特許第5668160号(P5668160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5668160
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/77 20110101AFI20150122BHJP
   G03B 17/14 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   H01R12/77
   G03B17/14
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-83628(P2014-83628)
(22)【出願日】2014年4月15日
【審査請求日】2014年4月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100115613
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寧司
(72)【発明者】
【氏名】小黒 純
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−297471(JP,A)
【文献】 特開2003−017170(JP,A)
【文献】 特開2013−182664(JP,A)
【文献】 実開昭62−140528(JP,U)
【文献】 特開2009−288336(JP,A)
【文献】 特開昭58−063929(JP,A)
【文献】 特開2013−003389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/77
G03B 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングとハウジングに備える端子とを有し、
端子が、ハウジングの外部にある第1の接続対象物との接触によりハウジングの内部に向けて変位する第1の接点部と、第1の接点部から伸長する弾性片部とを有するコネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記端子全体が移動可能に配置される収容部を備えており、
前記弾性片部
第1の接点部の前記変位の支点となる支点部と、
ハウジングの前期収容部の内部で、第1の接点部の変位により支点部を支点として第2の接続対象物に付勢されて押圧接触し導通接続する第2の接点部と、を有しており、
前記ハウジングは、当該第1の接点部を挿通する接点挿通孔を有しており、
前記第1の接点部は該接点挿通孔から突出しており、
前記第1の接点部と前記接点挿通孔との間には第1の接点部の孔縁方向への移動を許容する可動間隙を有しており、前記第1の接点部が前記可動間隙の範囲で移動することで端子全体が移動可能であることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
ハウジングとハウジングに備える端子とを有し、
端子が、ハウジングの外部にある第1の接続対象物との接触によりハウジングの内部に向けて変位する第1の接点部と、第1の接点部から伸長する弾性片部とを有するコネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記端子全体が移動可能に配置される収容部を備えており、
前記弾性片部は、平板状でなり
第1の接点部の前記変位の支点となる支点部と、
ハウジングの前期収容部の内部で、第1の接点部の変位により支点部を支点として第2の接続対象物に付勢されて押圧接触し導通接続する第2の接点部と、を有しており、
前記収容部は、前記弾性片部と第2の接続対象物とを重ね合わせた厚みに相当する高さで形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
弾性片部が前記収容部の内部で弾性片部の板面方向に移動可能に保持される請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
第1の接点部が、接点突起部として形成される請求項1〜請求項3何れか1項記載のコネクタ。
【請求項5】
ハウジングが複数の端子を並列に配置して備えており、
接点挿通孔は、複数の端子を並列に配置する端子のピッチ方向よりも当該ピッチ方向に対する交差方向で孔幅が大きい形状である請求項1〜請求項4何れか1項記載のコネクタ。
【請求項6】
ハウジングが湾曲形状であり、
端子がハウジングの湾曲方向に並列に配置されている請求項1〜請求項5何れか1項記載のコネクタ。
【請求項7】
ハウジングは、少なくとも第1の板状部材と第2の板状部材とを重ね合わせ、それらの板状部材の間に前記収容部を形成するものであり、
第1の板状部材又は第2の板状部材の何れかには、第1の接続対象物と接触し変位する第1の接点部の変位を許容する開口部を有する請求項1〜請求項6何れか1項記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の装置、部品を組み立てて使用する電気機器には、それぞれの装置、部品に備えられたFPC(Flexible printed circuits)等の導体どうしを接続する種々のコネクタが使用されている。
そうしたコネクタの一例として、デジタルカメラにおいて自動焦点検出装置を有するカメラボディと、交換レンズとを電気的に接続するコネクタが知られている(例として特許文献1)。
【0003】
このコネクタは板ばね状の端子を有しており、その端子は交換レンズの円筒状のハウジングの厚み内に設けられた端子収容部に配置されている。即ち端子は、一端側がハウジングに対して不動状態で固定されており、そこから伸長する片持ち梁状の自由端側に接点部が設けられ、その接点部が接続対象物となるカメラボディのレンズ接続部に設けられた接点部材と接続するようになっている。
【0004】
接点部は、ハウジングに設けた端子挿通孔から外向きに突出しており、そこにカメラボディのレンズ接続部の接点部材が接触すると、ハウジングに対する固定箇所を支点として変位して押圧接触した状態で導通接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭58−063929
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のように装置、機器、部品どうし(以下、簡略して「装置間」という。)を機械的及び電気的に接続して用いる電気機器にあっては、装置間の機械的な接続を容易にするために遊びとして設けた僅かな隙間や経年使用で発生するガタが、電気的な接続にとっては接続不良の原因となってしまうという問題がある。即ち、電気的な接続を行う前述のコネクタでは、端子の一端側がハウジングに対して固定されており、したがって端子の接点位置は不動である。このため隙間やガタによってカメラボディと交換レンズが正規の機械的な接続状態から僅かに位置ずれするだけで、カメラボディのレンズ接続部の接点部材と交換レンズの端子との正規の接点位置にもずれが生じて正しい電気的な接続が得られなくなるおそれがある。
これと同様の不具合はカメラの使用時、携行時などに振動や衝撃を受けたときにも起こりうる。即ち、振動や衝撃によってカメラボディと交換レンズとの機械的な接続状態に僅かなずれが生じてしまい、正規の接点位置がずれてしまうという不具合である。
【0007】
本発明は以上のような従来技術を背景になされたものであり、その目的は機械的に接続する装置間に位置ずれが起きても電気的な導通接続を確実に維持することができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は以下のように構成される。
即ち本発明は、ハウジングとハウジングに備える端子とを有し、端子が、ハウジングの外部にある第1の接続対象物との接触によりハウジングの内部に向けて変位する第1の接点部と、第1の接点部から伸長する弾性片部とを有するコネクタについて、弾性片部が、第1の接点部の前記変位の支点となる支点部と、ハウジングの内部で、第1の接点部の変位により支点部を支点として第2の接続対象物に付勢されて押圧接触し導通接続する第2の接点部と、を有することを特徴とするコネクタを提供する。
【0009】
本発明によれば、第1の接点部を力点、第2の接点部を作用点、支点部を支点とする梃子の原理が働き、第1の接続対象物と接触した第1の接点部が支点部を支点として変位することにより、弾性片部にばね力を発生させつつ第2の接点部を第2の接続対象物に対してしっかりと押圧接触させることができる。よって、第1の接触部と第2の接触部における確実な導通接触が可能となり、接続信頼性の高いコネクタ接続を実現することができる。
【0010】
本発明については弾性片部を平板形状とすることができる。
弾性片部を平板形状とする本発明によれば、端子とコネクタを薄型化することができる。したがってコネクタを備える装置、機器、部品を小型化することが可能である。
【0011】
本発明のハウジングは端子を移動可能に配置する収容部を備える。
端子がハウジングに固定されているコネクタでは、前述のように機械的な接続のために設けた装置間の隙間や経年で生じるガタが電気的な接続にとっては接続不良の原因となってしまうおそれがある。
これに対して本発明では、ハウジングが端子を移動可能に配置する収容部を備える。したがって隙間やガタ、さらに振動や衝撃により正規の接点位置にずれが生じても、第1の接続対象物が位置ずれする際にコネクタの内部で端子が移動可能とすることで電気的な導通接続を確実に維持することができる。また、コネクタに第1の接続対象物を嵌合接続する際に、第1の接続対象物によって押されても端子は移動可能であるため、第1の接続対象物とコネクタとの嵌合状態に応じて適切な導通接続を実現することができる。
そして、端子を移動可能とする前記本発明は、より具体的には、ハウジングが弾性片部の収容部を有しており、弾性片部が収容部の内部で弾性片部の板面方向に移動可能に保持されるものとして構成することが可能である。
【0012】
本発明は、第1の接点部が、接点突起部として形成されており、ハウジングが、当該接点突起部を挿通する接点挿通孔を有しており、接点突起部と接点挿通孔との間には、接点突起部の孔縁方向への移動を許容する可動間隙を有するものとして構成できる。
本発明によれば、第1の接点部を接続信頼性の高い突起状の接点突起部として形成することができ、接点挿通孔の内部で移動させることができる。
【0013】
本発明は、ハウジングが複数の端子を並列に配置して備えており、接点挿通孔は、複数の端子を並列に配置する端子のピッチ方向よりも当該ピッチ方向に対する交差方向で孔幅が大きい形状であるものとして構成できる。
こうすることで、複数の端子を備える場合であっても、可動間隙を確保しつつ狭ピッチで端子を並列に配置することができる。したがって、コネクタを端子の配列方向で小型化することができる。
【0014】
本発明は、ハウジングが湾曲形状であり、端子がハウジングの湾曲方向に並列に配置されているものとして構成できる。
本発明によればハウジングが湾曲形状であるコネクタを実現することができる。したがって、例えば前述したカメラボディのレンズ接続部や交換レンズのハウジングのように湾曲形状の電気機器のハウジングに備えるコネクタとすることが可能である。
【0015】
本発明は、ハウジングが少なくとも第1の板状部材と第2の板状部材とを重ね合わせ、それらの板状部材の間に前記収容部を形成するものであり、第1の板状部材又は第2の板状部材の何れかには、第1の接続対象物と接触し変位する第1の接点部の変位を許容する開口部を有するものとして構成できる。
これによれば、開口部によって変位する第1の接点部とハウジングとが干渉しないので、ハウジングが薄型のコネクタを実現することが可能であり、したがって電気機器の小型化に貢献することができる。この場合には、変位する第1の接点部がハウジングの開口部の板厚を通過して外部に突出しないものとして構成することができる。これによれば変位した第1の接点部がコネクタの外部に突出しないので、端子が他の周辺部材等と干渉することがない。
【発明の効果】
【0016】
本発明のコネクタによれば、装置間の機械的な接続のために設けた僅かな隙間や経年で生じるガタによって、また振動や衝撃が生じることによって、正規の接点位置がずれても、確実な導通接続を維持することができるので、機械的な接続と電気的な接続とを両立することが可能である。よって装置、機器、部品どうしを接続して使用する電気機器の動作安定性に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態のコネクタを上側から見た斜視図。
図2図1のコネクタを下側から見た斜視図。
図3図1のコネクタを示す正面図。
図4図1のコネクタを示す背面図。
図5図1のコネクタを示す平面図。
図6図1のコネクタを示す底面図。
図7図1のコネクタを示す左側面図。
図8図1の端子を示す斜視図。
図9図1のハウジングの分解図。
図10図1のコネクタの矢示SA−SA断面図。
図11図10のコネクタに接続対象物が接続している状態を示す動作説明図。
図12】第2実施形態のコネクタを上側から斜視図。
図13図12のコネクタを下側から見た斜視図。
図14図12のコネクタを示す正面図。
図15図12のコネクタを示す背面図。
図16図12のコネクタを示す平面図。
図17図12のコネクタを示す底面図。
図18図12のコネクタを示す左側面図。
図19図12の端子を示す斜視図。
図20図12のコネクタの矢示SB−SB断面図。
図21図20のコネクタに接続対象物が接続している状態を示す動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の各実施形態で共通する構成については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0019】
本明細書、特許請求の範囲、図面では、図1図21で示すコネクタ1、10の長手方向に沿う幅方向をX方向、短手方向に沿う前後方向をY方向、コネクタ1、10の高さ方向をZ方向とし、高さ方向Zにおけるコネクタ1、10の平面側を「上側」、コネクタ1の底面側を「下側」として説明する。なお、上下、左右、前後の方向の説明は本発明のコネクタの実装方向、使用方向を限定するものではない。
【0020】
第1実施形態〔図1図11〕:
本実施形態のコネクタ1は、例えば図示しないデジタルカメラのレンズに設けられ、図11で示すように「第1の接続対象物」としてのカメラボディのレンズ接続部3の接点部と導通接続するために使用される。
【0021】
本実施形態のコネクタ1は、ハウジング4とハウジング4に備える複数の端子5とを備える。
【0022】
〔ハウジング〕
ハウジング4は、図1図7図9図11で示すように、「第1の板状部材」としての上側プレート6と「第2の板状部材」としての下側プレート7とを備え、これらを重ねて相互に固定した状態で、端子5の弾性片部5aを収容する複数の収容部4aがプレート間に形成される。プレート6、7はそれぞれ略矩形で板状の樹脂でなり、円弧状に湾曲して形成されている。この形状は、接続対象となるカメラボディのレンズ接続部3の形状に沿って形成される。
【0023】
上側プレート6は、レンズ接続部3への装着部6aと、端子5の接点突起部5bを挿通する接点挿通孔6bと、隣接する収容部4aを分ける隔壁部6cとを有する。装着部6aは円弧状に湾曲する上側プレート6の外側面に形成され、隔壁部6cは、装着部6aとは反対の内側面6dに形成されている。
【0024】
接点挿通孔6bは、上側プレート6の長手方向Xに沿う縁と隣接して複数並列に配置され、ハウジング4の収容部4aの内部と外部とを連通する。この接点挿通孔6bからは後述する端子5の接点突起部5bが収容部4aの内部から外部に突出している。
端子5の接点突起部5bと接点挿通孔6bとの間には、接点突起部5bを接点挿通孔6bの孔幅方向(長手方向X及び短手方向Y)で移動可能とする可動間隙6b1が形成されている。この接点挿通孔6bは、図5で示すように、端子5のピッチ方向(長手方向X)で狭く、ピッチ方向の交差方向(短手方向Y)で広い略楕円形状に形成されている。したがって、端子5はX方向に沿う可動間隙の長さL1と、Y方向に沿う可動間隙の長さL2の分、接点挿通孔6bの内側を移動可能である。可動間隙6b1は、X方向に沿う長さL1よりも、Y方向に沿う長さL2の方が長く形成されており、可動域が大きくなっている。また、上側プレート6の内側面6dには、後述する下側プレート7に設けた取付部7aを嵌め入れて固定する固定部6d1が形成されている。
【0025】
下側プレート7は、上側プレート6の内側面6dと対向して設けられる。また、下側プレート7は、短手方向Yで上側プレート6の略半分ほどの大きさに形成される。下側プレート7の、長手方向Xにおける両端側からは、短手方向Yに沿って突出する取付部7aが形成されている。この取付部7aは、後述のように、下側プレート7を上側プレート6に固定する際に用いられる。
【0026】
ハウジング4には上側プレート6と下側プレート7との間にFPC2の導入口4cが形成されている。FPC2は下側プレート7に接着剤等の固定手段によって予め固定されており、端子5をハウジング4に配置した状態で端子5とFPC2とは既に接触するようにされている。
【0027】
〔端子〕
端子5は導電性金属片で形成される。各端子5は、図1図8図10図11で示すように、「第1の接続対象物」としてのカメラボディのレンズ接続部3の接点部(図示略)と導通接触する「第1の接点部」としての接点突起部5bと、接点突起部5bから伸長しハウジング4の内部で「第2の接続対象物」としてのFPC2と導通接触する「第2の接点部」としての内部接点部5cを有する弾性片部5aとを有する。弾性片部5aの自由端側となる端部5dは「支点部」として機能する。
【0028】
接点突起部5bは、弾性片部5aの一端側に設けられ、先端側が山形状でなる中空の略円柱状に形成される。そして、前記山形部分の頂部には、接続部3と導通接触する接点部5b1が形成される。
内部接点部5cは、弾性片部5aにおいて、接点突起部5bが設けられる側とは反対の端部5d側に形成される。即ち、内部接点部5cが弾性片部5aの長手中心よりも端部5d側にあるため、後述する梃子の原理により内部接点部5cに大きな接圧を発生することができる。また内部接点部5cは、端子5を折り曲げて、接点突起部5bが突出する側とは反対側に断面V字状に突出するように形成される。
内部接点部5cは、接点突起部5bよりも幅広として剛性を高めている。端子5が梃子の原理で大きなばね力を発揮し、内部接点部5cにはFPC2との接触時に大きな応力が掛かるため、幅広とし剛性を高めることで折り曲げた内部接点部5cが潰れてしまい接触力が低下しないようにしている。
【0029】
弾性片部5aは、接点突起部5bの側に向けて先細りとなるように形成される。これにより、接点突起部5bが接続部3の側から押圧接触された場合に、弾性片部5aにおける接点突起部5bの側のばね弾性を高めて変位における柔軟性を高めるようにしている。弾性片部5aは、ハウジング4の収容部4aの内部で移動可能な可動片として設けられている。
弾性片部5aは、全長にわたって平板状に形成されている。こうすることで、例えば弾性片部5aにU字状に折返す屈曲部を設けるような端子構造とするよりも、コネクタ1を高さ方向Zで小型化(薄型化)することができる。
【0030】
以上のような端子5は、ハウジング4に対する固定箇所がなく、ハウジング4に配置された状態で変位方向(Z方向)のみならず、変位方向と交差する弾性片部5aの板面方向(X−Y平面方向)で移動可能として保持されているが、内部接点部5cが収容部4aの内部でFPC2の接点部と軽く押圧接触した状態とされている。したがって、コネクタ1を振ると端子5がハウジング4の内部で暴れて音なりが生じてしまうような不都合はない。
【0031】
〔コネクタ1の組立方法の説明〕
コネクタ1を組み立てるには、まず上側プレート6の隔壁部6cの間に端子5を一つずつ配列する。その後、図4で示すように、下側プレート7の取付部7aを上側プレート6の固定部6d1に嵌め込んで、そのまま下側プレート7を上側プレート6に重ね合わせるようにして最後にねじ留め(図示略)をする。これにより、下側プレート7が上側プレート6から外れることなく確実に固定することができる。
【0032】
下側プレート7は、上側プレート6において接点挿通孔6bが形成されている側とは反対側の縁と面一になるように重ねて取り付ける。この状態で、両プレート6、7の間には端子5の収容部4aが形成される。また、下側プレート7は、上述のとおり、短手方向Yで上側プレート6よりも短く形成されているため、下側プレート7が上側プレート6に積層されていない部分には収容部4aと外部とを連通する開口部4bが形成されており、この開口部4bの内部には端子5の先端側が露出している。
【0033】
〔コネクタ1の使用方法の説明と作用・効果〕
カメラボディに交換レンズを装着する際には、カメラボディの円環状のレンズ接続部3の内側に、円筒状の交換レンズにおけるコネクタ1を短手方向Yに沿って差し込ませるようにする。したがって、接点突起部5bは、その先端側の側面がレンズ接続部3の先端側に対して突き当たるように接触することがあるものの、接点突起部5bの先端側の側面は湾曲しているので、引っ掛かることなるスムーズに差し込むことができる。この差し込みによってレンズ接続部3の接点部が接点突起部5bを矢示C方向に押圧接触する。
【0034】
接点突起部5bがその押圧接触によりハウジング4の内部に向けて変位すると、その接点突起部5bを力点、内部接点部5cを作用点、端部5dを支点とする梃子の原理が働く。即ち、接点突起部5bの変位により、端部5dがハウジング4の収容部4aの内壁に対して押し付けられ、弾性片部5aが全体として撓んでばね力を発生させつつ、内部接点部5cはニッケルなどのメッキが施されているFPC2の接点部に対してしっかりと押圧接触することになる。こうして接点突起部5bと内部接点部5cにおける確実な電気的な接続が達成される。したがって、カメラボディと交換レンズとの間に、隙間、ガタ、振動や衝撃などによる僅かな位置ずれが生じても、接点接続は維持されて、接続信頼性の高いコネクタ接続を実現することができる。
【0035】
端子5の弾性片部5aはハウジング4に対して固定されておらず、収容部4aの内側で移動可能な可動片とされている。それにより端子5全体がハウジング4に対して移動可能となるため、接点突起部5bはレンズ接続部3との接触方向(高さ方向Z)だけでなく、その交差方向(長手方向X及び短手方向Y)にも移動することができる。したがって、接点突起部5bは、接続部3と接続している状態でカメラボディが振動したり、ハウジング4に対して移動した場合には、上記のように接続部3との接触方向(高さ方向Z)に変位するだけではなく、接点突起部5bが可動間隙6b1を移動してカメラボディのレンズ接続部3の変位に追従し、接続状態を維持することができる。
【0036】
また、上記のようにレンズ接続部3が接点突起部5bに対して押圧接触すると、弾性片部5aの先端側である接点突起部5bの側はレンズ接続部3から離れる方向に変位する。その際、ハウジング4には開口部4bがあるため、端子5はハウジング4と干渉せずに変位することが可能である。よって、例えば端子5の変位を許容する閉空間を設けるために収容部4aを高さ方向Zで大きく形成する必要が無いため、ハウジング4を小型化することができる。
【0037】
ハウジング4の小型化という点では、弾性片部5aが平板形状でありハウジング4を薄型化できることが小型化に繋がっている。また、収容部4aにおける弾性片部5aの収容部分は、内部接点部5cを含む弾性片部5aの厚みとFPC2の厚みとを加えた高さで形成されていることも、ハウジング4の薄型化とコネクタ1の小型化に貢献している。
【0038】
第2実施形態〔図12図21〕:
第2実施形態のコネクタ10は、電気機器D用の充電器に備えられるものであり、図12〜21で示すように、「第1の接続対象物」としての電気機器Dの充電端子9を充電器の回路に接続するコネクタ10である。
【0039】
〔ハウジング〕
ハウジング11は、図12〜18、図20図21で示すように、上側カバー12と下側カバー13とを組み合わせた扁平な箱状に形成されており、その内部には端子14の弾性片部14aを収容する複数の収容部11aが形成されている。各カバー12、13はそれぞれ硬質樹脂製のものである。
【0040】
上側カバー12は矩形状の上面部11bと、その隣接する3辺に形成される側面部11cとを有する。下側カバー13は略矩形の平板形状でなる。
【0041】
上側カバー12は充電端子9との接続面12aと、端子14の接点突起部14bを挿通する接点挿通孔12bと、各収容部11aを分ける隔壁部12cとを有する。隔壁部12cは、接続面12aとは反対の内側面12dに複数形成されている。
【0042】
接点挿通孔12bは、上側カバー12において上面部11bの長手方向Xに沿う縁沿いに複数形成される。本実施形態のコネクタ10では3つの接点挿通孔12bを設けている。この接点挿通孔12bからは端子14の接点突起部14bが収容部11aの内部から外部に向けて突出している。また、コネクタ10の接点挿通孔12bは、端子14のピッチ方向(長手方向X)で狭く、ピッチ方向の交差方向(短手方向Y)で広い略矩形状に形成されている。
【0043】
上側カバー12の側面部11cの内側には、下側カバー13を差し込んで固定するための固定溝12d1が設けられている。
【0044】
下側カバー13は、固定溝12d1に固定された状態で、短手方向Yでは上側カバー12の上面部11bの略半分ほどの大きさに形成され、それによりハウジング11の底面には開口部11dが形成される。
【0045】
〔端子〕
端子14の接点突起部14bは、第1実施形態のコネクタ1の端子14とは異なり、図19で示すように平板状の金属板をU字状に折り曲げることで形成される。また、接点突起部14bの頂部中央には、細長い貫通孔14b2が設けられており、この貫通孔14b2を挟んだ両側に細板状の接点部14b1が一対形成されている。このように、貫通孔14b2を設けて各接点部14b1の板幅を細くすることで、接点部14b1と充電端子9との接触面積を減らして、接点部14b1からバッテリーの接続部9に掛かる荷重を増やし、これらを確実に導通接続させている。
【0046】
〔コネクタ10の組立方法の説明〕
コネクタ10の組立方法としては、まず上側カバー12の隔壁部12cの間に端子14をひとつずつ配列する。その後、図15で示すように、下側カバー13の短手方向Yに沿う端部を、上側カバー12の固定溝12d1にスライドさせて挿入する。
【0047】
両カバー12,13の間には端子14の収容部11aが形成される。また、下側カバー13は、上述のとおり短手方向Yで短く形成されているため、収容部11aと外部とを連通する開口部11dが形成される。そして、この開口部11dからは端子14の先端側が外部に露出する。
【0048】
〔コネクタ10の使用方法の説明と作用・効果〕
図示しない電気機器Dを充電器に設置すると、図20から図21で示すように、電気機器Dの充電端子9が接点突起部14bと押圧接触して開口部11dに向けて変位する。これによって、接点突起部14bを力点、内部接点部14cを作用点、端部14dを支点とする梃子の原理が働く。即ち、端部14dが上側カバー12の内側面に対して押し付けられ、弾性片部14aが全体として撓んでばね力を発生させつつ、内部接点部14cはニッケルなどのメッキが施されているFPC8の接点部に対してしっかりと押圧接触することになる。こうして接点突起部14bと内部接点部14cにおける確実な電気的な接続が達成される。したがって、電気機器Dと充電器との間に、隙間、ガタ、振動や衝撃などによる僅かな位置ずれが生じても、接点接続は維持されて、接続信頼性の高いコネクタ接続を実現することができる。また、端子14が移動可能である構成とその作用・効果については第1実施形態のコネクタ1、端子5と同じである。さらにハウジング11の薄型化とコネクタ10の小型化に貢献できる点も第1実施形態のコネクタ1、端子5と同じである。
【0049】
第1実施形態ではカメラボディと交換レンズとを電気的に接続するコネクタ1を、第2実施形態では電気機器Dとその充電器とを電気的に接続するコネクタ10を例示したが、その他の装置、機器、部品どうしを接続するコネクタとして構成することは勿論可能である。
また、以上の実施形態では「第2の接続対象物」としてFPC2,8を例示したが、硬質の回路基板や他のコネクタの端子のように、電気的に接続する対象物となるものであれば、それに応じて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 コネクタ(第1実施形態)
2 レンズのFPC(第2の接続対象物)
3 カメラボディのレンズ接続部(第1の接続対象物)
4 ハウジング(第1実施形態)
4a 収容部
4b 開口部
4c 導入口
5 端子(第1実施形態)
5a 弾性片部
5b 接点突起部(第1の接点部)
5b1 接点部
5c 内部接点部(第2の接点部)
5d 端部(支点部)
6 上側プレート(第1の板状部材)
6a 装着部
6b 接点挿通孔
6b1 可動間隙
6c 隔壁部
6d 内側面
6d1 固定部
7 下側プレート(第2の板状部材)
7a 取付部
8 充電器のFPC(第2の接続対象物)
9 電気機器の充電端子(第1の接続対象物)
10 コネクタ(第2実施形態)
11 ハウジング(第2実施形態)
11a 収容部
11b 上面部
11c 側面部
11d 開口部
12 上側カバー(第1の板状部材)
12a 接続面
12b 接点挿通孔
12c 隔壁部
12d 内側面
12d1 固定溝
13 下側カバー(第2の板状部材)
14 端子(第2実施形態)
14a 弾性片部
14b 接点突起部(第1の接点部)
14b1 接点部
14b2 貫通孔
14c 内部接点部(第2の接点部)
14d 端部(支点部)
L1 可動間隙のX方向に沿う長さ
L2 可動間隙のY方向に沿う長さ
D 電気機器
【要約】      (修正有)
【課題】機械的に接続する装置間に位置ずれが起きても電気的な導通接続を確実に維持することができる、接続信頼性の高いコネクタの提供。
【解決手段】端子の弾性片部5aに、接点突起部5bの変位の支点となる端部5dと、ハウジング4の内部で、接点突起部5bの変位により端部5dを支点としてレンズのFPC2に付勢されて押圧接触し導通接続する内部接点部5cと、を設けることとした。こうすることで、接点突起部5bがカメラボディのレンズ接続部3に押圧された際に、内部接点部5cが梃子の原理によってレンズのFPC2に対してしっかりと押圧接触し、接点突起部5bと内部接点部5cにおける確実な導通接触が可能となる。
【選択図】図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21