特許第5668211号(P5668211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5668211
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】リニアセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/20 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
   G01D5/20 110B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-56410(P2011-56410)
(22)【出願日】2011年3月15日
(65)【公開番号】特開2012-193979(P2012-193979A)
(43)【公開日】2012年10月11日
【審査請求日】2013年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100084010
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 秀利
(74)【代理人】
【識別番号】100094695
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 憲七
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(72)【発明者】
【氏名】江塚 幸司
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−176454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2及び第3突出歯部(32,33,34)を有し検出ステータ(30)としてのE型コア(31)と、前記第1突出歯部(32)に巻回された第1検出コイル(2)と、前記第3突出歯部(34)に巻回された第2検出コイル(2A)と、前記第1突出歯部(32)と第3突出歯部(34)間に位置する前記第2突出歯部(33)に巻回された励磁コイル(2B)と、前記各突出歯部(32,33,34)の各先端面(32a,33a,34a)の近傍位置に配設された長手状磁性部材(40)と、を備え、
前記長手状磁性部材(40)は板又は薄膜状の帯状磁性材よりなり、前記長手状磁性部材(40)の両側部の側部長手方向(43a,44a)は、前記E型コア(31)のコア厚さ方向(B)と直交するコア幅方向(W1)に対して非直交方向となるように波形に形成され、前記長手状磁性部材(40)と検出ステータ(30)との非接触状態による相対移動を前記第1、第2検出コイル(2,2A)でSIN波及びCOS波として検出するようにしたリニアセンサにおいて、前記長手状磁性部材(40)は、長手状部材(42)上に貼り付けられていることを特徴とするリニアセンサ。
【請求項2】
前記E型コア(31)の前記コア幅方向(C)に沿うコア幅寸法(W1)は、前記長手状磁性部材(40)の磁性部材幅寸法(W2)より大であることを特徴とする請求項1記載のリニアセンサ。
【請求項3】
前記第2突出歯部(33)に設けられている前記励磁コイル(2B)の外周には、第1、第2補正コイル(50,51)が筒状でかつ二層状に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアセンサ。
【請求項4】
前記第2突出歯部(33)に設けられている前記励磁コイル(2B)の下方位置には、各々独立した一対の輪状ボビン(53,54)を介して第1、第2補正コイル(50,51)が前記第2突出歯部(33)の長手方向(G)に沿って積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアセンサ。
【請求項5】
前記第2突出歯部(33)に設けられている前記励磁コイル(2B)の下方位置には、前記励磁コイル(2B)を設けるための励磁コイル用ボビン(52)と一体に形成された補正コイル用ボビン(53C)を介して第1、第2補正コイル(50,51)が前記第2突出歯部(33)の長手方向(G)と直交する方向に沿って積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアセンサ。
【請求項6】
前記第2突出歯部(33)に設けられている前記励磁コイル(2B)の下方位置には、前記励磁コイル(2B)を設けるための励磁コイル用ボビン(52)と一体に形成された補正コイル用ボビン(53A,53B)を介して第1、第2補正コイル(50,51)が前記第2突出歯部(33)の長手方向(G)と沿う方向において積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアセンサに関し、特に、検出コイルと長手状磁性部材の組合わせによる簡単な構造とすると共に、検出信号をSIN波及びCOS波とするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のリニアセンサとしては、磁気を用いたマグネスケール、光学式リニアエンコーダ、電磁誘導式の構成等があったが、使用温度範囲が狭く、検出部とスケールとのギャップも狭い構成であった。
また、使用温度範囲が広く取れる構成としては、リニアレゾルバ、LVDT、磁歪式リニアセンサが存在するが、ギャップが狭いという問題が存在していた。
従来例として代表的な構成としては、図9に示される特許文献1の直線位置検出装置を挙げることができる。
【0003】
図9において、符号1で示されるものは長手形状の固定子であり、この固定子31の下面には複数の突出歯32がその長手方向に沿って所定間隔で形成されている。
前記固定子31の下方位置には、この固定子31の長さよりも長い形状の可動子40が矢印の方向に沿って移動可能に配設されており、この可動子40の上面には波形に形成された波形部40aが形成されている。
前記各突出歯32には、励磁コイル2Bと出力コイル2,2Aとが巻回して設けられており、各突出歯32と波形部40aとの間の隙間dは前記可動子40の移動に応じて変化するように構成されている。
【0004】
従って、前記可動子40の直線移動により各突出歯32と波形部40aとの間の隙間dにより、ギャップパーミアンスが移動距離に対して正弦波状に変化する波形状に形成され、周知の可変リラクタンス型のレゾルバを直線的に展開したリニア型のリニアセンサを得ることができる。
【0005】
また、図8に示される構成は、本出願人が平成22年1月15日に出願し、未公開の構成であるが、飛翔体等に採用される可能性があるため、従来構成として、ここに開示する。
即ち、図8において、符号30で示されるものは検出ステータであり、この検出ステータ30は、全体形状がE型をなすE型コア31と、このE型コア31に一体に形成され、かつ、互いに間隔をあけて位置する第1、第2突出歯部32,33,34と、前記各突出歯部32,34に巻回された第1、第2検出コイル2,2Aと、中央位置の前記第2突出歯部33に巻回された励磁コイル2Bと、から構成されている。
【0006】
前記各突出歯部32,33,34の第1〜第3先端面32a,33a,34aの近傍位置には、磁性材料よりなり長手形状の長手状磁性部材40が、前記各先端面32a,33a,34aとは所定のギャップを保つ非接触状態で直線移動自在に構成されている。
【0007】
前記検出ステータ30は、前記E型コア31のコア厚さ41に沿うコア厚さ方向Bを有し、このE型コア31の長さであるコア幅寸法Wを有している。
【0008】
前記長手状磁性部材40は、板状又は薄膜状等の帯状磁性材からなり、本形態では板状の場合が採用されており、非磁性材からなる長手状部材42上に貼り付けた状態で構成され、所定の磁性部材幅寸法Wを有している。また、長手状磁性部材40の構造としては、積層の板、圧粉鉄芯による板状とすることもできる。
【0009】
さらに、この長手状磁性部材40は、長手直方体形状をなす前記長手状部材42上において、図で左側に傾斜した状態で貼り付けられている。
従って、この長手状磁性部材40の両側部43,44の側部長手方向43a,44aは、前記E型コア31のコア厚さ方向Bと直交するコア幅方向Cに対して非直交方向となるように設定されている。
【0010】
前述の構成において、励磁コイル2Bに励磁信号を供給して励磁状態とした後、固定された検出ステータ30に対して長手状部材42と共に長手状磁性部材40を矢印Dの方向に沿ってE型コア31とは非接触状態で移動させると、E型コア31に対する長手状磁性部材40の重なり具合が変化するため、このE型コア31と長手状磁性部材40とのエアギャップ面積の変化を各検出コイル2,2Aからの誘起電圧の電圧レベルによって、長手状磁性部材40の長手方向の位置を検出することができる。
【0011】
また、前述の場合は、検出ステータ30を固定し、長手状磁性部材40を移動させた場合について述べたが、相対的な構成であるので、長手状磁性部材40を固定し、検出ステータ30を移動させた場合も、前述と同様の作用効果を得ることができる。
【0012】
尚、長手状部材42上に貼り付けられた長手状磁性部材40は、長手状部材42上でみると、長手状磁性部材40の長さ、すなわち、側部長手方向43a,44aの全長にわたりE型コア31との重合状態(すなわち、エアギャップ面積)が連続して変化しているため、その全長の何れの位置でも移動位置又は長さ位置を検出することができる。
従って、長手状部材42上に長手状磁性部材40を貼り付けた後の長手状部材42上の残り部分42a,42bは、細長い三角形状となり、長手状磁性部材40の存在がその長手方向全体にわたり連続的に変化していることが明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−314606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来のリニアセンサは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述のリニアセンサは、出力コイルが巻回されている固定子1と可動子5との隙間の変化を位置信号として利用していたため、出力コイルと可動子間のギャップを大きくすると、ギャップ長の変化での位置検出信号が小さくなるため、ギャップを大きくすることは極めて困難であった。
【0015】
従来、用いられていたこの種のリニアセンサは、図9のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、出力コイルが設けられている突出歯と可動子の波形部との間のギャップ長の変化を位置信号として利用しているため、突出歯と波形部との間のギャップを大きくすると、このギャップ長の変化での位置信号が小さくなるため、このギャップを広くすることは、リニアセンサ自体の位置検出信号のレベルが小さくなると共に、形状の小型化に逆行することになっていた。
また、図8で示される構成の場合、得られる出力信号は直線的な出力信号のみであるため、直線移動の検出のみで、その用途としては限られたものであった。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によるリニアセンサは、第1、第2及び第3突出歯部を有し検出ステータとしてのE型コアと、前記第1突出歯部に巻回された第1検出コイルと、前記第3突出歯部に巻回された第2検出コイルと、前記第1突出歯部と第3突出歯部間に位置する前記第2突出歯部に巻回された励磁コイルと、前記各突出歯部の各先端面の近傍位置に配設された長手状磁性部材と、を備え、前記長手状磁性部材は板又は薄膜状の帯状磁性材よりなり、前記長手状磁性部材の両側部の側部長手方向は、前記E型コアのコア厚さ方向と直交するコア幅方向に対して非直交方向となるように波形に形成され、前記長手状磁性部材と検出ステータとの非接触状態による相対移動を前記第1、第2検出コイルでSIN波及びCOS波として検出する構成において、前記長手状磁性部材は、長手状部材上に貼り付けられている構成であり、また、前記E型コアの前記コア幅方向に沿うコア幅寸法は、前記長手状磁性部材の磁性部材幅寸法より大である構成であり、また、前記第2突出歯部に設けられている前記励磁コイルの外周には、第1、第2補正コイルが筒状でかつ二層状に設けられている構成であり、また、前記第2突出歯部に設けられている前記励磁コイルの下方位置には、各々独立した一対の輪状ボビンを介して第1、第2補正コイルが前記第2突出歯部の長手方向に沿って積層されている構成であり、また、前記第2突出歯部に設けられている前記励磁コイルの下方位置には、前記励磁コイルを設けるための励磁コイル用ボビンと一体に形成された補正コイル用ボビンを介して第1、第2補正コイルが前記第2突出歯部の長手方向と直交する方向に沿って積層されている構成であり、また、前記第2突出歯部に設けられている前記励磁コイルの下方位置には、前記励磁コイルを設けるための励磁コイル用ボビンと一体に形成された補正コイル用ボビンを介して第1、第2補正コイルが前記第2突出歯部の長手方向と沿う方向において積層されている構成である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるリニアセンサは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、第1、第2及び第3突出歯部を有し検出ステータとしてのE型コアと、前記第1突出歯部に巻回された第1検出コイルと、前記第3突出歯部に巻回された第2検出コイルと、前記第1突出歯部と第3突出歯部間に位置する前記第2突出歯部に巻回された励磁コイルと、前記各突出歯部の各先端面の近傍位置に配設された長手状磁性部材と、を備え、前記長手状磁性部材は板又は薄膜状の帯状磁性材よりなり、前記長手状磁性部材の両側部の側部長手方向は、前記E型コアのコア厚さ方向と直交するコア幅方向に対して非直交方向となるように波形に形成され、前記長手状磁性部材と検出ステータとの非接触状態による相対移動を前記第1、第2検出コイルでSIN波及びCOS波として検出すると共に前記長手状磁性部材は、長手状部材上に貼り付けられていることにより、従来のリニアセンサに比較すると、極めて簡単な構成により検出できる。また、出力信号が二相であるため、リニアセンサの用途が広がる。また、組立てが極めて容易であった。
また、前記E型コアの前記コア幅方向に沿うコア幅寸法は、前記長手状磁性部材の磁性部材幅寸法より大であることにより、各検出コイルによるエアギャップ面積の検出が容易となる。
また、前記第2突出歯部に設けられている前記励磁コイルの外周には、第1、第2補正コイルが筒状でかつ二層状に設けられていることにより、オフセット調整により、出力信号の感度の補正を行うことができる。
また、前記第2突出歯部に設けられている前記励磁コイルの下方位置には、各々独立した一対の輪状ボビンを介して第1、第2補正コイルが前記第2突出歯部の長手方向に沿って積層されていることにより、前述と同様の補正ができる。
また、前記第2突出歯部に設けられている前記励磁コイルの下方位置には、前記励磁コイルを設けるための励磁コイル用ボビンと一体に形成された補正コイル用ボビンを介して第1、第2補正コイルが前記第2突出歯部の長手方向と直交する方向に沿って積層されていることにより、前述と同様の補正を行うことができる。
また、前記第2突出歯部に設けられている前記励磁コイルの下方位置には、前記励磁コイルを設けるための励磁コイル用ボビンと一体に形成された補正コイル用ボビンを介して第1、第2補正コイルが前記第2突出歯部の長手方向と沿う方向において積層されていることにより、前述と同様の補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明によるリニアセンサを示す平面構成図である。
図2図1の検出ステータの正面構成図である。
図3図1の検出ステータを示す構成図である。
図4図3の要部の形態を示す断面図である。
図5図4の励磁コイルの他の形態を示す断面図である。
図6図4の励磁コイルの他の形態を示す断面図である。
図7図1の検出ステータの斜視図である。
図8】従来のリニアセンサを示す構成図である。
図9】従来のリニアセンサを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、検出コイルと長手状励磁部材の組合わせによる面積変化に基づく簡単な構造でSIN,COS二相信号を出力することとしたリニアセンサを提供することを目的とする。
【実施例】
【0020】
以下、図面と共に本発明によるリニアセンサの好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分については同一符号を用いて説明する。
図1及び図2において、符号30で示されるものは検出ステータであり、この検出ステータ30は、全体形状がE型をなすE型コア31と、このE型コア31に一体に形成され、かつ、互いに間隔をあけて位置する第1〜第3突出歯部32,33,34と、前記各突出歯部32,34に巻回された第1、第2検出コイル2,2Aと、中央位置の前記第2突出歯部33に巻回された励磁コイル2Bと、から構成されている。
【0021】
前記各突出歯部32,33,34の第1〜第3先端面32a,33a,34aの近傍位置には、磁性材料よりなり長手形状の長手状磁性部材40が、前記各先端面32a,33a,34aとは所定のギャップを保つ非接触状態で直線移動自在に構成されている。
【0022】
前記検出ステータ30は、図2で示されるように、前記E型コア31のコア厚さ41に沿うコア厚さ方向Bを有し、このE型コア31の長さであるコア幅寸法W図3)を有している。
【0023】
前記長手状磁性部材40は、板状又は薄膜状等の帯状磁性材からなり、本形態では板状の場合が採用されており、非磁性材からなる長手状部材42上に貼り付けた状態で構成され、所定の磁性部材幅寸法Wを有している。また、長手状磁性部材40の構造としては、積層の板、圧粉鉄芯による板状とすることもできる。この長手状磁性部材40の形状としては、各側部長手方向43,43aが波状に形成されている。
【0024】
さらに、この長手状磁性部材40は、前記長手状部材42上において、貼り付けられている。
従って、この長手状磁性部材40の両側部43,44の側部長手方向43a,44aは、前記E型コア31のコア厚さ方向Bと直交するコア幅方向Cに対して非直交方向となるように設定されている。
【0025】
前述の構成において、励磁コイル2Bに励磁信号を供給して励磁状態とした後、固定された検出ステータ30に対して長手状部材42と共に長手状磁性部材40を矢印Dの方向に沿ってE型コア31とは非接触状態で移動させると、E型コア31に対する長手状磁性部材40の重なり具合が変化するため、このE型コア31と長手状磁性部材40とのエアギャップ面積の変化を各検出コイル2,2Aからの誘起電圧の電圧レベルによって、長手状磁性部材40の長手方向の位置を検出することができる。
従って、前述の場合、長手状磁性部材40の各側部43,44が波状に形成されているため、第1、第2検出コイル2,2Aから得られる前記電圧レベルの各検出信号は、SIN,COSの互いに位相がずれた二相の検出信号として出力することができる。
【0026】
次に、図3で示される構成は、図2で示される第2突出歯部33に巻回されている励磁コイル2Bの外周に出力信号(検出信号)のオフセットを調整するための第1補正コイル50及び第2補正コイル51が筒状に巻回されている。
【0027】
図4は、図3の他の形態を示すもので、第2突出歯部33に励磁コイル2Bが巻回された輪状の励磁コイル用ボビン52の下方に、一対の第1、第2輪状ボビン53,54が第2突出歯部33の長手方向Gに沿って積層され、第1輪状ボビン53内には第1補正コイル50が設けられ、第2輪状ボビン54内には第2補正コイル51が設けられている。
【0028】
図5は、図4の他の形態を示すもので、第2突出歯部33に励磁コイル2Bが巻回された輪状の励磁コイル用ボビン52の下方にこの励磁コイル用ボビン52と一体に形成された補正コイル用ボビン53C内に第1、第2補正コイル50,51が第2突出磁極33の長手方向Gと直交する径方向に沿って積層した状態で配設されている。
【0029】
前述のように、第2突出歯部33に形成された第1、第2補正コイル50,51を励磁することにより、前述のように本発明においては、従来のようにギャップ長の変化の検出ではなく、ギャップ面積の変化でコイルの磁束量を変化させ位置情報を得ているため、各補正コイル50,51からの励磁によって、励磁コイル2Bの両側に検出コイル2,2Aを配設することにより、励磁コイル2Bより励磁された磁束を両方の検出コイル2,2Aで受けるため、一方の検出コイル2で増加した分の磁束は他方の検出コイル2Aでは減少した形となり、それぞれの検出コイル2,2Aからの出力の差と和の比率は一定となり、ギャップ変動に強い特性を得ることができる。尚、前述の各補正コイル50,51の起電力により、図示していないが、各検出コイル2,2Aからの検出信号のオフセットの調整を行う。
【0030】
次に、各第1、第2補正コイル50,51の起電力を検出コイル2,2Aの起電力から引くことにより、検出時における検出レシオを大きく取るために用いられる。
【0031】
尚、前述の検出ステータ30のE型コア31としては、珪素鋼板積層、パーマロイ、圧粉鉄芯の何れかよりなり、スケールとしての長手状磁性部材40は、軟磁性鋼板で作成、鋼板、珪素鋼板、パーマロイの積層で作成、圧粉鉄芯で作成の何れかである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明によるリニアセンサは、製鉄所等の長手状部材のリニア検出だけではなく、SIN,COS信号を利用して各種工作機、ロボット、宇宙機器等への応用も可能である。
【符号の説明】
【0033】
2 第1検出コイル
2A 第2検出コイル
2B 励磁コイル
30 検出ステータ
31 E型コア
32 第1突出歯部
32a 第1先端面
33 第2突出歯部
33a 第2先端面
34 第3突出歯部
34a 第3先端面
40 長手状磁性材料
41 コア厚さ
42 長手状部材
43 側部
43a,44a 側部長手方向
コア幅寸法
磁性部材幅寸法
B コア厚さ方向
C コア幅方向
50 第1補正コイル
51 第2補正コイル
52 励磁コイル用ボビン
53 第1輪状ボビン
53A 第1補正コイル用ボビン
53B 第2補正コイル用ボビン
53C 補正コイル用ボビン
54 第2輪状ボビン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9