特許第5668051号(P5668051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5668051NFCシステムを含む移動通信装置内の少なくとも1つのアプリケーションを事前に選択する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5668051
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】NFCシステムを含む移動通信装置内の少なくとも1つのアプリケーションを事前に選択する方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20150122BHJP
   H04L 29/06 20060101ALI20150122BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20150122BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20150122BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   H04L13/00 305C
   H04W84/10 110
   H04W88/02 131
   G06K7/00
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-503969(P2012-503969)
(86)(22)【出願日】2010年3月30日
(65)【公表番号】特表2012-523727(P2012-523727A)
(43)【公表日】2012年10月4日
(86)【国際出願番号】EP2010054170
(87)【国際公開番号】WO2010115770
(87)【国際公開日】20101014
【審査請求日】2013年2月26日
(31)【優先権主張番号】09305301.5
(32)【優先日】2009年4月8日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504326572
【氏名又は名称】ジエマルト・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フイン,ジヤン−イブ
(72)【発明者】
【氏名】ルリミ,アラン
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−036427(JP,A)
【文献】 特開2008−225706(JP,A)
【文献】 特開2007−066042(JP,A)
【文献】 特表2007−516623(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3133084(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00
H04B 7/24− 7/26
H04L 13/02−13/18
29/00−29/12
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
99/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
NFCが動作可能な移動通信装置内の少なくとも1つのアプリケーションの事前選択の方法であって、
a.前記NFCが動作可能な移動通信装置がNFCターゲット内に記憶され情報にアクセスしそれを読み出すことができ、
b.前記NFCが動作可能な移動通信装置、カードエミュレーションモードと、リーダモード及びピアツーピアモードから選択された他のモードを含む少なくとも2つの通信モードで動作することができる方法であって、
カードエミュレーションモードと他のモードの間を連続的に切り換え、
NFCが動作可能な移動通信装置がリーダモード又はピアツーピアモードであるときNFCターゲット内に記憶されたアプリケーション識別子を含む情報を読み出し、
カードエミュレーションモードであるときは、アプリケーション識別子に対応するアプリケーション事前に選択することを含む、方法。
【請求項2】
FCターゲットの存在動作モードの連続切換を用いて検出ることさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
FCターゲット内に記憶されデータが読み出される段階の間に、アプリケーション、およびアプリケーションの有効期間を識別することができるデータを抽出することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
プリケーションの有効期間がデフォルトにより自動的に一時的となる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
有効期間がユーザにより確認される段階を定義することを更にむ、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
有効期間選択するように、前記移動通信装置のユーザインタフェースの手段を動作させることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
非接触タグのフォーマット化されたアプリケーションデータが遠隔サーバの位置を突き止めることができるデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アプリケーションが移動通信装置から見つからない、または不完全であるもしくは一般にはもう使用されていないとき、アプリケーションをダウンロードするために、遠隔サーバが位置を突き止められる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
非接触電子タグが、移動通信装置内にホスティングするアプリケーションを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
NFCが動作可能な移動通信装置であって、
NFCシステムを有し、装置が非接触電子タグまたはカードのタイプのNFCターゲット内に記憶されデータにアクセスしそれを読み出すことができ、前記NFCシステムが、カードエミュレーションモードとリーダモード、又はカードエミュレーションモードピアツーピアモードを含む少なくとも2つの通信モードで動作することができ、さらに、
NFCシステムがリーダモード又はピアツーピアモードであるときはNFCターゲット内に記憶された情報を読み出す手段を有し、前記情報はアプリケーション識別子を含み、
カードエミュレーションモードであるときはアプリケーション識別子に対応するアプリケーションを事前に選択する手段を有する、NFCが動作可能な移動通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NFCすなわち「Near Field Communication(近距離無線通信)」と呼ばれる非常に近い距離にわたる無線通信の分野に関する。
【0002】
本発明は、詳細にはNFC標準に従って動作する移動装置内の安全なまたは埋め込まれていない要素の中にホスティングされるアプリケーションの領域に関し、詳細には電子タグまたはカードを読み出すことができるNFC端末を使って実行される非接触処理の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
非接触NFC伝送技術は(インフラストラクチャに属する)カプラ(coupler)と移動無線通信装置の間、または少なくとも2つの移動無線通信装置間の通信を可能にする。技術は、リーダ(PCDすなわちProximity Coupling Device(近接型結合装置))のコイルにより発生される磁場の変調を介したデータ伝送、およびカード(PICC:Proximity Integrated Circuit Card(近接型ICカード))のコイル内のカップリングにより誘導される電流の変調を介した戻りデータ伝送に基づく。変調技術およびプロトコルは、たとえば標準、たとえば標準ISO14443または標準ISO18092で説明されている。
【0004】
NFC技術を一体化する装置は、標準通信プロトコル、たとえばISO14443、ISO18092、JIS X6319−4、または独自プロトコルに従って動作する。
【0005】
3つの動作モードが通常利用できる:
リーダモードは、「スマートポスタ(smart poster)」とも呼ばれる非接触カードおよび/または非接触電子タグからの読出しおよびそこへの書込みができるようにする。たとえば、そのモードは、たとえば通りに、ポスタの上に、包みの上に、バス待合所の中などに置かれることができる電子タグの前で無線移動通信装置を保持することによりユーザが情報を読み出すことができるようにする。このモードでは、無線移動通信装置は受動タグまたは非接触カードのリーダになる。
【0006】
カードエミュレーションモードは非接触カードのエミュレーションを可能にする。すなわち、たとえばスマートカード型のセキュリティ要素に関連する無線移動通信装置は、非接触スマートカードの動作をエミュレートする。
【0007】
P2P(ピアツーピア)モードは、2つのNFC装置間の平衡した挙動(マスタもスレーブもない)を可能にすることによりリーダのマスタの役割、またはカードのスレーブの役割を排除することができるようにする。
【0008】
無線移動通信装置は矛盾することがあり得るいくつかのアプリケーションをホスティングすることができる。すなわち、いくつかのアプリケーションは、調和しない通信設定を使用するので、インフラストラクチャカプラとインタフェースで接続されることができない。
【0009】
NFC無線移動通信装置はマルチモードおよびマルチプロトコルの装置である。
【0010】
アプリケーションがモードおよびプロトコル設定により規定される。一般に、無線移動通信装置は異なるアプリケーションを、たとえばリーダ型アプリケーション、カードエミュレーション型アプリケーション、または他を含むことができる。リーダアプリケーションでは、無線移動通信装置は非接触技術により遠隔装置から読み出すまたはそこに書き込むリーダモードである。無線移動通信装置はこの場合RFIDリーダとして使用される。カードエミュレーション型アプリケーションでは、NFC無線移動通信装置は支払いまたは有料アクセスの制御アプリケーション(支払マシン、移動網入口)で従来のカプラにより読み出されるようなカードエミュレーションモードである。この場合、無線移動通信装置、たとえば移動電話はスマートカードのように使用される。たとえばアプリケーションプログラムは保持され、安全なプロセッサにより実行され、サービスへのアクセスが加入者の識別を必要とする。許可されるカードリーダが標準のパラメータに関係なくすべてのカードを上記で引用された標準に従って受け入れることができる。
【0011】
しかしながら、現在のNFC標準では、これらのパラメータは、アプリケーションデータおよびコマンドを運ぶための接続を確立するためだけに必要であるのではない。パラメータには、アプリケーションから独立した包括的設定をもはや可能にしないアプリケーションデータを含むものがある。アプリケーションデータを含まないパラメータはリーダによりときどき検査される。このとき、カードにより示されるパラメータが、厳密にまたは一意にリーダにより期待されるパラメータでないとき、リーダはカードを完全に拒絶することができる。このことは、同じNFC接続パラメータを共有することができないアプリケーション間の矛盾につながることがときどきある。
【0012】
カードエミュレーションモードを使用するいくつかのアプリケーションの共存に関係のある解決策が、たとえば、すべてのアプリケーションのNFCパラメータ、ならびに2つのマスクAおよびBと共に端末に各アプリケーションが送信されるアルゴリズムを使用することにあり得る。パラメータに適用されるマスクAは、リーダにより必要とされ期待されるデータに関する情報を提供する。パラメータに適用されるマスクBは、リーダにより試験されないデータに関する情報を提供する。このアルゴリズムによれば、リーダにより期待されるパラメータに関してアプリケーションのパラメータの組合せ(論理積)が違い(排他的論理和)を含まない場合、2つのアプリケーションは互いに矛盾しない、および/または違いがある場合、2つのアプリケーションはリーダにより期待されないデータに関係がある。
【0013】
この解決策では、移動装置のユーザは、具体的には時間が決定的に重要な段階で、たとえばユーザの移動に関係のあるアプリケーションで、ユーザによるどんな介在も必要とせず迅速に処理を実行するために、矛盾のあるアプリケーションを検出するための、および共存することができるアプリケーションを事前に選択するための手段を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この解決策は完全に満足できるわけではない。それは、ユーザはアプリケーションのグループと矛盾するアプリケーションを矛盾なくアクティブ化させる必要があることがあるためである。さらに、一部のアプリケーションたとえば銀行業務アプリケーションは、たとえ矛盾しなくても互いに相いれない。その結果、そのようなアプリケーションについて、ユーザはどの銀行預金口座を使って自分の取引を支払うかを正確に知らなければならない。そのことが、人間工学的でもなく望ましくもない、アプリケーションの事前選択の度重なる切換えにつながり、そのことが使用中のNFC技術の価値の低下につながり得る。
【0015】
それらの欠点を除くために、本発明の目的の1つが、NFC技術に関係のある同じパラメータを共有することができる1つまたは複数のアプリケーションを事前に選択する簡単な手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
その目的のためには、本発明の目的の1つが、NFCシステムを含む移動通信装置内の少なくとも1つのアプリケーションで事前に選択する方法であり、前記装置はカードまたは非接触電子タグのタイプのターゲットNFCシステム内に記憶されるデータにアクセスしそれを読み出すことができ、前記NFCシステムはリーダモードおよびカードエミュレーションモード、またはピアツーピアモードを含む通信の少なくとも2つのモードで動作することができ、NFCシステムがリーダモードであるとき、前記ターゲットNFCシステム内に記憶される情報が読み出される段階中に、少なくとも1つのアプリケーションが事前に選択されることを特徴とする。
【0017】
そのような方法は、端末のユーザインタフェースを使用することなく移動端末内のアプリケーションまたはアプリケーションのグループを迅速に事前に選択することができるようにする。
【0018】
そのような事前選択は有利には一時的であり、したがって、ユーザが以前の事前選択に戻ることができるようにする。
【0019】
そのような事前選択は自動的であり、実行される処理と同じくらい簡単で使いやすい。
【0020】
別の特徴は以下の通りである:
方法は、動作モードを自動的に切り換えることによりターゲットNFCシステムの存在を検出することができる、
ターゲットNFCシステム内に記憶されるデータが読み出される段階の間に、前記少なくとも1つのアプリケーション、および前記少なくとも1つのアプリケーションの有効期間を識別することができるデータが抽出されることができる、
前記少なくとも1つのアプリケーションの有効期間がデフォルトで自動的に一時的とすることができる、
方法は、有効期間がユーザにより確認される段階を含むことができる、
有効期間は、前記移動通信装置のユーザインタフェースにより選択されることができる、
非接触タグのフォーマット化されたアプリケーションデータは、遠隔サーバの位置を突き止めることができるデータを含むことができる、
遠隔サーバが移動通信装置から見つからない、または不完全であるもしくは一般にはもう使用されていないとき、アプリケーションをダウンロードするために位置を突き止められることができる、
非接触電子タグは、移動通信装置内にホスティングするアプリケーションを含むことができる。
【0021】
本発明はまた、そのような方法を使用する移動通信装置に関し、前記移動通信装置はNFCシステムを含み、カードまたは非接触電子タグのタイプのターゲットNFCシステム内に記憶されるデータにアクセスしそれを読み出すことができ、前記NFCシステムは、リーダモードおよびカードエミュレーションモード、またはピアツーピアモードを含む少なくとも2つの通信モードで動作することができる。
【0022】
本発明の特徴によれば、移動通信装置は事前選択を保存し記憶するための手段を含むことができる。
【0023】
本発明は、限定しない例として提供される実施形態の様態の以下の説明でより明白になる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
移動通信装置たとえば移動端末はNFCシステムを含む。
【0025】
NFCシステムは電子的構成要素、たとえば「NFCコントローラ」と呼ばれるコントローラである。移動端末はNFCコントローラにより実行されるNFC機能を一体化する。その構成要素は移動端末1内のアプリケーションプロセッサすべてによりプログラムされる。たとえば、標準ETSI TS102.613およびTS102.622が、SIMカードを備えるNFCコントローラ2の設定を用意する。
【0026】
NFCコントローラは、少なくとも2つのモード、すなわちカードエミュレーションモードおよびリーダモード、またはカードエミュレーションモードおよびP2Pモードで動作する。NFCコントローラはモードを自動的かつ迅速に連続的に切り換える。その方法では、コントローラは、コントローラの磁場または遠隔リーダにより提供される場内でカードを検出することができる。ユーザが知ることなく迅速かつ自動的にモードを切り換えることは、「モード切換」と呼ばれる。リーダモードが動作中のとき、移動端末は、技術仕様に従ってフォーマット化されたアプリケーションデータの一部分を含む、ターゲットNFCシステムたとえばカードまたは非接触電子タグ内に記憶される情報にアクセスしそれを読み出すことができる。
【0027】
NDEF(NFC Data Exchange Format、NFCデータ交換フォーマット)仕様と呼ばれる技術仕様が、たとえば限定されたアプリケーションをアクティブ化させることができるようにする。たとえば、所与のタイプのNDEF仕様が、読み出した後、NFC移動電話のリンガ(ringer)を振動モードまたはサイレントモードに自動的に切り換えることができるようにする。
【0028】
ユーザが、所与のタイプのNDEF仕様または均等物を含む非接触電子タグを読み出すことができ、前記非接触電子タグ上に視覚的に提示されるアプリケーション(たとえば決済事業者のロゴ)に関係のある自動事前選択を実行する。その方法では、カードエミュレーションモードを使用するアプリケーションの事前選択が、非接触電子タグからフォーマット化されたデータをまず読み出すことにより実行される。その動作は、ユーザが自分の端末が正しく設定されていないことを知っている場合、ユーザによりターゲットにされる処理(支払い、チケット、アクセス)の前に実行されることができ、処理はカードエミュレーションモードで実行される、または処理が失敗した場合、ユーザによりターゲットにされる処理の後に実行される。
【0029】
本発明の実施形態の一様態では、たとえば非接触電子タグ内に含まれるNDEF仕様タイプのフォーマット化されたアプリケーションデータの一部分は、アプリケーションの圧縮された名称に関する情報を提供する。その結果、ターゲットNFCシステム内に記憶されるデータが読み出される段階の間、アプリケーションを識別することができるデータが抽出される。
【0030】
アプリケーション識別は、たとえば仕様RFC3936(Uniform Resource Identifier:一般的シンタックス)に従って符号化され、仕様RFC1321(MD5メッセージダイジェストアルゴリズム)に従って圧縮される。その方法では、端末と非接触電子タグの間で交換されるデータの量が制限される。アプリケーションを識別するUniform Resource Identifier(URI)に関係のある交換されるデータのサイズは、有利にはURIの長さに関係なく標準的128ビットハッシング関数(たとえばMD5、SHA−1など)の使用により圧縮される。
【0031】
本発明の実施形態の第2の様態では、非接触電子タグ内に含まれる、たとえばNDEF仕様タイプのフォーマット化されたアプリケーションデータの一部分は、有効期間または有効の持続性に関する情報を提供する。その目的のために、フォーマット化された利用できるデータの一部分内に含まれる第2のフィールドが、事前選択の持続性に関する情報を移動端末に提供する。その方法では、ターゲットNFCシステム内に記憶されるデータが読み出される段階の間、有効期間またはアプリケーションの持続性を識別することができるデータが抽出される。
【0032】
優先的には、有効期間を選択するために前記移動通信装置のユーザインタフェースが使用される。
【0033】
実施形態の第2の様態の第1の変形例では、事前選択の持続性が恒久的である。
【0034】
実施形態のその第2の様態の別の変形例では、事前選択の持続性が一時的である。事前選択の持続性は、ユーザによりもしくはデフォルトにより決定される時間Tの間有効でも、または1つの処理の間だけ、もしくは規定される回数の処理の間有効でもよい。
【0035】
優先的には、アプリケーションの有効期間はデフォルトにより一時的である。有効期間を確認するための段階がユーザにより実行される。ユーザが望む場合、ユーザはたとえばユーザインタフェースを通して事前選択の有効期間を修正することができる。
【0036】
実施形態の別の様態では、たとえばNDEF仕様タイプのフォーマット化されたデータの一部分は、いわゆるオーバーザエア(over−the−air)アプリケーションを、すなわちたとえばアプリケーションが端末内にインストールされていない、または不完全であるもしくは一般にはもう使用されていないときにデータへの遠隔アクセスを可能にするアプリケーションをダウンロードするためにサーバの位置を突き止めることができるデータを含む。
【0037】
アプリケーションがダウンロードされることができる前述の実施形態の様態の一変形例では、非接触電子タグのたとえばNDEF仕様タイプのフォーマット化された利用できるデータが、移動端末内にホスティングされるアプリケーションを含む。このことは、事実上ローカルであるアプリケーションの展開を可能にする。優先的には、ホスト内でのアプリケーションの持続性は一時的である。こうして、アプリケーションが、所与の回数の処理の間または規定された期間中、アクティブ化させられることができる。
【0038】
事前選択が達成されると、次に、事前選択は、移動端末のユーザによりその後呼び出されるように移動端末内に保存され記憶される。このとき、ユーザはいくつかの事前選択をプログラムし、これらの電子タグが利用できないまたは展開されない環境でそれらの事前選択を使用することができる。
【0039】
リーダモードがアクティブのとき、事前選択を行うそのようなアプリケーションが有利にはアクティブ化させられ、端末により読み出される非接触電子タグ内に含まれるフォーマット化されたデータの一部分を使用するためにリッスンしていなければならない。
【0040】
非接触電子タグが読み出されるとき、事前選択アプリケーションが直接アクティブ化させられ、そのことが、事前に選択するためのアプリケーションをホスティングしているホスト装置内での事前選択につながる。
【0041】
たとえば移動網での処理が高速でなければならず、ユーザによるどんな介在も必要としてはならない。ユーザは処理のために1秒の何分の1を超えない簡単な操作を実行する。不注意により事前選択が適切でなくて、処理を許可しない場合、本発明の方法を使用する第2の均等な動作がアプリケーションを適切に事前に選択し、したがって処理を正しく実行することができるようにする。
【0042】
実施形態のこれらの様態が限定しない例として提供されていることが本発明の範囲内で理解される。事前選択の有効期間は、たとえば任意選択でも、別の方法でデフォルトによりまたはユーザにより規定されてもよい。
【0043】
説明される技術は、NFCシステムを含みETSI標準に従って動作する端末内に一体化されるNFCに適合したSIMカードタイプの製品に適合する。本発明は、アプリケーションをホスティングする安全な要素または安全でない要素の性質に関係なく非接触カードをエミュレートすることができるどんな端末にも拡張されることができることも理解される。
【0044】
有利には自動的であるそのような事前選択方法、および方法を使用する移動通信装置が、適切な事前選択の規定を含む非接触電子タグの読出しを生成する簡単で速く使いやすい操作によりアプリケーションまたはアプリケーションのグループの一時的または恒久的な事前選択を可能にする。
【0045】
そのような方法は、NFC技術に関係のある同じパラメータを共有することができる1つまたは複数のアプリケーションを事前に選択することができるようにする。アプリケーション間に機能的矛盾がない限り、同じ電子タグ内に含まれるいくつかのアプリケーションを事前に選択することができる。支払方法およびロイヤルティアプリケーションと異なり、2つの支払方法間に機能的矛盾があり得る。
【0046】
ユーザは、ユーザの端末の通常のユーザインタフェースを使用してアプリケーションを事前に選択するために複雑な選択メニューでナビゲートする必要がない。