(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重要な情報を画面に表示する技術の一つとして、主表示領域と重ねて別の情報を含む副表示領域(フローティングウィンドウなど)を表示する手法がある。このような手法によれば、例えばウェブページ内に含まれる重要な表示要素が主表示領域外にスクロールアウトしてしまった場合に、このスクロールアウトした表示要素を含んだ副表示領域を表示することで、重要な情報を画面に表示することができる。しかしながら、重要な表示要素がウェブページ内に複数個存在する場合、これらの表示要素が全てスクロールアウトした後に副表示領域を表示させることとすると、重要な表示要素の一部が主表示領域からスクロールアウトし、かつ、副表示領域にも表示されない状態が生じることがある。一方で、重要な表示要素の一部がスクロールアウトした時点で副表示領域を表示させることとすると、同じ表示要素が主表示領域と副表示領域の双方に重複して表示されてしまう。
【0005】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであって、その目的の一つは、ウェブページに含まれる表示要素の閲覧が妨げられる状態を回避しやすくすることのできる情報処理装置、その制御方法、その制御プログラム、及びサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、ウェブページの内容を表す主表示領域を表示装置の画面に表示する情報処理装置であって、複数の注目表示要素を含み、所定のスクロール方向に沿ってスクロール可能なウェブページが前記主表示領域に表示されている場合において、前記複数の注目表示要素のうち、前記ウェブページが前記スクロール方向に沿ってスクロールすることにより前記主表示領域に入退出する注目表示要素を特定する要素特定手段と、前記特定される注目表示要素の前記主表示領域の入退出に応じて前記主表示領域と重なる位置に表示される副表示領域の表示対象として当該注目表示要素を含めるか否かを決定する表示制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、ウェブページの内容を表す主表示領域を表示装置の画面に表示する情報処理装置の制御方法であって、複数の注目表示要素を含み、所定のスクロール方向に沿ってスクロール可能なウェブページが前記主表示領域に表示されている場合において、前記複数の注目表示要素のうち、前記ウェブページが前記スクロール方向に沿ってスクロールすることにより前記主表示領域に入退出する注目表示要素を特定するステップと、前記特定される注目表示要素の前記主表示領域の入退出に応じて前記主表示領域と重なる位置に表示される副表示領域の表示対象として当該注目表示要素を含めるか否かを決定するステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、ウェブページの内容を表す主表示領域を表示装置の画面に表示する情報処理装置を制御するためのプログラムであって、複数の注目表示要素を含み、所定のスクロール方向に沿ってスクロール可能なウェブページが前記主表示領域に表示されている場合において、前記複数の注目表示要素のうち、前記ウェブページが前記スクロール方向に沿ってスクロールすることにより前記主表示領域に入退出する注目表示要素を特定する要素特定手段、及び、前記特定される注目表示要素の前記主表示領域の入退出に応じて前記主表示領域と重なる位置に表示される副表示領域の表示対象として当該注目表示要素を含めるか否かを決定する表示制御手段、として前記情報処理装置を機能させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されてよい。
【0009】
また、本発明に係るサーバ装置は、クライアント装置と接続可能なサーバ装置であって、複数の注目表示要素を含むウェブページのデータと、副表示領域の表示制御に用いられる制御プログラムとを含む配信データを記憶する配信データ記憶手段と、前記クライアント装置からの要求に応じて、前記配信データを前記クライアント装置に送信するデータ送信手段と、を備え、前記制御プログラムは、所定のスクロール方向に沿ってスクロール可能な態様で前記ウェブページが主表示領域に表示されている場合において、前記複数の注目表示要素のうち、前記ウェブページが前記スクロール方向に沿ってスクロールすることにより前記主表示領域に入退出する注目表示要素を特定するステップと、前記特定される注目表示要素の前記主表示領域の入退出に応じて前記主表示領域と重なる位置に表示される副表示領域の表示対象として当該注目表示要素を含めるか否かを決定するステップと、を前記クライアント装置に実行させることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0012】
図1は、サービス提供システム1の全体構成を示す図である。同図に示すように、サービス提供システム1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置であるクライアント装置2と、サービス提供者が用意するサーバ装置3と、を含んで構成されている。クライアント装置2は、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレットなどであって、
図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を含んで構成されている。また、表示装置14、及び操作入力装置15と接続されている。
【0013】
制御部11は、CPU等であって、記憶部12に格納されたプログラムに従って各種の情報処理を行う。記憶部12は、RAM等のメモリ素子を含んで構成され、制御部11が実行するプログラム、及び当該プログラムが処理対象とするデータを記憶する。特に本実施形態において、記憶部12はウェブブラウザプログラムを記憶するとともに、サーバ装置3からダウンロードしたHTMLデータなどのデータを一時的に記憶する。
【0014】
通信部13は、LANカード等の通信インタフェースであって、クライアント装置2は通信部13を介してサーバ装置3から各種のデータをダウンロードする。クライアント装置2とサーバ装置3は、インターネット等の各種の通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0015】
表示装置14は、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどであって、クライアント装置2から送信される映像信号に従って各種の情報を表示する画面Sを備えている。操作入力装置15は、例えばキーボードやマウス、タッチパネルなどであって、クライアント装置2のユーザーが入力する各種の操作を受け付けて、その操作内容を示す情報をクライアント装置2に対して出力する。なお、表示装置14及び操作入力装置15はクライアント装置2本体と分離した独立の装置であってもよいし、クライアント装置2と一体に構成されてもよい。
【0016】
クライアント装置2の制御部11は、記憶部12に記憶されているウェブブラウザプログラムを実行することにより、サーバ装置3からダウンロードしたHTMLデータに基づいてウェブページPを生成し、その内容を表示する。特に本実施形態においてクライアント装置2は、表示装置14の画面Sの一部又は全部を占める主表示領域内にウェブページPの内容を表示するとともに、画面S上にこの主表示領域と重なるように主表示領域より小さな副表示領域を表示する。以下では説明の便宜のために、主表示領域及び副表示領域を、それぞれメインウィンドウMW及びサブウィンドウSWと表記する。メインウィンドウMWは、ウェブページP本体が表示される対象となる表示領域である。また、サブウィンドウSWは、例えばフローティングウィンドウなどであって、メインウィンドウMWの前面に配置されるメインウィンドウMWより小さな表示領域である。
【0017】
クライアント装置2は、機能的に、
図2に示すように、ウェブページ表示制御部21と、要素特定部22と、サブウィンドウ表示制御部23と、を含んで構成される。これらの機能は、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。特にウェブページ表示制御部21は、ウェブブラウザプログラムにより実現される。また、要素特定部22及びサブウィンドウ表示制御部23は、ウェブブラウザプログラムがサーバ装置3からダウンロードした制御プログラムを解釈、実行することにより実現される。この制御プログラムは、例えばJavaScript(登録商標)などのスクリプトによって記述されてよい。このスクリプトは、HTMLデータ内に埋め込まれてクライアント装置2に提供されてもよいし、HTMLデータとは別のスクリプトファイルに格納されてクライアント装置2に提供されてもよい。
【0018】
ウェブページ表示制御部21は、サーバ装置3からダウンロードしたHTMLデータを解釈してウェブページPを生成し、生成したウェブページPをメインウィンドウMWに表示する。このようなウェブページ生成の処理は、ウェブブラウザプログラムに含まれる公知のレンダリングエンジンによって実現される。ウェブページPは、HTMLデータによって規定される複数の表示要素Eを含んで構成されており、ウェブページ表示制御部21は、これらの表示要素EをウェブページP内に配置することによって、ウェブページPを生成する。本実施形態において表示要素Eは、ウェブページPに含まれるコンテンツの内容を表し、実際に画面S上に表示される要素をさす。具体的には、例えばHTMLデータ内において段落タグで囲まれた文章の塊や、表題、画像、表などである。表示要素Eは、HTMLタグのうち、インライン要素ではなくブロックレベル要素を規定するタグによって囲まれるコンテンツを表す要素であってよい。
【0019】
本実施形態においてメインウィンドウMWに表示されるウェブページPは、その所定のスクロール方向(以下、Y方向という)に沿った長さがメインウィンドウMWの長さを超えており、このスクロール方向に沿ってスクロール可能であるものとする。また、ここではY方向は、メインウィンドウMWの縦方向と一致するものとする。一般的に、ウェブページPの横方向の幅はメインウィンドウMWの横方向の幅に合わせて固定される。そして、ウェブページPに含まれるコンテンツの内容が多いためにその全てがメインウィンドウMW内に収まりきらない場合、ウェブページPのサイズは縦方向(Y方向)に延伸することになる。
【0020】
ウェブページ表示制御部21は、ユーザーの操作入力装置15に対する操作入力に応じて、メインウィンドウMWに表示されているウェブページPをY方向に沿ってスクロールさせる制御を行う。これによりユーザーは、Y方向の長さがメインウィンドウMWの縦方向の長さよりも長いウェブページPの任意の箇所をメインウィンドウMW内に表示させることができる。なお、ウェブページ表示制御部21は、ユーザーの直接の指示によらずに、時間とともに自動的にウェブページPをY方向に沿ってスクロールさせてもよい。
【0021】
ウェブページPに含まれる複数の表示要素Eのうち、特定の表示要素EはHTMLデータの作成者によって注目表示要素NEとして指定される。この注目表示要素NEは、ウェブページPのうち特に重要と考えられる情報を表す要素である。前述したようにウェブページPの全体はメインウィンドウMWに収まらないので、ユーザーがウェブページPをスクロールさせると、注目表示要素NEがメインウィンドウMW内からメインウィンドウMWの外にスクロールアウト(退出)して表示されなくなる場合がある。クライアント装置2は、後述するように、このような場合にも注目表示要素NEを画面S上に表示し続ける制御を実現する。本実施形態において注目表示要素NEはウェブページP内に複数含まれ、これら複数の注目表示要素NEはそのY方向に沿った配置位置が互いに異なっているものとする。注目表示要素NEは、例えばサービス提供者がユーザーへの告知を希望する広告等の情報や、現在サーバ装置3が提供するサービスにログインしているユーザーに関する情報など、各種の情報を表す表示要素であってよい。また、ウェブページPがECサイトのページである場合、商品情報や当該商品の最新の価格、最新の在庫数などを示す情報であってもよい。また、ユーザーによる操作対象となる各種のオブジェクト(商品の購入ボタンなど)であってもよい。
【0022】
図3は、ウェブページ表示制御部21によって生成されるウェブページPの一例を示す図である。一点鎖線の矩形は表示要素Eを表しており、このうち斜線のハッチが付されているものが注目表示要素NEである。
図3の例では、ウェブページPは5個の通常の表示要素E1〜E5と、3個の注目表示要素NE1〜NE3と、を含んでいる。また、図中の破線の矩形はウェブページPのうちメインウィンドウMWに表示される表示対象範囲Tを示しており、初期状態では図中の表示対象範囲Tに含まれるウェブページPの最上段の部分がメインウィンドウMWに表示されることになる。この表示対象範囲Tがユーザーの指示に応じて上下に移動することにより、ウェブページPはメインウィンドウMWの縦方向に沿ってスクロールする。なお、同図に示されるように、初期状態では全ての注目表示要素NEが表示対象範囲Tに含まれており、それゆえ全ての注目表示要素NEがメインウィンドウMW内に表示されることになる。
【0023】
要素特定部22は、ウェブページPに含まれる複数の注目表示要素NEのうち、ウェブページPがY方向に沿ってスクロールすることによりメインウィンドウMWに表示されなくなる一部の注目表示要素NEを特定する。具体的に、メインウィンドウMW内のウェブページPがユーザーの指示に応じてY方向に沿ってスクロールする場合に、要素特定部22はこのようなスクロールの発生を検知する。そして、このスクロール操作によってそれまでメインウィンドウMW内に表示されていた注目表示要素NEがメインウィンドウMWの外へスクロールアウトした場合に、スクロールアウトした注目表示要素NEがどれかを特定する。前述したように、複数の注目表示要素NEは、そのY方向に沿った配置位置が互いに異なっている。そのため、ウェブページPがメインウィンドウMW内をY方向に沿ってスクロールした場合、一部の注目表示要素NEだけがメインウィンドウMW外にスクロールアウトし、他の注目表示要素NEはメインウィンドウMW内に残った状態が生じることになる。このような場合に要素特定部22は、個々の注目表示要素NEに着目して、スクロールアウトしたのがいずれの注目表示要素NEなのかを特定する。
【0024】
サブウィンドウ表示制御部23は、要素特定部22によって特定された注目表示要素NEの内容を含んだサブウィンドウSWをメインウィンドウMWと重なる位置に表示させる。これによりクライアント装置2は、メインウィンドウMW外にスクロールアウトした注目表示要素NEを画面Sに表示し続けることができる。なお、サブウィンドウ表示制御部23は、メインウィンドウMWからスクロールアウトせずにその内部に表示され続けている注目表示要素NEの内容については、サブウィンドウSWに含まれないよう制御する。サブウィンドウSWに表示すべき注目表示要素NEの内容は、メインウィンドウMWに表示中のウェブページPを規定するHTMLデータから抽出されてもよいし、サブウィンドウSWを表示する際にあらためてサーバ装置3から取得したHTMLデータに基づいて新たに生成されてもよい。
【0025】
以下、サブウィンドウSWの表示内容、及び表示位置、並びにサブウィンドウSWが表示されるタイミングの具体例について、
図3に示したウェブページPを用いて説明する。
【0026】
図3の例では、Y方向に沿って3個の注目表示要素NE1〜NE3がこの順に並んで配置されている。このウェブページPを下方向に向かってスクロールさせた場合、表示対象範囲Tは下方に向かって移動し、その結果、注目表示要素NE1〜NE3はこの順にメインウィンドウMWからスクロールアウトすることになる。そこで、スクロールによって最初に注目表示要素NE1がメインウィンドウMWに表示されなくなると、その時点でサブウィンドウ表示制御部23は、注目表示要素NE1の内容だけを含んだサブウィンドウSWを表示する。
図4Aはこの場合の表示例を示している。
【0027】
この状態でさらに下方向へのスクロールが行われ、その結果注目表示要素NE2もメインウィンドウMWに表示されなくなると、サブウィンドウ表示制御部23は表示中のサブウィンドウSWに注目表示要素NE2の内容を追加する。
図4Bはこの時点での表示例を示している。その後、さらにスクロールが続けられ、注目表示要素NE3もメインウィンドウMWに表示されなくなると、その時点でサブウィンドウ表示制御部23は注目表示要素NE3の内容もサブウィンドウSWに追加する。こうして、ウェブページPに含まれている全ての注目表示要素NEを含んだサブウィンドウSWがメインウィンドウMWと重ねて表示されることになる。
図4Cはこの時点での表示例を示している。
【0028】
図4A〜
図4Cの例では、サブウィンドウ表示制御部23は、サブウィンドウSWに含まれる注目表示要素NEの数にかかわらず、各注目表示要素NEのX方向における表示位置が変化しないように、サブウィンドウSW内の各注目表示要素NEの配置位置を定めている。すなわち、注目表示要素NE1〜NE3のそれぞれについて、メインウィンドウMW内のどの位置に表示されるかが予め定められており、その位置は、サブウィンドウSWが注目表示要素NEをいくつ含んでいるかにかかわらず変化していない。このような制御によれば、たとえスクロールによってサブウィンドウSWに含まれる注目表示要素NEの数が動的に変化したとしても、ユーザーが特定の注目表示要素NEを見失わないようにすることができる。
【0029】
この
図4Cの状態においてこれまでと逆にウェブページPを上方向に向かってスクロールさせた場合、表示対象範囲Tは上方に向かって移動し、注目表示要素NE1〜NE3はスクロールアウトしたときと逆の順序でメインウィンドウMW内に再表示されることになる。このようにウェブページPのスクロールによってそれまで表示されていなかった注目表示要素NEがメインウィンドウMW内にスクロールイン(進入)して表示されるようになった場合、要素特定部22は、このスクロールインした注目表示要素NEを特定する。そして、サブウィンドウ表示制御部23は、特定された注目表示要素NEをサブウィンドウSWから削除する制御を行う。こうすれば、同じ注目表示要素NEがサブウィンドウSWとメインウィンドウMWの双方に重複して表示されてしまう状態を避けることができる。
【0030】
さらに要素特定部22は、ある注目表示要素NEがメインウィンドウMWからスクロールアウトしたと判定する際の注目表示要素NEの表示位置と、当該注目表示要素NEがメインウィンドウMW内に再びスクロールインしたと判定する際の注目表示要素NEの表示位置とを、変化させてもよい。具体的に、例えば要素特定部22は、注目表示要素NEの下端まで含めた全体がメインウィンドウMWからスクロールアウトしたタイミングで、この注目表示要素NEをサブウィンドウSWへの表示対象として特定する。逆に、この注目表示要素NEがスクロールインするときには、当該注目表示要素NEの上端まで含めた全体がメインウィンドウMW内にスクロールインしたタイミングで、この注目表示要素NEをサブウィンドウSWから削除する対象として特定する。このように注目表示要素NEのサブウィンドウSWへの追加タイミングとサブウィンドウSWからの削除タイミングを変化させることにより、注目表示要素NEのサブウィンドウSW内における表示/非表示が頻繁に切り替わらないようにすることができる。
【0031】
以上の説明においては、サブウィンドウSW内に表示される注目表示要素NEはウェブページPのスクロールに伴って変化したが、サブウィンドウSWの大きさ自体は固定であるものとしている。しかしながら、サブウィンドウ表示制御部23は、サブウィンドウSWに含まれる注目表示要素NEに合わせてサブウィンドウSWの大きさを変化させてもよい。
図5A及び
図5Bはこの場合の表示例を示しており、
図5Aが
図4Aと同様に注目表示要素NE1だけをサブウィンドウSWに含める場合の表示例を、
図5Bが
図4Bと同様に注目表示要素NE1及びNE2をサブウィンドウSWに含める場合の表示例を、それぞれ示している。このようにサブウィンドウSWの大きさをその中に含めるべき注目表示要素NEに応じて決定することにより、サブウィンドウSWによってメインウィンドウMWが隠されてしまう領域を減らすことができる。
【0032】
また、要素特定部22は、メインウィンドウMW内のウェブページPのスクロールによって注目表示要素NEが表示されなくなる場合だけでなく、サブウィンドウ表示制御部23がサブウィンドウSWを表示することにより、サブウィンドウSWに隠れて表示されなくなってしまう注目表示要素NEも、サブウィンドウSWに表示する対象として特定してもよい。例えば
図3に示したウェブページPにおいては、注目表示要素NE1と注目表示要素NE2との間に注目表示要素NEではない表示要素E3が配置されているが、仮に注目表示要素NE2が注目表示要素NE1の直下にあるとすると、
図4A又は
図4Aに示すようなサブウィンドウSWをメインウィンドウMWと重ねて表示すると、注目表示要素NE2がサブウィンドウSWに隠れて表示されなくなってしまう。このような場合に要素特定部22は、注目表示要素NE2もサブウィンドウSWに含めるべき対象として特定し、これに応じてサブウィンドウ表示制御部23が
図4B又は
図5Bに示すようなサブウィンドウSWを表示してもよい。こうすれば、全ての注目表示要素NEが画面S上に表示されるようにすることができる。
【0033】
また、以上の説明では、サブウィンドウ表示制御部23はサブウィンドウSWをメインウィンドウMWの最上部と重なる位置に表示している。しかしながらサブウィンドウ表示制御部23は、ウェブページPがY方向に沿ってスクロールする際に表示されるサブウィンドウSWのY方向における配置位置を、当該スクロールの方向に応じて決定してもよい。より具体的に、サブウィンドウ表示制御部23は、メインウィンドウMW内において、スクロールによってウェブページP上に設定された表示対象範囲Tが移動する方向と反対側の領域にサブウィンドウSWが表示されるように、サブウィンドウSWのY方向に沿った配置位置を決定する。すなわち、表示対象範囲Tが下方向に移動し、その結果メインウィンドウMWに表示中の表示要素Eが上方向に移動するスクロールを実行するときには、サブウィンドウSWをメインウィンドウMWの上半分の領域内(望ましくはメインウィンドウMWの上端)に配置する。逆に、表示対象範囲Tが上方向に移動し、その結果メインウィンドウMWに表示中の表示要素Eが下方向に移動するスクロールを実行する時には、サブウィンドウSWをメインウィンドウMWの下半分の領域内(望ましくはメインウィンドウMWの下端)に配置する。こうすれば、メインウィンドウMW内に新たにスクロールインして表示されるウェブページPの内容を隠してしまわないようにサブウィンドウSWを表示することができる。なお、この場合においても、サブウィンドウSW内において各注目表示要素NEが表示されるX方向の位置については変化させないようにすれば、ユーザーが注目表示要素NEを見失いにくくすることができる。
【0034】
以下、本実施形態においてクライアント装置2及びサーバ装置3が実行する処理の流れの具体例について、
図6のフロー図を用いて説明する。
【0035】
まず、クライアント装置2のウェブページ表示制御部21は、ユーザーの指示などに応じて、ウェブページPのリクエスト(HTTPリクエスト)をサーバ装置3に送信する(S1)。このリクエストに応じてサーバ装置3は、ウェブページPの内容を規定するHTMLデータ、及び、サブウィンドウSWの表示制御を実現するための制御プログラムが記述されたスクリプトファイルを、クライアント装置2に対して送信する(S2)。なお、ウェブページPの内容が動的なものである場合、サーバ装置3は、S1のリクエストに含まれるパラメータ等に応じてウェブページPの内容を規定するHTMLデータを新たに生成したうえで、クライアント装置2に対して送信してもよい。
【0036】
クライアント装置2のウェブページ表示制御部21は、S2でサーバ装置3から受信したHTMLデータに基づいてウェブページPを生成し、メインウィンドウMW内に表示する(S3)。
【0037】
その後、ウェブページPが表示されている間、要素特定部22はウェブページPに対するスクロールの有無を監視する。ユーザーの操作入力装置15に対する操作入力に応じてウェブページ表示制御部21がウェブページPをスクロールさせると(S4)、要素特定部22は、このスクロールによって予め定められた注目表示要素NEがメインウィンドウMW外にスクロールアウトしたか否かを判定する(S5)。スクロールアウトした注目表示要素NEが存在しなければ、S4の手前に戻ってスクロールの監視を続ける。一方、スクロールアウトしたと判定された場合、要素特定部22は、どの注目表示要素NEがスクロールアウトしたのかを特定する(S6)。また、併せて要素特定部22は、S4のスクロールの方向を特定する(S7)。サブウィンドウ表示制御部23は、S6で特定された注目表示要素NEの最新情報をサーバ装置3から取得する(S8)。なお、この処理は注目表示要素NEの内容が時間とともに変化する動的な情報である場合に必要となるが、注目表示要素NEの内容が静的であれば必ずしも実行する必要はない。続いてサブウィンドウ表示制御部23は、S7で特定されたスクロール方向に応じて決定される表示位置に、S8で取得された注目表示要素NEの内容を示すサブウィンドウSWを表示する(S9)。その後は、S4の手前に戻ってスクロールの監視が続けられる。
【0038】
以上説明した本発明の実施の形態によれば、ウェブページPに含まれる複数の注目表示要素NEのうち、スクロールによってメインウィンドウMWに表示されなくなった注目表示要素NEを特定し、特定された注目表示要素NEを選択的にサブウィンドウSWに含めて表示するので、どの注目表示要素NEも画面S上に表示され、かつ、同じ注目表示要素NEがサブウィンドウSWとメインウィンドウMWの双方に含まれることがないようにすることができる。
【0039】
なお、本発明の実施の形態は以上説明したものに限られない。例えば以上の説明ではウェブページPはそのY方向(メインウィンドウMWの縦方向)に沿った長さがメインウィンドウMWの長さを超え、この方向にスクロールするものとしたが、ウェブページPはそのX方向に沿った長さがメインウィンドウMWの長さを超え、X方向に沿ってスクロールしてもよい。この場合、複数の注目表示要素NEはX方向に沿った位置が互いに異なるものとする。
【0040】
また、以上の説明では、要素特定部22及びサブウィンドウ表示制御部23を実現するための制御プログラムは、ウェブページPを規定するHTMLデータとともにサーバ装置3からクライアント装置2に対して配信されることとしている。しかしながらクライアント装置2は、これとは別の方法で制御プログラムを入手することとしてもよい。具体例として、この制御プログラムは、ウェブブラウザプログラムと連携して動作する補助プログラム(アドオンプログラム等)の形式でクライアント装置2に提供されてもよい。この場合クライアント装置2は、HTMLデータを提供するサーバ装置3、またはこれとは別のサーバ装置から、事前に補助プログラムをダウンロードし、インストールしておく。その後クライアント装置2は、サーバ装置3からHTMLデータをダウンロードし、ウェブページPをメインウィンドウMWに表示させた際に、事前にインストールされた補助プログラムを実行することにより、要素特定部22及びサブウィンドウ表示制御部23の機能を実現する。
ウェブページの内容を表す主表示領域を表示装置の画面に表示する情報処理装置であって、複数の注目表示要素を含み、所定のスクロール方向に沿ってスクロール可能なウェブページが主表示領域に表示されている場合において、当該複数の注目表示要素のうち、ウェブページがスクロール方向に沿ってスクロールすることにより主表示領域に入退出する注目表示要素を特定し、特定される注目表示要素の主表示領域の入退出に応じて主表示領域と重なる位置に表示される副表示領域の表示対象として当該注目表示要素を含めるか否かを決定する情報処理装置である。