(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
太陽電池の発電電力により給電される蓄電池と、前記太陽電池の出力電圧を所定の電圧に昇圧する昇圧コンバータと、前記太陽電池の出力電圧を前記蓄電池に直接給電するか、又は、前記昇圧コンバータを介して給電するかを切り換えるスイッチ部と、前記蓄電池の電圧を所定の闘値の電圧と比較し、この比較結果に応じて、前記スイッチ部を制御する切換部と、を備え、前記太陽電池は、所定の照度以下の環境において使用可能な低照度用の低照度色素増感太陽電池であり、前記昇圧コンバータは、前記蓄電池の電圧が所定の基準電圧になるまでは変換効率が低いモードであり、前記蓄電池の電圧が前記基準電圧以上になると変換効率が高いモードとなり、前記闘値の電圧は、前記基準電圧と対応し設定される蓄電システムにおける蓄電方法であって、
前記切換部により、
前記蓄電池の電圧が前記闘値の電圧以下の場合に、前記太陽電池から前記蓄電池へ直接給電を行うように前記スイッチ部を制御するステップと、
前記蓄電池の電圧が前記闘値の電圧を超えている場合に、前記太陽電池から前記昇圧コンバータを介して前記蓄電池へ給電を行うように前記スイッチ部を制御するステップと、
を含むことを特徴とする蓄電方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面を参照して説明する。
【0015】
[蓄電システムを用いた環境監視システムの例」
図1は、本発明の蓄電システムが用いられる環境監視システムの概略構成を示す構成図である。
図1に示すように環境監視システム1は、太陽電池の発電電力を蓄電池に蓄積する蓄電システム100と、この蓄電システム100から給電される外部負荷装置200とで構成される。この外部負荷装置200は、例えば、配線や電池交換なしで動作するワイヤレスセンサとして機能する環境モニタ装置210等である。
この環境モニタ装置210は、オフィス等の室内の温度を測定する温度センサ211と、室内の湿度を測定する湿度センサ212とを備え、温度センサ211により測定した室内温度の情報と、湿度センサ212により測定した室内湿度の情報とを、無線通信ユニット213により、周期的に外部の監視システム300に向けて無線送信する。
【0016】
この外部負荷装置200に電力を供給する蓄電システム100は、太陽電池110と、蓄電装置120と、昇圧コンバータ130とを備えている。太陽電池110は、低照度用の太陽電池であり、例えば、10000Lux(ルクス)以下の照度で使用される太陽電池である。この蓄電システム100では、太陽電池110の発電電力を昇圧コンバータ130を介して蓄電装置120に給電し、蓄電装置120に電力を蓄積する。蓄電システム100は、蓄電装置120に蓄積された電力を外部負荷装置200に給電する。この蓄電システム100の構成と動作の詳細については、後述する。
【0017】
図2は、太陽電池の概観と太陽電池セルの接続状態を示す説明図である。この
図2(A)の平面図に示すように、太陽電池110の受光面側には、太陽電池セルA111、太陽電池セルB112、太陽電池セルC113、及び太陽電池セルD114の4つの太陽電池セルが、平面状に配列されており、この4つの太陽電池セルA111から太陽電池セルD114は、
図2(B)に示すように、直列に接続されて所定の出力電圧Vsが得られるように構成されている。
この
図2に示す太陽電池110は、4つの太陽電池セルを直列に接続した例であるが、この直列に接続される太陽電池セルの個数は、昇圧コンバータ130に向けて出力される電圧が、昇圧コンバータ130において所定の効率以上で昇圧動作が行える電圧になるように選択される。例えば、太陽電池セルが低照度色素増感太陽電池である場合、直列に接続される太陽電池セルの個数を、例えば、最低3個以上にすることが望ましい。
【0018】
ところで、太陽電池110を入力電源とした場合、外部負荷装置200を連続して駆動させようとすると、照明の当たらない夜間の消費電力分を蓄電池に蓄積しておく必要がある。さらに、オフィス等の室内での使用を考慮した場合、土日祝日等の消費電力分も蓄積しておく必要がある。この蓄電池に蓄積する電力を増加させるには、蓄電池の容量を増やすか、或いは、蓄電池を高電圧まで充電するなどの方法で対処することができるが、何れの方法においても蓄電池の充電に時間がかかるため、外部負荷装置200を駆動できるようになるまでの時間が長くなる。
本発明の蓄電システムでは、上記問題を解決するために、容量の異なる2種類の蓄電池A121及び蓄電池B122と、スイッチング機構としてのスイッチ部140を用いる。
【0019】
図3は、蓄電システム101の構成を示す構成図である。この
図3に示す蓄電システム101は、太陽電池110と、蓄電装置120と、昇圧コンバータ130と、スイッチ部140と、電圧検出部150と、切換部160と、を備える。
太陽電池110は、
図2に示した低照度用の太陽電池である。蓄電装置120は、エナジーハーベストの用途に対応する二次電池やコンデンサ等で構成され、容量の小さな蓄電池A121と、容量の大きな蓄電池B122と、で構成されている。
【0020】
この蓄電池A121の容量の大きさは、太陽電池110から給電されて、外部負荷装置200を駆動可能な電圧に立ち上げるまでの時間と、蓄電池A121から蓄電池B122に給電を行う際の蓄電池A121の電圧降下の程度と、蓄電池A121から外部負荷装置200を連続して駆動できる時間と、を勘案して設定される。
また、蓄電池B122の容量の大きさは、外部負荷装置200の負荷容量と、外部負荷装置200を連続して駆動できる時間とに応じて設定される。例えば、蓄電池A121と蓄電池B122の容量比率は、数倍から数十倍程度に設定される。
【0021】
なお、蓄電池A121及び蓄電池B122のそれぞれは、単体の蓄電池で構成されるものであってもよく、又は、
図4に示すように、複数の蓄電池で構成されるものであってもよい。
図4に示す例は、例えば、蓄電池A121を、蓄電池1211と蓄電池1212との2個の蓄電池で構成し、蓄電池B122を、蓄電池1221、蓄電池1222.・・・、蓄電池122nのn個の蓄電池で構成した例である。つまり、蓄電池A121及び蓄電池B122のそれぞれを、任意の個数の蓄電池で構成することができる。
【0022】
図3に戻り、太陽電池110の出力側には、給電線DCL0を介して昇圧コンバータ(ブーストコンバータ)130の入力側が接続される。この昇圧コンバータ130は、DC/DCコンバータ装置等で構成され、太陽電池110の出力電圧Vsを入力し、この電圧Vsを所定の電圧に昇圧して給電線DCL1に出力する。
この昇圧コンバータ130の出力側は、給電線DCL1を介して、蓄電池A121に接続されるとともに、スイッチ部140の一方の端子aに接続されている。スイッチ部140の他方の端子bは、給電線DCL2を介して、蓄電池B122に接続されている。
【0023】
スイッチ部140は、切換部160から入力される制御信号CNT1の指示内容に応じて、内部のスイッチSW1をON(オン:閉状態)又はOFF(オフ:開状態)にすることにより、給電線DCL1と給電線DCL2との間を接続又は開放する。つまり、スイッチSW1をONにすることにより、蓄電池A121と蓄電池B122とがスイッチSW1を介して電気的に並列に接続され、スイッチSW1をOFFにすることにより、蓄電池A121と蓄電池B122とが電気的に切り離される。
なお、
図3では、スイッチ部140として、機械式接点を用いたスイッチSW1で構成される例を示しているが、実際には、スイッチSW1は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチを含んで構成されている。
【0024】
また、
図3では、給電線DCL0、給電線DCL1、及び給電線DCL2を単線で示しているが、実際には、正極側の給電線と負極側の給電線(或いは、グランド線)を含んで構成されるものである。また、スイッチ部140のスイッチSW1については、正極側の給電線と負極側の給電線のうち、例えば、正極側の給電線のみを接続又は開閉する1回路のスイッチでもあってもよく、或いは、正極側の給電線と負極側の給電線の両方を接続又は開閉する2回路のスイッチであってもよい。後述する
図9、
図10及び
図13においても、同様である。
【0025】
電圧検出部150は、例えば、抵抗分圧回路を用いて構成され、給電線DCL1の電圧を検出する。なお、給電線DCL1の電圧は、蓄電池A121の電圧Vaと同じ電圧であり、電圧検出部150は、給電線DCL1の電圧を検出することにより、結果的に、蓄電池A121の充電電圧である電圧Vaを検出することになる。電圧検出部150は、蓄電池A121の電圧Vaの検出信号Vfを切換部160に向けて出力する。
【0026】
切換部160は、比較器161を備えており、この比較器161は、不図示の基準電圧生成回路により生成される所定の基準電圧Ref1と、電圧検出部150から入力した蓄電池A121の電圧Vaの検出信号Vfとを比較する。この基準電圧Ref1は、蓄電池A121の電圧V1(第1閾値の電圧)に対応し、蓄電池A121の電圧Vaが、蓄電池B122への給電可能な電圧V1を超えているか否かを判定する際に使用される。
【0027】
切換部160は、比較器161における比較結果に応じて、スイッチ部140のスイッチSW1をON/OFF(開閉)する制御信号CNT1を、スイッチ部140に向けて出力する。スイッチ部140は、制御信号CNT1に基づいて、スイッチSW1の開閉動作を行う。
つまり、切換部160は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1よりも低い場合に、制御信号CNT1により、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにして蓄電池A121と蓄電池B122との間を切り離す。これにより、太陽電池110の発電電力が、昇圧コンバータ130を介して、蓄電池A121のみに給電されるようになる。
【0028】
また、切換部160は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1を超えた場合に、スイッチSW1をONにして蓄電池A121と蓄電池B122とを並列に接続し、蓄電池A121に蓄積された電荷により、或いは、昇圧コンバータ130の出力電力と蓄電池A121に蓄積された電荷との両方により、蓄電池B122に給電を行う。
なお、蓄電池B122に給電を行う際には、昇圧コンバータ130の出力電力が小さいため、蓄電池A121が蓄電池B122へ給電を行う主体となる。このため、以下の説明では、蓄電池B122への給電は、蓄電池A121から行われるものとして説明する。
【0029】
また、切換部160の比較器161は、蓄電池A121の電圧Vaの検出信号Vfと、基準電圧Ref1との大小関係を比較する際にヒステリシス特性を持って判定を行う。つまり、比較器161は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1を超えたことを検出した後、電圧Vaが、電圧V1よりも所定の電圧分ΔVだけ低い電圧V1’(=V1−ΔV)まで低下した時に、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1以下に低下したと判定する。
従って、切換部160は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1を超えていることを検出して、一旦スイッチSW1をONにする制御信号CNT1を出力した後、この電圧Vaが電圧V1’に低下するまで、SW1をONにする制御信号CNT1を出力し続ける。
なお、この電圧V1’は、外部負荷装置200の駆動可能電圧VLよりも高い電圧に設定される(V1’>VL)。
【0030】
図5は、蓄電池A121及び蓄電池B122への充電動作の態様を示す説明図である。
以下、
図5を参照して、蓄電池A121と蓄電池B122への充電動作の態様について説明する。
蓄電装置120への給電を最初に開始する場合、つまり、蓄電池A121と蓄電池B122との両方が未充電の場合は、まず、状態(1)に示すように、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにして、昇圧コンバータ130から蓄電池A121にのみ充電電流Iaを流し、蓄電池A121を優先して先に充電する。
【0031】
そして、蓄電池A121の充電が進み、蓄電池A121の電圧が、蓄電池B122に給電できる電圧V1まで増加した場合に、状態(2)に示すように、スイッチ部140のスイッチSW1をONにして蓄電池A121に蓄積された電荷により、蓄電池A121から蓄電池B122に充電電流Iabを流して蓄電池B122に給電を行う。
【0032】
その後、蓄電池A121から蓄電池B122へ電流Iabを流すことにより、蓄電池A121の電圧Vaが、蓄電池A121と蓄電池B122とが平衡になる電圧まで低下しようとする。このため、切換部160は、蓄電池A121の電圧Vaが外部負荷装置200の駆動可能電圧VLを下回る前に、つまり、蓄電池A121の電圧が電圧V1’(V1>V1’>VL)まで低下した場合に、状態(3)に示すように、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにして、蓄電池B122を蓄電池A121から切り離す。この蓄電池A121の電圧が電圧V1’まで低下したことの検出は、前述した比較器161のヒステリシス特性を利用して行われる。このため、蓄電池A121の電圧Vaは、電圧V1と電圧V1’との間で変動することになる。
【0033】
その後、状態(2)と状態(3)とを繰り返すことで、蓄電システム101では、外部負荷装置200に電流ILを流して、この外部負荷装置200を駆動させつつ、蓄電池B122への蓄電を進めることができる。このように、蓄電システム101では、状態(2)と状態(3)とを繰り返すことで蓄電池B122への蓄電を進め、夜間や休日においても外部負荷装置200を連続して駆動できるように蓄電池B122を充電することができる。
【0034】
また、
図6は、蓄電池A121と蓄電池B122との電圧の変化のイメージを示す説明図である。この
図6では、横軸に時間tの経過を示し、縦軸に電圧を示し、蓄電池A121の電圧Vaの時間変化の態様と、蓄電池B122の電圧Vbの時間変化の態様とを示している。
この
図6の時刻t0において、太陽電池110から昇圧コンバータ130を介して蓄電装置120の充電が開始されるものとする。この時刻t0における充電開始時には、
図5の状態(1)に示すように、切換部160は、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにして、蓄電池A121のみへの給電を開始する。
【0035】
続いて、時刻t0以降、蓄電池A121の電圧Vaが次第に上昇し、時刻t0の後の時刻t1において、外部負荷装置200を駆動可能な電圧VLに到達すると、外部負荷装置200が起動される。
なお、外部負荷装置200は、例えば、前述した環境モニタ装置210であり、この環境モニタ装置210は、周期的に温度情報や湿度情報を外部に無線送信する。
【0036】
そして、時刻t1において、外部負荷装置200が起動した後の時刻t2に至り、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1まで上昇すると、この時刻t2において、切換部160は、スイッチ部140のスイッチSW1をONにして、蓄電池A121に蓄積された電荷により蓄電池B122に給電を行う。
【0037】
この蓄電池A121から蓄電池B122に給電を行う場合、蓄電池A121の電圧Vaが、蓄電池A121と蓄電池B122とが平衡になる電圧まで低下しようとする。このため、切換部160は、蓄電池A121の電圧Vaが外部負荷装置200の駆動可能電圧VLを下回る前、つまり、蓄電池A121の電圧が電圧V1’(V1>V1’>VL)まで低下した場合に、スイッチSW1をOFFにして、蓄電池B122を蓄電池A121から切り離す。そして、スイッチSW1をOFFにした後、再び、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1を超えた場合に、切換部160は、再び、スイッチSW1をONにして、蓄電池A121から蓄電池B122に給電行う。つまり、切換部190は、スイッチSW1のON/OFF動作を繰り返しながら、蓄電池A121から蓄電池B122に給電を行う。このため、蓄電池A121の電圧Vaは、
図6の破線で囲んだ部分Eで拡大して示すように、電圧V1と電圧V1’の間で変動する電圧となる。
そして、この時刻t2以降、蓄電池B122への充電が進み、蓄電池B122の電圧Vbが、次第に上昇していく。
【0038】
そして、時刻t2の後の時刻t3に至ると、蓄電池B122の電圧Vbが、蓄電池A121の電圧とほぼ等しくなるまで充電される。この時刻t3以降、外部負荷装置200への給電を、蓄電池A121及び蓄電池B122から行うことが可能になる。
なお、蓄電池A121及び蓄電池B122の電圧が電圧VHになると、昇圧コンバータ130は、蓄電池A121及び蓄電池B122への過充電を防ぐために、出力を停止して、蓄電池A121及び蓄電池B122への給電を停止する。
【0039】
また、
図7は、蓄電システム101における処理の流れを示すフローチャートであり、上述した蓄電システム101における動作の流れをフローチャートで示したものである。以下、
図7を参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、蓄電池A121及び蓄電池B122が未充電の状態にあるとする。そして、蓄電システム101が起動すると(ステップS11)、切換部160は、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにする(ステップS12)。そして、太陽電池110は、昇圧コンバータ130を介して、蓄電池A121のみに給電を開始する(ステップS13)。
【0040】
続いて、蓄電池A121に給電を行うことにより、蓄電池A121の電圧Vaが上昇する。そして、切換部160の比較器161は、蓄電池A121の電圧Vaが、蓄電池B122への給電が可能な電圧V1を超えているか否かを判定する(ステップS14)。
そして、ステップS14において、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1を超えていると判定された場合(ステップS14:Yes)、ステップS15の処理に移行し、切換部160は、スイッチ部140のスイッチSW1をONにして、蓄電池A121から蓄電池B122への給電を開始する(ステップS15)。この蓄電池A121から蓄電池B122へ給電を行うことにより、蓄電池A121の電圧Vaが下降する。
【0041】
続いて、切換部160は、切換部160の比較器161は、蓄電池A121の電圧Vaが、電圧V1’(=V1−ΔV)よりも低下したか否かを判定する(ステップS16)。
そして、ステップS16において、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1’よりも低下していない判定された場合(ステップS16:No)、切換部160は、ステップS15の処理に戻り、蓄電池A121から蓄電池B122への給電を継続する。
一方、ステップS16において、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1’よりも低下している判定された場合(ステップS16:Yes)、切換部190は、ステップS12の処理に戻り、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにして、再び、蓄電池A121のみへの給電を開始する。
上記処理の流れにより、蓄電システム101は、大きな容量の蓄電池を用いた場合においても、外部負荷装置200に出力する電圧を早く立ち上げることができる。また、蓄電システム101では、外部負荷装置200を駆動させつつ、蓄電池B122への蓄電を進めることができる。
【0042】
また、
図8は、蓄電システム101を週単位で運用する例を示すイメージ図である。この
図8に示す例は、横軸に時間tの経過を示し、縦軸に電圧を示し、蓄電池A121の電圧Vaと蓄電池B122の電圧Vbの電圧推移の様子をイメージで示している。
なお、この
図8は、蓄電池A121及び蓄電池B122の電圧の詳細な変化特性を示すものではなく、蓄電池A121及び蓄電池B122に対する充電の態様を概念的に示したものである。つまり、この
図8は、オフィスの室内が照明や外部光の入射により明るくなる「明」の期間と、夜間等において室内の照明が消灯して暗くなる「暗」の期間とが一日単位で繰り返される場合の、週単位(月曜から日曜日)での蓄電池A121と蓄電池B122の電圧変化の傾向を概念的に示したものである。
以下、
図8を参照して、蓄電池A121の電圧Vaと蓄電池B122の電圧Vbの週単位での推移の概要について説明する。
【0043】
まず、第1日目の最初の時点(時刻t10)において、蓄電池A121及び蓄電池B122が共に未充電の状態にあるとする。そして、時刻t10において、オフィスの室内が照明や外部光により明るくなり、時刻t10以降、太陽電池110から蓄電池A121への給電が開始される。
続いて、蓄電池A121の電圧Vaが次第に増加し、時刻t11に至り、蓄電池A121の電圧Vaが電圧Va1になると、蓄電池B122への給電が開始され、蓄電池B122の電圧Vbが上昇し始める。
続いて、時刻t11の後の時刻t12まで、つまり、時刻t12においてオフィスの照明等が落とされ「暗」の期間に入るまで、蓄電池A121及び蓄電池B122への給電が継続され、時刻t12において、蓄電池A121の電圧Vaは、電圧Va2まで上昇し、蓄電池B122の電圧は、電圧Vb1まで上昇する。
【0044】
そして、時刻t12において、時刻t12においてオフィスの照明等が消されて暗くなり「暗」の期間に入ると、太陽電池110からの電力の供給が行われなくなる。そして、時刻t12から2日目に照明が点灯される時刻t21までの「暗」の間は、蓄電池A121から、外部負荷装置200へ給電が行われることにより、蓄電池A121の電圧Vaは、時刻t12以降、次第に低下する。また、蓄電池B122への給電も停止されて、蓄電池B122の電圧は、電圧Vb1のまま一定の電圧になる。そして、蓄電池A121の電圧は、時刻t21において、電圧Va1まで低下する。
なお、蓄電池A121の電圧Vaが、電圧Va1まで低下した状態においても、蓄電池A121が電圧Va1を外部負荷装置200に給電して、外部負荷装置200を連続して駆動できるようにしている。つまり、蓄電池A121の充電容量は、オフィスの照明等が消されて暗くなる「暗」の期間、外部負荷装置200を駆動できるように設定されている。
このように、蓄電システム101では、「明」の期間に、蓄電池A121への給電と、蓄電池B122への給電とが行われ、「暗」の期間に、蓄電池A121から外部負荷装置200に給電が行われるとともに、蓄電池B122への給電が停止される。
【0045】
続いて、2日目についても同様であり、2日目の時刻t21からt22の「明」の期間において、蓄電池A121及び蓄電池B122に給電が行われ、蓄電池B122は電圧Vb2まで上昇する。また、同様に、3日目の時刻t31からt32の「明」の期間において、蓄電池A121及び蓄電池B122に給電が行われ、蓄電池B122は電圧Vb3まで上昇する。また、同様に、4日目の時刻t41からt42の「明」の期間において、蓄電池A121及び蓄電池B122に給電が行われ、蓄電池B122は電圧Vb4まで上昇する。
【0046】
続いて、4日目の時刻t42から5日目の時刻t51までの「暗」の期間に、蓄電池A121から外部負荷装置200に給電が行われることにより、蓄電池A121の電圧Vaが次第に低下し、時刻t43において、蓄電池A121の電圧Vaと蓄電池B122の電圧Vbが同じ電圧になる。
そして、4日目の時刻t43以降、スイッチ部140のスイッチSW1が継続的にON状態になり、蓄電池A121の電圧と蓄電池B122の電圧は同じ電圧(Va≒Vb)で推移するようになる。
【0047】
そして、5日目の時刻t52から「暗」の期間に入り、5日目の時刻t52から時刻t61までの期間と、休日である6日目の時刻t61から時刻t71までの期間と、同じく休日である7日目の時刻t71から時刻t72までの期間とが「暗」の期間になる。この時刻t52から時刻t72までの「暗」の期間において、蓄電池A121と蓄電池B122の両方から外部負荷装置200に給電が行われる。
【0048】
なお、蓄電池A121から蓄電池B122に給電を行う場合、蓄電池A121の電圧Vaは、スイッチ部140のスイッチSW1を構成する半導体素子による電圧降下分(例えば、0.3V程度)だけ、蓄電池B122の電圧よりも高くなる。逆に、蓄電池B122から給電線DCL1に給電が行われる場合は、蓄電池A121の電圧Vaは、蓄電池B122の電圧Vbよりも、スイッチSW1を構成する半導体素子による電圧降下分だけ低くなる。
【0049】
このため、スイッチ部140のスイッチSW1がON状態においても、蓄電池A121の電圧Vaが蓄電池B122の電圧よりも高い場合には、蓄電池A121の電荷が優先的に外部負荷装置200に供給されることになる。そして、蓄電池A121に蓄積された電荷が少なくなり、蓄電池A121の電圧Vaが低下すると、蓄電池A121が、蓄電池B122から電荷の供給を受けることにより、蓄電池A121から外部負荷装置200に給電が行われる。或いは、蓄電池B122からスイッチ部140及び給電線DCL1を介して外部負荷装置200に直接に給電が行われる。
以上説明したように、蓄電システム101を週単位で運用する場合、平日(1日目から5日目)に蓄電池B122の充電を行っておき、休日(6日目及び7日目)に、蓄電池B122に蓄積された電力を利用することができる。
【0050】
また、
図9は、蓄電システム101の変形例を示す構成図である。
この
図9に示す蓄電システム101Aは、
図3に示す蓄電システム101に、切換部170(第2切換部)とスイッチ部180(第2スイッチ部)とを新たに追加した例である。
図9において、電圧検出部150は、蓄電池A121の電圧Vaの検出信号Vfを切換部160に出力するとともに、切換部170にも出力する。
また、スイッチ部180は、一方の端子aが給電線DCL1に接続され、他方の端子bが、給電線DCL10を介して、外部負荷装置200に接続されている。
このスイッチ部180は、切換部170から入力される制御信号CNT2の指示内容に応じて、内部のスイッチSW2をON又はOFFにすることにより、給電線DCL1と給電線DCL10との間を接続又は開放する。つまり、スイッチSW2をONにすることにより、給電線DCL1と給電線DCL10とが接続され、蓄電システム101Aから外部負荷装置200に電力が供給される。
【0051】
上記切換部170は、比較器171を備えており、この比較器171は、不図示の基準電圧生成回路により生成される所定の基準電圧RefLと、電圧検出部150から入力した蓄電池A121の電圧Vaの検出信号Vfとを比較する。この基準電圧RefLは、外部負荷装置200の駆動可能電圧VL(第2閾値の電圧)に対応し、蓄電池A121の電圧Vaが外部負荷装置200を駆動可能な電圧VLを超えているか否かを判定する際に使用される。
【0052】
切換部170は、比較器171における比較結果に応じて、スイッチ部180のスイッチSW2をON/OFFする制御信号CNT2を、スイッチ部180に向けて出力する。スイッチ部180は、制御信号CNT2の指示内容に基づいて、スイッチSW2の開閉を行う。
この切換部170は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧VL以下の場合に、スイッチ部180のスイッチSW2をOFFにして、給電線DCL1と給電線DCL10との間を開放して、蓄電システム101Aの電力が外部負荷装置200に供給されないようにする。
【0053】
また、切換部170は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧VLを超えている場合に、スイッチSW2をONにして、給電線DCL1と給電線DCL10との間を接続して、蓄電システム101Aの電力が外部負荷装置200に供給されるようにする。
これにより、蓄電システム101Aは、この外部負荷装置200の入力電源仕様(入力電圧範囲)に応じた電圧を供給できる場合にのみ、外部負荷装置200に給電を行うようにできる。
【0054】
なお、上述した蓄電システム101及び蓄電システム101Aでは、蓄電池A121と、蓄電池B122との2つの蓄電池を用いた例を示したが、さらに、蓄電池B122よりも大きな容量の3つ目の蓄電池C(不図示)を設けるようにしてもよい。この場合、蓄電池A121の電圧Vaと、蓄電池B122の電圧Vbとが所定の電圧以上になった場合に、蓄電池Cにも給電を行うようにする。これにより、蓄電池Cを、非常用又は月単位などの長期間に対応する蓄電池と使用することができる。
【0055】
以上説明したように、蓄電システム101では、太陽電池110の発電電力により給電される蓄電池A121(第1蓄電池)と、蓄電池A121よりも容量の大きな蓄電池B122(第2蓄電池)とを含む複数の蓄電池と、蓄電池A121と蓄電池B122との間を接続又は開放するスイッチ部140と、蓄電池A121の電圧Vaを電圧V1(所定の第1閾値の電圧)と比較し、この比較結果に応じてスイッチ部140を制御する切換部160と、を備え、切換部160は、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1以下の場合に、蓄電池A121と蓄電池B122との間の接続を開放して、太陽電池110の発電電力が蓄電池A121のみに給電されるようにスイッチ部140を制御し、蓄電池A121の電圧が電圧V1を超えている場合に、蓄電池A121と蓄電池B122との間を接続して、蓄電池A121から蓄電池B122へ給電が行われるようにスイッチ部140を制御する。
【0056】
このように、蓄電システム101では、容量の異なる2種類の蓄電池A121及び蓄電池B122と、スイッチ部140を用いる。そして、外部負荷装置200が駆動できる電圧VL(より正確には蓄電池B122に給電が可能になる電圧V1)まで、第1蓄電池A121を優先して給電し、蓄電池A121の電圧Vaが電圧V1を超えた場合に、蓄電池A121から蓄電池B122に給電を行う。
これにより、大きな容量の蓄電池を用いた場合においても、蓄電システム101の出力電圧を早く立ち上げることができる。このため、蓄電システム101は、外部負荷装置200を早く起動することができる。
【0057】
図10は、蓄電システム102の構成例を示す構成図である。
図10に示す蓄電システム102は、
図3に示す蓄電システム101と比較すると、
図3に示すスイッチ部140を削除し、スイッチ部141を新たに追加した点が異なる。また、蓄電装置120を単体の蓄電池123で構成した点が異なる。また、切換部190の比較器191が、蓄電池A121の電圧Vaの検出信号Vfを、不図示の基準電圧生成回路から出力される所定の基準電圧Refmと比較する点が異なる。そして、スイッチ部141は、接点cが給電線DCL0を介して太陽電池110に接続され、接点aが給電線DCL1に接続され、接点bが給電線DCL3を介して昇圧コンバータ130に接続されている。他の構成は、
図3に示す蓄電システム101と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0058】
ところで、蓄電池123の電圧が0V(ゼロボルト)に近いような低電圧な状態から充電を行う場合、一般的な昇圧コンバータは、非常に低い効率でしか昇圧することができず、昇圧の際の変換ロスが大きくなる。このような状態はスタートアップモードやコールドスタートモードと呼ばれ、エナジーハーベストのような微弱な電力を蓄電する場合に大きな問題となる。つまり、昇圧コンバータ130は、蓄電池123が所定の電圧まで蓄電されて始めてメインブースト(Mainboost)などと呼ばれる高効率な昇圧動作を行うことが可能になる。例えば、昇圧コンバータ130の変換効率は、スタートアップモードやコールドスタートモードでは、10〜40%程度であり、メインブーストでは70〜90%程度になる。
なお、以下の説明において、昇圧コンバータ130における変換効率が所定の値以上になる蓄電池123の電圧Vaをメインブーストの電圧Vmと呼ぶ。
【0059】
そこで、蓄電システム102において、切換部190の比較器191が、蓄電池123の電圧Vaの検出信号Vfを所定の基準電圧Refmと比較して、蓄電池123の電圧Vaが、メインブーストの電圧Vmを超えているか否かを判定する。この基準電圧Refmは、蓄電池123の電圧Vm(閾値の電圧)に対応し、蓄電池123の電圧Vaがメインブーストが可能な電圧Vmを超えているか否かを判定する際に使用される。
そして、蓄電池123の電圧Vaがメインブーストの電圧Vm以下の場合、切換部190は、スイッチSW3の接点aと接点cとを導通させて、太陽電池110から蓄電池123に直接給電を行わせる。また、蓄電池123の電圧がメインブーストの電圧Vmを超えている場合、切換部190は、スイッチSW3の接点bと接点cとを導通させて、昇圧コンバータ130を介して蓄電池123に給電を行わせる。
【0060】
図11は、蓄電池123への充電動作の態様を示す説明図である。
この
図11の状態(1)に示すように、蓄電池123の電圧Vaがメインブーストの電圧Vmになるまでは、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点aと接点cとを導通させて、太陽電池110から蓄電池123に電流Iaを流して直接給電を行う。そして、蓄電池123の電圧Vaがメインブーストの電圧Vmになると、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点bと接点cとを導通させて、太陽電池110から昇圧コンバータ130に給電を行い、昇圧コンバータ130から蓄電池123に電流Ibを流して給電を行う。
【0061】
また、
図12は、蓄電システム102における処理の流れを示すフローチャートであり、上述した蓄電システム102における動作の流れをフローチャートで示したものである。以下、
図12を参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、蓄電池123が未充電の状態にあるとする。そして、蓄電システム102が起動すると(ステップS100)、切換部190は、最初に、スイッチ部140に制御信号CNT3を送り、スイッチ部141のスイッチSW3の接点aと接点cとを導通にして、接点bと接点cとを非導通にする(ステップS101)。これにより、切換部190は、太陽電池110から蓄電池123への直接給電を開始させる(ステップS102)。
【0062】
続いて、蓄電池123に給電を行うことにより、蓄電池123の電圧Va(給電線DCL1と同じ電圧)が次第に上昇する。続いて、切換部190の比較器191は、蓄電池123の電圧aが、昇圧コンバータ130においてメインブーストが可能な電圧Vmを超えたか否かを判定する(ステップS103)。
そして、ステップS103において、蓄電池123の電圧Vaが電圧Vmを超えていないと判定された場合(ステップS103:No)、ステップS101の処理に戻り、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点aと接点cとを導通にし、接点bと接点cとを非導通にして、太陽電池110から蓄電池123への直接給電を継続させる。
【0063】
続いて、蓄電池123への充電が進み、蓄電池123の電圧Vaが上昇し、ステップS103において、蓄電池123の電圧Vaが電圧Vmを超えていると判定された場合(ステップS103:Yes)、ステップS104の処理に移行し、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点aと接点cとを非導通にし、接点bと接点cとを導通にする(ステップS104)。これにより、切換部190は、昇圧コンバータ130から蓄電池123に給電を行わせる(ステップS105)。
続いて、切換部190は、ステップS103の処理に戻り、再び、ステップS103からの処理を開始する。
【0064】
上記処理の流れにより、蓄電システム102では、蓄電池123の電圧Vaがメインブーストの電圧Vmになるまでは、太陽電池110から蓄電池123に直接給電を行い、蓄電池123の電圧Vaがメインブーストの電圧Vmを超えると、太陽電池110から昇圧コンバータ130を介して蓄電池123に給電を行うことができる。つまり、蓄電システム101Aでは、充電電圧が低い状態の蓄電池123に給電を行う際に、昇圧コンバータによる電圧昇圧時の変換ロスに影響されることなく給電を行うことができる。このため、蓄電池123に充電された電圧Vaが低い状態において、蓄電池123への蓄電時間を早めることができる。
【0065】
以上説明したように、蓄電システム102は、太陽電池110の発電電力により給電される蓄電池123と、太陽電池110の出力電圧を所定の電圧に昇圧する昇圧コンバータ130と、太陽電池110の出力電圧を蓄電池123に直接給電するか、又は、昇圧コンバータ130を介して給電するかを切り換えるスイッチ部141と、蓄電池123の電圧をメインブーストの電圧Vm(所定の閾値の電圧)と比較し、この比較結果に応じて、スイッチ部141を制御する切換部190と、を備え、切換部190は、蓄電池123の電圧がメインブーストの電圧Vm以下の場合に、太陽電池110から蓄電池123へ直接給電を行うようにスイッチ部141を制御し、蓄電池123の電圧がメインブーストの電圧Vmを超えている場合に、太陽電池110から昇圧コンバータ130を介して蓄電池123へ給電を行うようにスイッチ部141を制御する。
【0066】
このような構成の蓄電システム102では、太陽電池110から蓄電池123に直接給電するか、昇圧コンバータ130を介して給電するかを切り換えるスイッチ部141を設ける。そして、切換部190は、蓄電池123の電圧Vaがメインブーストの電圧Vmを超えている否かを判定し、蓄電池123の電圧Vaがメインブーストの電圧Vm以下の場合に、太陽電池110から蓄電池123に直接給電を行うようにスイッチ部141を制御する。また、切換部190は、蓄電池123の電圧Vaがメインブーストの電圧Vmを超えている場合に、太陽電池110から昇圧コンバータ130を介して蓄電池123に給電を行うようにスイッチ部141を制御する。
これにより、蓄電システム102では、蓄電池123の電圧Vaが低い状態において、昇圧コンバータ130の昇圧時の変換ロスに影響されることなく、太陽電池110から蓄電池123に直接給電できる。このように、蓄電システム102では、蓄電池123の電圧Vaが低い状態において、蓄電池123への蓄電時間を早めることができるので、蓄電池123の電圧を早く立ち上げることができる。
【0067】
図13は、蓄電システム103の構成例を示す構成図である。
図13に示す蓄電システム103は、
図3に示す蓄電システム101と比較すると、スイッチ部141と切換部190とを新たに追加した点だけが異なり、他の構成は、
図3に示す蓄電システム101と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0068】
この
図13に示す蓄電システム103は、蓄電池A121が未充電、或いは、蓄電池A121の電圧Vaが低い場合に、蓄電システム101と同様に、切換部160は、スイッチ部140のスイッチSW1をOFFにして、蓄電池A121のみに給電を行う。
また、同時に、蓄電システム102と同様にして、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点aと接点cとを導通させて、接点bと接点cとは非導通にさせる。つまり、蓄電システム103では、蓄電池A121が未充電、或いは、蓄電池A121の電圧Vaが低い場合に、昇圧コンバータ130を介さずに、太陽電池110から蓄電池A121に直接給電する。
【0069】
そして、蓄電池A121への給電を開始した後、蓄電池A121の電圧Vaが次第に上昇し、電圧Vaがメインブーストの電圧Vmに到達した場合、切換部190は、スイッチ部141のスイッチSW3の接点bと接点cとを導通にして(接点aと接点cとは非導通にして)、昇圧コンバータ130を介して蓄電池A121に給電を行う。
その後は、蓄電システム101と同様にして、蓄電池A121の電圧が外部負荷装置200を駆動可能な電圧VL(VL>Vm)に到達した場合に、外部負荷装置200に給電を開始し、蓄電池A121の電圧が電圧V1(V1>VL>Vm)に到達した場合に、蓄電池A121から蓄電池B122への給電を開始する。
【0070】
このように、蓄電システム103では、充電開始時において、最初に、容量の小さな蓄電池A121のみを優先して給電するようにし、さらに、蓄電池A121の電圧Vaがメインブーストの電圧Vmよりも低い間に、昇圧コンバータ130を介することなく、太陽電池110から蓄電池A121に直接給電を行う。これにより、蓄電システム103では、容量の小さな蓄電池A121を選択して給電できるとともに、昇圧コンバータにおける昇圧時の変換ロスに影響されることなく蓄電池A121に給電できる。このため、蓄電池A121の電圧Vaを早く立ち上げることができる。
【0071】
以上、本発明について説明したが、本発明の蓄電システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【解決手段】切換部190は、蓄電池123の電圧がメインブーストの電圧Vm以下の場合に、太陽電池110から蓄電池123へ直接給電を行うようにスイッチ部141を制御し、蓄電池123の電圧がメインブーストの電圧Vmを超えている場合に、太陽電池110から昇圧コンバータ130を介して蓄電池123へ給電を行うようにスイッチ部141を制御する。