(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
DPF(1)と、DPF(1)に堆積するPMのPM堆積量推定手段(2)と、DPF再生手段(3)と、DPF再生制御手段(4)と、記憶手段(5)と、加速再生要求情報報知手段(6)と、加速再生開始操作手段(7)と、通常再生処理の許可モードと禁止モードを選択するモード選択手段(41)とを備え、
記憶手段(5)に、PM堆積量推定値に関する複数の判定値(J2)(J3)と、加速再生要求の判定留保期間(T1)とが記憶され、上記複数の判定値(J2)(J3)は、加速再生要求判定値(J2)と、加速再生要求判定値(J2)よりも高い値の通常再生開始判定値(J3)とを備え、DPF再生制御手段(4)は、PM堆積量推定手段(2)で推定されたPM堆積量推定値と上記複数の判定値(J2)(J3)とを比較し、
モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、
PM堆積量推定値が、通常再生開始判定値(J3)まで上昇すると、DPF再生制御手段(4)が自動的にDPF再生手段(3)による通常再生処理を開始(S3)させ、DPF(1)に通過させる排気の温度を高め、
通常再生処理を開始(S3)してから通常再生処理の終了(S6)がないまま、加速再生要求の判定留保期間(T1)が経過した時点を加速再生要求の判定時(T2)とし、この加速再生要求の判定時(T2)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)以上の場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)により加速再生要求情報の報知を開始(S10)し、
加速再生開始操作手段(7)による加速再生開始操作がなされると、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による通常再生処理を加速再生処理に切り替え(S12)、DPF(1)に通過させる排気の温度を高め、通常再生処理の場合よりもDPF(1)の再生速度を加速させるようにし、
モード選択手段(41)で通常再生処理の禁止モードが選択されている場合には、
DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による通常再生処理を実施させないようにし、
記憶手段(5)に、加速再生要求の再判定期間(T3)が記憶され、
モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、
前記加速再生要求の判定時(T2)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)よりも低い場合には、加速再生要求がないものとして、加速再生要求の判定時(T2)に続く加速再生要求の再判定期間(T3)に入ってからも、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を継続(S17)し、通常再生処理の終了(S6)がないまま、加速再生要求の再判定期間(T3)中にPM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)まで上昇した場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)で加速再生要求情報の報知を開始(S10)し、
加速再生要求の再判定期間(T3)が経過した時点を再判定終了時(T4)とし、この再判定終了時(T4)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)まで上昇していない場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S20)させる、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
《問題》 燃費悪化や出力低下が生じることがある。
PM堆積量検出値が第1設定値に達して走行時強制再生が開始された後、PM燃焼除去速度とPM堆積速度が拮抗し、PM堆積量検出値が第1設定値付近に長期間留まる場合には、停車時強制再生の必要性が報知されず、走行時強制再生が長時間継続し、燃費悪化や出力低下が生じることがある。
【0005】
本発明の課題は、燃費悪化や出力低下を抑制することができる、ディーゼルエンジンの排気処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1に例示するように、DPF(1)と、DPF(1)に堆積するPMのPM堆積量推定手段(2)と、DPF再生手段(3)と、DPF再生制御手段(4)と、記憶手段(5)と、加速再生要求情報報知手段(6)と、加速再生開始操作手段(7)と、通常再生処理の許可モードと禁止モードを選択するモード選択手段(41)とを備え、
記憶手段(5)に、
図2〜
図5に例示する、PM堆積量推定値に関する複数の判定値(J2)(J3)と、加速再生要求の判定留保期間(T1)とが記憶され、
上記複数の判定値(J2)(J3)は、加速再生要求判定値(J2)と、加速再生要求判定値(J2)よりも高い値の通常再生開始判定値(J3)とを備え、
DPF再生制御手段(4)は、PM堆積量推定手段(2)で推定されたPM堆積量推定値と上記複数の判定値(J2)(J3)とを比較し、
図2、
図4、
図5に例示するように、モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、
PM堆積量推定値が、通常再生開始判定値(J3)まで上昇すると、DPF再生制御手段(4)が自動的にDPF再生手段(3)による通常再生処理を開始(S3)させ、DPF(1)に通過させる排気の温度を高め、
図2、
図5に例示するように、通常再生処理を開始(S3)してから通常再生処理の終了(S6)がないまま、加速再生要求の判定留保期間(T1)が経過した時点を加速再生要求の判定時(T2)とし、この加速再生要求の判定時(T2)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)以上の場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)により加速再生要求情報の報知を開始(S10)し、
図2、
図5に例示するように、加速再生開始操作手段(7)による加速再生開始操作がなされると、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による通常再生処理を加速再生処理に切り替え(S12)、DPF(1)に通過させる排気の温度を高め、通常再生処理の場合よりもDPF(1)の再生速度を加速させるようにし、
図3〜
図5に例示するように、モード選択手段(41)で通常再生処理の禁止モードが選択されている場合には、
DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による通常再生処理を
実施させないようにし、
図2に例示するように、記憶手段(5)に、加速再生要求の再判定期間(T3)が記憶され、
モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、
前記加速再生要求の判定時(T2)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)よりも低い場合には、加速再生要求がないものとして、加速再生要求の判定時(T2)に続く加速再生要求の再判定期間(T3)に入ってからも、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を継続(S17)し、通常再生処理の終了(S6)がないまま、加速再生要求の再判定期間(T3)中にPM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)まで上昇した場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)で加速再生要求情報の報知を開始(S10)し、
加速再生要求の再判定期間(T3)が経過した時点を再判定終了時(T4)とし、この再判定終了時(T4)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)まで上昇していない場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S20)させる、ことを特徴とするディーゼルエンジンの排気処理装置。
【発明の効果】
【0007】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 燃費悪化や出力低下を抑制することができる。
図2、
図5に例示するように、モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、PM堆積量推定値が、通常再生開始判定値(J3)まで上昇して、DPF再生制御手段(4)が自動的に通常再生処理を開始(S3)した後、PM燃焼除去速度とPM堆積速度が拮抗し、PM堆積量推定値が通常再生開始判定値(J3)付近に留まる場合でも、加速再生要求の判定留保期間(T1)が経過した加速再生要求の判定時(T2)に加速再生要求情報の報知を開始(S10)するため、通常再生処理から加速再生処理への切り替え(S12)を速やかに行うことができ、通常再生処理の長期化による燃費悪化や出力低下を抑制することができる。
【0008】
《効果》 自動的に開始され継続される通常再生処理の禁止を選択することができる。
図3〜
図5に例示するように、モード選択手段(41)で通常再生処理の禁止モードが選択されている場合には、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による通常再生処理を実施させないようにしたので、通常再生処理の実施が不適当な状況下では、自動的に開始され継続される通常再生処理の禁止を選択することができる。
通常再生処理の実施が不適当な状況下とは、例えば、このエンジンを搭載した機械を室内や公園等、排気ガスをより清浄で
低温の状態に保つことが要請される状況下をいう。
【0009】
《効果》 加速再生要求の判定留保期間が経過した後の通常再生処理の長期化を抑制することができる。
図2に例示するように、モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、加速再生要求の再判定期間(T3)中に、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S20)するか、加速再生要求情報の報知を開始(S10)するかのいずれかの処理を実施するので、加速再生要求の判定留保期間(T1)が経過した後の通常再生処理の長期化を抑制することができる。
【0010】
(
請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、
請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 加速再生処理を速やかに開始することができる。
図3に例示するように、PM堆積量推定値が、通常再生開始判定値(J3)まで上昇する時点(T0)よりも前に、モード選択手段(41)で通常再生処理の禁止モードが選択されている場合には、PM堆積量推定値が、通常再生開始判定値(J3)まで上昇しても、通常再生処理を開始することなく、加速再生要求の判定留保期間(T1)の経過前に、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)により加速再生要求情報の報知を開始(S24)し、加速再生開始操作手段(7)による加速再生開始操作がなされると、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による加速再生処理を開始(S26)するようにしたので、加速再生処理を速やかに開始(S26)することができる。
【0011】
(
請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、
請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 加速再生処理を速やかに開始することができる。
図4に例示するように、前記加速再生要求の判定留保期間(T1)中に、
通常再生処理の終了(S6)がないまま、モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが禁止モードに切り替えられた場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S6)´させるとともに、モードが切り替えられた時点から前記判定留保期間(T1)の経過前までの期間中の所定の時点を加速再生要求の判定時(T5)とし、この加速再生要求の判定時(T5)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)以上の場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)により加速再生要求情報の報知を開始(S10) ´し、加速再生開始操作手段(7)による加速再生開始操作がなされると、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による加速再生処理の開始(S12)´を行う。これにより、加速再生処理を速やかに開始することができる。
【0012】
(
請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、
請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 通常再生処理の許可モードが禁止モードに切り替えられた場合でも、加速再生処理を支障なく開始させることができる。
図5に例示するように、前記加速再生要求の再判定期間(T3)中に、通常再生処理の終了(S20)がないまま、モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが禁止モードに切り替えられた場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S20)´させるとともに、モードが切り替えられた時点(T6)から前記再判定期間(T3)が経過するまでにPM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)まで上昇した場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)で加速再生要求情報の報知を開始(S10)´し、加速再生開始操作手段(7)による加速再生開始操作がなされると、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による加速再生処理を開始(S12)´させるので、通常再生処理の許可モードが禁止モードに切り替えられた場合でも、加速再生処理を支障なく開始させることができる。
【0013】
(
請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明は、
請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 加速再生処理の長期化を抑制することができる。
図2〜
図5に例示するように、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)により加速再生処理を継続(S31)している場合で、PM堆積量推定値が加速再生要求の下限値である加速再生要求判定値(J2)まで下降した場合には、DPF再生制御手段(4)が加速再生処理を終了(S29)させるので、加速再生処理の長期継続を抑制することができる。
この場合、加速再生処理を終了しても、PM堆積量推定値が加速再生要求の下限値まで下降しているので、DPF(1)の目詰まりも相当程度解消され、背圧上昇による出力低下も或る程度抑制され、加速再生処理を終了した後のエンジン運転に支障は生じない。
【0014】
(
請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明は、
請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 緊急措置の必要性を喚起することができる。
図2〜
図5に例示するように、PM堆積量推定値がDPF異常判定値(J4)まで上昇すると、DPF再生制御手段(4)がDPF異常情報報知手段(8)によりDPF異常情報の報知を開始(S33)するので、異常なPM堆積が起こった場合等には、エンジン停止や整備工場でのDPF清掃処理等の緊急措置の必要性を喚起することができる。
【0015】
(
請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明は、
請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 通常再生処理の長期化を抑制することができる。
図2、
図4、
図5に例示するように、通常再生処理により
PM堆積量推定値が通常再生終了判定値(J1)まで下降すると、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S6)(S20)させるので、通常再生処理の長期化を抑制することができる。
【0016】
(
請求項8に係る発明)
請求項8に係る発明は、
請求項1から請求項7のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 加速再生処理によって、エンジン搭載機械の走行や作業に支障を及ぼすことはない。
通常再生処理は、エンジン搭載機械の走行と作業の少なくとも一方が行われている間に並行して実施され、加速再生処理は、エンジン搭載機械の走行と作業のいずれもが中断されている間に実施されるため、加速再生処理によって、エンジン搭載機械の走行や作業に支障を及ぼすことはない。
【0017】
(
請求項9に係る発明)
請求項9に係る発明は、
請求項1から請求項8のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 コモンレールシステムとDOCの組み合わせによってDPFの再生が可能となる。
図1に例示するように、コモンレールシステム(9)とDOC(10)の組み合わせによってDPF(1)の再生が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜
図8は本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの排気処理装置を説明する図であり、この実施形態では、多気筒ディーゼルエンジンの排気処理装置について説明する。
【0020】
図1に示すディーゼルエンジンの概要は、次の通りである。
シリンダブロック(18)の上部にシリンダヘッド(19)を組み付け、シリンダブロック(18)の前部にエンジン冷却ファン(20)を配置し、シリンダブロック(18)の後部にはフライホイル(21)を配置し、フライホイル(21)にロータプレート(22)を取り付けている。また、シリンダブロック(18)の後部には動弁カム軸(23)に取り付けたセンサプレート(24)を配置している。シリンダヘッド(19)の一側には排気マニホルド(25)を配置し、この排気マニホルド(25)に過給機(26)を連通させている。この過給機(26)のタービン(15)の下流にDPF(1)を収容したDPFケース(16)を配置している。DPFケース(16)にはDOC(10)も収容している。シリンダヘッド(19)には気筒毎にインジェクタ(27)を配置し、各インジェクタ(27)はコモンレール(28)に接続している。各インジェクタ(27)には電磁弁(29)が設けられている。コモンレール(28)には燃料サプライポンプ(30)を介して燃料タンク(31)を接続している。
【0021】
目標エンジン回転数設定手段(32)と実エンジン回転数検出手段(33)とクランク角検出手段(34)と気筒判別手段(35)とを制御手段(14)を介してインジェクタ(27)の電磁弁(29)に連係させている。目標エンジン回転数設定手段(32)は、調速レバーの設定位置から目標エンジン回転数を電圧値として出力するポテンショメータである。実エンジン回転数検出手段(33)とクランク角検出手段(34)はロータプレート(22)の外周に臨ませたピックアップコイルで、ロータプレート(22)の外周に一定間隔で多数設けた歯の数を検出し、実エンジン回転数とクランク角を検出する。気筒判別手段(35)は、センサプレート(24)に設けた突起の検出により、各気筒の燃焼サイクルがいかなる行程にあるかを判別するためのセンサである。制御手段(14)は、エンジンECUである。ECUは、電子制御ユニットの略称である。
制御手段(14)は、目標エンジン回転数と実エンジン回転数の偏差を小さくするように、インジェクタ(27)の電磁弁(29)の開弁タイミングと開弁継続時間を制御し、インジェクタ(27)から燃焼室に所定の噴射タイミングで所定量の燃料噴射を行わせる。
【0022】
排気処理装置の構成は、次の通りである。
図1に示すように、DPF(1)と、DPF(1)に堆積するPMのPM堆積量推定手段(2)と、DPF再生手段(3)と、DPF再生制御手段(4)と、記憶手段(5)と、加速再生要求情報報知手段(6)と、加速再生開始操作手段(7) と、通常再生処理の許可モードと禁止モードを選択するモード選択手段(41)とを備えている。
【0023】
図1に示すように、DPF(1)は、セラミックのハニカム担体で、隣合うセル(1a)の端部を交互に目封じたウォールフローモノリスである。セル(1a)の内部とセル(1a)の壁(1b)を排気が通過し、セル(1a)の壁(1b)でPMを捕捉する。
PM堆積量推定手段(2)は、制御手段(14)であるエンジンECUの所定の演算部であり、エンジン負荷、エンジン回転数、DPF上流側排気温度センサ(36)による検出排気温度、DPF上流側排気圧センサ(38)によるDPF上流側の排気圧、差圧センサ(37)によるDPF(1)の上流と下流の差圧等に基づいて、予め実験的に求めたマップデータからPM堆積量を推定する。
【0024】
図1に示すように、DPF再生手段(3)は、コモンレールシステム(9)とDPF(1)の上流に配置したDOC(10)の組み合わせから成り、通常再生処理と加速再生処理とが、コモンレールシステム(9)のインジェクタ(27)から主噴射後に行うポスト噴射により、排気中に未燃燃料を混入させ、この未燃燃料をDOC(10)により排気中の酸素で酸化燃焼させて、DPF(1)を通過する排気(11)の温度を上昇させる。
DOC(10)は、セラミックのハニカム担体で、酸化触媒を担持させ、セル(10a)の両端を開口したフロースルー構造で、セル(10a)の内部を排気(12)が通過するようになっている。
【0025】
図1に示すように、DOC上流側排気温度センサ(40)によるDOC上流側の排気(12)の検出温度がDOC(10)の活性化温度よりも低い場合には、DPF再生制御手段(4)がコモンレールシステム(9)のインジェクタ(27)から主噴射よりも後でポスト噴射よりも前のアフター噴射を行わせ、或いは、吸気スロットルの開度を絞り、排気(12)の温度を高め、DOC(10)の活性化を図る。
DPF下流側排気温度センサ(39)によるDPF下流側の排気(13)の検出温度が所定の異常判定温度よりも高い場合には、DPF再生制御手段(4)がDPF異常情報報知手段(8)によりDPF異常情報の報知を開始し、同時に、ポスト噴射の停止やポスト噴射の噴射量の減量を行う。
DPF再生手段(3)は、排気管内に燃料を噴射するインジェクタとDOCの組み合わせから成るものや、DPFの入口に配置した電熱ヒータから成るものでもよい。
【0026】
図1に示すように、DPF再生制御手段(4)は、制御手段(14)であるエンジンECUに設けられている。
記憶手段(5)は、制御手段(4)であるエンジンECUに設けたメモリである。
記憶手段(5)に、
図2に示す、PM堆積量推定値に関する複数の判定値(J1)(J2)(J3)と、加速再生要求の判定留保期間(T1)とが記憶され、
図2に示すように、この複数の判定値(J1)(J2)(J3)は、値の低い方から順に、通常再生終了判定値(J1)と、加速再生要求判定値(J2)と、通常再生開始判定値(J3)とからなる。
DPF再生制御手段(4)は、PM堆積量推定手段(2)で推定されたPM堆積量推定値と上記複数の判定値(J1)(J2)(J3)とを比較する。
【0027】
図2に示すように、モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、PM堆積量推定値が、通常再生開始判定値(J3)まで上昇すると、DPF再生制御手段(4)が自動的にDPF再生手段(3)による通常再生処理を開始(S3)させ、DPF(1)に通過させる排気(11)の温度を高める。
【0028】
図2に示すように、通常再生処理の開始(S3)から加速再生要求の判定留保期間(T1)が経過する間に、PM堆積量推定値が通常再生終了判定値(J1)まで下降した場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S6)させる。
PM堆積量推定値が通常再生終了判定値(J1)まで下降しない場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を継続(S8)させる。
【0029】
図2に示すように、通常再生処理を開始(S3)してから通常再生処理の終了(S6)がないまま(通常処理を継続(S8)させたまま)、加速再生要求の判定留保期間(T1)が経過した時点を加速再生要求の判定時(T2)とし、この加速再生要求の判定時(T2)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)以上の場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)により加速再生要求情報の報知を開始(S10)する。
【0030】
図2に示すように、加速再生開始操作手段(7)による加速再生開始操作がなされると、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による通常再生処理を加速再生処理に切り替え(S12) 、DPF(1)に通過させる排気(11)の温度を高め、通常再生処理の場合よりもDPF(1)の再生速度を加速させる。
【0031】
加速再生処理では、通常再生処理に比べ、主噴射やポスト噴射の噴射量を多くして、排気(11)の温度をより高め、DPF(1)の再生速度を加速させる。
図1に示すように、加速再生要求情報報知手段(6)は、ディーゼルエンジンの搭載機械のダッシュボードに設けたランプであり、ランプの点灯により、加速再生要求情報の報知を行う。
加速再生開始操作手段(7)は、上記ダッシュボードに設けた操作ボタンであり、運転者等が人為的に操作ボタンを押すことにより加速再生開始操作を行う。
モード選択手段(41)は、上記ダッシュボードに設けた操作レバーであり、運転者等が人為的に操作レバーを切り替え操作して、通常再生処理の許可モードと禁止モードを選択する。
【0032】
記憶手段(5)に、
図2に示す加速再生要求の再判定期間(T3)が記憶され、
図2に示すように、モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、前記加速再生要求の判定時(T2)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)よりも低い場合には、加速再生要求がないものとして、加速再生要求の判定時(T2)に続く加速再生要求の再判定期間(T3)に入ってからもDPF再生制御手段(4)が通常再生処理を継続(S17)し、通常再生処理が終了(S20)しないまま、加速再生要求の再判定期間(T3)中に、PM堆積量推定値が通常再生終了判定値(J1)まで下降した場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S20)させ、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)まで上昇した場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)で加速再生要求情報の報知を開始(S10)する。
加速再生要求の再判定期間(T3)が経過した時点を再判定終了時(T4)とし、この再判定終了時(T4)に、DPF堆積推定値が加速再生要求判定値(J2)まで上昇していない場合には、PM堆積量推定値が通常再生終了判定値(J1)まで下降していない場合でも、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S20)させる。
【0033】
図2に示すように、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)により加速再生処理を継続(S31)している場合で、PM堆積量推定値が加速再生要求の下限値である加速再生要求判定値(J2)まで下降した場合には、DPF再生制御手段(4)が加速再生処理を終了(S29)させる。
【0034】
図1に示すように、この排気処理装置は、DPF異常情報報知手段(8)を備え、記憶手段(5)に、
図2に示す通常再生開始判定値(J3)よりも高い値のDPF異常判定値(J4)が記憶され、
図2に示すように、PM堆積量推定値がDPF異常判定値(J4)まで上昇すると、DPF再生制御手段(4)がDPF異常情報報知手段(8)によりDPF異常情報の報知を開始(S33)する。
図1に示すように、DPF異常情報報知手段(8)はディーゼルエンジンの搭載機械のダッシュボードに設けたランプであり、ランプの点灯によりDPF異常情報の報知を行う。
【0035】
図3〜
図5に示すように、モード選択手段(41)で通常再生処理の禁止モードが選択されている場合には、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による通常再生処理を実施させないようにしている。
【0036】
図3に示すように、PM堆積量推定値が、通常再生開始判定値(J3)まで上昇する時点(T0)よりも前に、モード選択手段(41)で通常再生処理の禁止モードが選択されている場合には、PM堆積量推定値が、通常再生開始判定値(J3)まで上昇しても、通常再生処理を開始することなく、加速再生要求の判定留保期間(T1)の経過前に、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)により加速再生要求情報の報知を開始(S24)し、加速再生開始操作手段(7)による加速再生開始操作がなされると、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による加速再生処理を開始(S26)する。
図3では、加速再生要求情報の報知を開始(S24)を実行する時期は、PM堆積量推定値が、通常再生開始判定値(J3)まで上昇した時期(T0)としているが、時期(T0)から所定時間経過した時期であってもよい。
【0037】
図4に示すように、前記加速再生要求の判定留保期間(T1)中に、通常再生処理の終了(S6)がないまま(
通常再生処理を継続(S8)させたまま)、モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが禁止モードに切り替えられた場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S6)´させるとともに、モードが切り替えられた時点を加速再生要求の判定時(T5)とし、この加速再生要求の判定時(T5)に、PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)以上の場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)により加速再生要求情報の報知を開始(S10) ´する。
加速再生開始操作手段(7)による加速再生開始操作がなされると、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による加速再生処理の開始(S12)´を行う。
【0038】
この実施形態では、通常再生処理の許可モードが禁止モードに切り替えられた時点を加速再生要求の判定時(T5)とするが、通常再生処理の許可モードが禁止モードに切り替えられた時点から前記判定留保期間(T1)の経過前までの期間中の所定の時点を加速再生要求の判定時(T5)とすればよい。この加速再生要求の判定時(T5)は1回に限らず、複数回あってもよい。
【0039】
図5に示すように、加速再生要求の再判定期間(T3)が経過する間に、PM堆積量推定値が通常再生終了判定値(J1)まで下降した場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S20)させる。
PM堆積量推定値が通常再生終了判定値(J1)まで下降しない場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を継続(S17)させる。
【0040】
図5に示すように、前記加速再生要求の再判定期間(T3)中に、通常再生処理の終了(S20)がないまま、モード選択手段(41)で通常再生処理の許可モードが禁止モードに切り替えられた場合には、DPF再生制御手段(4)が通常再生処理を終了(S20)´させるとともに、モードが切り替えられた時点(T6)から前記再判定期間(T3)が経過するまでにPM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)まで上昇した場合には、加速再生要求があるものとして、DPF再生制御手段(4)が加速再生要求情報報知手段(6)で加速再生要求情報の報知を開始(S10)´し、加速再生開始操作手段(7)による加速再生開始操作がなされると、DPF再生制御手段(4)がDPF再生手段(3)による加速再生処理を開始(S12)´させる。
【0041】
この排気処理装置を備えたディーゼルエンジンは、コンバイン等の農業機械、バックホー等の建設機械等に搭載し、通常再生処理は、エンジン搭載機械の走行と作業の少なくとも一方が行われている機械稼働中に実施され、加速再生処理は、エンジン搭載機械の走行と作業のいずれもが中断されている機械非稼働中に実施される。
【0042】
制御手段であるエンジンECUによる再生処理のフローは次の通りである。
図6に示すように、ステップ(S1)でPM堆積量推定値が通常再生判定値(J3)まで上昇したか否かを判定し、否定の場合には、判定を繰り返し、肯定の場合には、ステップ(S2)で通常再生処理の禁止モードが選択されているか否かを判定し、否定の場合、すなわち、通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、ステップ(S3)で通常再生処理を開始する。
図2、
図4、
図5の通常再生処理の開始(S3)は、このようなステップを経て実行される。
【0043】
次に、ステップ(S4)で通常再生処理の開始から加速再生要求の判定留保期間(T1)が経過したか否かを判定し、否定の場合には、ステップ(S5)でPM堆積量推定値が通常再生終了判定値(J1)まで下降したか否かを判定し、肯定の場合には、ステップ(S6)で通常再生処理を終了し、ステップ(S1)に戻る。ステップ(S5)での判定が否定の場合には、ステップ(S7)で通常再生処理の禁止モードが選択されているか否かを判定し、否定の場合、すなわち、通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、ステップ(S8)で通常再生処理を継続し、ステップ(S4)に戻る。
図2、
図4、
図5の判定留保期間(T1)中の通常再生処理の終了(S6)と通常再生処理の継続(S8)は、このようなステップを経て実行される。
【0044】
ステップ(S4)での判定が肯定の場合には、ステップ(S9)で
PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)以上か否かを判定し、肯定の場合には、ステップ(S10)で加速再生要求情報の報知を開始する。次に、ステップ(S11)で加速再生開始操作はなされたか否かを判定し、肯定の場合には、ステップ(S12)で通常再生処理を加速再生処理に切り替える。
図2、
図5の判定時(T2)での加速再生要求情報の報知(S10)とその後の加速再生処理への切り替え(S12)は、このようなステップを経て実行される。
【0045】
ステップ(S11)での判定が否定の場合には、ステップ(S13)で通常再生処理を継続し、ステップ(S14)で
PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)以上か否かを判定し、否定の場合には、ステップ(S15)で通常再生処理を終了し、ステップ(S16)で加速再生要求情報の報知を終了し、ステップ(S1)に戻る。ステップ(S14)での判定が肯定の場合には、ステップ(S11)に戻る。
【0046】
図6のステップ(S9)での判定が否定の場合には、
図7に示すように、ステップ(S17)で通常再生処理を継続し、ステップ(S18)で加速再生要求の
再判定期間(T3)が経過したか否かを判定し、否定の場合には、ステップ(S19)でPM堆積量推定値が通常再生終了判定値(J1)まで下降したか否かを判定し、肯定の場合には、ステップ(S20)で通常再生処理を終了し、ステップ(S1)に戻る。
図2、
図5の再判定期間(T3)中の通常再生処理の継続(S17)と通常再生処理の終了(S20)は、このようなステップを経て実行される。
【0047】
ステップ(S19)での判定が否定の場合には、ステップ(S21)で通常再生処理の禁止モードが選択されているか否かを判定し、否定の場合、すなわち、通常再生処理の許可モードが選択されている場合には、ステップ(S22)で
PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)以上か否かを判定し、肯定の場合には、ステップ(S10)で加速再生要求情報の報知を開始し、否定の場合には、ステップ(S17)に戻る。
図2、
図5の再判定期間(T3)中の加速再生要求情報の報知の開始(S10)は、このようなステップを経て実行される。
【0048】
ステップ(S18)での判定が肯定の場合、また、ステップ(S21)での判定が肯定の場合には、ステップ(S23)でPM堆積推定値が加速再生要求判定値(J2)以上か否かを判定し、否定の場合には、ステップ(S20)で通常再生処理を終了し、ステップ(S1)に戻る。
図2の判定時(T4)での
通常再生処理の終了(S20)は、このようなステップを経て実行される。
ステップ(S23)での判定が肯定の場合には、ステップ(S10)で加速再生要求情報の報知を開始する。
【0049】
図6に示すように、ステップ(S2)での判定が肯定の場合、すなわち通常再生処理の禁止モードが選択されている場合には、ステップ(S24)で加速再生要求情報の報知を開始し、ステップ(S25)で加速再生開始操作がなされたか否かを判定し、否定の場合には判定を繰り返し、肯定の場合には、ステップ(S26)で加速再生処理を開始する。
図3の加速再生要求情報の報知の開始(S24)と加速再生処理の開始(S26)は、このようなステップを経て実行される。
【0050】
図6に示すように、ステップ(S7)での判定が肯定の場合、すなわち、加速再生要求の判定留保期間(T1)中に通常再生処理の禁止モードが選択された場合には、ステップ(S6)´で通常再生処理を終了し、ステップ(S27)でPM堆積推定値が加速再生要求判定値(J2)以上か否かが判定され、判定が肯定の場合には、ステップ(S10)´で加速再生要求情報の報知を開始し、加速再生開始操作がなされると、ステップ(S11)´での判定が肯定され、ステップ(S12)´で加速再生処理が開始される。
また、ステップ(S27)の判定が否定の場合には、ステップ(S1)に戻る。
図4の加速再生要求の判定時(T5)での通常再生処理の終了(S6)´、加速再生要求情報の報知の開始(S10)´、その後の加速再生処理の開始(S12)´は、このようなステップを経て実行される。
【0051】
図7に示すように、ステップ(S21)での判定が肯定の場合、すなわち、加速再生の再判定期間(T3)中に通常再生処理の禁止モードが選択された場合、ステップ(S20)´で通常再生処理が終了され、ステップ(S21)´で加速再生の再判定期間(T3)が経過したか否かが判定され、判定が否定の場合、ステップ(S22)´で
PM堆積量推定値が加速再生要求判定値(J2)まで上昇したか否かが判定され、判定が肯定の場合には、ステップ(S10)´で加速再生要求情報の報知を開始し、加速再生開始操作がなされると、ステップ(S11)´での判定が肯定され、ステップ(S12)´で加速再生処理が開始される。ステップ(S22)´での判定が否定の場合には、ステップ(S21)´に戻り、ステップ(S21)´での判定が肯定の場合には、ステップ(S1)に戻る。
図5のモード切り替え時点(T6)から再判定期間(T3)が経過するまでの通常再生処理の終了(S20)´と加速再生要求情報の報知の開始(S10)´と、その後の加速再生処理の開始(S12)´は、このようなステップを経て実行される。
【0052】
図6のステップ(S12)で通常再生処理を加速再生処理に切り替えた後、または、ステップ(S26)で
加速再生処理を開始した後、
図8に示すように、ステップ(S28)でPM堆積量推定値が加速再生要求の下限値である加速再生要求判定値(J2)まで下降したか否かを判定し、肯定の場合には、ステップ(S29)で加速再生処理を終了させ、ステップ(S30)で加速再生要求情報の報知を終了し、ステップ(S1)に戻る。ステップ(S28)での判定が否定である場合には、ステップ(S31)で加速再生処理を継続し、
ステップ(S32)でPM堆積量推定値がDPF異常判定値(J4)まで上昇したか否かを判定し、判定が肯定の場合には、ステップ(S33)でDPF異常情報の報知を開始し、ステップ(S31)に戻る。ステップ(S32)での判定が否定の場合には、ステップ(S28)に戻る。
図2〜
図5の加速再生処理の終了(S29)と加速再生処理の継続(S31)とDPF異常情報の報知の開始(S33)は、このようなステップを経て実行される。