【実施例1】
【0023】
第1 構成
発明に係る物体検出装置の一実施例である自動ドアセンサ100を用いた自動ドアシステムの概要について
図1を用いて説明する。自動ドアシステム50は、自動ドアセンサ100、フレーム51、固定壁53a、53b、ドアパネル55a、55b、及び駆動装置(図示せず)を有している。自動ドアシステム50は、ドアパネル55a、55bが左右に開閉する、いわゆる両引きの自動ドアシステムである。
【0024】
フレーム51は、固定壁53a、53bの間に設置される。ドアパネル55a、55bは、固定壁53a、53b間をフレーム51の無目に沿って左右に開閉する。フレーム51の内部には、ドアパネル55a、55bを駆動するための駆動装置が内蔵されている。
【0025】
自動ドアセンサ100は、フレーム51の無目に取り付けられる。
【0026】
自動ドアセンサ100は、人等の物体が通過する所定の床面F100上に床面検知領域R1〜R16を形成する。また、自動ドアセンサ100は、床面F100上の空間A100に空間検知領域l1〜l12(図示せず)を形成する。なお、
図1においては、空間検知領域l1〜l12の所定の断面における断面検知領域r1〜r12のみを示している。床面検知領域R1〜R16、空間検知領域l1〜l12については後述する。
【0027】
自動ドアセンサ100は、ドアパネル55a、55bが閉状態において、空間検知領域l1〜l12(断面検知領域r1〜r12)に人体等の物体が存在すると判断すると、ドアパネル55a、55bの開動作を行うための扉開情報を駆動装置に送信する。また、ドアパネル55a、55bが開状態においては、床面検知領域R1〜R16及び空間検知領域l1〜l12での、物体の検知を行う。
【0028】
なお、以下においては、設置面である無目の前面と平行な方向を矢印a3方向、設置面に垂直な法線方向を矢印a1方向とする。
【0029】
自動ドアセンサ100の内部構造について
図2を用いて説明する。自動ドアセンサ100の内部構造の平面図を
図2Aに、
図2AにおけるP−P断面を
図2Bに、それぞれ示す。自動ドアセンサ100は、投光ユニット110、受光ユニット120及び制御回路130を有している。
【0030】
1.投光ユニット110
投光ユニット110は、投光素子群111及びレンズ113を有している。投光ユニット110は、投光素子群111及びレンズ113によって投光用光学系を形成する。
【0031】
投光素子群111は、矢印a3方向(設置面である無目の前面と平行な方向)に4個、矢印a1方向(設置面に垂直な法線方向)に4個、つまり4×4のマトッリクスを形成する16個の投光素子111−1〜111−16を有している。なお、
図2においては、投光素子111−1〜111−16を各投光素子の内部に記述する数字によって表わしている。
【0032】
レンズ113は、各投光素子111−1〜111−16が発光した赤外線を検知光として床面F100(
図1参照)の所定の投光領域に投光する。レンズ113は、検知光が所定の投光領域に投光されるように調整されている。各投光素子111−1〜111−16によって形成される投光領域については後述する。
【0033】
2.受光ユニット120
受光ユニット120は、受光素子群121及びレンズ123を有している。受光ユニット120は、受光素子群121及びレンズ123によって受光用光学系を形成する。
【0034】
受光素子群121は、矢印a3方向(設置面である無目の前面と平行な方向)に4個、矢印a1方向(設置面に垂直な法線方向)に4個、つまり4×4のマトッリクスを形成する16個の受光素子121−1〜121−16を有している。なお、
図2においては、受光素子121−1〜121−16を各受光素子の内部に記述する数字によって表わしている。
【0035】
レンズ123は、検知領域内の所定の受光領域から取得する検知光の反射光を、各受光素子121−1〜121−16に集光する。レンズ123は、各投光領域からの反射光が所定の受光素子121−1〜121−16に集光されるように調整されている。受光素子121−1〜121−16によって形成される受光領域については後述する。
【0036】
3.制御回路130
制御回路130は、投光ユニット110が有する16個の投光素子111−1〜111−16を、所定の周期で、順次、発光させる。
【0037】
また、制御回路130は、ドアパネル55a、55bが閉状態のときは、空間検知領域l1〜l12に対応する投光素子を、順次、発光させ、発光させた投光素子に対応する受光素子での反射光の受光量に基づき人等の物体が検知領域に侵入したか否かを判断する空間検知を実行する。
【0038】
制御回路130は、ドアパネル55a、55bが開状態のときは、投光ユニット110が有する16個の投光素子111−1〜111−16を、順次、発光させ、発光させた投光素子に対応する受光素子での反射光の受光量に基づき人等の物体が検知領域に侵入したか否かを判断する床面検知を実行する。また、制御回路130は、ドアパネル55a、55bが開状態のときは、床面検知に併せて、空間検知も実行する。
【0039】
第2 検知領域
自動ドアセンサ100が床面F100に形成する床面検知領域R1〜R16及び検知空間A100に形成する空間検知領域l1〜l12について、
図3〜
図6を用いて説明する。
図3には、自動ドアセンサ100の投光ユニット110によって投光される検知光、及び、受光ユニット120によって集光される反射光、それぞれを三角錐領域として現した状態を示している。
図3では、投光ユニット110の投光素子111−1が投光する検知光は投光領域L111−1を、投光素子111−2が投光する検知光は投光領域L111−2を、・・・、投光素子111−16が投光する検知光は投光領域L111−16を、それぞれ通過することを示している。また、受光ユニット120の受光素子121−1が受光する反射光は受光領域L121−1を、受光素子121−2が受光する反射光は受光領域L121−2を、・・・、受光素子121−16が受光する反射光は受光領域L121−16を、それぞれ通過することを示している。
【0040】
1.床面検知領域R100
床面F100には、投光素子111−1〜111−16及び受光素子121−1〜121−16によって床面検知領域R1〜R16が形成される。床面検知領域R1〜R16について
図4を用いて説明する。
図4は、
図3における床面F100の状態を示している。
【0041】
床面F100には、16個の床面投光領域R111−1〜R111−16、及び、16個の床面受光領域R121−1〜R121−16が形成される。
【0042】
各床面投光領域R111−1〜R111−16は、レンズ113を介して各投光素子111−1〜111−16が発光した赤外線を検知光として集光することによって形成される。これによって、各投光素子111−1〜111−16が発光した赤外線からなる検知光はスポット光として集光され、各床面投光領域R111−1〜R111−16は、床面F100上において、所定の円形形状となる。
【0043】
各床面受光領域R121−1〜R121−16は、各受光素子121−1〜121−16によって検知光の反射光を集光するようにレンズ123を調整することによって形成される。これによって、各受光素子121−1〜121−16は、床面F100上において、所定の円形形状となる床面受光領域R121−1〜R121−16から反射光を受光する。
【0044】
一の投光素子111−1と一の受光素子121−1とは、一対一で対応する。また、対応する投光素子111−1及び受光素子121−1は、同一領域に床面投光領域R111−1、床面受光領域R121−1を形成するのではなく、互いに矢印a3方向へずらして床面投光領域R111−1、床面受光領域R121−1を形成する。つまり、床面投光領域R111−1と床面受光領域R121−1との交差領域によって床面検知領域R1が形成される。他の床面投光領域R111−2〜R111−16、他の床面受光領域R121−2〜R121−16についても同様である。
【0045】
2.空間検知領域l1〜l12
図3に示すように、例えば、投光領域L111−13は、床面F100において受光領域L121−13との交差領域である床面検知領域R13を形成する以外に、受光領域L121−14と空間A100において交差領域l10を形成する。投光領域L111−14は受光領域L121−15と交差領域l11を、投光領域L111−15は受光領域L121−16と交差領域l12を、それぞれ形成する。投光領域L111−1〜L111−3、投光領域L111−5〜L111−7、投光領域L111−9〜L111−11についても、同様である。
【0046】
図5に、
図3における空間A100における所定の断面f100の状態を示す。断面f100には、12個の断面投光領域r111−1〜r111−3、r111−5〜r111−7、r111−9〜r111−11、r111−13〜r111−15、及び、12個の断面受光領域12r121−2〜r121−4、r121−6〜r121−8、r121−10〜r121−12、r121−14〜r121−16が形成される。
【0047】
断面投光領域r111−1と断面受光領域r121−2との交差領域によって断面検知領域r1が形成される。また、断面投光領域r111−2と断面受光領域r121−3との交差領域によって断面検知領域r2が形成される。その他の断面検知領域r3〜r12についても同様である。
【0048】
図6に
図3における正面図を示す。
図6に示すように、投光領域L111−13と受光領域L121−14とは、空間Aに立体的な交差領域である空間検知領域l10を形成する。また、投光領域L111−14と受光領域L121−15とは空間検知領域l11を、投光領域L111−15と受光領域L121−16とは空間検知領域l12を、それぞれ形成する。ここで、
図5に示す断面検知領域r10、r11、r12は、それぞれ
図6に示す空間検知領域l10、l11、l12の一断面として現れる。
【0049】
さらに、投光領域L111−1と受光領域L121−2とは空間検知領域l1を、投光領域L111−2と受光領域L121−3とは空間検知領域l2を、投光領域L111−3と受光領域L121−4とは空間検知領域l3を、投光領域L111−5と受光領域L121−6とは空間検知領域l4を、投光領域L111−6と受光領域L121−7とは空間検知領域l5を、投光領域L111−7と受光領域L121−8とは空間検知領域l6を、投光領域L111−9と受光領域L121−10とは空間検知領域l7を、投光領域L111−10と受光領域L121−11とは空間検知領域l8を、投光領域L111−11と受光領域L121−12とは空間検知領域l9を、それぞれ形成する。なお、
図3、
図6には、空間検知領域l1〜l9を図示していない。
【0050】
なお、
図3から分かるように、空間Aにおいては、投光領域L111−1〜L111−16と受光領域L121−1〜L121−16との交差領域は、空間検知領域l1〜l12以外にも形成されるが、自動ドアセンサ100では、空間Aにおいて最も下層に形成される交差領域を空間検知領域l1〜l12としている。
【0051】
第3 制御回路130の動作
制御回路130の動作について
図7に示すフローチャートを用いて説明する。制御回路130は、ドアパネル55a、55bが閉状態であるか否かを判断する(S701)。制御回路130は、ドアパネル55a、55bが閉状態であると判断すると、空間検知対応テーブルから、空間検知領域を形成する投光素子と受光素子の組み合わせを取得する(S703)。
【0052】
ここで、空間検知対応テーブルについて
図8を用いて説明する。空間検知対応テーブルは、空間検知領域を形成する投光領域と受光領域との対応関係を示すテーブルである。空間検知対応テーブルは、投光素子列及び受光素子列を有している。投光素子列には、空間検知領域を形成する投光領域を生成する投光素子が記述される。受光素子列には、投光素子列に記述された投光素子ともに空間検知領域を形成する受光領域を形成する受光素子が記述される。
【0053】
制御回路130は、スッテプS703で取得した投光素子を発光させる(S705)。制御回路130は、ステップS703で取得した投光素子に対応する受光素子から受光信号を取得する(S707)。
【0054】
制御回路130は、取得した受光信号に基づき物体を検知していないと判断すると(S709)、ステップS705、S707の処理を繰り返す。これにより、ドアパネル55a、55bが閉状態にある場合には、空間検知領域での物体の検知が行われる。
【0055】
制御回路130は、ステップS707において、取得した受光信号に基づき物体を検知したと判断すると(S709)、ドアパネル55a、55bを開状態とする扉開情報を生成し、駆動装置へ送信する(711)。
【0056】
制御回路130は、一の投光素子を発光させる(S713)。制御回路130は、発光させた投光素子に対して床面検知領域を形成する受光素子から受光信号を取得する(S715)。制御回路130は、取得した受光信号に基づき、床面検知領域において物体を検知したと判断すると(S717)、順次、ステップS713〜S717の処理を実行する。
【0057】
これにより、
ドアパネル55a、55bが閉状態でない場合には、床面検知領域での物体の検知が行われる。
【0058】
制御回路130は、取得した受光信号に基づき、床面検知領域において物体を検知していないと判断すると(S717)、床面検知領域における投光素子、受光素子の全ての組み合わせについて、ステップS713〜S717の処理を繰り返す(S718)。これにより、
ドアパネル55a、55bが閉状態でない場合に、床面検知領域での物体の検知が行われる。
【0059】
制御回路130は、床面検知が終了したと判断すると、空間検知対応テーブルに記述されている投光素子の一つを発光させる(S719)。制御回路130は、空間検知対応テーブルにおいてステップS719で取得した投光素子に対応する受光素子から受光信号を取得する(S721)。
【0060】
制御回路130は、取得した受光信号に基づき物体を検知していないと判断すると(S723)、空間検知対応テーブルに記述されている投光素子、受光素子の全ての組み合わせについて、ステップS719〜S723の処理を繰り返す(S724)。これにより、
ドアパネル55a、55bが閉状態でない場合に、空間検知領域での物体の検知が行われる。
【0061】
制御回路130は、ドアパネル55a、55bが開状態となってから所定の時間が経過したか否かを判断する(725)。
【0062】
制御回路130は、ドアパネル55a、55bが開状態となってから所定の時間が経過したと判断すると(725)、ドアパネル55a、55bを閉状態とする扉閉情報を生成し、駆動装置へ送信する(S727)。
【0063】
一方、制御回路130は、ドアパネル55a、55bが開状態となってから所定の時間が経過していないと判断すると(725)、順次、ステップS713〜S725の処理を実行する。
【0064】
これにより、
ドアパネル55a、55bが閉状態でない場合には、床面検知領域及び空間検知での物体の検知が行われる。このように、ドアパネル55a、55bの開閉状態によって空間検知領域での検知と床面検知領域での検知とを切り換えることによって、ドアパネル55a、55bが閉状態において床面F100の状態によって生ずるドアパネル55a、55bが開かない等の不具合を防止できると共に、ドアパネル55a、55bが開状態において床面F100に近い領域での検知を行うことによって、確実に物体を検出することができる。
【0065】
[その他の実施例]
(1)床面検知領域R1〜R16 : 前述の実施例1においては、床面検知領域R1〜R16は、床面投光領域R111−1〜R111−16と床面受光領域R121−1〜R121−16とを矢印a3方向に互いにずらして形成し、両者の交差領域によって形成するとしたが、床面投光領域と床面受光領域との交差領域を形成できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、床面投光領域と床面受光領域とを完全に一致させるように形成してもよい。また、矢印a1方向(
図1、
図2参照)にずらして床面投光領域、床面受光領域を形成するようにしてもよい。また、床面投光領域、床面受光領域を任意の方向にずらして形成するようにしてもよい。
【0066】
(2)ドアパネル55a、55bの開状態における検知 : 前述の実施例1では、ドアパネル55a、55bの開状態においては、床面検知と空間検知とを併せて行うとしたが、床面検知のみを行うようにしてもよい。
【0067】
(3)投光ユニット110、受光ユニット120 : 前述の実施例1では、投光ユニット110は投光素子111−1〜111−16をマトリックス形状に配列するとしたが、所定の位置に投光領域L111−1〜L111−16を形成できるものであれば、例示のものに限定されない。受光ユニット120においても同様である。
【0068】
(4)制御回路130の動作 : 前述の実施例1では、制御回路130の動作を
図7に示すフローチャートにより実現するとしたが、ドアパネル55a、55bの開閉状態によって、空間検知、床面検知を切り換えることができるものであれば、例示のものに限定されない。
【0069】
(5)空間検知領域 : 前述の実施例1においては、投光領域L111−1〜L111−16と受光領域L121−1〜L121−16との交差領域のうち、空間Aにおいて最も下層に形成される交差領域を空間検知領域l1〜l12としたが、空間Aにおいて物体を検知できれば例示のものに限定されない。例えば、投光領域L111−1〜L111−16と受光領域L121−1〜L121−16とによって形成される交差領域を適当に組み合わせて空間検知領域を配置するようにしてもよい。
【0070】
(6)床面検知領域、空間検知領域の位置調整 : 前述の実施例1では、投光素子111−1〜111−16及び受光素子121−1〜121−16の位置関係、及び、投光素子111−1〜111−16の投光方向、受光素子121−1〜121−16の受光方向を固定していたが、これらを調整できるようにしてもよい。例えば、自動ドアセンサ100の設置作業者やユーザが、床面投光領域R111−1〜R111−16や床面受光領域R121−1〜R121−16等の位置を調整可能とするための調整手段を、自動ドアセンサ100に実装すればよい。その場合、投光素子、受光素子のいずれか、又は両者の投光方向や受光方向の角度の調整機能や、投光素子、受光素子のいずれか又は両者とレンズ113、123の位置の調整機能を付加すればよい。角度調整、位置調整を行うことで、投光領域と受光領域との交差領域の大きさを調整できる。また、投光領域と受光領域とを完全に一致させることもできる。さらに、調整量を示す目盛りを付加することによって、調整を容易にできる。