(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5668083
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】通信ケーブル接続箱
(51)【国際特許分類】
H02G 15/10 20060101AFI20150122BHJP
H02G 15/08 20060101ALI20150122BHJP
G02B 6/00 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
H02G15/10
H02G15/08 C
G02B6/00 301
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-555275(P2012-555275)
(86)(22)【出願日】2010年3月3日
(65)【公表番号】特表2013-521748(P2013-521748A)
(43)【公表日】2013年6月10日
(86)【国際出願番号】CN2010070853
(87)【国際公開番号】WO2011106934
(87)【国際公開日】20110909
【審査請求日】2013年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】510151326
【氏名又は名称】戚 郁芬
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(72)【発明者】
【氏名】▲けい▼ 之光
【審査官】
神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−139634(JP,A)
【文献】
実開平06−062722(JP,U)
【文献】
特開2001−100050(JP,A)
【文献】
実開平04−061431(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/10
G02B 6/00
H02G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下に配置される通信ケーブル接続箱であって、
少なくとも一つの繋がり部、少なくとも一つの第一細長中空円筒部材及び少なくとも一つの接続部を有する通信ケーブル接続箱であって、
該通信ケーブル接続箱は、さらに、少なくとも一つのケーブル出入りボードを含み、
該少なくとも一つのケーブル出入りボードは、通信ケーブルが少なくとも一つのケーブル出入りボードを介して前記通信ケーブル接続箱に入り込まれるために、前記少なくとも一つの繋がり部及び前記少なくとも一つの第一細長中空円筒部材が少なくとも一つのケーブル出入りボードに形成され、前記少なくとも一つの第一細長中空円筒部材に入り込まれる通信ケーブルが弾性収縮チューブによって防水構造を形成すると共に、
前記少なくとも一つの接続部は、前記少なくとも一つのケーブル出入りボードに配置され、メカニック機構による防水のための第一要素、
前記弾性収縮チューブによる防水のための第二要素及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記繋がり部を介して前記通信ケーブル接続箱に入り込まれる前記通信ケーブルと共に防水構造を形成し、かつ、前記少なくとも一つの接続部及び前記少なくとも一つの繋がり部は、これらによって防水構造を形成するように結合され、前記第二要素は、前記接続部と一体形成され、前記通信ケーブルが貫通する第二細長中空円筒部材と、前記第二細長中空円筒部材及び前記通信ケーブルを直接に覆う前記弾性収縮チューブと、を含むことを特徴とする通信ケーブル接続箱。
【請求項2】
前記少なくとも一つの繋がり部及び前記少なくとも一つの接続部は、ねじ接続、ほぞ接ぎ、連結継手、クランプ・ジョイント、リングファスナー、バンドファスナー又はそれらの組み合わせによって結合されていることを特徴とする請求項1に記載の通信ケーブル接続箱。
【請求項3】
前記第一要素は、締め付けシェル、パッキンネジ、粘着性と可塑性を有する防水シールテープ、弾性防水ガスケット及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれた一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の通信ケーブル接続箱。
【請求項4】
前記通信ケーブル接続箱の内部には、少なくとも一つの第一固定装置が含まれ、
該少なくとも一つの第一固定装置は、リングファスナー、バンドファスナー、クランプ・ジョイント及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるものによって、前記通信ケーブル接続箱に導入される前記ケーブルのジャケットを固定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信ケーブル接続箱。
【請求項5】
前記通信ケーブル接続箱の外部には、少なくとも一つの第二固定装置が含まれ、
該少なくとも一つの第二固定装置は、第一固定部及び該第一固定部に接続される第二固定部を含み、
前記第一固定部は、ねじ接続、ほぞ接ぎ、連結継手、クランプ・ジョイント、リングファスナー、バンドファスナー及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるものによって、前記少なくとも一つのケーブル出入りボードに固定され、
前記第二固定部は、リングファスナー、バンドファスナー、クランプ・ジョイント及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるものによって、前記通信ケーブル接続箱に導入される前記ケーブルのジャケットを固定することを特徴とする請求項1〜3に記載の通信ケーブル接続箱。
【請求項6】
前記通信ケーブル接続箱の内部には、少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックを固定するための少なくとも一つの第三固定装置が含まれ、
該少なくとも一つの第三固定装置は、バックボーン光ファイバケーブルを通すための前記少なくとも一つのケーブル出入りボードの入口位置に応じて、特定の位置にある少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックを固定することを特徴とする請求項1〜3に記載の通信ケーブル接続箱。
【請求項7】
前記通信ケーブル接続箱の内部には、少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックが含まれ、
メイン光ファイバケーブルを通すための前記少なくとも一つのケーブル出入りボードの入口位置は、通信ケーブル接続箱に入り込まれるバックボーン光ファイバケーブルの直線経路に設置され、前記直線経路が前記少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックの光ファイバー分配アセンブリによってブロックされていないことを特徴とする請求項1〜5に記載の通信ケーブル接続箱。
【請求項8】
分岐光ファイバケーブルを通すための前記少なくとも一つのケーブル出入りボードの入口位置は、通信ケーブル接続箱に入り込まれる前記分岐光ファイバケーブルの直線経路に設置され、前記直線経路が前記少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックの光ファイバー分配アセンブリによってブロックされていないことを特徴とする請求項1〜3に記載の通信ケーブル接続箱。
【請求項9】
前記少なくとも一つの接続部は、熱収縮手段による防水のための第三要素と少なくとも一つの接続部を介して前記通信ケーブル接続箱に入り込まれる前記通信ケーブルとの間に防水構造を形成し、
前記第三要素は、前記少なくとも一つのケーブル出入りボードに形成されていない第三細長中空円筒部材、熱収縮チューブ、多岐クリップ、粘着性と可塑性を有する防水シールテープ、弾性防水ガスケット及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれたものを含むことを特徴とする請求項1、2、4〜8のいずれか一項に記載の通信ケーブル接続箱。
【請求項10】
前記第一要素は、前記通信ケーブルが貫通する貫孔を有する締め付けシェルと、前記締め付けシェルの前記貫孔の内面に配置され、粘着性と可塑性を有する防水シールテープをさらに含む、請求項1の通信ケーブル接続箱。
【請求項11】
前記第二要素は、前記弾性収縮チューブの内壁に配置された硬質プラスチックスパイラル物をさらに含み、
前記硬質プラスチックスパイラル物が除去された後、前記弾性収縮チューブは、前記第二細長中空円筒部材及び前記通信ケーブルを密接に覆うように収縮されることを特徴とする、請求項1の通信ケーブル接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願と優先権主張の相互参照
本出願は、世界知的所有権機関での2010年3月3日に出願された国際特許出願第PCT/CN2010/070853号(2011年9月9日に公開された国際特許公開第WO2011/106934 A1号)に基づく利益を主張し、当該国際特許出願の開示は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、繋がり部、細長中空円筒部材(以下、円筒部材ともいう)及び接続部を有する通信ケーブル接続箱に関する。特に、本発明は、ケーブルを導入する際に防水能力を向上させるための通信ケーブル接続箱に関し、機能を強化し、工事の品質と安全性が増加し、コストも削減する。これにより、従来の通信ケーブル接続箱による不十分な防水性能、一貫性のない矛盾した施工品質、修理や運転コストの増加、及び工事の安全性などを含む問題を解決することができる。
【背景技術】
【0003】
有線伝送の技術分野では、例えば電気通信、ケーブルテレビ、監視システム等に、通信用の銅ケーブル及び光ファイバケーブルを使用して、音声、データ及び画像/ビデオ等の情報を伝送する必要があり、それらの情報を通信ケーブル接続箱の内部に接続作業及び分岐作業を行う。通信ケーブルのうち、銅導体や光ファイバケーブルの伝送品質は、水に浸している及び高湿度の場合に影響されるので、銅導体や光ファイバケーブルの伝送障害と老化をもたらす。したがって、通信ケーブルの外部には、防水/防湿性能を有する保護層及びジャケットが被覆されているが、通信ケーブル接続箱の内部に接続作業及び分岐作業を行う時に、前記の保護層及びジャケットを剥離する必要がある。このように、伝送品質に影響及ぼさなく、銅導体や光ファイバケーブルの伝送障害と老化防止するため、通信ケーブル接続箱は、ケーブルを水や湿気から保護する防水/防湿性能を有している必要がある。世界各国に敷設されている通信ケーブルはできる限り地下に配置されているので、主に配管系統のネットワークに依存することを目指している。地下ケーブルを接続する通信ケーブル接続箱は、地下ケーブル管路の人孔及び手穴に位置しており、多くの人孔及び手穴には、毎年膨大な水量が蓄積される。そのため、これらの穴内に位置させた通信ケーブル接続箱は一年間の水に浸漬されている。粗悪な製造品質及び悪い防水性能を有する通信ケーブル接続箱は、浸透と誤動作を除去する必要がある。従って、より優れた防水/防湿能力を有する通信ケーブル接続箱は、ケーブルの伝送品質を保証し、伝送障害を避け、ケーブルの寿命を伸ばし、企業のメンテナンス費用や除去コストを減少させ、利益も増加させることができる。
【0004】
ケーブル出入りボードの開口部とケーブルの間の防水機構の違いに基づいて、従来の通信ケーブル接続箱は、熱収縮タイプのケーブル接続箱、機械式のケーブル接続箱及び弾性収縮チューブタイプのケーブル接続箱等の三つのタイプに分類できる。
【0005】
熱収縮タイプのケーブル接続箱には、熱収縮で防水する仕組みのためのケーブル出入りボードが配置されている。その熱収縮で防水する方法は、熱収縮チューブ、多岐クリップ及びその他の部品を採用している。熱収縮チューブは、ガソリンバーナーでローストされており、防水構造は、円筒部材と、円筒部材を介して通信ケーブル接続箱に入り込まれるケーブルの間に形成される。熱収縮タイプの防水機構の利点は、(1)ミッドスパン接続と、バックボーンケーブルの直線接続と、分岐接続に適すること、(2)いくつかの部品が必要とされること、及び(3)材料費が安価になること、を含む。一方、その欠点は、ガソリンバーナーの使用によって労働安全及び公共安全に影響を及ぼし、建設に非常に時間がかかり、建設費が高く、ガソリンバーナーの温度を制御しにくく、工事品質に矛盾した防水性能があり、メンテナンス及び除去費用が高価になる。機械式のケーブル接続箱には、機械的な防水仕組みのためのケーブル出入りボードが配置されている。その機械的な仕組みは、締め付けシェル、パッキンネジ、粘着性と可塑性を有する防水シールテープ、弾性防水ガスケット等の部品を採用している。水密シールは、ツールを締めることによって、ケーブル出入りボードの開口部とケーブルの間に形成されている。機械的な防水機構の利点は、(1)ミッドスパン接続と、バックボーンケーブルの直線接続操作と、分岐接続操作に適すること、(2)火を必要としないこと、及び(3)安全性が高いこと、を含む。一方、その欠点は、より多くの部品及びより高い製造コストを必要とし、より複雑な構成手順で矛盾した工事品質、高い建設費及び維持費等に影響を与える。弾性収縮チューブタイプのケーブル接続箱には、弾性収縮チューブで防水する仕組みのためのケーブル出入りボードが配置されている。螺旋状弾性収縮チューブの内壁で構成されている硬質プラスチックスパイラルストリップ(すなわちリボン)が除去された後、円筒部材とケーブルとの間に形成されている防水構造は、円筒部材を介して通信ケーブル接続箱に入る。弾性収縮チューブは、例えば、シリコンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー三元共重合体)とEPR(エチレンプロピレンゴム)などで、高伸び、高い引張強度及び優れた弾性回復性を有する弾性材料を用いて製造される。除去できるプラスチック製のスパイラル物(すなわちリボン)は、弾性収縮チューブの直径を拡大するために、弾力収縮チューブの内壁に配置されている。弾性収縮チューブの一部は、円筒部材を覆い、他部は、円筒部材を介して挿入するケーブルを覆っている。硬質プラスチック製のスパイラル物は、手動で除去された後、弾性収縮チューブは、元の小さい管径を表示し、その小さい管径は、円筒部材及びケーブルの外径よりも小さい。半径方向の弾性と収縮力により、弾性収縮チューブが円筒部材を密接に包装し、ケーブルジャケットが水密シールを形成する。弾性収縮の防水機構の利点は、直線接続操作とバックボーンケーブルの分岐接続操作に適していること、最小限の部品が必要とされていること、工法が最も簡単な方法であること、建設費が最低であること、施工品質が人災の要因によって影響を受けずに、非常に一貫性を有していること、防水性能が非常に優れていること、維持費が最低であること、及び火を必要としなくて安全性が高いこと、を含む。しかし、その欠点は、大きな外径を有するバックボーンケーブル、特に、バックボーンケーブルのミッドスパン接続操作に適していないことにある。熱収縮タイプ及び弾性収縮チューブの防水機構は、バックボーンケーブルの直線接続操作と分岐接続操作で使用できるが、分岐接続操作がバックボーンケーブルに行われなければならない時、熱収縮タイプの防水機構を必要とし、熱収縮タイプの欠点に直面する。又、限られた数の円筒部材は、限られた表面積を有するケーブル出入りボードに配置するしかない。円筒部材が直線接続のバックボーンケーブルによって使用される場合は、円筒部材の数が減少したり、十分ではない。熱収縮タイプの防水機構のために、分岐接続で使用される開口部が弾性収縮チューブ防水機構のケーブル出入りボードに配置されるため、同じ問題が発生するであろう。
【0006】
従って、現在の通信ケーブル接続箱にみられる多くの欠点(例えば不十分な防水機能、高いコスト、矛盾する施工品質、貧しい工事安全など)を改善できれば、工事の品質や安全性を強化するのみならず、企業の設立及びメンテナンスの費用を劇的に減少させることができる。
【0007】
したがって、出願人は、技術の欠如から生じる上記の欠点に鑑み、鋭意検討した結果、本発明に係る “繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有してなる通信ケーブル接続箱”を発明するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、従来の課題であるケーブル防水問題を解決し得る優れた防水機構を有する通信ケーブル接続箱を提供することにある。かかる本発明によれば、電気通信企業のコストを削減することができるだけでなく、工事中に火の使用頻度を最小限に抑え、企業の安全目標も満たし、現在の技術での課題を克服することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来技術の欠点を克服するために、本発明は、繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を提供する。前記通信ケーブル接続箱は、されに、少なくとも一つのケーブル出入りボードを含み、該少なくとも一つのケーブル出入りボードは、通信ケーブルが少なくとも一つのケーブル出入りボードを介して前記通信ケーブル接続箱に入り込まれるために、前記少なくとも一つの繋がり部及び前記少なくとも一つの第一細長中空円筒部材が少なくとも一つのケーブル出入りボードに形成され、前記少なくとも一つの第一細長中空円筒部材に入り込まれる通信ケーブルが弾性収縮チューブによって防水構造を形成し、前記少なくとも一つの接続部は、前記少なくとも一つのケーブル出入りボードに形成されておらず、メカニック機構による防水のための第一要素、弾性収縮チューブによる防水のための第二要素及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記繋がり部を介して前記通信ケーブル接続箱に入り込まれる前記通信ケーブルと共に防水構造を形成し、かつ、前記少なくとも一つの接続部及び前記少なくとも一つの繋がり部は、これらによって防水構造を形成するように結合される。通信ケーブル接続箱の最も好ましい防水機構は、熱収縮タイプの防水機構及び機械的な防水機構よりも利点が多く欠点が少ない弾性収縮チューブ防水機構である。
前記利点は、必要な要素が最小限でよいこと、安価な材料費、最も簡単な工法、安価な建設費、人為的な要因を最小限にして施工品質が高い一貫性を有すること、優れた防水性能、最も安価な維持費、火災がなくて安全性が高くなることなどである。少なくとも一つの細長中空円筒部材(ケーブルが挿入して通過し、通信ケーブル接続箱に入るために)は、ケーブル出入りボードに配置されており、防水性が弾性収縮チューブ防水機構によって実現される。バックボーンケーブルの分岐接続操作は、円筒部材を介して通信ケーブル接続箱に入り、ケーブルが切断されていないという場合に、そのようなバックボーンケーブルは、ほぼ弾性収縮チューブ防水機構に適していない。したがって、ケーブルを導入するための繋がり部は、ケーブル出入りボードに配置されており、直線接続及び分岐接続操作に適しているだけでなく、バックボーンケーブルの分岐接続操作にも適している。ケーブルが切断されていないという場合に、分岐接続操作は、繋がり部を介して通信ケーブル接続箱を通じてケーブルを挿入することによって行われる。分岐接続操作のバックボーンケーブルは、熱収縮タイプの防水機構よりも少ない欠点や多くの利点を有する機械的な防水機構を採用しているため、本明細書での通信ケーブル接続箱は、機械的な防水機構に設計する接続部をさらに含む。さらに、防水構造は、接続部とケーブルと間に形成できるだけでなく、接続部と繋がり部との間にも形成できる。バックボーンケーブルと要素の固定、分布、配置のための位置、配線分布、適応及び通信ケーブル接続箱にあるケーブルの曲げ半径に関する標準的な操作及び技術要求のため、開口部の位置は、通信ケーブル接続箱の内部設計と一致する必要があり、ケーブルは、任意に変更することが望ましくない、最も適切な位置に配置される。したがって、分岐接続操作及び直線接続操作にかかわらず、バックボーンケーブルのための最も好ましい開口部の位置は、同じものを必要とする。このように、繋がり部は、機械的な防水機構におけるバックボーンケーブルの分岐接続操作に適しているだけではなく、バックボーンケーブルの直線接続又はターミナル接続操作にも適している。さらに、バックボーンケーブルの直線やターミナル接続操作のための最も好ましい防水機構は、弾性収縮チューブ防水機構であるため、接続部は、弾性収縮チューブ防水機構にさらに行われ、水密シールは、接続部とケーブルとの間に形成きるだけでなく、別の水密シールが、接続部と繋がり部との間に形成できる。従って、本発明に係る通信ケーブル接続箱では、機能、コスト、品質及び安全性などの条件のため、接続と分岐機構によって、最も好ましい防水機構を選択することができる。また、直線又はターミナル接続のバックボーンケーブルも円筒部材を介して通過することができ、弾性収縮チューブ防水機構が使用される。しかし、通信ケーブル接続箱にある分布アセンブリがバックボーンケーブルの位置を一致させるために調整する必要がある。尚、小さいサイズを有する通信ケーブル接続箱は、分布と配置にもっと適し、大量の開口部は、接続と分岐操作にもっと適している。限られた数の円筒部材は、限られた表面積を有するケーブル出入りボードに配置するしかないので、最初に分岐ケーブルで使用される筒状部材の数が減少したり、十分ではない。そこで、本発明では、ケーブル出入りボードに配置される繋がり部は、分岐接続操作がバックボーンケーブルで実行される時に、機械的な防水機構のための接続部に接続されるのみならず、直線又はターミナル接続操作が実行される時に、弾性収縮チューブ防水機構のための接続部に接続される。従って、複雑な操作による通信ケーブル接続箱にある配線装置の調整及び変更を回避できるだけでなく、限られた数の開口部を十分に適用することができる。
【0010】
又、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、前記少なくとも一つの繋がり部及び前記少なくとも一つの接続部は、ねじ接続、ほぞ接ぎ、連結継手、クランプ・ジョイント、リングファスナー、バンドファスナー及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるものによって結合される。
【0011】
又、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、前記メカニック機構によって防水構造を形成するための前記第一要素は、締め付けシェル、パッキンネジ、粘着性と可塑性を有する防水シールテープ、弾性防水ガスケット及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれたものを含む。接続部がねじ接続、ほぞ接ぎ、連結継手、クランプ・ジョイント、リングファスナー、バンドファスナー及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるものによって結合された後に、防水シールは、接続部とケーブルとの間に形成でき、別の水密シールは、接続部と繋がり部との間に形成できる。
【0012】
又、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、前記弾性収縮チューブによって防水構造を形成するための前記第二要素は、前記少なくとも一つのケーブル出入りボードに形成されていない第二細長中空円筒部材、弾性収縮チューブ、粘着性と可塑性を有する防水シールテープ、弾性防水ガスケット及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれたものを含む。前記接続部は、ねじ接続、ほぞ接ぎ、連結継手、クランプ・ジョイント、リングファスナー、バンドファスナー及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるものによって結合されることで前記繋がり部に接続されて防水シールが形成され、別の水密シールは、前記弾性収縮チューブとケーブルとの間に形成される。このような防水シールテープ、弾性ガスケット、パッドなど(弾性収縮防水ガスケットのように)は、接続部と繋がり部との間の位置に配置して水密シールを形成するだけでなく、筒状部材とケーブルジャケットにインデントを充填する際に適用することができる。更に、防水シールテープは、弾性収縮チューブ防水機構に適した物が有する大きな外径を拡大するために、遥かに小さい外径を有するケーブルを巻き付けることができる。尚、二本以上のケーブルが同じ円筒部材を通過する必要がある場合に、防水シールテープは、二本以上のケーブルの周りに巻くこと、及びケーブルの間のインデントを充填するために、弾性収縮チューブ防水機構のための大きい外径に適用することができる。
【0013】
更に、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、前記第二細長中空円筒部材は、前記少なくとも一つのケーブル出入りボードに形成される少なくとも一つの繋がり部である。直線及びターミナル接続操作は、多くのバックボーンケーブルに実行されるので、円筒部材が繋がり部に配置されており、弾性収縮チューブを接続部として使用される時に、水密シールは、円筒部材とバックボーンケーブルとの間に形成される。分岐接続操作がバックボーンケーブルに実行される時、円筒部材を除去するように繋がり部と接続部との間の接合部が損傷していないことを必要とする。次に、繋がり部が分岐接続バックボーンケーブルの防水操作を続行するように、機械的な防水機構のための接続部に接続することができる。したがって、円筒延長部が繋がり部に配置されている場合、ケーブル出入りボードに形成されていない円筒部材の構成の数は、減少するだけでなく、筒状部材と繋がり部との間に防水構造を形成するための操作を簡素化することができる。更に、乏しい建設に起因する貧弱な防水問題を回避することができる。
【0014】
更に、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、前記通信ケーブル接続箱の内部には、少なくとも一つの第一固定装置が含まれ、該少なくとも一つの第一固定装置は、リングファスナー、バンドファスナー、クランプ・ジョイント及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるものによって、前記通信ケーブル接続箱に導入される前記ケーブルのジャケットを固定する。通信ケーブル接続箱の外にあるケーブルは、外力と慣性の影響により頻繁に振り動かされるか、又は引っ張られる。更にケーブルの伝送品質と防水効果に影響を与えるため、挿入されたケーブルのジャケットを固定するための第一固定装置が通信ケーブル接続箱に配置され、通信ケーブル接続箱内にあるケーブルの一部は、通信ケーブル接続箱の外にあるケーブルの他部の動きによって緩まれていない。従って、ケーブルの伝送品質及び防水効果が改善され及び保証される。
【0015】
尚、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、前記通信ケーブル接続箱の外部には、少なくとも一つの第二固定装置が含まれ、該少なくとも一つの第二固定装置は、第一固定部及び該第一固定部に接続される第二固定部を含み、前記第一固定部は、ねじ接続、ほぞ接ぎ、連結継手、クランプ・ジョイント、リングファスナー、バンドファスナー及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるものによって、前記少なくとも一つのケーブル出入りボードに固定され、前記第二固定部は、リングファスナー、バンドファスナー、クランプ・ジョイント及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるものによって、前記通信ケーブル接続箱に導入される前記ケーブルのジャケットを固定する。通信ケーブル接続箱の外部にあるケーブルは、外力と慣性の影響により頻繁に振り動かされるか、又は引っ張られる。更にケーブルの伝送品質と防水効果に影響を与えるため、防水構造により保護されていないケーブルジャケットを固定するための第二固定装置が通信ケーブル接続箱に配置される。そのため、防水構造は、保護されていないケーブルの部分によって振り動かされるか、又は引っ張られることで、防水構造の防水効果に影響を与える。
【0016】
更に、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、前記通信ケーブル接続箱の内部には、少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックを固定するための少なくとも一つの第三固定装置が含まれ、該少なくとも一つの第三固定装置は、バックボーン光ファイバケーブルを通すための前記少なくとも一つのケーブル出入りボードの入口位置に応じて、特定の位置にある少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックを固定する。光ファイバー分布アセンブ及び関連要素の位置に関するバックボーンケーブルの固定、分布、配置、およびその他の操作は、特定のパターンと技術的な要件があるので、開口部の位置は任意に変更することは適切ではない。しかし、必要に応じて、最も好ましい利益は、メインケーブルのために、開口部を変更することによって得ることができる。したがって、第三固定装置は、ケーブル出入りボードにある異なる開口部を選択して、バックボーンケーブル通信ケーブル接続箱に挿入する。バックボーンケーブルの開口部の変化に起因する不利な影響を減少させるように、光ファイバー分配アセンブリに関する固定、分布、配置、及びその他の操作は、確立された技術的な操作によって行うことができ、ケーブル出入りボードの開口部の応用範疇は強化され、関連操作の技術的な品質を確保することができる。
【0017】
更に、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、前記通信ケーブル接続箱の内部には、少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックが含まれ、メイン光ファイバケーブルを通すための前記少なくとも一つのケーブル出入りボードの入口位置は、通信ケーブル接続箱に入り込まれるバックボーン光ファイバケーブルの直線経路に設置され、前記直線経路が前記少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックの光ファイバー分配アセンブリによってブロックされない、又は、中断されない。したがって、バックボーンケーブルが十分なスペースを有する通信ケーブル接続箱に入り、光ファイバー分配アセンブリによってブロックされない、又は、中断されない後に、悪化した伝送品質になるようにケーブルを曲げなければならないという問題が回避される。したがって、ケーブルの伝送品質を改善し、通信ケーブル接続箱のサイズを最小化することができる。
【0018】
更に、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、分岐光ファイバケーブルを通すための前記少なくとも一つのケーブル出入りボードの入口位置は、通信ケーブル接続箱に入り込まれる前記分岐光ファイバケーブルの直線経路に設置され、該直線経路が前記少なくとも一つの光ファイバー分配アセンブリラックの光ファイバー分配アセンブリによってブロックされない、又は、中断されない。
【0019】
更に、本発明に係る通信ケーブル接続箱において、前記少なくとも一つの接続部は、熱収縮手段による防水のための第三要素と少なくとも一つの接続部を介して前記通信ケーブル接続箱に入り込まれる前記通信ケーブルとの間に防水構造を形成し、前記第三要素は、前記少なくとも一つのケーブル出入りボードに形成されていない第三細長中空円筒部材、熱収縮チューブ、多岐クリップ、粘着性と可塑性を有する防水シールテープ、弾性防水ガスケット及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれたものを含む。熱収縮タイプの防水機構は、より低レベルの防水要件をめざす製造者に適合しており、低建設費、高い安全性、地上配置及び架空設置などの条件で適用することができる。
【0020】
更に、本発明に係る通信ケーブル接続箱は、前記第一及び第二細長中空円筒部材と、前記細長中空円筒部材を介して前記通信ケーブル接続箱に入り込まれる前記通信ケーブルとの間の前記防水構造は、前記熱収縮チューブを用いて形成される。
【0021】
本発明に係る通信ケーブル接続箱は、ケーブルを挿入する通信ケーブル接続箱であって、第一部分と、前記第一部分に接続され、前記ケーブルを固定し、前記第一部分と共に水密シールを形成する第二部分と、を含む。
【0022】
前記通信ケーブル接続箱は、ケーブル出入りボードを更に含み、該ケーブル出入りボードは、前記ケーブルを挿入する開口部を有し、前記第一部分は、前記開口部の区画壁に接続される。
【0023】
本発明に係る通信ケーブル接続箱の防水方法は、開口部を有するケーブル出入りボードと、第一部分と、第二部分と、少なくとも一つの細長中空円筒部材を含む通信ケーブル接続箱に、第一水密シール及び第二水密シールを形成する通信ケーブル接続箱の防水方法であって、(a)前記第一部分を前記開口部に接続する工程と、(b)ケーブルを前記第二部分に固定する工程と、(c)前記第二部分を前記第一部分に接続して前記第一水密シールを形成する工程と、(d)必要により、前記少なくとも一つの細長中空円筒部材及び前記ケーブルに第一弾性収縮チューブを収縮して前記第二水密シールを形成する工程と、を含む。
【0024】
前記ケーブル出入りボードは、細長い中空円筒部材を含み、前記方法は、(a0)前記細長中空円筒部材を切断することで前記開口部を形成する工程と、を更に含み、前記通信ケーブル接続箱は、内壁と、前記内壁に螺旋状に配置されるリボンと、を更に含み、前記第二部分は、細長中空円筒部材と、弾性ガスケットと、を更に含み、前記(b)工程は、(b1)前記第二弾性収縮チューブ及び前記細長中空円筒部材に前記ケーブルを通過させる工程と、(b2)前記リボンを除去することで前記第二弾性収縮チューブを前記細長中空円筒部材及び前記第二弾性収縮チューブ内の前記ケーブルの一部に留めさせる工程と、を更に含む。
【0025】
前記第二部分は、締め付けシェルと、第一防水シールテープと、を更に含み、前記(b)工程は、(b1)前記第一防水シールテープを前記ケーブルの部分に巻き付ける工程と、(b2)前記締め付けシェルによって前記ケーブルの前記部分を包装する工程と、を更に含み、前記第二部分は、弾性ガスケットを更に含み、前記(c)工程は、(c1)前記弾性ガスケットを前記第一部分に配置する工程と、(c2)前記第二部分を前記第一部分に接続する工程と、を更に含む。
【0026】
前記通信ケーブル接続箱は、熱収縮チューブを更に含み、前記(b)工程は、(b1)前記熱収縮チューブ及び前記第二部分に前記ケーブルを通過させる工程と、(b2)前記熱収縮チューブをローストすることにより、前記熱収縮チューブを収縮させ、前記第二部分及び前記熱収縮チューブ内の前記ケーブルの一部に覆う工程と、を更に含む、前記通信ケーブル接続箱は、クリップを更に含み、前記第二部分は、二つの平行な細長中空円筒状部材を含み、前記(b1)工程は、(b11)前記熱収縮チューブに前記ケーブル及び前記二つの平行な細長中空円筒状部材を通過させる工程と、(b12)前記クリップを前記二つの平行な細長中空円筒状部材との間に置く工程と、(b13)(b2)工程を実行する工程と、を更に含む。
【発明の効果】
【0027】
したがって、本発明における通信ケーブル接続箱は、繋がり部、細長中空円筒部材及び接続部を有し、多くの従来の欠点(例えば不十分な機能、あまりにも多くのコスト、一貫性のない矛盾した施工品質及び乏しい工事安全性など)を克服し、全体の機能を向上させるだけでなく、工事品質や工事安全性を向上させ、関連する企業の設立及びメンテナンスの費用を劇的に減少させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明に係る“繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱”を実施例に基づいて詳述するが、あくまでも例示であって、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載されており、さらに特許請求の範囲の記載と均等な意味及び範囲内での全ての変更を含んでいる。
【0029】
実施形態1
図1(a)〜1(d)は、本発明の実施形態1に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び機械的な防水機構の接続部を示す図である。通信ケーブル接続箱1は、ケーブル出入りボード2を含む。ケーブル出入りボード2には、第一部分(つまり繋がり部)3及び六つの細長い中空円筒部材4が配置されている。通信ケーブル501は、ケーブル出入りボード2(
図1(b))の開口部を介して通信ケーブル接続箱1に挿入する。弾性収縮チューブ防水構造は、細長い中空円筒部材4、弾性収縮チューブ6及び挿入されたケーブル5(
図1(b))の間に形成される。また、通信ケーブル接続箱1は、第二部分(接続部)7(
図1(a)〜
図1(d))をさらに含み、第二部分7は、機械的な防水機構を有し、防水加工されるように設計される。第二部分7は、締め付けシェル701、展性のある防水シールテープ702、弾性ガスケット703(
図1(c))を含む。防水シールテープ702は、分岐接続操作を続行するための切断されていないケーブル501のジャケットに密接に巻かれている。防水シールテープ702は、締め付けシェル701の内面に配置されている。次に、防水シールテープ702は、ねじ込み継手によってバックボーンケーブル501に密接に覆われている。これにより、水密シールは、締め付けシェル701とバックボーンケーブル501との間に形成される。弾性ガスケット703は、第一部分3を介して通信ケーブル接続箱1に挿入する。第一部分3及び第二部分7は、水密シールを形成するようにネジ704によって固定されている(
図1(d))。従って、分岐接続ケーブルは、機械的な防水機構による防水に適していながら、本発明に係る通信ケーブル接続箱では、非分岐接続ケーブルが弾性収縮チューブによる防水に適している。故に、非分岐接続及び分岐接続ケーブルの両方は、最も効率的及び便利に防水することができる。
【0030】
実施形態2
図2(a)〜
図2(e)は、本発明の実施形態2に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び弾性収縮チューブ防水機構の接続部を示す図である。前記第二部分は、弾性収縮チューブにより防水を図るためのものであり、他の構成要素は、実施形態1の通信ケーブル接続箱1と同じものである。第二部分8は、ケーブル出入りボード2に配置されていない細長い中空円筒部材801、弾性収縮チューブ6、及び防水シールテープ802(
図2(a)、
図2(c))を含む。防水シールテープ802は、第一部分3と第二部分8と円筒部材801との間に配置され、その後、第一部分3と円筒部材801は、水密シールを形成するようにネジ704によって固定されている(
図2(d))。弾性収縮チューブの操作図である
図2(e)、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、直線接続(非分岐接続)バックボーンケーブル502は、弾性収縮チューブ6を通過した後、バックボーンケーブル502は、円筒部材801と第一部分3を挿入することにより、通信ケーブル接続箱に入る。引き続いて、弾性収縮チューブ6は、円筒部材801及びバックボーンケーブル502を同時に覆える位置に配置されている。弾性収縮チューブ6の内壁に配置された硬質プラスチックスパイラル物601(
図3(a)及び
図3(b))が手動で除去された後、弾性収縮チューブ6は、直ちに円筒部材801とバックボーンケーブル502を密接に覆うように収縮され、それらの間に水密シールを形成する(
図2(e))。それゆえ、本発明の実施形態2に係る通信ケーブル接続箱において、バックボーンケーブルが分岐接続に属している場合、最も好ましい防水操作を行うことができ、弾性収縮チューブ防水機構のために非分岐接続ケーブルに使用される。同時に、バックボーンケーブル(特にバックボーン光ファイバケーブル)は、分岐または直線接続操作に使用され、ケーブルのために同一開口(ケーブルの入り口)が使用される時に、現在技術の不足を克服し、バックボーンケーブルに関する開口部(ケーブルの入り口)の位置を変更する必要がある場合に起因する通信ケーブル接続箱にある配線装置の調整等の煩雑な操作を回避するために、最も好ましい防水機構を使用することができる。更に、限られた数の開口部(ケーブルの入り口)は、十分に使用されている。従って、本発明に係る通信ケーブル接続箱では、機能、コスト、品質及び安全性などの条件のため、ケーブルの接続及び分岐機構に応じて、最も好ましい防水機構を選択することができ、現在技術の不足を改善及び克服することができる。
【0031】
実施形態3
図4(a)〜
図4(c)は、本発明の実施形態3に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び第二中空円筒部材がケーブル出入りボードに一体形成される繋がり部を示す図である。実施形態3と、実施形態1又は実施形態2の通信ケーブル接続箱との異なる点は、実施形態3における円筒部材301がケーブル出入りボードの第一部分3に一体形成されていることにある(
図4(b))。直線接続バックボーンケーブル502が挿入されると、弾性収縮チューブ6の配置によって防水操作を果たすことができる(
図4(c))(分岐接続操作がバックボーンケーブルに実行される必要がある場合に、分岐接続バックボーンケーブルの防水処理操作が実行されるように、第一部分と第二部分との接合部が破壊されておらず、ケーブル出入りボードの第一部分の内縁に一体形成された円筒部材が簡単に切り取られ、第一部分を“機械的な防水”の第二部分に接続することができる)。したがって、第一部分と一体に形成された円筒部材301は、円筒部材の構成を簡略化できるだけでなく、円筒部材と第一部分との間に形成された防水構造の操作手順を簡素化することができる。さらに、乏しい建設に起因する貧弱な防水が接合部で発生することを回避できる。
【0032】
実施形態4
図5(a)〜
図5(e)は、本発明の実施形態4に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び熱収縮タイプ防水機構の接続部を示す図である。実施形態4に係る要素及び対応する符号は、第二部分9が熱収縮タイプの防水機構のために設計されることを除いて、本発明に係る実施形態1のものと同じである。第二部分9は、円筒部材901と、熱収縮チューブ902と、多岐クリップ903と、弾性ガスケット703を含む(
図5(c))。弾性ガスケット703は、第一部分3と筒状部材901との間に配置された後、水密シールは、ネジ704を締めることによって、第一部分3と筒状部材901との間に形成される(
図5(b)、
図5(d))。次に、バックボーンケーブル501は、円筒部材901及び第一部分3を通過して、通信ケーブル接続箱1に挿入する。熱収縮チューブ902は、円筒部材901の位置に配置されている。バックボーンケーブル501の非固定部分は覆われている。その後、多岐クリップ903は、二つのバックボーンケーブル501との間の領域に配置され、熱収縮チューブ902に留められる。熱収縮チューブ902は、ガソリンバーナーで均等にローストされ、円筒部材901とバックボーンケーブル501のジャケットを完全に包装される。冷却の後、水密シールは、ケーブルと熱収縮チューブ(
図5(e))との間に形成される。熱収縮タイプの防水機構は、下部より低レベルの防水要件(例えば、IP−65)をめざす製造者に適合しており、低建設費、高い安全性、地上配置及び架空設置などの条件で適用することができる。
【0033】
実施形態5
図6は、本発明の実施形態5に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱に配置される第一固定装置を示す図である。ケーブルを固定するための第一固定装置10は、通信ケーブル接続箱1内に配置されており、第一固定装置10は、ステンレススチールリングファスナー101を使用してケーブル5のジャケットを固定する。これにより、通信ケーブル接続箱1内のケーブル5は、通信ケーブル接続箱1の外にケーブル5の部分の動きによって緩むことを回避する。
【0034】
実施形態6
図7は、本発明の実施形態6に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱に配置される第二固定装置を示す図である。ケーブルを固定するための第二固定装置11は、第一固定部111と、第一固定部111に接続される第二固定部112を含む。第一固定部111は、ネジ704によって第二固定装置11をケーブル出入りボード2に固定されており、弾性収縮チューブ6によって保護されていないケーブル5の部分は、ステンレススチールリングファスナー101によって固定されている。ケーブル出入りボード2に配置された水密シールは、通信ケーブル接続箱1の外にケーブル5の部分の動きによって緩むことを回避する。その結果、ケーブルの防水性能が確保されている。
【0035】
実施形態7
図8は、本発明の実施形態7に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱に配置される第三固定装置を示す図である。第三固定装置12は、光ファイバー分配アセンブリラック13を固定するために、ケーブル出入りボード2の裏面に配置されており、第三固定装置12は、開口部3a、4aの異なる位置に基づいて、ケーブル出入りボード2に光ファイバー分配アセンブリラック13を固定する。これにより、バックボーンケーブル501、502は、開口部3a、4aを選択することによって、通信ケーブル接続箱1に挿入する。光ファイバー分配アセンブリラック13に関する固定、分布、配置、及びその他の操作は、確立された技術的な操作によって行うことができる。そのため、開口部3a、4aの交替に起因する欠点が減少しており、開口部3a、4aの応用範疇は強化され、関連操作の技術的な品質を確保することができる。また、実施形態7の通信ケーブル接続箱1において、開口部3a、4aは、バックボーンケーブル501と502が通信ケーブル接続箱1に入る直線経路に配置されている。前記直線経路は、光ファイバー分配アセンブリラック13の光ファイバー分配アセンブリ131によってブロックされない、又は、中断されない。悪い伝送品質をもたらす光ファイバー分配アセンブリ131の干渉による曲がったバックボーンケーブル501と502の問題を克服することにより、ケーブルの伝送品質が向上し、通信ケーブル接続箱1のサイズを最小限に抑えることができる。
【0036】
実施形態8
図9(a)〜
図9(d)は、本発明の実施形態8に係るさまざまな形状、サイズ及び構造を持つ様々な通信ケーブル接続箱を示す図である。通信ケーブル接続箱1の形状、サイズ及び構造は、要求に応じて設計することができ、第一部分3及び筒状部材4は、ケーブル出入りボード2に配置されている。円筒部材4を通過する通信ケーブルは、弾性収縮チューブで防水構造を形成することができ、防水構造は、第二部分7、8、9に第一部分3を接続することにより形成される。さらに、第二部分は、機械的な防水機構、弾性収縮チューブ防水機構、あるいは熱収縮タイプ防水機構を採用して、第二部分と通信ケーブルスプライスのエンクロージャ1に挿入するケーブルとの間の防水構造を形成することができる。本発明に開示された技術は、全体の機能を強化するために採用することができ、施工品質と施工の安全性も強化している。このように、関連する企業の設立及びメンテナンスの費用が劇的に減少することができる。
【0037】
以上の実施形態1〜8の説明によると、本発明に係る通信ケーブル接続箱は、現在の技術における不十分な機能、高いコスト、一貫性のない矛盾した施工品質及び乏しい建設の安全性等の多くの欠点を克服する。通信ケーブルスプライスのエンクロージャの全体の機能が強化されているだけでなく、工事の品質や安全性も向上する。さらに、企業の設立及びメンテナンスの費用が劇的に減少する。
【0038】
以上の説明によると、当業者であれば本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、多様な変更及び修正が可能であることが分かる。従って、本発明の技術的な範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されず、特許請求の範囲によって定めなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1(a)】本発明の実施形態1に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び機械的な防水機構の接続部を示す図である。
【
図1(b)】本発明の実施形態1に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び機械的な防水機構の接続部を示す図である。
【
図1(c)】本発明の実施形態1に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び機械的な防水機構の接続部を示す図である。
【
図1(d)】本発明の実施形態1に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び機械的な防水機構の接続部を示す図である。
【
図2(a)】本発明の実施形態2に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び弾性収縮チューブ防水機構の接続部を示す図である。
【
図2(b)】本発明の実施形態2に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び弾性収縮チューブ防水機構の接続部を示す図である。
【
図2(c)】本発明の実施形態2に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び弾性収縮チューブ防水機構の接続部を示す図である。
【
図2(d)】本発明の実施形態2に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び弾性収縮チューブ防水機構の接続部を示す図である。
【
図2(e)】本発明の実施形態2に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び弾性収縮チューブ防水機構の接続部を示す図である。
【
図3(a)】本発明の実施形態に係る弾性収縮チューブの操作を示すフローチャートである。
【
図3(b)】本発明の実施形態に係る弾性収縮チューブの操作を示すフローチャートである。
【
図3(c)】本発明の実施形態に係る弾性収縮チューブの操作を示すフローチャートである。
【
図3(d)】本発明の実施形態に係る弾性収縮チューブの操作を示すフローチャートである。
【
図4(a)】本発明の実施形態3に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び第二中空円筒部材がケーブル出入りボードに一体形成される繋がり部を示す図である。
【
図4(b)】本発明の実施形態3に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び第二中空円筒部材がケーブル出入りボードに一体形成される繋がり部を示す図である。
【
図4(c)】本発明の実施形態3に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び第二中空円筒部材がケーブル出入りボードに一体形成される繋がり部を示す図である。
【
図5(a)】本発明の実施形態4に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び熱収縮タイプ防水機構の接続部を示す図である。
【
図5(b)】本発明の実施形態4に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び熱収縮タイプ防水機構の接続部を示す図である。
【
図5(c)】本発明の実施形態4に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び熱収縮タイプ防水機構の接続部を示す図である。
【
図5(d)】本発明の実施形態4に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び熱収縮タイプ防水機構の接続部を示す図である。
【
図5(e)】本発明の実施形態4に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱を示す図、及び熱収縮タイプ防水機構の接続部を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態5に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱に配置される第一固定装置を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態6に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱に配置される第二固定装置を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態7に係る繋がり部、中空円筒部材及び接続部を有する通信ケーブル接続箱に配置される第三固定装置を示す図である。
【
図9(a)】本発明の実施形態8に係るさまざまな形状、サイズ及び構造を持つ様々な通信ケーブル接続箱を示す図である。
【
図9(b)】本発明の実施形態8に係るさまざまな形状、サイズ及び構造を持つ様々な通信ケーブル接続箱を示す図である。
【
図9(c)】本発明の実施形態8に係るさまざまな形状、サイズ及び構造を持つ様々な通信ケーブル接続箱を示す図である。
【
図9(d)】本発明の実施形態8に係るさまざまな形状、サイズ及び構造を持つ様々な通信ケーブル接続箱を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1:通信ケーブル接続箱
2:ケーブル出入りボード
3:繋がり部(第一部分)
3a、4a:開口部
5:ケーブル
6:弾性収縮チューブ
7、8、9:接続部(第二部分)
10:第一固定装置
11:第二固定装置
12:第三固定装置
13:光ファイバー分配アセンブリラック
101:ステンレススチールリングファスナー
111:第一固定部
112:第二固定部
131:光ファイバー分配アセンブリ
501、502:バックボーンケーブル
601:硬質プラスチックスパイラル物
701:締め付けシェル
703:弾性ガスケット
704:ネジ
4、301、801、901:円筒部材
702、802:防水シールテープ
902:熱収縮チューブ
903:多岐クリップ