【実施例1】
【0013】
図1は本発明の第1の実施例に係るバックライトユニットの構成を示している。バックライトユニット7は、平板状の導光板1、光源としてのLED2、LED基板3、反射シート4、光学シート5、光量調整部材6、光学シート支持部8を有してから構成される。バックライトユニット7を構成する要素は、図示しない例えば枡形の金属性シャーシに収納され固定されている。バックライトユニット7の光は紙面の上方に向けて出射され、バックライトユニット7の上方に配置された図示しない液晶パネルを照射する。ここで、導光板1の液晶パネル側と対向する面を光出射面1b、その反対側の面(LED基板3が設けられる面)を背面とする。
【0014】
導光板1の背面には、LED2を収納するための凹部11(以下では、この凹部を「溝」と呼ぶ場合もある)を設けてあり、その溝11の、LED2の光放出面と対向する面は光入射面1aとされている。溝11は、例えば液晶パネルの水平方向(横方向。
図1では紙面の奥行き方向)に伸びて形成されている。この溝11は液晶パネルの水平方向に延びる連続的な形状を有してもよく、また液晶パネルの水平方向に沿って複数配列された複数の孔であってもよい。また液晶パネルの水平方向に延びる連続的な溝を複数のリブなどで区切りようにしてもよい。ここでLED2は、その電極面と平行な方向に白色光を放出するサイドビュー型(側面発光型)のLEDを用いており、本実施例では矢印の方向に光を放出するものとする。LED2から放出された光は光入射面1aから導光板1の内部に進入し、導光板1の各面で反射、屈折或いは拡散されながら導光板1の内部を進行しつつ導光板1の光出射面1bから出射される。光出射面1bから出射された光は、例えば拡散板やプリズムシート、輝度向上シートを含む光学シート5を経由して液晶パネル側に照射される。
【0015】
光出射面1b上には出射光を空間的に均一化するための例えば千鳥状の出射面光学パターンが形成されている。この出射面光学パターンは、例えば微細な凹凸形状でもよいし、白色インクなどによるドットパターン印刷でもよい。上記微細な凹凸形状はレーザにより加工して形成してもよいし、型で作成してもよい。
【0016】
LED基板3上に実装された複数のLED2のうち例えば1〜3個を1つの制御単位とし、この制御単位毎に、映像の明るさに応じて光強度を制御するようにすれば、バックライトの光の強度を部分的に制御する、いわゆるエリア制御が行える。例えば1つのLED基板3に15個のLEDが実装され、3個のLEDを1つの制御単位とすれば、
図2のようなLEDの配置構成では、導光板1を5個のエリアに分割してエリア制御を行うことができる。例えば、あるエリアに対応する映像の輝度が暗い場合は当該エリアに対応するLED2の光強度を低下し、逆に明るい場合は当該エリアに対応するLED2の光強度を増加させる。更に、このような構成の導光板1及びLED基板3の組を複数個二次元的に配列すれば、更に多くのエリアの明るさを制御することができる。上記例の構成の導光板1を二次元的に4つ配列すれば、計20エリアでエリア制御を行うことができる。
【0017】
反射シート4は、光出射面1bの反対側の背面側に配置されており、導光板1の背面を透過して導光板1の外部に進行する光を反射して導光板1内に戻す機能を有している。LED基板3上に実装されたLED2は、反射シート4上の穴を通し導光板1の溝11に収納され配置される。LED基板3は、例えば液晶パネルの水平方向に延びる長方形状を為しており、このLED基板3の長手方向に沿って複数のLED2が配列されている。従って、LED2は、例えば
図2に示されるように、溝11の内部において、その長手方向に沿って複数配列されることになる。このとき、反射シート4がLED基板3と導光板1とによって挟み込まれるように、LED基板3が反射シート4を介して導光板1の背面に取り付けられる。反射シート4の穴はLEDの寸法より大きければよい。光学シート支持部8は導光板1の光出射面1b上にピンを立てることで構成してもよいし、導光板1の端部において4端を固定してもよい。また、このピンを、例えば白色の樹脂により構成し、上記導光板1及び反射シート4、或いは導光板1、反射シート4及びLED基板3を貫通してシャーシに挿し込んでシャーシで嵌合するようにしてもよい。
【0018】
本実施例では、導光板1の光出射面1bの、上記凹部11と対向する位置(LED2の直上)に、光量調整部材6を設けたことを特徴としている。以下、この光量調整部材6の機能と構成について説明する。かかる光量調整部材は、LED2の直上に向かう光が導光板1の光出射面1bから出射する量を調整或いは制限する機能を有する。
【0019】
まず光量調整部材6の機能について説明する。
図2は光量調整部材6を導光板出射面1b側から見た図である。LED2から出射する光はY’からYへの方向であり、導光板1に入射した光は紙面垂直方向に紙面から手前に出射する向きとなっている。
【0020】
光量調整部材6としての光量調整部材6は、
図1に図示されるように溝11と対応するように液晶パネルの水平方向(紙面横方向)に延びて形成されており、そしてLED2直上を覆うように、導光板1上において液晶パネルの水平方向に1列に配置されている。
【0021】
図3は光量調整部材6を設けないときのLED2から出射した光の様子を示している。
図3に示されるように、LED2から出射した光は、導光板1の入射面1aに入射され導光板1内を反射または拡散反射して伝播し、導光板1の出射面1bより出射する。しかしながら、LED2から出射した光の出射角が臨界角θc以上の角度を持つと、導光板1内に入射されず、LED2の直上に出射される(直接光)。また、臨界角θc未満であっても、導光板1の凹部11の内壁面で反射し出射する光や、反射シート4で反射することで臨界角θcを越えた光は、LED2の直上方向に向かう(反射光)。
【0022】
またLED2は一般的にはパッケージ化されており、LED2の発光部からの直上方向に向かう光の全てはパッケージ内部で反射されず、一部はパッケージを透過し直上に出射される。このパッケージ透過した光を含めた直接光と反射光によりLED2の直上が明るくなり、画面全体としては輝線あるいは光スポット(輝点)として視認され、輝度むらとなり画質劣化の要因となる。ここで、LED2の直上とは、LED2の電極面と直交する方向でのバックライトユニットの光出射側であるものとする。
【0023】
この画質劣化の要因であるLED2の直上に向かう直接光と反射光の量を調整或いは制限し、面内で均一な輝度分布を実現することが、光量調整部材6の機能である。
【0024】
次に実施例1における光量調整部材の一構成例について
図4を参照して説明する。
図4に示されるように、光量調整部材6は、導光板1の光出射面1bの、上記凹部11と対応する位置に設けられており、インク6b及び透明シート6aを含んで構成されている。かかる光量調整部材6は、透明シート6a上にインク6bを塗布して構成されており、これをインク6bが各LED2の直上と対応する箇所に位置するように導光板1の光出射面1b上に取り付けられる。インク6bは、LED2の直上方向に進行し導光板1を透過して光出射面1から出る光の量を低減させる光出射量低減部として機能するものである。ここでは、透明フィルム6aの厚みがLED2の光量調整に影響を与えないよう光源側にインク6bが配置されているが、透明フィルム6aをLED2側に位置するように取り付けてもよい。
【0025】
上記透明シート6aは、例えば、PET(Poly Ethylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタラート)、ポリカーボネイト、またPMMA(Poly Methyl Methacrylate:ポリメタクリル酸メチル)などの材質を用いて構成してもよい。透明シート6aは透明なフィルムであればよいが、透過率の高いほうが望ましい。この理由は、LED2間はLED2の直上より光が出射されず、透過率が低いフィルムを使用すると暗部となり輝度ムラとして視認されるためである。また、透明シート6aの高温・高湿下での使用や量産での組立工程を考えた場合、透明シート6aは、外部環境(温度、湿度)による膨張・収縮が少なく、剛性の高い材質で構成されることが好ましい。上記透明シート6は、例えば透明なフィルムにより構成してもよい。
【0026】
またインク6bは透明フィルム6aに塗布可能な方法であればどのようなものでも用いることが可能で、例えばスクリーン印刷、パッド印刷などを用いることができる。また、インク6bの透過率はインクの厚みやインクの材質によって制御することも可能である。インク厚みに関しては、透過率を低くしたければ厚みを増やし、透過率を高くしたければ薄くする。インクの材質は、光の吸収が少なく反射率の大きい材質が好ましい。なぜなら透過しない光はインク6bで反射され、反射した光の一部は導光板内に戻るため、LED2から出射した光を効率よく利用できるからである。
【0027】
また、インク材質は2色以上の材質を使用してもよい。例えば
図5に示すスペクトルを持つLED2を使用した場合、短波長側のスペクトル(ピーク波長域)を透過する材質を用いた方が光の取り出し効率(利用効率)がよい。しかしながら、一般的な白色インクは
図6の点線で示す透過特性を持つ。
図5のスペクトルの光が
図6の点線で示されるような透過率を有する白色インクを透過した場合、短波長側の光の透過量が相対的に少なくなるため、透過光に含まれる青色波長成分の割合が減少し、結果として黄色く色づいて見える。そのため、例えば白色インクに青色のインクを混色すると、
図6実線で示すように可視光域において透過率が平坦な特性となるため上述のような色づきを低減することができる。ここでは、短波長側にピークを持つスペクトルを例に説明したが、他の波長域にピークを持つ場合においてもこの手法が適用できることは言うまでもない。また2色以上のインクを混色してもよい。
【0028】
光量調整部材6の形状の一例を
図7に示す。
図7は、導光板1の出射面1b側から光量調整部材6を見た図であり、図示されるように、光出射量低減部としてのインク6bは、導光板1の光出射面1bの各LED2の直上に位置し、円形を為しており、かつ各LED2を光出射面1b側から包含するような大きさを有している。LED2の配列方向を長手方向とした長方形状の透明シート6aが配置されている。尚、図中AはLEDの相互間の領域を示しており、本実施例では、当該領域にはインク6bを設けないものとする。
【0029】
インク6bの形状は、この例では円形にしているが、LED2の直上方向に向かう光を包含する形状であれば、楕円形や長円形、または正方形や長方形等の多角形状等であってもよい。しかしながら、LEDの光の出射方向や導光板の構造により光の広がり方が異なるため、それぞれの構造に適したインク6bの形状を用いることが望ましい。本実施例にかかる最適なインク6bの形状に関し、直下型を用いた場合との輝度分布の違いを示すため、まず直下型LEDにとって最適なインク形状6bを示し、続いて本実施例に係るサイドビュー型LEDを用いた場合の最適なインク形状6bについて説明するものとする。
【0030】
図20は直下型LEDを出射方向側から観測した図である。直下型のLEDは、液晶パネルの表示面側から見たときに光がほぼ半径方向に(放射状に)均一に拡がるため、半径方向に均一に光量を調整するパターンが必要である。そのためインク形状6bには円や、
図20のように小円を放射状に均一に散りばめた上下(LED2の光出射方向)及び/または左右(LED2の配列方向)対称な形状が最適である。 次に本実施例のサイドビュー型LEDを用いた場合の最適なインク形状6bについて
図21を参照して説明する。
【0031】
図21は本実施例1におけるサイドビュー型LEDを導光板1の出射面1bから観測した図である。
図20に示した直下型LEDと比較すると、導光板の光出射面側から見たときに、LEDの光軸を基準にした輝度分布はほぼ対称となっているが、LEDの中心を通るLEDの光軸と直交する線を基準にした輝度分布には偏りがある。尚、以下では、便宜上LEDの光軸方向を上下方向、LEDの光軸と直交する方向を上下方向と呼ぶこととする。上下方向の輝度分布は、図示されるように、LEDの中心よりも導光板の入射面1a付近側での輝度が最も高く、分布の広がりがLEDの背面側よりも光出射方向側に大きくなっている。そのため、本実施例において、サイドビュー型LEDを用いた場合の最適なインク形状6bは、左右方向の輝度分布に対応するように左右対象(すなわちLEDの光軸を基準に対称)であるものの、上下方向の輝度分布に対応するように上下非対称(すなわちLEDの中心を通るLEDの光軸と直交な線を基準に非対称)な形状である必要がある。
図21で示したサイドビュー型LEDの輝度分布を考慮したインク6bの形状について
図8を用いて説明する。
【0032】
図8は、サイドビュー型LEDの輝度分布に適合した輝度ムラ低減に有効なインク6bの具体的な形状の一例を示したものである。インク6bは、LED2の直上に設けられた例えば楕円形状の光透過量を低減させるための第1遮光パターンである楕円状遮光パターン60と、該LED2直上の周辺部、すなわち楕円状遮光パターン60の周囲に設けられた、該楕円状遮光パターン60とは異なる形状、例えば馬蹄状、半円状、または波紋状を有する第2遮光パターンである複数の周囲遮光パターンとを有する。
図8のようにインク6bによる周囲遮光パターンを細かく配置することで、光量調整した光を良好に分散でき、明部と暗部の箇所を作ることで輝度ムラ低減を可能にする。 また、
図8のような形状において、インク6bによる楕円状遮光パターン60と周囲遮光パターンとで異なる厚みを用いてもよい。例えば、楕円状遮光パターン60はLED直上であり最も光の漏れ量が大きいため厚みを厚く、周囲遮光パターンは楕円状パターンほど遮光を強くする必要がないため厚みを薄くする。楕円状遮光パターン60の厚みは周辺部の厚みの2倍程度にしてもよい。楕円状遮光パターン60の透過率は10%から20%が好ましい。また、輝度分布に応じてグラデーションのようにインク6bの分布を変更してもよい。例えば、楕円状遮光パターン60内でも中心部から外周方向にかけて徐々に透過率を高くし、また複数の周囲遮光パターンについては、楕円状遮光パターン60の近傍に位置するパターンの透過率を、それよりも離れた位置にあるパターンの透過率よりも低くしてもよい。更にまた、それぞれの周囲遮光パターン内で透過率を変えてもよい。
【0033】
次に
図8のインク6bの形状について詳しく説明する。
図8のインク6bは、周囲遮光パターンとして、楕円状遮光パターン60からLED2の光出射方向に離れた部分に設けられた、例えば左右方向に長い馬蹄状の第1周囲パターン6cと、楕円状遮光パターン60から長手方向(すなわち水平方向)に離れた部分であって、LED2の光出射方向寄りに設けられた、例えば馬蹄状の第2周囲パターン6dを有する。第1周囲パターン6cは、LED2の直上方向(LED2の電極面と直交する軸)に放出される光を遮光しLED2の光出射方向(前方)に光を拡げる機能を持つ。すなわち、第1周囲パターン6cは、LED2の光出射方向(前方)における光強度の強い箇所を遮光し、光出射方向に明暗パターンを形成することで輝度ムラを低減するためのものである。また、第2周囲パターン6dは、LED2の直上方向(LED2電極面と直交する軸)に対し斜め前方向に放出される光を
図8のA部、すなわちLED2の相互間の領域に拡げる機能を持つ。LED2からの光をA部に拡げることで、LED2間の光の強度が弱い箇所(LED2の相互間の領域)への光の供給を増加させ光強度を強めることができる。
【0034】
更に本実施例に係る周囲遮光パターンとして、楕円状遮光パターン60から、LED2の光出射方向と反対側に離れた部分、すなわちLED2の斜め後ろ側及び真後ろ側には、例えば馬蹄状の第3周囲パターン6eが形成される。この第3周囲パターン6eは、LED2から放出された光が導光板1の光入射面1aに反射してLED2の光出射方向(矢印方向)と反対方向(つまりLED2の後側)に進行する光、及びLED2のパッケージ背面を透過してLED2の後側に進行する光について、その光量を低減するための機能を有する。
【0035】
周囲遮光パターンである第1周囲パターン6c、第2周囲パターン6d、第3周囲パターン6eは、それぞれ楕円状遮光パターン60から離れるにつれて輝度の分布に応じパターン幅を狭くしたり、パターンピッチを長くしてもよい。例えば楕円状遮光パターン60に近いパターンの幅を広く(もしくはパターンのピッチを短く)、遠いパターンの幅を狭く(もしくはパターンのピッチを広く)する。具体的には、パターンのピッチはLED幅の1/10からLEDの配列ピッチの1/2ほどの範囲であれば輝度ムラ低減効果が高い。パターン間のピッチがLED幅の1/10以下になると、パターンが近くなり過ぎて明部の面積が狭くなってしまい、暗部として認識される可能性がある。またパターン間のピッチがLEDピッチの1/2以上になると、パターンが離れ過ぎてしまい明部の面積が大きくなり明暗パターンによる輝度ムラ低減効果が得られなくなる。よって、上述のように、パターン間のピッチはLED幅の1/10からLEDの配列ピッチの1/2の範囲とすることが好ましい。
【0036】
また、インク6bは、明部と暗部を細かく作り、輝度ムラを低減させるものであれば、
図8の形状に限定されるものではない。例えば、
図18のように楕円状遮光パターンの周囲に、周囲遮光パターンとして小円状のパターンを多数並べた形状としてもよい。このような形状を適用することで、より明部と暗部が細分化され光を良好に分散することができる。さらに、LED2からの離間距離が離れるにつれて、小円状パターンの直径を小さく、及び/または小円間のピッチ(距離a及び/またはb)を大きくするようにしてもよい。これにより、より一層輝度ムラ改善することができる。
【0037】
ここでLED2直上の光を遮光する楕円状遮光パターン60の最適形状について
図19を参照しつつ説明する。
【0038】
図19(a)は
図8、
図18におけるLED2直上の楕円状遮光パターン60の問題点を示した図である。輝度ムラは明部と暗部の輝度差で生じるため、輝度の変化は急峻ではなく緩やかな方が好ましい。しかしながら、楕円状遮光パターン60ではその境界部分において急峻な輝度の段差が発生する。特に楕円状遮光パターン60の大きさが大きいほど輝度段差が顕著に見える。楕円状遮光パターン60の境界部は光が出射されないため暗部となり、LED列に渡ってその暗部が続くと暗線として視認される。そこで本実施例では、楕円状遮光パターン60の境界に発生する暗部を抑制するために、
図19(b)または(c)に示されるような形状としている。
【0039】
図19(b)に示される楕円状遮光パターン60は、楕円状遮光パターン60の境界部分に光を出射させるためのスリット191を複数設けた形状としたものである。このようなスリット191を設けることにより、境界部に明暗のパターンが形成されて境界部の輝度が向上し、境界部の輝度ムラが改善する。このスリット191の幅はLEDの長手方向寸法の1/10程度が望ましい。
図19(c)に示される楕円状遮光パターン60は、楕円状遮光パターン60の周辺部にホール192を設けて光を出射させたものである。この形状でも、境界部に明暗のパターンが形成されて境界部の輝度が向上し、境界部の輝度ムラを改善することができる。境界部の形状は
図19(b)及び(c)に示されたものに限らず、境界部において明暗のパターンを作ることで同様の効果が得られるものであれば、どのような形状であってもよい。
【0040】
ここで、インク6bのパターンは、
図8に示されるように、隣接するインクパターンと重ならないように、LED2の光軸(AX)を中心に、左右方向(水平方向)にそれぞれ隣接するLED2相互間の距離Pの半分以内(P/2以内)に収まるように配置する。
【0041】
次に光量調整部材6の固定方法について
図11を参照して説明する。
図11に示されるように、インク6bは、導光板1の光出射面1bの各LED2に対応する位置に、各LED2を光出射面1b側から包含するように円形に塗布されており、その上に透明シート6aが配置されている。この透明シート6aは、図示されるように、導光板1上の光出射面1bの、互いに隣接するLED2の相互間(
図11のA部)で、両面テープ9により導光板1に貼り付けている。このとき、両面テープ9はLED2相互間(
図11のA)の光を遮らないよう透明の両面テープを用いる方が好ましい。また両面テープに限らず、例えば透明なのりや接着剤を透明シート6aに印刷して導光板1に貼り付けてもよい。このようにすれば、両面テープを用いて貼り付ける場合に比較し製造工程が簡単になるためコストを削減することができる。
【0042】
光量調整部材6の別の固定方法について
図12を参照して説明する。この例は、
図12に示されるように、光学シート支持部8を、光量調整部材6(特に透明シート6a)、導光板1、反射シート4及びLED基板3を貫通するように挿し込み、これらを含め挟み込むように固定している。光学シート支持部8には、リベットピン、もしくはネジを用いてもよい。光学シート支持部8は上述のように各要素を差し込み固定する構成のものであればどのようなものを用いてもよいが、光を反射しやすい白色のもの、または光の出射を遮らないよう透明なものを用いた方が好ましい。また、
図13のように、光学シート支持部8の固定位置を自由に変更できるように構成してもよい。固定位置を変更するにあたり、光量調整部材6の透明シート6aの幅/長さを任意に変更してもよく、いずれにせよ、光量調整部材6を保持できる構成であればよい。
【0043】
また、光量調整部材6の固定方法として、光学シート支持部8による固定と両面テープ9による固定の併用が可能であることは言うまでもない。
【0044】
以上のように、本実施例によれば、導光板1の背面側に溝11を形成し、この溝にLEDを配置した場合における輝度むらを低減することができ、また当該輝度むら低減を光の取り出し効率を高めながら行うことができる。従って、本実施例によれば、光の利用効率が高く、かつ空間的な輝度均一性が高いバックライトを提供することができ、更には高画質な映像表示装置を提供することができる。
【実施例4】
【0052】
続いて本発明の第4の実施例を説明する。この第4の実施例は、光学シート5と光量調整部材6以外は上述した第1の実施例の構成と変わらないため、以下では第4の実施例に係る光学シート5及び光量調整部材6のみについて説明する。
【0053】
図14は第4の実施例に係る光学シート5及び光量調整部材6の構成の第1の例であって、
図2の構成におけるX−X’断面図を示している。
【0054】
本実施例では光量調整部材6を導光板1ではなく光学シート5の導光板1と対向する面に配置し、光学シート5が光学シート支持部8により支持される構成となっている。光量調整部材6は、実施例1等と同様に、液晶パネルの表示面側から見たときに、光学シート5の、LED2の配置位置や溝11の形成位置と対応する位置に設けられている。また光量調整部材6は実施例1や3と同様なものを用いることができる。ここで、光学シート5は、上述のように拡散板、拡散シート、プリズムシート、輝度向上シート(BEF:Brightness Enhanced Film)等を含むものとする。
【0055】
図14では光学シート5は、導光板1に対して所定距離(以下、この距離を「拡散距離」と呼ぶ)離して配置されているが、拡散距離をゼロとし、上記光量調整部材6が設けられた光学シート5を導光板1に密着して載置し、導光板1と光学シート支持部8で支持するように構成してもよい。
【0056】
光量調整部材6は、光学シート5の構成によるが、拡散板上に設けてもよいし、拡散シート上、BEFなどの集光フィルム上に設けてもよい。また、光量調整部材6は実施例1のようにインクを用い印刷により作成してもよいし、実施例3のように拡散反射シートなどで構成してもよい。また
図14では光学シート5の導光板1側に光量調整部材6を配置したが、光学シート5の液晶パネル側の面に配置してもよい。また、光学シートの導光板1側の面、及び液晶パネル側の面の両面に配置してもよく、いずれにせよLED2の直上に向かう光量を光量調整部材6により制限できる構成であればよい。
【0057】
図15は光学シート5への光量調整部材の取り付け方法の第2の例を示している。この第2の例は、
図15に示されるように、光学シート5の例えば拡散板の導光板1側の面に溝を設けその溝部に光量調整部材6を埋め込むように配置している。このような構成を用いることで、
図14の構成に比べ光量調整部材分の厚みを減らすことができる。この第2の例では、光学シート5の導光板1側に溝を設けて光量調整部材6を配置しているが、光学シート5の液晶パネル側の面に溝を設けて光量調整部材6を配置してもよいし、また光学シートの導光板1側の面、及び液晶パネル側の面の両面に配置してもよい。
【0058】
図16は光学シート5への光量調整部材の取り付け方法の第3の例を示している。この第3の例は、
図16に示されるように、光学シート5が、例えば導光板1(この図では図示せず)に最も近い最下段シート161、中央シート162、及び液晶表示パネル(この図では図示せず)に最も近い最上段シート163の3枚のシートと、光量調整部材6で構成されている。そして、最下段シート161と中央のシート162と間に光量調整部材6が挟まれる構成となっている。例えば、最下段シート161が拡散板、中央シート162が拡散シート、最上段シート163がBEFという構成であれば、光量調整部材6を拡散板と拡散シートとの間に挟むようにする。光量調整部材6は実施例1のようにインクを用い印刷により作成してもよいし、実施例2のように拡散反射シートなどで構成してもよい。
【0059】
上記のような構成において、光量調整部材6は拡散板上に設けてもよいし、拡散シート上に設けてもよい。また、
図15のように、溝を拡散板または拡散シートに設けて光量調整部材6を埋め込んでもよい。また、
図16では最下段シート161と中央のシート162と間に光量調整部材6を設けたが、中央のシート162と最上段シート163との間に設けてもよい。更にまた、光量調整部材6を、最下段シート161と中央シート162との間、及び中央シート162と最上段シート163との間の両方に設けてもよいし、3枚のシートのそれぞれの、導光板1側の面と液晶パネル側の面の両面に配置してもよい。更にまた、液晶表示装置用の光学シートとして通常使用される拡散板、拡散シート、プリズムシート、BEF以外に、透明のシート部材からなる新たなシートを設け、この新たなシートのLED2と対応する位置に光量調整部材6を設けるようにしてもよい。
【0060】
本実施例の光量調整部材6には、第1の実施例の形状を適用することができることは言うまでもない。