【実施例3】
【0082】
[化合物13〜化合物56の合成]
化合物13〜化合物56は、スキーム3で論述するとおりに合成し、特徴付けた。構造及び物性データを以下に示す。
【0083】
スキーム3
【化9】
【0084】
表2
【表2】
【0085】
[3−(3−メトキシフェニル)−N
7,N
7−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(化合物13)の調製]
【0086】
a)7−ジメチルアミノ−3−(3−メトキシフェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(I)
ジイソプロピルアミン(1.5g、15mmol)の無水THF(10mL)溶液に、−78℃でn−BuLi(ヘキサン中2.5Mを6mL、15mmol)を加えた。30分後、5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミド(2.06g、10mmol)のTHF(15mL)溶液を−78℃で滴下し、赤橙色の溶液を同温度で1時間撹拌した。3−メトキシベンゾニトリル(1.7g、13mmol)の無水THF(10mL)溶液を加え、反応混合物を−78℃で2時間撹拌した。反応液を水で失活させ、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物Iを黄色の固体(596mg、20%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 9.73 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.50 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 7.38 (m, 1H), 7.23-7.22 (m, 3H), 6.96 (m, 1H), 6.74 (s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.09 (s, 6H).
【0087】
b)[1−クロロ−3−(3−メトキシフェニル)イソキノリン−7−イル]ジメチルアミン(II)
3−アリールイソキノリノンI(550mg、1.9mmol)とPOCl
3(10mL)の反応混合物を50℃で終夜撹拌した。POCl
3を減圧蒸留によって除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物IIを黄色の固体(530mg、90%)として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.85 (s, 1H), 7.72 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 7.64-7.62 (m, 2H), 7.39-7.35 (m, 2H), 7.22 (d, J = 2Hz, 1H), 6.92 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.13 (s, 6H).
【0088】
c)N
1−(4−メトキシベンジル)−3−(3−メトキシフェニル)−N
7,N
7−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン(III)
1−クロロイミンイソキノリンII(500mg、1.6mmol)、4−メトキシベンジルアミン(877mg、6.4mmol)、及び炭酸カリウム(2g、15mmol)をDMFに混ぜた混合物を、終夜還流させた。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合わせて水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物III(310mg、47%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.74-7.62 (m, 3H), 7.45-7.33 (m, 4H), 7.22 (m, 1H), 6.92 (m, 3H), 6.66 (m, 1H), 5.24 (s, 1H), 4.91 (d, 2H) , 3.91 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.09 (s, 6H).
【0089】
d)3−(3−メトキシフェニル)−N
7,N
7−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(IV、化合物13)
N
1−(4−メトキシベンジル)−イソキノリンアミン化合物III(300mg、0.73mmol)及びトリフルオロ酢酸(5mL)を塩化メチレン(5mL)に混ぜた反応混合物を、2日間還流させた。NaHCO
3の溶液を加え、反応混合物を塩化メチレンで抽出した。有機抽出物を合わせて水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−アミノイソキノリン(151mg、71%)を得た。1−アミノ化合物をアセトン(5mL)に溶解させ、濃HCl 5滴を加えた。塩酸塩を濾過し、濾過ケーキをアセトンで洗浄した。乾燥後、120mgの1−アミノイソキノリン塩酸塩が得られた(化合物13、50%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 13.57 (s, 1H), 9.37 (s, 2H), 7.79 (d, 1H), 7.55-7.39 (m, 6H), 7.02 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.06 (s, 6H).
【0090】
以下の化合物14〜56は、化合物22〜56の調製ではステップ(a)でジイソプロピルアミンを利用しなかったことを除き、化合物13と同様の方法に従って調製した。
【0091】
N
7,N
7−ジメチル−3−m−トリルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(化合物14)−5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドをm−トルニトリルと反応させると、化合物14(黄色の固体、62%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.85 (s, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.35-7.24 (m, 2H), 7.15 (m, 1H), 6.76 (m, 1H), 5.30 (s, 2H), 3.06 (s, 6H), 2.43 (s, 3H).
【0092】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−N
7,N
7−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(化合物15)−5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物15(黄色の固体、63%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 13.56 (s, 1H), 9.34 (s, 2H), 7.75 (d, 1H), 7.58-7.46 (m, 5H), 7.06 (d, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.06 (s, 6H).
【0093】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−N
7,N
7−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(化合物16)−5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを3,5−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物16(黄色の固体、76%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 13.50 (s, 1H), 9.31 (s, 2H), 7.79 (d, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.54-7.47 (m, 2H), 7.14 (d, 2H), 6.58 (t, 1H), 3.84 (s, 6H), 3.07 (s, 6H).
【0094】
N
5,N
5−ジメチル−3−フェニルイソキノリン−1,5−ジアミン(化合物17)−3−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドをベンゾニトリルと反応させると、化合物17(黄色の固体、73%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 8.08 (m, 2H), 7.82 (s, 1H), 7.48-7.33 (m, 5H), 7.18 (m, 2H), 5.24 (s, 2H), 2.89 (s, 6H).
【0095】
N
5,N
5−ジメチル−3−o−トリルイソキノリン−1,5−ジアミン(化合物18)−3−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドをo−トルニトリルと反応させると、化合物18(黄色の固体、60%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 13.87 (s, 1H), 8.42 (d, 1H), 7.82-7.71 (m, 2H), 7.50-7.33 (m, 5H), 2.91 (s, 6H), 2.42 (s, 3H).
【0096】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−N
5,N
5−ジメチルイソキノリン−1,5−ジアミン(化合物19)−3−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物19(黄色の固体、40%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 9.69 (s, 2H), 8.40 (d, 1H), 7.93-7.91 (m, 2H), 7.75-7.67 (m, 3H), 7.13 (d, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 3.03 (s, 6H).
【0097】
N
5,N
5−ジメチル−3−(2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−1,5−ジアミン(化合物20)−3−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを2,6−ジメチルベンゾニトリルと反応させると、化合物20(黄色の固体、60%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.46-7.41 (m, 2H), 7.29-7.09 (m, 5H), 5.58 (s, 2H), 2.83 (s, 6H), 2.14 (s, 6H).
【0098】
3−(3−メトキシフェニル)−N
6,N
6−ジメチル−イソキノリン−1,6−ジアミン(化合物21)−4−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを3−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物21(褐色の固体、35%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 7.70 (d J = 8.4 Hz, 1H), 7.57-7.51 (m, 2H), 7.38 (d J = 8.4 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.03 (dd, J = 8.1 Hz, J = 2.8 Hz, 1H), 6.94 (m, 1H), 6.74 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.11 (s, 6H).
【0099】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−5−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物22)−N,N−ジエチル−2,3−ジメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物22(黄色の固体、65%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.70(m, 1H), 7.57-7.62 (m, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.28 (m, 1H), 6.94 (d, J= 8.4Hz, 1H), 5.42 (s, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.88(s, 3H), 2.63 (s, 3H).
【0100】
6−メチル−3−o−トリルイソキノリン−1−アミン塩酸塩(化合物23)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドをo−トルニトリルと反応させると、化合物23(黄色の固体、67%)が得られた。Mp 269.1-270.2℃. IR (cm
-1): 3300, 1650.
1H NMR (DMSO-d6) δ: 13.84 (s, 1H), 9.40 (s, 1H), 8.79-7.57 (m, 7H), 7.38 (s, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.61 (s, 3H).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 153.4, 144.4, 137.0, 135.9, 134.8, 131.6, 129.4, 128.7, 128.5, 128.4, 125.7, 124.8, 124.0, 113.0, 109.5. MS, m/e (%): 248 (M+, 100), 232 (87), 230 (54). C
17H
17ClN
2(C, H, N)の元素分析計算値: 71.70, 6.02, 9.84. 実測値: 71.58, 6.27, 9.58.
【0101】
3−(2−メトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物24)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを2−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物24(黄色の固体、64%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 8.03 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.64 (m, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.35-7.23 (m, 3H), 7.05- 6.97 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 2.47 (s, 3H).
【0102】
3−(3−メトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物25)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを3−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物25(黄色の固体、68%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.67-7.59 (m, 3H), 7.51 (s, 1H), 7.38-7.24 (m, 3H), 6.94-6.90 (m, 1H), 5.26 (bs, 2H), 3.88 (s, 3H), 2.48 (s, 3H).
【0103】
3−(4−メトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物26)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを4−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物26(黄色の固体、60%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 8.04 (d, J= 8.1Hz, 2H), 7.65 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.17 (d, J= 8.2Hz, 1H), 6.95 (d, J= 8.5Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.43 (s, 3H).
【0104】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物27)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物27(黄色の固体、79%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.67-7.64 (m, 2H), 7.54 (m, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.18 (m, 1H), 6.91 (d, J= 8.5Hz, 1H), 5.76 (s, 2H), 3.96(s, 3H), 3.89 (s, 3H), 2.50(s, 3H).
【0105】
3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−6−イル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物28)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドをベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボニトリルと反応させると、化合物28(黄色の固体、71%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.63 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.54 (m, 2H), 7.45 (s, 1H), 7.22 (m, 2H), 6.88 (d, J= 8.5Hz, 1H), 5.98 (s, 2H), 5.40 (s, 2H), 2.46 (s, 3H).
【0106】
3−(4−エトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物29)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを4−エトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物29(黄色の固体、67%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.96 (m, 2H), 7.66 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.47(s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.23(m, 1H), 6.97(m ,2H), 5.36 (s, 2H), 4.05 (q, J= 7.0Hz, 2H), 2.48 (s, 3H), 1.43 (t, J= 7.0Hz, 3H).
【0107】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物30)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを3,5−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物30(黄色の固体、90%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 8.42 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.60 (m, 2H), 7.11 (m, 2H), 6.62 (s, 1H), 3.45 (s, 6H), 2.49 (s, 3H).
【0108】
3−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物31)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを4−メトキシ−2−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物31(黄色の固体、67%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.97 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.37-7.28 (m, 2H), 7.15-6.91 (b, 2H), 6.85 (s, 1H), 6.76 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 2.37 (s, 3H).
【0109】
3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物32)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを3,4,5−トリメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物32(黄色の固体、26%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.73 (d, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.32-7.25 (m, 3H), 6.97-6.71 (m, 1H), 5.63 (s, 2H ), 4.04 (s, 6H), 3.90 (s, 3H), 2.52 (s, 3H).
【0110】
3−(2−フルオロフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物33)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを2−フルオロベンゾニトリルと反応させると、化合物33(黄色の固体、69%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 8.00 (m, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.34-7.14 (m, 4H), 5.39 (s, 2H), 2.51 (s, 3H).
【0111】
6−メチル−3−(2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物34)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを2,6−ジメチルベンゾニトリルと反応させると、化合物34(黄色の固体、68%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.72 (d, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.20-7.08 (m, 3H), 6.89 (s, 1H), 5.26 (s, 2H), 2.52 (s, 3H), 2.12 (s, 6H).
【0112】
6−メチル−3−m−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物35)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドをm−トルニトリルと反応させると、化合物35(白色固体、89%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 9.36 (s, 2H), 8.44 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.83-7.79 (m, 2H), 7.55 (s, 1H), 7.46-7.39 (m, 2H), 7.28 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.46 (s, 3H).
【0113】
6−メチル−3−p−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物36)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドをp−トルニトリルと反応させると、化合物36(白色固体、75%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.94 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.29-7.24 (m, 3H), 5.43 (s, 2H), 2.50 (s, 3H), 2.40 (s, 3H).
【0114】
3−(2−メトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物37)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを2−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物37(黄色の固体、38%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 8.00 (s, 1H), 7.63-7.50 (m, 3H), 7.41 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.06-7.00 (m, 2H), 3.87(s, 3H), 2.50 (s, 3H).
【0115】
3−(3−メトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物38)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを3−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物38(黄色の固体、92%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.74 (s, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.54-7.45 (m, 3H), 7.37 (t, 1H), 7.29 (s, 1H), 6.93 (m, 1H), 3.89 (s, 3H), 2.49 (s, 3H).
【0116】
3−(4−メトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物39)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを4−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物39(黄色の固体、54%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.97 (d, 2H), 7.63 (d, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.46 (m, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.97 (d, 2H), 3.86 (s, 3H), 2.51 (s, 3H).
【0117】
3−(4−エトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物40)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを4−エトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物40(黄色の固体、67%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.97 (d, 2H), 7.62 (d, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.43 (m, 1H), 7.36 (s, 1H), 6.96 (d, 2H), 5.26 (s, 2H), 4.06 (q, 2H), 2.49 (s, 3H), 1.43 (t, 3H).
【0118】
3−(2−フルオロフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物41)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを2−フルオロベンゾニトリルと反応させると、化合物41(黄色の固体、79%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 8.05 (m, 1H), 7.67 (d, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.31-7.06 (m, 3H), 5.17 (s, 2H), 2.52 (s, 3H).
【0119】
3−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物42)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを4−メトキシ−2−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物42(黄色の固体、90%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.93 (s, 2H), 7.57-7.55 (d, 2H), 7.32 (d, 1H), 6.82-6.78 (m, 3H), 3.82 (s, 3H), 2.53 (s, 3H), 2.36 (s, 3H).
【0120】
7−メチル−3−(2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物43)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを2,6−ジメチルベンゾニトリルと反応させると、化合物43(黄色の固体、68%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.63-7.46 (m, 3H), 7.19-7.08 (m, 3H), 6.93 (s, 1H), 5.17 (s, 2H), 2.54 (s, 3H), 2.12 (s, 6H).
【0121】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物44)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物44(黄色の固体、46%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.80 (s, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.19 (s, 1H), 6.94 (d, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 2.52 (s, 3H).
【0122】
3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−6−イル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物45)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドをベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボニトリルと反応させると、化合物45(黄色の固体、70%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.62-7.55 (m, 4H), 7.45 (m, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.90 (m, 1H), 6.00 (s, 2H), 5.16 (s, 2H), 2.51 (s, 3H).
【0123】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物46)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを3,5−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物46(黄色の固体、71%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.85 (s, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 6.86 (d, 1H), 6.69-6.67 (d, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 2.52 (s, 3H).
【0124】
3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物47)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを3,4,5−トリメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物47(黄色の固体、95%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.66 (d, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.29 (s, 2H), 3.96 (s, 6H), 3.89 (s, 3H), 2.52 (s, 3H).
【0125】
7−メチル−3−o−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物48)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドをo−トルニトリルと反応させると、化合物48(黄色の固体、91%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.63-7.58 (m, 2H), 7.47-7.40 (m, 2H), 7.27-7.20 (m, 3H), 7.05 (s, 1H), 5.41 (s, 2H), 2.51 (s, 3H), 2.38 (s, 3H).
【0126】
7−メチル−3−m−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物49)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドをm−トルニトリルと反応させると、化合物49(黄色の固体、97%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.82 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.63-7.58 (m, 2H), 7.43-7.32 (m, 3H), 7.17 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.86 (s, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.42 (s, 3H).
【0127】
3−(5−メトキシ−2−メチルフェニル)−7−メチル−イソキノリン−1−アミン(化合物50)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを5−メトキシ−2−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物50(黄色の固体、77%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.64-7.60 (m, 2H), 7.46 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 7.02 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.83 (dd, J = 8.1 Hz, J = 2.8 Hz, 1H), 5.41 (s, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.52 (s, 3H), 2.31 (s, 3H).
【0128】
6,7−ジメトキシ−3−フェニルイソキノリン−1−アミン(化合物51)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドをベンゾニトリルと反応させると、化合物51(黄色の固体、71%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.97-7.95 (m, 2H), 7.45-7.30 (m, 4H), 7.05 (s, 1H), 6.94 (s, 1H), 5.29 (s, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.82 (s, 3H).
【0129】
6,7−ジメトキシ−3−(3−メトキシフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物52)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを3−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物52(黄色の固体、60%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.53-7.46 (m, 2H), 7.30 (m, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.88 (m, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.82 (s, 3H).
【0130】
6,7−ジメトキシ−3−(2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物53)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを2,6−ジメチルベンゾニトリルと反応させると、化合物53(黄色の固体、56%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.23-7.07 (m, 4H), 7.01 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 5.07 (s, 2H), 4.03 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 2.12 (s, 6H).
【0131】
6,7−ジメトキシ−3−m−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物54)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを3−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物54(黄色の固体、43%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 8.93 (s, 2H), 7.92 (s, 1H), 7.68-7.64 (m, 2H), 7.37-7.20 (m, 2H), 7.11 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 2.38 (s, 3H).
【0132】
6,7−ジメトキシ−3−(3,5−ジメトキシフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物55)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを3,5−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物55(黄色の固体、48%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.38 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.06 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.49 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.98 (s, 3H), 3.86 (s, 6H).
【0133】
6,7−ジメトキシ−3−o−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物56)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを2−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物56(黄色の固体、68%)が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ: 7.45-7.03 (m, 7H), 5.01 (s, 2H), 4.02 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 2.40 (s, 3H).
【0134】
[医薬製剤]
以下では、式(D)の化合物又はその薬学的に許容される塩(以下では化合物X)を含有する、ヒトにおける治療的又は予防的な使用のための代表的な医薬品剤形を例示する。製剤は、製薬業界でよく知られている従来の手順によって実現することができ、その代表的な医薬品剤形に限定されない。
【0135】
1)錠剤(直接圧縮)
ふるいにかけた化合物X(5.0mg)を、ラクトース(14.1mg)、クロスポビドンUSNF(0.8mg)、及びステアリン酸マグネシウム(0.1mg)と混合する。混合物を圧縮して錠剤にする。
【0136】
2)錠剤(湿式法(Hydroassembly))
ふるいにかけた化合物X(5.0mg)を、ラクトース(16.0mg)、デンプン(4.0mg)、及びポリソルベート80(0.3mg)と混合する。純水を混合物に加え、混合物を溶解させた。混合物を粒子にし、粒子を乾燥させ、ふるいにかけ、コロイド状二酸化ケイ素(2.7mg)及びステアリン酸マグネシウム(2.0mg)と混合する。粒子を錠剤に圧縮する。
【0137】
3)粉末及びカプセル剤
ふるいにかけた化合物X(5.0mg)を、ラクトース(14.8mg)、ポリビニルピロリドン(10.0mg)、及びステアリン酸マグネシウム(0.2mg)と混合する。混合物を、適切な機器を使用してNo.5ゼラチンカプセルに詰める。
【0138】
4)注射
化合物X(100mg)、マンニトール(180mg)、及びNa
2HPO
4・12H
2O(26mg)を約2974mlの蒸留水に溶解させる。
【0139】
[生物学的試験]
1)癌細胞株の成長
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の効果を判定するための癌細胞株は、以下の供給源から得た。アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC、American Type Culture Collection)(バージニア州マナッサス)からのヒトMDA−MB−231(乳房)、PC3(前立腺)、HCT−15(結腸)、HCT116(結腸)、OVCAR−3(卵巣)、Caki−1(腎臓)、PANC−1(膵臓)、SNB−19(膠芽細胞腫)、及びSK−MEL−28(黒色腫)。PC3、OVCAR−3、SK−MEL−28、及びSNB−19は、10%のウシ胎児血清(「FBS」、fetal bovine serum)、1mMのピルビン酸ナトリウム、10mMのHEPES、並びに100U/mlのペニシリンと100のμg/mlのストレプトマイシン(「P/S」)を補充したRPMI1640培地(Invitrogen、カリフォルニア州カールズバッド)中で成長させた。MDA−MB−231、Caki−1、HCT−15(結腸)、及びPANC−1細胞は、10%のFBS、P/S、及び10mMのHEPESを補充したダルベッコ変法イーグル培地(「DMEM」、Dulbecco's modified Eagle's medium、Invitrogen)で維持した。HCT116細胞は、インビトロ細胞増殖アッセイについては10%のFBS、P/S、及び10mMのHEPESを補充したDMEM中で、インビトロ細胞周期分析については10%のFBS、1mMのピルビン酸ナトリウム、10mMのHEPES、及びP/Sを補充したRPMI1640培地で維持した。すべての細胞は、加湿した5%CO
2中にて37℃でインキュベートした。
【0140】
2)ヒト腫瘍細胞株に対するインビトロ細胞増殖アッセイ
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体の様々なヒト腫瘍細胞に対する増殖抑制を評価して、化合物上の特定の置換基の相対的な重要性を調査した。上述のように調製した5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体を、対照としてDMSOで試験した。
【0141】
代表的な5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体のヒト腫瘍細胞株に対する増殖抑制アッセイは、スルホローダミンB(「SRB」Sulforhodamine B)法(Skehan et al., J. National Cancer Institute, 82: 1107-1112 (1990))を使用して実施した。簡潔に述べると、指数関数的に成長している腫瘍細胞を、2〜3×10
3細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物で翌日に処理した。各処理に3通りのウェルを使用した。細胞を種々の化合物と共に、加湿した5%CO
2雰囲気中にて37℃で96時間インキュベートした。96時間インキュベートした後、細胞を10%のトリクロロ酢酸(「TCA」、trichloroacetic acid)で固定した、4℃で1時間インキュベートし、水道水で3回洗浄した。その後、細胞を1%酢酸中の0.4%スルホローダミンBで30分間染色し、1%の酢酸で4回洗浄し、再度風乾した。10mMのトリス溶液中で5分間撹拌した後、Benchmark Plus Microplate読取り装置(Bio-Rad Laboratories、カリフォルニア州Hercules)を使用して、各ウェルの吸光度を530nmで測定した。
【0142】
OD
530値を各ウェル中の生細胞数に変換するために、OD
530値を、各細胞株について作成した標準のOD
530対細胞数曲線上の値と対照した。生存度(パーセント)は、次式を使用して算出した。
生存度(%)=生細胞数[試験]/生細胞数[対照]×100
IC
50値は、非線形回帰分析によって算出した。
【0143】
QSAR及び医薬品化学技術を使用して、上の表1〜2に示す化合物を含む非常に多くの化合物が合成された。合成された化合物を、約1μMの濃度で少なくとも4種の癌細胞株、PANC−1、MDA−MB−231、HCT116、及びCaki−1に対してスクリーニングした。これらの細胞株の少なくとも1つにおいて活性を示す化合物を、新たなスクリーニング用に選択した。それらの化合物から、30種の化合物を選択して、以下の表3に示すように広域スペクトル抗増殖薬としてさらに評価した。
【0144】
表3
【表3】
【0145】
表3に示す本発明の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体は、広範囲の腫瘍細胞株に対して活性を有する。化合物の多くは、IC
50値によって決定される活性が、1μM、0.5μM、又は0.1μMよりも著しく小さい。表3にある化合物の中でも、化合物10、化合物13、化合物14、化合物15、化合物16、化合物21、化合物25、化合物28、化合物31、化合物34、化合物36、化合物42、化合物43、化合物45、化合物48、化合物50、化合物52などの17種の化合物は、ヒト癌細胞の増殖抑制において、韓国特許第0412319号明細書の特許請求の範囲に記載の化合物23、6−メチル−3−(2−メチルフェニル)−1−イソキノリンアミンと同等又はそれより良好な活性を示した。特に、化合物13及び化合物14は、試験した細胞株において化合物23の5〜13倍の活性を有する。表3からわかるように、試験した他の化合物の多くは、いくつかの細胞株でIC
50<1μMであり、いくつかでIC
50<0.3μMであった。2.0μM、1.5μM、1.0μM、又は0.5μM以下のIC
50値は、有意な治療活性を表す。したがって、表3の化合物のIC
50は、有意な治療活性を示す。
【0146】
3)インビトロの細胞周期分析
このアッセイを使用して、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物が細胞を細胞周期の特定の期で静止させる能力を測定した。薬物処理の前の日に、HCT116細胞を、10cmシャーレの10%FBS含有RPMI1640培地に50〜70%の飽和度で播き、次いで加湿した37℃のインキュベーターに入れて5%CO
2雰囲気中で終夜インキュベートした。翌日、DMSOに可溶化した適切な濃度の試験化合物を含むRPMI1640培地(10%FBS含有)をシャーレに加えた。化合物なしの対照処理も含まれた(0.25%DMSO)。次いで、細胞を12時間インキュベートし、7000rpmで5分間の遠心分離によって収集した。細胞ペレットを、0.1%のグルコース及び2%のFBSを含有する0.2mlのPBSに再懸濁した。その後、振盪しながら5mlの氷冷70%エタノールを滴下し、処理した細胞を−20℃で少なくとも30分間保存した。細胞を、2000rpmで5分間遠心分離し、0.1%のグルコース及び2%のFBSを含有する1mlのPBSで1回洗浄した。上清を除去した後、細胞を、0.1%のトリトンX100、40mMのクエン酸ナトリウム、pH7.4を含有する70μMのヨウ化プロピジウム(PI)溶液0.5mlに再懸濁した。RNaseを50μg/mlの最終濃度で加え、細胞を37℃で30分間インキュベートした。PIで染色した細胞を、PCA-AFP機器によって、その細胞周期ソフトウェアプログラム(Guava Technologies、カリフォルニア州ヘイワード)を使用して分析し、細胞周期のG1、S、及びG2/M期にある細胞の百分率として示した。以下の表4は、HCT116細胞を化合物14又は43で処理したときの細胞周期のパーセントの変化を示す。
【0147】
表4
【表4】
【0148】
4)パクリタキセル抵抗性のHCT−15ヒト直腸結腸癌細胞に対するインビトロ抗腫瘍効果
化合物13及び14を大腸癌細胞で試験し、その抗腫瘍活性をパクリタキセル(タキソール(登録商標))と比較した。表5に示すように、化合物13及び14は、インビトロで強力な抗増殖活性を示し、IC
50値が両方の細胞で低ナノモル範囲にあり、パクリタキセル抵抗性のHCT−15直腸結腸癌細胞に対する抗腫瘍活性がパクリタキセルより高かった。IC
50値を両方の大腸癌細胞で比較したとき、パクリタキセルは、HCT−15細胞でその活性が70分の1になったが、化合物13及び14は両方とも、依然としてこの細胞の成長を強力に抑制した。
【0149】
表5
【表5】
【0150】
5)エキソビボ異種移植研究
動物モデルにおいて腫瘍成長の抑制を観察するために、化合物13を利用して、ヌードマウスのエキソビボ異種移植研究を行った。0日目に、パクリタキセル抵抗性HCT15細胞懸濁液(0.2mlのRPMI中1×10
6細胞)を、6週齢の雌胸腺欠損マウス(BALB/c nu/nu)の右側腹部に皮下注射した。処置開始日に、可能な限り狭い体積範囲で試験用の腫瘍を選択するのに十分な数のマウスに、HCT15細胞懸濁液を注射した。適切なサイズ範囲の腫瘍を有する動物を種々の処置群に割り振った。パクリタキセルを陽性対照として使用した。化合物13及びパクリタキセルをPBS中の5%Cremophor及び5%エタノールに溶解させ、溶媒のみを媒体対照として利用した。すべての研究薬物(媒体対照、パクリタキセル:10mg/kg/日、化合物13:10mg/kg/日)は、腹腔内投与によって週3回与え、HCT15細胞の接種後10日目から出発し、29日目に終えた。腫瘍成長を定量化するために、腫瘍の垂直方向の3通りの直径を3〜5日毎にキャリパーで測定し、毒性についてはマウスの体重をモニターした。式:腫瘍体積(mm
3)=(幅)×(長さ)×(高さ)×π/6を使用して腫瘍体積を算出した。
【0151】
各群の動物の腫瘍体積(平均±SEM)を表5に示すが、腫瘍体積の測定値は、HCT15ヒト結腸癌異種移植片に対する化合物13の有効性の指標として示される。化合物13での処置では、死亡することなく十分に耐容性が示され、1g以下の体重変動しか認められなかった。29日目にヌードマウスにおいてHCT−15ヒト直腸結腸癌に対する抗腫瘍作用を測定した結果として、以下の表6に示すように、化合物13の抗腫瘍効力(69.2%抑制)が、対照薬物のパクリタキセル(48.8%抑制)より高いことがわかった。
【0152】
表6
【表6】
【0153】
本発明の新規な化合物は、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体又はその薬学的に許容される塩であるが、これらの化合物は、強力な抗増殖性効果を有し、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を投与することによる、癌を含めた過剰増殖性障害の治療に有用である。本明細書で例示し、論述した実施形態は、本発明を実施し、使用するための、発明者にわかっている最良の方法を当業者に教示するものにすぎない。本明細書では、本発明の範囲を限定するものはないと考えるべきである。提供する例はすべて、典型であり、非限定的である。上述の本発明の実施形態は、上記教示に照らして当業者に得心されるように、本発明から逸脱することなく改変し、又は様々に変更することができる。したがって、請求項及びその相当物の範囲内で、本発明を詳細に記載したものとは別な形で実施してもよいことは理解される。