【実施例】
【0030】
実施例1:澱粉粒子の安定化のための熱処理段階
とうもろこし澱粉(新東方CP製)乳液の濃度をそれぞれ30%及び40%にして用意し、45℃と50℃の水槽でそれぞれ1時間熱処理した。ここで、30%澱粉乳液は、澱粉900g(乾燥重量基準)を水3000
Lに入れた後、10分間常温で撹はんして得た。攪拌器を用いて攪拌(120rpm)しながら熱処理が均一になされるようにした。糊化温度以下の温度での短時間熱処理は、澱粉粒子の部分的糊化によって澱粉粒子が安定した構造を持つようにし、総食餌纖維含量を増加させる。
【0031】
実施例2:りん酸化架橋結合反応による食餌纖維澱粉の製造
とうもろこし生澱粉30%と40%懸濁液に、10%Na
2SO
4と12%トリメタりん酸ナトリウムとトリポリりん酸ナトリウムの混合物を入れ、4%NaOHを添加してpHを11.5に調節した。これらの澱粉混合液をそれぞれ45℃及び50℃で3時間反応させた後、3.65%HClを用いてpH6.5に中和した。その後、蒸溜水で3回洗って遠心分離した後、40℃で乾燥粉砕し、100メッシュの篩に通過させ、最終的に各澱粉濃度別の食餌纖維澱粉を製造した。
【0032】
実施例3:AOAC法による食餌纖維澱粉の総食餌纖維含量の測定
上記実施例2で製造した本発明のとうもろこし食餌纖維澱粉の総食餌纖維含量を調べた。実験方法はAOAC(Association of Official Chemist)法として分析した。1.0gの試料に40mLのりん酸緩衝溶液(pH6.0)を入れ、よく分散させた。アミラーゼ(heat stable α−amylase,Cat No.A−3306,Sigma)0.1mLを入れ、沸いている水槽(100℃)でかき回しながら15分間反応させた後、直ちに室温に冷却させた。ここに0.275N NaOHを入れてpH7.5になるように調整した後、プロテアーゼ(protease、CatNo.P−3910,Sigma)0.1mL(50mg/mL phosphate buffer)を入れ、60℃恒温振とう器で30分間反応させた。その後、0.325M HClを入れてpH4.0〜4.6になるように調整した後、アミログルコシダーゼ(amyloglucosidase、Cat No.A−9913,Sigma)0.1mLを加え、続いて60℃で30分間反応させた。反応を止めるために、総アルコール濃度80%になるようにエタノールを添加して1時間以上放置した後、あらかじめ乾燥して恒量しておいたセライト(celite)の入っているつぼ(2G3、IWAKI)でろ過した。つぼに入っている試料を95%、78%エタノールとアセトンの順に洗浄したし、不溶性残渣を105±0.1℃オーブンで16時間乾燥した後、重さを測定し、ろ過前と後のつぼの重さの差で総食餌纖維の含量を計算した。
実験の結果、下記表1に示すように、総食餌纖維の含量は、30%澱粉濃度の場合、熱処理及びりん酸化反応温度が45℃で44.8%であり、50℃反応では73.2%であった。一方、40%澱粉濃度の場合、熱処理及びりん酸化反応温度が45℃で79.1%であり、50℃反応で95.1%であった。澱粉の濃度が高いほど、分枝鎖(branch chain)間の距離が近づくので、りん酸化による架橋結合が效率よく起き、総食餌纖維含量が増加した。また、同一の濃度では、熱処理温度及びりん酸化反応の温度が高いほど、澱粉粒子の部分的膨脹(swelling)が起きて架橋結合剤が均一に分散され、架橋結合反応が效率よく起きたため、総食餌纖維含量が高く現れた。
【表1】
【0033】
実施例4:食餌纖維澱粉の乳化力を強化するための熱処理段階
とうもろこし食餌纖維澱粉乳液を濃度30%にして用意し、85℃高温で20分間熱処理した。熱処理は湯せんとし、熱が直接的に澱粉液に加えられないようにした。高温での短時間熱処理は、澱粉粒子のサイズをを弾力よく膨らませて乳化液の安定した構造を持つようにし、w/o乳化液の特性を示す。下記表2は、澱粉の平均粒子サイズを測定した値である。高温で熱処理された食餌纖維澱粉の平均粒子サイズは、163.2μmであり、食餌纖維澱粉の平均粒子サイズの10倍以上と増加した。
【0034】
【表2】
d
10(μm):澱粉粒子の分布のうち下位10%澱粉粒子の平均粒子サイズ
d
50(μm):澱粉粒子の分布のうち下位50%澱粉粒子の平均粒子サイズ
d
90(μm):澱粉粒子の分布のうち上位10%澱粉粒子の平均粒子サイズ
【0035】
実施例5:高温で熱処理された食餌纖維澱粉の粒度分析
とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉及び高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉の粒子サイズ分布を調べるために、粒度分析器(Laser Diffraction Particle Size Analyzer LS13−320、BECKMAN COULTER、USA)を用いた。試料をメタノールに分散して測定した。とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉の粒子サイズ分布を
図1に示す。とうもろこし生澱粉の粒子サイズは、10〜20μm範囲内にほとんど分布したが、りん酸化前の熱処理及びりん酸化架橋結合により製造されたとうもろこし食餌纖維澱粉の粒子サイズは、とうもろこし生澱粉に比べてサイズが大きい領域(20〜40μm)で主に分布を示した。一方、食餌纖維澱粉に高温熱処理をした場合は、食餌纖維澱粉の粒子サイズが格段に増加し、200〜300μmにほとんど粒度分布を示した。
【0036】
実施例6:高温で熱処理された食餌纖維澱粉の糊化特性及び物性的特性の分析
とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉の糊化特性を、走査熱量計(DSC、S2、SSC/5200H、Seiko Co.,Japan)を用いて調べた。それぞれ10mgの試料と30mgの水を混合し、2時間水分平衡を維持させた後、25℃から130℃まで分当たり5℃ずつ温度を上げながら各澱粉の糊化特性を分析した。
表3は、測定した各澱粉の糊化開始温度、糊化最大温度、糊化終了温度及び糊化熱量を表すものである。糊化開始温度は、とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉においてそれぞれ、70.49℃、78.74℃、80.65℃であって、食餌纖維澱粉類の糊化温度が生澱粉の糊化温度よりも高かった。糊化最大温度及び糊化終了温度も同様の傾向を示した。しかし、糊化熱量のエンタルピは、とうもろこし生澱粉が12.87J/g、とうもろこし食餌纖維澱粉が10.49J/g、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉が0.95J/gであって、大部分の高温で熱処理された食餌纖維澱粉はそれ以上糊化が起きないことを示した。短時間高温熱処理は、食餌纖維澱粉の澱粉粒子を膨脹させ、結晶性をそのまま維持させる傾向を示した。
【0037】
【表3】
【0038】
図2乃至
図4は、とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉、高温で熱処理された食餌纖維澱粉の糊化最高点を示すものである。高温で熱処理された食餌纖維澱粉では糊化最高点がほとんど現れなかった。
【0039】
実施例7:高温で熱処理された食餌纖維澱粉の物性的特性
とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉、高温で熱処理された食餌纖維澱粉の水結合能力(water binding capacity;WBC)とオイル結合能力(oil binding capacity;OBC)を測定した。
それぞれ試料1.0gを50mL遠心分離管に入れ、30.0mLの水または豆油を加えて1時間常温で分散した後、3,000rpmで20分間遠心分離して沈殿物の重さを測定し、下の式で計算した。
【0040】
水/オイル結合能力(%)=
{遠心分離後の沈殿物の重さ(g)−試料の重さ(g)}×100/試料の重さ(g)
【0041】
水結合能力は、とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉がそれぞれ、1.26、2.10、2.57g/gであり、高温で熱処理された食餌纖維澱粉が最も高かった。オイル結合能力は、とうもろこし生澱粉が、とうもろこし食餌纖維澱粉及び高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉より1g/g高かった。これは、とうもろこし生澱粉のオイル結合能力が食餌纖維澱粉類のそれよりも高いことがわかる。
【0042】
【表4】
【0043】
実施例8:高温で熱処理された食餌纖維澱粉が添加されたマヨネーズの製造及び粘度の測定
下記の表5のような条件として、とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉及び高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉が添加されたマヨネーズを製造し、レオメーター(Rheometer、Compac−100、Sun Sci.Co.,Japan)を用いて粘度を測定した。それぞれとうもろこし食餌纖維澱粉は16重量%、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉は17.5重量%を添加した。
【0044】
【表5】
【0045】
下記表6はそれぞれ、とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉を添加したマヨネーズの粘度を比較した結果である。各試料の粘度を6回反復測定して平均値を計算した。測定条件は次のとおりである:Press/Traction、Press;Mode、20;Dia of probe、25mm;Sample size、φ30×15mm;Load cell、2.0Kg;Table speed、60.0mm/min。
[86]市販中のマヨネーズの粘度は、1.25×10
5cPを示しているが、とうもろこし生澱粉及びとうもろこし食餌纖維澱粉が添加されたマヨネーズの粘度は非常に低く、マヨネーズの物性が具現し難かった。一方、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉が添加されたマヨネーズの粘度は1.17×10
5と、対照群マヨネーズと類似した粘度を示した。
【0046】
【表6】
【0047】
実施例9:高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉が添加されたマヨネーズの乳化安全性の測定及び油脂代替率
マヨネーズの乳化安全性は、マヨネーズをマイクロチューブに入れ、45℃恒温器で7日間保存した後、8,000rpmで15分間遠心分離した後、油脂が分離する比率を次の式で計算した。
【0048】
マヨネーズの乳化安全性(%)=
{マヨネーズに含まれている油脂の重さ(g)−遠心分離後の油脂の重さ(g)}×100/マヨネーズに含まれている油脂の重さ(g)
【0049】
下記表7は、とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉及び高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉を添加したマヨネーズの乳化安全性を測定した結果である。対照群マヨネーズは、油脂が1.4%分離したし、とうもろこし生澱粉が添加されたマヨネーズでは、油脂分離率が10.2%まで増加した。しかし、とうもろこし食餌纖維澱粉と高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉が添加されたマヨネーズでは、それぞれ0.6%、0.4%程度の油脂が分離した。該食餌纖維澱粉類を添加したマヨネーズの乳化安全性が、対照群マヨネーズに比べて高く現れた。
【0050】
【表7】
【0051】
下記表8は、とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉を添加してマヨネーズを作った時、代替可能なオイルの量を示したものである。とうもろこし生澱粉ととうもろこし食餌纖維澱粉の場合、対照群マヨネーズよりも大豆油を40%程度減少させることができた。一方、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉を使用してマヨネーズを作る場合は、大豆油を50%程度減少させることができる他、対照群マヨネーズと類似の粘度を具現することも可能だった。
【0052】
【表8】
【0053】
下記表9は、対照群マヨネーズと、とうもろこし生澱粉、とうもろこし食餌纖維澱粉及び高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉を添加して作ったマヨネーズの熱量を表したものである。市販中のマヨネーズの熱量が1g当たり708kcalであるのに比べて、とうもろこし生澱粉が添加されたマヨネーズの熱量は635kcal、とうもろこし食餌纖維澱粉が添加されたマヨネーズの熱量は427kcal、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉が添加されたマヨネーズの熱量は374.5kcalだった。
【0054】
【表9】
【0055】
高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉をマヨネーズに適用することによって、既存のマヨネーズの物性を維持しながら熱量を50%以上減少させた低カロリー/低脂肪マヨネーズを製造することができた。
【0056】
実施例10:高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉が添加されたマーガリンの製造及び熱量
下記表10と同様の条件として高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉を添加してマーガリンを製造した。
該高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉をそれぞれ10重量%と13.5重量%添加することで、パーム油の使用をそれぞれ25%及び50%減少させた。
高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉を添加して25%の油脂を減少させて得たマーガリンの物性は、対照群マーガリンの物性と類似した。一方、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉の添加によってパーム油を50%以上代替したマーガリンの場合は、w/o相からo/w相へと逆相になりながら、マーガリンの物性が得られなかった。パーム油の使用が25%減少したマーガリンの場合、対照群マーガリンの熱量737.5kcal/100gに比べて顕著に低い563.5kcal/100gの熱量を示した。既存のマーガリンの物性を維持しながら油脂の熱量を減少させる場合は、高温で熱処理されたとうもろこし食餌纖維澱粉を使用して25%まで熱量減少が可能だった。
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】