特許第5668248号(P5668248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5668248照明装置及びこれを用いたドリンクホルダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5668248
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】照明装置及びこれを用いたドリンクホルダ
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150122BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20150122BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20150122BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150122BHJP
【FI】
   F21S2/00 481
   F21S2/00 100
   F21V3/00 320
   F21V3/00 510
   F21V3/02 500
   F21S2/00 431
   F21Y101:02
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-247911(P2010-247911)
(22)【出願日】2010年11月4日
(65)【公開番号】特開2012-99417(P2012-99417A)
(43)【公開日】2012年5月24日
【審査請求日】2013年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】500420476
【氏名又は名称】株式会社オプトデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 榮一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 研
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘泰
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−068974(JP,U)
【文献】 特開2008−027886(JP,A)
【文献】 特開2005−227662(JP,A)
【文献】 特開2010−132201(JP,A)
【文献】 実開平05−019136(JP,U)
【文献】 特開2008−232274(JP,A)
【文献】 特開2009−032525(JP,A)
【文献】 特開2000−164373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 3/00
F21V 3/02
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点光源と、複数の所定形状の照光部が互いに中間部材によって結合されたハウジングとを備える照明装置において、
前記ハウジングは、
前記複数の所定形状の照光部及び中間部材にわたって一体に形成された底面と、前記底面の周囲を囲むように立設された側面と、前記側面によって形成された開口と、前記開口を覆う放射側反射手段とを備え、
前記底面及び前記側面の内面はそれぞれ光を反射及び乱反射させる部材で形成されており、
前記放射側反射手段は、前記複数の所定形状の照光部に対応する位置では一部光を透過、反射及び乱反射する所定の反射率を有する光透過反射部材で形成され、前記中間部材に対応する位置では光非透過性の反射部材で形成されており、
前記点光源は、前記ハウジングの前記中間部材に対応する位置の底面上又は前記放射側反射手段の内面上に設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記放射側反射手段は、前記中間部材に対応する位置から離間するに従って光透過量が大きくなる開口又はスリットが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記点光源は、1個の発光ダイオード又は複数個の発光ダイオードの集合体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記ハウジングの前記底面の内面、前記側面の内面及び前記放射側反射手段の前記複数の所定形状の照光部に対応する位置は、それぞれ超微細発泡光反射部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記底部と前記放射側反射手段との間の距離は、前記中間部材から離間するにしたがって小さくなるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記複数の所定形状の照光部の前記放射側反射手段の外側表面は、光透過性のガラス又はプラスチックで被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記複数の所定形状の照光部の前記放射側反射手段の外側表面は、所定模様の光不透過性部材又は光半透過性部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
前記放射側反射手段と前記底面との間には、透明固体部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
前記ハウジングの前記中間部材に対応する位置の底面上には前記点光源が設けられており、前記放射側反射手段の前記中間部材に対応する位置の内面には先端が前記点光源と対向する位置となるように円錐状又は多角錐上の反射部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の照明装置。
【請求項10】
前記ハウジングの前記中間部材に対応する位置の底面上には前記点光源が設けられており、前記放射側反射手段の前記中間部材に対応する位置の内面には複数個の凸状反射部材が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の照明装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の照明装置と、
前記照明装置の前記側面の高さよりも深い窪みが形成され、前記窪み内に前記照明装置が配置された外側ケースと、
前記照明装置の前記中間部材に対応する位置の前記放射側反射手段上に配置された押え部材と、
を備えることを特徴とするドリンクホルダ。
【請求項12】
前記押え部材の上部と前記外側ケースの上部とは同一面とされていることを特徴とする請求項9に記載のドリンクホルダ。
【請求項13】
前記外側ケースには、車両のアームレスト又はエアコンの吹き出し口に取付るための取付手段が設けられていることを特徴とする請求項11又は12に記載のドリンクホルダ。
【請求項14】
前記外側ケースは、車両のドア内側、センターコンソール、インストルメントパネル、アームレストに直接固定又は内部から引き出し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項11又は12に記載のドリンクホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置及びこれを用いたドリンクホルダに関し、詳しくは、光源にLEDのような指向性の強い点光源を用いて、夜間走行時等の車内が暗い場合でも缶飲料、コップないしペットボトル等の飲料容器の載置場所が容易に分かるようにした照明装置及びこれを用いたドリンクホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の車内には、ドアの内側、センターコンソール、インストルメントパネル、アームレスト等に缶飲料、コップないしペットボトル等の飲料容器を固定するためのドリンクホルダが形成されている。また、エアコンの吹き出し口やアームレストに取り付け可能とされたドリンクホルダも知られている。しかしながら、夜間走行時には車内の照明を落とすため、運転者や同乗者にとりこれらのドリンクホルダの位置が分かり難いという課題がある。
【0003】
このような夜間走行時等にもドリンクホルダの位置が分かるようにする目的で、ドリンクホルダ自体に直接照明手段を設けた例が下記特許文献1に示されている。この下記特許文献1に開示されているドリンクホルダは、ドリンクホルダの外表面に発光ダイオード(以下、「LED」という。)を設け、このLEDを電池によりパルス駆動することによって、長時間にわたってドリンクホルダの位置が運転者ないし同乗者に分かるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−164373号公報
【特許文献2】特開2010−153370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されているドリンクホルダによれば、ドリンクホルダに設けられた発光ダイオードがパルス的に発光するため、運転者ないし同乗者がドリンクホルダの位置を容易に確認することができる。しかしながら、LEDはドリンクホルダの外表面に形成されているため、LEDの発光強度が弱い場合にはLEDの指向性が強いためにドリンクホルダの飲料容器の載置位置が分かり難く、LEDの発光強度を強くすると、ドリンクホルダの飲料容器の載置位置が分かり易くなるが、運転者にとっては眩しく感じられるために車両の安全運転の妨げになる。このような問題点は、特にドリンクホルダに複数箇所の飲料容器の載置場所が形成されている場合には顕著に表れる。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的はLED等の点光源を使用しながらも、ドリンクホルダの複数箇所の飲料容器の載置位置がわかりやすく、しかも、運転者に眩しく感じられないようにして車両の安全運転の妨げとならないようにした照明装置及びこれを用いたドリンクホルダを提供することをと目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の照明装置は、
点光源と、複数の所定形状の照光部が互いに中間部材によって結合されたハウジングとを備える照明装置において、
前記ハウジングは、
前記複数の所定形状の照光部及び中間部材にわたって一体に形成された底面と、前記底面の周囲を囲むように立設された側面と、前記側面によって形成された開口と、前記開口を覆う放射側反射手段とを備え、
前記底面及び前記側面の内面はそれぞれ光を反射及び乱反射させる部材で形成されており、
前記放射側反射手段は、前記複数の所定形状の照光部に対応する位置では一部光を透過、反射及び乱反射する所定の反射率を有する反射部材で形成され、前記中間部材に対応する位置では光非透過性の反射部材で形成されており、
前記点光源は、前記ハウジングの前記中間部材に対応する位置の底面上又は前記放射側反射手段の内面上に設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明の照明装置においては、ハウジングの中間部材に対応する位置の底面上又は放射側反射手段の内面上には点光源が設けられているが、中間部材に対応する位置の放射側反射手段は光非透過性の反射部材で形成されているために光が外部に放射されない。それに対し、複数の所定形状の照光部に対応する位置の放射側反射手段は、一部光を透過、反射及び乱反射する所定の反射率を有する反射部材で形成されているため、光が外部に放射される。すなわち、本発明の照明装置においては、ハウジングの底面及び側面内面は光を反射及び乱反射させる部材で形成されているから、ハウジングの中間部材に対応する位置の底面上又は放射側反射手段の内面上に設けられている点光源からの光は、底面、側面及び放射側反射手段によって多重に反射及び拡散されて、複数の所定形状の照光部と対向する位置の放射側反射手段を経て外部に放射される。
【0009】
そのため、本発明の照明装置によれば、1つの点光源を用いて、中間部材に対応する位置では光を放射せず、複数の所定形状の照光部からのみ光を放射することができるようになるので、この複数の所定形状の照光部を照明手段として利用することができるようになる。なお、複数の所定形状の照光部の平面視の形状は、円形、楕円形、四角形、多角形等、任意の形状を採用することができる。また、この複数の所定形状の照光部から外部に放射される光は、指向性が弱いので、眩しく感じられることがない。
【0010】
また、本発明の照明装置においては、前記放射側反射手段は、前記中間部材に対応する位置から離間するに従って光透過量が大きくなる開口又はスリットが形成されていることが好ましい。
【0011】
本発明の照明装置においては、点光源からの光は、多重に反射及び拡散されて複数の所定形状の照光部と対向する位置の放射側反射手段を経て外部に放射される。そのため、放射側反射手段に中間部材に対応する位置から離間するに従って光透過量が大きくなる開口又はスリットが形成されていると、その開口又はスリットの形状及び大きさを適宜に設定することによって、複数の所定形状の照光部全体にわたって均一な明るさとなるようにすることができるようになる。
【0012】
また、本発明の照明装置においては、前記点光源は、1個のLED又は複数個のLEDの集合体で形成されているものを用いることができる。
【0013】
LEDは単一でも高輝度のものが得られるが、複数の所定形状の照光部の平面視の面積によっては単一のLEDでは輝度が足らなくなる間合いがある。本発明の照明装置によれば、単一のLEDでは輝度が足らない場合でも、複数個のLEDの集合体で形成されているものを用いることによって、所望の明るさを有する照明手段を得ることができるようになる。
【0014】
また、本発明の照明装置においては、前記ハウジングの前記底面の内面、前記側面の内面及び前記放射側反射手段の前記複数の所定形状の照光部に対応する位置は、それぞれ超微細発泡光反射部材で形成されていることが好ましい。
【0015】
超微細発泡光反射部材は光を多方向に散乱反射させることができる。そのため、本発明の照明装置によれば、複数の所定形状の照光部においてより均一な光強度となるようにすることができる。
【0016】
また、本発明の照明装置においては、前記底部と前記放射側反射手段との間の距離は、前記中間部材から離間するにしたがって小さくなるようになされているものとすることもできる。
【0017】
このような構成を採用すると、中間部材から離間した位置の底面に向かう光の割合が増加するので、複数の所定形状の照光部においてより均一な光強度となるようにすることができる。
【0018】
また、本発明の照明装置においては、前記複数の所定形状の照光部の前記放射側反射手段の外側表面は、光透過性のガラス又はプラスチックあるいは光透過性の拡散板で被覆されていることが好ましい。
【0019】
本発明の照明装置によれば、複数の所定形状の照光部の放射側反射手段の外側表面が光透過性のガラス又はプラスチックあるいは光透過性の拡散板で被覆されているため、放射側反射手段の表面及び照明装置の内部が汚れ難くなる。しかも、外部からの液滴やゴミ等が複数の所定形状の照光部側に付着することがあっても、これらの液滴やゴミ等は光透過性のガラス又はプラスチックあるいは光透過性の拡散板の表面に付着するので、清掃することにより容易に所定の明るさを回復することができるようになる。
【0020】
また、本発明の照明装置においては、前記複数の所定形状の照光部の前記放射側反射手段の外側表面は、所定模様の光不透過性部材又は光半透過性部材が配置されているものとしてもよい。
【0021】
本発明の照明装置によれば、光不透過性部材又は光半透過性部材で形成された所定模様を所定形状の照光部からの光により照らすことになるので、所定模様が浮き上がるように視認されるようになり、美観に優れた所定模様を表示することができるようになる。
【0022】
また、本発明の照明装置においては、前記放射側反射手段と前記底面との間には、透明固体部材が配置されていることが好ましい。
【0023】
本発明の照明装置によれば、放射側反射手段と底面との間に形成される空隙に透明固体部材が配置されているので、放射側反射手段の外部表面上にある程度質量が大きい物体を載せても透明固体部材は変形し難いため、強度の強い照明装置が得られる。なお、透明固体部材は、放射側反射手段と底面との間の全体にわたって設けても、あるいは、所定形状の照光部における放射側反射手段と底面との間にのみ設けてもよい。
【0024】
また、本発明の照明装置においては、前記ハウジングの前記中間部材に対応する位置の底面上には前記点光源が設けられており、前記放射側反射手段の前記中間部材に対応する位置の内面には先端が前記点光源と対向する位置となるように円錐状又は多角錐状の反射部材が配置されているものとしてもよい。
【0025】
このような構成を採用すると、点光源からの光は放射側反射手段側で内部に向かって良好に反射されるが、中間部材から離間した位置の底面に向かう光の割合が増加するので、複数の所定形状の照光部においてより均一な光強度となるようにすることができる。
【0026】
また、本発明の照明装置においては、前記ハウジングの前記中間部材に対応する位置の底面上には前記点光源が設けられており、前記放射側反射手段の前記中間部材に対応する位置の内面には複数個の凸状反射部材が形成されているものとしてもよい。
【0027】
このような構成を採用すると、点光源からの光は放射側反射手段側で内部に向かって良好に拡散反射されるため、複数の所定形状の照光部から外部に放射される光は、より指向性が弱くなるので、より眩しく感じられることがなくなる。
【0028】
さらに、上記目的を達成するため、本発明のドリンクホルダは、上記いずれかに記載の照明装置と、
前記照明装置の前記側面の高さよりも深い窪みが形成され、前記窪み内に前記照明装置が配置された外側ケースと、前記照明装置の前記中間部材に対応する位置の前記放射側反射手段上に配置された押え部材と、を備えることを特徴とする。
【0029】
本発明のドリンクホルダは、上述のいずれかの照明装置が外側ケースに形成された窪み内に配置され、この照明装置は押え部材によって外側ケース内に固定されている。そして、外側ケースに形成された窪みは照明装置の側面の高さよりも深いので、照明装置の複数の所定形状の照光部は外側ケースに形成された窪みの底側に位置し、また、照明装置の中間部材に対応する位置は押え部材が配置されている。
【0030】
そのため、本発明のドリンクホルダによれば、外側ケースに形成された窪みの底部で照明装置の複数の所定形状の照光部が発光するため、夜間走行時の運転者でも容易に飲料容器の載置位置を見出すことができるようになる。加えて、本発明のドリンクホルダで使用されている照明装置は指向性が弱いので、眩しく感じられることがなく、しかも、複数の所定形状の照光部はその上部に飲料缶が載置されると光が遮られるため、夜間走行時の運転者でも容易に空いている複数の所定形状の照光部、すなわち飲料缶を載置できる位置を見出すことができるようになる。
【0031】
また、本発明のドリンクホルダにおいては、前記押え部材の上部と前記外側ケースの上部とは同一面とされていることが好ましい。
【0032】
押え部材の上部と外側ケースの上部とが同一面とされていると、飲料容器を載置できる位置以外に凹凸がなくなる。そのため、本発明のドリンクホルダによれば、所定位置に飲料容器を載置しやすくなる。
【0033】
また、本発明のドリンクホルダにおいては、前記外側ケースには、車両のアームレスト又はエアコンの吹き出し口に取付るための取付手段が設けられているものとすることができる。さらに、本発明のドリンクホルダにおいては、前記外側ケースは、車両のドア内側、センターコンソール、インストルメントパネル、アームレストに直接固定又は内部から引き出し可能に取り付けられているものとすることができる。
【0034】
本発明のドリンクホルダによれば、外側ケースに所定の取り付け手段を設けることにより,或いは車両の所定の位置に直接固定又は内部から引き出し可能に取り付けるようにすることで、車両内の様々な場所にドリンクホルダを設置できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施形態に係る照明装置の分解斜視図である。
図2図1のII−II線に沿った断面図である。
図3図3A図3Eはそれぞれ変形例1〜変形例5の照明装置の図2に対応する部分の断面図である。
図4図4Aは2個の所定構造の照光部の形状が四角形の場合の放射側反射手段の平面図であり、図4Bは4個の円形の所定構造の照光部を備える場合の放射側反射手段の平面図である。
図5図5Aは実施形態2のドリンクホルダの斜視図であり、図5Bは同じく分解斜視図である。
図6】従来の面照明光源装置の斜視図である。
図7図6のVII−VII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための照明装置及びドリンクホルダを例示するものであって、本発明をこれらの照明装置及びドリンクホルダに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0037】
最初に、本発明の照明装置の動作原理の説明のため、上記特許文献2に開示されている面照明光源装置を図6及び図7を用いて説明する。なお、図6は特許文献2に開示されている面照明光源装置の斜視図であり、図7図6のVII−VII線に沿った断面図である。
【0038】
この面照明光源装置50は、1つ若しくは複数の集合体よりなるLED等の点光源51と、点光源51が中央部に固定された箱型のケーシング52と、ケーシング52の開口部に固定された光導通反射板53とを備えている。点光源51は、ここでは一つの発光素子あるいは複数の発光素子を有するLEDが用いられている。ケーシング52は、方形の底板54と、この底板54の4辺から一体に延出する4つの側板55と、開口とを有している。ケーシング52の底板54には中央に点光源51が設置されるための装着孔56が設けられている。なお、底板54は、面照明光源装置50の設置状態によっては天井面となることもあり、また側面となることもある。
【0039】
ケーシング52は、高い光反射率を有する材料、例えば光反射率98%、光透過率1%および光吸収率1%の特性を有する超微細発泡光反射板等の材料で形成されおり、ケーシング52の内壁面において点光源51からの光を高い光反射率で反射することができる。底板54とそれぞれの側板55の境界線には折り曲げ部57が形成されている。そして、それぞれの側板55を折り曲げ部57に沿って折り曲げ、角部58を互いに当接及び嵌合させることにより、ケーシング52が形成されている。
【0040】
ケーシング52の開口は光導通反射板53によって覆われ、光導通反射板53は開口側縁辺に固定される。この光導通反射板53は、点光源51の直上部分に中央光導通反射部60が設けられ、中央光導通反射部60の外周囲に外方光導通反射部61が設けられている。光導通反射板53は、弾性及び所定の肉厚を有し、また高い光反射率と低い光透過率を有する超微細発泡光反射部材等の材料で形成される。
【0041】
この面照明光源装置50としては、図7に示されるように、点光源51からの放射光束がそれぞれ矢印で示されるように、光導通反射板53に設けた中央光導通反射部60と外方光導通反射部61の作用により、略均一な光となって外部に放射されるものである。なお、より均一な光を求める場合には、光導通反射板53の外方に拡散板を設けることもある。これにより、点光源51からの光を高い光反射率で反射し、効率よく利用することができ、また点光源51の真上部分においても一定の光が透過するので、点光源51の真上部分が暗くなりすぎることがない。
【0042】
中央光導通反射部60の中央部は高光反射率に形成されており、点光源51から放射される強い光を反射し、さらにその反射光がケーシング52の内壁面及び光導通反射板53によって多重反射するようになっている。中央光導通反射部60の光反射率は、光学反射板材の選択、この材料の加工(例えば、ハーフ溝の形成や、板厚の調整など)によって適宜設定され、これによって、光を効率よく利用することができるようになる。
【0043】
中央光導通反射部60の周辺、すなわち外方光導通反射部61との境界部には小孔60aが設けられ、中央光導通反射部60に次いで光反射率を高くする一方で、一部の光を透過させるように設計されている。なお、この小孔60aはスリット、細溝などに代えることもできる。外方光導通反射部61には、円形の開孔61aが、光導通反射板53を垂直に貫通するよう、所定間隔で形成されている。開孔61aの孔径は中央光導通反射部60から外方へ離れるにしたがって徐々に大きくなるようになされている。
【0044】
このような構成の面照明光源装置50によれば、点光源51として指向性の強いLEDを用いても、光導通反射板53を通過して外方へ放出される光は光導通反射板53の全面に亘って均一化されるので、明るさのバラツキのない面照明光源装置50が得られるというものである。
【0045】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態に係る照明装置を図1図4を用いて説明する。なお、図1は第1実施形態に係る照明装置の分解斜視図であり、図2図1のII−II線に沿った断面図である。図3A図3Eはそれぞれ変形例1〜変形例5の照明装置の図2に対応する部分の断面図である。図4Aは2個の所定構造の照光部の形状が四角形の場合の放射側反射手段の平面図であり、図4Bは4個の円形の所定構造の照光部を備える場合の放射側反射手段の平面図である。
【0046】
この第1実施形態に係る照明装置10は、図6及び図7に示した従来の面照明光源装置の動作原理を利用したものであるが、その形状が大きく相違している。すなわち、第1実施形態に係る照明装置10は、2つの所定形状の照光部10a及び10bを備えており、この2つの所定形状の照光部10a及び10bには中間部材10cが存在している。
【0047】
この照明装置10は、底面11と、底面11の周囲を囲むように立設された側面12と、この側面12によって形成された開口を覆う放射側反射手段13とから形成されたハウジング14を備えている。このうち、ハウジング14の底面11の内面及び側面12の内面は、いずれも超微細発泡光反射部材で形成され、この部分に入射した光を拡散反射するようになされている。また、LED等の指向性の強い点光源16が中間部材10cに対応する位置の底面11のほぼ中央に設けられている。
【0048】
さらに、放射側反射手段13は、複数の所定形状の照光部10a、10bに対応する位置では、上述した従来の照明装置50の光導通反射板53と同様に、一部光を透過、反射及び乱反射する所定の反射率を有する超微細発泡光反射部材からなる光透過反射部材13aで形成されている。それに対し、中間部材10cに対応する位置では、上述した従来の照明装置50の中央光導通反射部60とは異なり、光非透過性の反射部材13bで形成されている。そして、光透過反射部材13aは、中間部材10cに対応する位置から離間するに従って径が大きくなる複数の開口15が形成されている。
【0049】
このような構成の照明装置10によれば、ハウジング14の中間部材10cに対応する位置の底面11上に設けられたLED等の点光源16から放射された光のうち、中間部材10cに対応する位置の放射側反射手段13に入射する光は、図2に示すように、この部分が光非透過性の反射部材13bによって形成されているため、全て内面側に反射されるため、外部に放射されない。
【0050】
また、光非透過性の反射部材13bによって反射された反射光はハウジング14の底面11の内面及び側面12の内面に入射することによって拡散反射され、さらに光非透過性の反射部材13bとハウジング14の底面11の内面及び側面12の内面との間で多重に反射及び拡散される。そして、複数の所定形状の照光部10a、10bに対応する位置の放射側反射手段13は、一部光を透過、反射及び乱反射する所定の反射率を有する反射部材13aで形成されていると共に開口15が形成されているので、この部分から光が外部に放射される。
【0051】
しかも、複数の所定形状の照光部10a、10bに対応する位置の放射側反射手段13に形成されている複数の開口15は、中間部材10cに対応する位置から離間するに従って径が大きくなるようになされている。そのため、複数の開口15の径を適宜調整することにより、上述した従来技術の面照明光源装置50の場合と同様に、複数の所定形状の照光部10a、10bに対応する位置の放射側反射手段13を経て外部に放射される光の光強度が均一となるようにすることができる。
【0052】
そのため、実施形態1の照明装置10によれば、1つの点光源16を用いて、中間部材10cに対応する位置では光を放射せず、複数の所定形状の照光部10a、10bからのみ光強度が均一な光を放射することができるようになるので、この複数の所定形状の照光部10a、10bを照明手段として利用することができるようになる。また、この複数の所定形状の照光部10a、10bから外部に放射される光は、指向性が弱いので、眩しく感じられることがない。
【0053】
[変形例]
上述の実施形態1の照明装置10では、LED等の点光源16をハウジング14の中間部材10cに対応する位置の底面11に設けるとともに、この中間部材10cに対応する位置の放射側反射手段13の光非透過性の反射部材13bの形状を平坦面とした例を示した。しかしながら、本発明の照明装置では、中間部材10cからは光を外部に放射しないので、中間部材10cに対応する位置の放射側反射手段13の内面に積極的に光を照明装置のない部に反射ないし拡散反射させる手段を形成してもよい。
【0054】
例えば、図3Aに示した変形例1の照明装置10Aのように、中間部材10cに対応する位置の放射側反射手段13の内面に先端が点光源16と対向する位置となるように円錐状又は多角錐状の反射部材17が配置されているものとしてもよい。この変形例1の照明装置10Aによれば、点光源16からの光は中間部材10cに対応する位置の放射側反射手段13側で内部に向かって良好に反射されるが、中間部材10cから離間した位置の底面に向かう光の割合が増加するので、複数の所定形状の照光部10a、10bにおいてより均一な光強度となるようにすることができる。
【0055】
また、図3Bに示した変形例2の照明装置10Bのように、中間部材10cに対応する位置の放射側反射手段13の内面に複数個の凸状反射部材18が形成されているものとしてもよい。この場合においても、点光源16からの光は放射側反射手段13に形成された複数個の凸部18によってで内部に向かって良好に拡散反射されるため、複数の所定形状の照光部10a、10bから外部に放射される光は、より指向性が弱くなるので、より眩しく感じられることがなくなる。
【0056】
また、上述の実施形態1の照明装置10では、図2に示したように、底面11が平坦面とされた例を示した。しかしながら、図3Cに示した変形例3の照明装置10Cのように、底面11が中間部材10cから離間するに従って底面11と放射側反射手段13との間の距離Lが短くなるように変形されているものとしてもよい。このような構成を備えた変形例3の照明装置10Cによれば、中間部材10cから離間した位置の底面11に向かう光の割合が増加するので、複数の所定形状の照光部10a、10bにおいてより均一な光強度となるようにすることができる。
【0057】
また、上述の実施形態1の照明装置10では、図2に示したように、放射側反射手段13と底面11との間に空隙が形成されている例を示した。このような構成であると、放射側反射手段13の外部表面上に外力が加わった場合ないし物体を載せた場合には放射側反射手段13が撓んでしまう可能性がある。しかしながら、図3Dに示した変形例4の照明装置10Dのように、少なくとも所定形状の照光部10a、1bに対応する位置において、放射側反射手段13aと底面11との間に透明固体部材19を配置すると、所定形状の照光部10a、1bに対応する位置の放射側反射手段13a上にある程度質量が大きい物体を載せても、透明固体部材は25変形し難いために放射側反射手段13aも変形せず、外部に耐えることができる照明装置10Dが得られる。なお、透明固体部材19は、放射側反射手段13と底面11との間の全体にわたって設けても、あるいは、所定形状の照光部10a、10bにおける放射側反射手段13aと底面との間にのみに設けてもよい。
【0058】
また、上述の実施形態1の照明装置10では、LED等の点光源16をハウジング14の底面11に設けた例を示した。しかしながら、図3Eに示した変形例5の照明装置10Eのように、点光源16を中間部材10cに対応する位置の放射側反射手段13の内面に形成しても、実施形態1の照明装置10と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
なお、実施形態1の照明装置10、変形例1〜5の照明装置10A〜10Eでは、放射側反射手段13が剥き出しのために表面が汚れやすく、しかも、放射側反射手段13には開口15が形成されているため、外部からの液滴やゴミ等が内部に入ってしまい、底面11及び側面12が汚れて性能低下が生じることがある。そのため、複数の所定形状の照光部10a、10bにおける放射側反射手段13の外側表面を光透過性のガラス又はプラスチックあるいは光透過性の拡散板(図示省略)で被覆してもよい。このような構成を採用すると、放射側反射手段13の表面及び照明装置10の内部が汚れ難くなり、しかも、外部からの液滴やゴミ等が光透過性のガラス又はプラスチックあるいは光透過性の拡散板の表面側に付着することがあっても、これらの液滴やゴミ等は容易に清掃できるので、容易に所定の明るさを回復することができるようになる。
【0060】
また、所定形状の照光部10a、10bにおける放射側反射手段13a上面若しくは内面に所定模様の光不透過性部材又は光半透過性部材(図示省略)を設けてもよい。このような構成を採用すると、光不透過性部材又は光半透過性部材で形成された所定模様を所定形状の照光部10a、10bからの光により照らすことになるので、所定模様が浮き上がるように視認されるようになり、美観に優れた所定模様を表示することができるようになる。
【0061】
また、実施形態1の照明装置10、変形例1〜5の照明装置10A〜10Eでは、2個の所定形状の照光部10a、10bの平面視の形状が共に円形状の例を示した。しかしながら、所定形状の照光部10a、10bの形状は、楕円形状でも、図4Aに示したような四角形状でも、さらには多角形状でもよく、当業者が用途に応じて任意に決定し得る。なお、図4Aにおいては、実施形態1の照明装置10、変形例1〜5の照明装置10A〜10Eと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
【0062】
さらに、実施形態1の照明装置10、変形例1〜5の照明装置10A〜10Eでは、所定形状の照光部の数が2個の場合を示したが、本発明の照明装置では所定形状の照光部の数は2個以上とすることもできる。例えば、4個の所定形状の照光部(10a〜10d)を設けた場合には、図4Bに示したような構成となるが、この場合であっても実施形態1の照明装置10の場合と同様の作用効果を奏することができる。なお、図4Bにおいては、実施形態1の照明装置10、変形例1〜5の照明装置10A〜10Eと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。また、実施形態1の照明装置10、変形例1〜5の照明装置10A〜10Eにおいては、点光源16へ給電するためのリード線は、図示省略したが、適宜ハウジング14内に溝ないし孔を形成することにより、容易に配置することができる。
【0063】
[実施形態2]
次に、実施形態2として、実施形態1の照明装置10を用いたドリンクホルダ20について、図5を用いて説明する。なお、図5Aは実施形態2のドリンクホルダの斜視図であり、図5Bは同じく分解斜視図である。
【0064】
このドリンクホルダ20は、実施形態1の照明装置10の側面12の高さよりも深い窪み21が形成された外側ケース22を有し、この外側ケース22に形成された窪み21内に上述した照明装置10が載置されている。そして、この照明装置10の中間部材10cに対応する位置は押え部材23によって外側ケース22内に固定されていおり、押え部材23の最上位の高さは外側ケース22の高さと同一となるようにされている。この場合、照明装置10の形状と外側ケース22に形成された窪み21の形状とは、窪み21内で照明装置10が動かないようにするため、少なくとも長さ方向の両端部で同一となるようにされていることが好ましい。
【0065】
このような構成のドリンクホルダ20によれば、外側ケース22に形成された窪み21は照明装置10の側面12の高さよりも深いので、照明装置10の複数の所定形状の照光部10a、10bは外側ケース22に形成された窪み21の底側に位置するようになり、窪み21は、照明装置10が挿入された状態で、側壁24が立設された状態となる。従って、実施形態2のドリンクホルダ20によれば、窪み21の底で照明装置10の所定形状の照光部10a、10bが発光するため、夜間走行時の運転者でも容易に飲料容器の載置位置を見出すことができるようになる。
【0066】
加えて、このドリンクホルダ20で使用されている照明装置10は指向性が弱いので、眩しく感じられることがなく、しかも、窪み21内に飲料缶が挿入されて複数の所定形状の照光部10a、10bの上部に飲料缶が載置されると、光が遮られるため、夜間走行時の運転者でも容易に空いている複数の所定形状の照光部10a、10b、すなわち飲料缶を載置できる位置を見出すことができるようになる。しかも、実施形態2のドリンクホルダ20によれば、押え部材23の上部と外側ケース22の上部とは同一面とされているので、飲料容器を載置できる位置以外に凹凸が無くなるため、所定位置に飲料容器を載置しやすくなる。
【0067】
なお、上記実施形態2に係るドリンクホルダ20においては、照明装置として実施形態1の照明装置10を用いた例を示したが、変形例1〜4の照明装置10A〜10Dを用いることもできる。また、実施形態2に係るドリンクホルダ20においては、車両に取り付けるための構成については説明を省略したが、周知の車両用ドリンクホルダのように、車両のアームレスト又はエアコンの吹き出し口に取付るための取付手段を外側ケース22に形成したり、或いは、車両のドア内側、センターコンソール、インストルメントパネル、アームレスト等に直接固定又は内部から引き出し可能にするための手段を外側ケース22に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10:照明装置
10a、10b:所定形状の照光部
10c:中間部材
11:底面
12:側面
13:放射側反射手段
13a:所定の反射率を有する光透過反射部材
13b:光非透過性の反射部材
14:ハウジング
15:開口
16:点光源
17:円錐状又は多角錐状の反射部材
18:凸状反射部材
19:透明固体部材
20:ドリンクホルダ
21:窪み
22:外側ケース
23:押え部材
24:(窪みの)側壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7