【実施例】
【0030】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〜6および比較例1〜8〕
シャンプー組成物として表1に示すシャンプーを調製した後、水で希釈したものを、下記の方法により評価を行った。その結果を表1に示す。なお、下記表記中の%とあるのは、質量%を意味する。各シャンプー組成物は、クエン酸によりpHを5.0に調整した。
【0031】
(1)低温安定性
各シャンプー組成物を5℃の恒温槽に入れ1週間静置する。静置後、目視にて下記の基準で評価した。◎または○であれば、低温安定性が良好であると判断する。
◎:組成物が完全に透明である。
○:組成物がほぼ透明、あるいはやや白濁している。
×:組成物が白濁、固化したり、沈殿を生じている。
【0032】
(2)ハンドリング性(原液時の粘度)
各シャンプー組成物を原液時の粘度を測定し、下記の基準で評価した。粘度は、B型粘度計を用いて測定した。○であれば、ハンドリング性が良好であると判断する。
○:粘度が100mPa・s以上3000mPa・s未満のとき
×:粘度が100mPa・s未満、あるいは3000mPa・s以上のとき
【0033】
(3)4倍希釈時の粘度
各シャンプー組成物を4倍量の水で希釈した時の粘度を測定し、下記の基準で評価した。粘度は、B型粘度計を用いて測定した。○であれば、水で希釈した際の使用性が良好であると判断する。
○:粘度が2000mPa・s以上6000mPa・s未満のとき
×:粘度が2000mPa・s未満、あるいは6000mPa・s以上のとき
【0034】
(4)泡立ち
20人の男女(24〜47才)をパネラーとして、4倍に希釈した各シャンプー組成物を使用してもらい、泡立ちについて下記の基準で判定してもらった。
2点:泡立ちが良いと感じた場合。
1点:やや泡立ちが悪いと感じた場合。
0点:明らかに泡立ちが悪いと感じた場合。
20人の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたモニターがいない:泡立ちが良好なシャンプー組成物である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:泡立ちがおおむね良好なシャンプー組成物である。
△:合計点が20点以上30点未満:泡立ちがやや良好なシャンプー組成物である。
×:合計点が20点未満:泡立ちが悪いシャンプー組成物である。
【0035】
(5)泡質
20人の男女(24〜47才)をパネラーとして、4倍に希釈した各洗浄剤組成物を使用してもらい、泡質について下記の基準で判定してもらった。
2点:泡質が良いと感じた場合。
1点:やや泡質が悪いと感じた場合。
0点:明らかに泡質が悪いと感じた場合。
20人の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたモニターがいない:泡質が良好なシャンプー組成物である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:泡質がおおむね良好なシャンプー組成物である。
△:合計点が20点以上30点未満:泡質がやや良好なシャンプー組成物である。
×:合計点が20点未満:泡質が悪いシャンプー組成物である。
【0036】
(6)洗髪時およびすすぎ時の指通り性
20人の男女(24〜47才)をパネラーとして、4倍に希釈した各シャンプー組成物で洗髪してもらい、洗髪時およびすすぎ時の感触について下記の基準で判定してもらった。
2点:指通りがスムーズで髪がひっかからないと感じた場合。
1点:髪ややや指にひっかかると感じた場合。
0点:指通りが非常に悪いと感じた場合。
20人の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたモニターがいない:洗髪時およびすすぎ時の指通り性が良好なシャンプー組成物である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:洗髪時およびすすぎ時の指通り性がおおむね良好なシャンプー組成物である。
△:合計点が20点以上30点未満:洗髪時およびすすぎ時の指通り性がやや良好なシャンプー組成物である。
×:合計点が20点未満:洗髪時およびすすぎ時の指通り性が悪いシャンプー組成物である。
【0037】
(7)乾燥後のまとまり性
20人の男女(24〜47才)をパネラーとして、4倍に希釈した各シャンプー組成物で洗髪してもらい、乾燥した後の髪のまとまり性について下記の基準で判定してもらった。
2点:まとまりに優れていると感じた場合。
1点:まとまりがやや得られると感じた場合。
0点:まとまりが得られないと感じた場合。
20人の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたモニターがいない:乾燥後のまとまり性が良好なシャンプー組成物である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:乾燥後のまとまり性がおおむね良好なシャンプー組成物である。
△:合計点が20点以上30点未満:乾燥後のまとまり性がやや良好なシャンプー組成物である。
×:合計点が20点未満:乾燥後のまとまり性が悪いシャンプー組成物である。
【0038】
【表1】
【0039】
※1 「シノリンSPE−1200K」(新日本理化株式会社製) 表中の数字は「シノリンSPE−1200K」に含まれる成分A−1の含有量を表す。(シノリンSPE−1200K中約25%)
〔A−1は式1において、R
1:C12、C14のアルキル基、 M
1:ナトリウム、 n=2〕
※2 「パーソフトEF」(日油株式会社製) 表中の数字は「パーソフトEF」に含まれる成分A−2の含有量を表す。(パーソフトEF中約25%)
〔A−2は式1において、R
1:C12、C14のアルキル基、 M
1:ナトリウム、 n=3〕
※3 「パーソフトEFT」(日油株式会社製) 表中の数字は「パーソフトEFT」に含まれる成分A−3の含有量を表す。(パーソフトEFT中約36%)
〔A−3は式1において、R
1:ラウリン酸残基、 M
1:トリエタノールアミン、 n=3〕
※4 「スタホームDL」(日油株式会社製)
〔A−4は式2において、R
2CO:C12、C14のアルキル基、 R
3:−C
2H
4OH〕
【0040】
※5 「ニッサンアノンBDF−R」(日油株式会社製) 表中の数字は「ニッサンアノンBDF−R」に含まれる成分C−1の含有量を表す。(ニッサンアノンBDF−R中約30%)
〔A−5は式3において、R
4CO:ヤシ油脂肪酸残基、 R
5:メチル基、 R
6:メチル基、 n=3〕
※6 「ニッサンアノンBL」(日油株式会社製) 表中の数字は「ニッサンアノンBL」に含まれる成分C−2の含有量を表す。(ニッサンアノンBL中約35%)
〔A−6は式4において、R
7:C12のアルキル基、 R
8:メチル基、 R
9:メチル基〕
※7 塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、「カチナールLC−100」(東邦化学工業株式会社製)
※8 アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、「マーコート3331」(ナルコ・ジャパン株式会社製)
【0041】
実施例1〜5より、本発明のシャンプー組成物はいずれも原液においてハンドリング性や低温安定性が良く、また水で希釈した際には、粘度上昇により使用性が良く、泡立ちや泡質に優れ、かつ、洗髪時やすすぎ時の指通り性が良く、乾燥後にきしまず滑らかで、まとまり性のあるといった効果が得られていた。一方、比較例1〜8では十分な性能が得られていない。
【0042】
比較例1では、(D)成分が配合されていないことから、泡質が不十分であった。比較例2では、(B)成分の配合量が本発明規定の下限値を下回っており、かつ、(A)成分の含有量が(B)成分の含有量を超えていることから、4倍希釈時の粘度が低く、泡立ちや泡質が不十分であった。比較例3では、(B)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えていることから、原液時のハンドリング性や低温安定性が悪く、また泡立ちや洗髪時およびすすぎ時の指通り性、乾燥後のまとまり性が不十分であった。比較例4では、(E)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えていることから、泡立ちが不十分であった。比較例5では、(D)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えていることから、低温安定性が悪く、洗髪時およびすすぎ時の指通り性が不十分であった。比較例6では、(A)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えており、かつ、(A)成分の含有量が(B)成分の含有量を超えていることから、4倍希釈時の粘度が低く、泡質や洗髪時およびすすぎ時の指通り性、乾燥後のまとまり性が不十分であった。比較例7では、(A)成分の配合量が本発明規定の下限値を下回っており、かつ、(C)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えていることから、4倍希釈時の粘度が低く、泡立ちや泡質、洗髪時およびすすぎ時の指通り性や乾燥後のまとまり性が不十分であった。比較例8では、(C)成分と(E)成分が配合されていないことから、泡立ちや泡質が不十分であった。