(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5668268
(24)【登録日】2014年12月26日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】簡易風呂気泡発生器
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
A47K3/00 F
A47K3/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2006-157593(P2006-157593)
(22)【出願日】2006年6月6日
(65)【公開番号】特開2007-325660(P2007-325660A)
(43)【公開日】2007年12月20日
【審査請求日】2009年4月9日
【審判番号】不服2011-25404(P2011-25404/J1)
【審判請求日】2011年11月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305060969
【氏名又は名称】石井 孝
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝
【合議体】
【審判長】
本郷 徹
【審判官】
住田 秀弘
【審判官】
中川 真一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−245990(JP,A)
【文献】
特開2000−166789(JP,A)
【文献】
特開2005−323819(JP,A)
【文献】
特開平3−75060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケツ1を浴槽10より高い場所へ位置し、バケツ1の内側を通ってバケツ1の底部を貫通または底部の穴にホース2をつなぎ足し、浴槽10の底まで長さが充分足りるホース2を通し、ホース2に貯留部の範囲内でホース先端湯取込口4と湯取込穴3を空気に触れる位置に空気穴5をそれぞれ数個小さく開け、ホース2の浴槽10側には湯泡吐出口6があることを特徴とする簡易風呂気泡発生器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風呂入浴中に水流と気泡により湯を攪拌し、温浴効果を助ける入浴用の簡易風呂気泡発生器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
気泡風呂はエアーポンプ、水流ポンプを使用し浴槽内に気泡を吹き出すものが主流であるが、高価な設備が必要であり、また気泡の吹き出し口が固定されるものは身体の部位によって気泡が当たらない部位があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
風呂入浴中に手軽に安価で気泡風呂を楽しめるようにし、風呂の湯を気泡や水流により攪拌し、身体全体または一部分を暖め温浴効果を助ける。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、安価なバケツ1とホース2を組み合わせることにより、手軽に簡易な入浴中の気泡風呂を楽しむことができ、また、ホース2の湯泡吐出口6を身体のどの部位にも近づけることができるため、身体全体または一部分を暖めることができる。
【0005】
実施例の補足説明
(あ)バケツ1の湯面からホース2の頂点までの距離をh1とする。
h1の説明:バケツ1の中に湯を汲み入れると、ホース2内には、大気圧の力で空気穴5から空気を抜きながらホース先端取込口4と湯取込穴3から湯が入りバケツ1内の湯面と同じ高さまで、(
図1にある空気穴5の位置から下がったホース2の左右ともに)湯を満たす。湯取込穴3と空気穴5がないと
図1の空気穴5から浴槽10に下がった右側のホース2の中は湯が入り込むところがないので空気が抜けず圧力が残り、バケツ1の湯面の高さまで上がらないが、本発明では、湯取込穴3と空気穴5があることで、バケツ1の湯が大気圧の力で押し上げたホース2内の圧力を空気穴5から抜くことができ、ホース2内の湯はバケツ1の湯面と同じ高さになる。したがって、h1はホース2の中に残った空気の高さである。
(い)湯取込穴3から出る湯がホース2へたまり浴槽10の湯面からたまった高さまでをh2とする。
h2の説明:バケツ1の中に湯を汲み入れると、湯取込穴3からホース2の中に湯が流れ込み浴槽10の湯面から上がり大気圧の力でバケツ1の湯面まで上がるが、圧力損失を考慮してh2を小さく見積り、浴槽の湯面から湯取込穴3までをh2とする。
(う)このときのホース2内の圧力の関係の条件1は
条件1:(h1に掛かる負圧力+空気穴5による圧力損失+湯取込穴3による圧力損失)よりh2に掛かる圧力のほうが大きいときに、空気穴5から空気を取り込みながら湯泡吐出口6へ湯が流れる。したがって、ホース先端取込口4から入る湯を湯面からh1の高さ分ホース2の頂点までh2に掛かる圧力(位置エネルギー)で引き上げたときに条件1は満たされる。
(え)条件1を満たしたときに浴槽10に気泡が混ざった湯が出る。h1が0より小さいときはホース2内に湯が充満するため
図1のh2に掛かる圧力の方が大きくなり明らかに条件1を満たすがh1が0より小さくなくてもある程度の湯をバケツ1に汲み入れると条件1を満たす。また一度流れが始まると、サイホン作用によりバケツ1の湯が少なくなり湯面が下がりホース先端取込口4から湯を吸い込めなくなるまでは気泡が混ざった湯が流れる。その後も湯取込穴3から湯が流れ、この時点からは気泡が混ざらないがバケツ1の湯は残らず浴槽10へ流れ出る。
実施例として、バケツ1を浴槽10より高い場所へ位置し、ホース2にホース先端湯取込口4と湯取込穴3、空気穴5をそれぞれ数個小さく開け、洗面器等を使用してこのバケツ1の上部から湯を貯留部へ汲み入れると、バケツ1の底部にある湯取込穴3から貯留部内の湯がホース2を通って浴槽10内の湯泡吐出口6へ湯が流れはじめ、その後流れの吐出力が働きサイホン作用によりホース先端湯取込口4から貯留部の湯が吸い込まれ、湯泡吐出口6へ流れ出し、湯が浴槽10へ流れ、同時に空気穴5から空気を取り込み湯泡吐出口6へ気泡の混ざった湯が出てくる、気泡と水流により浴槽10内の湯に小さい対流が発生し浴槽10内の湯を攪拌することにより簡易な気泡風呂を楽しむことができ、ホース2の湯泡吐出口6を身体のどの部位にも近づけることができるため身体全体、または一部分を暖めることができる。
【発明の効果】
【0006】
このようにバケツ1とホース2に数個小さな穴を開けたものを組み合わせることにより、バケツ1の上部から洗面器等数杯程度の湯を入れるだけで、ポンプ等の動力を全く使用せずに1回当たり数分間の簡易な気泡風呂を楽しむことができる。
【実施例】
【0007】
以下発明の実施例を図面について説明する、
図2の如く、浴槽の上に安定に置けるように三角コーナー状で高さがあるバケツ1を用意し、またホース2は透明なものを使用して、湯や気泡が見えるようにした。
【0008】
バケツ1の貯留部の上部に浴槽10内の湯を洗面器で汲み入れ、ホース2の湯取込穴3から湯がホース2内に入り浴槽10の方向へ流れ始めた、数秒後に湯泡吐出口6から気泡の混ざった湯が浴槽内に出始めた。
【0010】
1 バケツ
2 ホース
3 湯取込穴
4 ホース先端湯取込口
5 空気穴
6 湯泡吐出口
7 底部高低差
10 浴槽