性のバリア膜12が介在されることにより、ドレインコンタクトプラグ14は、バリア膜12を介して、ドレイン領域3に電気的に接続(コンタクト)されることとなる。
【0042】
また、第1絶縁層9において、ソース領域4に対向する部分には、第1絶縁層9の上面61からソース領域4に達するソースコンタクトホール11が形成されている。
ソースコンタクトホール11には、タングステンなどの金属材料からなるソースコンタクトプラグ15が埋設されている。第2金属プラグとしてのソースコンタクトプラグ15は、その上面63が第1絶縁層9の上面61と面一になるまでソースコンタクトホール11を埋め尽くしている。ソースコンタクトプラグ15の上面63が第1絶縁層9の上面61と面一であることにより、ソースコンタクトプラグ15の上面63と、ドレインコンタクトプラグ14の上面62とは、面一となっている。
【0043】
また、ソースコンタクトホール11において、その内面(第1絶縁層9がなす側面およびシリコン基板2がなす底面)とソースコンタクトプラグ15との間には、バリア膜13が介在されている。バリア膜13は、たとえば、チタンを含有する導電材料(たとえば、TiN、Tiなど)からなる。
導電性のバリア膜13が介在されることにより、ソースコンタクトプラグ15は、バリア膜13を介して、ソース領域4に電気的に接続(コンタクト)されることとなる。
【0044】
第1絶縁層9上には、第1絶縁層9と第2絶縁層24(後述)との間に介在された層間絶縁膜16が形成されている。層間絶縁膜16の厚さは、第1絶縁層9の厚さよりも小さく、たとえば、0.05〜0.2μmである。層間絶縁膜16のドレインコンタクトプラグ14に対向する部分には、ドレインコンタクトプラグ14の上面62全域を露出させる開口17が形成されている。
【0045】
強誘電体キャパシタ18は、層間絶縁膜16の開口17上、つまり、平面視でドレインコンタクトプラグ14に重なる位置であって、ソースコンタクトプラグ15に重ならない位置に配置されている。
強誘電体キャパシタ18は、下部電極19と、上部電極21と、下部電極19と上部電極21とにより挟まれた強誘電体膜20とを備えている。
【0046】
下部電極19は、貴金属を含有する導電材料(具体的には、Au系材料、Ag系材料、Pt系材料、Pd系材料、Rh系材料、Ir系材料、Ru系材料、Os系材料)からなる。また、下部電極19の厚さは、たとえば、0.05〜0.2μmである。下部電極19は、開口17に入り込み、ドレインコンタクトプラグ14の上面62に接触している。これにより、下部電極19は、ドレインコンタクトプラグ14を介して、ドレイン領域3に電気的に接続されることとなる。
【0047】
上部電極21は、下部電極19と同様に、貴金属を含有する導電材料からなる。また、上部電極21の厚さは、たとえば、下部電極19と同じ厚さ(たとえば、0.05〜0.2μm)である。
強誘電体膜20は、強誘電体材料からなる。強誘電体材料としては、電圧が印加されていなくても電荷を貯蔵可能な特性を有する材料であれば特に制限されず、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O
3:PZT)、タンタル酸ビスマスストロンチウム(SrBi
2Ta
2O
9:SBT)、チタン酸ビスマスランタン(Bi,La)
4Ti
3O
12:BLT)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)など、公知のものが挙げられる。また、強誘電体膜20の厚さは、たとえば、0.05〜0.2μmである。
【0048】
そして、下部電極19、強誘電体膜20および上部電極21が積層されてなる強誘電体キャパシタ18は、たとえば、メサ形状(断面視台形状)に形成されている。強誘電体キャパシタ18の側面64は、開口17上における積層界面Iに対して傾斜角度a(たとえば、a=75〜85°)で傾斜する急斜面である。
強誘電体キャパシタ18の上部電極21上には、TiN膜48が積層されている。
【0049】
層間絶縁膜16上には、Al
2O
3(アルミナ)からなる第1水素バリア膜22と、SiN(窒化シリコン)からなる第2水素バリア膜23とが順に積層されている。
第2水素バリア膜23上には、第2絶縁層24が積層されている。第2絶縁層24は、たとえば、酸化シリコンからなる。また、第2絶縁層24の厚さは、たとえば、第1絶縁層9と同じ厚さ(たとえば、0.4〜0.9μm)である。
【0050】
第2絶縁層24、第2水素バリア膜23および第1水素バリア膜22には、第2絶縁層24の上面65からこれらを貫通して、TiN膜48に達するPL用配線ビアホール25が形成されている。
PL用配線ビアホール25には、タングステンなどの金属材料からなるPL用配線プラグ29が埋設されている。PL用配線プラグ29は、その上面66が第2絶縁層24の上面65と面一になるまでPL用配線ビアホール25を埋め尽くしている。
【0051】
また、PL用配線ビアホール25において、その内面(第2絶縁層24がなす側面およびTiN膜48がなす底面)とPL用配線プラグ29との間には、バリア膜27が介在されている。バリア膜27は、たとえば、チタンを含有する導電材料(たとえば、TiN、Tiなど)からなる。
導電性のバリア膜27が介在されることにより、PL用配線プラグ29は、バリア膜27およびTiN膜48を介して、上部電極21に電気的に接続(コンタクト)されることとなる。
【0052】
また、第2絶縁層24、第2水素バリア膜23および第1水素バリア膜22には、第2絶縁層24の上面65からこれらを貫通して、ソースコンタクトプラグ15に達するBL用配線ビアホール26が形成されている。
BL用配線ビアホール26には、タングステンなどの金属材料からなるBL用配線プラグ30が埋設されている。BL用配線プラグ30は、その上面67が第2絶縁層24の上面65と面一になるまでBL用配線ビアホール26を埋め尽くしている。
【0053】
また、BL用配線ビアホール26において、その内面(第2絶縁層24がなす側面およびソースコンタクトプラグ15がなす底面)とBL用配線プラグ30との間には、バリア膜28が形成されている。バリア膜28は、たとえば、チタンを含有する導電材料(たとえば、TiN、Tiなど)からなる。
導電性のバリア膜28が介在されることにより、BL用配線プラグ30は、バリア膜27を介して、ソースコンタクトプラグ15に電気的に接続(コンタクト)されることとなる。
【0054】
第2絶縁層24上には、PL用配線31およびBL用配線32が形成されている。
PL用配線31は、強誘電体メモリ1に備えられるプレート線40に接続される配線であって、たとえば、チタンを含有する導電材料からなるチタン層33と、アルミニウムを含有する導電材料からなるアルミニウム層34と、チタンを含有する導電材料からなるチタン層35との3層構造で形成されている。
【0055】
BL用配線32は、強誘電体メモリ1に備えられるビット線41に接続される配線であって、たとえば、チタンを含有する導電材料からなるチタン層36と、アルミニウムを含有する導電材料からなるアルミニウム層37と、チタンを含有する導電材料からなるチタン層38との3層構造で形成されている。
また、強誘電体メモリ1には、ワード線39、プレート線40およびビット線41が備えられている。
【0056】
ワード線39は、各ドレイン領域3とソース領域4との間の各チャネル領域に対向する位置に、アクティブ領域50の長手方向と直交する方向に延びている。ワード線39はゲート電極6に接続されている。
プレート線40は、上部電極21の上方において、アクティブ領域50の長手方向と直交する方向に延びている。プレート線40はPL用配線31に接続されている。
【0057】
ビット線41は、アクティブ領域50の上方において、アクティブ領域50の長手方向に延びている。ビット線41はBL用配線32に接続されている。
そして、ワード線39によりメモリセルを選択し、ビット線41とプレート線40との間に電圧を印加することにより、選択されたメモリセルの強誘電体キャパシタ18が、上部電極21から下部電極19へ向かう方向もしくはその反対方向に分極する。この分極方向を判別することによって、当該メモリセルに対して1ビット情報(0もしくは1の情報)を書き込むことができる。
【0058】
一方、各メモリセルにおいて、上部電極21と下部電極19との間にパルス電圧を印加し、強誘電体キャパシタ18の分極反転による電流の有無により当該メモリセルに書き込まれた1ビット情報を判別することによって、当該情報を読み出すことができる。
図3A〜
図3Jは、
図2の強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す模式的な断面図である。
【0059】
この製造方法では、まず、
図3Aに示すように、シリコン基板2の表層部に、N型不純物が注入されることにより、N
+型のドレイン領域3およびN
+型のソース領域4が形成される。次いで、シリコン基板2上に、熱酸化処理により熱酸化膜(図示せず)が形成され、この熱酸化膜がパターニングされる。これにより、ドレイン領域3およびソース領域4に跨るゲート絶縁膜5が形成される。
【0060】
次いで、ゲート絶縁膜5の形成されたシリコン基板2上に、CVD法により、不純物がドープされたポリシリコン(ドープドポリシリコン)が堆積され、このドープトポリシリコンがパターニングされる。これにより、ゲート絶縁膜5上にゲート電極6が形成される。次に、シリコン基板2上に、CVD法により酸化シリコンが堆積され、この酸化シリコンがエッチバックされる。これにより、ゲート電極6の側壁を取り囲むサイドウォール7が形成される。こうして、
図3Aに示すように、ゲート電極6(Metal)と、ゲート絶縁膜5(Oxide)と、ドレイン領域3およびソース領域4を含むシリコン基板2(Semiconductor)とを有するMOSFET8が形成される。
【0061】
MOSFET8の形成後、CVD法により、シリコン基板2上に酸化シリコンが堆積されることにより、第1絶縁層9が形成される。次いで、公知のパターニング技術により、第1絶縁層9がパターニングされることにより、第1絶縁層9にドレインコンタクトホール10およびソースコンタクトホール11が同時に形成される。
次に、スパッタ法により、ドレインコンタクトホール10およびソースコンタクトホール11の内面全域を覆い、さらに第1絶縁層9の上面61を覆うように、チタンを含有する導電材料が堆積される。そして、CVD法により、ドレインコンタクトホール10およびソースコンタクトホール11を埋め尽くすようにタングステンが堆積される。その後、CMP処理により、堆積されたタングステンの上面と第1絶縁層9の上面61とが面一になるまで、チタンを含有する導電材料およびタングステンが研磨される。こうして、
図3Aに示すように、バリア膜12が形成されるとともに、このバリア膜12を介して、ドレインコンタクトホール10に埋設されたドレインコンタクトプラグ14が形成される。また、バリア膜13が形成されるとともに、このバリア膜13を介して、ソースコンタクトホール11に埋設されたソースコンタクトプラグ15が、ドレインコンタクトプラグ14と同時に形成される。ドレインコンタクトプラグ14の上面62およびソースコンタクトプラグ15の上面63は、第1絶縁層9の上面61と面一となる。
【0062】
次いで、CVD法により、第1絶縁層9上に酸化シリコンが堆積されることにより、
図3Bに示すように、第1絶縁層9上に層間絶縁膜16が積層される。
次に、公知のパターニング技術により、層間絶縁膜16のドレインコンタクトプラグ14に対向する部分が除去される。これにより、
図3Cに示すように、ドレインコンタクトプラグ14の上面62を露出させる開口17が形成される。
【0063】
次いで、スパッタ法により、
図3Dに示すように、貴金属を含有する導電材料からなる下部導電材料膜42、強誘電体材料からなる強誘電体材料膜43および貴金属を含有する導電材料からなる上部導電材料膜44が、層間絶縁膜16上に順に堆積されて、堆積構造物45が形成される。
続いて、堆積構造物45における開口17上の部分(ドレインコンタクトプラグ14上の部分)に、耐熱性のあるハードマスク46(たとえば、TiN)が形成される。そして、このハードマスク46を介して、たとえば、300℃以上、好ましくは、350〜450℃のエッチング温度で、堆積構造物45がその積層界面に対して垂直にエッチングされる。これにより、堆積構造物45は、その一部が開口17上に残存するように、その残存部分以外の部分が除去される。こうして、
図3Eに示すように、開口17上における積層界面Iに対して傾斜角度a(たとえば、a=75〜85°)で傾斜する側面64を有するメサ形状の強誘電体キャパシタ18が形成される。なお、強誘電体キャパシタ18の上部電極21上には、
図3Fに示すように、エッチングにより薄くなったハードマスク46がTiN膜48として残存する。
【0064】
次いで、層間絶縁膜16上に、スパッタ法によりAl
2O
3(アルミナ)が堆積され、さらに、PECVD法によりSiN(窒化シリコン)が堆積される。これにより、
図3Fに示すように、層間絶縁膜16を覆い、さらに強誘電体キャパシタ18の表面全域を覆うように、第1水素バリア膜22および第2水素バリア膜23が形成される。
その後、CVD法により、
図3Gに示すように、第2水素バリア膜23上に、酸化シリコンからなる第2絶縁層24が積層される。このとき、強誘電体キャパシタ18の表面全域が第1水素バリア膜22および第2水素バリア膜23により覆われているので、第2絶縁層24の形成方法として、H(水素)をキャリヤガスとして用いるCVD法が採用されても、キャリヤガスによる強誘電体膜20中の酸素の還元を防止することができる。したがって、強誘電体膜20の特性劣化を抑制することができる。
【0065】
次いで、第2絶縁層24がCMP処理により研磨されて、第2絶縁層24の表面が平坦化される。そして、公知のパターニング技術により、
図3Hに示すように、第2絶縁層24、第2水素バリア膜23および第1水素バリア膜22がパターニングされることにより、TiN膜48を露出させるPL用配線ビアホール25と、ソースコンタクトプラグ15の上面63を露出させるBL用配線ビアホール26とが同時に形成される。
【0066】
次いで、スパッタ法により、PL用配線ビアホール25およびBL用配線ビアホール26の内面を覆い、さらに第2絶縁層24の上面65を覆うように、チタンを含有する導電材料が堆積される。そして、CVD法により、PL用配線ビアホール25およびBL用配線ビアホール26を埋め尽くすようにタングステンが堆積される。その後、CMP処理により、堆積されたタングステンの上面と第2絶縁層24の上面65とが面一になるまで、チタン含有材料およびタングステンが研磨される。こうして、
図3Iに示すように、バリア膜27が形成されるとともに、このバリア膜27を介して、PL用配線ビアホール25に埋設されたPL用配線プラグ29が形成される。また、バリア膜28が形成されるとともに、このバリア膜28を介して、BL用配線ビアホール26に埋設されたBL用配線プラグ30が、PL用配線プラグ29と同時に形成される。PL用配線プラグ29の上面66およびBL用配線プラグ30の上面67は、第2絶縁層24の上面65と面一となる。
【0067】
その後、スパッタ法により、チタンを含有する導電材料、アルミニウムを含有する導電材料およびチタンを含有する導電材料が、第2絶縁層24上に積層され、パターニングされる。これにより、
図3Jに示すように、PL用配線プラグ29に電気的に接続されるPL用配線31(チタン層33、アルミニウム層34およびチタン層35の3層構造からなる配線)と、BL用配線プラグ30に電気的に接続されるBL用配線32(チタン層36、アルミニウム層37およびチタン層38の3層構造からなる配線)とが、同時に形成される。
【0068】
そして、ゲート電極6にワード線39が接続され、PL用配線31にプレート線40が接続され、BL用配線32にビット線41が接続される。
こうして、
図3Jに示すように、強誘電体キャパシタ18を搭載する強誘電体メモリ1が得られる。
以上のように、上記の製造方法では、第1絶縁層9に、ドレインコンタクトプラグ14およびソースコンタクトプラグ15が埋設された後、第1絶縁層9上に層間絶縁膜16が積層される。そして、層間絶縁膜16がパターニングされることにより、層間絶縁膜16のドレインコンタクトプラグ14に対向する部分が除去されて、開口17が形成される。これにより、ドレインコンタクトプラグ14が層間絶縁膜16の開口17を介して露出する一方、ソースコンタクトプラグ15が層間絶縁膜16により覆われる。
【0069】
この状態で、層間絶縁膜16上に堆積構造物45が形成され、堆積構造物45の一部(開口17上の部分)に、耐熱性のあるハードマスク46が形成される。そして、ハードマスク46を介して、堆積構造物45がエッチングされることにより、強誘電体キャパシタ18が形成される。
堆積構造物45のエッチング時、ソースコンタクトプラグ15が層間絶縁膜16により覆われている。そのため、上記のように300℃以上の高温で、堆積構造物45がエッチングされても、層間絶縁膜16による保護により、ソースコンタクトプラグ15の異常エッチングを防止することができる。その結果、ソースコンタクトプラグ15と、これに接続されるBL用配線プラグ30との間における導通不良の発生を抑制することができ、信頼性の低下を抑制することができる。
【0070】
また、堆積構造物45を高温エッチングすることにより、強誘電体キャパシタ18の側面64を、開口17上における積層界面Iに対して急斜面にすることができる。その結果、強誘電体キャパシタ18の面積を縮小することができるので、強誘電体メモリ1の微細化を図ることができる。
また、ドレインコンタクトプラグ14およびソースコンタクトプラグ15の形成に関して、ドレインコンタクトホール10およびソースコンタクトホール11が同時に形成される。そして、これらコンタクトホールを埋め尽くすようにタングステンが堆積された後、タングステンの上面と第1絶縁層9の上面61とが面一になるまで、タングステンがCMP処理により研磨される。この研磨によって、それらの上面62,63が互いに面一をなすドレインコンタクトプラグ14およびソースコンタクトプラグ15が同時に形成される(
図3A参照)。
【0071】
このように、ドレインコンタクトプラグ14を形成するための複数の工程と、ソースコンタクトプラグ15を形成するための複数の工程とが並行して行なわれるので、強誘電体メモリ1の製造工程を簡略化することができる。
図4は、
参考例に係る強誘電体メモリの模式的な平面図である。
図5は、
図4の強誘電体メモリの断面図であり、切断線V−Vでの切断面である。
【0072】
半導体記憶装置としての強誘電体メモリ101は、供給電源が遮断されても記憶内容を保持することのできる不揮発性メモリである。
強誘電体メモリ101は、
図5に示すように、P型のシリコン基板102を備えている。
シリコン基板102上には、たとえば、複数の平面視長方形状のアクティブ領域150が形成されている。アクティブ領域150の輪郭は、
図4では、太線で示されている。アクティブ領域150は、その長手方向および長手方向と直交する方向に整列するマトリクス状に配置されている。
【0073】
各アクティブ領域150には、1ビットの情報を保持するメモリセルが複数(本
参考例では2つ)形成されている。
図5では、複数のメモリセルのうちの1つを表している。
各メモリセルは、1つの強誘電体キャパシタ118(C)と、1つのMOSFET108(T)とが積層関係に配置される、1T1C型セル構造を有している。
アクティブ領域150(各メモリセル)において、シリコン基板102の表層部には、
図5に示すように、N
+型のドレイン領域103と、N
+型のソース領域104とが間隔を空けて形成されている。なお、ソース領域104は、2つのメモリセルのMOSFET108に共通の領域とされており、平面視において、アクティブ領域150の中央部に形成されている。一方、ドレイン領域103は、平面視において、アクティブ領域150の一端部および他端部のそれぞれに、各メモリセルのMOSFET108に対応して形成されている。
【0074】
また、シリコン基板102の表面には、ドレイン領域103からソース領域104に跨るゲート絶縁膜105が形成されている。ゲート絶縁膜105は、たとえば、酸化シリコンからなる。
ゲート絶縁膜105上には、たとえば、不純物がドープされたポリシリコン(ドープトポリシリコン)からなるゲート電極106が形成されている。
【0075】
ゲート電極106の側壁には、その全周にわたって密着するサイドウォール107が形成されている。サイドウォール107は、たとえば、酸化シリコンからなる。
このように、強誘電体メモリ101には、ゲート電極106(Metal)と、ゲート絶縁膜105(Oxide)と、ドレイン領域103およびソース領域104を含むシリコン基板102(Semiconductor)とを有するMOSFET108が備えられている。
【0076】
シリコン基板102上には、第1絶縁層109が積層されている。第1絶縁層109は、たとえば、酸化シリコンからなる。また、第1絶縁層109の厚さは、たとえば、0.4〜0.9μmである。
第1絶縁層109において、ドレイン領域103に対向する部分には、第1絶縁層109の上面161からドレイン領域103に達するドレインコンタクトホール110が形成されている。
【0077】
ドレインコンタクトホール110には、ドレインコンタクトプラグ114が埋設されている。ドレインコンタクトプラグ114は、ドレインコンタクトホール110の深さ方向途中部まで埋め込まれた本体プラグ151と、本体プラグ151の上面168を覆い、その上面162が第1絶縁層109の上面161と面一になるまでドレインコンタクトホール110を埋め尽くすキャッププラグ152とを有している。
【0078】
第1金属プラグとしての本体プラグ151は、たとえば、タングステンなどの金属材料からなる。
導電性キャップとしてのキャッププラグ152は、後述する下部電極119および上部電極121の材料に対してエッチング選択比を有する導電性材料、たとえば、TiN(窒化チタン)、TaN(窒化タンタル)、WN(窒化タングステン)などの導電性窒化物、不純物がドープされたポリシリコン(ドープトポリシリコン)、カーボンなどからなる。
【0079】
また、ドレインコンタクトホール110において、その内面(第1絶縁層109がなす側面およびシリコン基板102がなす底面)とドレインコンタクトプラグ114との間には、バリア膜112が介在されている。バリア膜112は、たとえば、チタンを含有する導電材料(たとえば、TiN、Tiなど)からなる。
導電性のバリア膜112が介在されることにより、ドレインコンタクトプラグ114は、バリア膜112を介して、ドレイン領域103に電気的に接続(コンタクト)されることとなる。
【0080】
また、第1絶縁層109において、ソース領域104に対向する部分には、第1絶縁層109の上面161からソース領域104に達するソースコンタクトホール111が形成されている。
ソースコンタクトホール111には、ソースコンタクトプラグ115が埋設されている。ソースコンタクトプラグ115は、ソースコンタクトホール111の深さ方向途中部まで埋め込まれた本体プラグ153と、本体プラグ153の上面169を覆い、その上面163が第1絶縁層109の上面161と面一になるまでソースコンタクトホール111を埋め尽くすキャッププラグ154とを有している。キャッププラグ154の上面163が第1絶縁層109の上面161と面一であることにより、ソースコンタクトプラグ115の上面(キャッププラグ154の上面163)と、ドレインコンタクトプラグ114の上面(キャッププラグ152の上面162)とは、面一となっている。
【0081】
第2金属プラグとしての本体プラグ153は、たとえば、タングステンなどの金属材料からなる。
導電性キャップとしてのキャッププラグ154は、たとえば、上記したキャッププラグ152と同様の材料からなる。
また、ソースコンタクトホール111において、その内面(第1絶縁層109がなす側面およびシリコン基板102がなす底面)とソースコンタクトプラグ115との間には、バリア膜113が介在されている。バリア膜113は、たとえば、チタンを含有する導電材料(たとえば、TiN、Tiなど)からなる。
【0082】
導電性のバリア膜113が介在されることにより、ソースコンタクトプラグ115は、バリア膜113を介して、ソース領域104に電気的に接続(コンタクト)されることとなる。
第1絶縁層109上には、ドレインコンタクトプラグ114に対向する部分に、強誘電体キャパシタ118が配置されている。つまり、強誘電体キャパシタ118は、平面視でドレインコンタクトプラグ114に重なる位置であって、ソースコンタクトプラグ115に重ならない位置に配置されている。
【0083】
強誘電体キャパシタ118は、下部電極119と、上部電極121と、下部電極119と上部電極121とにより挟まれた強誘電体膜120とを備えている。
下部電極119は、貴金属を含有する導電材料(具体的には、Au系材料、Ag系材料、Pt系材料、Pd系材料、Rh系材料、Ir系材料、Ru系材料、Os系材料)からなる。また、下部電極119の厚さは、たとえば、0.05〜0.25μmである。下部電極119は、ドレインコンタクトプラグ114の上面162に接触している。これにより、下部電極119は、ドレインコンタクトプラグ114を介して、ドレイン領域103に電気的に接続されることとなる。
【0084】
上部電極121は、下部電極119と同様に、貴金属を含有する導電材料からなる。また、上部電極121の厚さは、たとえば、下部電極119と同じ厚さ(たとえば、0.05〜0.25μm)である。
強誘電体膜120は、強誘電体材料からなる。強誘電体材料としては、電圧が印加されていなくても電荷を貯蔵可能な特性を有する材料であれば特に制限されず、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O
3:PZT)、タンタル酸ビスマスストロンチウム(SrBi
2Ta
2O
9:SBT)、チタン酸ビスマスランタン(Bi,La)
4Ti
3O
12:BLT)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)など、公知のものが挙げられる。また、強誘電体膜120の厚さは、たとえば、0.1〜0.2μmである。
【0085】
そして、下部電極119、強誘電体膜120および上部電極121が積層されてなる強誘電体キャパシタ118は、たとえば、メサ形状(断面視台形状)に形成されている。強誘電体キャパシタ118の側面164は、その積層界面Iに対して傾斜角度a(たとえば、a=75〜85°)で傾斜する急斜面である。
強誘電体キャパシタ118の上部電極121上には、TiN膜148が積層されている。
【0086】
第1絶縁層109上には、Al
2O
3(アルミナ)からなる第1水素バリア膜122と、SiN(窒化シリコン)からなる第2水素バリア膜123とが順に積層されている。
第2水素バリア膜123上には、第2絶縁層124が積層されている。第2絶縁層124は、たとえば、酸化シリコンからなる。また、第2絶縁層124の厚さは、たとえば、第1絶縁層109と同じ厚さ(たとえば、0.4〜0.9μm)である。
【0087】
第2絶縁層124、第2水素バリア膜123および第1水素バリア膜122には、第2絶縁層124の上面165からこれらを貫通して、TiN膜148に達するPL用配線ビアホール125が形成されている。
PL用配線ビアホール125には、タングステンなどの金属材料からなるPL用配線プラグ129が埋設されている。PL用配線プラグ129は、その上面166が第2絶縁層124の上面165と面一になるまでPL用配線ビアホール125を埋め尽くしている。
【0088】
また、PL用配線ビアホール125において、その内面(第2絶縁層124がなす側面およびTiN膜148がなす底面)とPL用配線プラグ129との間には、バリア膜127が介在されている。バリア膜127は、たとえば、チタンを含有する導電材料(たとえば、TiN、Tiなど)からなる。
導電性のバリア膜127が介在されることにより、PL用配線プラグ129は、バリア膜127およびTiN膜148を介して、上部電極121に電気的に接続(コンタクト)されることとなる。
【0089】
また、第2絶縁層124、第2水素バリア膜123および第1水素バリア膜122には、第2絶縁層124の上面165からこれらを貫通して、ソースコンタクトプラグ115に達するBL用配線ビアホール126が形成されている。
BL用配線ビアホール126には、タングステンなどの金属材料からなるBL用配線プラグ130が埋設されている。BL用配線プラグ130は、その上面167が第2絶縁層124の上面165と面一になるまでBL用配線ビアホール126を埋め尽くしている。
【0090】
また、BL用配線ビアホール126において、その内面(第2絶縁層124がなす側面およびソースコンタクトプラグ115がなす底面)とBL用配線プラグ130との間には、バリア膜128が形成されている。バリア膜128は、たとえば、チタンを含有する導電材料(たとえば、TiN、Tiなど)からなる。
導電性のバリア膜128が介在されることにより、BL用配線プラグ130は、バリア膜127を介して、ソースコンタクトプラグ115に電気的に接続(コンタクト)されることとなる。
【0091】
第2絶縁層124上には、PL用配線131およびBL用配線132が形成されている。
PL用配線131は、強誘電体メモリ101に備えられるプレート線140に接続される配線であって、たとえば、チタンを含有する導電材料からなるチタン層133と、アルミニウムを含有する導電材料からなるアルミニウム層134と、チタンを含有する導電材料からなるチタン層135との3層構造で形成されている。
【0092】
BL用配線132は、強誘電体メモリ101に備えられるビット線141に接続される配線であって、たとえば、チタンを含有する導電材料からなるチタン層136と、アルミニウムを含有する導電材料からなるアルミニウム層137と、チタンを含有する導電材料からなるチタン層138との3層構造で形成されている。
また、強誘電体メモリ101には、ワード線139、プレート線140およびビット線141が備えられている。
【0093】
ワード線139は、各ドレイン領域103とソース領域104との間の各チャネル領域に対向する位置に、アクティブ領域150の長手方向と直交する方向に延びている。ワード線139はゲート電極106に接続されている。
プレート線140は、上部電極121の上方において、アクティブ領域150の長手方向と直交する方向に延びている。プレート線140はPL用配線131に接続されている。
【0094】
ビット線141は、アクティブ領域150の上方において、アクティブ領域150の長手方向に延びている。ビット線141はBL用配線132に接続されている。
そして、ワード線139によりメモリセルを選択し、ビット線141とプレート線140との間に電圧を印加することにより、選択されたメモリセルの強誘電体キャパシタ118が、上部電極121から下部電極119へ向かう方向もしくはその反対方向に分極する。この分極方向を判別することによって、当該メモリセルに対して1ビット情報(0もしくは1の情報)を書き込むことができる。
【0095】
一方、各メモリセルにおいて、上部電極121と下部電極119との間にパルス電圧を印加し、強誘電体キャパシタ118の分極反転による電流の有無により当該メモリセルに書き込まれた1ビット情報を判別することによって、当該情報を読み出すことができる。
図6A〜
図6Kは、
図5の強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す模式的な断面図である。
【0096】
この製造方法では、まず、
図6Aに示すように、シリコン基板102の表層部に、N型不純物が注入されることにより、N
+型のドレイン領域103およびN
+型のソース領域104が形成される。次いで、シリコン基板102上に、熱酸化処理により熱酸化膜(図示せず)が形成され、この熱酸化膜がパターニングされる。これにより、ドレイン領域103およびソース領域104に跨るゲート絶縁膜105が形成される。
【0097】
次いで、ゲート絶縁膜105の形成されたシリコン基板102上に、CVD法により、不純物がドープされたポリシリコン(ドープドポリシリコン)が堆積され、このドープトポリシリコンがパターニングされる。これにより、ゲート絶縁膜105上にゲート電極106が形成される。次に、シリコン基板102上に、CVD法により酸化シリコンが堆積され、この酸化シリコンがエッチバックされる。これにより、ゲート電極106の側壁を取り囲むサイドウォール107が形成される。こうして、
図6Aに示すように、ゲート電極106(Metal)と、ゲート絶縁膜105(Oxide)と、ドレイン領域103およびソース領域104を含むシリコン基板102(Semiconductor)とを有するMOSFET108が形成される。
【0098】
MOSFET108の形成後、CVD法により、シリコン基板102上に酸化シリコンが堆積されることにより、第1絶縁層109が形成される。次いで、公知のパターニング技術により、第1絶縁層109がパターニングされることにより、第1絶縁層109にドレインコンタクトホール110およびソースコンタクトホール111が同時に形成される。
【0099】
次に、スパッタ法により、ドレインコンタクトホール110およびソースコンタクトホール111の内面全域を覆い、さらに第1絶縁層109の上面161を覆うように、チタンを含有する導電材料が堆積される。そして、CVD法により、ドレインコンタクトホール110およびソースコンタクトホール111を埋め尽くすようにタングステンが堆積される。その後、CMP処理により、堆積されたタングステンの上面と第1絶縁層109の上面161とが面一になるまで、チタンを含有する導電材料およびタングステンが研磨される。こうして、
図6Aに示すように、バリア膜112が形成されるとともに、このバリア膜112を介して、ドレインコンタクトホール110に埋設されたドレイン側金属プラグ116が形成される。また、バリア膜113が形成されるとともに、このバリア膜113を介して、ソースコンタクトホール111に埋設されたソース側金属プラグ117が、ドレイン側金属プラグ116と同時に形成される。
【0100】
次いで、公知のエッチング技術により、ドレイン側金属プラグ116およびソース側金属プラグ117の上部が除去される。これにより、
図6Bに示すように、ドレインコンタクトホール110の途中部およびソースコンタクトホール111の途中部まで埋設された、ドレイン側の本体プラグ151およびソース側の本体プラグ153がそれぞれ形成される。
【0101】
続いて、
図6Cに示すように、スパッタ法により、ドレインコンタクトホール110およびソースコンタクトホール111における各本体プラグ151,153上を埋め尽くし、さらに第1絶縁層109の上面161を覆うように、キャッププラグ152およびキャッププラグ154の材料であるキャップ材料147が堆積される。
その後、CMP処理により、堆積されたキャップ材料147の上面と第1絶縁層109の上面161とが面一になるまで、キャップ材料147が研磨される。こうして、
図6Dに示すように、本体プラグ151の上面168を覆うキャッププラグ152と、本体プラグ153の上面169を覆うキャッププラグ154とが同時に形成される。これにより、各バリア膜112,113を介してドレインコンタクトホール110およびソースコンタクトホール111にそれぞれ埋設された、ドレインコンタクトプラグ114およびソースコンタクトプラグ115が同時に形成される。
【0102】
次いで、スパッタ法により、
図6Eに示すように、貴金属を含有する導電材料からなる下部導電材料膜142、強誘電体材料からなる強誘電体材料膜143および貴金属を含有する導電材料からなる上部導電材料膜144が、第1絶縁層109上に順に堆積されて、堆積構造物145が形成される。
続いて、堆積構造物145におけるドレインコンタクトプラグ114上の部分に、耐熱性のあるハードマスク146(たとえば、TiN)が形成される。そして、このハードマスク146を介して、たとえば、300℃以上、好ましくは、350〜450℃のエッチング温度で、堆積構造物145がその積層界面に対して垂直にエッチングされる。これにより、堆積構造物145は、その一部がドレインコンタクトプラグ114上に残存するように、その残存部分以外の部分が除去される。こうして、
図6Fに示すように、その積層界面Iに対して傾斜角度a(たとえば、a=75〜85°)で傾斜する側面164を有するメサ形状の強誘電体キャパシタ118が形成される。なお、強誘電体キャパシタ118の上部電極121上には、
図6Gに示すように、エッチングにより薄くなったハードマスク146がTiN膜148として残存する。
【0103】
次いで、第1絶縁層109上に、スパッタ法によりAl
2O
3(アルミナ)が堆積され、さらに、PECVD法によりSiN(窒化シリコン)が堆積される。これにより、
図6Gに示すように、第1絶縁層109を覆い、さらに強誘電体キャパシタ118の表面全域を覆う第1水素バリア膜122および第2水素バリア膜123が形成される。
その後、CVD法により、
図6Hに示すように、第2水素バリア膜123上に、酸化シリコンからなる第2絶縁層124が積層される。このとき、強誘電体キャパシタ118の表面全域が第1水素バリア膜122および第2水素バリア膜123により覆われているので、第2絶縁層124の形成方法として、H(水素)をキャリヤガスとして用いるCVD法が採用されても、キャリヤガスによる強誘電体膜120中の酸素の還元を防止することができる。したがって、強誘電体膜120の特性劣化を抑制することができる。
【0104】
次いで、第2絶縁層124がCMP処理により研磨されて、第2絶縁層124の表面が平坦化される。そして、公知のパターニング技術により、
図6Iに示すように、第2絶縁層124、第2水素バリア膜123および第1水素バリア膜122がパターニングされることにより、TiN膜148を露出させるPL用配線ビアホール125と、ソースコンタクトプラグ115の上面163を露出させるBL用配線ビアホール126とが同時に形成される。
【0105】
次いで、スパッタ法により、PL用配線ビアホール125およびBL用配線ビアホール126の内面を覆い、さらに第2絶縁層124の上面165を覆うように、チタンを含有する導電材料が堆積される。そして、CVD法により、PL用配線ビアホール125およびBL用配線ビアホール126を埋め尽くすようにタングステンが堆積される。その後、CMP処理により、堆積されたタングステンの上面と第2絶縁層124の上面165とが面一になるまで、チタン含有材料およびタングステンが研磨される。こうして、
図6Jに示すように、バリア膜127が形成されるとともに、このバリア膜127を介して、PL用配線ビアホール125に埋設されたPL用配線プラグ129が形成される。また、バリア膜128が形成されるとともに、このバリア膜128を介して、BL用配線ビアホール126に埋設されたBL用配線プラグ130が、PL用配線プラグ129と同時に形成される。PL用配線プラグ129の上面166およびBL用配線プラグ130の上面167は、第2絶縁層124の上面165と面一となる。
【0106】
その後、スパッタ法により、チタンを含有する導電材料、アルミニウムを含有する導電材料およびチタンを含有する導電材料が、第2絶縁層124上に積層され、パターニングされる。これにより、
図6Kに示すように、PL用配線プラグ129に電気的に接続されるPL用配線131(チタン層133、アルミニウム層134およびチタン層135の3層構造からなる配線)と、BL用配線プラグ130に電気的に接続されるBL用配線132(チタン層136、アルミニウム層137およびチタン層138の3層構造からなる配線)とが形成される。
【0107】
そして、ゲート電極106にワード線139が接続され、PL用配線131にプレート線140が接続され、BL用配線132にビット線141が接続される。
こうして、
図6Kに示すように、強誘電体キャパシタ118を搭載する強誘電体メモリ101が得られる。
以上のように、強誘電体メモリ101では、ソース側の本体プラグ153の上面169は、キャッププラグ154により覆われている。キャッププラグ154で覆われることにより、本体プラグ153の上面169は、キャッププラグ154により保護されている。
【0108】
そして、上記の製造方法では、このキャッププラグ154が形成された後、第1絶縁層109上に堆積構造物145が形成され、堆積構造物145の一部(ドレインコンタクトプラグ114上の部分)に、耐熱性のあるハードマスク146が形成される。そして、ハードマスク146を介して、堆積構造物145がエッチングされることにより、強誘電体キャパシタ118が形成される。
【0109】
堆積構造物145のエッチング時、本体プラグ153がキャッププラグ154により覆われている。また、キャッププラグ154は、上記のように、下部電極119および上部電極121に対してエッチング選択比を有する導電性材料からなる。そのため、上記のように300℃以上の高温で、堆積構造物145がエッチングされても、キャッププラグ154による保護により、本体プラグ153の異常エッチングを防止することができる。その結果、この本体プラグ153とキャッププラグ154とにより構成されるソースコンタクトプラグ115と、これに接続されるBL用配線プラグ130との間における導通不良の発生を抑制することができ、信頼性の低下を抑制することができる。
【0110】
さらに、キャッププラグ154が導電性窒化物であれば、下部電極119および上部電極121に対して、エッチング選択比を大きくとれるので、本体プラグ153の異常エッチングを効果的に防止することができる。
また、堆積構造物145を高温エッチングすることにより、強誘電体キャパシタ118の側面164を、積層界面Iに対して急斜面にすることができる。その結果、強誘電体キャパシタ118の面積を縮小することができるので、強誘電体メモリ101の微細化を図ることができる。
【0111】
また、ドレインコンタクトホール110に、本体プラグ151およびキャッププラグ152が埋め込まれている。また、ソースコンタクトホール111に、本体プラグ153およびキャッププラグ154が埋め込まれている。つまり、ドレインコンタクトホール110およびソースコンタクトホール111に埋め込まれた構造物が同じ構造である。
したがって、ドレインコンタクトプラグ114およびソースコンタクトプラグ115の形成に関して、ドレインコンタクトホール110およびソースコンタクトホール111が同時に形成され、これらコンタクトホールを埋め尽くすドレイン側金属プラグ116およびソース側金属プラグ117が形成される(
図6A参照)。次いで、これらプラグがエッチングされることによって、ドレイン側の本体プラグ151およびソース側の本体プラグ153が同時に形成される(
図6B参照)。
【0112】
次いで、ドレインコンタクトホール110およびソースコンタクトホール111における各本体プラグ151,153上を埋め尽くす導電性のキャップ材料147が堆積され(
図6C参照)、このキャップ材料147がCMP処理により研磨される。この研磨によって、ドレイン側のキャッププラグ152およびソース側のキャッププラグ154が同時に形成されて、ドレインコンタクトプラグ114およびソースコンタクトプラグ115が同時に形成される(
図6D参照)。
【0113】
このように、ドレイン側の本体プラグ151を形成する工程と、ソース側の本体プラグ153を形成する工程とが並行して行なわれ、さらに、本体プラグ151の上面168を覆うドレイン側のキャッププラグ152を形成する工程と、本体プラグ153の上面169を覆うソース側のキャッププラグ154を形成する工程とが並行して行なわれる。そのため、強誘電体メモリ101の製造工程を簡略化することができる。
【0114】
以上、本発明の実施形態
および参考例の形態について説明したが、本発明
および参考例はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、強誘電体メモリ1,101の各半導体部分の導電型を反転した構成が採用されてもよい。すなわち、強誘電体メモリ1,101において、P型の部分がN型であり、N型の部分がP型であってもよい。
【0115】
また、強誘電体メモリ1,101の各メモリセルのセル構造は、強誘電体キャパシタとMOSFETとが組み合わせられる構造であれば、たとえば、2T2C型であってもよい。
また、ドレインコンタクトプラグ114は、キャッププラグ152を有していなくてもよい。この場合、ドレインコンタクトホール110に、その上面168と第1絶縁層109の上面161とが面一になるまでタングステンなどの金属材料を埋め尽くすことにより、本体プラグ151を形成すればよい。
【0116】
また、ソースコンタクトプラグ115は、キャッププラグ154を有していなくてもよいが、この場合、ソースコンタクトプラグ115の上面を、下部電極119および上部電極121に対してエッチング選択比を有する導電性材料からなる材料膜などで被覆すればよい。
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、こ
れは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明は
この具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の精神および範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
この明細書および図面の記載から、抽出される特徴を以下に示す。
この明細書および図面の記載から、抽出される一の局面に係る半導体記憶装置は、絶縁層と、前記絶縁層上に形成され、下部電極、強誘電体膜および上部電極を有する強誘電体キャパシタと、前記絶縁層上に形成され、前記強誘電体キャパシタが配置される部分に開口を有する層間絶縁膜と、前記絶縁層に埋設され、前記開口を介して前記下部電極に接続される第1金属プラグと、平面視で前記強誘電体キャパシタ外において、前記絶縁層に埋設された第2金属プラグとを備える。
この半導体記憶装置は、たとえば、下部電極、強誘電体膜および上部電極を有する強誘電体キャパシタを備える半導体記憶装置の製造方法であって、絶縁層に第1金属プラグおよび第2金属プラグを埋設する工程と、前記第1金属プラグに対する電気的なコンタクト部分を確保しつつ、少なくとも前記第2金属プラグを被覆する被覆層を形成する工程と、前記被覆層の形成後、前記下部電極の材料、前記強誘電体膜の材料および前記上部電極の材料を順に堆積させて堆積構造物を形成する工程と、前記堆積構造物の一部を前記第1金属プラグ上に残存させるように、当該残存部分以外の部分をエッチングで除去することにより、前記強誘電体キャパシタを形成する工程とを含む、半導体記憶装置の製造方法により製造することができる。
具体的には、下部電極、強誘電体膜および上部電極を有する強誘電体キャパシタを備える半導体記憶装置の製造方法であって、絶縁層に第1金属プラグおよび第2金属プラグを埋設する工程と、前記絶縁層上に層間絶縁膜を成膜する工程と、前記層間絶縁膜に、前記第1金属プラグを露出させる開口を形成する工程と、前記開口の形成後、前記下部電極の材料、前記強誘電体膜の材料および前記上部電極の材料を順に堆積させて堆積構造物を形成する工程と、前記堆積構造物の一部を前記開口上に残存させるように、その残存部分以外の部分をエッチングで除去することにより、前記強誘電体キャパシタを形成する工程とを備える、半導体記憶装置の製造方法により製造することができる。
この方法では、絶縁層に第1金属プラグおよび第2金属プラグが埋設された後、絶縁層上に層間絶縁膜が形成される。層間絶縁膜には、第1金属プラグを露出させる開口が形成される。これにより、第1金属プラグが層間絶縁膜の開口を介して露出する一方、第2金属プラグが層間絶縁膜により覆われる。
この状態で、層間絶縁膜上に形成された堆積構造物の一部(層間絶縁膜の開口上に残存する部分以外の部分)がエッチングで除去されることにより、強誘電体キャパシタが形成される。
堆積構造物のエッチング時、第2金属プラグが層間絶縁膜により覆われている。そのため、高温下で堆積構造物がエッチングされても、層間絶縁膜による保護により、第2金属プラグの異常エッチングを防止することができる。その結果、第2金属プラグと、これに接続される接続体との間における導通不良の発生を抑制することができ、信頼性の低下を抑制することができる。
また、堆積構造物を高温エッチングすることにより、エッチングにより現れる強誘電体キャパシタの側面を、強誘電体キャパシタの積層界面に対する垂直面もしくは垂直面に近い急斜面にすることができる。その結果、強誘電体キャパシタの面積を縮小することができるので、半導体記憶装置の微細化を図ることができる。
また、上記半導体記憶装置では、前記第1金属プラグの上面と前記第2金属プラグの上面とが面一であることが好ましい。
この場合、上記半導体記憶装置は、たとえば、絶縁層に第1金属プラグおよび第2金属プラグを埋設する工程が、前記絶縁層に、第1貫通孔および第2貫通孔を形成する工程と、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を埋め尽くすように、前記絶縁層上にプラグ材料を堆積させる工程と、前記プラグ材料の上面と前記絶縁層の上面とが面一になるまで、前記プラグ材料の前記第1貫通孔および前記第2貫通孔外の部分を除去することにより、前記第1金属プラグおよび前記第2金属プラグを形成する工程とを含む、上記半導体記憶装置の製造方法により製造することができる。
この方法では、第1貫通孔および第2貫通孔が形成され、これら貫通孔を埋め尽くすようにプラグ材料が堆積された後、プラグ材料の上面と絶縁層の上面とが面一になるまで、プラグ材料が部分的に除去される。これにより、互いに面一をなす第1金属プラグおよび第2金属プラグが形成される。
このように、第1金属プラグを形成するための複数の工程と、第2金属プラグを形成するための複数の工程とが並行して行なわれるので、半導体記憶装置の製造工程を簡略化することができる。
この明細書および図面の記載から、抽出される他の局面に係る半導体記憶装置は、第1貫通孔および第2貫通孔を有する絶縁層と、前記第1貫通孔を覆うように前記絶縁層上に形成され、下部電極、強誘電体膜および上部電極を有する強誘電体キャパシタと、前記第1貫通孔に埋め込まれ、前記下部電極に電気的に接続される第1金属プラグと、前記第2貫通孔に埋め込まれた第2金属プラグと、前記第1金属プラグおよび前記第2金属プラグのうち、少なくとも前記第2金属プラグの上面を覆い、前記下部電極および前記上部電極の材料に対してエッチング選択比を有する導電性材料からなる導電性キャップとを備える。
この構成によれば、第1金属プラグおよび第2金属プラグのうち、少なくとも第2金属プラグの上面は、下部電極および上部電極の材料に対してエッチング選択比を有する導電性材料からなる導電性キャップにより覆われている。導電性キャップで覆われることにより、第2金属プラグの上面は、導電性キャップにより保護されている。
そのため、高温下で、下部電極、強誘電体膜および上部電極が成形されても、導電性キャップによる保護により、第2金属プラグの異常エッチングを防止することができる。その結果、第2金属プラグと、これに接続される接続体との間における導通不良の発生を抑制することができ、信頼性の低下を抑制することができる。
また、高温下で、下部電極、強誘電体膜および上部電極を成形して強誘電体キャパシタを形成することにより、エッチングにより現れる強誘電体キャパシタの側面を、強誘電体キャパシタの積層界面に対する垂直面もしくは垂直面に近い急斜面にすることができる。その結果、強誘電体キャパシタの面積を縮小することができるので、半導体記憶装置の微細化を図ることができる。
この半導体記憶装置は、たとえば、下部電極、強誘電体膜および上部電極を有する強誘電体キャパシタを備える半導体記憶装置の製造方法であって、絶縁層に第1金属プラグおよび第2金属プラグを埋設する工程と、前記第1金属プラグに対する電気的なコンタクト部分を確保しつつ、少なくとも前記第2金属プラグを被覆する被覆層を形成する工程と、前記被覆層の形成後、前記下部電極の材料、前記強誘電体膜の材料および前記上部電極の材料を順に堆積させて堆積構造物を形成する工程と、前記堆積構造物の一部を前記第1金属プラグ上に残存させるように、当該残存部分以外の部分をエッチングで除去することにより、前記強誘電体キャパシタを形成する工程とを含む、半導体記憶装置の製造方法により製造することができる。
また、上記半導体記憶装置では、前記導電性キャップが導電性窒化物からなることが好ましい。
導電性キャップに用いられる導電性窒化物は、たとえば、貴金属を含有する導電材料(具体的には、Au系材料、Ag系材料、Pt系材料、Pd系材料、Rh系材料、Ir系材料、Ru系材料、Os系材料)からなる下部電極および上部電極に対して大きなエッチング選択比を有する。したがって、この態様では、第2金属プラグの異常エッチングを効果
また、上記半導体記憶装置では、前記第1金属プラグおよび前記第2金属プラグは、それぞれ前記第1貫通孔および前記第2貫通孔の途中部まで埋め込まれており、前記導電性キャップは、前記絶縁層の表面と面一となるように前記第1貫通孔および前記第2貫通孔に埋め込まれていることが好ましい。
この構成によれば、第1貫通孔に、第1金属プラグおよび導電性キャップが埋め込まれている。また、第2貫通孔に、第2金属プラグおよび導電性キャップが埋め込まれている。つまり、第1貫通孔および第2貫通孔に埋め込まれた構造物が同じ構造である。
したがって、この態様の半導体記憶装置は、たとえば、下部電極、強誘電体膜および上部電極を有する強誘電体キャパシタを備える半導体記憶装置の製造方法であって、前記絶縁層に、第1貫通孔および第2貫通孔を形成する工程と、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を金属材料で埋め尽くす工程と、前記金属材料をエッチングで部分的に除去することにより、前記第1貫通孔の途中部まで埋め込まれた第1金属プラグと、前記第2貫通孔の途中部まで埋め込まれた第2金属プラグとを形成する工程と、前記第1金属プラグおよび前記第2金属プラグの形成後、前記下部電極および前記上部電極の材料に対してエッチング選択比を有する導電性材料を用いて前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を埋め尽くすことにより、前記第1金属プラグおよび前記第2金属プラグの各上面を覆う導電性プラグを形成する工程と、前記絶縁層上に、前記下部電極の材料、前記強誘電体膜の材料および前記上部電極の材料を順に堆積させて堆積構造物を形成する工程と、前記堆積構造物の一部を前記第1金属プラグ上に残存させるように、当該残存部分以外の部分をエッチングで除去することにより、前記強誘電体キャパシタを形成する工程とを含む、半導体記憶装置の製造方法により製造することができる。
この製造方法では、第1貫通孔および第2貫通孔が金属材料で埋め尽くされた後、これら貫通孔内の金属材料が部分的に除去されることにより、第1金属プラグおよび第2金属プラグが形成される。そして、これらプラグの形成後、第1貫通孔および第2貫通孔が、下部電極および上部電極に対してエッチング選択比を有する導電性材料で埋め尽くされることにより、第1金属プラグおよび第2金属プラグの上面を覆い、絶縁層の表面と面一をなす導電性プラグが形成される。
このように、第1金属プラグを形成する工程と、第2金属プラグを形成する工程とが並行して行なわれ、さらに、これらプラグの上面を覆う各導電性プラグを形成する工程も互いに並行して行なわれるので、半導体記憶装置の製造工程を簡略化することができる。
【0117】
本出願は、2008年9月16日に日本国特許庁に提出された特願2008−236647号および2008年9月16日に日本国特許庁に提出された特願2008−236648号に対応しており、これらの出願の全開示はここに引用により組み込まれるものとする。